JPH07160320A - ロボットのミラーイメージング方法 - Google Patents

ロボットのミラーイメージング方法

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JPH07160320A
JPH07160320A JP5325796A JP32579693A JPH07160320A JP H07160320 A JPH07160320 A JP H07160320A JP 5325796 A JP5325796 A JP 5325796A JP 32579693 A JP32579693 A JP 32579693A JP H07160320 A JPH07160320 A JP H07160320A
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JP
Japan
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mirror
coordinate system
robot
matrix
mirror image
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JP5325796A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kosaka
哲也 小坂
Tomoyuki Yamamoto
知之 山本
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者の期待するロボット手首姿勢を実現す
ることが出来るミラーイメージング。 【構成】 CPUは原プログラムより1ブロックの命令
を読み(ステップS1)、移動命令なら(ステップS
2)、教示点Pを、作業空間に固定された座標系Σw 上
のミラー座標系Σm1上で表わす行列を求める(ステップ
S3)。これをミラー面m1 に関して面対称変換した第
1鏡像点P’を求め(ステップS4)、Σw上表現行列
[P’]を計算する(ステップS5)。更に、フェイス
プレート座標系Σr から見たミラー座標系Σm2、TCP
を表わす行列[M2 ]、[T]を用い、[M2]
-1[P’]を求め、ミラー面m2 について面対称変換を
行ない、第2鏡像点P”を表わす行列[T’]を求め
る。これを利用して、第2鏡像点P”を座標系Σw 上で
表現する行列[P”]を求め、メモリに記憶する(ステ
ップS6〜7)。以上の処理とステップS8,9の処理
を所要回数繰り返すことによって、原プログラムに対す
るミラーイメージのプログラムが作成・記憶される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、ロボットに位置・姿
勢を教示するプログラムデータ(「原プログラム」のデ
ータと言う。)が与えられた場合に、これと鏡像関係に
あるミラーイメージプログラムを作成し、あるいは原プ
ログラムで教示されたロボット位置・姿勢と鏡像関係に
ある状態を実現させるようにロボットを駆動させるミラ
ーイメージ駆動を実行する方法(以下、「ミラーイメー
ジング方法」と言う。)に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットのミラーイメージングは、例え
ば、面対称な作業対象物に対し一方の面に対して教示さ
れたプログラムの各教示点のミラーイメージを求めて他
方の面の教示点としてロボットを駆動して作業を行わせ
る為のものであり、1台のロボットで一方の面に対して
は教示されたプログラムによって作業し、他方の面に対
しては、ミラーイメージで求められた教示点に従って作
業したり、あるいは、図1に示すように作業ライン52
の両側に対称におかれたロボット50,51が面対称と
なる作業対象物53に対し、対称的な動作を行う場合
に、一方のロボット50(又は51)は、該ロボット
(又は51)に対して教示されたプログラムで作業を行
い、他方のロボット51(又は50)は上記プログラム
の各教示点のミラーイメージを各教示点として駆動し、
ロボット50とロボット51を対称的に駆動するもので
