JPH07157527A - 自己乳化型ウレタンエマルションの製造方法 - Google Patents

自己乳化型ウレタンエマルションの製造方法

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JPH07157527A
JPH07157527A JP33976093A JP33976093A JPH07157527A JP H07157527 A JPH07157527 A JP H07157527A JP 33976093 A JP33976093 A JP 33976093A JP 33976093 A JP33976093 A JP 33976093A JP H07157527 A JPH07157527 A JP H07157527A
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emulsion
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urethane
resins
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JP33976093A
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Seiji Kawamura
誠司 河村
Tsugio Kimura
次雄 木村
Hiroo Yamamori
博夫 山盛
Masao Nitta
正夫 新田
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】疎水性表面を持つポリプロピレン、ポリエチレ
ン等の各種プラスチック基材に対しても優れた密着性有
し、耐水性、耐溶剤性に優れ、さらに貯蔵安定性に優れ
たウレタンエマルションの製造方法の提供。 【構成】ポリオール、ポリイソシアネート及び酸ジオー
ルを反応させて得られるカルボキシル基と未反応イソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーに、ロジン樹
脂、テルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる1種以上の
樹脂を添加した液状組成物を中和し、ついで中和液状組
成物を水性媒体中でエマルション化しつつ又はエマルシ
ョン化した後、液状組成物中の中和ウレタンプレポリマ
ーの架橋反応を行なうか、若くは中和ウレタンプレポリ
マーの架橋反応の後に架橋ポリウレタン液状組成物を水
性媒体中でエマルション化する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロジン樹脂、テルペン
樹脂及び石油樹脂から選ばれる1種以上をエマルション
粒子内に有する自己乳化型ウレタンエマルションの製造
方法に関するものであり、本発明により得られるエマル
ションは、顔料分散性に優れ、その塗膜は疎水性表面を
持つポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック基
材に対しても優れた密着性を有し、且つ耐水性に優れる
ものであり、コーティング剤又は印刷インク等として賞
用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、被包装物の多様化、包装技術の多
様化により、各種の包装材料用プラスチック基材が開発
されている。これらの包装材料には、通常印刷や表面保
護のためにコーティング又は印刷が施されているが、こ
れら各種のプラスチック基材に対する、密着性等の種々
の性能が要求されるようになってきている。包装材料用
プラスチック基材のコーティング剤又は印刷インク(以
下単にコーティング剤という)としては、有機溶剤系、
水系のものがある。有機溶剤系のコーティング剤は、種
々のプラスチック基材に対して優れた密着性を有するも
のの、有機溶剤による人体や環境への悪影響等の問題が
あり、この様な悪影響が少ないという点から水系コーテ
ィング剤に移行しつつある。しかしながら、従来の水系
コーティング剤は密着性等の諸性能が充分でなく、種々
の水系コーティング剤が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水性コーティング剤と
しては、例えば、アクリル樹脂系エマルションがあり、
耐候性に優れるためにトップコーティング剤又は塗料等
の用途に使用されている。しかし、アクリル樹脂系エマ
ルションは、耐摩耗性、ブロッキング性、耐水性に劣
り、かかる物性が要求される用途には使用し難いという
問題がある。このアクリル樹脂系エマルションの欠点を
解決するものとして、界面活性剤を用いることなく樹脂
をエマルション化された、自己乳化型ウレタンエマルシ
ョンが知られている。しかしながら、従来の自己乳化型
ウレタンエマルションは、疎水性表面を持つポリエチレ
ン、ポリプロピレンフィルム等との密着性に劣り、この
物性が要求される用途には使用し難いという問題があ
る。
【0004】従来の水性コーティング剤が有する欠点を
改良する、この他の水性コーティング剤の製造方法とし
ては、(1)ロジンエステル樹脂、炭化水素樹脂又はポ
リアミド樹脂を界面活性剤を使用して水中に安定化させ
たエマルションとウレタンエマルションを混合する方法
(特開平3−7783号)及び(2)オレフィン系樹脂
とウレタンエマルションとを混合する方法(特開平3−
124779号)等が提案されている。しかしながら、
(1)の製造方法で得られる水性コーティング剤は、ロ
ジンエステル樹脂等の影響により、疎水性表面を持つポ
リエチレン、ポリプロピレンフィルム等との密着性が多
少改善されるものの、ロジンエステルを水中に安定に分
散させるために界面活性剤を使用しているため、耐水
性、耐溶剤性が低下したり、界面活性剤が経時的に塗膜
表面への移行するため塗膜の透明性が低下し、さらには
基材への密着性も低下してしまうという問題が有り、コ
ーティング剤への利用を考えた場合十分なものであると
は言えない。又、(2)の製造方法で得られる水性コー
ティング剤は、塩素化ポリプロピレン等のオレフィン系
樹脂の影響により、ポリエチレン、ポリプロピレンフィ
