JPH07159405A - 光学的免疫測定方法及びこれに用いられる免疫測定装置 - Google Patents

光学的免疫測定方法及びこれに用いられる免疫測定装置

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JPH07159405A
JPH07159405A JP5305193A JP30519393A JPH07159405A JP H07159405 A JPH07159405 A JP H07159405A JP 5305193 A JP5305193 A JP 5305193A JP 30519393 A JP30519393 A JP 30519393A JP H07159405 A JPH07159405 A JP H07159405A
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detection
immunoassay
light
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JP5305193A
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Masato Kimura
正人 木村
Takashi Yamada
隆 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被検試料の発光光量の検出精度を恒常的に保つ
ことが可能な光学的免疫測定装置及びこれに用いられる
免疫測定装置を提供することにある。 【構成】被検試料の免疫反応に伴って生じる化学発光の
光量を光電子倍増管7を利用して検出し、光量に基づい
て免疫測定を行う光学的免疫測定方法において、予め決
められた基準値に基づいて光電子倍増管7の検出結果の
可否を判断する第1の工程と、検出結果が否の場合に光
電子倍増管7に向けて化学発光の疑似光を発し、この疑
似光を光電子倍増管7を利用して検出し、得られた検出
値を基準値と比較する第2の工程と、光電子倍増管7の
検出値が基準値に近付くよう検出条件を変化させる第3
の工程とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、免疫反応によ
り生じる化学発光を検出する免疫測定方法及びこれに用
いられる免疫測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原または抗体に分類される種々の生体
関連物質の測定は、環境衛生の分野や医療の分野で日常
検査として実施されている。特に医療の分野では、疾病
の特定や疾病に対する治療効果の判定等の目的で、数多
くの施設で数多くの種類の検査が実施されている。中で
も、最近公衆衛生上の問題となっている後天性免疫不全
症候群(AIDS)等の感染症や、従来特定が困難であ
った癌関連物質等も、特異親和性物質による反応の一つ
である抗原抗体反応を用いることで測定することが可能
となっている。AIDS等で代表される感染症の診断も
抗原抗体反応を用いて検出することは可能であるが、他
に感染性微生物の遺伝子であるDNAあるいはRNAを
その核酸の特徴部分と結合する相補核により測定するこ
とも可能である。
【0003】このように多数の生体関連物質が測定でき
るようになり、その結果、より感度の高い計測法の開発
が行われている。以前は、放射性同位元素を用いた放射
免疫分析(RIA)が一般的であったが、近年、非放射
性の測定法でありながらRIAと同程度の感度を有する
測定法が次々と開発され、主に反応成分から未反応成分
を除去するためのB/F分離を要するサンドイッチ法
と、B/F分離せずに反応成分の比率を測定する競合法
とに分かれる。B/F分離を行うには、微粒子(例;粒
径0.1 〜30μm)群、小球(例;粒径0.5 〜20mm)、
反応容器のいずれかに抗体(および/または抗原)を被
覆処理したものが使用される。酵素を用いた酵素免疫分
析(EIA)、蛍光物質を用いた蛍光免疫分析(FI
A)が日常検査に応用されているが、最近は、発光物質
