JPS6124584B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば自動車に用いるための多比変速
機における制御リンク仕掛け（リンク機構）に関
する。

本発明によつて、ハウジングと、各々一方およ
び他方の駆動位置へと反対方向に中央中立位置か
ら選択的に軸方向に可動の第１および第２のシフ
ト・カラーを有する段比ギヤリングと、ハウジン
グ内に軸方向に装着された案内部材と、第１およ
び第２のコネクタ衝合部分と前記第１および第２
のシフト・カラーとそれぞれ直接的に協力する第
１および第２のフオーク部分とを有し各々中央中
立位置から一方の駆動位置へと一方向にまた他方
の駆動位置へと逆方向に独立の軸方向シフト運動
をなしうるように案内部材上に装着された第１お
よび第２のシフト部材と、自身の横断方向軸線に
沿つて第１と第２の選択位置間を選択運動するよ
うに且つ中央中立位置から一方の駆動位置へと一
方向にまた他方の駆動位置へと逆方向に回転シフ
ト運動するようにハウジング内に横断方向に装着
されたシフト軸と、該シフト軸と共に対応位置へ
対応運動をなしうるようにシフト軸上に半径方向
に装着されそれぞれ第１および第２のシフト部材
の第１および第２のコネクタ衝合部分と選択的に
直接協力し中央中立位置にある時にはシフト軸お
よびシフト・レバーの第１および第２の選択位置
のうちの１つへ選択運動により作動して第１およ
び第２のコネクタ衝合部分のうちの一方とそれぞ
れ選択的に直接的に係合しシフト運動と同時に作
動して第１および第２のコネクタ衝合部分のうち
の選択的に係合された一方をそれに応じてシフト
せしめ第１および第２のシフト部材のうちの対応
する一方を中央中立位置から前記一方および他方
の駆動位置へとシフトさせるシフト・レバーと、
シフト軸上に共同の横断軸方向運動可能に装着さ
れるが連動部材に対するシフト軸の回転運動を許
し且つシフト・レバーの両側に横断方向に位置す
る第１および第２の運動カム部分を有し、シフ
ト・レバーが前記第１の選択位置にある時には第
１のシフト部材の自由なシフト運転を許し第２の
連動カム部分を第２のコネクタ衝合部分に直接係
合して第２のシフト部材を中央中立位置に保持す
るように位置せしめるべく作動し、シフト・レバ
ーが第２の選択位置にある時には第２のシフト部
材の自由なシフト運動を許し第１の連動カム部分
を第１のコネクタ衝合部分に直接係合して第１の
シフト部材を中央中立位置に保持するように位置
せしめるべく作動する連動部材と、ハウジングお
よび連動部材上にあつて連動部材の回転運動を防
止するが連動部材の横断軸方向運動はこれを許容
する案内手段とから成る、多速変速機における制
御リンク仕掛けが提供される。

該制御リンク仕掛けは各群の駆動に対する中立
位置を選択し且つ複数の順方向比駆動および逆方
向駆動の各々１つへと確実な連動をもつて変速機
を選択的にシフトさせて一方の駆動の係合および
他方の駆動の係脱を確実ならしめるための簡単な
内部リンク仕掛け構成および配置を容易に構成す
ることができる。逆方向位置への選択運動は禁止
されることができシフト運動は中立および各シフ
ト位置において戻り止めされることができる。

該内部シフト・リンク仕掛けは製造および組立
が容易となるように簡単化された部品の簡単な構
成および配置を有しうる。変速機ハウジング内に
横断方向に装着されたシフト軸は軸方向選択運動
および回転シフト運動のために効果的であり順方
向歯車組の歯車間に一側において首筋の近くに軸
方向運動可能に支持された密接に隣接する順方向
シフト部材と協力するシフト・レバーをその上に
有しうる。シフト軸上には逆方向シフト部材が枢
着されて順方向ギヤリングの一側におけるシフ
ト・レバーから順方向ギヤリングを横断方向に横
切つて延び順方向ギヤリングの他側における逆方
向ギヤリングと係合しうる。シフト軸上に装着さ
れた連動手段はシフト軸と共に軸方向に運動し、
ハウジング上の案内手段により回転運動しないよ
うに保持されている。

変速機はそれぞれ入力および出力軸と関連した
入力および出力歯車を各々有する複数の比歯車組
を有する順方向駆動ギヤリングにより連結された
平行な軸方向入力および出力軸を有しうる。一方
の対の歯車組においては入力歯車は入力軸に固定
されており出力歯車は出力軸上で回転可能であ
り、他方の対の歯車組においては入力歯車は入力
軸上で回転可能であり出力歯車は出力軸上に固定
されている。第１および第２対の歯車組は回転可
能な歯車をその軸に選択的にクラツチせしめて各
歯車組の比駆動を選択的に確立するための第１お
よび第２のシンクロメツシユ・クラツチ装置を有
する。各シンクロメツシユ装置は中央中立位置に
おいて両クラツチを中立のために係脱せしめるべ
く作動し且つ１対の歯車組のうちの一方または他
方の歯車組と選択的に係合すべく１対のシフト位
置のうちの一方または他方へと反対方向にシフト
可能なカラーを有しうる。

内部シフト・リンク仕掛け配置は外部リンク仕
掛けがハウジング内に横断方向に装着されたシフ
ト軸に選択およびシフト運動を伝達し変速機ハウ
ジング内に軸方向運動可能に装着された順方向シ
フト部材およびシフト軸上に枢着された逆方向シ
フト部材と協力する突出シフト・レバーを有する
ようにすればよい。選択運動はシフト軸が回転中
立位置にある時にシフト軸をその横断方向軸線上
で軸方向に運動せしめ、シフト運動はシフト軸を
その軸線のまわりに回転中立位置から第１および
第２のシフト位置へと反対方向に回転せしめる。
シフト・レバーはシフト軸に固定されており各シ
フト部材内の凹部と選択的に協力する端カムをそ
なえたレバー部分と中央回転中立位置の各側にシ
フト位置のための戻り止め溝を有する戻り止めレ
バーとを有する。シフト・レバーは板金で形成さ
れておりシフト軸を受容すべく穴をあけられた中
央矩形部分とシフト・レバーをシフト軸と共に回
転および軸方向運動可能に固定するピンとを有
し、一側はシフト・レバーに端カムを設けるべく
延びており、反対側は戻り止めレバーに戻り止め
溝を設けるべく延びている。シフト部材はハウジ
ング内に固定された軸方向案内軸上に軸方向運動
可能に装着されてい。シフト部材は板金で形成さ
れ該シフト部材を案内軸上に摺動自在に装着すべ
く穴をあけられた脚をそなえたＵ字形本体をもつ
ている。各シフト部材の一方の脚はシンクロメツ
シユ装置のシフト・カラーに係合して該カラーを
中央中立位置の各側においてシフト位置でシフト
させると共に案内軸上でのシフト部材の回転を防
止するシフト・フオークを与えるべく延びてい
る。２つのシフト部材が採用される場合には、一
方は他方が中立位置にある時に各々がそのシフト
位置へとシフトされるように他方よりも充分に長
い基部を有する。シフト部材はＵ字形本体部分の
基部からシフト軸の方へと突出しシフト・レバー
の端カムと協力するための凹部を有する出張りを
有している。シフト軸上には逆方向シフト部材が
枢着されておりこれは中立位置と逆方向位置との
間でシフトするために逆方向遊び歯車と協力する
フオークを有している。逆方向シフト部材は板金
で形成されており逆方向シフト部材をシフト軸上
に回転可能に装着すべく穴をあけられた脚をそな
えたＵ字形部分を有しており、一方の脚は逆方向
遊び歯車と連結するために順方向ギヤリングの一
側においてフオークとして延び、他方の脚はシフ
ト軸に対面する凹部を有するシフト出張りとして
順方向ギヤリングの他側において延びている。シ
フト出張りは互いに平行且つ密接に隣接してお
り、凹部は各シフト部材が中立位置にある時に心
合する。ハウジングおよび逆方向シフト部材上の
回転案内は逆方向シフト部材のシフト軸の横断方
向軸線に沿う横断軸方向運動を防止する。シフト
軸上には連動部材がシフト軸の選択軸方向運動と
共に横断軸方向運動をなしうるように装着されて
おりシフト・レバー・カムにより占められない凹
部内に嵌合するシフト・レバー端カムの各側に位
置する連動カムを有している。ハウジングおよび
連動部材上の摺動案内はシフト軸上での連動部材
の回転運動を防止する。連動部材上にはばね戻り
止めが装着されて戻り止めレバー内の戻り止め溝
に係合する。連動部材は板金で形成されておりシ
フト・レバー矩形部分の両側に位置置する対向壁
をそなえた中央矩形部分を有し、連動部材がその
軸方向運動時にシフト軸と共に運動するようにシ
フト軸を受容すべく穴をあけられている。これら
の対向壁はシフト軸に平行に延び且つ中立位置に
あるシフト部材の凹部内に位置する連動カムを与
えるべくシフト・レバーの両側において延びてい
る。連動部材は板ばね戻り止めの他端が戻り止め
溝に係合して中立およびシフト位置においてシフ
ト・レバーおよびシフト軸の回転シフト運動を戻
り止めするように板ばね戻り止めの一端を支持す
る軸方向に延びる戻り止め支持体を有している。

