JPH0716228U - トラックボール座標情報入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、ボールを支持するための支持点が、
簡単な構成により低コストで形成され得るようにした、
トラックボール座標情報入力装置を提供することを目的
とする。 【構成】中央付近に形成されたボールを収容するための
上に向かって開放した円形の収容部１８ａを有するフレ
ーム部材１８と、該フレーム部材の収容部の周縁領域に
沿って中心に対して等角度間隔で設けられた少なくとも
３箇所の支持点と、該フレーム部材の収容部内に収容さ
れると共に、該支持点により該フレーム部材の収容部内
で浮き上がった状態で回転可能に支持されるボール３
と、該フレーム部材に取り付けられていて且つ該ボール
の回転方向及び回転量を検出する検出部とを含んでい
る、トラックボール座標情報入力装置において、該支持
点が、上記フレームの収容部内に装着されたリング状の
受け部材１９の内周縁に形成された突出部１９ａによっ
て形成されているように、トラックボール座標情報入力
装置１０を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パソコン，ワークステーション等において、これらに接続しまたは 組み込むことにより、座標情報を入力するための外部入力装置として使用される 、トラックボールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このようなトラックボール座標情報入力装置は、例えば図４乃至図６に 示すように、構成されている。即ち、図において、トラックボール座標情報入力 装置１は、ケース２の上面に一部が露出した状態で、回動可能に装架されている ボール３と、該ケース２内で該ボール３に対して、直交する二方向に当接する一 対のローラ４，５と、該ローラ４，５を介し該ボール３の回転量を、それぞれＸ 座標，Ｙ座標の座標情報として検出する二つの検出部６，７とを含んでいる。

【０００３】 該検出部６，７は、それぞれケース２内に収容された所定の導電パターンを備 えたプリント基板（図示せず）に接続せしめられており、該プリント基板上には 、ケース２の上蓋に一体的に形成された押しボタンにより操作され得る、座標位 置の決定，解除用のマイクロスイッチ等が実装されている（何れも図示せず）。

【０００４】 さらに、ボール３は、合成樹脂製のフレーム部材８の中央に設けられた円形の 孔部８ａ内に、収容され得ると共に、円滑に回転し得るように、フレーム部材８ に取り付けられた複数個の小球体９により支持されている。これにより、該ボー ル３は、フレーム部材８の表面に対して、該表面から僅かに上方に突出した小球 体９に当接することにより、該フレーム部材８の表面に接触せず、小球体９にの み点接触することになるため、摩擦が極めて小さく、従って軽い力で回転され得 るようになっている。

【０００５】 このように構成されたトラックボール座標情報入力装置１によれば、使用者が 、ケース２の上面に露出したボール３の表面に掌または手指を載せて、該ボール ３を転がすことにより、該ボール３が所望の方向に所望の回転量だけ回動せしめ られることとなり、このボール３の回転方向及び回転量が、ローラ４，５を介し て、検出部６，７により検出され、該検出部６，７からの検出信号が、図示しな い接続ケーブル等を介して、例えばパソコンの本体に入力される。かくして、上 記ボール３の回転方向及び回転量に対応して、該パソコンのディスプレイ装置の 画面上にて、カーソル等が移動せしめられることになり、その際、該ケース２上 の入力ボタンを押すことにより、そのときのカーソル位置が確定され、あるいは 解除され得るようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように構成されたトラックボール座標情報入力装置１にお いては、上記小球体９は、フレーム部材８の中央の孔部８ａの周囲に沿って、配 設された５つの収容部８ｂ内に載置され、リング状保持部材８ｃをその上から載 置することにより、それぞれ収容部８ｂに各小球体９を押圧して保持すると共に 、該リング状保持部材８ｃに一体に成形された脚部８ｄを、各収容部８ｂに隣接 して設けられた貫通孔８ｅ内に、嵌入させ、該貫通孔８ｅの下端から突出した該 脚部８ｄの先端を加熱してカシメることにより、該リング状保持部材８ｃが、フ レーム部材８に対して、固定保持され得るようになっていることから、部品点数 が多く、部品コストが高くなると共に、組立作業が複雑で、且つ各脚部８ｄの加 熱によるカシメ作業が必要であることから、高度の熟練を要することになり、組 立コストが高くなってしまうという問題があった。