を用いた発光免疫分析(LIA)が日常検査に取り入れ
られようとしている。
【0004】LIAは、試料から発せられる極微弱光を
検出器である光電子倍増管(以下、PMTと称する)で
受けて光量を測定するものであり、従来は光量をアナロ
グ信号に変換する方法が採用されていたが、近年ではフ
ォトカウンティング法が採用され始めている。このフォ
トカウンティング法においては、PMTからの1つの信
号パルスがPMTへの入射光の光子1つに相当するとい
う考えに基づき、PMTへの入射光量がPMTからの信
号パルス数で表される。
【0005】フォトカウンティング法は、安定性、検出
感度が高く、信号対雑音比(S/N)においても有利で
ある。しかし、この測定法は極微弱な光を検知できると
いう長所を有しているが、測定系のキャリブレ−ション
を行うことが困難であるため、異なる時点あるいは異な
る場所での測定値を比較することができないという欠点
があった。
【0006】この種の光量検出方法を示した文献とし
て、特開平2−236453号公報が在る。この文献に
示された技術は、計測の安定性及び信頼性を高めるため
に、測定直前あるいは直後のバックグラウンド値を測定
し、この値を測定値より減算する。さらに、この文献に
は、バックグラウンド値を監視し、この値が予め設定さ
れている範囲を越えていれば、その測定の信頼性が低い
ことを判断する機能についても若干記載されている。
【0007】上述の技術では、バックグラウンド値の測
定値を基にして、測定が期待どうりの条件で測定された
か否かを判断している。更に、測定する状態が適切な状
態が否かを判断することが記載されている。しかし、測
定する状態でないという判断が下された場合の対応策に
ついては一切記載がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発光量の計測は、比色
分析の0%、 100%のような計測装置のキャリブレ−シ
ョンに相当するものがないため、異なる時点での測定値
同士を比較することが困難であった。勿論、測定値は得
られるが、この測定値はその時の迷光(外乱光)、PM
Tへの印加電圧量、PMTと測定試料の位置関係、ある
いはPMTや処理回路の熱変動等の測定条件により著し
く変化するため、例えば同じ試料を異なる時点あるいは
異なる装置で測定すると、大幅に異なる測定値が得られ
ることが普通であった。
【0009】また、臨床分析の分野では、既知濃度の材
料を測定して検量線を作成した後、検体試料を測定して
いたが、最近はこの検量線を毎回は作成せず、装置が記
憶している検量線を使用することが一般的である。特
に、免疫測定では直線の検量線が得にくいため、普通は
5種類以上の濃度の異なる検量線用試料を用いて検量線
を作成しなければならなかった。この結果、操作は煩雑
になり、特に少数の検査しか行われない場合は、測定に
要する費用が莫大なものになっていた。そのため、免疫
分析装置では、測定の度に検量線を作成する装置は敬遠
されがちである。
【0010】さらに、先に記した理由によりLIA測定
装置では異なる時点で測定した測定値を比較することが
困難であるため、記憶されている検量線を用いても、濃
度値を出力することは不可能であった。
【0011】本発明の目的とするところは、被検試料の
発光光量の検出精度を恒常的に保つことが可能な光学的
免疫測定装置及びこれに用いられる免疫測定装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために請求項1の発明は、被検試料の免疫反応に
伴って生じる化学発光の光量を光検出器を利用して検出
し、光量に基づいて免疫測定を行う光学的免疫測定方法
において、予め決められた基準値に基づいて光検出器の
検出結果の可否を判断する第1の工程と、検出結果が否
の場合に光検出器に向けて化学発光の疑似光を発し、こ
の疑似光を光検出器を利用して検出し、得られた検出値
を基準値と比較する第2の工程と、光検出器の検出値が
基準値に近付くよう検出条件を変化させる第3の工程と
を具備した光学的免疫測定方法にある。
【0013】また、請求項2の発明は、被検試料の免疫