図面に示した駆動列は前輪駆動車輛内の横断方
向発動機および変速機設置に特に適した構成のも
のである。本発明を組込んだ駆動列は主クラツチ
１０と、段比変速機１１と、クラツチ・ハウジン
グ部分１４および一体の変速機ハウジング部分１
６を有する組立体として形成されたハウジング１
３内に装着された差動機１２とを有する。クラツ
チ・ハウジング部分１４は主クラツチ１０を包囲
するベル・ハウジング部分１７と、該ベル・ハウ
ジング部分１７と共にクラツチ室１９を封包する
中間壁部１８とを有する。壁部１８はまだ歯車室
２１を与えるポツト形歯車ハウジング部２０の間
に端をも封包する。一体のクラツチ・ハウジング
部分１４はベル・ハウジング部１７および壁部１
８から横断方向に延びて差動機ハウジング部２３
内へと合同する連結部２２を有する。一体の変速
機ハウジング部分１６は歯車室２１を封包する歯
車ハウジング部２０を形成する周壁２４および端
壁２６と、差動機ハウジング部２８内へと合同す
る連結部２７とを有する。クラツチ・ハウジング
部分１４はベル・ハウジング部１７のフランジ３
２においてフアースナ３１により発動機ブロツク
２９に固定されている。クラツチ・ハウジング部
分１４は中間壁部１８に隣接して、変速機ハウジ
ング部分１６の密封面３４と密封接触する密封面
３３を有し、これらの面は歯車室２１、連結室３
８および差動機室３９を形成するように変速機ハ
ウジング部分１６をクラツチ・ハウジング部分１
４に固定密封するためにフアースナ３６および位
置ぎめピン３７によつて互いに固定されている。
連結室３８は連結部２２と２７の間に位置し、歯
車室２１をクラツチ・ハウジング部分１４と変速
機ハウジング部分１６のそれぞれの差動機ハウジ
ング部２３と２４との間の差動機室３９に連結す
る。

主クラツチ１０は発動機軸４３により矢印の方
向に駆動される発動機フライホイール４２の一部
として形成された支持板４１を有する。フライホ
イール４２には蓋板４４がフアースナ４６により
固定されている。蓋板４４に固定された環状ピボ
ツト４８により板ばね４７が中央に枢着されてお
り、常時圧力板４９を付勢して発動機軸４３の軸
受孔内に従来通り支持された変速機入力軸５２に
駆動連結された被駆動板５１に係合せしめてい
る。研削スリーブ５３が中間壁部１８内の穴５６
内に嵌合し、フアースナ（不図示）により中間壁
部１８に固定されたフランジ５４を有する。クラ
ツチ投出軸受５８は研削スリーブ５３上を移動し
て板ばね４７を圧縮し主クラツチ１０を解除すべ
くクラツチ・レバー５９によつて作動可能であ
る。

変速機入力軸５２は中間壁部１８に固定された
フランジ５４内に支持された軸受６１と、端壁２
６内の凹部６３内に固定された軸受６２とによつ
て回転可能に支持されている。出力軸６４は中央
貫通孔６６を有するスリーブ軸により形成され出
力端において中間壁部１８のオフセツト壁部６９
内の凹部６８内に固定された軸受６７により、そ
して他端において端壁２６内の凹部７２内に固定
された軸受７１により、回転可能に支持されてい
る。軸受６１，６２，６７および７１は関連した
ハウジング部内および関連した軸上に圧嵌により
固定されたテーパしたころ軸受であつて、入力軸
５２および出力軸６４を変速機ハウジング部分１
６および中間壁部１８内で互いに平行離隔関係に
回転可能に支持している。スリーブ・フランジ５
４内の密封具７３は軸受６１の背後で入力軸５２
と係合して研削スリーブ５３と入力軸５２との間
の空隙を密封することにより、壁部１８は歯車室
２１を公知のごとく密封するように密封される。

前部ギヤリング７４は入力軸５２に固定された
（本実施例ではそれと一体的な）入力歯車７８，
７９と出力軸６４上にすべり軸受により回転可能
に装着された出力歯車８１，８２をそれぞれ有す
る第１および第２の速度歯車組７６，７７から成
る第１対の歯車組７５と、入力軸５２上にすべり
軸受により回転可能に装着された入力歯車８６，
８７と出力軸６４にスプラインにより固定された
出力歯車８８，８９とをそれぞれ有する第３およ
び第４の速度歯車８４，８５から成る第２対の歯
車組８３とを有する。第１対の歯車組７５の出力
軸６４上に回転可能な第１と第２の速度出力歯車
８１と８２の間および第２対の歯車組８３の入力
軸５２上に回転可能な第３と第４の速度入力歯車
８６と８７の間にはそれぞれ第１および第２のシ
ンクロメツシユ装置９１，９２が位置せしめられ
ている。第１および第２のシンクロメツシユ装置
９１，９２は積極的な中立状態を与える中央中立
位置（第１図CN）に示された第１および第２の
シフト・カラー９３，９４をそれぞれ有する。

第１のシフト・カラー９３は中立位置から選択
的に右方への、従つて出力歯車８１の方へのシフ
ト運動時に、第１の比位置（第１）において、第
１速度クラツチ９５と係合して第１速度出力歯車
８１を出力軸６４にクラツチさせて第１速度歯車
組７６により第１比駆動を確立し、選択的に左方
への、従つて第２速度出力歯車８２の方への運動
時に、第２の比位置（第２）において、第２速度
クラツチ９９と係合して第２速度出力歯車８２を
出力軸６４にクラツチさせて第２速度歯車組７７
により第２比駆動を確立する。従つて第１および
第２シフト・カラー９３，９４はそれぞれ第１お
よび第２速度クラツチ９５，９９と第３および第
４速度クラツチ１０１，１２６とのための作動器
として有効な二重作用結合部材から成ることにな
る。

第２のシフト・カラー９４は、中央中立位置
（CN）から選択的に第３速度入力歯車８６へ向け
ての右方へのシフト運動時に、第３の比位置（第
３）において、第３速度入力歯車８６を入力軸５
２にクラツチさせて第３速度歯車組８４により第
３比駆動を確立し、第４速度入力歯車８７へ向け
ての左方への運動時には、第４比位置（第４）に
おいて、第４速度入力歯車８７を入力軸５２にク
ラツチさせて第４速度歯車組８５により第４比駆
動を確立する。

第２のシンクロメツシユ装置９２は第３と第４
速度入力歯車８６と８７の間で入力軸５２に固定
されたハブ９６を有する。第２のシフト・カラー
９４はハブ９６の円筒形部分１１３上の外側スプ
ライン９８と嵌合する内側スプライン９７を有す
る。外側スプライン９８および円筒形部分１１３
は上述したハブとの軸方向シフト運動および回転
のためにより狭いハブ９６上にカラー９４を支持
するために内側スプライン９７と同じ軸方向長さ
を有する。

第３速度クラツク１０１は第３速度歯車組８４
の入力歯車８６上に円錐形の外側摩擦表面１０２
および外側クラツチ歯１０３と、外側摩擦表面１
０２と係合するマツチした円錐形の内側摩擦表面
１０６および外側ブロツカ歯１０７を有する円錐
部材１０４とを有する。第２図に示したごとく、
第２のシフト・カラー９４上の内側スプライン９
７は面取りされた端部１０８および真つ直ぐな対
向的にテーパした側部１０９を有する。外側ブロ
ツク歯１０７は軸方向に真つ直ぐな側部および面
取りされた端部１１０を有する。外側クラツチ歯
１０３は面取りされた端部１１１と接触される側
部１０９と同じテーパを有するテーパした側部１
１２とを有する。面取りされた端部１１０および
１１１は内側スプライン９７の面取りされた端部
１０８と対面する。第３速度クラツチ１０１の駆
動係合時には、第２図に示したように、内側スプ
ライン９７の一側における真つ直ぐな対向的にテ
ーパした側部１０９はいずれも外側クラツチ歯１
０３の対面するテーパ側部１１２と表面係合して
クラツチの係脱を禁止する。

外側スプライン９８はハブ９６の内側部分１１
５よりも幅広いハブ９６の円筒形部分１１３によ
り支持されている。ハブ９６はその円筒形部分１
１３およびそれに隣接した狭い部分１１５内に３
つの周方向に均等離隔した溝１１４を有する。各
溝１１４内にはキー１１６が摺動自在に装着され
ている。溝１１４（第３図）は各側に軸方向凹部
１１７を有し、キー１１６は各側に凹部１１７内
に嵌合して半径方向外向き運動を防止し且つキー
を溝内に軸方向摺動運動可能に保持する軸方向側
部フランジ１１８を有する。キー１１６は各端に
おいて割りリングばね１２１をすべてのキーの各
端における内面との接触状態に保持してキーを半
径方向外向きに付勢する端フランジ１１９を有す
るので、側部フランジ１１８は凹部１１７内に着
座する。キー１１６上の中央隆起部分と内側スプ
ラインのうちの関連したものまたはすべてのもの
における中央凹部とから成る戻り止め１２２は第
３のシフトにより第３クラツチ円錐部材１０４の
係合を開始せしめるように第２シフト・カラー９
４の運動時にキー１１６をカラー９４と共に移動
せしめる作用をなす。第３クラツチ円錐部材１０
４は、第４図に示したごとく、円筒形部分１１３
内に空隙をもつて位置する外側円筒形表面１２３
と、円錐部材１０４の半径方向外側円筒形部分お
よび半径方向部分と一体的に形成され周方向に均
等離隔した３つの出張り１２４とを有する。各出
張り１２１はハブ９６に対する円錐部材１０４の
回転移動を許すべく大きな空隙をもつて溝１１４
内に嵌合しているので、ブロツカ歯１０７は第３
クラツチ１０１と係合するための同期を確立すべ
く回転する。出張り１２４は円錐部材１０４の軸
方向全幅にわたつて延びているので、キー１１６
は短い。ハブ９６の狭小部分１１５は割りリング
ばね１２１の使用およびハブ９６に対するキー１
１６の必要な相対運動を許す。従つてキー１１６
は同期位相時に戻り止め１２２を介した第２シフ
ト・カラー９４の運動によりキー１１６が移動し
て出張り１２４と係合し円錐部材１０４を移動せ
しめて外側および内側摩擦表面１０２，１０６と
係合させると共に内側スプライン９７を移動せし
めてその面取りされた端部１０８がブロツカ歯１
０７の面取りされた端部１１０と共働してブロツ
カ歯１０７を介して通過して同期を確立するよう
にする時には完全に溝１１４内にある。そして第
２シフト・カラー９４の更に僅かの運動により、
内側スプライン９７はクラツチ歯１０３間を移動
する。スプライン９７およびクラツチ歯１０３の
テーパした接触側部分１０９と側部１１２とによ
つて、飛出し防止クラツチ係合のためにはごく小
さな重なり合いが必要とされるにすぎない。