ある。
【0003】旧来より知られているミラーイメージング
の方法の1つとして、作業対象物の対称面に対応させて
ミラー面を設定し、このミラー面についてロボットのツ
ール先端点(TCP)の位置に関するミラーイメージ位
置とツール取付面中心の位置・姿勢に関するミラーイメ
ージを求める方法がある。図2は、その原理を説明する
ものである。即ち、図に示されているように、設定され
たミラー56に関するツール先端点(TCP)の位置5
4のミラーイメージ位置54’及びツール取付面中心5
5の位置・姿勢のミラーイメージ55’を求め、原プロ
グラムで教示されるツール先端点(TCP)54及びツ
ール取付面中心55の位置・姿勢がミラー56に関して
対称なミラーイメージによるプログラムの作成あるいは
ロボット駆動を行なうものである。
【0004】しかし、この旧来型の技術では、ツール先
端点(TCP)の位置54及びツール取付面中心55の
位置・姿勢のミラーイメージを求めても、ツールAのミ
ラーイメージ処理後の姿勢は図2でA’で示されたもの
となり、元のツールAの姿勢に対し、ミラー面に対し対
称なツール姿勢を得ることができなかった。
【0005】そこで、この旧来型技術を改良し、ツール
姿勢に関してもミラーイメージシフトを行なうミラーイ
メージング方法が提案されている。その原理の概要を図
3を参照して説明すれば、次のようになる。図3に示さ
れているように、ミラーイメージングの対象となる原プ
ログラムの教示点Pは座標系Σw に準拠してそのデータ
が与えられているものとすると、ツール姿勢をも含め、
次式(1)に示すような4行4列の同次変換行列[P]
で表わすことが出来る。
【0006】
【数1】 また、原プログラムの準拠する座標系Σw と同一の座標
系に対して設定されるミラー面を定義する座標系Σm1
(以下、ミラー座標系と言う。)も同様に4行4列の同
次変換行列で表わされる。そこで、このミラー面を定義
するミラー座標系Σm1の2つの座標軸で形成される面と
ミラー面が一致するように、該ミラー座標系Σm1を定義
する。ここでは、図示されているように、ミラー座標系
Σm1のXm1−Zm1平面上にミラー面m1 があるものとす
る。
【0007】そして、原プログラムの教示点Pのデータ
を読み、該教示点Pのツール姿勢を含む4行4列の行列
とミラー面m1 を定義するミラー座標系Σm1の4行4列
の行列[M1 ]の逆行列[M1 ]-1の積([M1]
-1[P])を求めると、これは教示点Pをミラー座標系
Σm1上で表わしたものとなる。
【0008】そして、この積([M1 ]-1[P])で表
わされる点の4行4列の行列における姿勢を表わすノー
マルベクトル<n>,オリエンテーションベクトル<o
>,アプローチベクトル<a>、及び位置を表わす位置
ベクトル<r>のミラー面に垂直な軸成分、即ち、上記
例のy軸成分ny ,Oy ,ay ,yの符号を反転する。
これにより、ミラー座標系Σm1のXm1−Zm1平面に関す
るミラーイメージ(鏡像点)が得られる。こうして得ら
れた鏡像点を([M1 ]-1[P])’とし、該点([M
1 ]-1[P])’の4行4列の行列とミラー面を定義し
たミラー座標系Σm1の行列との積[M1 ]([M1 ]-1
[P])’を求めれば、得られたデータは鏡像点を原プ
ログラムの座標系上で表現したものとなる。
【0009】即ち、原プログラムの教示点Pのミラー面
に対するミラーイメージ(鏡像点)P’を座標系Σw 上
で表現する行列[P’]は、 [P’]=[M1 ]([M1 ]-1[P])’ ・・・・(2) として得られ、その結果、ミラー面に垂直な軸(y軸)
に対する各ベクトルの成分ny ,Oy ,ay ,yの符号
が反転されているから、ツール姿勢を表わすベクトル<
n>,<o>,<a>、及びツール位置を表わすベクト
ル<r>は原プログラムにおける教示点(原教示点)を
表わす各ベクトルに対してミラー面に関して対称とな
る。
【0010】但し、上記各ベクトルの反転処理は座標系
の「裏返し」を伴う変換を表わしているから、上記
(2)式の行列データは、現実にはツール座標系Σt
(鏡像変換以前)の並進と回転の組合せ(運動)によっ
ては実現し得ない状態を表現している点に注意する必要