反応に伴って生じる化学発光の光量を光検出器を利用し
て検出し、光量に基づいて免疫測定を行う免疫測定装置
において、光検出器へ疑似光を発する疑似光光源と、光
検出器の検出値を予め設定された基準値と比較し、検出
値が基準値に近付くよう検出条件を変化させる検出条件
変更部とを備えた免疫測定装置にある。そして、請求項
1及び請求項2の発明は、被検試料の発光光量の検出精
度を恒常的に保てるようにしたことにある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5に基づ
いて説明する。図1は本発明の一実施例の要部を示すも
ので、図中の符号1は光学的免疫測定装置(以下、測定
装置と称する)である。この測定装置1は発光免疫分析
(LIA)を実施するもので、発光反応部2、免疫測定
部3、信号処理部4、及び、検出条件変更部5を備えて
いる。また、この測定装置1は、図示しないが、試料
(血液、尿等)と試薬(抗体または抗原被覆粒子、発光
物質標識抗体等)を公知の順序により反応させるための
分注手段や反応後のB/F分離を行う洗浄手段を備えた
免疫反応部とも自動化された構成で連結しているのが好
ましい。
【0015】これらのうち発光反応部2には、図2に示
すように、本体6、光検出器としての光電子倍増管(以
下、PMTと称する)7、及び、疑似光光源としての発
光ダイオ−ド(以下、LEDと称する)8を備えてい
る。本体6は中空であり、PMT7とLED8は本体6
の中に配置されている。本体6の中の空間は3つに仕切
られており、本体6にはPMT収容室9、試料セル収容
室10、及び、LED収容室11が形成されている。こ
れらの収容室9〜11を仕切る二つの壁には第1及び第
2の窓12a、12bが開口している。
【0016】PMT収容室9にはPMT7が収容されて
おり、PMT7はPMTホルダ13を介して本体6の所
定位置に装脱可能に固定されている。さらに、PMT7
はその受光面14を一方の窓12aに向けている。PM
T7にはケ−ブル15が接続されており、ケ−ブル15
は本体6の外へ導出されている。そして、PMT7はケ
−ブル15を介して、信号処理部4や電圧制御部17に
接続されている。また、PMT7には検出条件変更部5
が接続されている。さらに、電圧制御部17には定電圧
電源18が接続されている。
【0017】ここで、本体6は、外乱光の侵入や、各収
容室9〜11間で光の漏れを防げるよう構成されてい
る。また、ケ−ブル15と本体6との間には外乱光の侵
入を防ぐためのシ−ルが施されている。また、PMT7
として一般的な種々のものを利用することが可能であ
る。
【0018】試料セル収容室10は三つの収容室9〜1
1の中央に位置しており、この試料セル収容室10には
セルホルダ19が設けられている。セルホルダ19は試
料セル20を着脱自在に保持する。さらに、このセルホ
ルダ19には、試料セル20の有無を検知するための試
料セル検知機能が備えられている。試料セル検知機能
は、試料セルセンサ21を利用して達成される。
【0019】ここで、セルホルダ19の形状や構造は免
疫測定に用いられる試料セル20に基づいて決められ
る。そして、試料セル20として、試験管、角セル、ス
ライド板、マイクロプレ−ト等の一般的な種々のものを
採用することが可能である。
【0020】LED収容室11にはLED8が収容され
ており、LED8は窓12bに向けられている。さら
に、LED8の端子22、23は本体6の外へ導出され
ており、本体6によって保持されている。このLED8
は電圧制御部24を介して電源25に接続されており、
電圧制御部24によってLED8の発光光量が調節され
る。
【0021】ここで、端子22、23と本体6との間に
は外乱光の侵入を防ぐためのシ−ルが施されている。こ
こで、LED8として、一般的な種々のものを採用する
ことが可能である。LED8は、試料との発光反応に供
する発光物質の発光波長と近似する発光波長を少なくと
も有しているのが好ましいが、適宜のフィルタ−により
波長選択するようにしてもよい。また、発光物質による
発光波長とLED8による発光成分との光学的条件を予
め関連付けるように構成すれば、測定項目、発光物質等