第１図においてわかるように、第４速度クラツ
チ１２６は第３速度クラツチ１０１と同じ構成で
あるが、反対に位置しているので、第４速度クラ
ツチ１２６の詳細および作動については第３クラ
ツチ１０１の上記説明を参照すればよい。第１シ
ンクロメツシユ装置９１は第１および第２速度ク
ラツチ９５，９９を含み第２シンクロメツシユ装
置９２と同様であるから、第２シンクロメツシユ
装置９２についての上記説明および第１図〜第４
図における図示を参照すればよい。

逆転ギヤリング１３１は逆転軸１３４上に摺動
可能および回転可能に装着されたスリーブ・ハブ
１３３を有する逆方向遊び歯車１３２を有する。
逆方向軸１３４は一端に歯車ハウジング部分２０
の周壁２４内の半円筒形の軸座１３７内に着座し
その中に壁２４を貫通して延び固定部分１３６内
に螺入されたねじ１３８により固定された拡大円
筒形端部である固定部分１３６を有する。逆方向
軸１３４の他端は中間壁部１８内の盲孔１３９内
に嵌合している。逆方向遊び歯車１３２は中立位
置Ｎに図示されているが、この位置において更な
る（余分の）運動はスリーブ・ハブ１３３に係合
するストツパとして作用する固定部分１３６によ
り制限される。中立位置Ｎにおいて、逆方向遊び
歯車１３２は第２速度入力歯車７９と前記ギヤリ
ング７４の一側における入力および出力歯車の首
筋にある逆方向入力歯車１４１との間に位置して
いる。中立Ｎから逆方向位置Ｒへの逆方向遊び歯
車１３２の運動により、この歯車はまず入力軸５
２上に固定された逆方向入力歯車１４１と噛合
い、次いで、上記ハブ９６と同様なハブ１４３に
より出力軸６４に駆動連結された第１のカラー９
３上に固定された（本実施例ではそれと一体的
な）逆方向出力歯車１４２と噛合う。逆方向位置
Ｒを越えた逆方向遊び歯車１３２の余分な運動は
逆方向軸１３４上に装着され中間壁部１８に係合
する停止リング１４４に係合するスリーブ・ハブ
１３３により制限される。

ギヤリングにおいて、入力歯車７８，７９，１
４１は入力軸５２に対して一体的な構成で固定さ
れている。出力歯車８８，８９はスプラインによ
り出力軸６４に固定されているが、これは何故な
ら回転出力歯車８１，８２は出力駆動歯車１４６
が一体的構成により出力軸６４に固定されている
故に出力軸６４上にまず組付けられねばならない
からである。出力駆動歯車１４６はフアースナ１
４８により差動ケージ１４９に固定された差動歯
車１４７を直接駆動する。出力駆動歯車１４６お
よび差動歯車１４７は平歯車であつてクラツチ・
ハウジング部分１４のハウジング部２２と変速機
ハウジング部分１６の遷移部２７を連結すること
により形成される連結室３８を貫通して延びてい
る。ケージ１４９は差動歯車側および他側にそれ
ぞれ一体的なスリーブ１５１，１５２を有してい
る。これらのスリーブ１５１，１５２は軸受１５
３，１５４により回転可能に支持され且つ変速機
ハウジング部分１６の差動機ハウジング部２８内
の穴１５８およびクラツチ・ハウジング部分１４
の差動機ハウジング部２３内の穴１５９内にそれ
ぞれ装着された密封具１５６，１５７によつて密
封されている。半軸１６１，１６２はスリーブ１
５１，１５２内に回転可能に支持された密封具１
５６，１５７によりそれぞれ接触され且つスプラ
インにより傘歯車１６３，１６４に固定されてい
る。傘歯車１６３，１６４は横孔１６９内に装着
されピン１７０により差動ケージ１４９内に固定
されたピニオン軸１６８に共に装着された差動ピ
ニオン１６６，１６７と噛合う。各ピニオン１６
６，１６７とケージ１４９との間にはスラスト座
金１７１が位置している。ケージ１４９上には速
度計駆動歯車１７２が固定されている。

内側シフト・リンク仕掛け（第５図および第６
図）により構成される本発明による制御リンク仕
掛けはその軸線が入力軸５２の軸線に沿つて延び
る変速機縦方向軸に対し横断方向に延びるから横
軸として配置されたシフト軸１７６を有し、該シ
フト軸１７６は前部ギヤリング７４の上方を横切
つて横断方向に延びている。シフト軸１７６は第
１および第２のシンクロメツシユ装置の間の中央
に且つ入力軸５２上の入力歯車の上方を横切つて
それに隣接して横断方向に位置せしめられてい
る。シフト軸１７６は軸方向選択運動可能に且つ
回転シフト運動可能に歯車ハウジング部分２０
（第５図）の周壁２４の対向側壁部分内の心合し
た孔１７７，１７８内に装着されている。シフト
軸１７６は孔１７８および密封具１７９を貫通し
て延び、そして手動レバー１８０により作動され
る公知構成の外側リンク仕掛け（不図示）に連結
された外側シフト軸部１８１を有する。外側リン
ク仕掛けは第１、第２および第３の中立位置１
Ｎ，２Ｎ、３Ｎの間を選択するために横断方向に
可動であり、またこれらの中立位置からそれぞれ
逆方向Ｒ、第１および第３速度駆動位置へとシフ
トするように前方へ可動であり、且つ第２および
第３の中立位置からそれぞれ第２および第４駆動
位置へとシフトするように後方へ可動な手動レバ
ー１８０（第１０図）により作動される。手動レ
バー１８０は対応する第１中立位置１Ｎ，第２中
立位置２Ｎおよび第３中立位置３Ｎ（第５図）の
間でのシフト軸１７６の軸方向選択運動を与える
べく且つ中央中立CN位置（第６図）から第２お
よび第４位置２−４または逆方向位置、第１およ
び第３位置Ｒ―１−３へと反対方向における対応
する回転シフト運動を与えるべく、外側シフト軸
部１８１に連結された外側リンク仕掛けを介して
有効である。シフト軸１７６の自由端には孔１７
７を越えて逆方向禁止器１８２が位置しておりこ
れはシフト軸１７６の端部に固定されこれを越え
て延びるピン１８３と、シフト軸１７６の端部に
衝合するピン１８３上の座金１８６と、ピン１８
３上を案内されガス抜き１９０を有する室１８５
内に位置し座金１８６上に着座するばね１８４
と、歯車ハウジング部２０の周壁２４にねじ山１
８８により固定されたフラグ１８７とを有する。
シフト軸１７６が第５図に示したごとく第２中立
２Ｎ位置にある時、シフト軸１７６は座金１８６
を介してその自由高さにおいてばね１８４と衝合
するので、シフトが駆動を逆転するのに必要なご
とく、シフト軸の第１中立１Ｎ位置への更なる運
動はばね１８４により弾性的に抵抗を受けるかた
は禁止される。

シフトおよび戻り止めレバー部材１９１（第７
図）は第１１図に示すごとき作動について以下に
更に説明する端カム１９３を有するシフナ・レバ
ー１９２を含む。シフト・レバー１９２はその両
側に、レバー部材１９１の中央矩形部分２０１を
形成する戻り止めレバー１９９の両側に溶接１９
７，１９８により固定された耳１９４，１９６を
有する。戻り止めレバー１９９はその上端にシフ
ト軸１７６およびレバー部材１９１のそれぞれＲ
―１―３、CNおよび２―４位置に対する３つの
戻り止め溝２０２を有する。シフト・レバー１９
２および戻り止めレバー１９９は矩形部分２０１
にシフト軸１７６を受容すべき心合した穴２０
３，２０４を有し、また耳１９４，１９６にはシ
フト軸１７６を横断方向に貫通してレバー部材１
９１を対応位置への共同回転シフトおよび軸方向
選択運動可能にシフト軸１７６に固定するピン２
０７を受容すべき横断方向穴２０５，２０６を有
する。

連動部材２１１（第５図、第６図および第９
図）は基部２１３と、長脚２１４と、短脚２１５
とを有するＵ字形部分２１２を有する。基部２１
３の近傍で脚２１４，２１５はシフト軸１７６を
受容すべき穴２１７，２１８を有する。脚２１
４，２１５はそれぞれシフト・レバー１９２およ
びシフト・レバー部材１９１の戻り止めレバー１
９９に接触するので、連動部材２１１はシフトお
よび戻り止めレバー部材１９１およびシフト軸１
７６と共に軸方向に運動するのがそれらの相対回
転を許す。歯車ハウジング部分２０の周壁２４の
オフセツト部分２３５内に固定されたピン２１９
により連動部材のための摺動案内２２０が与えら
れ連動部材の基部２１３内のスロツト２２１内へ
と軸方向に延びている。スロツト２２１はシフト
軸１７６の軸方向に延びてシフト軸１７６のまわ
りでの連動部材２１１の回転を防止するのが連動
部材２１１のシフト軸１７６との一体的な軸方向
運動を許容する摺動案内を与えている。基部２１
３内の穴２２２は分解のためにピン２０７への接
近を許す。連動部材の長脚２１４および短脚２１
５はそれぞれシフト軸１７６から離れる方向に半
径方向に延び第１および第２の連動カム２２６，
２２７において終端する第１および第２の連動腕
２２３，２２４（第１０図）を含み、該カム２２
６，２２７はシフト・レバー端カム１９３の両側
からシフト・レバー１９２の端カム１９３と密接
に近接するようシフト軸１７６に平行に延びてい
る。以下に連動カム２２６，２２７およびその作
動を第１２図を参照して更に説明する。戻り止め
板ばね２２８は一端においてフアースナ２２９お
よびタングおよびスロツト連結２３１により長脚
２１４の端における耳２３２に固定され、ばね２
２８の他端は２叉になされて戻り止めレバー１９
９の３個の戻り止め溝２０２と選択的に係合すべ
く戻り止めローラ２３３を回転自在に支持してい
る。

