JPH07161236A - 異方導電性シート及びその製造方法 - Google Patents

異方導電性シート及びその製造方法

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JPH07161236A
JPH07161236A JP5340441A JP34044193A JPH07161236A JP H07161236 A JPH07161236 A JP H07161236A JP 5340441 A JP5340441 A JP 5340441A JP 34044193 A JP34044193 A JP 34044193A JP H07161236 A JPH07161236 A JP H07161236A
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JP
Japan
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sheet
anisotropic conductive
conductive sheet
conductive particles
resistance value
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JP5340441A
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English (en)
Inventor
Ichiro Igarashi
一郎 五十嵐
Kazuo Inoue
一雄 井上
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】異方導電性シートの絶縁マトリックス成分中に
て、シート表面の分極構造をスピノーダル構造にする。 【構成】液状シリコーンゴム中に炭化珪素を15体積%
含有させてシート形成材料20とする。シート形成材料
を、シート製造装置の、導電体からなる下板11に載置
した成形型枠12内に流し込み、導電体からなる上板1
3を被せる。下板内に埋設したヒータ14によってシー
ト形成材料を70℃に加熱した状態で、上板及び下板間
に電界0.8kV/mmになるように電圧を30分間印
加する。この異方導電性シートは、表面抵抗値RA が2
×1012Ω・cmで体積固有抵抗値RB が6×107 Ω
・cmであり、両者の比RA /RB は3.3×104
ある。そして、この異方性導電シートは、肉厚方向に配
向した導電粒子の配列が形成され、表面方向にスピノー
ダル構造が形成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子材料に導電粒子
を加えることによって得られる高分子複合シートであ
り、その平面方向と肉厚方向の電気伝導度に異方性のあ
る異方導電性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】上記高分子複合材料は、導電微粒子の混
合量とそれに伴う導電微粒子間の接近距離(以下、パー
コレーションと記す)に従って特定の電気抵抗を有する
ものが製造されていた。例えば、表面抵抗RA が等方性
で、縦方向の体積固有抵抗RBが異方性の材料が知られ
ている。このような材料は、例えば積層型のコネクタ、
半導電性ロール等の電子部品、電子材料用として広く用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記異方導電
性シートは、高分子材料に加える導電粒子の混合量のわ
ずかな変化により電気抵抗特に平面方向の電気抵抗が大
幅に変動するという問題があった。このため、製造方法
による変動,使用時の環境条件の変動等を考慮した厳し
い製造条件の設定が必要であり、製造を安定化させるこ
とが困難で製造コストが高くなるという問題がある。ま
た、上記異方導電性シートは、例えば積層コネクタ用と
して使用する場合、導電粒子の配向列の形成の為に絶縁
性材料のマスクを用いる必要があり、このため配向列の
微細化が困難であるという問題もある。さらに、上記異
方導電性シートは、層間の接着に伴う耐久性に欠けると
いう問題もある。本発明は、上記した問題を解決しよう
とするもので、製造において電気抵抗の変動が少なく安
定な異方導電特性を有する異方導電性シートおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、絶縁マ
トリックス成分中に、導電性粒子を含有させてなる異方
導電性シートであって、同異方導電性シートの表面抵抗
値RA と肉厚方向の体積固有抵抗値RB が下記(I)の
関係であり、導電性粒子が絶縁マトリックス成分中に
て、シート表面の絶縁マトリックスと導電性粒子の分極
構造がスピノーダル構造を呈することにある。(I)
106 ≧RA /RB ≧103
【0005】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の異方導電性シートにおい
て、絶縁性マトリックス成分の比誘電率E1 と導電性粒
子の比誘電率E2 とが、下記(II)の関係であること
にある。(II)E1 <E2
【0006】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1または請求項2に記載の異方導電
性シートにおいて、導電性粒子が絶縁性物質により表面
被覆処理されていることにある。
【0007】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、絶縁マトリックス成分中に、導電性粒子を含有
させてなるシート形成材料を型内に封入し、シート形成
材料を一対の導電板により挟持し、25〜170℃に加
熱しつつ、両導電板間に電界強度0.4〜2.0kV/
mmになるような電圧を、1〜60分間加えるようにし
たことにある。なお、上記温度については25〜170
℃であるが、好ましくは50〜170℃特に好ましくは
70〜150℃である。また、電界強度については0.