の毎にLED8を取り替える必要は無い。
【0022】LED8、試料セル20、及び、PMT7
は略同一な直線上に配置されている。さらに、セルホル
ダ19の位置や形状等の決定は、LED8からPMT7
に向かう光を遮らないよう行われている。
【0023】第1及び第2の窓12a、12bには、第
1及び第2のシャッタ26、27が取付けられている。
また、第3の窓28が試料セル収容室10に面してお
り、この窓28にも第3のシャッタ29が取付けられて
いる。図3に示すように、各シャッタ26、27、29
はステッピングモ−タ30〜32に接続されており、そ
れぞれ独立に開閉する。そして、各シャッタ26、2
7、29が閉じられると、各窓12a、12b、28は
光の漏れが生じないよう塞がれる。
【0024】ステッピングモ−タ30〜32は監視部3
3に接続されており、各ステッピングモ−タ30〜32
の動作量に基づいて、各シャッタ26、27、29の開
閉状態が検知される。なお、この監視部33には試料セ
ルセンサ21が接続されており、監視部33は試料セル
20の有無の検知も行う。
【0025】第2の窓12bにはNDフィルタ34が取
付けられている。このNDフィルタ34は、NDフィル
タ制御部35に接続されており、NDフィルタ34の光
透過率は任意に変化させられる。
【0026】また、試料セル収容室10に面した第3の
窓28は、試料セル20の出入れに利用される。つま
り、第3の窓28は本体6の中と外との間に介在してお
り、試料セル20が試料セル収容室10に搬入される際
には、第3のシャッタ29が開かれる。そして、試料セ
ル20は、試料セル移送手段36によって試料セル収容
室10に移送され、セルホルダ19に装着される。試料
セル20の搬出の際にも、同様に試料セル移送手段36
によって、試料セル20が本体6の外に移送される。こ
こで、試料セル移送手段36として、一般的なセルロ−
ダや移送ア−ム等を利用することが可能である。
【0027】なお、図示しないが、試料セル収容室10
内には、セルホルダ19に保持された試料セル20に対
して、発光反応を起こすための基質溶液等を適宜のタイ
ミングで注入するよう構成された注入手段が組み込まれ
ているものとする。
【0028】図4中に示すように、信号処理部4には処
理部37と記憶部38が備えられている。また、免疫測
定部3にはカウント部39と演算部40とが備えられて
いる。さらに、検出条件変更部5には、比較部41と制
御部42とが備えられている。PMT7の検出結果は信
号処理部4と検出条件変更部5とに送られる。また、P
MT7の検出結果は、信号処理部4を経て免疫測定部3
にも送られる。
【0029】次に、上述の測定装置1を用いた光学的免
疫測定方法を図5に基づいて説明する。まず、サンドイ
ッチ法におけるB/F分離を含む段階的な抗原抗体反応
工程ないし競合法における同時的な抗原抗体反応工程が
実施された後、被測定対象である試料中の抗体または抗
原が試料セル20内の試薬と結合した状態で、B/F分
離等の洗浄工程を含む必要な反応工程が済んだ後、被検
試料としての検液試料が入った試料セル20が、発光反
応部2の試料セル収容室10に搬入され、セルホルダ1
9に装着される(s2 )。試料セル20の装着の際に
は、第3のシャッタ29が開かれ(s1 )、試料セル2
0が第3の窓28を通ってセルホルダ19へ搬送され
る。
【0030】試料セル20がセルホルダ19に装着され
たのち、第3のシャッタ29が閉じられ(s3 )、第3
のシャッタ29が完全に閉じたことが確認される。この
際、第2のシャッタ27も閉じられている。第1のシャ
ッタ26が開かれ(s4 )、PMT7に高電圧が印加さ
れる(s5 )。この後、図示せぬ注入手段が試料セル2
0中に所要量の基質溶液を注入して、発光物質に応じた
発光反応を生ぜしめ、PMT7が試料セル20に生じた
化学発光を検出し、PMT7からの光電子パルスが免疫
測定部3へ送られる。そして、カウント部39により光
電子パルスが所定時間カウントされ、そのカウント値に
基づいて演算部40により検液試料からの発光量が求め