壁部１８内の盲孔２３６および周壁２４のオフ
セツト部分２３５内の盲孔２３７の中には案内軸
２３４が装着されこれは壁部１８と衝合するリン
グ停止部材２３８をその上に有する。第１および
第２のシフト部材２４１，２４２は本実施例にお
いては板金より成りそれぞれ基部２４３，２４４
と、短脚２４６，２４７と、フオーク２４８，２
４９を構成する長脚とを有するＵ字形部材から成
る。第１および第２のフオーク２４８，２４９は
それぞれ第１および第２のシフト・カラー９３，
９４内の溝２５１，２５２（第１図）に嵌合して
いるので、第１および第２のシフト部材２４１，
２４２はそれぞれ第１および第２のシフト・カラ
ー９３，９４を対応位置へと移行せしめめる。第
１のシフト部材２４１は各脚２４６，２４８内に
１個ずつの心合した穴２５３を基部２４３の近く
に有し、これは対応して軸方向シフト運動をなし
うるように案内軸２３４上に第１のシフト部材２
４１を装着するために案内軸２３４を受容し、第
２のシフト部材２４２は各脚２４７，２４９内に
１個ずつの心合した穴２５４を基部２４４の近く
に有し、これは軸方向シフト運動をなしうるよう
に案内軸２３４上に第２のシフト部材２４２を装
着するために案内軸２３４を受容する。

第１のシフト部材２４１において、基部２４３
の長さおよび脚２４６とフオーク２４８の間隔は
基部２４４の長さおよび第２のシフト部材２４２
の脚２４７とフオーク２４９の間隔よりも短いこ
とにより、第１のシフト部材２４１はシフト運動
のための充分な空隙をもつて第２のシフト部材２
４２の中に嵌合する。フオーク２４８，２４９が
それぞれ第１および第２のシフト・カラー９３，
９４内の溝２５１，２５２の直径方向対向部分と
係合していることにより案内軸２３４のまわりで
の第１および第２のシフト部材２４１，２４２の
回転運動が防止されると共に軸方向に延びる基部
２４３，２４４がその横断方向断面がシフト軸１
７６の横断方向軸線とシフトおよび案内軸１７
６，２３４に対する垂線との間の近中間角度（例
えば30゜ないし60゜）となるように位置ぎめさ
れ、この場合そのそれぞれの隣り合う縁２５６，
２５７は互いにごく密接すると共にシフト軸１７
６に対しては更に近接する。

第１および第２のシフト部材２４１，２４２は
その隣り合う縁２５６，２５７からシフト軸１７
６の横断方向軸線へ向けて垂直に延びるそれぞれ
一体的に形成された第１および第２のコネクタ出
張り２５８，２５９を有する。出張り２５８，２
５９はそれぞれ第１および第２のシフト凹部２６
１，２６２を有しその開口側はシフト軸１７６に
面している。各凹部２６１，２６２は第１２図に
ついて以下に述べるごとく、シフトのために端カ
ム１９３および連動カム２２６，２２７を受容す
べく軸方向長さがシフト・レバー端カム１９３お
よび連動カム２２６，２２７の軸方向寸法に等し
い長方形状を有する。

第１のシフト部材２４１およびシフト・カラー
９３は第１のシンクロメツシユ装置を立Ｎ位置に
置いて中央中立CN位置に示されており、第１速
度位置（第１）へと低速方向に移行して第１のシ
ンクロメツシユ装置９１を第１速度歯車組７６に
よる駆動を確立するための第１速度駆動位置（第
１）に置くことができ、また第２速度位置（第
２）へと高速方向に移行して第１のシンクロメツ
シユ装置９１を第２速度歯車組７７による駆動を
確立するための第２速度駆動位置（第２）に置く
ことができる。第２のシフト部材２４２およびシ
フト・カラー９４は第２のシンクロメツシユ装置
９２を中立位置に置いて中央中立CN位置に示さ
れており、同様に第３速度位置（第３）へと移行
して第２のシンクロメツシユ装置９２を第３速度
歯車組８４による駆動を確立するための第３速度
駆動位置（第３）に置き、また第４速度位置（第
４）に移行して第２のシンクロメツシユ装置９２
を第４速度歯車組８５による駆動を確立するため
の第４速度位置（第４）に置く。

この説明において、第１および第２のシンクロ
メツシユ装置９１，９２、シフト・カラー９３，
９４、シフト部材２４１，２４２および関連部分
はアツプシフト時におけるその通常の使用順序に
鑑みて「第１」および「第２」として識別される
ものである。あるいはまたこれらの同じ部分はそ
れぞれそれらが確立する比駆動に関して「１−
２」および「３−４」シンクロメツシユ装置９
１，９２、シフト・カラー９３，９４、シフト部
材２４１，２４２および関連部分として示しても
よく、この識別法は以下における作動の説明に当
つて用いられる。この説明においては、簡潔のた
めに、選択運動位置は第１、第２および第３の中
立位置として識別されているが、機能的な観点か
らはそれぞれ逆方向シフトのための逆方向選択位
置、１−２シフトのための第１順方向選択位置、
および３−４シフトのための第２順方向選択位置
として識別される。

シフト軸１７６およびシフト・レバー１９２は
対応する選択およびシフト位置への共同の軸方向
選択運動および回転シフト運動を有する。シフト
軸１７６、シフト・レバー１９２およびシフト部
材２４１，２４２，２６３のうちの選択されたも
のとそれぞれのシフト・カラー９３，９４ならび
に逆方向遊び歯車１３２は対応位置への共同のシ
フト運動を有する。

逆方向シフト部材２６３（第５図および第８
図）はコンパクトな配置を与えるべくシフト軸１
７６のまわりの小さな空間において強さを増すた
めに半円形断面をもつ基部２６４を有し且つ作動
脚２６６とフオーク２６７を構成する脚とを有す
る形成された変形Ｕ字形部材である。作動脚２６
６はシフト軸１７６の軸線に対して半径方向部分
２６８および軸方向部分２６９を有し、また端部
において第１の出張り２５８に隣接平行であつて
第１および第２の凹部２６１，２６２に対応す
る、シフト軸１７６に面する開口側を有する逆方
向凹部２７２を有する逆転出張り２７１を有す
る。出張り２７１，２５８，２５９は平行平面内
でほぼ軸方向運動をしうるように装着され、出張
り２５８，２５９は一直線軸方向運動を有し、出
張り２７１は小さらシフト運動弧においてはほぼ
一直線の軸方向運動である大きな半径を有する弧
を描いて運動する。これらの出張りはその間に小
さな空隙空間をもつて装着されており自由な相対
的なほぼ軸方向運動のために軽い接触を有してよ
い。フオーク２６７は前記ギヤリング７４に隣接
して半径方向および軸方向に延び、中立Ｎ位置と
逆方向Ｒ位置間で逆方向遊び歯車１３２をシフト
させるために、逆方向遊び歯車１３２（第５図）
の真つ直ぐな平行側部と接触する２叉状のフオー
ク部分２７３において終端している。半円形基部
２６４に隣接しそれと同心状の作動脚２６６およ
びフオーク２６７の半径方向部分２６８には、シ
フト軸１７６上に逆方向シフト部材２６３を回転
シフト運動可能に枢着すべくシフト軸１７６を受
容する心合穴２７４がある。シフト軸１７６の横
断方向軸線に沿うシフト部材２６３の軸方向運動
は周壁２４内に固定されたピン２７６と基部２６
４内にあつてシフト軸１７６のまわりに円形方向
に延びるスロツト２７７とから成る回転案内２７
５により防止される。

伝動装置をシフトさせるための上述の内側シフ
ト・リンク仕掛けの作動、２−３シフトにおける
作動シーケンスの４つの位置を示す第１２図を更
に参照して以下に説明する。手動レバー１８０等
の外部制御器が第１１図に示した通常の変形
「Ｈ」パターン位置に運動することによりそれに
応じて内側リンク仕掛けを位置ぎめし伝動装置を
シフトさせる。