がある。換言すれば、鏡像変換により、ツール座標系Σ
t が原プログラムが当然の前提としている右手系から左
手系に変換されてしまうので、一般には、実際のロボッ
ト制御において上記(2)式をそのままロボット位置・
姿勢の目標値に採用することは出来ないと言うことにな
る。ロボットに出来ることは、設定されたツール座標系
Σt を運動(並進と回転の組合せ)させることだけであ
る。
【0011】そこで、従来は左手系を右手系に戻す為の
変換処理として、ツール座標系ΣtのXt −Zt 平面に
対する面対称変換や、メカニカルインターフェイス座標
系の原点(ハンド取り付け面の中心点)とツール先端点
TCPを結ぶ直線と、メカニカルインターフェイス座標
系のZ軸(ハンド取り付け面に垂直な方向)を含む平面
に対する面対称変換が採用されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな左手系から右手系に戻す面対称変換処理は、ハンド
の形状を考慮して行なわれるものではないので、面対称
変換処理後に計算されるロボット手首の姿勢は、オペレ
ータ乃至プログラム作成者の期待通りのものとは異なる
のが一般的であり、プログラム再生運転時にロボットハ
ンドやワークの破壊事故を招く原因となる。
【0013】本願発明の目的は、上記従来技術の問題点
を克服し、ミラーイメージシフト時に必要となる左手系
から右手系へ戻す為の面対称変換処理をハンドの形状を
考慮した形で行ない、面対称変換処理後に計算されるロ
ボット手首の姿勢を適正なものとして、プログラム再生
運転時にロボットハンドやワークの破壊事故を招くこと
の無いミラーイメージング方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決する為の手段】本願発明は、「作業空間に
対して固定された作業座標系Σw 上に設定される第1の
ミラー面m1 が直交する2つの座標軸で形成される面上
に乗るように定義された第1のミラー座標系Σm1と、ロ
ボットに対して固定されたロボット座標系Σr 上にロボ
ットハンド形状に対応して設定される第2のミラー面m
2 が直交する2つの座標軸で形成される面上に乗るよう
に定義された第2のミラー座標系Σm2を予めロボットに
教示する段階と;上記座標系Σw において原プログラム
の教示点Pを表現するデータと前記作業座標系Σw 上で
前記第1のミラー座標系Σm1を表わす行列の逆行列デー
タを用いて前記教示点Pの前記第1のミラー座標系Σm1
上の表現データを求め、該表現データに含まれる前記第
1のミラー面m1 に直交する軸成分の各ベクトル成分の
符号を反転して得られる第1鏡像点P’の表現データ
を、前記第1のミラー座標系Σm1を表現する行列データ
を利用して上記作業座標系Σw 上で第1鏡像点P’を表
現するデータに変換する段階と;該作業座標系Σw 上の
表現データに変換された第1鏡像点P’の表現データと
前記ロボット座標系Σr 上で前記第2のミラー座標系Σ
m2を表わす行列の逆行列データを用いて前記第1鏡像点
P’の前記第2のミラー座標系Σm2上の表現データを求
め、該表現データに含まれる前記第2のミラー面m2 に
直交する軸成分の各ベクトル成分の符号を反転して得ら
れる第2鏡像点P”の表現データを、前記第2のミラー
座標系Σm2を表現する行列データを利用して上記作業座
標系Σw 上で第2鏡像点P”を表現するデータに変換す
る段階を含むことを特徴とするロボットのミラーイメー
ジング方法」、によって上記技術課題を解決したもので
ある。
【0015】
【作用】図4及び図5は、図3に示した態様で教示点P
の鏡像点P’を求めた上で、本願発明の技術思想に従
い、ハンドの対称性を考慮した第2のミラー面m2 を設
定し、該ミラー面m2 に関する面対称変換を行なって、
適正な手首姿勢を定める原理を説明する図であり、図5
は特に、ミラー面m2 に関する面対称変換に関連した座
標系の関係を抽出描示したものである。なお、以下の説
明では、図3と共通した符号を適宜使用する。
【0016】先ず、図4の(1)以下を参照すると、ロ
ボット手首部1のフェイスプレート面(ハンド取り付け
