JPH071624A - 繊維強化プラスチック板及びその製造法 - Google Patents

繊維強化プラスチック板及びその製造法

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JPH071624A
JPH071624A JP5169770A JP16977093A JPH071624A JP H071624 A JPH071624 A JP H071624A JP 5169770 A JP5169770 A JP 5169770A JP 16977093 A JP16977093 A JP 16977093A JP H071624 A JPH071624 A JP H071624A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明のものは、FRPと他の樹脂とを積層
してパネル構造体とするとき、強力に前記樹脂層と結合
して一体化すると共に該樹脂層も補強することができる
FRPを提供する。 【構成】 本発明の構成は、FRPの基材樹脂に対する
溶解度の大なる集束剤で処理されたガラス繊維を基盤上
に敷設し、その上に溶解度の小なる集束剤で処理された
ガラス繊維を敷設し、これに基材樹脂を含浸後、その上
面をフイルムで覆って該基材樹脂を硬化させた後、基盤
から脱型して片面が平滑面、他方の片面が粗面であるF
RPをうるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維強化プラス
チック、特にサンドイッチ構造のパネルの表面用板材と
して好適な片面が平滑面、他方の片面が巣状粗面である
ガラス繊維強化プラスチック(以下FRPという)及び
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、FRP板を用いた積層構造体
として、例えば、該FRP板間に、ウレタン樹脂等を注
入発泡させたサンドィッチパネル等が使用されている。
しかしながら、このような構造体はFRPと中間層の発
泡体との強度比が大きいため、これらパネルに局部的に
曲げやせん断の外力が加わった場合、FRP板と発泡体
との界面における剥離もしくは界面近傍の発泡体が破断
が生じやすい欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この改良のために、従
来、FRPの片表面をサンディング処理、ブラスト処理
等で粗面にする方法、片面が凹凸面となるハンドレイア
ップ成形法等で得られたFRPが採用されている。しか
しながら、工程数が増加する上、さして効果が上らない
欠点があった。かかる現状にかんがみ本発明者等は、鋭
意研究の結果FRP板を改良し、積層構造体の成形時に
該FRP板中のガラス繊維を芯材たる発泡体と共有させ
ることにより、従来のサンドイッチパネルにおける前記
のような問題点が解決される知見を得、本発明に至っ
た。本発明の目的は上記のようなサンドイッチ構造のパ
ネルを作成する際の問題点を解決したFRP及びその製
造方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のFRP板は、上
記の目的を達成するため、一方の面は強化繊維の構成単
位が基材樹脂と一体となつて平滑面を形成し、他方の面
は強化繊維の構成単位が樹脂と一体となって平滑面を形
成することなく、繊維状で単独で存在し、かつその構成
単位がプラスチック板本体の板厚方向に複数の段を形成
している粗面に構成したものである。
【0005】本発明のFRP板を得るには、基盤上に、
基材樹脂に対する溶解度の大なる集束剤で処理されたガ
ラス繊維を敷設し、その上部に基材樹脂に対する溶解度
の小なる集束剤で処理されたガラス繊維を敷設した後、
該繊維層に所定量の基材樹脂を含浸し、その上部を凹凸
加工したフイルムで覆って樹脂を硬化せしめた後、基盤
から脱型させる方法が好ましい。
【0006】本発明のFRP板は、例えば、樹脂とし
て、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェーノー
ル等の液体の熱硬化性樹脂、もしくは、これら樹脂に炭
酸カルシウム、ガラスバルーン等の骨材を配合させたも
のがあげられ、また強化用繊維としては、ガラス、カー
ボン、ポリエステル等の材質で、チョプドストランド、
チョプドスランドマツト、コンティニィアスフィラメン
トマット、不織布、クロス、ロービンングクロス等の形
状のもので構成されたものなどがあげられる。ただし、