第１、第２および第３の中立位置１Ｎ，２Ｎ，
３Ｎ間での手動レバー１８０の横断方向選択運動
はそれに応じて第１、第２および第３の中立位置
（第５図に示した１Ｎ，２Ｎ，３Ｎ）間でのシフ
ト軸１７６、シフト・レバー１９２および連動部
材２１１の軸線に沿う横断方向選択運動を与え
る。シフト軸１７６の軸方向選択運動力は圧嵌ピ
ン２０７によつてレバー部材１９１の矩形部分２
０１へと伝達される。矩形部分２０１は連動部材
２１１の脚２１４と２１５間に小さな空隙をもつ
て嵌合して連動部材２１１をシフト軸１７６と共
に軸方向に運動せしめる。レバー部材１９１のシ
フト・レバー１９２の端カム１９３は僅かにより
大きな空隙をもつて第１と第２の連動カム２２
６，２２７間に嵌合しているので、力はシフト・
レバー１９２から連動カム２２６，２２７へは伝
達されず、シフト・レバー１９２と端カム１９３
のシフト運動のための空隙がある。手動レバー１
８０の適切な中立位置から逆方向、第１および第
３の位置（Ｒ、第１、第３）への一方向（ダウン
シフト方向と呼ぶ）または第２および第４の位置
（第２、第４）への逆方向（アツプシフト方向と
呼ぶ）での運動はそれに応じてシフト・レバー１
９２および戻り止めレバー１９９をそれぞれ有す
るシフト軸１７６およびレバー部材１９１を中央
中立CN位置（第６図）から低速位置即ち逆転―
第１―第３位置（Ｒ―１―３）へのダウンシフト
方向または高速位置即ち第２―第４位置（２―
４）へのアツプシフト方向に回転せしめる。シフ
ト軸１７６の選択運動は伝動装置１１を中立Ｎに
し且つ逆方向、第１および第２のシフト部材凹部
２７２，２６１，２６２を心合状態にして行なわ
れ、第11N、第22Nおよび第33Nの中立位置の選
択と同時に作動してシフト・レバー１９２の端カ
ム１９３をそれぞれ逆方向シフト部材２６３の逆
方向凹部２７２、第１（１―２）シフト部材２４
１の第１（１―２）シフト凹部２６１または第２
（３―４）シフト部材２４２の第２（３―４）シ
フト凹部２６２内で軸方向に運動せしめて位置ぎ
めする。端カム１９３は選択された凹部内にある
時には自由な軸方向運動および回転シフト運動を
なしうるように小さな空隙をもつてこれらの凹部
内に嵌合して選択されたシフト部材を有意な運動
損失なしに運動せしめる。

第１の中立位置１Ｎの選択と同時に、第１の連
動カム２２６は１―２および３―４凹部、２６
１，２６２内に入つて１―２および３―４シフト
部材２４１，２４２のシフト運動を防止し、シフ
ト・レバー１９２のＲ―１―３へのシフト運動と
同時に、逆方向凹部２７２内の端カム１９３は逆
方向シフト部材２６３を逆方向Ｒ位置へと回転運
動せしめることにより、逆方向遊び歯車１３２を
中立Ｎ位置から逆方向Ｒ位置へと運動せしめて逆
方向駆動を確立する。

第２の中立位置２Ｎの選択と同時に、第１およ
び第２の連動カム２２６，２２７はそれぞれ３―
４および逆方向凹部２６２，２７２内にあつて３
―４および逆方向シフト部材２４２，２６３のシ
フト運動を防止し、シフト・レバー１９２のＲ―
１―３位置へのダウンシフト方向または２―４位
置へのアツプシフト方向でのシフト運動と同時
に、１―２凹部２６１内の端カム１９３は１―２
シフト部材２４１および第１（１―２）シンクロ
メツシユ装置９１を第１または第２の位置へと軸
方向に運動せしめて第１または第２の比駆動を確
立する。

第３の中立位置３Ｎの選択と同時に、第２の連
動カム２２７は逆方向および１―２凹部２７２，
２６１内に進入して逆方向および１―２シフト部
材２６３，２４１のシフト運動を防止し、シフ
ト・レバー１９２のＲ―１―３位置へのダウンシ
フト方向または２―４位置へのアツプシフト方向
でのシフト運動と同時に、３―４凹部２６２内の
端カム１９３は３―４シフト部材２４２および第
２の３―４シンクロメツシユ装置９２を第３また
は第４の位置へと軸方向に運動せしめて第３また
は第４の比駆動を確立する。

１―２および３―４シフト部材２４１，２４２
は案内軸２３４上での軸方向シフト運動を有し、
逆方向シフト部材２６３はシフト軸１７６上での
回転シフト運動を有する。逆方向遊び歯車１３２
は逆方向ギヤリング１３１および順方向ギヤリン
グの入力および出力歯車の一側における首筋で且
つそれらの間に位置し、案内軸２３４は順方向ギ
ヤリング７４の入力および出力歯車間で反対側に
おける首筋に位置している。

１―２および３―４シフト部材２４１，２４２
は隣接する１―２および３―４シンクロメツシユ
装置９１，９２へと直接突出するシフト・フオー
ク２４８，２４９を有する。逆方向シフト部材２
６３は順方向ギヤリング７４の反対側における１
―２シフト部材２４１の出張り２５８に隣接位置
するその出張り２７１からシフト軸１７６と同心
状にシフト軸１７６へ、順方向ギヤリング７４の
頂部を横切つて横断方向に順方向ギヤリング７４
の一側へ且つ逆方向遊び歯車１３２へと延びてい
る。

第１２ａ図ないし第１２ｄ図はシフト・レバー
端カム１９３、第１および第２の連動カム２２
６，２２７の構成上の細部ならびにシフト・レバ
ー１９２の一直線２―３運動、従つて急速２―３
シフトのための第２から第３の比駆動位置への外
部手動レバー１８０の一直線運動を与える２―３
シフト時における作動のシーケンスを示す。シフ
ト・レバー端カム１９３の中心（点Ｃ）は第１、
第２および第３の中立位置Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３へ選
択的に移動せしめられ、外部リンク仕掛けおよび
手動レバー１８０の対応位置（第１１図）と同じ
配置を有する対応内部リンク仕掛け位置（第１２
図）における逆方向および第１ないし第４比駆動
位置（Ｒ、１―４）へとシフト可能に移動せしめ
られる。手動レバー１８０およびシフト・レバー
１９２は第２と第３の比駆動位置間で一直線運動
をもつてＨパターンに運動する。

第１２ａ図は第２比駆動位置における１―２シ
フト部材２４１の１―２凹部２６１におけるシフ
ト・レバー端カムを示し、第１（低比）連動カム
２２７および第２（高比）連動カム２２６はそれ
ぞれ逆方向および３―４シフト部材２６３，２４
２の逆方向凹部２７２および３―４凹部２６２内
にある。端カム１９３は断面において変形矩形状
を有し短いダウンシフトおよびアツプシフト端２
７８，２７９は１―２凹部２６１内に小さな空隙
を有し運動時に１―２凹部２６１の一端と係合し
ており長い側部２８１，２８２は第１と第２の連
動カム２２６，２２７間に空隙をもつて密接に位
置している。ダウンシフト端２７８およびアツプ
シフト端２７９はそれぞれシフト・レバー１９２
のＲ―１―２位置へのダウンシフト運動または２
―４位置へのアツプシフト運動と同時に凹部端面
と係合する先導端である。ダウンシフト側２８１
およびアツプシフト側２８２はそれぞれ第１、第
２および第３の中立位置Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３のうち
低い方か高い方の中立位置への軸方向選択運動時
における先導側である。ダウンシフト端２７８と
側部２８１との間およびアツプシフト端２７８と
側部２８２の間の隅部にはそれぞれダウンシフト
面取り２８３およびアツプシフト面取り２８４が
設けられている。該面取りは約15゜の角度をな
し、端部および側部の約1/3を除去している。端
部２７８，２７９およびそれぞれの面取り２８
３，２８４はシフト・レバー１９２のすべての回
転位置において端カム１９３および面取りが同一
の空隙を維持するように湾曲せしめられている。
凹部２６１，２６２の端壁隅部は面取り２８３，
２８４と同サイズでそれらと対面するそれぞれの
ベベル２９２，２９３（第１２ｃ図）を有してい
る。凹部２６１，２６２，２７２の他方の端壁隅
部は本質的に方形であるが僅かに丸味を付けられ
るかベベル状になされていて、型打ちされたシフ
ト部材２４１，２４２，２６３のかかる隅部は仕
上げられていて鋭くはない。第１（高比）の連動
カム２２６は低比側に小さなベベル２８６を高比
側に大きなベベル２８７を有する端部２８５を有
する。第２（低比）の連動カム２２７は高比側に
小さなベベル２８９を低比側に大きなベベル２９
１を有する端部２８８を有する。カム端１９３上
の面取り２８３，２８４、シフト部材２４１，２
４２上のベベル２９２，２９３、連動カム端２８
５，２８８上のベベル２８６，２８７，２８９，
２９１および直線２―３に沿う組合わされたシフ
トおよび選択運動は変速機の縦方向軸と平行なシ
フト・レバーのシフト運動の平面に対して同一角
度（本実施例では15゜）を有する。

第２比位置（第１２ａ図）から第３比位置（第
１２ｄ図）への２―３シフトにより、シフト・レ
バー中心Ｃは、組合わされたシフトおよび選択運
動と共に、真つ直ぐな点線２―３に沿つて移動す
る。第１２ｂ図は第１２ａ図の第２位置２と端カ
ム１９３のダウンシフト端２７８と１―２シフト
凹部２６１との接触により１―２シフト部材２４
１を第２位置２から中央中立位置CNへと動か
す、第２と第３の中立位置Ｎ２，Ｎ３の中間（両
者間の中途）にある第１２ｃ図の第２−第３中立
位置Ｎ２―３との間におけるシフト・レバー中心
Ｃの初期シフトおよび選択運動の一位置を示す。
第２位置２から第２−第３中立位置Ｎ２―３への
回転２−３シフト運動時に、第２（低比）連動カ
ム２２７上の大きなベベル２９１は１―２出張り
２５８内の１―２シフト凹部２６１の隣り合う隅
部に対する空隙を与えそれと係合可能であり、シ
フト・レバー端カム１９３上のアツプシフト面取
り２８４は３―４シフト出張り２５９内の３―４
シフト凹部２６２の隅部における隣り合うベベル
２９３に対して空隙を与えそれと係合して組合わ
されたシフトおよび選択運動中のシフト・レバー
１９２を許し且つ案内できるので、シフト・レバ
ー中心Ｃは真つ直ぐなシフト線２―３に沿つて移
動する。

