JP6980800B2 - Hd−hook効果サンプルと免疫測定を同定する方法、システム、キット及び装置 - Google Patents

Hd−hook効果サンプルと免疫測定を同定する方法、システム、キット及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6980800B2
JP6980800B2 JP2019547751A JP2019547751A JP6980800B2 JP 6980800 B2 JP6980800 B2 JP 6980800B2 JP 2019547751 A JP2019547751 A JP 2019547751A JP 2019547751 A JP2019547751 A JP 2019547751A JP 6980800 B2 JP6980800 B2 JP 6980800B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
measured
reading
antibody
amplification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019547751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020507780A (ja
Inventor
ヤン、ヤン
ジャン、シャンフイ
リャン、ジフ
リウ、グイドン
ウー、ドンヤン
ザオ、ウェイグオ
リウ、ユフイ
リ、リン
Original Assignee
ケムクリン・ダイアグノスティックス・カンパニー・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from CN201611026623.1A external-priority patent/CN108152505B/zh
Priority claimed from CN201611034237.7A external-priority patent/CN108132344B/zh
Priority claimed from CN201611034252.1A external-priority patent/CN108204959B/zh
Priority claimed from CN201710695530.6A external-priority patent/CN109406498B/zh
Application filed by ケムクリン・ダイアグノスティックス・カンパニー・リミテッド filed Critical ケムクリン・ダイアグノスティックス・カンパニー・リミテッド
Publication of JP2020507780A publication Critical patent/JP2020507780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6980800B2 publication Critical patent/JP6980800B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54393Improving reaction conditions or stability, e.g. by coating or irradiation of surface, by reduction of non-specific binding, by promotion of specific binding
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/5306Improving reaction conditions, e.g. reduction of non-specific binding, promotion of specific binding
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/76Chemiluminescence; Bioluminescence
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B25/00ICT specially adapted for hybridisation; ICT specially adapted for gene or protein expression
    • G16B25/10Gene or protein expression profiling; Expression-ratio estimation or normalisation

Description

関連出願の相互参照
本願は、2016年11月22日に提出された、発明の名称が「免疫測定方法、免疫測定を同定するためのシステム及びキット」である中国特許出願CN201611026623.1を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本願は、2016年11月22日に提出された、発明の名称が「免疫測定方法、免疫測定を同定するためのシステム及びキット」である中国特許出願CN201611034237.7を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本願は、2016年11月22日に提出された、発明の名称が「HD−HOOK効果サンプルを同定する方法及び免疫測定におけるHD−HOOK効果を同定するシステム」である中国特許出願CN201611034252.1を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本願は、2017年08月05日に提出された、発明の名称が「免疫測定装置」である中国特許出願CN201710695530.6を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本発明は、光励起化学発光(Light Initiated Chemiluminescent Assay、LiCA)の技術分野に関し、具体的には、HD−HOOK効果サンプルを同定する方法,免疫測定におけるHD−HOOK効果を同定するためのシステム、キット及び装置,免疫測定方法,免疫測定を同定するためのシステム、キット及び装置に関するものである。
免疫学的検出は抗原抗体の特異的反応原理に基づいて行われるものであり、同位体、酵素、化学発光物質などを利用して被測定物を表示したり信号を増幅させたりすることができるので、よくタンパク質、ホルモンなどの微量生物活性物質を検出するのに用いられる。
化学発光免疫分析は、近年、発展が迅速な非放射性免疫検出技術であり、その原理が化学発光物質を利用して信号を増幅させると共に、その発光強度によって、免疫結合過程に対して直接測定するものである。この方法は、免疫学的検出の重要な方向の一つとなっている。
光励起化学発光法は、化学発光分析技術の常法の一つであり、生物分子間の相互作用の研究に使用することができ、臨床的には、主に疾病の検出に用いられる。この技術は、高分子微粒子技術、有機合成、タンパク質化学及び臨床検出など関連分野の研究が統合されている。それは、感光微粒子と発光微粒子を一定の範囲内で結合させることで、イオン化酸素エネルギーの伝達が発生し、光信号が発せられることによって、測定対象サンプルを検出するものとされている。ここで、感光微粒子の内部に感光化合物が充填されて、発光微粒子の内部に発光化合物とランタノイド族元素が充填されている。赤色レーザ光(600〜700nm)の励起で、感光微粒子はエネルギーの高い状態の一重項酸素イオン(4μS)を放出し、その伝播距離は約200nmとされている。感光微粒子と発光微粒子の距離が十分に接近すると、感光微粒子が放出した一重項酸素イオンが発光微粒子に到達することができ、そして一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を放出し、機器によって検出される。本反応系では、微粒子の濃度が低く、衝突確率が小さく、バックグラウンド信号が微弱である。感光微粒子と発光微粒子とが免疫反応によって結合された後になってはじめて、明らかな光を放出するようになるため、システムの感度が高い。疾病の診断において、通常の検出モードには、抗原または抗体を被覆する発光微粒子、ビオチンまたはジゴキシゲニンによって標識された抗原又は抗体、アビジン又は抗ジゴキシゲニンによって被覆された感光微粒子、中和抗原又は抗体等の3つ〜4つの成分が含まれている。以上の各成分は、2つのステップ以上のインキュベート反応によって、測定対象の抗原または抗体に結合され、化学出射光量の強弱で測定対象サンプルを定性的または定量的に検出する。従来の酵素免疫分析方法と比較して、均一、感度が高く、操作が簡便で自動化しやすい等の特徴を有する。したがって、その応用の見通しは非常に広い。
Double−Anti Sandwich Immunoassayの検出モードにおいて、検出対象物質の濃度が一定の濃度まで高くなった時、Double−Anti Sandwich複合体を形成することができないために信号値が低いという現象は、高用量−フック効果(High Dose−Hook Effect、HD−HOOK効果)と呼ばれる。つまり、高用量−フック効果とは、Double−Site Sandwich Immunoassayにおいて、その用量反応曲線における高用量部分の線形性傾向が後に向けて平らに無限延伸するのではなく、フック状のように下方に向けて湾曲されるため、偽陰性の現象が発生してしまう。
HD−HOOK効果は免疫検出で頻繁に発生するもので、その発生率は陽性サンプルの30%程度を占めている。HD−HOOK効果の存在により、測定対象サンプルに対して、その濃度が検出用キットの線形性範囲を超えたためか、それともそれ自体の濃度がその値であるかを正しく区別できないため、実験上の誤診を招いてしまい、特に偽陰性率が上昇することとなる。
具体的には、一方、高濃度のサンプルを検出する際に、高用量−フック効果により、検出信号が低くなり、サンプルについても濃度が低いと誤って判読されるおそれがある。従来の解決策としては、試薬の成分を増やし、測定対象サンプルを希釈したり2段法で検出したりすることである。
その一方、高用量−フック効果により、サンプル濃度が一定の値まで高くなると、信号が続けて上昇するわけではなく、検出範囲が制限されている。従来では、主に抗体の最適化または抗体の向上によって検出範囲を広げるとされている。
通常の検出フローには、測定対象物および試薬の反応孔への投入、1段目のインキュベーション、汎用液の添加、2段目のインキュベーション及び読み取り、という5つのステップが含まれている。
本発明の検出方法は、通常の検出フローに基づいて、反応を中断することなく、反応過程において信号値を複数回読み取り、信号の変化を観測することによってサンプルの真実の濃度を判断するものである。
従来技術に存在する欠陥に関して、本発明は、反応を中断することなく、2回の読み取りによって検出範囲を広げるとともに、測定対象サンプルにHD−HOOK効果が存在するかどうかを正確に判定し、測定対象サンプルにおける測定対象物の濃度を簡便かつ迅速に算出することができる、免疫測定方法を提供することを目的とする。
上記目的及び他の関連する目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
本発明の第1の側面は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とし、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A’がR0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとする、というステップを含む、HD−HOOK効果サンプルを同定する方法を提供する。
なお、測定対象サンプルの差分増幅とピーク校正品の差分増幅を検出する反応条件及び反応時間はいずれも一致している。本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含む。
本明細書では、用語「ピーク校正品」とは、特定の濃度の測定対象物を含むサンプルを意味し、ここで、Double−Anti Sandwich Immunoassayによる測定対象物用量反応曲線における高用量部分の線形性傾向が下方に向かって曲がり始めるときの濃度は、ピーク校正品における測定対象物の濃度となる。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされている。
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線である。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができる。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、ステップ(2)と(3)において、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされている。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいう。
本発明の第2の側面は、
化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定するためのプロセッサと、を備える
免疫測定におけるHD−HOOK効果を同定するためのシステムを提供する。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記システムは、
化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’が、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとするプロセッサと、を備え、
化学発光の2回目の読み取りは、同一の免疫反応に対して一定の時間が経過した後に再度励起させ読み取ることによって得られるものである。
1つの具体的な実施の形態においては、本発明の免疫測定を同定するためのシステムは、例えば溶液の収容容器のような免疫反応装置と、例えば光子カウントモジュールと発光ダイオードのような化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、たとえばコンピュータのような前記読み取りに対して処理やプロットなどをするプロセッサを備える。このような免疫測定を同定するためのシステムは、例えば、本出願人の実用新案CN201532646Uを参照することができ、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記システムの使用方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含む。
本発明によれば、測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされている。
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線である。
本発明の第3の側面は、校正品、ピーク校正品、第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットであって、前記キットの使用方法は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定することを特徴とするキットを提供する。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記キットの使用方法は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A’がピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとする、というステップを含む。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、前記キットの使用方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含む。
本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされている。
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線である。
ここで、上記方法は非疾患診断目的の方法であることに特に留意されたく、前記方法はDouble−Antibody Sandwich ImmunoassayまたはDouble−Antigen Sandwich Immunoassayの検出過程において簡便かつ迅速にHD−HOOK効果サンプルを選別し、高濃度の抗原(または抗体)サンプルを低濃度の抗原(または抗体)サンプルとして誤認されることを防止するのに用いられるものである。
好ましくは、前記抗原とは免疫原性を有する物質をいう。例えば、タンパク質、ポリペプチドが挙げられる。代表的な抗原(これに限定されるものではない)として、サイトカイン、腫瘍マーカー、メタロプロテイン、心血管糖尿病関連タンパク質などが挙げられる。
前記抗体とは、有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいう。
本発明の実施例において、前記抗原又は抗体は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、B型肝炎表面抗体(HBsAb)、癌抗原125(CA125)、フェリチン(Ferr)およびCペプチド(CP)から選ばれるものである。
本発明の方法によって検出され得るサンプルは特に限定されず、測定すべき目標抗原(または抗体)が含まれる任意のサンプルであってもよく、代表的な例としては、血清サンプル、尿サンプル、唾液サンプルなどが挙げられる。本発明では、血清サンプルが好ましい。
好ましくは、前記第1の抗体及び第2の抗体は、前記抗原に特異的に結合可能な抗体である。
同一の抗原に対して、対応する第1の抗体及び第2の抗体は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗原に結合することができる。
前記第1の抗原および第2の抗原は、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいう。
同一の抗体に対して、対応する第1の抗原及び第2の抗原は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗体に結合することができる。
好ましくは、前記標識物と標識物特異結合物とは特異的に結合することができる。
より好ましくは、前記標識物はビオチンであり、前記標識物特異結合物はストレプトアビジンである。
好ましくは、前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいう。発光化合物は、Dioxene(ジオキセン)またはthioxene(ジメチルチオフェン)の誘導体等とされてもよく、ランタノイド族元素化合物は、Eu(TTA)3/TOPOまたはEu(TTA)3/Phen等とされてもよく、当該微粒子は市販品から購入することができる。発光微粒子の表面官能基は、タンパク質を結合可能な任意の基であり得る。例えば、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、エポキシエチル基またはハロゲン化アルキル基などの様々な従来公知の、タンパク質を結合可能な官能基が挙げられる。
好ましくは、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができる。それが発光微粒子に十分に接近すると、一重項酸素イオンが発光微粒子に伝達され、発光微粒子中の発光化合物と反応して紫外線を発生し、紫外線によってさらにランタノイド族元素化合物が励起され特定の波長の光子を発生する。感光化合物としては、フタロシアニン染料などを用いることができ、当該微粒子も市販品から購入することができる。
好ましくは、ステップ(2)と(3)において、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされている。
さらに、赤色レーザ光(600〜700nm)で感光微粒子を照射し、感光微粒子に一重項酸素イオンを放出させ、一重項酸素イオンの一部が発光微粒子に受け入れられ、これによって520〜620nmの高いエネルギー準位の光が出射される。
検出範囲内では、測定すべき目標抗原の濃度は、Double−Antibody Sandwich複合体の数として表され、そして光子の数に比例する。しかしながら、測定すべき目標抗原の濃度が高すぎると、測定すべき抗原の一部がそれぞれ個別の抗体と結合するので、Double−Antibody Sandwich複合体が減少し、光信号が低くなり、測定すべき目標抗原の真実の濃度が反映されなくなる。
同様に、検出範囲内では、測定すべき目標抗体の濃度は、Double−Antigen Sandwich複合体の数として表され、そして光子の数に比例する。しかしながら、測定すべき目標抗体の濃度が高すぎると、測定すべき抗体の一部がそれぞれ個別の抗原と結合するので、Double−Antigen Sandwich複合体が減少し、光信号が低くなり、測定すべき目標抗体の真実の濃度が反映されなくなる。
本発明の方法は、2回の読み取りによって、2回の読み取りによって得られた信号値の増幅間の関係を比較することによって、検出範囲を広げ、HD−HOOK効果サンプルを区別することで機能する。2回の読み取りの違いは、以下の3つの点によって決められる。
第1点では、1回目の読み取りでは、感光微粒子が赤色レーザ光(600〜700nm)によって照射された後、一重項酸素イオンを放出する。一重項酸素イオンの一部が発光微粒子に伝達された後、一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を出射するが、一重項酸素イオンの他の一部が抗体(または抗原)に結合されていない測定すべき目標抗原(または抗体)と反応するので、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度を低下させるようになる。低濃度サンプルについては、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度が低下したら、Double−Anti Sandwich複合体が減少し、2回目の読み取りでは信号値が低下する。高濃度のHD−HOOK効果サンプルについては、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度が低下したら、Double−Anti Sandwich複合体が増加し、2回目の読み取りでは信号値が逆に上昇する。
第2点では、低濃度サンプルについては、感光微粒子が1回目の読み取り中に赤色レーザ光(600〜700nm)に照射され、一重項酸素イオンを放出した後、そのエネルギーが損失するので、2回目の読み取りでは信号が低下する。
第3点では、HD−HOOK効果については、1回目の読み取りでは、抗原抗体反応がまだ平衡に達しておらず、2回の読み取りの間隔時間においても反応が正の方向に向けて進行するので、2回目の読み取りでは信号が上昇する。
以上に説明したように、本発明では、反応が平衡に達していないときに1回目の読み取りを行い、感光微粒子が励起光に照射され一重項酸素イオンを放出し、その一部が発光微粒子に伝達され、他の一部が未結合の測定すべき目標抗原または抗体と反応することができ、測定すべき目標抗原または抗体の一部が消耗され、反応平衡を逆の方向に移動させる一方、感光微粒子は1回の励起後に若干消耗され、2回目の読み取りでは、測定すべき目標抗原または抗体の濃度が低いサンプルの信号値が低下するのに対して、濃度が高いサンプルのDouble−Anti Sandwich複合体と感光微粒子との結合は1回目の読み取りではまだまだ平衡に達しておらず、2回目の読み取りでは反応が正の方向に移動するので信号が上昇することになり、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度の上昇と伴い、2回目の光励起による光の信号値および1回目の信号値の上昇幅も上昇する。信号の上昇幅はサンプルの濃度とは正の相関関係があり、2回の信号の増幅を比較すると、信号値が低く増幅が大きいサンプルがHD−HOOK効果サンプルであることを示すことができる。
本発明の第4の側面は、
化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して複数回の読み取りを実行するための読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続され、前記読み取りユニットの読み取りによって免疫測定にはHD−HOOKのリスクの有無を判定する処理ユニットと、を備える
HD−HOOK効果サンプルを同定するための測定装置を提供する。
本発明のいくつかの実施の形態では、インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに移動し読み取りを実行するための移動機構をさらに備える。
本発明の他のいくつかの実施の形態では、前記装置は、化学発光免疫反応のために適切な環境温度を提供するためのインキュベータをさらに備える。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記装置は、読み取りが完了した後の混合液を前記インキュベータに復帰させ再度インキュベートするための復帰機構をさらに備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記移動機構は押出し機構であり、前記復帰機構は押戻し機構であり、前記混合液はスラットで収容される。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記読み取りユニットは化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して2回の読み取りを実行することに用いられる。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記インキュベータは第1のインキュベータと第2のインキュベータとを有し、前記押出し機構は、第1のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を第2のインキュベータに押出しインキュベートするのに用いられ、かつ前記押出し機構は第2のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し1回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記押戻し機構は、1回目の読み取りが完了した後の混合液を第2のインキュベータに押戻し再度インキュベートするのに用いられ、
