JPH0716111Y2 - 手動変速機の同期装置 - Google Patents

手動変速機の同期装置

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JPH0716111Y2
JPH0716111Y2 JP4186290U JP4186290U JPH0716111Y2 JP H0716111 Y2 JPH0716111 Y2 JP H0716111Y2 JP 4186290 U JP4186290 U JP 4186290U JP 4186290 U JP4186290 U JP 4186290U JP H0716111 Y2 JPH0716111 Y2 JP H0716111Y2
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synchronizer
synchronizer ring
gear
axial direction
hub
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義孝 十河
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は手動変速機の同期装置に関し、特に前進段用の
同期作用と後退段用の同期作用とを併せ持った同期装置
に関する。
(従来技術) 手動変速機においては、前進段へのシフト操作時同期作
用して円滑なシフト操作を行わせる前進段用の1または
複数の同期装置を備えているのが一般であり、また近年
後退段へのシフト操作時ギヤ鳴りを防止するため後退段
用の同期装置を備えているものがある。しかしながら、
前者の手動変速機に前進段用の同期装置と同じ構成の後
退段用の同期装置を新たに配設する場合には、同期装置
を配設する新たなスペースを確保しなければならなず、
またかかるスペースを確保するには入力側、出力側の両
軸を長くしなければならず、手動変速機が大型化しかつ
その重量が増大することになる。
かかる問題に対処すべく特開昭60-129428号公報には、
一前進段用の同期装置に同装置のテーパコーンおよびシ
ンクロナイザリングに対応する第2のテーパコーンおよ
びシンクロナイザリングを配設し、当該同期装置に前進
段用の同期作用のみならず後退段用の同期作用をも付与
した例が示されている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、当該同期装置においても2個のテーパコ
ーンを軸方向に直列状に配置することから軸方向に大き
な配設スペースを確保しなければならないとともに、テ
ーパコーンとシンクロナイザリングとが形成するコーン
クラッチが軸方向に2個存在することからコーンクラッ
チにて発生する引きずりトルクも大きくなる。また、当
該同期装置においては各シンクロナイザリングを軸方向
へ押圧するシフティングキーを備えていないことから、
回転軸とギヤ間の回転数差が非常に小さい場合以外はシ
フト操作開始直後におけるハブスリーブと各シンクロナ
イザリング間でのボーク作用が適確にはなされず、シフ
ト操作が円滑にはなされないとともにシフト操作に節度
感が得られない。これを解決すべく両シンクロナイザリ
ング間に従来と同様にシフティングキーを配設しようと
すると、これらシンクロナイザリングの軸方向間隔を開
示された現状の装置に比して一層大きくしなければなら
ず、かかる装置を配設するには一層大きな軸方向のスペ
ースを確保する必要がある。従って、本考案の目的はこ
れらの問題を解決することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案は手動変速機の同期装置であり、回転軸上に一体
回転可能に組付けたクラッチハブと、同クラッチハブの
外周に軸方向へのみ摺動可能に組付けたハブスリーブ
と、前記回転軸上にて前記クラッチハブの一側に回転可
能に組付けたギヤに一体回転可能かつ軸方向へ所定量移
動可能に組付けられて同ギヤと前記クラッチハブ間に位
置するテーパコーンと、前記クラッチハブとギヤ間にて
前記テーパコーンの外周に配置されて前記ハブスリーブ
の一側に位置し同ハブスリーブの一側への摺動により軸