シフト・レバー端カム１９３が第２−第３中立
位置（Ｎ２―３、第１２ｃ図）を介して移動する
につれて、端カム１９３のダウンシフト端２７８
は面取り２８３およびベベル２９２により１―２
凹部２６１との接触をやめ、方形隅部により３―
４凹部２６２と接触し、３―４シフト部材２４２
を中央中立位置CNから第３比駆動位置（第３）
へと運動せしめる。シフト・レバー１９２の接続
された運動に伴つて、その中心Ｃは線２―３に沿
つて第２−第３中立位置Ｎ２―３から第１２ｂ図
に示した位置と同様位置を介して移動し、ダウン
シフト・カム端２７８は３―４シフト凹部２６２
内に係合して３―４シフト部材２４２を中央中立
位置CNから第３の位置３へと運動せしめる。大
きなダウンシフト面取り２８３は１―２シフト部
材２４１の１―２凹部のベベル２９２に対して空
隙を与える。端カム１９３上のアツプシフト面取
り２８４と高比連動カム２２６上の小さなベベル
２８６は第３位置３へ移行するための空隙を与え
る。３―２シフトにより、この作動は逆転せしめ
られ、ダウンシフト面取り２８３は１―２出張り
２５８内の１―２シフト凹部２６１の隣り合うベ
ベル２９２に対して空隙を与え、アツプシフト面
取り２８４は一直線シフトのために３―４出張り
２５９内の３―４シフト凹部２６２の隣り合うベ
ベル２９３に対して空隙を与える。

その他の１段シフト１―２，２―１，３―４，
４―３もまた一直線シフトである。多段シフト１
―４，４―１は中立位置間での軸方向選択運動を
要するので、かかるシフトは不用意には行われな
い。これはまた逆転へのシフトにも要求される。
第２中立Ｎ２から第１中立Ｎ１への逆方向選択運
動は逆方向禁止器１８２により禁止されるので逆
転へのシフトは不用意には行なわれない。

変速機（第１図）は投入された潤滑剤または油
がトラフ内で集められ重力によりハウジング内の
軸軸受へ給送するための軸の端部における室およ
び軸上の軸受へ遠心力給送するための軸内の孔へ
と送られる潤滑系を有する。入力軸５２の外端３
０２には孔３０１および軸受６２へ油を送るため
に給油部３００（第１図）が設けられている。孔
３０１は軸５２の外端３０２から延び半径方向通
路３０３により軸受３０４に連結されている。第
３および第４比に対して、入力軸５２上に回転入
力歯車８６，８７を支える軸受３０４の各々に対
して少なくとも１個の半径方向通路３０３があ
る。端壁２６と軸受６２と入力軸５２の端部３０
２との間には油用の室３０６が位置している。ポ
リアミドナイロンまたは他の熱可塑性樹脂で作ら
れ環状円錐形（ベレヴイルばね形状）を有するシ
ールド３０７が室３０６内に位置している。シー
ルド３０７は孔３０１と心合し該孔３０１よりも
小さな直径を有する中心穴３０８を有する。シー
ルド３０７はその外径周縁３０９において軸受６
２に隣接する室３０６の周と密封接触状態に係合
しており、シールド３０７を室３０６内で端壁２
６と軸受６２との間に軸方向に位置ぎめすべく外
径のまわりに離隔した数個の位置ぎめ耳３１１を
有する。ポリアミドまたは他の熱可塑性樹脂材料
で作られたスリーブ３１２は孔３０１内に圧嵌し
固定するために公差適応を与える外側リブをそな
えた円筒形スリーブ部分３１３と、入力軸５２の
端面３１７と密封係合したフランジ３１６とを有
する。シールド３０７はベレヴイルばねと同様に
形成されそれと同様に機能するものであつて組立
時に予め応力を与えられているので中心穴３０８
のまわりの環状密封部分は低圧密封係合をもつて
フランジ３１６と係合している。フランジ３１６
をそなえた密封具と外径との間でシールド３０７
内における計測穴３１８は軸受６２への油流を計
測するのに使用されうる。シールド３０７内の中
心穴３０８は円筒形スリーブ部分３１３の内径よ
りも小さな内径を有するので、スリーブ３１２と
シールド３０７は協力的に作用して入力軸５２の
回転時に孔３０１内に油の環状体をせき止めて保
持するので、遠心力は軸受３０４の各側における
すべり軸受部分への均等な環状圧力給送のための
中央環状軸受空間へと通路３０３を介して油を給
送する。

出力軸６４の外端３２２における給油部３０
０′は上記給油部３００と同様であるから、同様
な参照数字（′付き）を使用し上記説明を参照す
ればよい。対向流により抵抗を受けなければ、給
油部３００′は回転出力歯車８１，８２の各々に
つき１個ずつの軸受３２４へ半径方向通路３２３
を介しての遠心力給送のために出力軸６４の孔６
６へと油を給送する。

出力軸６４の出力端３２７には給油部３２６が
位置しこれは入力軸５２について上述したごと
く、給油部３００と同様に、出力軸６４の出力端
３２７、その孔６６、ハウジングのオフセツト壁
部６９および軸受６７に対して構成配置されてい
る。給油部３２６は室３０６およびスリーブ３１
２と同様な室３２８およびスリーブ３２９を有し
ている。シールド３３１は中心穴３３３と計測穴
３３４を有する点においてシールド３０７と同様
であり、そしてスリーブ３２９のフランナとの密
封接触を有するが、外縁は外径を軸受６７により
凹部６８内に密封固定された環状密封部材３３２
のオフセツト内径部分により位置ぎめ密封されて
いる。歯車室２１は潤滑剤としての油でレベルＬ
（第５図）まで満たされ通常の閉鎖具（不図示）
をそなえた公知の充填およびドレンロを有する。

油回収トラフ３３６（第５図）は入力軸５２の
軸線の上方に位置する歯車ハウジング部分２０内
に形成または固定されており、第３および第４速
度歯車組８４，８５と横断方向心合した部分を与
えてこれらの歯車組により投入される油を回収す
べく軸方向に延びており、これらの歯車組は出力
軸６４と共にすべての比駆動およびオーバーラン
駆動において回転する。トラフ３３６は室３０６
の上方に位置し重力給油通路３３７により室３０
６に連結されて計測穴３１８を介して軸受６２へ
の給油流のために室３０６を部分的にまたは完全
に満たすようにされ、またシールド３０７内の中
心穴３０８を介して入力軸５２内の孔３０１に連
結されて軸受３０４を潤滑するようにされ、更
に、対向流により抵抗を受けなければ、軸受７１
および出力軸６４内の中心孔６６への同様な給油
のために通路３３８を介して室３０６′に重力流
により連結されている。トラフ３３６に発するこ
の給油流は、対向流により打勝たれなければ、出
力軸６４の出力端３２７における給油部３２６へ
と続きシールド３３１内の中心穴３３３および計
測穴３３４を介して通過して軸受６７を潤滑す
る。

歯車ハウジング部分２０上には軸方向および横
断方向トラフ３４０，３４１（第５図）が固定お
よび／または形成され第１および第２速度歯車組
７６，７７と横断方向に対向し且つ差動歯車１４
７と横断方向に対向する部分と共に軸方向に延び
てこれらの歯車により投入される油を受け取る。
これらのトラフ３４０，３４１は入力軸５２およ
び室３０６の上方に位置しており、室３２８へ油
を供給すべく重力給油通路である通路３４２によ
り連結されている。トラフ３４１は車輛が駆動さ
れているときまたは惰行している時に回転する大
きな差動歯車１４７により投入される油を回収す
るので車輛速度に対し高容積の油を回収する。ト
ラフ３４０も発動機が主クラツチ１０を係合せし
めた状態で入力軸５２を駆動して第１および第２
速度歯車組７６，７７を回転せしめる時常に投入
された油を回収する。トラフ３４０，３４１から
の油は重力により通路３４２を介し室３２８へと
流れ、対向流により対抗されなけば、その油は計
測穴３３４を介して油受６７へそして孔６６内へ
と至り半径方向通路３２３を介して遠心分離せし
められて第１および第２速度歯車組７６，７７の
軸受３２４を圧力潤滑する。そして油は、対向流
により対抗されなければ、室３２８から孔６６を
介して室３０６′へと流れて軸受７１を潤滑し、
また通路３３８を介して室３０６へと流れて上述
のごとく軸受６２，３０４を潤滑する。