面)1aに取り付けられたハンド2によってツール3を
把持した状態が例示されている。ここでは、図示されて
いるように、ツール3として突起5を有するワーク3を
想定する。そして、突起5の嵌め合いを考えて、突起5
の先端にツール先端点TCP(ツール座標系Σt )を設
定する。このTCPは、ワーク3の中心線からはずれた
位置にあるものとする。また、ハンド2の一方の上方側
部には突起4が存在するものとする。
【0017】図4(1)は、上記装備及び把持の態様を
想定されたロボットが原プログラムに従った教示点Pに
位置した状態を表わしており、(1’)は、座標系Σw
(作業空間に固定された座標系)に対して設定されたミ
ラー面m1 に関する(純粋な)ミラーイメージを表わし
ている。しかし、このミラーイメージは、ツール(被把
持ワーク)3、ハンド2、ロボット手首1のすべてを鏡
像変換しているので、これら自身が変換の前後で鏡像関
係とならない限り実現出来ない状態を表わしている。
【0018】ここで、作業者がミラー面m1 に対するミ
ラーイメージシフトを実行するに際して期待する手首姿
勢を考えてみると、それは、そのハンド2に存在する
「対称面」あるいはそれに準ずると意識される面(「準
対称面」と言う。)が、ミラー面m1 に対して面対称に
なるようなものである。
【0019】そこで、(1),(1’)に併記したよう
に、このハンド2の「対称面」あるいは「準対称面」を
ミラー面m2 としてロボット上(例えば、フェイスプレ
ート1aの中心Or を原点とするフェイスプレート座標
系Σr )に設定し、(1’)の状態に対して、このミラ
ー面m2 に対する面対称変換を実行する処理を施し、
(1”)に示されたような状態を考えると、この状態
は、上記作業者の期待を満足し、且つ、各座標系が右手
系に復帰再変換されていることに対応して、(1)の状
態からの「運動」によって実現出来る状態を表わしてい
る。(1”)におけるTCPは、P’をミラー面m2 に
関して面対称変換したP”で表わされている。また、
(2)は、ロボットが原プログラムに従った教示点Pに
位置した状態を表わしており、(1)と同一の状態を便
宜的に併記したものである。なお、(2)及び(1”)
においては、ロボットハンド形状に対応して設定される
第2のミラー面m2 の図示を省略した。
【0020】以上のことから、この第2の鏡像点P”を
座標系Σw 上で表現する表式(同次変換行列[P”])
を求め、該表式に対応した処理を実行すれば、所期のミ
ラーイメージングが実行可能となることが判る。以下、
ミラー面m2 に関する面対称変換に関連した座標系の関
係を抽出描示した図5を参照して、[P”]を表わす式
を求める。
【0021】先ず、図5に示されているように、ミラー
面m2 を定義するミラー座標系Σm2を、ミラー座標系Σ
m1の場合と同様に、その2つの座標軸で形成される面が
ミラー面m2 が一致するように定義する。ここでは、図
示されているように、ミラー座標系Σm2のXm2−Zm2平
面上にミラー面m2 があるものとする。そして、フェイ
スプレート1aの中心Or を原点とするフェイスプレー
ト座標系Σr から見たミラー座標系Σm2を表わす行列を
[M2 ]とする。また、フェイスプレート座標系Σr か
ら見たツール座標系Σt を表わす行列を[T]とする。
【0022】また、ミラー座標系Σm2から見たP’を表
わす行列を[H]とすると、[H]は、次式で与えられ
る。 [H]=[M2 ]-1[T] ・・・・(3) そして、この積([M2 ]-1[T]で表わされる点の4
行4列の行列における姿勢を表わすノーマルベクトル、
オリエンテーションベクトル、アプローチベクトル、及
び位置を表わす位置ベクトルのミラー面m2 に垂直な軸
成分、即ち、上記例のy軸成分の符号を反転する。この
行列を、 [H’]=([M2 ]-1[T])’ ・・・・(4) とする。
【0023】これは、点P’のミラー座標系Σm2のXm2
−Zm2平面に関する鏡像点P”をミラー座標系Σm2上で
表わしたものとなっている。従って、作業空間に固定さ
れた座標系Σw 上で点P”を表現する行列[P”]は次