前記押出し機構は、さらに、第2のインキュベータ内で再度インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し2回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記処理ユニットが2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えていると検出した場合、免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在すると判定する。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記押戻し機構は、
底板と、
前記底板に設けられているガイドレールと、
前記ガイドレールに設けられ、スラットを支持するための移動カップ機構と、
前記移動カップ機構を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動装置と、
前記底板の両端に設けられ、前記移動カップ機構の位置を検出するための光電センサと、
前記光電センサに接続され、前記光電センサによって発せられた位置信号に基づいて前記移動カップ機構の位置を調整することができる位置調整機構と、を備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記ガイドレールは直線レールまたは可変レールである。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記インキュベータの一方の側に設けられ、測定対象サンプルと試薬とを混合させるためのスラット用試料添加皿と、前記インキュベータの他方の側に設けられ、試薬を収納するための試薬冷蔵領域とをさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記スラット用試料添加皿の一方の側に設けられた、ブランクスラットスタッキング及びローディング機構をさらに備え、前記ブランクスラットスタッキング及びローディング機構は、ブランクスラットをスラット用試料添加皿に押し付けるのに用いられる。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、サンプル試験管を支持するためのサンプル試験管載置棚をさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記サンプル試験管載置棚におけるブランクスラットスタッキング及びローディング機構に近隣する側に設けられ、予備希釈プレートに対して希釈処理するための希釈プレートシェーカーをさらに備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、試料添加針が設けられている機械式アームをさらに備え、
前記機械式アームは、前記サンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第1の機械式アームと、前記試薬冷蔵領域から試薬を吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第2の機械式アームとを有する。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、第1の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第1の洗浄機構と、第2の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第2の洗浄機構とをさらに備える。
具体的には、サンプルがインキュベータに入る前に、以下のステップが行われる必要がある。
1.ブランクスラットがブランクスラットスタッキング及びローディング機構によってスラット用試料添加皿の位置D0に押し付けられる。
2.ブランクスラットがスラット用試料添加皿の位置D0に押し付けられた後、スラット用試料添加皿の位置D1まで時計回りに90度回転させ、この位置で、第1の機械式アームでサンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してブランクスラットに試料添加する。
3.試料添加完了後のスラットを、スラット用試料添加皿の位置D2まで時計回りに90度回転させ、この位置では動作なし。
4.スラットを、スラット用試料添加皿の位置D3まで時計回りに90度回転させ、この位置では、第2の機械式アームで試薬冷蔵領域から試薬を吸引して、当該位置にあるスラット内に割り当てる。
位置D3にある全てのスラットの試料添加が完了し、そして全てインキュベータに押し込まれた後(その押出し機構は未図示)、スラット用試料添加皿を位置D3から位置D0まで回転させ(この工程は、位置D1にあるスラットがサンプル割り当てを完了した後に行われる。)、スラット用試料添加皿の1回のサイクルが完了する。スラット用試料添加皿が全負荷で運転するとき、スラット用試料添加皿の位置D0ではブランクスラットがローディングされ、位置D1ではサンプルの割り当てが行われ、位置D2では待機中、位置D3では試薬の割り当てが行われ、そして試薬割り当て後にスラットがインキュベータに押し込まれる。スラット用試料添加皿の回転は、D0〜D3の4つの領域内の動作が全て完了するまで待たなければならない。
試料添加完了後のスラットが第1のインキュベータに入った後、スラットが押出し機構によって第2のインキュベータに送られ、この工程において、測定対象サンプルと試薬が含まれるスラットに標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加える必要もあり、その後サンプルを第2のインキュベータ12に入れ、インキュベートされ、インキュベートされた後に、スラットが押出し機構によって読み取りユニットに送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、1回目の読み取りを記録する。1回目の読み取りが完了した後のスラットが押戻し機構によって第2のインキュベータに押し戻され再度インキュベートされ、再度インキュベートされた後に、前記スラットは再び押出し機構によって読み取りユニットに送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、2回目の読み取りを記録する。2回の読み取りが完了した後に、処理ユニットによって2回の読み取りが処理され、2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えている場合、当該免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在すると判定する。一つの方法としては、その装置が定性的にHD−HOOKに関する提示情報を与え、作業者がサンプルを希釈してから再度測定することである。もう一つの方法としては、その装置が直接に定量的な結果を与えることであるが、その結果は線形性範囲よりも遥かに高くなっている。
従来技術と比べて、この装置は読み取りユニットを設けることにより、読み取りユニットでインキュベートされた後の混合液に対して2回乃至複数回の読み取りを実行し、そして処理ユニットで読み取りユニットによる読み取りを処理することによって、免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在するかどうかを判定し、HD−HOOK効果に起因する、測定対象サンプルに対してその濃度が検出用キットの線形性範囲を超えたためか、それともそれ自体の濃度がその値であるかを正しく区別できないことを回避し、実験上の誤診を回避することができる。
本発明の第5の側面は、(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、(2)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、および/または、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、(3)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法を提供する。
なお、測定対象サンプルの差分増幅と既知の標準物質の差分増幅を検出する反応条件及び反応時間はいずれも一致している。
本発明のいくつかの実施の形態では、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較する。
本発明のいくつかの実施例では、前記既知の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、かつ前記既知の標準物質は陽性対照である。
本発明の他のいくつかの実施例では、前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記方法は、
(a1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(a5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低い。)の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(a6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施の形態では、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照である。
本発明のいくつかの実施例では、前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記方法は、
(c1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(c5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(c6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施例では、前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記方法は、
(d1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(d5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(d6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施例では、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較して、かつ、前記方法は、(4)サンプルの濃度を特定するステップをさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記方法は、
(b1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(b5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(b6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する標準曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含む。
本発明によれば、前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができる。
本発明によれば、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされている。
本発明によれば、前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいう。
本発明の第6の側面は、免疫測定を同定するためのシステムであって、
化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
プロセッサと、を備えるシステムを提供する。
1つの具体的な実施の形態においては、本発明の免疫測定を同定するためのシステムは、例えば溶液の収容容器のような免疫反応装置と、例えば光子カウントモジュールと発光ダイオードのような化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、たとえばコンピュータのような前記読み取りに対して処理やプロットなどをするプロセッサを備える。このような免疫測定を同定するためのシステムは、例えば、本出願人の実用新案CN201532646Uを参照することができ、その記載内容の全てを、ここに援用する。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するのに用いられ、ここで標準物質の濃度はHD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定する。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度はHD−HOOK効果が生じる濃度よりも低くなっている。)の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が前記既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとする。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が前記既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定する。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aに基づいてそれぞれ標準曲線を作成し、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aを標準曲線と比較して、サンプルの濃度を特定するのに用いられる。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
(6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する標準曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含み、
前記校正曲線は、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線である。
本発明によれば、前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができる。
本発明によれば、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされている。
本発明によれば、前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいう。
本発明の第7の側面は、第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットであって、前記キットの使用方法は、(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、(2)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、および/または、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、(3)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含むことを特徴とするキットを提供する。
本発明のいくつかの実施の形態では、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較する。
本発明のいくつかの実施例では、前記既知の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、かつ前記既知の標準物質は陽性対照である。
本発明の他のいくつかの実施例では、前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記キットの使用方法は、
(a1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(a5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低い。)の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(a6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施の形態では、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照である。
本発明のいくつかの実施例では、前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記キットの使用方法は、
(c1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(c5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(c6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施例では、前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記キットの使用方法は、
(d1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(d5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(d6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含む。
本発明のいくつかの実施例では、前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aを標準曲線と比較して、サンプルの濃度を特定するステップをさらに含む。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記キットの使用方法は、
(b1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(b5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(b6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する標準曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含み、
前記校正曲線は、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線である。
ここで、上記方法は非疾患診断目的の方法であることに特に留意されたく、前記方法はDouble−Antibody Sandwich ImmunoassayまたはDouble−Antigen Sandwich Immunoassayの検出過程において2回の読み取りによって検出範囲を広げるとともに、測定対象サンプルにHD−HOOK効果が存在するかどうかを正確に判定し、測定対象サンプルにおける測定対象物の濃度を簡便かつ迅速に算出することができる。
好ましくは、前記抗原とは免疫原性を有する物質をいう。例えば、タンパク質、ポリペプチドが挙げられる。代表的な抗原(これに限定されるものではない)として、サイトカイン、腫瘍マーカー、メタロプロテイン、心血管糖尿病関連タンパク質などが挙げられる。
前記抗体とは、有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいう。
本発明のいくつかの実施例では、前記抗原又は抗体は、インスリン(INS)、B型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)、アルファフェトプロテイン(AFP)およびチロトロピン(TSH)などから選ばれるものである。
本発明の方法によって検出され得るサンプルは特に限定されず、測定すべき目標抗原(または抗体)が含まれる任意のサンプルであってもよく、代表的な例としては、血清サンプル、尿サンプル、唾液サンプルなどが挙げられる。本発明では、血清サンプルが好ましい。
好ましくは、前記第1の抗体及び第2の抗体は、前記抗原に特異的に結合可能な抗体である。
同一の抗原に対して、対応する第1の抗体及び第2の抗体は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗原に結合することができる。
前記第1の抗原および第2の抗原は、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいう。
同一の抗体に対して、対応する第1の抗原及び第2の抗原は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗体に結合することができる。
好ましくは、前記標識物と標識物特異結合物とは特異的に結合することができる。
より好ましくは、前記標識物はビオチンであり、前記標識物特異結合物はストレプトアビジンである。
好ましくは、前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいう。発光化合物は、Dioxene(ジオキセン)またはthioxene(ジメチルチオフェン)の誘導体等とされてもよく、ランタノイド族元素化合物は、Eu(TTA)3/TOPOまたはEu(TTA)3/Phen等とされてもよく、当該微粒子は市販品から購入することができる。発光微粒子の表面官能基は、タンパク質を結合可能な任意の基であり得る。例えば、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、エポキシエチル基またはハロゲン化アルキル基などの様々な従来公知の、タンパク質を結合可能な官能基が挙げられる。
好ましくは、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができる。それが発光微粒子に十分に接近すると、一重項酸素イオンが発光微粒子に伝達され、発光微粒子中の発光化合物と反応して紫外線を発生し、紫外線によってさらにランタノイド族元素化合物が励起され特定の波長の光子を発生する。感光化合物としては、フタロシアニン染料などを用いることができ、当該微粒子も市販品から購入することができる。
好ましくは、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされている。
さらに、赤色レーザ光(600〜700nm)で感光微粒子を照射し、感光微粒子に一重項酸素イオンを放出させ、一重項酸素イオンの一部が発光微粒子に受け入れられ、これによって520〜620nmの高いエネルギー準位の光が出射される。
検出範囲内では、測定すべき目標抗原の濃度は、Double−Antibody Sandwich複合体の数として表され、そして光子の数に比例する。しかしながら、測定すべき目標抗原の濃度が高すぎると、測定すべき抗原の一部がそれぞれ個別の抗体と結合するので、Double−Antibody Sandwich複合体が減少し、光信号が低くなり、測定すべき目標抗原の真実の濃度が反映されなくなる。
同様に、検出範囲内では、測定すべき目標抗体の濃度は、Double−Antigen Sandwich複合体の数として表され、そして光子の数に比例する。しかしながら、測定すべき目標抗体の濃度が高すぎると、測定すべき抗体の一部がそれぞれ個別の抗原と結合するので、Double−Antigen Sandwich複合体が減少し、光信号が低くなり、測定すべき目標抗体の真実の濃度が反映されなくなる。
本発明の方法は、2回の読み取りによって得られた信号値の増幅間の関係を比較することによって、検出範囲を広げることで機能する。2回の読み取りの違いは、以下の3つの点によって決められる。
第1点では、1回目の読み取りでは、感光微粒子が赤色レーザ光(600〜700nm)によって照射された後、一重項酸素イオンを放出する。一重項酸素イオンの一部が発光微粒子に伝達された後、一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を出射するが、一重項酸素イオンの他の一部が抗体(または抗原)に結合されていない測定すべき目標抗原(または抗体)と反応するので、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度を低下させるようになる。低濃度サンプルについては、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度が低下したら、Double−Anti Sandwich複合体が減少し、2回目の読み取りでは信号値が低下する。高濃度サンプルについては、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度が低下したら、Double−Anti Sandwich複合体が増加し、2回目の読み取りでは信号値が逆に上昇する。
第2点では、低濃度サンプルについては、感光微粒子が1回目の読み取り中に赤色レーザ光(600〜700nm)に照射され、一重項酸素イオンを放出した後、そのエネルギーが損失するので、2回目の読み取りでは信号が低下する。
第3点では、HD−HOOK効果については、1回目の読み取りでは、抗原抗体反応がまだ平衡に達しておらず、2回の読み取りの間隔時間においても反応が正の方向に向けて進行するので、2回目の読み取りでは信号が上昇する。