スリーブ３１２，３１２′，３２９とその関連
軸孔間、および好ましくは静的状態のもとでのこ
れらのスリーブとその関連シールド間の密封は通
常の延長された閉止期間にわたつて油を孔６６，
３０１内に保持するに好ましくは充分であるか
ら、油は始動と同時に潤滑に利用される。走行作
動時に、これらの密封における小さな漏れまたは
計測された溝漏れは計測穴（例えば３１８）を介
して軸受（例えば６７）へ至る好ましい計測され
た油流を補充しうる。もし必要とあれば、半径方
向通路３２３のような軸内の半径方向通路を用い
て軸支持軸受に給油してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による制御リンク仕掛けを含む
多比変速機の駆動列部分の展開断面図、第２図は
係合位置における第３比シンクロメツシユ・クラ
ツチ・スプラインおよび歯の部分的拡大展開図、
第３図は第１図の３―３線上における矢印の方向
でのハブおよびキーの部分的拡大断面図、第４図
は第１図の４―４線上における矢印の方向でのハ
ブおよび円錐部材の部分的拡大図、第５図は第１
図の５―５線上における矢印の方向での駆動列の
断面図であつて制御リンク仕掛けを説明する図、
第６図は制御リンク仕掛けの一部の詳細を示す、
第５図の６―６線における矢印の方向での部分的
断面図、第７図は制御リンク仕掛けのシフトおよ
び戻り止めレバーの拡大斜視図、第８図は逆転シ
フト部材を示す、第５図の８―８線における矢印
の方向での拡大部分的断面図、第９図は連動部材
の拡大部分図、第１０図はシフト軸、シフト・レ
バー、連動部材およびシフト部材を示す拡大部分
図、第１１図は手動シフト・レバー位置概略図、
第１２ａ図、１２ｂ図、１２ｃ図および１２ｄ図
は各々第６図の１２―１２線上における矢印の方
向での断面図であつてシフト・レバー、シフト部
材および連動部材接触部分を２―３シフト時にお
ける幾つかの位置において示す図である。 主要部分の符号の説明、２０…ハウジング、５
２…入力軸、６４…出力軸、７６，７７，８４，
８５…順方向歯車組、９１，９２…二重作用クラ
ツチ手段、９３，９４…シフト・カラー、１３２
…遊び歯車、１７６…シフト軸、１９２…シフ
ト・レバー、１９３…端カム、１９９…戻り止め
要素、２０２…溝、２１１…運動部材、２１４，
２１５…脚、２１９…案内手段、２２６，２２７
…運動カム部分、２２８…戻り止めばね手段、２
３４…案内部材、２４１，２４２…シフト部材、
２４８…フオーク部分、２５８，２５９…コネク
タ衝合部分（出張り）、２６１，２６２…矩形凹
部、２６３…逆方向シフト部材、２７１…第２の
脚の出張り、２７２…逆方向凹部、２７３…フオ
ーク、２７６…回転案内手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中央中立位置にある時シフト・レバーがその
   一端部がそれぞれのシフト・フオークの１対のコ
   ネクタ衝合部分の第１または第２のものと心合す
   る第１と第２の選択位置間を選択的に可動であ
   り、シフト・レバーの選択運動にあずかりシフ
   ト・レバーの前記端部に並ぶ連動カム部分を含む
   連動部材がそれによりコネクタ衝合部分の他方の
   ものと心合すると、１対の駆動位置の一方または
   他方へのシフト・レバーの運動が選択されたコネ
   クタ衝合部分およびそれぞれのシフト・フオーク
   のシフトを行なわせ、連動部材は他方のコネクタ
   衝合部分を中央中立位置に保持するようにした多
   速度変速機における制御リンク機構において、ハ
   ウジングと、各々一方および他方の駆動位置へと
   反対方向に中央中立位置から選択的に軸方向に可
   動の第１および第２のシフト・カラーを有する段
   比ギヤリングと、ハウジング内に軸方向に装着さ
   れた案内部材と、第１および第２のコネクタ衝合
   部分と前記第１および第２のシフト・カラーとそ
   れぞれ直接的に協力する第１および第２のフオー
   ク部分とを有し各々中央中立位置から一方の駆動
   位置へと一方向にまた他方の駆動位置へと逆方向
   に独立の軸方向シフト運動をなしうるように案内
   部材上に装着された第１および第２のシフト部材
   と、自身の横断方向軸線に沿つて第１と第２の選
   択位置間を選択運動するように且つ中央中立位置
   から一方の駆動位置へと位置方向にまた他方の駆
   動位置へと逆方向に回転シフト運動するようにハ
   ウジング内に横断方向に装着されたシフト軸と、
   該シフト軸と共に対応位置へ対応運動をなしうる
   ようにシフト軸上に半径方向に装着されそれぞれ
   第１および第２のシフト部材の第１および第２の
   コネクタ衝合部分と選択的に直接協力し中央中立
   位置にある時にはシフト軸およびシフト・レバー
   の第１および第２の選択位置のうちの１つへ選択
   運動により作動して第１および第２のコネクタ衝
   合部分のうちの一方とそれぞれ選択的に直接的に
   係合しシフト運動と同時に作動して第１および第
   ２のコネクタ衝合部分のうちの選択的に係合され
   た一方をそれぞれに応じてシフトせしめ第１およ
   び第２のシフト部材のうちの対応する一方を中央
   中立位置から前記一方および他方の駆動位置へと
   シフトさせるシフト・レバーと、シフト軸上に共
   同の横断軸方向運動可能に装着されるが連動部材
   に対するシフト軸の回転運動を許し且つシフト・
   レバーの両側に横断方向に位置する第１および第
   ２の連動カム部分を有し、シフト・レバーが前記
   第１の選択位置にある時には第１のシフト部材の
   自由なシフト運動を許し第２の連動カム部分を第
   ２のコネクタ衝合部分に直接係合して第２のシフ
   ト部材を中央中立位置に保持するように位置せし
   めるべく作動し、シフト・レバーが第２の選択位
   置にある時には第２のシフト部材の自由なシフト
   運動を許し第１の連動カム部分を第１のコネクタ
   衝合部分に直接係合して第１のシフト部材を中央
   中立位置に保持するように位置せしめるべく作動
   する連動部材と、ハウジングおよび連動部材上に
   あつて連動部材の回転運動を防止するが連動部材
   の横断軸方向運動はこれを許容する案内手段とか
   ら成ることを特徴とする制御リンク機構。 ２ 特許請求の範囲第１項の制御リンク機構にお
   いて、連動部材は基部と該連動部材をシフト軸上
   に回転可能に装着するために心合した穴を有する
   平行離隔した脚とをそなえたＵ字形を有し、該両
   脚の内向き側はシフト軸とシフト・レバーと連動
   部材との共同な横断軸方向選択運動のためにシフ
   ト・レバーと係合し、連動カム部分は該両脚の横
   断方向に突出する部分として形成されていること
   を特徴とする制御リンク機構。 ３ 特許請求の範囲第２項の制御リンク機構にお
   いて、第１および第２のコネクタ衝合部分はそれ
   ぞれ第１および第２のシフト部材の軸方向および
   隣接部分内に形成されたそれぞれの矩形凹部を含
   み、各前記凹部の開口側はシフト軸に対面し、シ
   フト・レバーは共同のシフト運動をなすように各
   凹部内に選択的に嵌合する端カムを有し、連動カ
   ム部分は前記凹部内に嵌合し端カムの両側に位置
   していることを特徴とする制御リンク機構。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項の制御リン
   ク機構のいずれかにおいて、シフト・レバーはシ
   フト軸に固定されそれと共に運動する戻り止め要
   素を有しそして３つの回転シフト運動位置即ち中
   央中立位置および前記一方および他方の駆動位置
   と同じ位置を有する３つの戻り止め溝を有し、連
   動部材上には戻り止めばね手段が装着されそれは
   戻り要素と一体な横断軸方向選択運動を有し戻り
   止め溝に弾性的に係合してシフト軸およびシフ
   ト・レバーを前記回転シフト運動位置に弾性的に
   戻り止め保持することを特徴とする制御リンク機
   構。 ５ 特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ
   かの制御リンク機構において、段比ギヤリングは
   ハウジング内に軸線方向に回転可能に装着された
   入力軸および出力軸と、該軸上に第１から第４の
   順方向歯車組を有する順方向歯車手段と、入力軸
   と出力軸間に第１ないし第４の順方向比を選択的
   に確立するためにそれぞれ第１および第２のシフ
   ト・カラーにより作動可能な第１および第２の二
   重作用クラツチ手段と、順方向歯車手段の一側に
   あつて逆方向駆動の確立を廃する中立位置と入力
   軸と出力軸間に逆方向駆動を確立する逆方向位置
   との間を選択的に可動な遊び歯車を含む逆方向歯
   車手段とを含み、ハウジング内に横断方向に装着
   されたシフト軸は順方向歯車手段の前記一側から
   順方向歯車手段の他側に隣接してそこまで横切つ
   て延び、シフト・レバーはシフト軸に固定され順
   方向歯車手段の前記他側に位置し、第１および第
   ２のシフト部材は順方向歯車手段の前記他側に隣
   接して軸方向運動可能にハウジング上に装着され
   逆方向シフト部材は逆方向遊び歯車に連結された
   順方向歯車手段の前記一側における第１の部分
   と、順方向歯車手段を横切つて横断方向に延び且
   つシフト軸上に枢着された第２の中間部分と、中
   立位置と中立および逆方向駆動のための前記第１
   および第２の位置のうちの一方との間を共同のシ
   フト運動をなすように逆方向位置においてシフ
   ト・レバーに連結された第３の部分とを有し、ハ
   ウジング上および逆方向シフト部材上の回転案内
   手段は逆方向シフト軸に対する横断方向運動を防
   止し回転運動を許すことを特徴とする制御リンク
   機構。 ６ 特許請求の範囲第１項または第２項の制御リ
   ンク機構において、シフト部材の第１および第２
   のコネクタ衝合部分は各々内部に凹部をそなえた
   出張りを有し、該出張りは互いに密接に隣接して
   おり、中央中立位置からそれぞれ前記一方の方向
   および前記逆方向にシフト運動中の第１のシフト
   部材は第１および第２の位置を有し、中央中立位
   置からそれぞれ前記一方の方向および前記逆方向