本発明でいう粗面が片面に形成されていることが必要な
ため、当該粗面側において使用される強化繊維は、チョ
ップドストランド、チョプドスランドマット、コンティ
ニィアスフィラメントマットである必要がある。さらに
は、該粗面側の強化繊維の構成単位はストランドである
ことが好ましく、かかるためにも樹脂に対して溶解度の
小さい集束剤で処理されたものが好ましい。クロス、ロ
ービングクロス等の平面状織物は、当該粗面を形成しな
いので粗面側には使用できない。
【0007】本発明において前記片面に形成される粗面
は、FRPの表面に位置するチョップドストランド、チ
ョップドストランドマツト、コンティニュアスフィラメ
ントマット等のガラス繊維の構成単位であるストランド
が、樹脂マトリックス中に包含されてしまうのでなく、
単独の繊維状の形で独立して板厚方向に複数の段を形成
して存在している状態をなしており、いわゆる巣と表現
される状態をいう。ここで、ガラス繊維の各構成単位
は、FRP表面から容易に脱落してはいけない為、その
一部分は必ず樹脂で濡れており、その硬化した樹脂でF
RPとつながつていることが必要である。
【0008】本発明で得られる強化プラスチックの断面
を摸式的に図1に示す。実際には、ガラス繊維は複雑な
絡み方をして分散分布しているが、ここではガラス繊維
の構成単位が規則的に直交し、かつ、きれいな層状に数
層重なっている摸式図で表現した。ここで、Aはガラス
繊維のストランドなる構成単位、Bは樹脂、Cはほぼ連
続的に形成された上面側の樹脂の表面、Dは下面側の樹
脂表面、その上面に巣状部Eが形成されている。Fはそ
の内部に形成された空気層である。比較として、同様な
摸式図にて、通常の平滑面を有するFRPの断面を図2
に、通常のハンドレイアップ成形法やサンディング処理
で得られる強化プラスチックの断面を図3に示す。ここ
で、それぞれAはガラス繊維の構成単位、Bは樹脂、C
´及びC´´は連続的に形成された上面側の樹脂の表
面、Dは下面側の樹脂表面である。
【0009】樹脂に対する溶解度の小なる集束剤で処理
されたガラス繊維とは、通常溶解度が50%以下の集束
剤で処理されたものであり、チョップドストランド、チ
ョップドストランドマット、コンティニュアスフィラメ
ントマット等の嵩高な形状がえられるものが使用しう
る。この場合、ガラス繊維はほとんどフィラメントまで
に解繊しないため、ストランドの形態なる構成単位で存
在することになる。クロス、ロービングクロス等の平面
状織物は、本発明でいう巣状粗面を形成しにくいので、
あまり適さない。樹脂に対する溶解度は、FRPを構成
するガラス繊維と樹脂の使用比率、集束剤の繊維への付
着量及び集束剤の樹脂に対する溶解速度と樹脂の硬化速
度との関係等により変動する為、一律に限定できる性格
のものでないが、少なくとも50%以下のものであれば
使用しうる。ここでいう溶解度とは、繊維に付着されて
いる集束剤と、繊維を樹脂に十分な時間浸漬した後の樹
脂に溶解した集束剤の割合を意味する。
【0010】樹脂に対する溶解度の大なる集束剤で処理
されたガラス繊維とは、溶解度が通常50%以上の集束
剤で処理されたものであり、チョップドストランド、チ
ョップドストランドマット、不織布なる形状のものが使
用しうる。この溶解度も、FRPを構成するガラス繊維
と樹脂の使用比率、集束剤の繊維への付着量及び集束剤
の樹脂に対する溶解速度と樹脂の硬化速度との関係等に
より変動する為、一律に限定できる性格のものでない
が、少なくとも50%を超えるものであれば使用しう
る。
【0011】ここで、樹脂に対する溶解度の小なる集束
剤で処理されたガラス繊維層と樹脂に対する溶解度の大
なる集束剤で処理されたガラス繊維層との2層を併用す
ることについて説明する。樹脂に対する溶解度の小なる
集束剤で処理されたガラス繊維だけを使用して、本発明
に類似した粗面を有するFRPを得ることは可能であ
る。しかしながら、この場合通常、粗面は両面に形成さ
れてしまう。ときには下側の面がかかる粗面まで至らな
いにしても気泡、巣の多発した状態の平滑面であって、
本発明の意図する平滑面は得られず強化プラスチックと
しての価値がない。これは、ガラス繊維が嵩高を維持す
る力が強いため、かかるガラス繊維間を充足するための
樹脂量が不足し、外部より空気を取り込む結果、上側の
面のみならず下側の面も巣状、もしくは、巣の発生した
平滑面になるものである。すなわち、この外部よりの空
気の取り込みが下層まで及ぶためであり、これに抗す為
に樹脂に対する溶解度の大なる集束剤で処理されたガラ
ス繊維を下層に用いることが重要である。