以上に説明したように、本発明では、反応が平衡に達していないときに1回目の読み取りを行い、感光微粒子が励起光に照射され一重項酸素イオンを放出し、その一部が発光微粒子に伝達され、他の一部が未結合の測定すべき目標抗原または抗体と反応することができ、測定すべき目標抗原または抗体の一部が消耗され、反応平衡を逆の方向に移動させる一方、感光微粒子は1回の励起後に若干消耗され、2回目の読み取りでは、測定すべき目標抗原または抗体の濃度が低いサンプルの信号値が低下するのに対して、濃度が高いサンプルのDouble−Anti Sandwich複合体と感光微粒子との結合は1回目の読み取りではまだまだ平衡に達しておらず、2回目の読み取りでは反応が正の方向に移動するので信号が上昇することになり、測定すべき目標抗原(または抗体)の濃度の上昇と伴い、2回目の光励起による光の信号値および1回目の信号値の上昇幅も上昇する。信号の上昇幅はサンプルの濃度とは正の相関関係があり、2回の信号の増幅を比較することによって、検出範囲を広げることができ、検出過程において、その濃度を簡便かつ迅速に算出することができる。
従来技術と比較して、本発明の前記方法は、光励起化学発光プラットフォーム(発光酸素チャネル)の無洗浄および反応の均一性に基づいて、免疫反応の進行を中断することなく1つの反応に対して複数回の信号測定を行うことができ、異なる反応時間での光信号を検出し、2回の信号の大きさを比較することによって、HD−HOOK効果サンプルを区別することができ、前記方法は検出範囲によって制限されず、検出範囲を100倍以上に効果的に広げた。同時に、本発明の方法は、Double−Anti Sandwich ImmunoassayにおけるHD−HOOK効果サンプルを100%正確に同定することができ、前記方法はDouble−Antibody Sandwich Immunoassayの正確性を顕著に改善し、Double−Antibody Sandwich Immunoassayの偽陰性率を低下させることができる。また、本発明の方法は操作が簡単であり、2回の読み取りによって検出範囲を広げ、検出過程において、測定対象物の濃度を簡便かつ迅速に算出することができる。
本発明の第8の側面は、
化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して複数回の読み取りを実行するための読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続され、前記読み取りユニットの読み取りによって免疫測定にはHD−HOOKのリスクの有無を判定する処理ユニットと、を備える
免疫測定装置を提供する。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記装置は、インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに移動し読み取りを実行するための移動機構をさらに備える。
本発明の他のいくつかの実施の形態では、前記装置は、化学発光免疫反応のために適切な環境温度を提供するためのインキュベータをさらに備える。
本発明のいくつかの実施の形態では、前記装置は、読み取りが完了した後の混合液を前記インキュベータに復帰させ再度インキュベートするための復帰機構をさらに備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記移動機構は押出し機構であり、前記復帰機構は押戻し機構であり、前記混合液はスラットで収容される。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記読み取りユニットは化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して2回の読み取りを実行することに用いられる。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記インキュベータは第1のインキュベータと第2のインキュベータとを有し、前記押出し機構は、第1のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を第2のインキュベータに押出しインキュベートするのに用いられ、かつ前記押出し機構は第2のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し1回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記押戻し機構は、1回目の読み取りが完了した後の混合液を第2のインキュベータに押戻し再度インキュベートするのに用いられ、
前記押出し機構は、さらに、第2のインキュベータ内で再度インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し2回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記処理ユニットが2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えていると検出した場合、免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在すると判定する。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記押戻し機構は、
底板と、
前記底板に設けられているガイドレールと、
前記ガイドレールに設けられ、スラットを支持するための移動カップ機構と、
前記移動カップ機構を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動装置と、
前記底板の両端に設けられ、前記移動カップ機構の位置を検出するための光電センサと、
前記光電センサに接続され、前記光電センサによって発せられた位置信号に基づいて前記移動カップ機構の位置を調整することができる位置調整機構と、を備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記ガイドレールは直線レールまたは可変レールである。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記インキュベータの一方の側に設けられ、測定対象サンプルと試薬とを混合させるためのスラット用試料添加皿と、前記インキュベータの他方の側に設けられ、試薬を収納するための試薬冷蔵領域とをさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記スラット用試料添加皿の一方の側に設けられた、ブランクスラットスタッキング及びローディング機構をさらに備え、前記ブランクスラットスタッキング及びローディング機構は、ブランクスラットをスラット用試料添加皿に押し付けるのに用いられる。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、サンプル試験管を支持するためのサンプル試験管載置棚をさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、前記サンプル試験管載置棚におけるブランクスラットスタッキング及びローディング機構に近隣する側に設けられ、予備希釈プレートに対して希釈処理するための希釈プレートシェーカーをさらに備える。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、試料添加針が設けられている機械式アームをさらに備え、
前記機械式アームは、前記サンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第1の機械式アームと、前記試薬冷蔵領域から試薬を吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第2の機械式アームとを有する。
本発明の他のいくつかの具体的な実施の形態では、前記装置は、第1の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第1の洗浄機構と、第2の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第2の洗浄機構とをさらに備える。
具体的には、サンプルがインキュベータに入る前に、以下のステップが行われる必要がある。
1.ブランクスラットがブランクスラットスタッキング及びローディング機構によってスラット用試料添加皿の位置D0に押し付けられる。
2.ブランクスラットがスラット用試料添加皿の位置D0に押し付けられた後、スラット用試料添加皿の位置D1まで時計回りに90度回転させ、この位置で、第1の機械式アームでサンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してブランクスラットに試料添加する。
3.試料添加完了後のスラットを、スラット用試料添加皿の位置D2まで時計回りに90度回転させ、この位置では動作なし。
4.スラットを、スラット用試料添加皿の位置D3まで時計回りに90度回転させ、この位置では、第2の機械式アームで試薬冷蔵領域から試薬を吸引して、当該位置にあるスラット内に割り当てる。
位置D3にある全てのスラットの試料添加が完了し、そして全てインキュベータに押し込まれた後(その押出し機構は未図示)、スラット用試料添加皿を位置D3から位置D0まで回転させ(この工程は、位置D1にあるスラットがサンプル割り当てを完了した後に行われる。)、スラット用試料添加皿の1回のサイクルが完了する。スラット用試料添加皿が全負荷で運転するとき、スラット用試料添加皿の位置D0ではブランクスラットがローディングされ、位置D1ではサンプルの割り当てが行われ、位置D2では待機中、位置D3では試薬の割り当てが行われ、そして試薬割り当て後にスラットがインキュベータに押し込まれる。スラット用試料添加皿の回転は、D0〜D3の4つの領域内の動作が全て完了するまで待たなければならない。
試料添加完了後のスラットが第1のインキュベータに入った後、スラットが押出し機構によって第2のインキュベータに送られ、この工程において、測定対象サンプルと試薬が含まれるスラットに標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加える必要もあり、その後サンプルを第2のインキュベータ12に入れ、インキュベートされ、インキュベートされた後に、スラットが押出し機構によって読み取りユニットに送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、1回目の読み取りを記録する。1回目の読み取りが完了した後のスラットが押戻し機構によって第2のインキュベータに押し戻され再度インキュベートされ、再度インキュベートされた後に、前記スラットは再び押出し機構によって読み取りユニットに送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、2回目の読み取りを記録する。2回の読み取りが完了した後に、処理ユニットによって2回の読み取りが処理され、2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えている場合、当該免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在すると判定する。一つの方法としては、その装置が定性的にHD−HOOKに関する提示情報を与え、作業者がサンプルを希釈してから再度測定することである。もう一つの方法としては、その装置が直接に定量的な結果を与えることであるが、その結果は線形性範囲よりも遥かに高くなっている。
従来技術と比べて、本発明の利点としては、この装置は読み取りユニットを設けることにより、読み取りユニットでインキュベートされた後の混合液に対して2回乃至複数回の読み取りを実行し、そして処理ユニットで読み取りユニットによる読み取りを処理することによって、免疫測定にはHD−HOOKのリスクが存在するかどうかを判定し、HD−HOOK効果に起因する、測定対象サンプルに対してその濃度が検出用キットの線形性範囲を超えたためか、それともそれ自体の濃度がその値であるかを正しく区別できないことを回避し、実験上の誤診を回避することができる。
以下、本発明について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の筐体内部構成を示す図一である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の筐体内部構成を示す図二である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の押戻し機構を示す図一である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の押戻し機構を示す図二である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置を示す図一である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置を示す図二である。 本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の一つの完全な測定フローを示すシーケンスチャートである。 HCG+βにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HCG+βにおける本発明の方法を用いて得られた信号値及びAのそれぞれとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Ferrにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Ferrにおける本発明の方法を用いて得られた信号値及びAのそれぞれとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Cペプチドにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Cペプチドにおける本発明の方法を用いて得られた信号値及びAのそれぞれとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbにおける本発明の方法を用いて得られた信号値及びAのそれぞれとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 INSにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 INSにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 AFPにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 AFPにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 TSHにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 TSHにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Ferrにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Ferrにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Cペプチドにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 Cペプチドにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbにおける従来の方法を用いて得られた信号値とサンプル濃度との関係を示すグラフである。 HBsAbドにおける本発明の方法を用いて得られた1回目の読み取り信号及び増幅Aとサンプル濃度との関係を示すグラフである。
図面において、同一の構成要素については、同一の参照番号で示される。図面は実際の比例を反映するわけではない。
本発明の具体的な実施の形態についてさらに説明する前に、本発明の保護範囲は下記の特定の具体的な実施の形態に限定されないことを理解されたい。また、本発明の実施例で使用される用語は特定の具体的な実施の形態を説明するために用いられるものであり、本発明の保護範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
実施例で数値の範囲が与えられた場合、特に断らない限り、各数値範囲の両端点及び両端点間のいずれかの数値を用いることができることを理解されたい。別途に定義されない限り、本発明で用いられるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって通常に理解される意味と同義である。実施例で用いられた具体的な方法、デバイス、材料の他に、当業者による従来技術への理解及び本発明の記載に基づいて、実施例に記載された方法、デバイス、材料と類似または同等する従来技術のいずれの方法、デバイス及び材料を利用して本発明を実現することもできる。
特に断らない限り、本発明において開示される実験方法、検出方法および調製方法はいずれも本技術分野における従来の分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、分析化学、細胞培養、組み換えDNA技術、ならびに関連分野における従来技術を採用するものである。これらの技術は、従来の文献において十分に説明されている。具体的には、SambrookなどのMOLECULAR CLONING :A LABORATORY MANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989 and Third edition,2001 ;Ausubelなど,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,1987 and periodic updates ;the series METHODS IN ENZYMOLOGY,Academic Press,San Diego ;Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998 ;METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,Chromatin (P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,eds.),Academic Press,San Diego,1999 ;及びMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,Chromatin Protocols(P.B.Becker,ed.)Humana Press,Totowa,1999などを参照されたい。
本発明者らが鋭意検討した結果、反応を中断することなく2回の読み取りを設け、2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較することによって、測定対象サンプルを希釈してから測定する必要があるか否かを判定することができ、又は、2回の読み取りの増幅Aとサンプル濃度との関係を確立して、2回の読み取りによって検出範囲を広げることによって、検出過程において、その濃度を簡便かつ迅速に算出することができ、又は、2回の読み取りの増幅とサンプルがHD−HOOK効果サンプルであるかどうかとの関係を検討することによって、Double−Anti Sandwich ImmunoassayにおけるHD−HOOK効果による偽陰性を簡便で効果的に排除することができ、そしてDouble−Anti Sandwich Immunoassayの正確性を向上させることができることを見出した。また、本発明者らは、インキュベートされた後の混合液に対して2回又は2回以上の読み取りを実行することができ、上記のHD−HOOK効果サンプルを同定する方法及び免疫測定方法を実施することができる、測定装置をさらに提供した。
図1および図2に示すように、本発明に係るHD−HOOK効果サンプルを同定する測定装置及び免疫測定装置の筐体内部構成の概略図を示している。それは、
第1のインキュベータ11および第2のインキュベータ12を有し、化学発光免疫反応のために適切な環境温度を提供するためのインキュベータ1と、
光電子増倍管またはレーザー発振機とされてもよく、化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して2回の読み取りを実行するための読み取りユニット2と、
前記インキュベータ1と前記読み取りユニット2との間に設置され、インキュベータ1を横断する第1の押出し機構31と第1の押出し機構3の末端に接続され筐体内部に位置する第2の押出し機構32とを有する押出し機構3と、備える。
第1の押出し機構31と第2の押出し機構32とが連携して、第1のインキュベータ11内でインキュベートされた後のスラットを読み取りユニット2に送り1回目の読み取りを実行するのに用いられ、そして第2のインキュベータ12内でインキュベートされた後のスラットを読み取りユニット2に送り2回目の読み取りを実行するのに用いられるものである。
前記スラットは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプル、第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)の混合液である。前記混合液には、さらに標識物特異結合物で標識された感光微粒子が加えられている。
前記読み取りユニット2と前記第2のインキュベータ12との間に設置された押戻し機構は、図3に示す押戻し機構は直線レール押戻し機構4とされ、図4に示す押戻し機構は可変レール押戻し機構4′とされ、この2種類の押戻し機構はいずれも1回目の読み取り完了後のスラットを第2のインキュベータ12に押戻し再度インキュベートするのに用いられる。
1回目の読み取りでは、インキュベートされた後のスラットに励起光を照射して出射光量を検出し、2回目の読み取りでは、再度インキュベートされた後のスラットに励起光を照射して出射光量を検出する。
処理ユニット(未図示)は、2回目の読み取りおよび1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えていると、スラットを希釈してから測定する。前記標準曲線は、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅に基づいて作成されたものであり、前記標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低い。ここで、前記処理ユニットは前記読み取りに対して処理やプロットなどをするコンピュータとされてもよい。
インキュベータを第1のインキュベータおよび第2のインキュベータとして設定されたのは、免疫測定装置の機械的実現を容易にするためのものであり、本発明はこれに限定されないを理解されたい。
同様に、前記移動機構も機械式アーム掴み取り型とされてもよく、前記復帰機構も機械式アーム掴み取り型とされてもよく、本発明はこれに限定されないを理解されたい。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、前記押戻し機構は、
底板41と、
前記底板41に設けられているガイドレールと、
前記ガイドレールに設けられ、スラットを支持するための移動カップ機構43と、
前記移動カップ機構43を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動装置と、
前記底板41の両端に設けられ、センサストッパ片46に接続され、センサストッパ片46によって前記移動カップ機構43の位置を検出する光電センサ45と、
前記光電センサ45に接続され、前記光電センサ45によって発せられた位置信号に基づいて前記移動カップ機構43の位置を調整することができる位置調整機構と、を備え、
前記ガイドレールは、図3に示すように直線レール421とされ、また図4に示すように可変レール422とされてもよい。
前記駆動装置は、具体的には、ステッピングモータ441を有し、前記ステッピングモータ441はモータ固定板442を介して前記ガイドレール2の一端に固定され、前記ステッピングモータ441の出力端にはタイミングプーリ443が設けられており、前記ガイドレール2の他端にはアイドラプーリ444が設けられており、前記タイミングプーリ443と前記アイドラプーリ444にはタイミングベルト445が掛けられている。前記アイドラプーリ444の軸心にはアイドラシャフト446が穿設され、前記アイドラシャフト446がアイドラプレート447に固定されている。
前記移動カップ機構43は、移動カップドラグ板431と、前記移動カップドラグ板431に接続される移動カップ接続板432とを有し、前記移動カップ接続板432はタイミングベルト押さえ板448を介して前記タイミングベルト445に接続されている。
前記位置調整機構は、具体的には、位置調整板46とコントローラ(未図示)とを有し、前記コントローラは前記位置調整板46と前記光電センサ45にそれぞれ接続され、前記コントローラは受信した光電センサ45からの位置信号によって位置調整板46を制御して移動カップ機構43の位置を調整する。一般に、その位置調整機構は微調整に用いられ、移動カップ機構43が指定位置に到達していないとき又は到達した位置がずれているときに、その位置調整機構はそれを微調整するようにされている。
本発明の他のいくつかの具体的な実施例では、図5に示すように、その装置は、前記インキュベータ1の一方の側に設けられた、回転可能なスラット用試料添加皿5をさらに有し、ブランクスラットは前記スラット用試料添加皿5で測定対象サンプルと試薬との混合を完了し、前記サンプルは測定すべき目標抗原(または抗体)が含まれ、前記試薬は第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)である。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、その装置は、前記インキュベータ1の他方の側に設けられた、試薬を収納するための試薬冷蔵領域8をさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施例では、前記スラット用試料添加皿5の一方の側に設けられた、ブランクスラットをスラット用試料添加皿5に押し付けるためのブランクスラットスタッキング及びローディング機構6をさらに備える。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、サンプル試験管を支持するためのサンプル試験管載置棚7をさらに備える。