ルム等への密着性が多少は改善されるものの、エマルシ
ョンを貯蔵しておくと樹脂が析出してしまうという貯蔵
安定性の問題を有し、これを解決するために界面活性剤
が使用されるが、界面活性剤を使用すると前記(1)の
製造方法と同様の問題、即ち耐水性、耐溶剤性の低下、
皮膜の透明性の低下等の問題が発生してしまう。本発明
者らは、従来のコーティング剤が有していた前記問題を
解決する、疎水性表面を持つポリプロピレン、ポリエチ
レン等の各種プラスチック基材に対しても優れた密着性
有し、耐水性、耐溶剤性に優れ、さらに貯蔵安定性に優
れたウレタンエマルションの製造方法を見出すため鋭意
検討を行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオール、
ポリイソシアネート及び酸ジオールを反応させて得られ
るカルボキシル基と未反応イソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーに、ロジン樹脂、テルペン樹脂及び
石油樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を添加した液状組
成物を中和し、ついで中和液状組成物を水性媒体中でエ
マルション化しつつ又はエマルション化した後、液状組
成物中の中和ウレタンプレポリマーの架橋反応行なう
か、若くは液状組成物中の中和ウレタンプレポリマーの
架橋反応の後に架橋ポリウレタン液状組成物を水性媒体
中でエマルション化することを特徴とする自己乳化型ウ
レタンエマルションの製造方法に関するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0006】○カルボキシル基と未反応イソシアネート
基を有するウレタンプレポリマー本発明の自己乳化型ウ
レタンエマルションの製造方法において使用される、カ
ルボキシル基と未反応イソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマー(以下単にウレタンプレポリマーとい
う)は、下記ポリオール、ポリイソシアネート及び酸ジ
オールとの反応により得られるものである。
【0007】・ポリオール ポリオールとしては、従来知られた種々のものを使用す
ることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、水添ビスフェノールA及び
ビスフェノールAのエチレンオキサイド或いはプロピレ
ンオキサイド付加物等の低分子量グリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテ
トラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及
びシクロヘキシルジメタノール等の多価アルコールとマ
レイン酸、コハク酸、アジピン酸及びフタル酸等の多価
カルボン酸との脱水反応で得られるか、又はプロラクト
ン等の環状エステルの開環重合反応で得られるポリエス
テルポリオール、並びにポリカーボネートジオール等の
ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0008】・ポリイソシアネート ポリイソシアネートとしては、従来知られた種々のもの
を使用することができ、具体的には、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び
m−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、1,4シクロヘキサメチレンジ
イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0009】・酸ジオール 酸ジオールとしては、従来知られた種々のものを使用す
ることができ、具体的には2,2−ジメチロールプロピ
オン酸、2,2−ジメチロール酪酸及び2,2−ジメチ
ロール吉草酸等が挙げられる。
【0010】・製造方法 ウレタンプレポリマーの製造方法としては、例えば、ポ
リオール、ポリイソシアネート及び酸ジオールを反応さ
せウレタン化する方法がある他、ポリオールとポリイシ
ソシアネートをまず反応させウレタン化した後、この反
応生成物と酸ジオールを反応させてさらにウレタン化す
る方法もあり、後者の方法は、副反応が少ないという点
で本発明にとり好ましい。後者の方法により得られるウ
レタンプレポリマーは、理論的には両末端に未反応イソ
シアネート基を有するものである。尚、各ウレタン化反
応は、いずれも無溶剤で又は有機溶剤中で、触媒の存在
下又は非存在下で、攪拌下に反応温度40〜100℃で
2〜8時間加熱することにより容易に行うことができ
る。
【0011】ウレタン化において有機溶剤を使用する場
合は、酸ジオールを溶解することができるという理由で
水溶性有機溶剤が好ましく、具体例としては、アセト
ン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド及びメチルエチルケトン等が挙げられる。この場合、
水酸基又はカルボキシル基等の活性水素を有する溶剤
は、イソシアネート基と反応してしまうため、活性水素
を有しないものが好ましい。
【0012】ウレタン化反応で使用できる触媒として
は、例えばトリエチレンジアミン、トリエチルアミン、
N−メチルモルホリン及びN,N,N’,N’−テトラ
メチル−プロピレンジアミン等の第3級アミン、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等の
アミジン、オクテン酸スズ及びジブチルスズラウリレー
ト等のスズ化合物、並びにTi,Na,K,V,Fe,
Mn,Pb等の金属塩等が挙げられる。触媒の添加量と
しては、各原料の合計量100部に対して、0.000
1〜0.001部が好ましい。
【0013】ポリオール及び酸ジオール(以下ポリオー
ル混合物という)とポリイソシアネートの好ましい反応
割合は、ポリオール混合物中の水酸基合計量とポリイソ
シアネート中のイソシアネート基のモル比に於いて、イ
ソシアネート基が過剰になる割合であり、具体的にはイ
ソシアネート基1.0モル当たり、水酸基0.4〜0.
