JPH0715759B2 - 目標トラック位置検索装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオディスクプレー
ヤ等において、回転ディスク上の目標トラック位置を検
索するための高速検索装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】映像または音声信号を記録媒体上に高密
度に記録し、前記記録された信号の跡（トラックとも言
う）から信号を再生する装置として、たとえば光学式ビ
デオディスクプレーヤの如き再生装置がある。この装置
は光源から発生される光ビームを円盤記録担体（ディス
クとも言う）上に収束させ、ディスク上に同心円状ある
いはら線状に記録されたトラック上に前記光ビームが位
置するように制御し、前記光ビームの記録担体上から反
射される反射光を光検出器により検出し、信号を読みと
るものである。

【０００３】図４は、かかるビデオディスクプレーヤに
おける従来の目標トラック位置検索装置を示すブロック
図である。同図において、１はディスク、２は回転用モ
ータ、３はレーザダイオード、４は結合レンズ、５は回
折格子、６は偏光プリズム、７はミラー、８は１／４波
長板、９は対物レンズ、１０は円筒レンズ、１１はミラ
ー、１２は光検出器、１３は差動増幅器、１４は位相補
償回路、１５はループスイッチ、１６は駆動回路、１７
は駆動コイル、１８は位相補償回路、１９はスイッチ、
２０は駆動回路、２１は送りモータ、２２は一致検出回
路、２３はデジタル・アナログ変換器、２４はマイクロ
コンピュータ、２５は信号処理回路、２６は同期分離回
路、２７は番地識別回路、２８は高速検索制御回路であ
る。

【０００４】次に回路動作を説明する。図４において、
ディスク１はディスク回転用モータ２によってたとえば
１８００ｒｐｍと高速回転されている。レーザダイオー
ド３から発生される光ビームは結合レンズ４、回折格子
５に入射する。回折格子５は透明な板の表面に細い平行
線を多数刻んだ光学素子であり、光の回折干渉作用によ
り、互いに微小な角度をなして出射する３本の光束に分
離される。

【０００５】３本のうち、中央の光束は記録情報の読み
出しおよび焦点位置制御用、両側の２本はトラッキング
誤差信号の検索用である。この３本の光束は偏光プリズ
ム６、ミラー７、１／４波長板８を通過して対物レンズ
９に入射される。対物レンズ９は、３本の光束がディス
ク１上のピット面上でトラックに沿って互いに２０μｍ
離れた直径約１．６μｍの三つの光スポットとなる様
に、周知の焦点制御（フォーカス制御）によって制御さ
れる。

【０００６】ディスク１上で反射された反射光は、再び
対物レンズ９、１／４波長板８を通過して偏光プリズム
６によって方向が変えられ、円筒レンズ１０を通過して
光検出器１２における３個の受光面Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３上
にそれぞれ結像する。両側の受光面Ｐ１、Ｐ２にはトラ
ッキング誤差信号検出用の２本の光束が、中央の受光面
Ｐ３には記録情報読み取り用の中央の光束が結像する。
中央の受光面Ｐ３は４分割されており、その受光出力は
フォーカス誤差信号検出用にも供されている。

【０００７】差動増幅器１３の出力側には、光検出器１
２における受光面Ｐ１、Ｐ２の差信号が得られ、この差
信号は位相補償回路１４、ループスイッチ１５を介して
駆動回路１６に入力される。その駆動回路１６の出力に
よりトラッキング素子駆動コイル１７が駆動される。

【０００８】一方光検出器１２における受光面Ｐ３の出
力は、ビデオ信号処理回路２５に入力され、ここでビデ
オ信号に変換され再生される。このビデオ再生信号の波
形を見ると、例えばその垂直帰線期間内に当該再生信号
の記録されていたトラックに応じた番地信号が含まれて
おり、この番地信号は、同期分離回路２６、番地信号識
別回路２７によって読み出され、マイクロコンピュータ
（以下、マイコンとも言う）２４に入力される。

【０００９】この従来のディスクプレーヤにおいて、デ
ィスク上の所望のトラック位置（番地）の高速検索を行
なう場合には、ここには図示していないが操作卓によっ
てその所望の番地が指定され、スタート命令が出される
と、マイコン２４にて、前記指定番地と番地識別回路２
７の出力である現在のトラック番地との差が計算され一
致検出回路２２にその差がプリセットされる。

【００１０】一致検出回路２２は具体的にはダウンカウ
ンタで構成されており、その出力はデジタルアナログ変
換器（以下Ｄ／Ａと略記する）２３にてアナログ電圧に
変えられる。このときスイッチ１９はＤ／Ａ２３側に切
換えておき、駆動回路２０を介して送りモータ２１を駆
動し、対物レンズ９、１／４波長板８、ミラー７等の光
学系を搭載した光学系移送台を移動させる。