の式で与えられることになる。 [P”]=[P’][H]-1[H’] =[P’]([M2 ]-1[T])-1([M2 ]-1[T])’ ・・・・(5)
【0024】
【実施例】図6は、本願発明に従ってミラーイメージン
グを実施するロボットシステムの概要を要部ブロック図
で表わしたものである。図中、10はロボットを制御す
るロボットコントローラ、20はロボットの本体部、3
0はオフラインプログラミング装置を兼ねたワークステ
ーションを示している。ロボットコントローラ10は中
央演算処理装置(以下、CPUという)11を有し、該
CPU11には、ROMからなるメモリ12,RAMか
らなるメモリ13,不揮発性メモリ14,液晶ディスプ
レイ(LDC)付教示操作盤15,入出力装置16及び
ロボット軸制御器17がバス19を介して接続されてい
る。
【0025】メモリ12にはCPU11が実行すべき各
種の制御プログラムが格納されている。メモリ13は、
CPU11が行なう各種演算のデータの一時記憶等に使
用される。そして、不揮発性メモリ14には、教示操作
盤15から入力された各種プログラム、設定データ、あ
るいは入出力装置15を介してワークステーション30
で作成されたオフラインプログラムデータ等が格納され
ている。
【0026】また、軸制御器16にはサーボ回路17が
接続され、該サーボ回路17の出力により、ロボット本
体20の各軸のサーボモータを駆動しロボットを駆動す
る。
【0027】以上の構成及び機能は、従来から知られて
いるロボットシステムと基本的に変わるところはない
が、本実施例においては、更に、本願発明のミラーイメ
ージングを実行する為に、図7に示すフローチャートに
相当する処理を実行する為のプログラムが不揮発性メモ
リ14に格納されていると共に、原プログラムのミラー
イメージのプログラムを書き込む領域が不揮発性メモリ
14に予め確保されているものとする。以下、図7のフ
ローチャートを参照して、本実施例におけるミラーイメ
ージングについて説明する。
【0028】なお、ここでは、ロボット本体20と作業
ライン(m1 に対応)に対し対称に配設される別のロボ
ットの作業対象に対する教示プログラムがすでに作成さ
れ、ワークステーション30から、入出力装置15を介
して不揮発性メモリ14に格納済みであることを仮定す
る。そして、この原プログラムに対するミラーイメージ
動作を該ロボット20に行わせる為に、該原プログラム
に基づいてミラーイメージのプログラムを作成するケー
スについて述べる。使用するハンド形状及び準対称面
(m2 )としては、図4に示されたものを想定する。
【0029】まず、上記原プログラムにおいて各教示点
Pを教示するために使用されたワーク座標系等、作業空
間に固定された座標系Σw において、ミラー面を定義す
るミラー座標系Σm1を教示操作盤15より入力し、メモ
リ14に記憶させる。この場合、2つのロボットが対称
的に動作する対称中心線、即ち、作業対象物の対称形状
となる対称中心線にミラー面m1 を設定し、かつ、本実
施例は該ミラー面を定義するミラー座標系Σm1のXm1−
Zm1平面上にミラー面m1 が乗るようにミラー座標系Σ
m1を定義して入力する。
【0030】また、フェイスプレート座標系Σr に対し
てミラー面m2 を定義するミラー座標系Σm2をメモリ1
4に記憶させる。作用の説明の欄で既述したように、ミ
ラー面m2 は、使用するハンド2の形状を考慮して、そ
の対称面または準対称面に対応させて設定する。そし
て、ミラー面m2 が2本の座標軸で張られる平面(ここ
ではXm2−Zm2)上に乗るようにミラー座標系Σm2を定
義してメモリ14に記憶させる。
【0031】以上の準備のもとに、ロボットコントロー
ラ10をミラーイメージプログラム作成モードにして稼
働させると、CPU11は、先ずミラー座標系Σm2から
見たツール先端点を表わす行列[H]と、該行列[H]
のy軸成分を反転させた行列[H’]を求めた上で(ス
テップS1)、原プログラムより1ブロックの命令を読
み込む(ステップS2)。該ブロックの命令が移動命令
であれば(ステップS3)、該命令の教示点Pのミラー
座標系Σm1における点を、ミラー座標系Σm1の逆行列
[M]-1と教示点Pを座標系Σw 上で表わす行列[P]