   にシフト運動中の第２のシフト部材は第３および
   第４の位置を有し、前記凹部は両シフト部材が前
   記中央中立位置にある時には横断方向に整列し、
   シフト軸からはシフト・レバーが半径方向に突出
   しこれは前記凹部の各々に嵌合する矩形の端カム
   を有し、自身の横断方向軸線に沿つて選択運動中
   のシフト軸は両シフト部材が前記中央中立位置に
   ある時に第１および第２の選択位置を有して前記
   端カムを第１および第２の凹部のうちの選択され
   た１つにそれぞれ選択的に置いて第１および第２
   のシフト部材のうちの一方を選択し、また回転シ
   フト運動と同時に作動してシフト・レバーと第１
   および第２のシフト部材のうちの選択された一方
   とを前記中央中立位置から前記一方および前記他
   方のシフト位置へと応分にシフトせしめて前記第
   １の選択位置においてシフト・レバーおよび第１
   のシフト部材の第１および第２のシフト位置をそ
   れぞれ与え前記第２の選択位置においてシフト・
   レバーおよび第２のシフト部材の第３および第４
   のシフト位置をそれぞれ与え、連動部材の第１お
   よび第２の連動カム部分はシフト・レバーが第１
   の選択位置にある時には作動して第１のシフト部
   材の自由なシフト運動を許すと共に第２の連動カ
   ム部分を第２の凹部内に位置せしめて第２のシフ
   ト部材を前記中央中立位置に保持し、シフト・レ
   バーが前記第２の選択位置にある時には第２のシ
   フト部材の自由なシフト運動を許すと共に第１の
   連動カム部分を第１の凹部内に位置せしめて第１
   のシフト部材を前記中央中立位置に保持し、シフ
   ト・レバーの第１と第２の位置間で軸線に対して
   ある角度をなす第２−第３のシフト通路内で一直
   線シフト運動をなすためのシフト案内手段は第１
   および第４のシフト位置に対面する端カム上に軸
   線に対して前記角度をなす前記第２―第３シフト
   通路に平行な大きな面取りを有する対向隅部を含
   み、第１および第２の連動カムは隅部において軸
   線に対して同様な角度をなす面取りを有して第１
   と第４のシフト位置間に一直線の第２−第３シフ
   ト通路およびＨパターン・シフトを与えることを
   特徴とする制御リンク機構。 ７ 特許請求の範囲第１項または第２項の制御リ
   ンク機構において、段比ギヤリングはハウジング
   内に軸線方向に回転可能に装着された入力軸およ
   び出力軸と、該軸間に第１、第２、第３および第
   ４の順方向駆動を与えるべく選択的に係合可能な
   クラツチを各々有する第１、第２、第３および第
   ４の順方向駆動歯車組とを含み、シフト部材の第
   １および第２のコネクタ衝合部分は接近して隣り
   合う第１および第２の出張りと凹部とを有し、第
   １のシフト部材はその中央中立位置において前記
   第１および第２のクラツチおよび駆動と離脱し、
   前記一方の方向におけるシフト運動時に前記第１
   のクラツチおよび駆動と係合し、前記逆方向にお
   けるシフト運動時に前記第２のクラツチおよび駆
   動と係合し、第２のシフト部材はその中央中立位
   置において前記第３および第４のクラツチおよび
   駆動と離脱し、前記一方の方向におけるシフト運
   動時に前記第３のクラツチおよび駆動と係合し、
   前記逆方向におけるシフト運動時に前記第４のク
   ラツチおよび駆動と係合し、前記凹部は前記両シ
   フト部材が中央中立位置にある時横断方向に整列
   し、シフト軸からは該シフト軸と共に対応位置へ
   と対応運動するようにシフト・レバーが半径方向
   に突出し、これは前記凹部内へ選択的に嵌合する
   矩形端カムを有し、自身の横断軸に沿つて選択運
   動中のシフト軸は端カムを第１および第２の凹部
   のうちの選択された１つにそれぞれ選択的に置く
   べくシフト軸およびシフト・レバーの前記第１お
   よび第２の選択位置への選択運動により両シフト
   部材が前記中立位置にある時第１および第２の選
   択位置を有し、シフト運動と同時に作動して第１
   および第２のシフト部材のうちの選択された１つ
   を前記中央中立位置から前記一方および前記他方
   シフト位置へと応分にシフトさせて前記第１の選
   択位置においてそれぞれ第１および第２のシフト
   位置および駆動を与え、前記第２の選択位置にお
   いてそれぞれ第３および第４のシフト位置および
   駆動を与え、連動部材の第１および第２の連動カ
   ム部分はシフト・レバーが前記第１の選択位置に
   ある時に作動して第１のシフト部材の自由なシフ
   ト運動を許し且つ第２の連動カム部分を第２の凹
   部内に位置せしめて第２のシフト部材を中央中立
   位置に保持し前記シフト・レバーが前記第２の選
   択位置にある時には第２のシフト部材の自由なシ
   フト運動を許し且つ第１の連動カム部分を第１の
   凹部内に位置せしめて第１のシフト部材を中央中
   立位置に保持し、軸線に対してある角度をなす第
   ２−第３シフト通路において一直線シフト運動を
   なすためのシフト案内手段は第１および第４のシ
   フト位置に対面する端カム上に軸線に対して前記
   角度をなす前記第２−第３のシフト通路に平行な
   大きな面取りを有する対向隅部を含み、第１およ
   び第２の連動カムはそれぞれ中央中立位置におい
   て前記端カム上の面取りされた隅部に対面する隅
   部において軸線の反対側に同一角度をなす大きな
   面取りを有し他方の隅部においては前記通路に平
   行な小さな面取りを有して第１と第４のシフト位
   置間に一直線の第２−第３シフト通路およびＨパ
   ターン・シフトを与えることを特徴とする制御リ
   ンク機構。 ８ 特許請求の範囲第１項の制御リンク機構にお
   いて、段比ギヤリングはハウジング内に軸線方向
   に回転可能に装着された入力軸および出力軸と、
   該軸上および第２の順方向歯車組と前述したごと
   く自身の中央中立位置において前記両順方向歯車
   組の確立を廃し且つ両軸間の前記第１および第２
   の順方向歯車組により第１および第２の順方向駆
   動をそれぞれ確立すべく第１および第２位置へと
   互いに逆方向に選択的に運動するシフト・カラー
   を備えるクラツチ手段とを有する順方向歯車手段
   と、該順方向歯車手段の一側に配置され逆方向駆
   動の確立を廃する中立位置と両軸間に逆方向駆動
   を確立する逆方向位置との間を選択的に可動な遊
   び歯車を含む逆方向歯車手段とを含み、ハウジン
   グ内に横断方向に装着されたシフト軸は順方向歯
   車手段の前記一側から順方向歯車手段の他側に隣
   接してそれを横切つて延び、シフト・レバーはシ
   フト軸に固定されてそれから半径方向に突出して
   おりそして順方向歯車手段の前記他側に位置する
   端カムを有し、シフト軸は順方向選択位置と逆方
   向選択位置との間でその横断方向軸線上を選択的
   に可動であつて且つ中央中立位置からシフト位置
   へと選択的にシフト運動するようにまたシフト・
   レバーを対応位置へと動かすように回転運動可能
   であり、案内部材は順方向歯車手段の前記他側に
   隣接して軸線方向に延びるべくハウジング内に固
   定された軸を有し、順方向シフト部材は基部と前
   記順方向シフト部材を軸方向シフト運動可能に案
   内軸上に支持すべく案内軸を受容するための心合
   穴を有する両脚とをそなえたＵ字形を有し、一方
   の脚は共同の軸線方向シフト運動のためにシフ
   ト・カラーと係合し案内軸上での前記順方向シフ
   ト部材の回転を防止するためのフオークを有し、
   基部はシフト軸へ向けて軸方向に垂直に延びる出
   張りを有し、該出張りは前記凹部を有し該凹部の
   開口側はシフト軸に対面しシフト・レバーが前記
   順方向選択位置にある時にシフト・レバー端カム
   を受容し且つそれぞれ中立、第１および第２順方
   向駆動を確立するための前記中立と第１と第２の
   位置との間で共同のシフト運動をなすように前記
   順方向選択位置におけるシフト・レバーをシフ
   ト・カラーと作動連結せしめ、逆方向シフト部材
   は共同のシフト運動をなすために逆方向遊び歯車
   と協力するフオークにおいて終端する順方向歯車
   手段の一側における第１の脚と、順方向歯車手段
   の前記他側における第２の脚と、順方向歯車手段
   を横断方向に横切つて延びシフト軸と同心状の半
   円形断面を有し前記第１および第２の脚を相互連
   結する基部とをそなえたＵ字形を有し、前記第１
   および第２の脚はシフト軸上に逆方向シフト部材
   を枢着すべくシフト軸を受容する整列穴を有し、
   前記第２の脚はシフト軸に向けて軸線方向に垂直
   に延びる出張りを有し、該出張りは逆方向凹部を
   有し該凹部の開口側はシフト軸に対面しシフト・
   レバーが中立および逆方向駆動のための中立位置
   と逆方向位置との間での共同のシフト運動をなす
   ために前記逆方向選択位置にある時にシフト・レ
   バー端カムを受容し、ハウジング上および逆方向
   シフト部材上の回転案内手段はシフト軸に対する
   逆方向シフト部材の横断方向運動を防止するが回
   転運動を許すに効果的であり、連動部材は再部と
   シフト軸を受容する整列穴を有する第１および第
   ２の脚とをそなえたＵ字形を有し、該両脚は連動
   部材をシフト軸上に共同の軸線方向運動可能に装
   着するため且つ連動部材に対するシフト軸の相対
   回転を許すためにシフト・レバーにまたがつてお
   り、連動部材の第１および第２の脚からはそれぞ
   れ第１および第２の連動カム部分が懸下しシフ
   ト・レバー端カムの両側に位置し、シフト・レバ
   ーが順方向選択位置にある時作動して順方向シフ
   ト部材の自由なシフト運動を許すと共に第２の連
   動カムを前記逆方向凹部内に位置せしめて逆方向
   シフト部材をその中央中立位置に保持し、シフ
   ト・レバーが前記逆方向選択位置にある時には逆
   方向シフト部材の自由なシフト運動を許すと共に
   第１の連動カムを前記順方向凹部内に位置せしめ
   て前記順方向シフト部材とその中央中立位置に保
   持することを特徴とする制御リンク機構。