99モルの比率が好ましく、より好ましくは0.5〜
0.7モルである。水酸基の割合が0.4モルに満たな
い場合には、未反応ポリイソシアネートの割合が多くな
ってしまい、他方0.99モルを越える場合には、分子
量が大きくなり過ぎたり、ウレタンプレポリマー中の未
反応イソシアネート基の割合が低くなってしまう。
【0014】酸ジオールの反応割合は、最終的に生成す
るウレタンプレポリマーの2〜15重量%であることが
好ましい。酸ジオールの割合が2重量%に満たない場合
は、得られるエマルションが水中で不安定なものになる
ことがあり、他方15重量%を越える場合には、得られ
るウレタンプレポリマーの親水性が高くなりすぎ、ゲル
化することがある。
【0015】ウレタンプレポリマーは、無溶剤の状態又
は有機溶剤溶液として得られるが、無溶剤状態のウレタ
ンプレポリマーは、ロジン樹脂、テルペン樹脂及び石油
樹脂から選ばれる1種以上を添加する前に、前記したア
セトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド、及びメチルエチルケトン等の水溶性有機溶剤に
溶解することが好ましい。
【0016】○ウレタンエマルションの製造方法 本発明の自己乳化型ウレタンエマルションの製造方法
は、前記ウレタンプレポリマー、好ましくはウレタンプ
レポリマーの有機溶剤溶液に、ロジン樹脂、テルペン樹
脂及び石油樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を添加した
液状組成物に、中和剤を添加してロジン樹脂及び/又は
ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を中和した後、
ついで該中和液状組成物を水性媒体中でエマルション化
しつつ又はエマルション化した後、液状組成物中のイソ
シネート基と鎖伸張剤を反応させ架橋反応を行わせる方
法、若くは中和後の液状組成物中のイソシネート基と鎖
伸張剤とを反応させた後に、得られた架橋ポリウレタン
液状組成物を水性媒体中でエマルション化する方法であ
る。エマルション化は、中和液状組成物又は架橋ポリウ
レタン液状組成物を水性媒体中で攪拌することによって
行なわれる。その際の攪拌は、常法に従って行なえば良
い。
【0017】ウレタンプレポリマーに、ロジン樹脂、テ
ルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる樹脂の1種以上を
添加する際、これらの樹脂がウレタンプレポリマーの製
造で使用された有機溶剤に可溶な場合は、これらの樹脂
を直接もしくは該有機溶剤に溶解して添加することが好
ましい。又、これらの樹脂が、ウレタンプレポリマーの
製造で使用された有機溶剤に不溶な場合は、これらの樹
脂が可溶なその他の溶剤を使用し溶解した後添加するこ
とが好ましい。その他の溶剤としては、トルエン等の芳
香族系有機溶剤、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤、
ケトン系有機溶剤等が挙げられる。
【0018】ロジン樹脂、テルペン、石油樹脂として
は、従来知られた種々のものが使用可能である。ロジン
樹脂の具体例としては、ガムロジン、トール油ロジン、
ウッドロジン及びこれらから得られる水素添加物、不均
化物、重合物等のロジン誘導体が挙げられ、テルペン樹
脂の具体例としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペン
テン系及びテルペンフェノール系等が挙げられ、石油樹
脂の具体例としては、脂肪族系、芳香族系、脂肪族芳香
族共重合系及び脂環族系の石油樹脂等が挙げられる。
【0019】ロジン樹脂、テルペン樹脂及び石油樹脂か
ら選ばれる樹脂の添加量としては、使用する全樹脂量に
対して5重量%〜30重量%が好ましく、これにより疎
水性表面を持つポリプロピレン、ポリエチレン等の各種
プラスチック基材に対して、密着性、耐水性等に優れた
安定な自己乳化型エマルションが得ることができる。こ
れらの樹脂の添加量が5重量%に満たない場合は、得ら
れるエマルションが基材との密着性、耐水性等が劣る場
合があり、他方30重量%を越える場合は、良好なエマ
ルションを形成できなくなる恐れがある。
【0020】次に、ロジン樹脂、テルペン樹脂及び石油
樹脂から選ばれる樹脂、並びにウレタンプレポリマーか
らなる液状組成物に、中和剤を添加し、ロジン樹脂及び
/又はウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和
する。中和において使用できる中和剤としては、アンモ
ニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、トリブチルアミン及びトリエタノールアミ
ン等の三級アミン、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。れらの中で
も三級アミンが、得られる膜物性に悪影響を及ぼすこと
がないため好ましい。中和剤の添加方法としては、ロジ
ン樹脂、テルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる樹脂、
並びにウレタンプレポリマーからなる液状組成物に、中
和剤を直接或いは水溶液として添加する。本発明では、
安定なエマルションを形成させることができるという理
由で、液状組成物に中和剤を直接添加することが好まし
い。中和剤の添加量としては、ロジン樹脂及び/又はウ
レタンプレポリマー中のカルボキシル基の合計量に対し
て0.5〜2.5倍当量が好ましい。中和剤の添加量が
0.5倍当量に満たない場合には安定なエマルションが
得られない場合があり、他方2.5倍当量を越える場合
には、中和剤の種類によっては、膜物性に悪影響を及ぼ
すことがある。
【0021】上記液状組成物の中和の後、中和液状組成
物に攪拌下で水を加えてエマルション化し、これに鎖伸
張剤を加えて架橋反応を行うか、又は中和液状組成物に
攪拌下で鎖伸張剤の水溶液を加えエマルション化と同時
に液状組成物中の中和ウレタンプレポリマーの架橋を行
うか、若くは中和液状組成物に攪拌下で鎖伸張剤を加え
て中和液状組成物中の中和ウレタンプレポリマーの架橋
を行い、得られた架橋ポリウレタン液状組成物に攪拌下
で水を加えてエマルション化する。架橋反応により、ウ
レタンプレポリマーの分子量が増加し、耐溶剤性などの
性質を発揮させることができる。鎖伸張剤としては、液
状組成物中の中和ウレタンプレポリマーのイソシアネー
ト基に対する反応性が水より高いアミン系鎖伸張剤が好
ましく、具体的には多官能アミンが好ましい。
【0022】多官能性アミンとしては、種々のものが使
用でき、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、シクロオヘキシレ
ンジアミン、フェニレンジアミン及びトルエンジアミン
等が挙げられる。
【0023】鎖伸張剤の使用量は、ウレタンプレポリマ
ーの製造に用いたポリイソシアネート中のイソシアネー
ト基1モルに対して、0.01〜0.4モルが好まし
い。鎖伸張剤の使用量が0.01モルに満たないと、コ
ーティング剤又はインクとして使用する場合、十分な膜
物性が得られないことがあり、0.4モルを越える場合
には、ウレタンポリマーの分子量が大きくなり過ぎ、得
られるエマルションが不安定なものになることがある。
【0024】エマルション中の水の量は、最終生成物の
自己乳化型ウレタンエマルションの固形分濃度が30〜
55重量%程度になる量が好ましい。
【0025】○使用方法 本発明により得られる、ロジン樹脂、テルペン樹脂及び
石油樹脂から選ばれる1種以上の樹脂をエマルション粒
子内に有する自己乳化型ウレタンエマルションは、その
まま使用することも可能であり、必要に応じて有機溶剤
を減圧下で除去して使用することも可能である。有機溶
剤として、ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−
ピロリドン等の比較的沸点の高い水溶性の有機溶剤を使
用する場合には、有機溶剤を含んだ状態で使用すること
が望ましい。
【0026】本発明により得られる自己乳化型ウレタン
エマルションには、必要に応じて顔料、染料、増粘剤、
レベリング剤、熱安定剤、UV吸収剤、酸化防止剤、有
機溶剤、消泡剤等を配合することが可能であり、又得ら
れる塗膜に悪影響を与えない範囲で、界面活性剤を配合
することもできる。本発明により得られる自己乳化型ウ
レタンエマルションの用途としては、コーティング剤、
塗料、印刷インク等に用いることが可能であり、特に印
刷インクとして好適に使用することができる。又、該エ
マルションは、布、皮、紙、木材、金属又はプラスチッ
ク等の種々の基材に対して使用することが可能であり、
特に疎水性表面を持つポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリエステル、ナイロン等の各種プラスチック基材に対
し好適に使用することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。 実施例1 還流冷却管、温度計、及び撹拌装置を取り付けた反応器
に、分子量2000のポリカーボネートジオール62.