の積[M]-1[P]を計算することによって求める(ス
テップS4)。
【0032】こうして求められた教示点Pをミラー座標
系Σm1上で表現する行列[M]-1[P]における姿勢を
表わすノーマルベクトル、オリエンテーションベクト
ル、アプローチベクトル及び位置ベクトルのミラー面m
1 に垂直な軸、すなわち、Ym1軸成分の符号を反転さ
せ、ミラー座標系Σm1における第1鏡像点([M]
-1[P])’を求める(ステップS5;上記(2)式及
び関連説明参照)。
【0033】次にミラー座標系Σm1を座標系Σw 上で表
現する行列[M1 ]とこの第1鏡像点を座標系Σm1上で
表わす行列[P’]から、座標系Σw (原プログラムが
準拠している座標系)における点P’の表現行列
[P’]=[M1 ]([M]-1[P])’を求める(ス
テップS6)。
【0034】次いで、これらの結果を用いて、第2鏡像
点P”を座標系Σw 上で表現する行列[P”]を、
[P”]=[P’][H]-1[H’]の計算によって求
め、不揮発性メモリ14に記憶する(ステップS7)。
【0035】以上の処理が終了したら、ステップS2へ
戻り、後続する各教示点についてステップS2以下の処
理を繰り返して実行する。
【0036】また、ステップS2において読取ったブロ
ックの命令が移動命令でない場合には、該命令をそのま
ま不揮発性メモリ14内に格納し(ステップS8)、該
命令がプログラムエンドでなければ(ステップS9)、
ステップS1へ戻る。以下、ステップS1〜S9までの
処理をプログラムエンドになるまで実行し、プログラム
エンドになれば、不揮発性メモリ14のミラーイメージ
プログラム書き込み領域には、原プログラムに対するミ
ラーイメージのプログラムが作成・記憶される。なお、
ステップS6における反転処理において、ノーマルベク
トル、オリエンテーションベクトル、アプローチベクト
ルのミラー面m2 に垂直な軸成分のみを反転し、位置ベ
クトルはそのままにすれば、ロボットの位置(TCPの
位置)に関しては、第1鏡像点P’から移動させないよ
うにするミラーイメージングが実現されることになる。
【0037】このようにして作成されたミラーイメージ
のプログラムによってロボット20を駆動すれば、該ロ
ボット20は、作業ラインに対し対称に配設され原プロ
グラムで駆動制御されるロボットの動作と対称の動作を
行うこととなる。そして、その際のロボット20の手首
姿勢は、第2のミラー面m2 に対応したハンドの準対称
面(または、対称面)が第1のミラー面m1 に対して面
対称に変換されたものとなっていることは、上記図4,
図5の関連説明等から明きらかである。
【0038】なお、上記実施例では、原プログラムを不
揮発性メモリ14から読み出しながらミラーイメージの
プログラムを作成する例を述べたが、原プログラムをワ
ークステーション30から入出力装置16を介して読み
出しながら、上記説明した処理を行ってミラーイメージ
のプログラムを作成するようにしても良い。
【0039】また、メモリ14に原プログラムを格納し
ておき、ミラーイメージ再生モードによって原プログラ
ムの再生時に上記処理を実行することによって、該ロボ
ット20をミラーイメージで再生運転することも可能で
ある。
【0040】但し、この場合には、図7の処理における
ステップS7の処理は、ミラーイメージの点P”を表わ
すデータ[P”]を出力し、軸制御器16,サーボ回路
17を介してロボット本体20を作動させることとな
る。このような種々の変形は、すべて本願発明に言うと
ころの「ミラーイメージング方法」に該当するものであ
る。
【0041】
【発明の効果】本願発明のミラーイメージン方法によれ
ば、ミラーイメージの生成に際して作業者の期待するロ
ボット手首姿勢を実現することが出来る。
【0042】即ち、使用されるロボットハンドの形状に
含まれる対称面あるいは準対称面が作業座標系に固定さ
れたミラー面に関して対称に変換されるようなミラーイ
メージシフトが、右手座標系から左手座標系へ変換され
た座標系を元の右手座標系へ戻す座標系再裏返し変換を
支障なく実行しつつ実現される。そして、不適正な再裏
返し変換によって作業者の予期しない手首姿勢が計算さ