本発明の他のいくつかの具体的な実施例では、試料添加針が設けられている機械式アーム(未図示)をさらに備え、
前記機械式アームは、前記サンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引するための第1の機械式アームと、前記試薬冷蔵領域から試薬を吸引するための第2の機械式アームとを有する。
本発明のいくつかの具体的な実施例では、第1の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第1の洗浄機構9と、第2の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第2の洗浄機構10とをさらに備える。
直線レール421とした場合、当該モジュールの長さが長くなり、筐体(すなわち、図1および図2に示す全体構成)およびポンプ11の位置が(図5に示すように)比較的コンパクトになり、着脱が複雑になる。可変レール422とすると、一実施形態として、前記可変レール422は曲線状のガイドレールとして設計されてもよく、当該モジュールの幅が広くなり、筐体および第2の洗浄機構10の位置が(図6に示すように)比較的コンパクトになるが、着脱には影響がない。
具体的には、サンプルがインキュベータ1に入る前に、以下のステップが行われる必要がある。
1.ブランクスラットがブランクスラットスタッキング及びローディング機構6によってスラット用試料添加皿5の位置D0に押し付けられる。
2.ブランクスラットがスラット用試料添加皿5に押し付けられた後、スラット用試料添加皿の位置D1まで時計回りに90度回転させ、この位置で、第1の機械式アームでサンプル試験管載置棚領域7からサンプルを吸引してブランクスラットに試料添加する。
3.試料添加完了後のスラットを、スラット用試料添加皿の位置D2まで時計回りに90度回転させ、この位置では動作なし。
4.スラットを、スラット用試料添加皿の位置D3まで時計回りに90度回転させ、この位置では、第2の機械式アームで試薬冷蔵領域8から試薬を吸引して、当該位置にあるスラット内に割り当てる。
位置D3にある全てのスラットの試料添加が完了し、そして全てインキュベータ1に押し込まれた後、スラット用試料添加皿5を位置D3から位置D0まで回転させ(この工程は、位置D1にあるスラットがサンプル割り当てを完了した後に行われる。)、スラット用試料添加皿5の1回のサイクルが完了する。スラット用試料添加皿が全負荷で運転するとき、スラット用試料添加皿5の位置D0ではブランクスラットがローディングされ、位置D1ではサンプルの割り当てが行われ、位置D2では待機中、位置D3では試薬の割り当てが行われ、そして試薬割り当て後にスラットがインキュベータ1に押し込まれる。スラット用試料添加皿5の回転は、D0〜D3の4つの領域内の動作が全て完了するまで待たなければならない。
試料添加完了後のスラットが第1のインキュベータ11に入った後、前記スラットが押出し機構3によって第2のインキュベータに送られ、この工程において、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、その後スラットを第2のインキュベータ12に入れインキュベートされ、スラットが押出し機構3によって読み取りユニット2に送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、1回目の読み取りを記録する。1回目の読み取りが完了した後のスラットが直線レール押戻し機構4又は可変レール押戻し機構4′によって第2のインキュベータ12に押し戻され再度インキュベートされ、再度インキュベートされた後に、前記スラットは再び押出し機構3によって読み取りユニット2に送られ励起光に照射され、出射光量を検出し、2回目の読み取りを記録する。
2回の読み取りが完了した後に、処理ユニット2によって2回の読み取りが処理され、2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えている場合、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっている場合、一つの方法としては、その装置が定性的にHD−HOOKに関する提示情報を与え、作業者がサンプルを希釈してから再度測定することであり、もう一つの方法としては、その装置が直接に定量的な結果を与えることであるが、その結果は線形性範囲よりも遥かに高くなっている。図7は一つの完全な測定フローを示すシーケンスチャートであり、この図は希釈フローなしの測定シーケンスチャートである。図面では、a、b、c、dおよびeは、それぞれ、第1群のスラット、第2群のスラット、第3群のスラット、第4群のスラットおよび第5群のスラットを表す。
1)仮に、毎回8つのブランクスラットをブランクスラットスタッキング及びローディング機構6からスラット用試料添加皿5に押し込まれるとすると、この工程は約20秒かかり、図7では無視される。
2)スラット用試料添加皿5の回転時間は無視される。
3)ブランクスラットを位置D1まで回転させると、スラットはその位置D1でサンプルの割り当てが行われ、図7のD1に示す位置では、仮にサンプルの割り当てが1吸引8分けを採用して、一つのサンプルを異なる8つのスラット内に割り当て、組毎の試料添加動作が30秒かかるとすると、8つのスラットで合計240秒かかることになる。
4)スラットは位置D3で試薬の割り当てが行われ、図7のD3に示す位置では、仮に試薬の割り当てが1吸引8分けを採用して、試薬R1の割り当てが完了した直後に試薬R2の割り当てが行われ、仮にスラット毎に試薬を割り当てる時間が30秒かかるとすると、8つのスラットで合計480秒かかることになる。
5)スラットが位置D3から第1のインキュベータ11に送られる時間は無視され、この工程は、第2の機械式アームによって試料添加針を洗浄するときに完了させることができる。
6)図7のFは1回目のインキュベーションの時間を示す。
7)各スラットに感光微粒子を割り当てる時間は図7では無視され、汎用液装填領域12は図5および図6に示す通りである。
8)図7のFは2回目のインキュベーションの時間を表す。
9)図7のGは、読み取りユニットで1つのスラットを読み取る時間(機械移動及びスラットの廃棄時間を含む)を示す。
上記工程では、試薬割当段階において2種類の試薬R1およびR2が割り当てられたが、3種類の試薬R1、R2およびR3が割り当てられるとされてもよいことを理解されたい。仮に、試薬R1、R2およびR3はいずれもサンプル割り当て完了後に添加されるとすると、例えば、HBeAbの場合には、R3は50μlの中和e抗原であり、運転過程はR1およびR2のみの場合と類似し、ただ試薬割当段階ではもう1つの試薬が加えられただけで、R1、R2およびR3の割り当ての順序が任意である。
同様に、R1、R2およびR3のうちの1種がサンプル割当前に添加されることを理解されたい。例えばCA19−9の場合には、R3は15μlのサンプル希釈液であり、位置D1で第2の機械式アームを用いて1種の試薬の割り当てを完了して、そして第1の機械式アームでサンプルの割り当てを完了するとされ、その他の工程はR1およびR2のみの場合と同様である。
同様に、R1、R2およびR3のうち、R3は予備希釈液であり、予備希釈プレートが必要とされることを理解されたい。例えば、HCVの場合には、10μlのサンプルに100μlの希釈液を加え、そして25μlの希釈後のサンプルを採取して試験に使用する。ブランクスラットをD1まで回転させた後、第2の機械式アームで希釈液R3を予備希釈プレートに割り当て、第1の機械式アームでサンプルを予備希釈プレートに割り当て、必要があれば繰り返して吸引押出することができ、ここで、希釈液の割り当て工程では、1吸引複数分けの連合試料添加を行うことができ、例えば、5つのアイテムで実施し、1つは予備希釈が必要とされ、他の4つは予備希釈が不要とされるとすると、第1の機械式アームで5部のサンプルを吸引して、1部は予備希釈プレート内に割り当て、他の4部はブランクスラットに割り当てる。その後、予備希釈プレートに対して震盪処理を行い、図5および図6を参照すると、サンプル試験管載置棚7におけるブランクスラットスタッキング及びローディング機構6に近隣する側に希釈プレートシェーカー11が設けられており、震盪処理後に、第1の機械式アームで希釈後のサンプルをスラット内に割り当てる。その後の工程は、R1およびR2のみの場合と一致しているので、ここでは説明を省略する。
本発明で述べたとおり、用語「第1の抗体」および「第2の抗体」は、ある抗原(例えば、腫瘍マーカー)に特異的に結合可能な抗体をいう。同一の抗原(例えば、腫瘍マーカー)に対して、対応する第1の抗体及び第2の抗体は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗原に結合することができる。用語「第1の抗原」および「第2の抗原」は、ある抗体(例えば、B型肝炎表面抗体)に特異的に結合可能な抗原をいう。同一の抗体(例えば、B型肝炎表面抗体)に対して、対応する第1の抗原及び第2の抗原は同じでも異なっていてもよく、そして同時に前記抗体に結合することができる。
本発明で述べたとおり、用語「抗原」とは免疫原性を有する物質をいい、例えば、タンパク質、ポリペプチドが挙げられる。代表的な抗原(これに限定されるものではない)として、サイトカイン、腫瘍マーカー、メタロプロテイン、心血管糖尿病関連タンパク質などが挙げられる。
本発明で述べたとおり、用語「腫瘍マーカー」とは、腫瘍の発生と増殖中において、腫瘍細胞自体によって生成され、または有機体による腫瘍細胞に対する反応によって生成され、腫瘍の存在および成長を反映するような物質をいう。本分野における代表的な腫瘍マーカー(これに限定されるものではない)としては、アルファフェトプロテイン(AFP)、癌抗原125(CA125)などが挙げられる。
Double−Anti Sandwich Immunoassayの基本原理は以下のとおりである。
Double−Antibody Sandwich Immunoassayの基本原理は当業者には周知である。従来のやり方では、第1の抗体を固相担体に固定化した後、第1の抗体を抗原に反応させてから、標識された第2の抗体に反応させ、最後に化学発光またはEnzyme−Linked Immune Sorbent Assayを行い信号を検出するようにされている。
光励起化学発光法の基本原理は以下のとおりである。
光励起化学発光法の基本原理は当業者には周知である。従来のやり方では、感光微粒子と発光微粒子を一定の範囲内で結合させることで、イオン化酸素エネルギーの伝達が発生し、光信号が発せられることによって、測定対象サンプルを検出するものとされている。ここで、感光微粒子の内部に感光化合物が充填されて、発光微粒子の内部に発光化合物とランタノイド族元素が充填されている。赤色レーザ光(600〜700nm)の励起で、感光微粒子はエネルギーの高い状態の一重項酸素イオン(4μS)を放出し、その伝播距離は約200nmとされている。感光微粒子と発光微粒子の距離が十分に接近すると、感光微粒子が放出した一重項酸素イオンが発光微粒子に到達することができ、そして一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を放出し、機器によって検出される。
本発明の1つの好ましい実施例では、第1の抗体が発光微粒子に固定化されたという特徴を十分に利用するとともに、ビオチンで標識された第2の抗体、ストレプトアビジンによって被覆された感光微粒子を採用して、血清サンプル又は抗原標準対照液と第1の抗体に被覆された発光微粒子、ビオチンで標識された第2の抗体を順次または同時に反応容器に添加し、次いでストレプトアビジンで標識された感光微粒子を添加することによって、以下のような反応が発生する。
(1)発光微粒子上の第1の抗体が血清サンプル又は抗原標準対照液における対応する抗原と結合して、「抗原−第1の抗体−発光微粒子」の三元複合体が形成される。
(2)第2の抗体が血清サンプル又は抗原標準対照液における対応する抗原と結合し、最後に「第2の抗体−抗原−第1の抗体−発光微粒子」となるDouble−Anti Sandwich複合体が形成される。
ビオチンとストレプトアビジンが特異的に結合することによって、Double−Anti Sandwich複合体を感光微粒子に結合させる。
このとき、感光微粒子と発光微粒子との距離が200nm未満となり、感光微粒子が赤色励起光(600〜700nm)で照射された後、放出した一重項酸素イオンが発光微粒子に受け取られる。一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を放出し、化学出射光量の強弱で測定対象サンプルを定性的または定量的に検出する。
本発明の他の好ましい実施例では、第1の抗原が発光微粒子に固定化されたという特徴を十分に利用するとともに、ビオチンで標識された第2の抗原、ストレプトアビジンによって被覆された感光微粒子を採用して、血清サンプル又は抗原標準対照液と第1の抗原に被覆された発光微粒子、ビオチンで標識された第2の抗原を順次または同時に反応容器に添加し、次いでストレプトアビジンで標識された感光微粒子を添加することによって、以下のような反応が発生する。
(1)発光微粒子上の第1の抗原が血清サンプル又は抗原標準対照液における対応する抗体と結合して、「抗体−第1の抗原−発光微粒子」の三元複合体が形成される。
(2)第2の抗原が血清サンプル又は抗原標準対照液における対応する抗体と結合し、最後に「第2の抗原−抗体−第1の抗原−発光微粒子」となるDouble−Anti Sandwich複合体が形成される。
ビオチンとストレプトアビジンが特異的に結合することによって、Double−Anti Sandwich複合体を感光微粒子に結合させる。
このとき、感光微粒子と発光微粒子との距離が200nm未満となり、感光微粒子が赤色励起光(600〜700nm)で照射された後、放出した一重項酸素イオンが発光微粒子に受け取られる。一連の化学反応により、520〜620nmの高いエネルギー準位の光を放出し、化学出射光量の強弱で測定対象サンプルを定性的または定量的に検出する。
以下、本発明の関連操作の詳細について、さらに説明する。
(1)第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子を試薬1とし、博陽生物科技有限公司から購入することができる。
(2)第2の抗体(または抗原)は、本分野で公知されている種々のマーカーおよびその特異的結合物系で標識され得る。第2の抗体(または抗原)がビオチン−アビジン系によって標識されるのが好ましい。ビオチンで標識された第2の抗体(または抗原)を試薬2とし、博陽生物科技有限公司から購入することができる。
(3)ストレプトアビジンによって被覆された感光微粒子を汎用液とし、博陽生物科技有限公司から購入することができる。
(4)校正品
測定すべき目標抗原(または抗体)で一定の濃度範囲内(ピーク校正品の濃度はHD−HOOK効果濃度に等しい)の既知の標準物質溶液を調製する。校正品、試薬1および試薬2を均一に混合し、インキュベーション反応後にLiCA汎用液を添加し、続けてしばらくインキュベートした後に1回目の読み取り(RLU1)を実行し、もうしばらくインキュベートした後に2回目の読み取り(RLU2)を実行し、A=(RLU2/RLU1−1)×100%を計算し、標準物質のRLU1および2回の読み取りの増幅Aに基づいてそれぞれ標準物質濃度と校正曲線及び標準曲線を作成する。標準物質のRLU1と濃度との校正曲線は、非HD−HOOK効果段階では、RLU1が濃度の上昇とともに増加すると表現され、RLU1の上昇区間とし、濃度がHD−HOOK効果段階まで増加した後、RLU1が濃度の上昇とともに減少すると表現され、RLU1の下降区間とする。標準物質の2回の読み取りの増幅と濃度との標準曲線は、増幅が濃度の上昇とともに増加すると表現され、HD−HOOK効果に影響されない。
既知標準物質溶液の濃度範囲は、必要に応じて、HD−HOOK効果濃度を跨いでもよく、又はHD−HOOK効果濃度未満であってもよい。
(5)サンプルの検出
本発明の方法によって検出可能なサンプルは、特に限定されず、抗原(または抗体)を含む任意のサンプルであればよく、代表的な例としては、血清サンプル、尿サンプル、唾液サンプルなどが挙げられる。血清サンプルが好ましい。
(6)サンプル濃度計算
測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aの値を校正品のAと比較して、測定対象サンプルのAが校正品のAを超えている場合、このサンプルの濃度が校正品の濃度より大きいとされ、それと同時に、このサンプルのRLU1がこの校正品のRLU1より小さくなる場合、このサンプルのRLU1の低さがHD−HOOK効果に起因するものであり、希釈して検出する必要があることが示される。
あるいは、測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aの値を校正品のAと校正品の濃度との標準曲線に代入し、測定対象サンプルの濃度がRLU1の上昇区間にあるかそれとも下降区間にあるかを判断し、そして測定対象サンプルのRLU1を所在区間の校正品のRLU1と校正品の濃度との校正曲線に代入し測定対象サンプルの濃度を算出する。
あるいは、測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aの値をHD−HOOK効果の臨界値R0と比較し、AがR0未満の場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルではなく、測定対象サンプルのRLU1を校正品のRLU1と校正品の濃度との校正曲線に代入し測定対象サンプルの濃度を算出する。AがR0以上の場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定し、希釈して検出する必要がある。
実施例1 ヒト血清サンプルにおけるヒト絨毛性ゴナドトロピン及びβサブユニット(HCG+β)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のヒト絨毛性ゴナドトロピン及びβサブユニット(HCG+β)検出キット(光励起化学発光法)を採用して、血清サンプルにおけるヒト絨毛性ゴナドトロピン及びβサブユニット(HCG+β)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
Roche検出(検出限界を超えたサンプルを希釈して検出する)によって得られた18人のHCG+β濃度被験者の血清サンプルについて、それぞれ従来の方法および本発明の方法で検出する。
[従来の検出方法]測定対象サンプル、校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに別々に加えた後、37℃で15minインキュベートし、汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、サンプルの濃度を算出して、その結果を表1に示す。
[本発明の2回読み取り方法]測定対象サンプル、校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表1に示す。
Figure 0006980800
Roche検出結果を真実の濃度とする。表1および図8からわかるように、従来の検出では、濃度が54531mIU/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がHCG+β濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が54531mIU/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生する。従来の検出では、検出範囲が0〜10000mIU/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>10000mIU/mlとして表示される。HD−HOOK効果サンプルの濃度が上昇し続けると、信号が低下し続けるので、サンプル18のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果に起因する報告濃度が低いサンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表1および図9からわかるように、信号値が54531mIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル10〜18の増幅Aがいずれも校正品6の増幅(11.1%)を超えており、かつAの値が増加し続けるので、サンプル10〜18のHCG+β濃度はいずれも10000mIU/mlを超え、かつ濃度が上昇し続け、それはRocheの濃度結果と一致することが示されている。サンプル18の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度が8713.02mIU/mlとして検出されるが、本発明の方法ではそれがHD−HOOK効果サンプルとして同定することができ、希釈して検出する必要がある。
実施例2 サンプルにおけるフェリチン(Ferr)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のフェリチン(Ferr)検出キット(化学発光法)を採用して、サンプルにおけるフェリチン(Ferr)(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30−AF10)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
高濃度のフェリチン抗原を段階希釈し、異なる濃度のフェリチンを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表2に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表2に示す。
Figure 0006980800
従来の検出では、表2および図10からわかるように、濃度が51000ng/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がFerr濃度の上昇と共に低下し、従来の検出範囲が0〜2000ng/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>2000ng/mlとして表示される。HD−HOOK効果サンプルの濃度が上昇し続け、濃度が2550000ng/mlまで上昇し、信号が校正品6の信号以下に低下すると、サンプル15のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果に起因する報告濃度が低いサンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表2および図11からわかるように、信号値が51000ng/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル4〜15の増幅Aがいずれも校正品6の増幅(−5.5%)を超えているので、サンプル4〜15のFerr濃度はいずれも2000ng/mlを超えていることが示されている。それは実際の濃度に合致しており、サンプル15の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度が1860.97ng/mlとして検出されるが、本発明の方法では、それは濃度が検出範囲を超えたサンプルとして同定することができ、希釈して検出する必要がある。
実施例3 サンプルにおけるCペプチド(CP)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のCペプチド(CP)検出キット(化学発光法)を採用して、サンプルにおけるCペプチド(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30−AC96)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
高濃度のCペプチド抗原を段階希釈し、異なる濃度のCペプチドを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表3に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表3に示す。
Figure 0006980800
従来の検出では、表3および図12からわかるように、濃度が10000ng/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がCペプチド濃度の上昇と共に低下し、従来の検出範囲が0〜30ng/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>30ng/mlとして表示される。濃度が33500000ng/mlまで上昇し、信号が校正品6の信号以下に低下すると、サンプル16、17のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果に起因する報告濃度が低いサンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表3および図13からわかるように、信号値が10000ng/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル5〜17の増幅Aがいずれも校正品6の増幅(−4.9%)を超えているので、サンプル5〜17のCペプチド濃度はいずれも30ng/mlを超え、検出上限を超えていることが示されている。それは実際の濃度に合致しており、サンプル16、17の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度がそれぞれ、8.15ng/ml、0.76ng/mlとして検出されるが、本発明の方法では、それらは検出上限を超えたサンプルとして同定することができ、希釈して検出する必要がある。
実施例4 ヒト血清サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるHBsAgの濃度を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
[まず、本発明の方法で校正品1〜校正品6、測定対象の血清サンプル1〜15を検出する]測定対象物、試薬1(抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識された抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表4に示す。