6g(0.031mol)、イソホロンジイソシアネー
ト29.4g(0.132mol)、ジブチルスズラウ
リレート0.0002g及びメチルエチルケトン50g
を入れ、80℃で2時間ウレタン化反応を行い、プレポ
リマーを製造した。この反応液にさらに、ジメチロール
プロピオン酸6.0g(0.045mol)加え、さら
に80℃で5時間反応を行ったところ、148.0g
(固形分65.4重量%)のウレタンプレポリマーを得
た。(以下 プレポリマーAとする) 次いで、このプレポリマーAに、テルペン重合体(安原
油脂工業社製 YSレジンPX−1150)11gをト
ルエン22g溶解させた溶液を添加した。この溶液に、
トリエチルアミン(0.067mol)を加え中和した
後、ジエチレントリアミン(0.006mol)を蒸留
水206gに溶解させた水溶液を添加して架橋反応を行
なった。反応後、減圧下でメチルエチルケトンを除去し
たところ、樹脂固形分濃度34%、粘度300cps/
25℃の自己乳化型ウレタンエマルションを得た。
【0028】実施例2 実施例1のプレポリマーA144.5gに、重合ロジン
〔理化ハーキュレス(株)製ペンタリンK〕11gをト
ルエン22gに溶解させた溶液を、液温60℃で添加し
た。この溶液を、実施例1と同様に、中和、架橋反応を
行い、メチルエチルケトンを除去したところ、樹脂固形
分濃度38%、粘度250cps/25℃の自己乳化型
ウレタンエマルションを得た。
【0029】実施例3 実施例1のプレポリマーA144.5gに、石油樹脂
〔日本ゼオン社(株)製、クイントン1525L〕11
gをトルエン22gに溶解させた溶液を、液温60℃で
添加した。この溶液を、実施例1と同様に、中和、架橋
反応を行い、メチルエチルケトンを除去したところ、樹
脂固形分濃度39%、粘度300cps/25℃の自己
乳化型ウレタンエマルションを得た。
【0030】実施例4 実施例1のプレポリマーA144.5gに、テルペン重
合体〔安原油脂工業(株) YSレジンPX−115
0〕22gをトルエン44gに溶解させた溶液を、液温
60℃でを添加した。この溶液に、実施例1と同様に、
中和、架橋反応を行い、メチルエチルケトンを除去した
ところ、樹脂固形分濃度37%、粘度800cps/2
5℃の自己乳化型ウレタンエマルションを得た。
【0031】比較例1 実施例1と同様の反応器に、分子量2000のポリカー
ボネートジオール62.6g(0.031mol)、イ
ソホロンジイソシアネート29.4g(0.132mo
l)、ジブチルスズラウリレート0.0002g及びメ
チルエチルケトン50gを入れ、80℃で2時間ウレタ
ン化反応を行い、プレポリマーを製造した。この反応液
にさらに、ジメチロールプロピオン酸6.0g(0.0
45mol)を加え、さらに80℃で5時間反応を行っ
た。次いで、このプレポリマー151g(固形分66.
