JPH07157464A - ポリオキシプロピレンアルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーの処理法 - Google Patents

ポリオキシプロピレンアルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーの処理法

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JPH07157464A
JPH07157464A JP30560093A JP30560093A JPH07157464A JP H07157464 A JPH07157464 A JP H07157464A JP 30560093 A JP30560093 A JP 30560093A JP 30560093 A JP30560093 A JP 30560093A JP H07157464 A JPH07157464 A JP H07157464A
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aqueous slurry
poes
alkyl ether
ether sulfate
polyoxypropylene alkyl
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JP30560093A
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Inventor
Shigeyuki Miyamoto
茂之 宮本
Tomokatsu Kusumi
智勝 楠見
Kazunori Aizawa
一徳 相澤
Yukinaga Yokota
行永 横田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリオキシプロピレンアルキルエーテル硫酸
塩の水性スラリーの脱臭処理方法を提供する。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中Rは炭素数8〜20の直鎖状あるいは分枝状のア
ルキル基、xはプロピレンオキシドの平均付加モル数で
1〜10、Mは1価又は2価のカチオン、nはMの価数
を示す)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエー
テル硫酸塩の約50〜75重量%の水性スラリー溶液を
20〜100℃で水蒸気と共に薄膜蒸発器に供給して、
脱臭処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性スラリーの処理法
に関する。更に詳しくは、本発明はポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーを工業生産可
能な方法で、廉価に脱臭処理する方法に関する。また、
本発明で得られる水性スラリーは、界面活性剤として、
例えば、シャンプー、食器用洗剤、衣料用液体洗剤など
に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤として公知の、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を配合した系で
は、良好な起泡性、洗浄性を示すものの、低温安定性、
溶液物性面においては、十分満足しうるものではなかっ
た。そこで本出願人は起泡性、洗浄性を持ち、かつ低温
安定性、溶液物性の良好な界面活性剤として、一般式
(I)
【0003】
【化2】 (式中Rは炭素数8〜20の直鎖あるいは分枝を有する
アルキル基、xはプロピレンオキシドの平均付加モル数
で1〜10、Mはアルカリ金属、マグネシウム、アンモ
ニウム、脂肪族のアルカノールアミン、nはMの価数を
示す)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル硫酸塩(以下POESと略す)が前記要求を満足する活性
剤である事を見いだし出願した(特開平第5-97633号公
報参照)。
【0004】このPOESは、まず直鎖あるいは分枝の高級
アルコールに、アルカリなどの触媒の存在下で、プロピ
レンオキシドを付加させて、一般式(II)
【0005】
【化3】 で示されるポリオキシプロピレンアルキルエーテルを得
る。次にこれをクロルスルホン酸又は無水硫酸で硫酸化
し、次いでアルカリにより中和し調製することによって
得られる。しかしこの方法で得られたPOESは、硫酸化時
の副生物である、低級アルデヒド、低級ケトン、環状エ
ーテルなどの有臭成分を含んでおり、臭いが非常に強く
実際の使用上問題となっており、無臭化が望まれてい