方向へ押動されて前記テーパコーンに圧接するシンクロ
ナイザリングと、前記ハブスリーブの他側に位置し同ハ
ブスリーブの他側への摺動により軸方向へ押動される第
2のシンクロナイザリングと、同シンクロナイザリング
と前記テーパコーンを軸方向に連結する連結部材を備え
ている同期装置であり、前記第2のシンクロナイザリン
グには同シンクロナイザリングの外周側に設けた凹所に
周方向への回転を規制されて嵌合され軸方向へ所定量移
動可能かつ径内外方向へ所定量移動可能なシフティング
キーと、前記凹所に介装され前記シフティングキーを支
承して径外方へ付勢し前記ハブスリーブの内スプライン
部に設けた係合凹所に弾撥的に係合させるキースプリン
グを備え、前記シフティングキーの一側が前記シンクロ
ナイザリングの他側に対向していることを特徴とするも
のである。
(考案の作用・効果) かかる構成の同期装置においては、ハブスリーブの一側
への摺動によりシンクロナイザリングが軸方向の一側へ
押動されてテーパコーンに圧接され、これによりハブス
リーブとギヤとが同期して同ハブスリーブがギヤに円滑
に噛合し、同ギヤと回転軸が連結して一前進段のシフト
が完了する。また、当該同期装置においては、ハブスリ
ーブの他側への摺動により第2のシンクロナイザリング
が軸方向の他側へ押動され、かつこれに伴い連結部材を
介してテーパコーンが他側へ引張られる。このため、テ
ーパコーンがシンクロナイザリングに圧接され、これに
より回転軸はギヤに同期されかつ同ギヤに噛合するギヤ
と一体の他の回転軸と同期する。これら両回転軸はその
一方が入力側の回転軸でかつその他方が出力側の回転軸
であるため、後退段へのシフト時慣性で回転している入
力側の回転軸が停止状態にある出力側の回転軸に同期し
て、入力側の回転軸が微速または停止状態となり、後退
段へのシフトをギヤ鳴りを生じさせることなく円滑に行
うことができる。
このように、当該同期装置は前進段用の同期作用と後退
段用の同期作用とを併せ持っているが、両同期作用をク
ラッチハブの一方側のみに配設したテーパコーンを利用
して行う構成のため、クラッチハブの両側にテーパコー
ンを軸方向へ直列状に配設する同期装置に比較して軸方
向の長さが短縮される。従って、当該同期装置によれ
ば、軸方向に大きな配設スペースを確保する必要がなく
て入力側、出力側の両回転軸が短縮され、変速機の大型
化およびその重量の増大を防止することができる。ま
た、当該同期装置においてはコーンクラッチが片側にの
みあるためこれにより発生する引きずりトルクも大きく
なく、耐久性が高く、発熱が低く、燃費がよく、かつ他
の前進段のシフト操作に悪影響を及ぼすこともない。
しかして、当該同期装置においては、シフト操作の開始
直後各シンクロナイザリングは先ずシフティングキーに
より軸方向に押圧される構成であるため、その後ハブス
リーブと各シンクロナイザリング間でのボーク作用が的
確になされ、シフト操作が円滑かつ節度感をもってなさ
れる。また、シフティングキーは第2のシンクロナイザ
リングの外周側凹所に組付け保持されているため、これ
ら両部材を1組のユニットとして組付けることができ、
組付性の向上が図られるとともに従来のシフティングキ
ーを組付ける場合に比して各シンクロナイザリング間の
軸方向の間隔を短縮することができる。
(実施例) 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明するに、第1
図には本考案の一実施例にかかる同期装置が示され、か
つ第2図〜第7図には当該同期装置の各構成部材が示さ
れている。当該同期装置は5速シフト時およびリバース
シフト時に作動して同期作用を行うもので、第8図に示
す縦置エンジン用の5段変速機に採用されている。
変速機はミッションケースに回転可能に軸支されたイン
プットシャフト11、ミッションケースに回転可能に軸支
されてインプットシャフト11に同軸的かつ回転可能に連
結するアウトプットシャフト12、ミッションケースに回
転可能に軸支されてインプットシャフト11、アウトプッ
トシャフト12に並列するカウンタシャフト13、およびミ
ッションケースに固定的に軸支されてアウトプットシャ
フト12、カウンタシャフト13に並列するアイドラシャフ