られ、測定対象である物質の量が算定される(s6 )。
【0031】ここで用いられる発光物質の違いによって
発光反応部2の構成が決まる。例えばアダマンチルメト
キシホスホリルフェニルジオキセタン化合物(AMPP
D)のように、トリガ−溶液を注入した後にある程度の
時間発光現象が持続する場合には、本実施例の発光反応
部2を利用することが可能である。
【0032】PMT7の検出結果は検出条件変更部5に
も送られている。また、信号処理部4の記憶部38に
は、これまでの検出の度に得られた検出結果、検出の日
時、LED8への印加電圧値、PMT7への印加電圧値
が記憶されている。検出条件変更部5は、記憶部38に
記憶されている過去の検出結果を基準値とし、比較部4
1が今回の検出結果と基準値とを比較する(s8 )。
【0033】このとき、制御部42は今回の検出結果と
過去の検出結果との差が、測定手法や発光物質等に応じ
て予め設定された範囲内に収まっている場合、検液試料
の測定が続けられる。また、今回と過去の差が予め設定
された所定の範囲を外れた場合、以下のようにして検出
条件の変更が行われる。
【0034】まず、LED8に流す電流量が設定され
る。LED8の電流量の設定のために、電圧制御部24
に複数の抵抗値を切換え可能に構成したディップスイッ
チを設けること等が考えられる。ここで、抵抗値の設定
範囲は、LEDの性能により規定される許容電流範囲を
2以上、好ましくは4または5以上の異なる電流値に段
階的に変更するように、複数の抵抗器もしくは可変抵抗
器を利用すればよい。次に、第3のシャッタ−29が閉
じてられていること、更にセルホルダ19に試料セル2
0がセットされていないことを確認した後、LED8に
電力を供給する(s10)。第1のシャッタ−26、第2
のシャッタ−27を共に開け(s11)、LED8から出
力された疑似光をNDフィルタ34に通してPMT7に
入射させる。必要ならば、監視部33は、図5にて枝別
れしたフロ−チャ−トに示すように、試料セル20がセ
ルホルダ19に残っている場合にこれを検知して、図示
せぬ警報手段によりオペレ−タに警告を与えると共に、
LED8の点灯、第2シャッタ−27の開放、PMT7
による検出のうち少なくとも1つを禁止するための禁止
信号を発光反応部の図示せぬ制御回路に送る構成として
もよい。疑似光の光量はNDフィルタ34によって所望
の値に設定される。そして、PMT7に印加電圧が投入
され、PMT7はLED8の疑似光を検出する
(s12)。
【0035】ここで、PMT7の印加電圧は予め投入さ
れていてもよい。また、PMT7の信号出力が安定する
まで、印加電圧を投入した後数分間待つ必要がある。こ
のため、発光物質の性質を考慮して印加電圧を投入する
時点を決定することが望ましい。
【0036】この状態でPMT7からの出力信号を一定
時間測定する。LED8の発光量を測定しながら、PM
T7への印加電圧を、今回の検出出力が過去の基準値と
同一の検出結果をもたらすように調節される(s13)。
【0037】一般に、発光ダイオ−ドに流す電流が一定
であれば、発光ダイオ−ドから生じる光の光量は同一で
あることは良く知られている。また、発光ダイオ−ドも
長時間の使用により若干の変化を生じるが、その変化は
光電子倍増管の変化に比較するとほとんど無視できる安
定なレベルである。したがって、発光ダイオ−ドの発光
条件を一定とし、その光量を光電子倍増管で検出した場
合、光電子倍増管の検出結果に変化があれば、光電子倍
増管の感度の変化を知ることができる。また、PMT7
の検出感度は、ある範囲で印加電圧に比例することが知
られている。
【0038】つまり、本実施例のように、LED8の一
定な光量をPMT7で検出し、PMT7の検出結果が基
準値に一致するようPMT7の印加電圧を変化させれ
ば、検出条件を変化した分だけ補正することができる。
この結果、被検試料の発光光量の検出精度を恒常的に保
つことが可能になる。そして、光学的免疫測定の精度及
び信頼性が向上する。一方、LED8からの疑似光の検
出値が基準値と一致しているにもかかわらず、試料セル
20からの発光量が異常な場合には、試料の異常、抗原