た。
【0006】なお、前述した洗剤などに常用されている
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩について
も、POESと同様に臭いの低減が一つの課題となってい
る。そのため、無臭化の技術として、還元剤の添加(特
公昭47-27495号)、未反応アルコールの低減(特公昭51
-43483号)、薄膜式の蒸発器による減圧処理(特公昭62
-32743号)、ヒドロキシ化合物の添加(特公昭62-1390
号)硫酸化時の水分量の調整(特公昭62-1391号)、エ
チレンオキシド付加時の塩基触媒の中和に乳酸又は乳酸
塩を用いる(特公平2-48541 号、特公平05-17223号)、
エチレンオキシド鎖長分布の調整(特開平2-4762)など
非常に多く検討されている。しかしながら、いまだ脱臭
技術が確立されているとはいいがたく、逆に脱臭化の技
術がいかに難しいものであるかをものがたっている。
【0007】一方、POESについては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩とは構造及び製造法が類似し
ているものの、製造直後の臭いは、POESの方がはるかに
強く、臭いの原因及びその量も異なると考えられ、事実
上記したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の
脱臭技術をそのまま適用しても十分な脱臭は出来ず、PO
ESに適応した脱臭技術の確立が強く望まれている。しか
しその脱臭方法をはじめ、その溶液物性すらほとんど知
られていず、基本物性からの検討が必要とされる状況下
にあった。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】かくして、本発
明によれば、一般式(I)
【0009】
【化4】 (式中Rは炭素数8〜20の直鎖状あるいは分枝状のア
ルキル基、xはプロピレンオキシドの平均付加モル数で
1〜10、Mは1価又は2価のカチオン、nはMの価数
を示す)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエー
テル硫酸塩の約50〜75重量%の水性スラリー溶液を
20〜100℃で水蒸気と共に薄膜蒸発器に供給して、
脱臭処理することを特徴とするポリオキシプロピレンア
ルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーの処理法が提供さ
れる。
【0010】この発明の発明者らは、脱臭処理すべきPO
ESの溶液物性を調べたところ、次のような物性をPOESが
有していることを見いだした。すなわち、POESは、使用
されるPOESの種類によって若干相違するものの、その有
効成分濃度が30重量%までは水溶液である。しかし、
30重量%を超えると、ゲル状となり流動性がなくな
り、ハンドリングが困難となる。ところが、更に濃度を
上げていくと、約50重量%台から再び流動性を示すよ
うになり、約75重量%を超えると再び流動性がなくな
るという物性を有していることを見いだした。
【0011】つまり、本発明は、POESの有効成分濃度が
約50〜75重量%の高濃度の範囲内では、粘度の極少
点が存在し、この領域において、特定条件の下、水蒸気
を吹き込むことにより、効率のよい脱臭が可能なことを
見い出しなされたものである。この発明に使用される一
般式(I)のPOESの各定義において、詳細は次の通りで
ある。
【0012】「炭素数8〜20の直鎖状或は分枝状のア
ルキル基」としては、たとえば、オクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル、ノナデシル、イコシルなどの直鎖アルキル
基、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどの側鎖
を有する分枝状アルキル基が挙げられる。
【0013】「1価又は2価のカチオン」としては、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属及び脂肪族アルカノール
アミンなどが含まれる。まず、「アルカリ金属」の好ま
しい例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
が挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。次に、「アル
カリ土類金属」の好ましい例としては、マグネシウム、
カルシウムなどが挙げられる。特に、マグネシウムが好
ましい。
【0014】更に、「脂肪族アルカノールアミン」とし
ては、メタノールアミン、エタノールアミンなどの1級
アルカノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノー
ルアミンなどの2級アルカノールアミン、トリメタノー
ルアミン、トリエタノールアミンなどの3級アルカノー
ルアミンが挙げられる。以上に挙げたPOESは、単独でも
複数種組み合わせてもこの本発明に適用することができ
る。
【0015】特に好ましいPOESとしては、Rの炭素数1
0〜16の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、xが2
〜4、Mはアルカリ金属或いはアンモニウムの場合であ
る。この発明に使用することのできるPOESは、公知の方
法、例えば特開平第5−97633号公報に記載の方法
で製造することができる。すなわち、所望のPOESに対応
する高級アルコールに、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ触媒の存在下で、プロピレンオキシ
ドを所定モル数付加させて、一般式(II)
【0016】
【化5】 で示されるポリオキシプロピレンアルキルエーテルを得
る。ポリオキシプロピレンアルコールエーテル合成に使
用される原料である高級アルコールとしては、直鎖一
級、分枝一級の炭素数8〜20、好ましくは10〜16
の範囲の高級アルコールを使用することができる。
【0017】これらの高級アルコールには、抹香油、ヤ
シ油、牛脂などから誘導された天然アルコールや、オキ
ソ法によってオレフィン、一酸化炭素及び水素からコバ
ルトを触媒として合成されたアルコールあるいは、チー
グラー法、パラフィン酸化法またはノルマルパラフィン
水和法によって製造された合成アルコールなども使用す
ることができる。
【0018】ポリオキシプロピレンアルキルエーテルの
合成の際に、プロピレンオキシド付加時に使用されたア
ルカリ触媒は、通常有機酸(酢酸、乳酸、グリコール酸
など)で中和されるが、このアルカリ触媒を、中和せず
に硫酸化反応原料としてそのまま使用してもよい。
【0019】この様にして調製したポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテルを、クロルスルホン酸、無水硫酸ガ
スなどで硫酸化する。このとき、副生物の生成の抑制及
び硫酸化反応率の向上の点から、好ましい反応モル比
(硫酸化剤/ポリオキシプロピレンアルキルエーテル)
は0.95〜1.05であり、より好ましくは0.97〜1.01であ
る。ここで反応モル比が0.95以下となると反応率が低下
し、起泡性を有しないポリオキシプロピレンアルキルエ
ーテルが多く残ることとなる。また反応モル比が1.05を
超えると副生物である有臭成分( 例えば、低級アルデヒ
ド、低級ケトン、環状エーテルなど) がより多く生成
し、脱臭時の負荷が大きくなるので好ましくない。
【0020】硫酸化の反応温度は、使用する硫酸化試
薬、例えばクロルスルホン酸、無水硫酸ガスなどの種類
によって適宜設定することが好ましい。例えば、クロル
スルホン酸を使用するときは、40℃を超えると、硫酸
エステルの熱分解が起こるため、10〜40℃が好まし
い。また、無水硫酸ガスを使用するときは30〜70
℃、より好ましくは40〜60℃である。
【0021】反応装置としては、バッチ式、連続式など
を使用することができるが、無水硫酸ガスを使用する場
合は、分解による着色を防止するために薄膜式の連続硫
酸化反応器を使用することが好ましい。このようにして
得られたポリオキシプロピレンアルキル硫酸エステル
を、直ちに1価又は2価のカチオンを含有する水溶液と
混合することにより、POESのスラリー溶液を得ることが
できる。
【0022】上記、スラリー溶液は、所望によりpH緩
衝剤をスラリー溶液中に0.01〜2%添加することもでき
る。このpH緩衝剤を添加することにより、脱臭処理時
のpHの低下を防止することができるので好ましい。p
H緩衝剤としては、リン酸、クエン酸などが挙げられ
る。
【0023】ここで、水性スラリー溶液は、POESを約50
〜75重量%含有していることが好ましい。この重量%の
範囲に設定したのは、次の理由による。すなわち、約50
重量%までの濃度で脱臭処理を行う場合、脱臭処理が可
能な濃度ではPOESの含有濃度が低く脱臭効率が悪く、ま
た50重量%付近では粘度が高く流動性がないので脱臭処
理自体が困難である。一方、約75重量%以上では粘度が
高く流動性がないので脱臭処理自体が困難である。これ
に対して、約50〜75重量%では一時的に水性スラリー溶
液の粘度が低下すると共に高濃度域なので脱臭効率が向
上するからである。更に、この範囲は高濃度域なので、
貯蔵、輸送に便利であり、配合時の許容範囲も広いとい
う利点も有している。