ト14を備えている。かかる変速機において、アウトプッ
トシャフト12およびカウンタシャフト13上のギヤ12a、1
3aは1速ギヤ、ギヤ12b、13bは2速ギヤ、ギヤ12c、13c
は3速ギヤ、ギヤ12d、13dは5速ギヤを構成するととも
に、インプットシャフト11上のギヤ11aは4速ギヤを構
成している。また、アウトプットシャフト12、カウンタ
シャフト13およびアイドラシャフト14上のギヤ12e、13
e、14aはリバースギヤを構成している。なお、インプッ
トシャフト11の4速ギヤ11aはカウンタシャフト13のカ
ウンタギヤ13fに常時噛合してインプットシャフト11の
駆動力をカウンタシャフト13に伝達し、またアウトプッ
トシャフト12の1速ギヤ12aおよび2速ギヤ12bは第1同
期装置15のハブスリーブにより同シャフト12に結合して
カウンタシャフト13の駆動力をアウトプットシャフト12
に伝達するとともに、アウトプットシャフト12の3速ギ
ヤ12cおよびインプットシャフト11の4速ギヤ11aは第2
同期装置16のハブスリーブによりアウトプットシャフト
12に結合して、カウンタシャフト13またはインプットシ
ャフト11の駆動力をアウトプットシャフト12に伝達す
る。一方、カウンタシャフト13の5速ギヤ13dは本考案
に係る同期装置20のハブスリーブにて同シャフト13に結
合し、同シャフト13の駆動力をアウトプットシャフト12
に伝達し、またアウトプットシャフト12およびカウンタ
シャフト13のリバースギヤ12e、13eはアイドラシャフト
14のリバースギヤ14aを噛合させることにより互にトル
ク伝達可能に連結し、カウンタシャフト13の駆動力が逆
転されてアウトプットシャフト12に伝達される。
なお、第8図に示す第1、第2同期装置15、16はボルグ
ワーナ式の周知のものであって一部省略して示してあ
り、また本考案に係る同期装置20も一部省略して示して
あるが、当該同期装置20については以下に詳細に説明す
る。
第1図には当該同期装置20の断面が示されており、当該
同期装置20はクラッチハブ21、ハブスリーブ22、第1シ
ンクロナイザリング23、第2シンクロナイザリング24、
テーパコーン25、連結リング26、シフティングキー27、
キースプリング28およびスプラインピース29により構成
されている。
クラッチハブ21はカウンタシャフト13上に一体回転可能
に組付けられて5速ギヤ13dの一側に位置し、第2図
(a)、(b)に示すように外スプライン部21aを備え
るとともに、外周の3箇所に等間隔に溝部21bを備えて
いる。各溝部21bは外周に開口し、かつ軸方向に貫通し
ている。また、各溝部21bの底部中央には係合凹所21cが
形成されている。ハブスリーブ22は内スプライン部22a
を備えた公知の構造のもので、内スプライン部22aには
周方向の3箇所に等間隔に係合凹所22bを備え、クラッ
チハブ21の外スプライン部21aに軸方向へ摺動可能に組
付けられている。第1シンクロナイザリング23は第3図
(a)、(b)に示すように、外スプライン部23aを備
えるとともに内周にテーパコーン部23bを備え、かつ内
端の周方向の3箇所に等間隔に係合凸起23cを備えると
ともに外周の3箇所が凹所23dに形成されて各凹所23d間
が凸部23eになっている。各凸部23eは周方向に等間隔で
かつ所定長さの円弧状を呈し、クラッチハブ21の各溝部
21bの周方向の長さよりわずかに短く、かつ各溝部21bに
軸方向から嵌合可能に形成されている。第1シンクロナ
イザリング23は後述するテーパコーン25のテーパコーン
部25a上に遊嵌状に組付けられ、かつ各凸部23eをクラッ
チハブ21の各溝部21bに嵌合されて同クラッチハブ21に
対してわずかに相対回転可能に組付けられている。テー
パコーン25は第4図(a)、(b)に示すように、外周
に第1シンクロナイザリング23のテーパコーン部23bに
係脱するテーパコーン部25aを備えるとともに、外端に
周方向の3箇所に等間隔に係合凸起25bを備え、かつ外
端側内周に環状の係合凹所25cを備えるとともに、周方
向の3箇所に等間隔に軸方向へ延びる案内溝部25dを備
えている。テーパコーン25は後述する連結リング26の外
周に回転可能に組付けられ、5速ギヤ13dのボス部に一