Figure 0006980800
本発明の方法によって得られた15個の血清サンプルの濃度は表4に示す通りである。まず、校正品6の増幅と比較するによって検出上限(336.56IU/mL)を超えたサンプルを識別し、すなわち、Aの値が27%を超えると、HD−HOOK効果サンプルであると判定し、希釈してから検出することを提案する。一方、Aが27%未満であると、検出範囲内のサンプルであると判定し、そのまま校正曲線でサンプル濃度を算出することができる。
サンプルを段階希釈した後に濃度の変化を検出することで上記結論の信頼性を検証する。サンプル1〜サンプル15に対していずれも2倍希釈と4倍希釈を行うとともに、従来の検出方法で未希釈の原倍サンプル、2倍希釈サンプルと4倍希釈サンプルを検出して、希釈後の濃度の変化を観測することによってそのサンプルにはHD−HOOK効果が存在するか否かを判定し、すなわち、希釈後にサンプル濃度が逆に上昇する場合はHD−HOOK効果サンプルであると判定する。非HD−HOOK効果サンプルは希釈後に濃度が低下することになる。その結果を表5に示す。
Figure 0006980800
表5から、血清サンプル1、2、3、5、6、9、12、13、14、15が希釈された後に検出濃度が上昇し、それらはHD−HOOK効果サンプルであることが証明され、濃度が336.56IU/mLを超えていることがわかる。血清サンプル4、7、8、10、11の濃度は希釈後に低下し、それらはHD−HOOK効果サンプルではないことが証明され、本発明方法の結果と完全に同一であった。
実施例5 ヒト血清サンプルにおけるCA125の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製の炭水化物抗原125(CA125)検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるCA125の濃度を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
[まず、本発明の方法で校正品1〜校正品6、測定対象の血清サンプル1〜18を検出する]測定対象物、試薬1(抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識された抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表6に示す。
Figure 0006980800
本発明の方法によって得られた18個の血清サンプルの濃度は表6に示す通りである。まず、校正品6の増幅と比較するによって検出上限を超えたサンプルを識別し、すなわち、Aの値が7.4%を超えると、検出上限を超えたサンプルであると判定し、希釈してから検出することを提案する。一方、Aが7.4%未満であると、非HD−HOOK効果サンプルであると判定し、そのまま校正曲線でサンプル濃度を算出することができる。
サンプルを段階希釈した後に濃度の変化を検出することで上記結論の信頼性を検証する。サンプル1〜サンプル18に対していずれも2倍希釈と4倍希釈を行うとともに、従来の検出方法で未希釈の原倍サンプル、2倍希釈サンプルと4倍希釈サンプルを検出して、希釈後の濃度の変化を観測することによってそのサンプルにはHD−HOOK効果が存在するか否かを判定し、すなわち、希釈後にサンプル濃度が逆に上昇する場合はHD−HOOK効果サンプルであると判定する。非HD−HOOK効果サンプルは希釈後に濃度が低下することになる。その結果を表7に示す。
Figure 0006980800
表7から、血清サンプル16、17、18が希釈された後に検出濃度が上昇し、それらはHD−HOOK効果サンプルであることが証明され、血清サンプル1〜15の濃度は希釈後に低下し、それらはHD−HOOK効果サンプルではないことが証明される。本発明方法の結果と完全に同一であった。サンプルが希釈されていない場合、従来の方法で原倍のサンプルを検出すると、HD−HOOK効果のために血清サンプル16、17および18は低濃度サンプルとして誤って判断されることになる。
実施例6 サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のB型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(北京中科京達生物技術有限公司から購入、Clone No:M2201)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6(すなわち、既知の一連の標準物質)、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
高濃度のHBsAbを段階希釈し、異なる濃度のHBsAbを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜14、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表8に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、測定対象サンプル1〜14、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表8に示す。
Figure 0006980800
従来の検出では、表8および図14からわかるように、濃度が10000mIU/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がHBsAb濃度の上昇と共に低下し、従来の検出範囲が0〜1000mIU/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>1000mIU/mlとして表示される。濃度が335000mIU/ml及びそれ以上に上昇し、信号が校正品6の信号以下に低下すると、サンプル12、13、14のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果に起因する報告濃度が低いサンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表8および図15からわかるように、信号値が10000mIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル8〜14の増幅Aがいずれも校正品6の増幅(35.9%)を超えているので、サンプル8〜14のHBsAb濃度はいずれも1000mIU/mlを超え、検出上限を超えていることが示されている。それは実際の濃度に合致しており、サンプル12、13、14の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度が802.57mIU/ml、352.22mIU/ml、147.9mIU/mlとして検出されるが、本発明の方法では、それらは濃度が検出範囲を超えたサンプルとして同定することができ、希釈して検出する必要がある。
実施例7 定性的キットAnti−HCVにおける本発明方法の適用
博陽生物科技(上海)有限公司製のC型肝炎ウイルス抗体検出キット(化学発光法)を採用して、サンプルにおけるAnti−HCVの含有量を検出する。前記キットは、参考品、陰性対照、陽性対照、試薬1(発光HCV抗原、すなわち、HCV抗原によって被覆された発光微粒子)及び試薬2(ビオチン標識HCV抗原、すなわち、ビオチンで標識されたHCV抗原)を含む。
[参考品、陰性対照、陽性対照]参考品は参考として測定対象サンプルの陰性、陽性を判定するための濃度既知の標準品であり、陰性対照、陽性対照は、試験の有効性を判定するための濃度既知の標準品である。高濃度のAnti−HCVを段階希釈し、異なる濃度のAnti−HCVを含むサンプルの信号値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]段階希釈された一連のAnti−HCVサンプル、試薬1(発光HCV抗原、すなわち、HCV抗原によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識HCV抗原、すなわち、ビオチンで標識されたHCV抗原)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表9に示す。
[本発明の2回読み取り方法]段階希釈された一連のAnti−HCVサンプル、試薬1(発光HCV抗原、すなわち、HCV抗原によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識HCV抗原、すなわち、ビオチンで標識されたHCV抗原)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表9に示す。
Figure 0006980800
表9に示すように、抗原の希釈倍数を10,000倍に減少させた後、信号値は濃度の上昇と共に低下し、HD−HOOK効果が生じ、濃度が一定の値(例えばサンプル12)まで上昇し続けると、RLUは参考値cut off以下に低下し、従来の検出方法では、その結果が陰性であると誤って判定されてしまう。本発明の方法では、まず、2回の信号の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を観察し、測定対象サンプルのAの値と陽性対照のAの値(−25%)とを比較し、測定対象サンプルと陽性対照との大小関係を判定し、上記の表に示すように、サンプル12のAの値(47%)は陽性対照のAの値(−25%)よりもはるかに高くなり、このサンプルの濃度が陽性対照を超えていることが示され、陽性サンプルであり、その信号の不十分はHD−HOOK効果に起因するもので、希釈して検証する必要がある。
実施例8 サンプルにおけるインスリン(INS)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のインスリン(INS)検出キット(化学発光法)を採用して、サンプルにおけるインスリン(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30R−2704)の含有量を検出する。
高濃度のインスリン抗原を段階希釈し、異なる濃度のインスリンを含むサンプルの信号値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]濃度既知の測定対象サンプル、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表10に示す。
[本発明の2回読み取り方法]濃度既知の測定対象サンプル、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表10に示す。
Figure 0006980800
表10および図16から、濃度が3μIU/mlから10000μIU/mlになるまで信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がインスリン濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10,000μIU/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生し、従来の検出では、抗原濃度がこの検出範囲を超えたサンプルの報告濃度は低濃度となる(報告濃度はいずれも10,000μIU/ml未満である)。
本発明の方法では、2回の読み取りによって検出範囲を広げるようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度区間を判定するための指標の一つとする。表10および図17からわかるように、信号値が10,000μIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。
インスリン校正品の濃度は3μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの範囲をカバーしており、本発明の方法を利用してそれぞれRLU1とAの校正曲線及び標準曲線(図17参照)を作成する。濃度の上昇とともにAが上昇し続け、RLU1は3μIU/mlから10,000μIU/mlまでの上昇区間および10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの下降区間に分けられる。本発明の方法を利用して測定対象サンプルのRLU1、RLU2およびAを検出する。まず、Aの値によって測定対象物質の濃度が3μIU/mlから10,000μIU/mlの上昇区間にあるか、それとも10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの下降区間にあるかを特定し、次いで測定対象物質のRLU1を対応する校正曲線に代入して正確な濃度を算出する。
表10から、インスリン濃度が10,000μIU/mlのとき、信号のピークがあり、それに対応するAは20%となる。測定対象物のA<20%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルではなく、そのRLU1を濃度が10,000μIU/ml未満の校正曲線に代入して濃度を算出し、A≧20%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルであり、そのRLU1を濃度が10,000μIU/mlを超える校正曲線に代入して濃度を算出し、これによって検出上限を10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlに広げた。
実施例9 サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のB型肝炎ウイルス表面抗体検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(北京中科京達生物技術有限公司から購入、Clone No:M2201)の濃度を検出する。
高濃度のHBsAbを段階希釈し、異なる濃度のHBsAbを含むサンプルの信号値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]段階希釈されたHBsAbサンプル、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタでRLUを読み取る。
[本発明の2回読み取り方法]段階希釈されたHBsAbサンプル、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表11に示す。
Figure 0006980800
表11および図18から、濃度が1mIU/mlから10000mIU/mlになるまで信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がHBsAb濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10,000mIU/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生し、従来の検出では、抗原濃度がこの検出範囲を超えたサンプルの報告濃度は低濃度となる(報告濃度はいずれも10,000mIU/ml未満である)。
本発明の方法では、2回の読み取りによって検出範囲を広げるようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度区間を判定するための指標の一つとする。表11および図19からわかるように、信号値が10,000mIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。
HBsAb校正品の濃度は1mIU/mlから3,350,000mIU/mlまでの範囲をカバーしており、本発明の方法を利用してそれぞれRLU1とAの校正曲線及び標準曲線(図19参照)を作成する。濃度の上昇とともにAが上昇し続け、RLU1は1mIU/mlから10,000mIU/mlまでの上昇区間および10,000mIU/mlから3,350,000mIU/mlまでの下降区間に分けられる。本発明の方法を利用して測定対象サンプルのRLU1、RLU2およびAを検出する。まず、Aの値によって測定対象物質の濃度が1mIU/mlから10,000mIU/mlまでの上昇区間にあるか、それとも10,000mIU/mlから3,350,000mIU/mlまでの下降区間にあるかを特定し、次いで測定対象物質のRLU1を対応する校正曲線に代入して正確な濃度を算出する。
表11から、HBsAb濃度が10,000mIU/mlのとき、信号のピークがあり、それに対応するAは37.5%となる。測定対象物のA<37.5%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルではなく、そのRLU1を濃度が10,000mIU/ml未満の校正曲線に代入して濃度を算出し、A≧37.5%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルであり、そのRLU1を濃度が10,000mIU/mlを超える校正曲線に代入して濃度を算出し、これによって検出上限を10,000mIU/mlから3,350,000mIU/mlに広げた。
実施例10 サンプルにおけるアルファフェトプロテイン(AFP)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のアルファフェトプロテイン検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるAFP(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30−1370)の含有量を検出する。
高濃度のAFP抗原を段階希釈し、異なる濃度のAFPを含むサンプルの信号値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。前記従来の検出方法および本発明の検出方法は実施例8を参照する。その検出結果を以下に示す。
Figure 0006980800
表12および図20から、濃度が5ng/mlから10000ng/mlになるまで信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がAFP濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10,000ng/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生し、従来の検出では、抗原濃度がこの検出範囲を超えたサンプルの報告濃度は低濃度となる(報告濃度はいずれも10,000ng/ml未満である)。
本発明の方法では、2回の読み取りによって検出範囲を広げるようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度区間を判定するための指標の一つとする。表12および図21からわかるように、信号値が10,000ng/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。
AFP校正品の濃度は5ng/mlから1,000,000ng/mlまでの範囲をカバーしており、本発明の方法を利用してそれぞれRLU1とAの校正曲線及び標準曲線(図21参照)を作成する。濃度の上昇とともにAが上昇し続け、RLU1は5ng/mlから10,000ng/mlまでの上昇区間および10,000ng/mlから1,000,000ng/mlまでの下降区間に分けられる。本発明の方法を利用して測定対象サンプルのRLU1、RLU2およびAを検出する。まず、Aの値によって測定対象物質の濃度が5ng/mlから10,000ng/mlまでの上昇区間にあるか、それとも10,000ng/mlから1,000,000ng/mlまでの下降区間にあるかを特定し、次いで測定対象物質のRLU1を対応する校正曲線に代入して正確な濃度を算出する。
表12から、AFP濃度が10,000ng/mlのとき、信号のピークがあり、それに対応するAは18%となる。測定対象物のA<18%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルではなく、そのRLU1を濃度が10,000ng/ml未満の校正曲線に代入して濃度を算出し、A≧18%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルであり、そのRLU1を濃度が10,000ng/mlを超える校正曲線に代入して濃度を算出し、これによって検出上限を10,000ng/mlから1,000,000ng/mlに広げた。
実施例11 サンプルにおけるチロトロピン(TSH)の検出
博陽生物科技(上海)有限公司製のチロトロピン検出キット(光励起化学発光法)を採用して、サンプルにおけるチロトロピン(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30R−AT009)の含有量を検出する。
高濃度のTSH抗原を段階希釈し、異なる濃度のTSHを含むサンプルの信号値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。前記従来の検出方法および本発明の検出方法は実施例8を参照する。その検出結果を以下に示す。
Figure 0006980800
表13および図22から、濃度が1μIU/mlから10000μIU/mlになるまで信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がTSH濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10,000μIU/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生し、従来の検出では、抗原濃度がこの検出範囲を超えたサンプルの報告濃度は低濃度となる(報告濃度はいずれも10,000μIU/ml未満である)。
本発明の方法では、2回の読み取りによって検出範囲を広げるようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度区間を判定するための指標の一つとする。表13および図23からわかるように、信号値が10,000μIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。
TSH校正品の濃度は1μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの範囲をカバーしており、本発明の方法を利用してそれぞれRLU1とAの校正曲線及び標準曲線(図23参照)を作成する。濃度の上昇とともにAが上昇し続け、RLU1は1μIU/mlから10,000μIU/mlまでの上昇区間および10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの下降区間に分けられる。本発明の方法を利用して測定対象サンプルのRLU1、RLU2およびAを検出する。まず、Aの値によって測定対象物質の濃度が3μIU/mlから10,000μIU/mlまでの上昇区間にあるか、それとも10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlまでの下降区間にあるかを特定し、次いで測定対象物質のRLU1を対応する校正曲線に代入して正確な濃度を算出する。
表13から、TSH濃度が10,000μIU/mlのとき、信号のピークがあり、それに対応するAは17.0%となる。測定対象物のA<17.0%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルではなく、そのRLU1を濃度が10,000μIU/ml未満の校正曲線に代入して濃度を算出し、A≧17.0%の場合、その測定対象サンプルがHD−HOOKサンプルであり、そのRLU1を濃度が10,000μIU/mlを超える校正曲線に代入して濃度を算出し、これによって検出上限を10,000μIU/mlから1,000,000μIU/mlに広げた。
実施例12 ヒト血清サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)の検出
本発明による免疫測定法に係るキットを採用して、サンプルにおけるHBsAgの濃度を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6、ピーク校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[ピーク校正品の選定]既知のHD−HOOKサンプルを段階希釈し、従来の方法でその信号値を検出し、信号値が最も高いサンプルをピーク校正品として選定する。すなわち、ピーク校正品の濃度未満のサンプルではHD−HOOK効果が発生することなく、ピーク校正品の濃度を超えると、HD−HOOK効果が発生することになる。そのAの値をR0と表記し、測定対象物がHD−HOOK効果サンプルであるか否かを判定するための臨界値とする。
[使用される他の成分]LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)、この製品は博陽生物科技有限公司製の光励起化学発光分析システム用補助試薬である。それは、機器および対応する光励起化学発光法検出キットと一緒に使用され、抗原や抗体の検出に用いられる。
[まず、本発明の方法で校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象の血清サンプル1〜15を検出する]測定対象物、試薬1(抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識された抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表14に示す。
Figure 0006980800
本発明の方法によって得られた15個の血清サンプルの濃度は表14に示す通りである。まず、ピーク校正品の増幅R0と比較するによってHD−HOOK効果サンプルを識別し、すなわち、Aの値が31%を超えると、HD−HOOK効果サンプルであると判定し、希釈してから検出することを提案する。一方、Aが31%未満であると、非HD−HOOK効果サンプルであると判定し、そのまま校正曲線でサンプル濃度を算出することができる。