【0012】かかるため、上層に用いるガラス繊維と下
層に用いるガラス繊維の使用比率は、特に限定されるも
のではないが、少なくとも下層に用いるガラス繊維は1
0%以上であることが好ましい。本発明は、当該溶解度
の異った2種のガラス繊維を上下層に併用することが必
要であり、従って、他の目的で当該2層間もしくは2層
のさらに下層にクロス、ロービングクロス等の織物形状
のガラス繊維を併用することもある。
【0013】樹脂とガラス繊維の構成比について説明す
る。繊維強化プラスチックは、使用するガラス繊維形状
により適切な樹脂とガラス繊維の構成比の範囲がある
が、固体である繊維以外の空間を液状の樹脂で充填せし
めたものである。したがって、かかる空間と同等以上の
体積の樹脂量を使用すれば、両面が平滑面を有するもの
がえられうる。逆に、かかる空間よりもかなり小さい体
積の樹脂量を使用すれば、本発明でいう巣状粗面が形成
できるはずである。しかしながら、得られるFRPは、
通常、気泡を内部に大量に包含した両面が粗面を有する
ものとなり、樹脂とガラス繊維の構成比だけをコントロ
ールして本発明でいう粗面を安定して得ることは困難で
ある。本発明においても、巣状粗面と平滑面を同時に得
るためには、樹脂とガラス繊維との構成比は全く無関係
な因子とはいえないが、かかる構成比が限定されるもの
ではなく、通常のFRPに適用されている構成比が適用
できる。
【0014】本発明のFRPの製造に当って用いる基盤
は、フイルム、ガラス板、樹脂型、金属型等の通常にガ
ラス繊維強化プラスチックを製造する際に使用されるも
のが適用できる。これらの基盤上でFRPは積層硬化さ
れるが、樹脂が硬化するまでの期間、樹脂に含有される
モノマー類の飛散防止、異物の付着防止等のために上面
をフイルムで覆うことが好ましい。フイルムとしては、
スムースフラットなるものを使用しうるが、フイルム下
面に沿って樹脂膜の形成が時として起こる場合がある。
この場合、FRPの表面に樹脂膜による平滑面が部分的
に形成される結果、巣状粗面部の割合が減少してしま
う。したがって凹凸加工してあるフイルムを使用するこ
とにより、フイルム下面に沿った樹脂膜の形成を防止で
きる。凹凸柄として、凹凸度の大きい接地面積の小さい
ものが好ましく、例えばピラミッド柄等好ましい。当該
フイルムは、樹脂が硬化後FRPより離型剥離される。
かかるフイルムを使用した成形として、通常のハンドレ
イアップ成形法、連続成形法等の成形法が適用できる。
【0015】本発明のFRPで使用できる樹脂としては
前記したように不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂等の液状の熱硬化型樹脂があげら
れるが、さらにには、樹脂単独のみならず、炭酸カルシ
ウム、ガラスバルーン等の骨材を配合したものでもよ
い。また、このような樹脂に対して溶解度の大なる集束
剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂
等、小なる集束剤としては、架橋型ポリ酢酸ビニル、ウ
レタン樹脂等があげられる。
【0016】本発明のFRPを用いて得られるパネル構
造体は、その強化繊維によって液状樹脂硬化物をも繊維
強化すると共に、該樹脂に対する顕著なアンカー効果を
発現させ、芯材板材との界面近傍の強度をカバーするも
のであり、特に芯材に発泡樹脂を用いる場合この効果は
大きい。かかる効果を十分に発揮させるためには、粗面
を形成する強化繊維の構成単位の段が多いことが好まし
い。さらには、単独の形状で存在する強化繊維の構成単
位が板材の面方向に対して垂直より水平となっている方
が好ましい。また、かかる強化繊維は、樹脂で濡れてい
ることに限定されるものではないが、板表面から容易に
脱落してはいけないため、繊維の一部は必ず樹脂で濡れ
ていて、かかる樹脂が硬化してFRP板に固定されてい
ることが必要である。かかるFRP、例えばガラス繊維
強化不飽和ポリエステル板の場合は、連続パネル成形機
にて樹脂量とガラス繊維の比、ガラス繊維の選択、含浸
作業のコントロールを行うことにより、得ことができ
る。
【0017】液状樹脂硬化物としては、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂等の液状樹脂をそれぞれ所定の方法で発
泡硬化させたもの、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、フェノール樹脂等の単独、あるいは骨材等