9重量%)に、トリエチルアミン(0.044mol)
を加え中和した後、ジエチレントリアミン(0.006
mol)を蒸留水186gに溶解させた溶液を添加して
架橋反応を行なった。反応後、減圧下でメチルエチルケ
トンを除去することにより、樹脂固形分濃度40%、粘
度200cps/25℃の自己乳化型ウレタンエマルシ
ョンを得た。(以下ウレタンエマルションAという)
【0032】比較例2 ウレタンエマルションAとロジン系エマルション〔東邦
化学工業(株)製、HIMAX RE−210 樹脂固
形分 60%〕を樹脂比80:20(重量比)の割合で
添加撹拌し樹脂固形分42.9%、粘度400cps/
25℃の乳白色のエマルションを得た。
【0033】比較例3 ウレタンエマルションAと炭化水素系エマルション〔五
協産業(株)製、MGF−A−100 樹脂固形分 6
0%〕を樹脂比80:20(重量比)の割合で添加撹拌
し樹脂固形分42.9% 粘度250cps/25℃の
乳白色エマルションを得た。
【0034】 ○性能評価 実施例1〜4及び比較例1〜3で得られたウレタン系エ
マルションを印刷用バインダーとして用い、それぞれの
樹脂性能の評価を行った。 (インク) ・酸化チタン(ルチル型) 40重量部 ・実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた 15重量部(固形分) ウレタン系エマルション ・イソプロピルアルコール 10重量部 からなる組成物に、35重量部の水を添加し、それぞれ
をペイントコンディショナーで練肉して白色印刷インク
を調製した。この後、バーコターNo,10を使用し、
厚さ20μmのコロナ放電処理延伸ポリプロピレンフィ
ルムの放電処理面(以下、OPPと略す)、及び厚さ1
5μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと
略す)の片面に印刷して40℃で乾燥し印刷フィルムを
得た。
【0035】(顔料分散性の評価)前記処方により得ら
れた印刷インクの粘度により顔料分散性を評価した。 ○ :粘度100cps以下 (25℃) △ :粘度100〜500cps(25℃) × :粘度500cps以上 (25℃) 評価結果を表1に示す。
【0036】(接着性の評価)乾燥後及び1日放置後の
印刷フィルムの印刷面に紙テープを貼り付け、これを急
速にはがしたときの状態によって、以下の評価を行っ
た。 ◎ :100%印刷皮膜が残ったもの ○ :50%以上の印刷皮膜が残ったもの △ :50%以下の印刷皮膜が残ったもの × :100%印刷皮膜が残らなかったもの 結果を表1及び表2に示す。
【0037】(耐揉み性、湿潤時の耐揉み性の評価)乾
燥後及び1日放置後の印刷フィルム及び、前記印刷フィ
ルムを20℃の水に30分浸漬した後、耐揉み試験機を
用い、荷重1Kg、速度25回/min、の条件で50
回耐揉み試験を行い、以下の評価を行った。 ◎ :100%印刷皮膜が残ったもの ○ :50%以上の印刷皮膜が残ったもの △ :50%以下の印刷皮膜が残ったもの × :100%印刷皮膜が残らなかったもの 結果を表1及び表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明により得られる自己乳化型ウレタ
ンエマルションは、コーティング剤、又は印刷インクと
して使用する場合、安定性及び顔料分散性に優れ、その
塗膜は疎水性表面を持つポリプロピレン、ポリエチレン
等のプラスチック基材に対しても優れた密着性を有し、
且つ耐水性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 正夫 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオール、ポリイソシアネート及び酸ジ
    オールを反応させて得られるカルボキシル基と未反応イ
    ソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、ロジ
    ン樹脂、テルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる1種以
    上の樹脂を添加した液状組成物を中和し、ついで中和液
    状組成物を水性媒体中でエマルション化しつつ又はエマ
    ルション化した後、液状組成物中の中和ウレタンプレポ
    リマーの架橋反応を行なうか、若くは液状組成物中の中
    和ウレタンプレポリマーの架橋反応の後に架橋ポリウレ
    タン液状組成物を水性媒体中でエマルション化すること
    を特徴とする自己乳化型ウレタンエマルションの製造方
    法。
JP33976093A 1993-12-06 1993-12-06 自己乳化型ウレタンエマルションの製造方法 Pending JPH07157527A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427691B1 (ko) * 2001-02-10 2004-04-27 중앙방수기업주식회사 바닥재용 폴리우레탄수지 조성물 및 그 제조방법
JPWO2007077843A1 (ja) * 2005-12-28 2009-06-11 三井化学株式会社 コート材

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