サンプルを段階希釈した後に濃度の変化を検出することで上記結論の信頼性を検証する。サンプル1〜サンプル15に対していずれも2倍希釈と4倍希釈を行うとともに、従来の検出方法で未希釈の原倍サンプル、2倍希釈サンプルと4倍希釈サンプルを検出して、希釈後の濃度の変化を観測することによってそのサンプルにはHD−HOOK効果が存在するか否かを判定し、すなわち、希釈後にサンプル濃度が逆に上昇する場合はHD−HOOK効果サンプルであると判定する。非HD−HOOK効果サンプルは希釈後に濃度が低下することになる。その結果を表15に示す。
Figure 0006980800
表15から、血清サンプル1、2、3、5、6、9、12、13、14、15が希釈された後に検出濃度が上昇し、それらはHD−HOOK効果サンプルであることが証明され、血清サンプル4、7、8、10、11の濃度は希釈後に低下し、それらはHD−HOOK効果サンプルではないことが証明される。本発明方法の結果と完全に同一であった。
実施例13 ヒト血清サンプルにおけるCA125の検出
本発明による免疫測定法に係るキットを採用して、サンプルにおけるCA125の濃度を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6、ピーク校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[ピーク校正品の選定]既知のHD−HOOKサンプルを段階希釈し、従来の方法でその信号値を検出し、信号値が最も高いサンプルをピーク校正品として選定する。すなわち、ピーク校正品の濃度未満のサンプルではHD−HOOK効果が発生することなく、ピーク校正品の濃度を超えると、HD−HOOK効果が発生することになる。そのAの値をR0と表記し、測定対象物がHD−HOOK効果サンプルであるか否かを判定するための臨界値とする。
[まず、本発明の方法で校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象の血清サンプル1〜18を検出する]測定対象物、試薬1(抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識された抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表16に示す。
Figure 0006980800
本発明の方法によって得られた18個の血清サンプルの濃度は表16に示す通りである。まず、ピーク校正品の増幅R0と比較するによってHD−HOOK効果サンプルを識別し、すなわち、Aの値が18.7%を超えると、HD−HOOK効果サンプルであると判定し、希釈してから検出することを提案する。一方、Aが18.7%未満であると、非HD−HOOK効果サンプルであると判定し、そのまま校正曲線でサンプル濃度を算出することができる。
サンプルを段階希釈した後に濃度の変化を検出することで上記結論の信頼性を検証する。サンプル1〜サンプル18に対していずれも2倍希釈と4倍希釈を行うとともに、従来の検出方法で未希釈の原倍サンプル、2倍希釈サンプルと4倍希釈サンプルを検出して、希釈後の濃度の変化を観測することによってそのサンプルにはHD−HOOK効果が存在するか否かを判定し、すなわち、希釈後にサンプル濃度が逆に上昇する場合はHD−HOOK効果サンプルであると判定する。非HD−HOOK効果サンプルは希釈後に濃度が低下することになる。その結果を表17に示す。
Figure 0006980800
表17から、血清サンプル16、17、18が希釈された後に検出濃度が上昇し、それらはHD−HOOK効果サンプルであることが証明され、血清サンプル1〜15の濃度は希釈後に低下し、それらはHD−HOOK効果サンプルではないことが証明される。本発明方法の結果と完全に同一であった。
実施例14 サンプルにおけるフェリチン(Ferr)の検出
本発明による免疫測定法に係るキットを採用して、サンプルにおけるフェリチン(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30−AF10)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6、ピーク校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[ピーク校正品の選定]既知のHD−HOOKサンプルを段階希釈し、従来の方法でその信号値を検出し、信号値が最も高いサンプル、本実験ではすなわちサンプル9をピーク校正品として選定する。ピーク校正品の濃度未満のサンプルではHD−HOOK効果が発生することなく、ピーク校正品の濃度を超えると、HD−HOOK効果が発生することになる。そのAの値をR0と表記し、測定対象物がHD−HOOK効果サンプルであるか否かを判定するための臨界値とする。
高濃度のフェリチン抗原を段階希釈し、異なる濃度のフェリチンを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を下記の表に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表18に示す。
Figure 0006980800
表18および図24からわかるように、従来の方法で高濃度の抗原を段階希釈したサンプルを検出する場合、濃度が51000ng/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がFerr濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が51000ng/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生する。すなわち、濃度が51000ng/mlであるサンプル9がピーク校正品となり、R0が13.9%である。
従来の検出では、検出範囲が0〜2000ng/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>2000ng/mlとして表示される。HD−HOOK効果サンプルの濃度が上昇し続けると、信号が低下し続けるので、サンプル15のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果サンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表18および図25からわかるように、信号値が51000ng/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル10〜15の増幅Aがいずれもピーク校正品の増幅R0(13.9%)を超えているので、サンプル10〜15のFerr濃度はいずれも51000ng/mlを超え、HD−HOOKサンプルであることが示されている。それは実際の濃度に合致しており、サンプル15の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度が1860.97ng/mlとして検出されるが、本発明の方法では、それはHD−HOOKサンプルであると同定することができ、希釈して検出する必要がある。
実施例15 サンプルにおけるCペプチド(CP)の検出
本発明による免疫測定法に係るキットを採用して、サンプルにおけるCペプチド(Fitzgeraldから購入、Catalog No:30−AC96)の含有量を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6、ピーク校正品、試薬1(発光抗体、すなわち、抗体によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識された抗体)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[ピーク校正品の選定]既知のHD−HOOKサンプルを段階希釈し、従来の方法でその信号値を検出し、信号値が最も高いサンプル、本実験ではすなわちサンプル9をピーク校正品として選定する。ピーク校正品の濃度未満のサンプルではHD−HOOK効果が発生することなく、ピーク校正品の濃度を超えると、HD−HOOK効果が発生することになる。そのAの値をR0と表記し、測定対象物がHD−HOOK効果サンプルであるか否かを判定するための臨界値とする。
高濃度のCペプチド抗原を段階希釈し、異なる濃度のCペプチドを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表19に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜15、試薬1(発光抗体、すなわち、マウスモノクローナル抗体によって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチン標識抗体、すなわち、ビオチンで標識されたマウスモノクローナル抗体)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表19に示す。
Figure 0006980800
表19および図26からわかるように、従来の方法で高濃度の抗原を段階希釈したサンプルを検出する場合、濃度が10000ng/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がCペプチド濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10000ng/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生する。すなわち、濃度が10000ng/mlであるサンプル9がピーク校正品となり、R0が23.3%である。
従来の検出では、検出範囲が0〜30ng/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>30ng/mlとして表示される。HD−HOOK効果サンプルの濃度が上昇し続けると、信号が低下し続けるので、サンプル16、17のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
実施例16 サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)の検出
本発明による免疫測定法に係るキットを採用して、サンプルにおけるB型肝炎ウイルス表面抗体(北京中科京達生物技術有限公司から購入、Clone No:M2201)の濃度を検出する。前記キットは、校正品1〜校正品6、ピーク校正品、試薬1(発光抗原、すなわち、抗原によって被覆された発光微粒子)、試薬2(ビオチン標識抗原、すなわち、ビオチンで標識された抗原)を含む。
[校正品1〜校正品6]従来のキットにおける濃度既知のサンプルであって、濃度はHD−HOOKサンプルよりはるかに小さく、測定対象物の濃度を算出するための校正曲線を作成するのに用いられる。
[ピーク校正品の選定]既知のHD−HOOKサンプルを段階希釈し、従来の方法でその信号値を検出し、信号値が最も高いサンプル、本実験ではすなわちサンプル9をピーク校正品として選定する。ピーク校正品の濃度未満のサンプルではHD−HOOK効果が発生することなく、ピーク校正品の濃度を超えると、HD−HOOK効果が発生することになる。そのAの値をR0と表記し、測定対象物がHD−HOOK効果サンプルであるか否かを判定するための臨界値とする。
高濃度のHBsAbを段階希釈し、異なる濃度のHBsAbを含むサンプルの濃度値を、それぞれ従来の検出方法および本発明の検出方法で測定する。
[従来の検出方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜14、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)をキュベットに加えた後、37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で10minインキュベートし、光子カウンタで読み取り、RLUを読み取り、その結果を表20に示す。
[本発明の2回読み取り方法]校正品1〜校正品6、ピーク校正品、測定対象サンプル1〜14、試薬1(HBsAgによって被覆された発光微粒子)および試薬2(ビオチンで標識されたHBsAg)を37℃で15minインキュベートし、LiCA汎用液(ストレプトアビジンで標識された感光微粒子)を加え、37℃で3minインキュベートし、RLU1を読み取り、37℃で続けて7minインキュベートし、RLU2を読み取り、2回目の信号値の増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%を算出して、その結果を表20に示す。
Figure 0006980800
表20および図28からわかるように、従来の方法で高濃度のHBsAbを段階希釈したサンプルを検出する場合、濃度が10000mIU/mlに上昇するまでは信号値が濃度の上昇と共に増加し、濃度が上昇し続けると、信号値がHBsAb濃度の上昇と共に低下し、すなわち、濃度が10000mIU/mlを超えると、HD−HOOK効果が発生する。すなわち、濃度が10000mIU/mlであるサンプル9がピーク校正品となり、R0が37.5%である。
従来の検出では、検出範囲が0〜1000mIU/mlであり、検出上限を超えたサンプルの濃度は>1000mIU/mlとして表示される。HD−HOOK効果サンプルの濃度が上昇し続けると、信号が低下し続けるので、サンプル12、13、14のように超高濃度サンプルが低濃度として報告されることになる。そのため、従来の検出では、測定対象サンプルの検出結果が、真実の濃度であるか、それともHD−HOOK効果の影響で低濃度として報告されたかを識別できなくなる。
本発明の方法では、2回の読み取りによってHD−HOOK効果サンプルを同定するようにされている。各測定対象サンプルについて、信号値の結果であるRLU1、RLU2を順番に検出し、2回目の読み取りの増幅A=(RLU2/RLU1−1)×100%をサンプルの濃度を判定するための指標の一つとする。表20および図29からわかるように、信号値が10000mIU/mlまでは濃度とともに上昇し続け、その後、信号値が濃度の上昇とともに低下するが、増幅Aは濃度とともに上昇し続けることになる。したがって、測定対象サンプルのAの値と校正品のAの値とを直接に比較すれば、測定対象サンプルの濃度と校正品の濃度との大小関係を判定することができる。サンプル10〜14の増幅Aがいずれもピーク校正品の増幅R0(37.5%)を超えているので、サンプル10〜14のHBsAb濃度はいずれも10000mIU/mlを超え、HD−HOOK効果サンプルであることが示されている。それは実際の濃度に合致しており、サンプル12、13、14の信号値が校正品6よりも低くなり、従来の方法では濃度が802.57mIU/ml、352.22mIU/ml、147.9mIU/mlとして検出されるが、本発明の方法では、それらはHD−HOOK効果サンプルであると同定することができ、希釈して検出する必要がある。
上記の実施例は、本発明の原理およびその効果の単なる例示であり、本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施例の修正または変更をなし得る。したがって、本発明の精神および思想から逸脱することなく当業者によって行われたすべての均等の修正または変更は、依然として添付の特許請求の範囲によって網羅されるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とし、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A’がR0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとする、というステップを含むことを特徴とするHD−HOOK効果サンプルを同定する方法。
[2]前記方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の方法。
[4]発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[2]に記載の方法。
[5]ステップ(2)と(3)において、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とする[2]に記載の方法。
[6]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[2]に記載の方法。
[7]化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定するためのプロセッサと、を備える
免疫測定におけるHD−HOOK効果を同定するためのシステム。
[8]前記システムは、
化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’が、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとするプロセッサと、を備え、
化学発光の2回目の読み取りは、同一の免疫反応に対して一定の時間が経過した後に再度励起させ読み取ることによって得られるものである、[7]に記載のシステム。
[9]前記システムの使用方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含むことを特徴とする[7]に記載のシステム。
[10]測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする[9]に記載のシステム。
[11]発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[9]に記載のシステム。
[12]ステップ(2)と(3)において、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とすることを特徴とする[9]に記載のシステム。
[13]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[9]に記載のシステム。
[14]校正品、ピーク校正品、第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットであって、前記キットの使用方法は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定することを特徴とするキット。
[15]前記キットの使用方法は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A'がピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとする、というステップを含む[14]に記載のキット。
[16]前記キットの使用方法は、
(1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
(6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含むことを特徴とする[14]に記載のキット。
[17]測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする[14]に記載のキット。
[18]発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[16]に記載のキット。
[19]ステップ(2)と(3)において、600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とすることを特徴とする[16]に記載のキット。
[20]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[16]に記載のキット。
[21]化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して複数回の読み取りを実行するための読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続され、前記読み取りユニットの読み取りによって免疫測定にはHD−HOOKのリスクの有無を判定する処理ユニットと、を備える
HD−HOOK効果サンプルを同定するための測定装置。
[22]インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに移動し読み取りを実行するための移動機構をさらに備えることを特徴とする[21]に記載の免疫測定装置。
[23]化学発光免疫反応のために適切な環境温度を提供するためのインキュベータをさらに備えることを特徴とする[21]又は[22]に記載の免疫測定装置。
[24]読み取りが完了した後の混合液を前記インキュベータに復帰させ再度インキュベートするための復帰機構をさらに備えることを特徴とする[23]に記載の免疫測定装置。
[25]前記移動機構は押出し機構であり、前記復帰機構は押戻し機構であり、前記混合液はスラットで収容されることを特徴とする[24]に記載の免疫測定装置。
[26]前記読み取りユニットは化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して2回の読み取りを実行することに用いられることを特徴とする[21]〜[25]のいずれか1つに記載の免疫測定装置。
[27]前記インキュベータは第1のインキュベータと第2のインキュベータとを有し、前記押出し機構は、第1のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を第2のインキュベータに押出しインキュベートするのに用いられ、かつ前記押出し機構は第2のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し1回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記押戻し機構は、1回目の読み取りが完了した後の混合液を第2のインキュベータに押戻し再度インキュベートするのに用いられ
前記押出し機構は、さらに、第2のインキュベータ内で再度インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し2回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記処理ユニットが2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅Aが標準曲線の最大値を超えていると検出した場合、免疫測定にはHOOKのリスクが存在すると判定することを特徴とする[25]に記載の免疫測定装置。
[28]前記押戻し機構は、
底板と、
前記底板に設けられているガイドレールと、
前記ガイドレールに設けられ、スラットを支持するための移動カップ機構と、
前記移動カップ機構を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動装置と、
前記底板の両端に設けられ、前記移動カップ機構の位置を検出するための光電センサと、
前記光電センサに接続され、前記光電センサによって発せられた位置信号に基づいて前記移動カップ機構の位置を調整することができる位置調整機構とを備えることを特徴とする[25]に記載の免疫測定装置。
[29]前記ガイドレールは直線レールまたは可変レールであることを特徴とする[28]に記載の免疫測定装置。
[30]前記インキュベータの一方の側に設けられ、測定対象サンプルと試薬とを混合させるためのスラット用試料添加皿と、前記インキュベータの他方の側に設けられ、試薬を収納するための試薬冷蔵領域とをさらに備えることを特徴とする[23]〜[25]のいずれか1つ又は[27]〜[29]のいずれか1つに記載の免疫測定装置。
[31]前記スラット用試料添加皿の一方の側に設けられた、ブランクスラットスタッキング及びローディング機構をさらに備え、前記ブランクスラットスタッキング及びローディング機構は、ブランクスラットをスラット用試料添加皿に押し付けるのに用いられることを特徴とする[30]に記載の免疫測定装置。
[32]サンプル試験管を支持するためのサンプル試験管載置棚をさらに備えることを特徴とする[31]に記載の免疫測定装置。
[33]前記サンプル試験管載置棚におけるブランクスラットスタッキング及びローディング機構に近隣する側に設けられ、予備希釈プレートに対して希釈処理するための希釈プレートシェーカーをさらに備えることを特徴とする[32]に記載の免疫測定装置。
[34]試料添加針が設けられている機械式アームをさらに備え、
前記機械式アームは、前記サンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第1の機械式アームと、前記試薬冷蔵領域から試薬を吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第2の機械式アームとを有することを特徴とする[32]に記載の免疫測定装置。
[35]第1の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第1の洗浄機構と、第2の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第2の洗浄機構とをさらに備えることを特徴とする[34]に記載の免疫測定装置。
[36](1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、(2)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、または、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、(3)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法。
[37]測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較することを特徴とする[36]に記載の免疫測定方法。
[38]前記既知の一連の標準物質の濃度は、HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であることを特徴とする[37]に記載の免疫測定方法。
[39]前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含むことを特徴とする[38]に記載の免疫測定方法。
[40]前記方法は、
(a1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(a5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HOOK効果が生じる濃度よりも低い)の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(a6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含むことを特徴とする[39]に記載の免疫測定方法。