抗体反応工程での処理ミス等と判断できる。
【0039】なお、本発明の測定装置1を用いることに
より、検出条件の補正だけではなく、PMT7の使用の
適否の判断を行うことも可能である。つまり、一般にL
EDにおいては入力電流値と発光光量が比例することを
利用して、LED8の電流値を変えて発光量の測定を行
い、LED8への入力電流値とPMT7の検出値の関係
からPMT7の適性な測定範囲を求めたり、このPMT
7の劣化度合いを判定することも可能である。さらに、
この方法の場合には、LED8への入力電力値を変化さ
せるのではなく、LED8とPMT7の間のNDフィル
タ34を、適宜、透過率の異なる複数個用意して順次交
換できるよう構成することで透過光量を変化させても、
同様にPMT7の使用の適否の判断を行うことが可能で
ある。PMT7の劣化度合いが、許容し得る限界を越え
た場合には、新しいPMT7をPMTホルダに固定して
交換する。
【0040】また、本実施例においては、免疫測定部3
と信号処理部4とが分離しているが、これらを一体化し
てもよい。また、測定装置1の全体を制御する制御部
(図示しない)に、本実施例中の信号処理部4、検出条
件変更部5、電圧制御部17、24、監視部33、及
び、NDフィルタ制御部35などの演算制御のための手
段を一体に組込むことも可能である。
【0041】さらに、本実施例においては過去の検出結
果が基準値として用いられているが、本発明はこれに限
定されるものではなく、任意の値を記憶部38に記憶し
てこれを基準値として利用してよい。例えば、試料セル
20からの過去の検出結果が存在しない場合や、発光物
質、測定項目、免疫反応の測定手法等を変更する毎に異
なる過去の検出結果を要求する場合等を考慮すると、基
準値としてLED8による一定量の疑似光を用いる構成
であってもよい。LED光による検出値を基準とする場
合には、発光物質等の種類に拠らず常に同一の基準を利
用できる点で好ましい。但し、この場合にも、PMT7
の感度適否をより正確に判断するためには、LED8か
らの光量を異ならせてPMT7に検出させた複数の基準
値を採用するとよい。
【0042】また、LED8からの疑似光の検出値を基
準値として用いる場合、従来の検量線を作成する方法に
適用すれば、検量線の良否判定を実施するための理想検
量線として利用することも可能であるから、従来法の精
度管理効率も向上し得る点で好ましい。
【0043】また、本実施例では、検出条件の変更のた
めにPMT7の印加電圧が変化させられるが、本発明は
これに限定されず、例えば、図6に示すように、PMT
7スライド変位させ、PMT7とLED8との間隔を、
LED8の光量が基準値に近付くように変化させてもよ
い。図6においては、PMTホルダ13がPMT7とL
ED8による光路上に沿って図の矢印方向に進退調節を
行うための可動機構を有しており、動力源としてアクチ
ュエ−タ51が採用されている。必要ならば、PMT7
の近傍に光学補正のためのレンズ系を配置してもよい。
一般に発光体から発せられた光の強度は距離の自乗に比
例して減ずるので、図6に示すようにPMT7とLED
8の距離を変化させても、検出条件を変更することがで
きる。
【0044】ここで、可動機構やアクチュエ−タとして
一般的な種々の手段を採用することが可能である。ま
た、試料セル20がマイクロプレ−トや横載置型スライ
ド板のように、縦方向の測定を要するものでは、PMT
7とLED8の配置を上下に配置して縦方向の光路に変
更すればよい。
【0045】また、NDフィルタ34とセルホルダ19
の間に退避可能なミラ−や固定されたマジックミラ−を
配設して、試料セル20からの発光をPMT7に向けて
反射させるとともに、LED8点灯時にはLED8から
の発光がPMT7に届くよう構成することにより、免疫
測定とPMTの感度試験を効率良く行うこともできる。
【0046】また、図示しないが、発光反応部2に、検
液試料を試料セル20に直接分注できる分注器機構を設
け、トリガ−分注とほぼ同時に測光を開始できるように
すれば、アクリジニウムエステル化合物やルミノ−ル類
似物質のようにトリガ−溶液分注後瞬間的に発光現象を