【０００７】 本考案は、以上の点に鑑み、ボールを支持するための支持点が、簡単な構成に より低コストで形成され得るようにした、トラックボール座標情報入力装置を提 供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、本考案によれば、中央付近に形成されたボールを収容するための 上に向かって開放した円形の収容部を有するフレーム部材と、該フレーム部材の 収容部の周縁領域に沿って中心に対して等角度間隔で設けられた少なくとも３箇 所の支持点と、該フレーム部材の収容部内に収容されると共に、該支持点により 該フレーム部材の収容部内で浮き上がった状態で回転可能に支持されるボールと 、該フレーム部材に取り付けられていて且つ該ボールの回転方向及び回転量を検 出する検出部とを含んでいる、トラックボール座標情報入力装置において、該支 持点が、上記フレームの収容部内に装着されたリング状の受け部材の内周縁に形 成された突出部によって形成されていることを特徴とする、トラックボール座標 情報入力装置により、達成される。

【０００９】

【作用】

上記構成によれば、組立の際には、フレーム部材の所定位置に、リング状の受 け部材を装着するだけの簡単な作業によって、該受け部材の内周縁に設けられた 突出部が、該フレーム部材の収容部の表面から僅かに突出した状態で、配設され 得るので、該フレーム部材の収容部内にボールを収容したとき、該ボールは、該 収容部内にて、該突出部に対して摺動することにより、回転可能に支持され得る ことになり、従って部品点数が少なくて済み、組立が簡単に行なわれ得ることか ら、部品コスト及び組立コストが低減され得ることになる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面に示した実施例に基づいて、本考案を詳細に説明する。 図１は、本考案によるトラックボール座標情報入力装置の一実施例を示してお り、トラックボール座標情報入力装置１０は、そのボールを支持する支持点の構 造を除いては、図４に示した従来のトラックボール座標情報入力装置１と同様の 構成であるから、その概略に関しては、図４及び図５を参照しながら、簡単に説 明する。

【００１１】 即ち、図４及び図５において、トラックボール座標情報入力装置１０は、ケー ス２の上面に一部が露出した状態で、回動可能に装架されているボール３と、該 ケース２内で該ボール３に対して、直交する二方向に当接する一対のローラ４， ５と、該ローラ４，５を介し該ボール３の回転量を、それぞれＸ座標，Ｙ座標の 座標情報として検出する二つの検出部６，７とを含んでいる。

【００１２】 上記ケース２は、合成樹脂により形成されており、図５に示された座標情報入 力装置１０のメカ部以外に、該メカ部が実装されるプリント基板や、該基板に実 装される信号処理用電子部品等（何れも図示せず）を収容するようになっている 。

【００１３】 該ケース２内には、ボール３が、後述するように、支持点により回転可能に支 持されており、さらに該ボール３には、図示のように、直交する二方向から、一 対のローラ４，５が当接せしめられている。該一対のローラ４，５は、上記メカ 部のベースを構成する合成樹脂製のフレーム部材１８（後述）に枢着されたレバ ー部材１１，１２の下端付近に対して、回転可能に支持されている。

【００１４】 具体的には、これらレバー部材１１，１２は、その上端付近の支軸１１ａ，１ ２ａの周りに揺動し得るようになっており、且つその下端が、内側に向かって付 勢されている。従って、該レバー部材１１，１２の下端に支持されたローラ４， ５は、常にボール３の方向に付勢されるようになっている。

【００１５】 これにより、該ローラ４，５は、ボール３の回転に追従して、回転せしめられ ることにより、該ボール３の回転運動を、ローラ４により例えばＸ方向の変位（ Ｘ座標）に、またローラ５により例えばＹ方向の変位（Ｙ座標）に分解し、それ ぞれ回転軸４ａ，５ａを介して、検出部６，７に伝達するようになっている。

【００１６】 ここで、該検出部６，７は、基本的に同一の構造である、公知のロータリエン コーダから構成されている。従って、検出部６についてのみ、説明すると、検出 部６に関しては、上記ローラ４の回転軸４ａの端部には、放射状に形成されたス リットを備えた円板状のシャッタ板６ａが取り付けられており、このシャッタ板 ６ａを挟んで、互いに対向するように、プリント基板上に、図示しない発光素子 及び受光素子が実装されている。これにより、ボール３が回転すると、該ボール ３のＸ方向の動きに対応して、シャッタ板６ａが回転せしめられ、発光素子から 受光素子に至る光路が、該シャッタ板６ａのスリットによって、間欠的に遮断さ れることから、受光素子は、該シャッタ板６ａの回転角度、即ちボール３のＸ方 向の動きに対応した数のパルス信号を出力する。同様にして、検出部７に関して は、ボール３のＹ方向の動きに対応した数のパルス信号が出力されることになる 。

【００１７】 このようにして、該検出部６，７から出力されたパルス信号は、図示しないプ リント基板に送られて、適宜の処理回路を介して、図示しないパソコン等に伝送 される。これにより、ボールの回転方向及び回転量に対応して、パソコンのディ スプレイ装置の画面上で、カーソル等が移動せしめられるようになっている。