【0024】なお、水性スラリー溶液の粘度はアルキル
基、プロピレンオキシドの付加モル数、1価または2価
のカチオン、副生する無機塩の含有量あるいは、有機塩
の含有量によって若干異なるので、あらかじめ、使用す
るPOESの粘度を測定することにより、好ましくは粘度が
1万センチポイズ以下(30℃)となる粘度、さらに粘
度が極少点を示す濃度を選択することが望ましい。
【0025】この様にして調製したPOESを薄膜蒸発器に
水蒸気と一緒に供給し、有臭成分である低級アルデヒ
ド、低級ケトン環状エーテルなどを水蒸気と共に共沸し
て除去する。水蒸気を薄膜蒸発器に導入する方法として
は、特に限定されるものではなく、向流、並流、十字流
などのいずれの形態でもよい。
【0026】この発明には公知の薄膜蒸発器を使用する
ことができ、例えば、スミス式薄膜蒸発器(神鋼パンテ
ック(株)製)、日立コントロ装置((株)日立製作所
製)、ルーワ薄膜式蒸発器(ルーワ社製)などが挙げら
れる。これらはいずれも強制的に薄膜を形成させる装置
であるが、流下薄膜式などの自然薄膜形成型の装置も使
用できる。
【0027】水蒸気の導入による脱臭処理条件は、使用
する原料POESの種類によって異なるが、20〜100℃好ま
しくは30〜70℃の範囲で行う。20℃より低い場合には、
脱臭に高真空度の圧力を必要とし、かつ粘度が高くなる
のでハンドリングが困難となり好ましくない。また100
℃を超える場合にはPOESが加水分解をおこしたり、着臭
成分が発生したりするので好ましくない。なお、脱臭処
理を適度な減圧下、例えば10〜300mnHg下で行えば、脱
臭効率が向上するので更に好ましい。減圧しすぎると、
設備が高価になると共に蒸気圧が低下し、脱臭効率が低
下してしまうこととなる。一方、減圧度が低いと脱臭に
高温が必要となるので加水分解及び着色が起こりやすく
なり好ましくない。
【0028】水蒸気は、次に示す割合で導入される。す
なわち、薄膜蒸発器に導入する水蒸気と処理するPOESの
比率をSF比(水蒸気量/POES量)で示すと、そのSF
比は0.05〜1.0、より好ましくは、0.05〜0.5である。S
F比が0.05未満の場合には、脱臭が不十分であり、また
1.0を超える場合には脱臭効果は十分であるが、留出水
の処理する必要が生じるので、コストの点から経済性が
悪くなるので好ましくない。
【0029】以上の条件下で減圧脱臭すると初期濃度を
あまり変えずに扱えるため、初期粘度がほぼ維持される
のでハンドリングは容易なままであり、脱臭効果は極め
て大きく、シャンプー、食器用洗剤、衣料用液体洗剤な
どの活性剤原料として十分使用できるPOESの水性スラリ
ーを得ることができる。また、薄膜蒸発器内で、原料PO
ESは、薄膜状態で水蒸気と接することとなるので、短時
間で、効率よく原料POESと水蒸気の接触が可能となり処
理中の加水分解、着色及び着臭を減少させることが出来
る。なお、水蒸気と接触させる際の原料POESの薄膜は薄
いほど脱臭効率が向上するので好ましいが、特に限定さ
れるものでなく、市販されている薄膜蒸発装置で得られ
る程度で十分であり、10mm程度以下が更に好ましい。
【0030】この発明の方法により脱臭されたPOESは、
衣料用洗剤、食器用洗剤、皮膚・毛髪用洗浄剤などの洗
浄剤組成物の界面活性剤として好適に使用できる。これ
ら洗浄剤組成物に対するPOESの添加割合は、使用される
用途によっても相違するが、通常5〜30重量%で添加
することが好ましい。また、POESは、洗浄剤組成物に一
般に使用される、保湿剤、粘度調整剤、パール化剤、香
料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症
剤、抗フケ剤、防腐剤などと共に使用することもでき
る。
【0031】
【実施例】次に実施例と比較例を示すが、この発明はこ
れに限定されるものでない。 実施例1〜4、比較例1〜2 (POESの合成)炭素数12〜13で直鎖率63%の合成アルコ
ール(三菱油化製、商品名:ドバノール23L)に水酸化
カリウムを触媒として、プロピレンオキシドを2モル付
加して平均付加モル数2のポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテルを得た。次に得られたポリオキシプロピレン
アルキルエーテルを、薄膜式硫酸化装置を用いて、空気
で希釈した1.0倍モルの無水硫酸ガスで硫酸化した。こ
のポリオキシプロピレンアルキル硫酸エステルを、中和
後の粘度が極少点となる様あらかじめ求めた濃度の苛性
ソーダ水溶液中に撹拌下滴下し、20〜40℃で中和を行
い、60重量%のPOES−ナトリウム塩の水性スラリーを得
た。このものの性状は、次の通りであった。