[41]測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であることを特徴とする[36]に記載の免疫測定方法。
[42]前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップ、をさらに含むことを特徴とする[41]に記載の免疫測定方法。
[43]前記方法は、
(c1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(c5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(c6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含むことを特徴とする[42]に記載の免疫測定方法。
[44]前記方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含むことを特徴とする[41]に記載の免疫測定方法。
[45]前記方法は、
(d1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(d5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(d6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含むことを特徴とする[44]に記載の免疫測定方法。
[46]前記方法は、(4)サンプルの濃度を特定するステップをさらに含むことを特徴とする[37]に記載の免疫測定方法。
[47]前記方法は、
(b1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(b5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(b6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する標準曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含み
前記校正曲線は、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする[46]に記載の免疫測定方法。
[48]前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[36]〜[47]のいずれか1つに記載の免疫測定方法。
[49]600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とする[40]、[43]、[45]及び[47]のいずれか1つに記載の免疫測定方法。
[50]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[40]、[43]、[45]及び[47]のいずれか1つに記載の免疫測定方法。
[51]免疫測定を同定するためのシステムであって、
化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
プロセッサと、を備えるシステム。
[52]前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するのに用いられ、ここで標準物質の濃度はHOOK効果が生じる濃度よりも低く、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定することを特徴とする[51]に記載のシステム。
[53]前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度はHOOK効果が生じる濃度よりも低くなっている)の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする[52]に記載のシステム。
[54]前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が前記既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとすることを特徴とする[51]に記載のシステム。
[55]前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が前記既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップとを含むことを特徴とする[54]に記載のシステム。
[56]前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定し、
および/または前記既知の標準物質は陽性対照であることを特徴とする[51]に記載のシステム。
[57]前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
(6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする[56]に記載のシステム。
[58]前記プロセッサは、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aに基づいてそれぞれ校正曲線と標準曲線を作成し、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aをそれぞれ校正曲線及び標準曲線と比較して、サンプルの濃度を特定するのに用いられることを特徴とする[51]に記載のシステム。
[59]前記システムの使用方法は、
(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
(6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する校正曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含むことを特徴とする[58]に記載のシステム。
[60]前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[51]〜[59]のいずれか1つに記載のシステム。
[61]600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とする[53]、[55]、[57]、[59]のいずれか1つに記載のシステム。
[62]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[53]、[55]、[57]、[59]のいずれか1つに記載のシステム。
[63]第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットであって、前記キットの使用方法は、(1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、(2)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、または、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、(3)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含むことを特徴とするキット。
[64]測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較することを特徴とする[63]に記載のキット。
[65]前記既知の一連の標準物質の濃度は、HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であることを特徴とする[64]に記載のキット。
[66]前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含むことを特徴とする[65]に記載のキット。
[67]前記キットの使用方法は、
(a1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(a5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HOOK効果が生じる濃度よりも低い)の2回の読み取りの増幅A'に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(a6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする[66]に記載のキット。
[68]測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であることを特徴とする[63]に記載のキット。
[69]前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップ、をさらに含み、
および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であることを特徴とする[68]に記載のキット。
[70]前記キットの使用方法は、
(c1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(c5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(c6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含むことを特徴とする[69]に記載のキット。
[71]前記キットの使用方法は、(4)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップをさらに含むことを特徴とする[68]に記載のキット。
[72]前記キットの使用方法は、
(d1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(d5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
(d6)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含むことを特徴とする[71]に記載のキット。
[73]前記キットの使用方法は、(4)サンプルの濃度を特定するステップをさらに含むことを特徴とする[64]に記載のキット。
[74]前記キットの使用方法は、
(b1)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルを第1の抗体(または抗原)によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体(または抗原)と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
(b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
(b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
(b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
(b5)測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
(b6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する校正曲線に代入して濃度を算出するステップと、を含み、
前記標準曲線は、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする[73]に記載のキット。
[75]前記発光微粒子とは発光化合物およびランタノイド族元素化合物が充填されている高分子微粒子のことをいい、前記感光微粒子は感光化合物が充填されている高分子微粒子であり、赤色レーザ光による励起で一重項酸素イオンを発生させることができることを特徴とする[63]〜[74]に記載のキット。
[76]600〜700nmの赤色励起光で照射し、反応溶液の出射光量を検出し、出射光の検出波長は520〜620nmとされていることを特徴とすることを特徴とする[67]、[70]、[72]、[74]に記載のキット。
[77]前記抗原とは免疫原性を有する物質をいい、前記抗体とは有機体によって生じられた、特定の外来物を認識することができる免疫グロブリンをいい、前記第1の抗体及び第2の抗体とは前記目標抗原に特異的に結合可能な抗体をいい、前記第1の抗原および第2の抗原とは、前記目標抗体に特異的に結合可能な抗原をいうことを特徴とする[67]、[70]、[72]、[74]に記載のキット。
[78]化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して複数回の読み取りを実行するための読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続され、前記読み取りユニットの読み取りによって免疫測定にはHOOKのリスクの有無を判定する処理ユニットと、を備える免疫測定装置。
[79]インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに移動し読み取りを実行するための移動機構をさらに備えることを特徴とする[78]に記載の免疫測定装置。
[80]化学発光免疫反応のために適切な環境温度を提供するためのインキュベータをさらに備えることを特徴とする[78]又は[79]に記載の免疫測定装置。
[81]読み取りが完了した後の混合液を前記インキュベータに復帰させ再度インキュベートするための復帰機構をさらに備えることを特徴とする[80]に記載の免疫測定装置。
[82]前記移動機構は押出し機構であり、前記復帰機構は押戻し機構であり、前記混合液はスラットで収容されることを特徴とする[81]に記載の免疫測定装置。
[83]前記読み取りユニットは化学発光免疫反応を記録するとともにインキュベートされた後の混合液に対して2回の読み取りを実行することに用いられることを特徴とする[78]〜[82]のいずれか1つに記載の免疫測定装置。
[84]前記インキュベータは第1のインキュベータと第2のインキュベータとを有し、前記押出し機構は、第1のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を第2のインキュベータに押出しインキュベートするのに用いられ、かつ前記押出し機構は第2のインキュベータ内でインキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し1回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記押戻し機構は、1回目の読み取りが完了した後の混合液を第2のインキュベータに押戻し再度インキュベートするのに用いられ
前記押出し機構は、さらに、第2のインキュベータ内で再度インキュベートされた後の混合液を読み取りユニットに押出し2回目の読み取りを実行するのに用いられ、
前記処理ユニットが2回目の読み取りと1回目の読み取りの増幅が標準曲線の最大値を超えていると検出した場合、免疫測定にはHOOKのリスクが存在すると判定する
ことを特徴とする[82]に記載の免疫測定装置。
[85]前記押戻し機構は、
底板と、
前記底板に設けられているガイドレールと、
前記ガイドレールに設けられ、スラットを支持するための移動カップ機構と、
前記移動カップ機構を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動装置と、
前記底板の両端に設けられ、前記移動カップ機構の位置を検出するための光電センサと、
前記光電センサに接続され、前記光電センサによって発せられた位置信号に基づいて前記移動カップ機構の位置を調整することができる位置調整機構とを備えることを特徴とする[82]に記載の免疫測定装置。
[86]前記ガイドレールは直線レールまたは可変レールであることを特徴とする[85]に記載の免疫測定装置。
[87]前記インキュベータの一方の側に設けられ、測定対象サンプルと試薬とを混合させるためのスラット用試料添加皿と、前記インキュベータの他方の側に設けられ、試薬を収納するための試薬冷蔵領域とをさらに備えることを特徴とする[80]〜[82]のいずれか1つ又は[84]〜[86]のいずれか1つに記載の免疫測定装置。
[88]前記スラット用試料添加皿の一方の側に設けられた、ブランクスラットスタッキング及びローディング機構をさらに備え、前記ブランクスラットスタッキング及びローディング機構は、ブランクスラットをスラット用試料添加皿に押し付けるのに用いられることを特徴とする[87]に記載の免疫測定装置。
[89]サンプル試験管を支持するためのサンプル試験管載置棚をさらに備えることを特徴とする[88]に記載の免疫測定装置。
[90]前記サンプル試験管載置棚におけるブランクスラットスタッキング及びローディング機構に近隣する側に設けられ、予備希釈プレートに対して希釈処理するための希釈プレートシェーカーをさらに備えることを特徴とする[89]に記載の免疫測定装置。
[91]試料添加針が設けられている機械式アームをさらに備え、
前記機械式アームは、前記サンプル試験管載置棚領域からサンプルを吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第1の機械式アームと、前記試薬冷蔵領域から試薬を吸引してスラット用試料添加皿のスラット内に割り当てるための第2の機械式アームとを有することを特徴とする[89]に記載の免疫測定装置。
[92]第1の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第1の洗浄機構と、第2の機械式アームの試料添加針を洗浄するための第2の洗浄機構とをさらに備えることを特徴とする[91]に記載の免疫測定装置。

Claims (20)

  1. 校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とし、測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A’がR0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとする、というステップを含むHD−HOOK効果サンプルを同定する方法であって、当該方法は、
    (1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
    (6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
    前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起
    及びカウント装置と、
    測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定するためのプロセッサと、を備える免疫測定におけるHD−HOOK効果を同定するためのシステムであって、
    当該システムを使用する方法が、
    (1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
    (6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップとを含むことを特徴とする、前記システム。
  4. 前記システムは、
    化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
    測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’が、ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとするプロセッサと、を備え、
    化学発光の2回目の読み取りは、同一の免疫反応に対して一定の時間が経過した後に再度励起させ読み取ることによって得られるものである、請求項3に記載のシステム。
  5. 測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
    前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  6. 校正品、ピーク校正品、第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含む試薬キットの使用方法であって、
    校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行うステップと、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するステップと、
    測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅A’によってHD−HOOK効果サンプルの有無を特定するステップとを含み、
    前記方法は、
    (1)校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)ピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅AをR0とするステップと、
    (6)測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、このサンプルがHD−HOOK効果サンプルであると同定するステップと、を含むことを特徴とする前記試薬キットの使用方法。
  7. 前記キットの使用方法は、校正品、ピーク校正品、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行うステップと、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するステップと、
    測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の増幅A'がピーク校正品の2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分の増幅R0を超えているかを比較し、R0を超えている場合、サンプルがHD−HOOK効果を有し、R0未満の場合、HD−HOOK効果を有しないとするステップとを含む請求項6に記載の方法。
  8. 測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅A’の値をR0と比較し、A’がR0以上である場合、測定対象サンプルがHD−HOOK効果サンプルであり、希釈する必要があり、A’がR0未満の場合、そのまま校正曲線でサンプルの濃度を算出するとされ、
    前記校正曲線は、校正品の1回目の読み取りと校正品の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法であって、
    前記測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aは、前記標準曲線と比較され、
    前記既知の一連の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    前記方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含み、
    前記免疫測定方法は、さらに、
    (a1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (a5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低い)の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (a6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップと、を含むことを特徴とする免疫測定方法。
  10. (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法であって、
    測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    前記方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップ、をさらに含み、
    前記方法は、
    (c1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (c5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
    (c6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、をさらに含むことを特徴とする免疫測定方法。
  11. (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと
    1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法であって、
    測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    ここで、前記免疫測定方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップ、をさらに含み、
    ここで、前記免疫測定方法は、
    (d1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (d5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
    (d6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップと、をさらに含むことを特徴とする免疫測定方法。
  12. (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップと、を含む免疫測定方法であって、