【００１８】 以上の構成は、従来のトラックボール座標情報入力装置１と同様の構成である が、本考案によるトラックボール座標情報入力装置１０においては、ボール３を 回転可能に支持する支持点は、以下のように構成されるようになっている。

【００１９】 図１において、フレーム部材１８は、図４に示すフレーム部材８と同様に、そ の中心付近に、円形の収容部１８ａが形成されており、該収容部１８ａ内に、ボ ール３が回転可能に収容されるようになっており、さらに該収容部１８ａの周縁 には、支持点に対応する位置に環状の凹部１８ｂが設けられている。

【００２０】 ここで、該凹部１８ｂは、図２に示すように形成されたリング状の受け部材１ ９が装着され、脱落しないように保持され得るように、形成されている。

【００２１】 図２は、受け部材１９を示しており、該受け部材１９は、図示のように、例え ばステンレス鋼，表面硬化処理を施した金属，セラミック等からプレス加工によ って、リング状に形成されており、内周縁の各支持点に対応する箇所にて、内側 に向かって延びている突出部１９ａを備えている。該突出部１９ａの先端は、上 記ボール３を円滑に摺動可能に支持するように、図２（Ｂ）に示すように、縦方 向に曲面になるように形成されている。

【００２２】 尚、上記受け部材１９が金属から構成されている場合には、静電破壊対策の部 材としての効果をも併せ持つことになる。

【００２３】 ここで、該突出部１９ａは、ボール３の中心に対して、等角度間隔に配設され ており、その数は、ボール３を安定的に支持するために、少なくとも３個である 。

【００２４】 本考案実施例によるトラックボール座標情報入力装置１０は、以上のように構 成されており、組立の際には、フレーム部材１８の下方から、凹部１８ｂ内に、 リング状の受け部材１９を装着する。この簡単な作業によって、該受け部材１９ の各突出部１９ａは、その先端が、該フレーム部材１８の収容部１８ａの表面か ら僅かに突出した状態で、固定保持され得ることになる。

【００２５】 従って、該フレーム部材１８の収容部１８ａ内にボール３を収容したときには 、該ボール３は、該収容部１８ａ内にて、該受け部材１９の各突出部１９ａに対 して摺動することにより、回転可能に支持され得ることになる。

【００２６】 尚、上記実施例においては、受け部材１９の突出部１９ａは、縦方向に曲面を 有するように形成されているが、これに限らず、ボール３の表面を傷つけないよ うに、且つ該ボール３を円滑に回転させ得る形状であればよく、例えば図３（Ａ ）に示すように、横方向に曲面を有するように形成されていてもよく、また図３ （Ｂ）に示すように、表面が球面であるボール３に対して、突出部１９ａの接触 面が平面状に形成されていてもよい。ここで、図３（Ｂ）の場合には、該突出部 １９ａの接触面は、板状の突出部１９ａの先端付近をボール３の表面に沿って下 方に折曲することにより、構成されている。

【００２７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、ボールを支持するための支持点が、簡単 な構成により低コストで形成され得るようにした、極めて優れたトラックボール 座標情報入力装置が提供され得ることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるトラックボール座標情報入力装置
の一実施例における要部の概略断面図である。

【図２】図１のトラックボール座標情報入力装置の受け
部材を示し、（Ａ）は平面図、及び（Ｂ）は部分拡大断
面図である。

【図３】図２の受け部材の他の構成例を示す斜視図であ
る。

【図４】従来のトラックボール座標情報入力装置の一例
の要部を示す断面図である。

【図５】図４のトラックボール座標情報入力装置の要部
を示す平面図である。

【図６】図４のトラックボール座標情報入力装置におけ
る小球体の固定構造を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１，１０ トラックボール座標情報入力装置 ２ ケース ３ ボール ４，５ ローラ ６，７ 検出部 ８，１８ フレーム部材 ９ 小球体 １８ａ 収容部 １８ａ 凹部 １９ 受け部材 １９ａ 突出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央付近に形成されたボールを収容する
   ための上に向かって開放した円形の収容部を有するフレ
   ーム部材と、該フレーム部材の収容部の周縁領域に沿っ
   て中心に対して等角度間隔で設けられた少なくとも３箇
   所の支持点と、該フレーム部材の収容部内に収容される
   と共に、該支持点により該フレーム部材の収容部内で浮
   き上がった状態で回転可能に支持されるボールと、該フ
   レーム部材に取り付けられていて且つ該ボールの回転方
   向及び回転量を検出する検出部とを含んでいる、トラッ
   クボール座標情報入力装置において、 該支持点が、上記フレームの収容部内に装着されたリン
   グ状の受け部材の内周縁に形成された突出部によって形
   成されていることを特徴とする、トラックボール座標情
   報入力装置。