体回転可能に組付けたスプラインピース29の各係合穴29
aに各係合凸起25bが嵌挿されている。これにより、テー
パコーン25はスプラインピース29に対して一体回転可能
に連結されている。
第2シンクロナイザリング24は第5図(a)、(b)、
(c)に示すように、リング部24aの外端の周方向の3
箇所に等間隔に軸方向に延びる外向フランジ部24bと、
同フランジ部24bの外端に外スプライン部24cを備えてい
る。フランジ部24bおよびスプライン部24cは周方向に円
弧状に形成されていて、フランジ部24bの周方向の中央
部に凹所24dと、同凹所24dの底部に凹所24eが形成され
ている。また、リング部24aの外周にはその周方向の3
箇所に等間隔に係合凹所24fが形成され、かつ内周には
その周方向の3箇所に等間隔に係合凸起24gが形成され
ている。第2シンクロナイザリング24は後述する連結リ
ング26の外周に回転可能に組付けられていて、各フラン
ジ部24bおよびスプライン部24cがクラッチハブ21の各溝
部21bに嵌合し、同クラッチハブ21に対してわずかに相
対回転可能になっており、また各係合凹所24fにて第1
シンクロナイザリング23の係合凸起23cに係合し、同シ
ンクロナイザリング23とは一体回転可能に連結してい
る。
連結リング26は第6図(a)、(b)に示すように、筒
部26aの一端に環状の係合凸起26b(第1係合凸起)を備
えるとともに、その他端の周方向の3箇所に等間隔に係
合凸起26c(第2係合凸起)を備え、クラッチハブ21お
よび5速ギヤ13dのボス部に組付けられている。連結リ
ング26はかかる状態において、一端側の第1係合凸起26
bをテーパコーン25の係合凹所25cに係合され、かつ他端
側の各第2係合凸起26cを第2シンクロナイザリング24
の各係合凸起24gに係合されていて、第2シンクロナイ
ザリング24とテーパコーン25とを軸方向に連結してい
る。第2係合凸起26cはテーパコーン25の案内溝部25dを
軸方向へ挿通可能に形成され、かつ筒部26aは第2シン
クロナイザリング24およびテーパコーン25の内孔内に挿
通可能に形成されている。また、連結リング26は第7図
に示すように各係合凸起26cをクラッチハブ21の各係合
凹所21cに係合されていて、クラッチハブ21に対しては
一体回転可能であり、かつ5速ギヤ13dに対しては回転
可能である。
第2シンクロナイザリング24においては第1図および第
7図に示すように、各凹所24dにシフティングキー27が
それぞれ嵌合されてキースプリング28により支承され、
同シフティングキー27はキースプリング28の付勢力にて
ハブスリーブ22の係合凹所22bに弾撥的に係合してい
る。シフティングキー27は第2シンクロナイザリング24
の凹所24dにて周方向への回転を規制して嵌合され、軸
方向および径内外方向へは所定量移動可能になってい
る。キースプリング28は第2シンクロナイザリング24の
凹所24eとシフティングキー24の内孔間に介装されてい
る。
当該同期装置20においては、クラッチハブ21およびハブ
スリーブ22がカウンタシャフト13と一体回転可能であ
り、両シンクロナイザリング23,24、連結リング26およ
びシフティングキー27がクラッチハブ21に対してわずか
に相対回転可能であり、これに対してテーパコーン25お
よびスプラインピース29は5速ギヤ13dと一体回転可能
であり、かつカウンタシャフト13に対しては回転可能で
ある。
かかる構成の当該同期装置20においては、5速へのシフ
ト操作時ハブスリーブ22は第1図の図示右方へ摺動し、
これに伴いシフティングキー27がハブスリーブ22と一体
に移動して第1シンクロナイザリング23を押動し、同シ
ンクロナイザリング23をテーパコーン25のテーパコーン
部25aに圧接する。このため、第1シンクロナイザリン
グ23はクラッチハブ21およびハブスリーブ22に対して所
定量相対回転し、その後のハブスリーブ22の摺動により
シフティングキー23がハブスリーブ22から外れ、ハブス
リーブ22のスプライン部22aのチャンファが第1シンク
ロナイザリング23のスプライン部23aのチャンファに当
接して、同シンクロナイザリング23をテーパコーン25に