    測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    ここで、前記免疫測定方法は、
    (4)前記サンプルの濃度を特定するステップをさらに含み、
    ここで、前記免疫測定方法は、
    (b1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (b5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (b6)Aの値および標準曲線によって測定対象物質の濃度がその対応する校正曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する前記校正曲線に代入して濃度を算出するステップと、をさらに含み、
    前記校正曲線は、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする免疫測定方法。
  13. 免疫測定を同定するためのシステムであって、
    化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するのに用いられ、ここで標準物質の濃度はHD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定し、
    ここで、前記システムを使用する方法は、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%
    で算出するステップと、
    (5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質
    の濃度はHD−HOOK効果が生じる濃度よりも低くなっている)の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする、免疫測定を同定するためのシステム。
  14. 免疫測定を同定するためのシステムであって、
    化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ
    こで前記システムを使用する方法は、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
    (6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が前記既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップとを含むことを特徴とする、前記免疫測定を同定するためのシステム。
  15. 免疫測定を同定するためのシステムであって、
    化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較するのに用いられ、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記臨界値の決定に用いた既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定し
    記既知の標準物質は陽性対照であり、
    ここで前記システムを使用する方法は、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し
    光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅Aを臨界値とするステップと、
    (6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする、免疫測定を同定するためのシステム。
  16. 免疫測定を同定するためのシステムであって、
    化学発光免疫反応を実施するための免疫反応装置と、
    化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録するとともに、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするための化学発光免疫反応励起及びカウント装置と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aに基づいてそれぞれ校正曲線と標準曲線を作成し、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの1回目の読み取りと2回の読み取りの増幅Aをそれぞれ校正曲線及び標準曲線と比較して、サンプルの濃度を特定するのに用いられ、
    ここで、前記システムを使用する方法は、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (2)1回目の読み取り:ステップ(1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (3)2回目の読み取り:ステップ(2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅Aに基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する校正曲線に代入して濃度を算出するステップとを含むことを特徴とする、免疫測定を同定するためのシステム。
  17. 第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットの使用方法であって、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップとを含み、
    ここで、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較し、
    前記既知の一連の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    前記キットの使用方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップをさらに含み、
    また前記キットの使用方法は、
    (a1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (a2)1回目の読み取り:ステップ(a1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (a3)2回目の読み取り:ステップ(a2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (a4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (a5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質(ただし、標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低い)の2回の読み取りの増幅A'に基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (a6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記標準曲線の最大値を超えている場合、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする、前記キットの使用方法。
  18. 第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットの使用方法であって、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップとを含み、
    ここで、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較し、
    前記既知の一連の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、
    ここで、前記キットの使用方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップをさらに含み、
    および/または、前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    また、前記キットの使用方法は、
    (c1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、
    インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (c2)1回目の読み取り:ステップ(c1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (c3)2回目の読み取り:ステップ(c2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (c4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (c5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
    (c6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原(または抗体)を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超えていると、前記測定対象サンプルの濃度が既知の標準物質の濃度よりも高くなっているとするステップと、を含むことを特徴とする前記キットの使用方法。
  19. 第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットの使用方法であって、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップとを含み、
    ここで、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較し、
    前記既知の一連の標準物質の濃度は、HD−HOOK効果が生じる濃度よりも低く、および/または前記既知の標準物質は陽性対照であり、
    測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準と比較し、かつ前記標準は臨界値であり、
    前記キットの使用方法は、
    (4)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りが前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップをさらに含み、
    ここで、前記キットの使用方法は、
    (d1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (d2)1回目の読み取り:ステップ(d1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (d3)2回目の読み取り:ステップ(d2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (d4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (d5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの増幅A’’を臨界値とするステップと、
    (d6)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aを臨界値と比較して、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回の読み取りの増幅Aが前記臨界値を超え、かつそれと同時に前記測定対象サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値が前記既知の標準物質よりも低くなっていると、サンプルを希釈してから測定するステップとを含むことを特徴とする、キットの使用方法。
  20. 第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を含むキットの使用方法であって、
    (1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルに対して化学発光免疫反応を行い、化学発光を励起させ1回目と2回目の読み取りを記録し、2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅をAとするステップと、
    (2)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’に基づいて標準曲線を作成し、及び/または、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一つの標準物質の2回の読み取りの差分増幅A’’に基づいて標準を作成するステップと、
    (3)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線および/または標準と比較するステップとを含み、
    ここで、測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルの2回目の読み取りと1回目の読み取りとの間の差分増幅Aを前記標準曲線と比較し、
    前記キットの使用方法は、
    (4)サンプルの濃度を特定するステップをさらに含み、
    ここで、前記キットの使用方法は、
    (b1)測定すべき目標抗原または抗体を含む測定対象サンプルを第1の抗体または抗原によって被覆された発光微粒子、標識物で標識された第2の抗体または抗原と混合し、インキュベートすることによって、混合液が得られるステップと、
    (b2)1回目の読み取り:ステップ(b1)の混合液に、さらに、標識物特異結合物で標識された感光微粒子を加え、インキュベートした後に励起光を照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU1とするステップと、
    (b3)2回目の読み取り:ステップ(b2)において1回目の読み取りを行った後の反応溶液をさらにインキュベートした後に、励起光を再度照射して出射光量を検出し、光子カウンタで読み取り、RLU2とするステップと、
    (b4)サンプルの1回目の読み取りによって得られた信号値に対する2回目の読み取りによって得られた信号値の増幅Aについて、A=(RLU2/RLU1−1)×100%で算出するステップと、
    (b5)測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の2回の読み取りの増幅A’に基づいて標準曲線を作成するステップと、
    (b6)Aの値によって測定対象物質の濃度が標準曲線の上昇区間に位置するかそれとも下降区間に位置するかを特定し、測定対象サンプルのRLU1をそれに対応する校正曲線に代入して濃度を算出するステップとをさらに含み、
    前記標準曲線は、測定すべき目標抗原または抗体を含む既知の一連の標準物質の1回目の読み取りと既知の一連の標準物質の濃度によって作成された曲線であることを特徴とする、キットの使用方法。
JP2019547751A 2016-11-22 2017-11-21 Hd−hook効果サンプルと免疫測定を同定する方法、システム、キット及び装置 Active JP6980800B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201611034252.1 2016-11-22
CN201611026623.1A CN108152505B (zh) 2016-11-22 2016-11-22 免疫测定方法、用于鉴定免疫测定的系统和试剂盒
CN201611034237.7A CN108132344B (zh) 2016-11-22 2016-11-22 免疫测定方法、用于鉴定免疫测定的系统和试剂盒
CN201611034237.7 2016-11-22
CN201611026623.1 2016-11-22
CN201611034252.1A CN108204959B (zh) 2016-11-22 2016-11-22 鉴别hd-hook效应样本的方法和鉴定免疫测定中的hd-hook效应的系统
CN201710695530.6A CN109406498B (zh) 2017-08-15 2017-08-15 一种免疫测定装置
CN201710695530.6 2017-08-15
PCT/CN2017/112145 WO2018095314A1 (zh) 2016-11-22 2017-11-21 鉴定hd-hook效应样本和免疫测定的方法、系统、试剂盒及装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020507780A JP2020507780A (ja) 2020-03-12
JP6980800B2 true JP6980800B2 (ja) 2021-12-15

Family

ID=62195759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019547751A Active JP6980800B2 (ja) 2016-11-22 2017-11-21 Hd−hook効果サンプルと免疫測定を同定する方法、システム、キット及び装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20190353664A1 (ja)
EP (1) EP3546937A4 (ja)
JP (1) JP6980800B2 (ja)
KR (1) KR102220361B1 (ja)
WO (1) WO2018095314A1 (ja)
ZA (1) ZA201805983B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110514651A (zh) * 2018-05-21 2019-11-29 博阳生物科技(上海)有限公司 一种化学发光免疫分析测定方法及使用该方法的系统、试剂盒
USD919830S1 (en) * 2019-05-29 2021-05-18 Chemclin Diagnostics Co., Ltd. Chemiluminescent immunoassay system
CN116400074A (zh) * 2019-12-31 2023-07-07 科美博阳诊断技术(上海)有限公司 一种crp检测试剂盒及其应用
CN114624451A (zh) * 2022-05-12 2022-06-14 深圳市帝迈生物技术有限公司 识别钩状效应的方法和识别装置
CN115267163B (zh) * 2022-06-23 2023-03-28 北京铂茵生物科技有限公司 一种化学发光免疫分析试剂盒装载、混匀及制冷系统

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3633497A1 (de) * 1986-10-02 1988-04-14 Hoechst Ag Immunometrisches bestimmungsverfahren
GB2203836B (en) * 1987-04-24 1991-01-23 Dr Ch Ng Soo Ling Determination of analyte concentration by re-equilibration
JP2946850B2 (ja) * 1991-06-30 1999-09-06 株式会社島津製作所 抗原抗体反応におけるプロゾーン判定方法及び分析方法
US6361956B1 (en) * 1996-12-03 2002-03-26 Erkki Soini Biospecific, two photon excitation, fluorescence detection and device
DE10064827A1 (de) * 2000-12-22 2002-06-27 Dade Behring Marburg Gmbh Nachweisverfahren
US7381370B2 (en) * 2003-07-18 2008-06-03 Dade Behring Inc. Automated multi-detector analyzer
US7439079B2 (en) * 2005-04-29 2008-10-21 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Assay devices having detection capabilities within the hook effect region
EP1845373A1 (en) 2006-04-13 2007-10-17 Olympus Life and Material Science Europa GmbH An immunoassay method
WO2008106648A2 (en) * 2007-03-01 2008-09-04 Abbott Laboratories Immunoassays exhibiting a reduction in prozone phenomena
WO2009126336A1 (en) * 2008-04-11 2009-10-15 Becton, Dickinson And Company Methods of controlling the sensitivity and dynamic range of a homogeneous assay
GB0809995D0 (en) * 2008-05-31 2008-07-09 Spd Swiss Prec Diagnostics Gmb Assay device
US8993344B2 (en) * 2009-08-07 2015-03-31 Arkray, Inc. Method for detecting prozone phenomenon, analysis method, device for detecting prozone phenomenon, and analysis device
CN201532646U (zh) 2009-10-21 2010-07-21 上海博阳医疗仪器有限公司 光子计数装置
EP2790019A1 (de) * 2013-04-10 2014-10-15 Siemens Healthcare Diagnostics Products GmbH High Dose Hook Erkennung
CN104991056B (zh) * 2015-08-05 2017-01-04 武汉林勉生物技术有限公司 一种血清学检测与定量分析的方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018095314A1 (zh) 2018-05-31
ZA201805983B (en) 2019-05-29
EP3546937A4 (en) 2020-07-01
KR20190077421A (ko) 2019-07-03
US20190353664A1 (en) 2019-11-21
KR102220361B1 (ko) 2021-02-25
JP2020507780A (ja) 2020-03-12
EP3546937A1 (en) 2019-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6980800B2 (ja) Hd−hook効果サンプルと免疫測定を同定する方法、システム、キット及び装置
US11131666B2 (en) System and apparatus for point-of-care diagnostics
US20210293793A1 (en) Interactive test device and apparatus with timing mechanism
CN106872420B (zh) 一种时间分辨荧光定量检测尿微量白蛋白的试剂盒及方法
CN109470874B (zh) 免疫测定方法、用于鉴定免疫测定的系统和试剂盒
US20190025210A1 (en) Optical detection of a substance in fluid
KR101530168B1 (ko) 생물 검정 샘플 분석기
CN109470857B (zh) 免疫测定方法、用于鉴定免疫测定的系统和试剂盒
US8741218B2 (en) Automatic analyzer
CN108204959B (zh) 鉴别hd-hook效应样本的方法和鉴定免疫测定中的hd-hook效应的系统
JP4838086B2 (ja) 化学発光測定装置
JPH07159407A (ja) 光学的免疫測定方法及びこれに用いられる免疫測定装置
CN212059831U (zh) 一种多功能细胞-蛋白检测装置
Yang et al. Development of a quantifiable optical reader for lateral flow immunoassay
Soini et al. Time-resolved fluoroimmunoassay
CN111505267A (zh) 一种时间分辨免疫分析检测系统与检测方法
JP2728796B2 (ja) 化学発光測定方法及び測定装置
Soini The principle of time-resolved fluorometry
JP2014122851A (ja) 免疫測定方法および免疫測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190729

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210506

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210506

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20210518

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210531

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6980800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150