【００１１】光学系移送台がディスク１上のトラックを
横切る方向に高速で移動している間、ハープスイッチ１
５は開としておく。差動増幅器１３の出力には、光学系
移送台が移動している間、対物レンズ９からの光束がそ
れまでに横切ったトラック数に応じたサイクル数の正弦
波状の波形が得られ、この信号を波形整形して得られる
パルス（すなわち横切ったトラックの数に対応した数の
パルス）がクロックパルスとして一致検出回路２２にダ
ウンモードで入力される。

【００１２】一致検出回路２２の出力はＤ／Ａ２３に入
力されており送りモータ２１はＤ／Ａ２３の出力電圧に
よって速度制御されながらディスク上の目的のトラック
番地まで光学系移送台を移動させる。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、光学系移送
台が高速で移動中に外部振動等で光学系の焦点制御回路
（以下フォーカス制御と略記する）の動作が不安定とな
り、フォーカス制御がはずれた場合には、トラッキング
誤差信号も得られず、一致検出回路２２にはクロックパ
ルスが入力されないため、減算動作は停止し、したがっ
てＤ／Ａ２３の出力には一定電圧が出力される。光学系
移送台はこのＤ／Ａ２３の出力電圧で制御されているか
ら光学系移送台は一定速度で高速移動し、目的の番地を
検索できなくなるという問題が生ずる。

【００１４】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、光学系移送台が高速で移動中にフォーカス
制御がはずれても、短時間に目的の番地が検索できる様
にした目標トラック位置検索装置を提供することにあ
る。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、回転ディスク上に記録された情報トラックか
ら信号を再生する信号再生手段と、該再生手段を回転デ
ィスク上の情報トラックを横切る方向に移動させる移動
手段と、移動している前記再生手段の再生出力から該再
生手段が情報トラックを横切る回数を検出して計数する
手段と、目標トラック位置を表わす所与の目標位置信号
と該計数手段による計数値とを比較して両者が一致した
とき前記移動手段による再生手段の移動を停止させる手
段とから成る回転ディスク上の目標トラック位置検索装
置において、

【００１６】前記信号再生手段のフォーカス制御が機能
しなくなったとき、そのことを検出する手段と、該検出
出力により、前記移動手段による再生手段の移動を一旦
停止させた後、再度フォーカス制御を動作させ、現在の
再生位置と目標位置との差をプリセットし直して、検索
動作を再開させる手段とを備えた。

【００１７】

【作用】本発明においては、フォーカスロック信号から
フォーカス制御のはずれを検出し、フォーカス制御がは
ずれた場合には、図４におけるＤ／Ａ２３の出力電圧を
零電圧にして光学系移送台を停止させ、再度番地識別信
号を読み直して検索を行なう。

【００１８】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面を用いて説明
する。図１は本発明の一実施例を示すブロック図で、図
４におけるのと同一機能の部分については同一符号をつ
けてある。図４の従来例においては説明を省略したが、
図１に示す様に光検出器１２の出力Ｐ３はビデオ信号処
理回路２５の他に、差動増幅器２９にも入力されてい
る。

【００１９】差動増幅器２９、位相補償回路３０、フォ
ーカスロック検出回路３５、駆動回路３２、レンズアッ
プ制御回路３４、フォーカス素子駆動コイル３３でフォ
ーカス制御回路を構成し、再生中のディスク１の面振れ
に対してディスク１面上の光スポット径が常に１．６μ
ｍとなる様に対物レンズ９を制御する。

【００２０】レンズアップ制御回路３４はプレーヤを再
生モードにしたときに、対物レンズ９を焦点位置まで上
昇させるための制御回路で、対物レンズ９の上昇につれ
て差動増幅器２９に出力される信号のレベルから、フォ
ーカスロック検出回路３５で対物レンズ９が焦点位置に
達したことを検出し、焦点位置に達したならばスイッチ
３１をＯＮにし、レンズアップ制御回路３４をＯＦＦに
して、フォーカス制御ループをＯＮにする。

【００２１】フォーカス制御回路がＯＮになり制御が正
常に動作している場合には、フォーカスロック検出回路
３５からはフォーカスロック信号が出力される。以後
は、差動増幅器２９に得られる誤差信号が小さくなる様
に位相補償回路３０、駆動回路３２、フォーカス素子駆
動コイル３３が動作する。

