JPH0716263Y2 - サンド付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は碍子の金具接着部へのサンド付けに使用される
サンド付け装置に関するものである。

（従来の技術） 碍子の金具接着部にはセメントによる碍子と金具との接
合強度を高めるためにサンドと呼ばれる磁器の粉砕整粒
物が接合釉薬により付着させてある。

従来、このサンド付けは付け釉と呼ばれる釉薬を碍子の
金具接着部、例えば懸垂碍子においては碍子の金具接着
部に塗布したうえ、第２図に示すように空気圧によりサ
ンドを吹き付ける形式のノズル（15）により行われてい
た。このノズル（15）は上方のタンク（16）からパイプ
（17）を通じて自然落下するサンドを空気管（18）から
の空気圧により飛ばすもので、その全体はシリンダ（1
9）等により周期的に上下動され、碍子の金具接着部の
上下方向に所要の幅にわたってサンドを吹き付ける構造
となっていた。

しかしこのような従来のサンド付け装置は、空気圧によ
るサンドの吐出量の調整が難しいこと、サンドの吐出量
が不均一となり易く特に空気のオンオフの際に吐出量の
ばらつきが大きいこと、従って安全を見て多量のサンド
を吐出する必要があり、碍子に付着できずに落下して回
収される戻りサンド量が多いこと、ノズルの上下動装置
にサンドが噛み込み損傷し易いこと、上下動のピッチの
調整が困難であること等の問題があり、メンテナンスに
手数がかかるうえ、生産品種の変更の際には新しい品種
に合わせてサンド付けの条件を設定するのに手数がかか
る問題があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記した従来の問題点を解消して、サンドの吐
出量の制御が容易であって均一にサンドを付着させるこ
とができ、また生産品種の変更が短時間でできるうえ戻
りサンド量を削減することもできるサンド付け装置を提
供するために完成されたものである。

（課題を解決するための手段） 上記の課題を解決するためになされた本考案は、複数の
サンドシュートを、その下端を金具接着部に対応する上
下方向に並べ、上端を水平方向に並べて湾曲ノズルを構
成し、この湾曲ノズルの下端を碍子金具接着部に接近さ
せて配置するとともに、湾曲ノズルの上端に各サンドシ
ュートへサンドを定量供給できるフィーダを設けたこと
を特徴とするものである。

以下に本考案を図示の実施例によって更に詳細に説明す
る。

（実施例） 第１図は本考案の実施例を示すもので、（１）は垂直軸
の回りに回転される碍子、（２）はその金具接着部であ
る金具接着部、金具接着部（２）の外周面には前工程に
おいて付け釉が塗布されている。

（３）は複数のサンドシュート（４）からなる湾曲ノズ
ルである。この湾曲ノズル（３）は断面が角型で内面が
平滑な複数のサンドシュート（４）をその下端が金具接
着部（２）に対応して上下方向に一列に並び、その上端
が水平方向に一列に並ぶようにひねった形状として集合
させたものである。そしてこの湾曲ノズル（３）の下端
は金具接着部に対応してほぼ水平方向にサンドを吐出す
るための吐出口（５）とされ、湾曲ノズル（３）の上端
はサンド受入口（６）とされている。なお実施例では湾
曲ノズル（３）を構成するサンドシュート（４）は４本
とされているが、碍子金具接着部のサンド付け幅に対応
してその本数を適宜変更してもよい。

（７）はこの湾曲ノズル（３）の上方にほぼ水平方向に
設けられたフィーダである。このフィーダ（７）は湾曲
ノズル（３）を構成する各サンドシュート（４）の上端
のサンド受入口（６）にサンドを定量供給するためのも
のであり、実施例では振動フィーダが使用されている。
そしてその基部の上方にはサンドホッパ（８）が設置さ
れ、複数本のゴムパイプ（９）を介してサンドホッパ
（８）内のサンドをサンド受入口（６）に供給してい
る。なお、サンドホッパ（８）の全体の高さはネジ（1
0）により調節することができるとともに、各ゴムパイ
プ（９）の下端とフィーダ（７）の表面との間の距離も
個別に調節することができ、これによってサンドホッパ
（８）からフィーダ（７）に供給されるサンドの量を調
整している。また（11）はサンドホッパ（８）へサンド
を供給するためのサンドタンクである。

（作用） このように構成された本考案のサンド付け装置を用いて
碍子（１）の金具接着部（２）にサンド付けを行うに
は、予め金具接着部（２）の外周に付け釉が塗布された
碍子（１）をその垂直軸のまわりに回転させながら、サ
ンドホッパ（８）からフィーダ（７）へサンドを供給
し、フィーダ（７）によりサンドを移送して湾曲ノズル
（３）の上端の各サンド受入口（６）にサンドを定量供
給する。このようにサンド受入口（６）に供給されたサ
ンドは湾曲ノズル（３）を構成する各サンドシュート
（４）の内部を自重により滑り落ち、その勢いによって
湾曲ノズル（３）の下端の吐出口（５）から水平方向に
飛び出して碍子（１）の金具接着部（２）に付着する。

この結果、湾曲ノズル（３）の下端の上下方向に並んだ
複数の吐出口（５）からサンドが同時にほとんど同一速
度で水平に飛び出して碍子（１）の金具接着部（２）に
付着するので、金具接着部（２）の上下に均一な量のサ
ンドを迅速に付着させることができ、しかも湾曲ノズル
（３）は従来のノズルのように上下に動かす必要もない
ので故障のおそれも全くない。この結果、碍子一個当た
りのサンド付けに要する時間を従来の半分以下とするこ
とができる。

また湾曲ノズル（３）に供給されただけのサンドがその
まま碍子（１）の金具接着部（２）に向かって飛び出す
ので、フィーダ（７）及びサンドホッパ（８）によって
サンドの送り量を制御すれば容易に吐出量の調節ができ
るとともに、フィーダ（７）を停止すれば直ちにサンド
の吐出を停止することができ、従来のように吐出開始時
や吐出停止時にサンドの吐出量が不均一になることもな
い。

このように本考案の装置によれば、正確に制御された量
のサンドを碍子（１）の金具接着部（２）に向かって吐
出させることができるので、従来のように余分のサンド
を吐出する必要もなくなり、回収される戻りサンドの量
を従来に比較して約1/3まで減少させることができる。
更に本考案によればサンドの吐出量を容易に制御できる
ので、生産品種の変更の際にも新しい品種に適した設定
に直ちに変更することができる。

（考案の効果） 以上に説明したように、本考案のサンド付け装置は特殊
な構造の湾曲ノズルとこの湾曲ノズルの上端にサンドを
定量供給するフィーダとを組み合わせたことにより、サ
ンドの吐出量の制御が容易となって均一かつ迅速に碍子
の金具接着部にサンドを付着させることができ、また生
産品種の変更が短時間でできるうえ戻りサンド量を削減
することもできる等の効果を発揮するものである。

よって本考案は従来の問題点を解消したサンド付け装置
として、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図は従来例
を示す一部切欠正面図である。 （１）：碍子、（２）：金具接着部、（３）：湾曲ノズ
ル、（４）：サンドシュート、（７）：フィーダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のサンドシュート（４）を、その下端
   を金具接着部に対応する上下方向に並べ、上端を水平方
   向に並べて湾曲ノズル（３）を構成し、この湾曲ノズル
   （３）の下端を碍子（１）の金具接着部（２）に接近さ
   せて配置するとともに、湾曲ノズル（３）の上端に各サ
   ンドシュート（４）へサンドを定量供給できるフィーダ
   （７）を設けたことを特徴とするサンド付け装置。