を充填させたものを硬化させたものなどがあげられる。
本発明のFRP板間で液状樹脂を硬化させることによ
り、液状樹脂がFRP板の粗面の空隙に侵入充填すると
ともに、自らもFRP板に存在する繊維で強化される。
したがって液状樹脂は、粗面を内側にしたFRP板間で
充填、硬化させることが必要である。本発明の実施例及
び比較例を示す。
【0018】
【実施例1】フイルムの上に硬化剤を添加した不飽和ポ
リエステル樹脂FH123(大日本インキ化学工業製)
を塗布し、その上にガラス繊維としてロービングER2
310IHN85(旭ファイバーグラス製、集束剤、ポ
リ酢酸ビニル、エポキシ樹脂の溶解度80%)を2イン
チ長に切断したチョップドストランドA′を散布し、次
に、ロービングER2310MD495A(旭ファィバ
ーグラス製、集束剤、架橋型ポリ酢酸酢酸ビニルの溶解
度45%)を2インチ長に切断したチョップドストラン
ドAを散布した。この時、IHN85とMD495Aと
の使用重量比を40:60、樹脂とガラス繊維の使用重
量比を65:35とした。ガラス繊維の上より含浸ロー
ラーをかけ、ガラス繊維の上層部まで樹脂が到達する程
度の含浸を行なった後、その上部にピラミッド形状に凹
凸加工されたフイルムを覆い樹脂を硬化させた。得られ
たFRP板は、上面は図1のC〜Eに示すような巣状の
粗面であり、下面Dに示すように気泡、巣のない平滑面
であった。
【0019】
【比較例1】実施例と同様にして、ロービングER23
10IHN85のチョップドストランドのみを使用して
FRPを作製した。得られた強化FRPは、両面共、図
2にC´,Dで示すような気泡、巣のない平滑面であっ
た。
【0020】
【比較例2】実施例と同様にして、ロービングER23
10MD495Aのチョップドストランドのみを使用し
てFRPを作製した。得られたFRPは上面は図1に示
すような粗面であるが、下面は気泡、巣のある平滑面で
あった。
【0021】
【実施例2】FRPとして、繊維長50mmのチョップ
ドストランドガラス(旭ファイバーグラス株式会社製、
ロービングER2310MD495Aをチョップしたも
の)及び不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工
業株式会社製、FH123)を用い、片側面が図1に示
されるような粗面となるように、ガラス含有率35wt
%、厚み1.5mmのFRP板を2枚調製した。当該の
粗面側が向き合うように配置し、この間にウレタン樹脂
(大日本インキ化学工業株式会社製、RP968/SP
1225)を注入発泡し、比重0.3の発泡体を芯材と
する厚み12mmの3層構造のパネルを調製した。当パ
ネルから切り出した試験片の曲げ強さ、曲げ弾性率、ア
イゾット衝撃試験機による剥離強さを表1に示す。
【0022】
【比較例3】FRP板は、すべてのチョップドストラン
ドが樹脂で含浸された図2に示すような片表面がスムー
スな状態な厚み1.5mmの板とし、当該面が向き合う
ように配置して実施例2と同様に行なって厚み12mm
のパネルを調製した。当パネルから切り出した試験片の
曲げ強さ、曲げ弾性率、アイゾット衝撃試験機による剥
離強さを表1に示す。
【0023】
【比較例4】FRP板は、すべてのチョップドストラン
ドが樹脂で含浸された図3に示すような、通常ハンドレ
イアップ成形法で得られる粗面を有する1.5mm厚さ
の板とし、当該面が向き合うように配置して実施例2と
同様に行なって厚み12mmのパネルを調製した。当パ
ネルから切り出した試験片の曲げ強さ、曲げ弾性率、ア
イゾット衝撃試験機による剥離強さを表1に示す。
【0024】
【表1】 単 位 実施例2 比較例3 比較例4 重量(30×30cm) g 650 650 650 曲げ強さ kg/mm 10.6 6.2 6.5 曲げ弾性率 kg/mm 500 350 370 剥離強さ 度 95 40 46
【0025】表1において、曲げ強さ、曲げ弾性率は3
点曲げ試験を行った。剥離強さは、アイゾット衝撃試験
機に巾20mm幅、たかさ60mmの試験片を取付けて
ハンマーで打撃し、FRPと発泡体芯材との界面近傍で
剥離が生じる時のハンマーの振り上げ角度で表示した。
実施例2が、比較例3に比べ曲げ強さ、曲げ弾性率すな
わち剛性及び剥離強さが大幅に向上している。一方、粗
面でも、比較例4のような粗面では多少の効果は認めら
れるものの、本発明の粗面のような大きな効果は期待で
きない。
【0026】
【実施例3】実施例1で得られた厚み1.5mmのFR
P板2枚を当該FRPの粗面側が向き合うように配置