一層強く圧接する。これにより、ハブスリーブ22、第1
シンクロナイザリング23およびスプラインピース29は互
いに同期し、ハブスリーブ22はスプラインピース29に円
滑に噛合する。この結果、カウンタシャフト13と5速ギ
ヤ13dとは互いに結合し、5速へのシフト操作が完了す
る。
一方、当該同期装置20においてリバースシフト操作時ハ
ブスリーブ22は第1図の図示左方へ摺動し、これに伴い
シフティングキー27がハブスリーブ22と一体に移動して
第2シンクロナイザリング24を図示左方へ押動する。こ
の結果、連結リング26が第2シンクロナイザリング24と
一体に軸方向へ移動してテーパコーン25を同方向へ引張
り、テーパコーン25のテーパコーン部25aを第1シンク
ロナイザリング23のテーパコーン部23bに圧接する。こ
のため、第1シンクロナイザリング23および第2シンク
ロナイザリング24はクラッチハブ21およびハブスリーブ
22に対して所定量相対回転し、その後のハブスリーブ22
の摺動によりシフティングキー23がハブスリーブ22から
外れ、ハブスリーブ22のスプライン部22aのチャンファ
が第2シンクロナイザリング24のスプライン部24cのチ
ャンファに当接して同シンクロナイザリング24を一層強
く押圧する。この結果、連結リング26はテーパコーン25
を一層強く引張って、同テーパコーン25を第1シンクロ
ナイザリング23に一層強く圧接する。これにより、ハブ
スリーブ22、第2シンクロナイザリング24およびスプラ
インピース29は互いに同期し、クラッチを切った後慣性
で回転しているカウンタシャフト13を、停止しているア
ウトプットシャフト12に両5速ギヤ12d,13dを介して同
期させて停止させる。この間、アイドラシャフト14上の
アイドラリバースギヤ14aが摺動され、回転停止直前ま
たは直後のカウンタシャフト13上のカウンタリバースギ
ヤ13eに噛合し、次いでアウトプットシャフト12上のリ
バースギヤ12eに噛合し、これによりギヤ鳴りを生じさ
せることなくリバースシフトを円滑に完了させることが
できる。なお、ハブスリーブ22は同期後第2シンクロナ
イザリング24に噛合する。
ところで、当該同期装置20においては、5速シフト用の
同期作用とリバースシフト用の同期作用とを併せ持って
いるが、両同期作用をクラッチハブ21の一方側に配設し
た1個のテーパコーン24を利用して行う構成のため軸方
向に短く、軸方向に大きな配設スペースを確保する必要
がない。従って、かかるスペースを確保すべくカウンタ
シャフト13を長くする必要がなく、変速機の大型化およ
びその重量の増大を防止することができる。また、当該
同期装置20においては、テーパコーン25により構成され
るコーンクラッチがクラッチハブ21の片側にのみ存在し
ているにすぎないため、これにより発生する引きずりト
ルクも大きくなく、耐久性が高く、発熱が低く、燃費が
良く、かつ他の前進段のシフト操作に悪影響を及ばすこ
ともない。
しかして、当該同期装置20においては、シフト操作の開
始直後各シンクロナイザリング23,24は先ずシフティン
グキー27により軸方向に押圧される構成であるため、そ
の後ハブスリーブ22と各シンクロナイザリング23,24間
でのボーク作用が適確になされ、シフト操作が円滑かる
節度感をもってなされる。また、シフティングキー27は
第7図に示すように第2シンクロナイザリング24の凹所
24dに組付け保持されているため、同シンクロナイザリ
ング24とシフティングキー27を1組のユニットとしてク
ラッチハブ21に組付けることができ、組付性の向上が図
れるとともに各シンクロナイザリング23,24間の軸方向
の間隔を短縮することができる。
なお、当該同期装置20を構成する連結リング26におい
て、第1係合凸起26bはテーパコーン25の係合凹所25cと
軸方向に係合するもので、かつ第2係合凸起26cは第2
シンクロナイザリング24の係合凸起24gと軸方向に係合
するもので、これらの3部材24,25,26は互いに組付けら
れた1組のユニットの状態にてクラッチハブ21に組付け
られる。これら部材の組付けに当たっては、先ず連結リ
ング26をその第2係合凸起26cをテーパコーン25の案内