れ、ロボットハンンドやワーク等の破損事故を起こすと
いうような事態を回避することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラーイメージによる作業を実施する例の説明
する図である。
【図2】旧来方式によるミラーイメージングについて説
明する図である。
【図3】改良された従来技術によるミラーイメージング
について説明する図である。
【図4】図3で示された状況を前提に、本願発明に従っ
て第2のミラー面を設定し、面対称変換を行なうことに
よって、ロボットの手首姿勢を定める原理について説明
する図である。
【図5】図4において、ミラー面m2 に関する面対称変
換に関連した座標系の関係を抽出描示した図である。
【図6】本願発明に従ったミラーイメージング方法を実
施する際に使用されるロボットコントローラを含むシス
テムの構成を説明する要部ブロック図である。
【図7】図5に記されたシステムを用いて本願発明に従
ったミラーイメージング方法を実施する際の処理の概要
を記したフローチャートである。
【符号の説明】
1 ロボット手首部 1a フェイスプレート(ロボットハンド取り付け面) 2 ロボットハンド 3 ツール(被把持ワーク) 4,5 突起 10 ロボット制御装置 11 中央演算処理装置(CPU) 12 メモリ(ROM) 13 メモリ(RAM) 14 不揮発性メモリ 15 教示操作盤 16 入出力装置 17 軸制御器 18 サーボ回路 19 バス 20,50,51 ロボット(本体) 52 作業ライン 53 作業対象物 54 ツール先端点(TCP) 54’ ツール先端点のミラーイメージ点 55 ツール取付面中心 55’ ツール取付面中心のミラーイメージ点 m1 ,m2 ミラー面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業空間に対して固定された作業座標系
    Σw 上に設定される第1のミラー面m1 が直交する2つ
    の座標軸で形成される面上に乗るように定義された第1
    のミラー座標系Σm1と、ロボットに対して固定されたロ
    ボット座標系Σr 上にロボットハンド形状に対応して設
    定される第2のミラー面m2 が直交する2つの座標軸で
    形成される面上に乗るように定義された第2のミラー座
    標系Σm2を予めロボットに教示する段階と;上記座標系
    Σw において原プログラムの教示点Pを表現するデータ
    と前記作業座標系Σw 上で前記第1のミラー座標系Σm1
    を表わす行列の逆行列データを用いて前記教示点Pの前
    記第1のミラー座標系Σm1上の表現データを求め、該表
    現データに含まれる前記第1のミラー面m1 に直交する
    軸成分の各ベクトル成分の符号を反転して得られる第1
    鏡像点P’の表現データを、前記第1のミラー座標系Σ
    m1を表現する行列データを利用して上記作業座標系Σw
    上で第1鏡像点P’を表現するデータに変換する段階
    と;該作業座標系Σw 上の表現データに変換された第1
    鏡像点P’の表現データと前記ロボット座標系Σr 上で
    前記第2のミラー座標系Σm2を表わす行列の逆行列デー
    タを用いて前記第1鏡像点P’の前記第2のミラー座標
    系Σm2上の表現データを求め、該表現データに含まれる
    前記第2のミラー面m2 に直交する軸成分の各ベクトル
    成分の符号を反転して得られる第2鏡像点P”の表現デ
    ータを、前記第2のミラー座標系Σm2を表現する行列デ
    ータを利用して上記作業座標系Σw 上で第2鏡像点P”
    を表現するデータに変換する段階を含むことを特徴とす
    るロボットのミラーイメージング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110465968A (zh) * 2019-08-19 2019-11-19 南京埃斯顿机器人工程有限公司 一种机器人空间位置点镜像方法
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