4〜2.0kV/mmであるが、好ましくは0.6〜
1.8kV/mm、特に好ましくは0.8〜1.5kV
/mmである。また、電圧印加時間については1〜60
分間であるが、好ましくは2〜45分、特に好ましくは
4〜30分である。
【0008】上記絶縁性マトリックス成分としては、液
状シリコーンゴム,液状エポキシ樹脂,液状ウレタン樹
脂,液状フェノール樹脂,熱により溶融する樹脂等があ
げられる。また、固体樹脂や固体ゴムを溶剤に溶解させ
て液状物にしたものを用いてもよい。ただし、このよう
な絶縁性マトリックス成分は高絶縁性,低誘電率を有す
るものであり、しかもこれら溶剤は不燃性であることが
好ましい。また、上記絶縁性マトリックス成分に含有さ
せる導電性粒子としては、102Ω・cm以上の電気特
性を有するものであれば特に限定されるのものではな
い。例えば、炭化珪素,窒化アルミニウム等の球状フィ
ラー、窒化ほう素,グラファイト等の板状フィラー、炭
化ほう素、酸化アルミニウム等があげられる。これらは
単独でもしくは2種類以上合わせて用いられる。そし
て、平均粒径は10〜1000μmの範囲のものを用い
ることが好ましい。
【0009】
【発明の作用・効果】本発明に係る異方導電性シート
は、表面抵抗値RA と肉厚方向の体積固有抵抗値RB と
の比RA /RB を式106 ≧RA /RB ≧103 なる関
係としたことにより、導電性粒子の絶縁マトリックス成
分中におけるシート表面方向の分極構造としてスピノー
ダル構造を実現したものである。以下に、異方導電性シ
ートの製造方法について説明する。絶縁マトリックス成
分に導電性粒子を混合してシート形成材料を作成する。
つぎに、例えば図1に示すようなシート製造装置を用
い、導電体からなる下板11に載置された成形型枠12
内にシート形成材料20を流し込み、上板13を被せ
る。下板11内に埋設したヒータ14によってシート形
成材料20を上記温度範囲にて加熱しつつ、下板11,
上板13間に上記電界強度になるように電圧を上記時間
印加する。例として、図2に30℃に加熱したシート中
におけるシート肉厚方向(電圧印加方向)の構造の生成
の状態を、顕微鏡写真により示す。そして、図3にシー
ト表面方向のスピノーダル構造を示す。電圧を加えない
ときには、絶縁マトリックス中に導電性粒子が等方的に
分散している(図2(a)参照)。0.4kV/mmの
電界を1分間印加することによって、わずかに導電性粒
子の線状の配向が認められる(図2(b)参照)。0.
8kV/mmの電界を1分間印加することにより導電性
粒子の明確な線状の配向が認めらる(図2(c)参
照)。すなわち、加熱下にて電圧を印加することによ
り、絶縁マトリックス中の導電粒子間の引力が弱めら
れ、粒子間隔が粒子の粒径の2倍以上で最大2mmの範
囲で肉厚方向に配向した粒子列を示し、かつ表面方向に
はスピノーダル構造が得られる。粒子列の間隔について
は、上記製造条件を調整することにより制御することが
できる。
【0010】かかるスピノーダル構造を具備することに
より、この異方導電性シートは、表面抵抗値RA と肉厚
方向の体積固有抵抗値RB との比RA /RB が一定の範
囲内になる。このため、異方導電性シートの製造工程を
安定化させることができるので、シートが安価に提供さ
れる。また、異方導電性シートは、製造条件を調整する
ことによりスピノーダル構造の粒子列の間隔を自由に調
節することができるので、積層型コネクタ等の電子部品
の微細化に容易に対応することができる。また、異方導
電性シートは電気のみならず光、熱の伝導の異方特性も
備えており、例えばマトリックスを透明性高分子とする
ことにより光透過量を制御することができ調光ガラス等
に用いることが出来る。また、異方導電性シートは耐振
動性、吸音性が優れており、これらの特性を種々の分野
に応用することが出来る。
【0011】また、絶縁性マトリックス成分の比誘電率
1 と導電性粒子の比誘電率E2 とは、E1 <E2 の関
係にあることが望ましく、これにより、異方導電性シー
トの製造時に電圧を印加すると、絶縁マトリックス成分
中の導電性粒子が電極の+,−方向に配列するので、シ
ートの厚み方向の配列が生じ、かつ表面方向はスピノー
ダル構造が形成されやすくなる。
【0012】また、異方導電性シートの製造において、
予め導電粒子を絶縁物質により表面被覆処理することが
好ましい。この絶縁物質としては、1010Ω・cm以上
の電気絶縁性を有する絶縁粒子または絶縁性高分子等が
用いられる。具体的には、カップリング剤が用いられ、
例えば、アルミニウム系カップリング剤,チタン系カッ
プリング剤,各種のシランカップリング剤等があげられ
る。これらは単独でまたは合わせて用いられる。とく
に、アルミニウム系カップリング剤を用いると、さらに
導電性粒子の絶縁性が保たれ、しかも導電性粒子とマト
リックス成分とが固化時に強固に結合され異方導電性シ
ートの強度が高められるという効果も得られる。アルミ
ニウム系カップリング剤としては、例えばアセトアルコ
キシアルミニウムジイソプロピレートがあげられる。上
記カップリング剤を用いた導電性粒子の被覆処理方法と
しては、例えばカップリング剤をヘキサン,キシレン等
の溶剤に溶解した溶液中に、上記導電性粒子を親戚し、
所定時間経過後に溶剤を蒸発除去する方法や、一般に行
われている乾式処理方法等があげられる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (1)実験例I 絶縁マトリックス成分としてシリコーンゴム(比誘電率
3)を用い、これに導電性粒子としてシリコンカーバイ
ド(比誘電率40)15体積%を混合してシート形成材
料を作成する。このシート形成材料を、図1に示す、シ
ート成形装置を用いて、下記表1に示す製造条件により
9種類の試料No.1〜9を作成した。
【0014】
【表1】
【0015】つぎに、上記試料No.1〜9について、
表面抵抗値RA と体積固有抵抗値RB を測定した。表面
抵抗測定は、4端子表面抵抗測定方法により行われた。
また、体積固有抵抗の測定は、JIS─C2123 1
980に準じて印加電圧1000Vにより行われた。試
料No.1〜9について、表面抵抗値RA と体積固有抵
抗値RB の測定結果を下記表2に示す。また、試料N
o.5について、図2(c)に肉厚方向の顕微鏡写真を
示す。
【0016】
【表2】
【0017】以上の結果、試料No.1〜9について
は、いずれも表面抵抗値RA と体積固有抵抗値RB の比
RA /RB が式106 ≧RA /RB ≧103 なる関係を
満足している。そして、試料No.1〜9の全てにシー
ト表面構造がスピノーダル構造に形成されていることが
確認された。
【0018】(2)実験例II つぎに、絶縁マトリックス成分としてシリコーンゴムを
用い、これに導電性粒子としてシリコンカーバイドを、
混合量を変化させたときの表面抵抗値RA と体積固有抵
抗値RB を測定し、両者の比を求めた。導電粒子の混合
量は、5,10,15,20体積%の4種類である。試
料の製造条件は、処理温度が150℃、印加電界が1.