溝25dに嵌合した状態で同テーパコーン25の内孔内に軸
方向へ相対的に挿通し、次いで連結リング26をその第2
係合凸起26cを第2シンクロナイザリング24の係合凸起2
4gとは非対向の状態で同シンクロナイザリング24の内孔
内に軸方向へ相対的に挿通し、最大限挿通した後これら
両部材24、26を相対回転させる。これにより、第2シン
クロナイザリング24の係合凸起24gと連結リング26の第
2係合凸起26cとが軸方向に係合し、かつテーパコーン2
5の係合凹所25cと連結リング26の第1係合凸起26bとが
軸方向に係合し、第2シンクロナイザリング24、テーパ
コーン25および連結リング26は互に組付けられた1組の
ユニットとなる。従って、これらの各部材をクラッチハ
ブ21に組付ける場合ユニットとして一体的に組付けるこ
とができ、これら各部材を1個づつ組付ける場合に比較
して組付性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例にかかる同期装置の断面図、
第2図(a)はクラッチハブの正面図、同図(b)は同
図(a)の矢印II−II線方向の断面図、第3図(a)は
第1シンクロナイザリングの正面図、同図(b)は同図
(a)の矢印III−III線方向の断面図、第4図(a)は
テーパコーンの正面図、同図(b)は同図(a)の矢印
IV−IV線方向の断面図、第5図(a)は第2シンクロナ
イザリングの正面図、同図(b)は同リングの背面図、
同図(c)は同図(a)の矢印V−V線方向の断面図、
第6図(a)は連結リングの正面図、同図(b)は同図
(a)の矢印VI−VI線方向の断面図、第7図は第1図の
矢印VII−VII線方向の拡大断面図、第8図は同装置を採
用した変速機のスケルトン図である。 符号の説明 11…インプットシャフト、12…アウトプットシャフト、
13…カウンタシャフト、14…アイドラシャフト、13d…
5速ギヤ、12e、13e、14a…リバースギヤ、20…同期装
置、21…クラッチハブ、22…ハブスリーブ、23…第1シ
ンクロナイザリング、24…第2シンクロナイザリング、
24d…凹所、25…テーパコーン、26…連結リング、27…
シフティングキー、28…キースプリング、29…スプライ
ンピース。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸上に一体回転可能に組付けたクラッ
    チハブと、同クラッチハブの外周に軸方向へのみ摺動可
    能に組付けたハブスリーブと、前記回転軸上にて前記ク
    ラッチハブの一側に回転可能に組付けたギヤに一体回転
    可能かつ軸方向へ所定量移動可能に組付けられて同ギヤ
    と前記クラッチハブ間に位置するテーパコーンと、前記
    クラッチハブとギヤ間にて前記テーパコーンの外周に配
    置されて前記ハブスリーブの一側に位置し同ハブスリー
    ブの一側への摺動により軸方向へ押動されて前記テーパ
    コーンに圧接するシンクロナイザリングと、前記ハブス
    リーブの他側に位置し同ハブスリーブの他側への摺動に
    より軸方向へ押動される第2のシンクロナイザリング
    と、同シンクロナイザリングと前記テーパコーンを軸方
    向に連結する連結部材を備えてなる同期装置であり、前
    記第2のシンクロナイザリングには同シンクロナイザリ
    ングの外周側に設けた凹所に周方向への回転を規制され
    て嵌合され軸方向へ所定量移動可能かつ径内外方向へ所
    定量移動可能なシフティングキーと、前記凹所に介装さ
    れ前記シフティングキーを支承して径外方へ付勢し前記
    ハブスリーブの内スプライン部に設けた係合凹所に弾撥
    的に係合させるキースプリングを備え、前記シフティン
    グキーの一側が前記シンクロナイザリングの他側に対向
    していることを特徴とする手動変速機の同期装置。
JP4186290U 1990-04-19 1990-04-19 手動変速機の同期装置 Expired - Lifetime JPH0716111Y2 (ja)

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