【００２２】検索制御回路２８は例えば図２の様な構成
となっている。検索モードのときにはレジスタ３６に現
在再生しているトラック番地と目標番地との差分がマイ
コン２４からプリセットされる。高速検索制御信号がマ
イコン２４によってＯＮされると、ＵＰ／ＤＯＷＮカウ
ンタ３９にはまずレジスタ３６のＤＡＴＡが設定され、
図３の（ａ）に示す様なトラッキング誤差信号が波形整
形回路３７、ＡＮＤ回路３８を介してクロックパルスと
してＵＰ／ＤＯＷＮカウンタ３９にＤＯＷＮモードで入
力される。

【００２３】ＵＰ／ＤＯＷＮカウンタ３９の各段の出力
はリードオンリーメモリ４１のアドレス信号として利用
され、アドレスデコード回路４０を介してリードオンリ
ーメモリ４１に入力される。リードオンリーメモリ４１
の出力はＤ／Ａ変換回路２３を介して、Ｄ／Ａ変換され
て、光学系移送台の速度制御電圧となる。

【００２４】フォーカスロック検出回路３５から出力さ
れるフォーカスロック信号は、図２に示す様に、高速検
索制御回路２８のたとえばアドレスデコード回路４０に
入力されている。フォーカス制御がロックしている状態
では、アドレスデコード回路４０はＵＰ／ＤＯＷＮカウ
ンタ３９の出力に応じて、リードオンリーメモリ４１の
アドレスを順次切換える様に動作し、この動作はＵＰ／
ＤＯＷＮカウンタ３９が減算されてＢｏｒｒｏｗが発生
するまで行なわれる。

【００２５】このときの光学系移送台の移動速度はリー
ドオンリーメモリ４１に記憶されたパターンによって制
御され、たとえば図３の（ｂ）の様に目標位置に近づく
につれて、しだいに減少する様な関数に設定してある。

【００２６】しかし、高速検索の途中でフォーカス制御
のロックがはずれた場合には、図３の（ｃ）の様にＤ／
Ａ変換器２３の出力が零電圧になる様に、リードオンリ
ーメモリ４１のアドレスをアドレスデコード回路４０を
介して切換える。光学系移送台はリードオンリーメモリ
４１の出力をＤ／Ａ変換した電圧で速度制御する様にさ
れているから、フォーカスロックがはずれた時点で光学
系移送台は移動を停止させられる。

【００２７】その後マイコン２４は再度フォーカス制御
をＯＮにしてフォーカス制御を動作させたあと現在の再
生番地を読み直して目標位置との差分をプリセットしな
おして高速検索を行なう。

【００２８】

【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、目
標トラック位置検索装置において、フォーカスロック信
号でメモリのアドレス信号を切換える様にする簡単な構
成で、高速検索時にフォーカス制御がはずれて光学系移
送台が暴走することを防ぐことができ、短時間で目的の
番地を検出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図２】図１における検索制御回路２８の詳細ブロック
図である。

【図３】図１の回路において高速検索時の各部動作波形
を示す波形図である。

【図４】従来の目標トラック位置検索装置を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】 １…ディスク、２…回転用モータ、３…レーザダイオー
ド、６…偏光ダイオード、９…収束レンズ、１２…光検
出器、１３，２９…差動増幅器、２１…送りモータ、２
２…一致検出回路、２３…Ｄ／Ａ変換器、２４…マイク
ロコンピュータ、２６…同期分離回路、２７…番地識別
回路、３４…レンズアップ制御回路、３５…フォーカス
ロック検出回路、３６…レジスタ回路、３９…ＵＰ／Ｄ
ＯＷＮカウンタ、４０…アドレスデコード回路、４１…
リードオンリーメモリ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 義 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メディア研究所内 (72)発明者 高山 千春 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立画像情報システム内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転ディスク上に記録された情報トラッ
   クから信号を再生する信号再生手段と、該再生手段を回
   転ディスク上の情報トラックを横切る方向に移動させる
   移動手段と、移動している前記再生手段の再生出力から
   該再生手段が情報トラックを横切る回数を検出して計数
   する手段と、目標トラック位置を表わす所与の目標位置
   信号と該計数手段による計数値とを比較して両者が一致
   したとき前記移動手段による再生手段の移動を停止させ
   る手段とから成る回転ディスク上の目標トラック位置検
   索装置において、 前記信号再生手段のフォーカス制御が機能しなくなった
   とき、そのことを検出する手段と、該検出出力により、
   前記移動手段による再生手段の移動を一旦停止させた
   後、再度フォーカス制御を動作させ、現在の再生位置と
   目標位置との差をプリセットし直して、検索動作を再開
   させる手段とを備えたことを特徴とする目標トラック位
   置検索装置。