起こす物質の測定も可能になる。
【0047】さらに、セルホルダ19をLED8とPM
T7との光路上から退避(または隠蔽)させるよう適宜
移動可能に構成して、PMT7による試料セル20から
の発光量検出の後にセルホルダ19を退避させるように
制御すれば、遮光条件を維持したまま即座にLED8か
らの発光を検出することができるので、PMT7の感度
を迅速にかつ高精度に検出でき、ひいては試料セル20
からの発光量の誤差を正確に補正できるなどの利点を有
する。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明は、
被検試料の免疫反応に伴って生じる化学発光の光量を光
検出器を利用して検出し、光量に基づいて免疫測定を行
う光学的免疫測定方法において、予め決められた基準値
に基づいて光検出器の検出結果の可否を判断する第1の
工程と、検出結果が否の場合に光検出器に向けて化学発
光の疑似光を発し、この疑似光を光検出器を利用して検
出し、得られた検出値を基準値と比較する第2の工程
と、光検出器の検出値が基準値に近付くよう検出条件を
変化させる第3の工程とを具備した光学的免疫測定方法
である。
【0049】また、請求項2の発明は、被検試料の免疫
反応に伴って生じる化学発光の光量を光検出器を利用し
て検出し、光量に基づいて免疫測定を行う免疫測定装置
において、光検出器へ疑似光を発する疑似光光源と、光
検出器の検出値を予め設定された基準値と比較し、検出
値が基準値に近付くよう検出条件を変化させる検出条件
変更部とを備えた免疫測定装置である。そして、請求項
1及び請求項2の発明によれば、被検試料の発光光量の
検出精度を恒常的に保てるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の免疫測定装置の要部を示す
構成図。
【図2】発光反応部を示すもので、(a)は側断面図、
(b)は平断面図。
【図3】発光反応部の周辺の構成を概略的に示すブロッ
ク図。
【図4】検出条件変更部の周辺の構成を概略的に示すブ
ロック図。
【図5】本発明の一実施例の光学的免疫測定方法を示す
フロ−チャ−ト。
【図6】変形例を示す構成図。
【符号の説明】
1…免疫測定装置、3…免疫測定部、5…検出条件変更
部、7…光電子倍増管(光検出器)、8…発光ダイオ−
ド(疑似光光源)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検試料の免疫反応に伴って生じる化学
    発光の光量を光検出器を利用して検出し、上記光量に基
    づいて免疫測定を行う光学的免疫測定方法において、予
    め決められた基準値に基づいて上記光検出器の検出結果
    の可否を判断する第1の工程と、上記検出結果が否の場
    合に上記光検出器に向けて上記化学発光の疑似光を発
    し、この疑似光を上記光検出器を利用して検出し、得ら
    れた検出値を上記基準値と比較する第2の工程と、上記
    光検出器の検出値が上記基準値に近付くよう検出条件を
    変化させる第3の工程とを具備した光学的免疫測定方
    法。
  2. 【請求項2】 被検試料の免疫反応に伴って生じる化学
    発光の光量を光検出器を利用して検出し、上記光量に基
    づいて免疫測定を行う免疫測定装置において、上記光検
    出器へ疑似光を発する疑似光光源と、上記光検出器の検
    出値を予め設定された基準値と比較し、上記検出値が上
    記基準値に近付くよう検出条件を変化させる検出条件変
    更部とを備えたことを特徴とする免疫測定装置。
  3. 【請求項3】 上記光検出器が光電子倍増管であり、上
    記検出条件変更部が上記光電子倍増管の印加電圧を変化
    させることを特徴とする前記請求項2記載の免疫測定装
    置。
  4. 【請求項4】 上記検出条件変更部が上記光検出器と上
    記疑似光光源との位置関係を変化させることを特徴とす
    る前記請求項2記載の免疫測定装置。
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