し、その板間に充填剤(日本フィライト株式会社製、フ
ィライト200/7)を8%含有させた不飽和ポリエス
テル樹脂(大日本インキ工業株式会社製FH123)を
注入硬化させ、厚み12mmの3層構造のパネルを調製
した。本パネルから切り出した試験片の曲げ強さ、曲げ
弾性率、アイゾット衝撃試験機による剥離強さを調べ、
その値を表2に示す。
【0027】
【比較例5】実施例3と同様にして調製して得たFRP
板を用い、当該板の粗面側が向き合わないすなわち平滑
面側が向き合うように配置し、実施例と同じ充填材を配
合した樹脂を注入硬化し、厚み12mmのパネルを調製
した。同様にして試験片の曲げ強さ、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃試験機による剥離強さを調べ、その値を表2
に示す。
【0028】
【表2】 単 位 実施例3 比較例5 曲げ強さ kg/mm 9.1 6.7 曲げ弾性率 kg/mm 665 490 剥離強さ 度 85 35 板材と芯材とが比較的接着性に乏しい例であるが、比較
例5が曲げ強さ、剛性及び剥離強さが低いにも係らず、
実施例3は大きな値を示す。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維強化
プラスチック板は、一方の面全面が特殊な巣状の凹凸面
に形成されているので、液状樹脂を充填硬化させてサン
ドイッチ構造のパネルを製造することにより、強化繊維
が硬化した芯材樹脂層と共有された状態となって積層さ
れるため、アンカー効果が著しく強化され、かつ確実に
一体化されるので、従来のように芯材樹脂層と表面板と
の界面において剥離や破断を生ずることがなく、強化繊
維により芯材も強化される効果を奏する。そして本発明
の方法によれば、このような繊維強化プラスチック板を
容易に製造することができるので、その効果は極めて大
きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRPの構成を摸式的に示す断面図で
ある。
【図2】通常の平滑面を有するFRPの構成を摸式的に
示す断面図である。
【図3】通常のハンドレイアップ成形法あるいはサンデ
イング処理で得られるFRPの構成を摸式的に示す断面
図である。
【符号の説明】
A ガラス繊維のストランド B 基材樹脂 C 上面の樹脂表面 D 平滑面 E 巣状部 F 空気層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチック板において、一方
    の面は強化繊維の構成単位が基材樹脂と一体となつて平
    滑面を形成し、他方の面は強化繊維の構成単位が樹脂と
    一体となつて平滑面を形成することなく、繊維状で単独
    で存在し、かつその構成単位がプラスチック板本体の板
    厚方向に複数の段を形成している粗面であることを特徴
    とする繊維強化プラスチック板。
  2. 【請求項2】 基盤上に、基材樹脂に対する溶解度の大
    なる集束剤で処理されたガラス繊維を敷設し、その上部
    に基材樹脂に対する溶解度の小なる集束剤で処理された
    ガラス繊維を敷設した後、該繊維層に所定量の基材樹脂
    を含浸し、その上部を凹凸加工したフイルムで覆って樹
    脂を硬化せしめた後、基盤から脱型させることを特徴と
    する請求項1記載の繊維強化プラスチック板の製造法。
  3. 【請求項3】 繊維強化プラスチック板/液状樹脂硬化
    物層/繊維強化プラスチック板で構成された積層パネル
    において、前記両面の繊維強化プラスチック板は、請求
    項1記載の繊維強化プラスチック板であつて、それぞれ
    の粗面側を内側にして配置され、芯材の液状樹脂硬化物
    層は、液状樹脂を該繊維強化プラスチック板間で硬化形
    成して一体化されたものであることを特徴とするパネル
    構造体。
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WO2017173538A1 (en) * 2016-04-06 2017-10-12 Hydro-Quebec Additive for electrolytes
CN116001309A (zh) * 2022-12-16 2023-04-25 江苏君华特种工程塑料制品有限公司 单向连续纤维增强热塑性树脂基复合材料制品的成型方法

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