25kV/mmの、印加時間が10分である。
【0019】上記4種類の試料については、いずれもス
ピノーダル構造の形成が確認された。また上記4種類の
試料について、表面抵抗値RA と体積固有抵抗値RB 値
及び両者の比RA /RB の測定結果を図4に示す。図4
から明らかなように、導電粒子の混合量を変化させたこ
とによっても、表面抵抗値RA と体積固有抵抗値RB 値
との比RA /RB は、5〜10×103 の範囲にあり、
変化の割合が非常に小さくなっている。すなわち、上記
処理条件により異方導電性シートを製造する場合には、
導電粒子の混合量を多少変化させてもスピノーダル構造
を有する異方導電性シートが得られることが明らかにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方導電性シートを製造するため
のシート製造装置を概略的に示す斜視図及び側面図であ
る。
【図2】異方導電性シートの導電粒子のシート肉厚方向
(電圧印加方向)の粒子配向構造の形成過程を説明する
ための顕微鏡写真である。
【図3】異方導電性シートの導電粒子のシート表面方向
の粒子分散構造(スピノーダル構造)を示す顕微鏡写真
である。
【図4】導電粒子の混合量を変えたときの表面抵抗値R
A と体積固有抵抗値RB 及びその比RA /RB を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
11;下板、12;成形型枠、13;上板、14;ヒー
タ、20;シート形成材料。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 501 P 7244−5G H01R 11/01 A 7354−5E // B29K 105:16 C08L 101:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁マトリックス成分中に、導電性粒子
    を含有させてなる異方導電性シートであって、同異方導
    電性シートの表面抵抗値RA と肉厚方向の体積固有抵抗
    値RB が下記(I)の関係であり、前記導電性粒子が前
    記絶縁マトリックス成分中にて、シート表面の絶縁マト
    リックスと導電性粒子の分極構造がスピノーダル構造を
    呈することを特徴とする異方導電性シート。 (I) 106 ≧RA /RB ≧103
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の異方導電性シート
    において、 前記絶縁性マトリックス成分の比誘電率E1 と前記導電
    性粒子の比誘電率E2とが、下記(II)の関係である
    ことを特徴とする異方導電性シート。 (II)E1 <E2
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載の異
    方導電性シートにおいて、 前記導電性粒子が絶縁性物質により表面被覆処理されて
    いることを特徴とする異方導電性シート。
  4. 【請求項4】 絶縁マトリックス成分中に、導電性粒子
    を含有させてなるシート形成材料を型内に封入し、同シ
    ート形成材料を一対の導体板により挟んだ状態で、25
    〜170℃に加熱しつつ、両導体板間に電界強度0.4
    〜2.0kV/mmになるような電圧を、1〜60分間
    加えるようにしたことを特徴とする異方導電性シートの
    製造方法。
JP5340441A 1993-12-07 1993-12-07 異方導電性シート及びその製造方法 Pending JPH07161236A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100373967B1 (ko) * 1999-09-17 2003-02-26 제이에스알 가부시끼가이샤 이방 도전성 시트 및 그의 제조 방법 및 커넥터
JP2011091049A (ja) * 2003-12-04 2011-05-06 Asahi Kasei E-Materials Corp 導電性粒子付着フィルム
US8335460B2 (en) 2009-03-19 2012-12-18 Fuji Xerox Co., Ltd Resin film manufacturing method, transfer belt, transfer unit, and image forming apparatus
KR101322328B1 (ko) * 2011-05-20 2013-10-28 전자부품연구원 배향성을 갖는 열전도성 쉬트의 제조 장치 및 방법
KR20190091221A (ko) * 2018-01-26 2019-08-05 주식회사 엘지화학 복합재의 제조 방법

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