【0032】 ・硫酸化反応率(ポリオキシプロピレン 97.0% アルキルエーテルがPOESに変わった割合) ・色相(10%有効成分水溶液の1cmセル 12 での420nm下での吸光度×1000) ・粘度(30℃、BL型粘度計を使用し、 6200センチポイズ(60.1%) 各ロータNo.の30rpmでの測定値) ・匂い;低級アルデヒド臭と特異臭を有していた なお、プロピレンオキシドを2モル付加したPOESの各濃
度における粘度を図1の実線及び○で示した。図1は、
凍結乾燥品で各種濃度品を調整し、30℃における粘度を
測定した結果をプロットした図である。
【0033】(脱臭処理)内径54mm、回転ブレード長さ
200mmのパイレックスガラス製スミス薄膜蒸発器(神鋼
パンテック(株)製)に60重量%のPOESの水性スラリー
を950g/時間で連続的に供給し、回転数1800rpmで水蒸
気と並流に吹き込みながら脱臭処理を行った。その際の
操作圧力、操作温度、水蒸気量、及び結果は表1の通り
であった。尚匂いは、各処理品を10重量%に希釈し5人
のパネラーにより判定し次の様にランクづけをした。表
1中、○はほとんど無臭、△はやや有臭、×は有臭をそ
れぞれ意味する。
【0034】実施例5 (POESの合成)ドバノール23Lに、水酸化カリウムを触
媒として、プロピレンオキシドを4モル付加して得られ
た平均付加モル数4のポリオキシプロピレンアルキルエ
ーテルを、実施例1と同様にして硫酸化した。得られた
ポリオキシプロピレンアルキル硫酸エステルを、中和後
の粘度が極少点となる様あらかじめ求めた濃度の水酸化
ナトリウム水溶液中に、撹拌しながら滴下した。次に20
〜40℃で中和を行うことによって55重量%のPOES−ナト
リウム塩の水性スラリーを得た。このものの性状は次の
取りであった。
【0035】 ・硫酸化反応率 97.5% ・色相 10 ・粘度(30℃) 3000センチポイズ(55%) ・匂い;低級アルデヒド臭と特異臭を有していた。 また、プロピレンオキシドを4モル付加したPOESの各濃
度における粘度を実施例1と同様に測定し、図1の点線
及び△で示した。 (脱臭処理)実施例1と同様に脱臭処理を行った。その
際の操作圧力、操作温度、水蒸気量及び結果を表1に示
した。
【0036】
【表1】 表1中、矢印は左に同じであることを示している。
【0037】実施例6 (POESの合成)ラウリルアルコールに、水酸化ナトリウ
ムを触媒としてプロピレンオキシドを2モル付加して得
られた、平均付加モル数2のポリオキシプロピレンラウ
リルエーテルを、実施例1と同様にして硫酸化した。得
られたポリオキシプロピレンラウリルエーテル硫酸エス
テルを、中和後の粘度が極少点となる様あらかじめ求め
た濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に、撹拌しながら滴
下した。次に20〜40℃で中和を行い62.5重量%のPOES−
ナトリウム塩の水性スラリーを得た。このものの性状は
次の通りであった。
【0038】 ・硫酸化反応率 97.0% ・色相 8 ・粘度(30℃) 5500センチポイズ(62.5%) ・匂い ;低級アルデヒド臭と特異臭を有していた (脱臭処理)実施例1と同様に行った。その際の操作圧
力、操作温度、水蒸気量、及び結果を表1に示した。
【0039】実施例7 (POESの合成)実施例1と同様にして得られたポリオキ
シプロピレンアルキル硫酸エステルを、中和後の粘度が
極少点となる様あらかじめ求めた濃度のアンモニア水溶
液中に、撹拌しながら滴下した。次に20〜40℃で中和を
行い60重量%のPOES−アンモニウム塩の水性スラリーを
得た。このものの性状は次の通りであった。
【0040】 ・硫酸化反応率 97% ・色相 10 ・粘度(30℃) 5500センチポイズ(60%) ・匂い ;低級アルデヒド臭と特異臭を有していた。 (脱臭処理)実施例1と同様に行った。その際の操作圧
力、操作温度、水蒸気量、及び結果を表1に示した。
【0041】比較例3 実施例1と同様にして25.0の重量%のPOES−ナトリウム
塩を得た。実施例1の脱臭処理条件と同様にしてSF比
1.0で脱臭処理を試みたが泡立ちが激しく操作すること
ができなかった。
【0042】比較例4 実施例1と同様にして80重量%のPOES−ナトリウム塩を
得た。このものは粘度1万cp以上で流動性がなく、脱
臭処理は不可能であった。
【0043】比較例5 比較例3で得た25重量%のPOES−ナトリウム塩に対し、
活性炭0.5重量%添加し、40℃下で1時間撹拌処理した
後、炉過し、炉液の匂いを評価した結果有臭であった。
【0044】比較例6 実施例1で得た60.1重量%のPOES−ナトリウム塩に対し
活性炭0.5重量%添加し40℃下で1時間撹拌処理し、活
性炭の炉過を試みたが粘度が高く炉過は不能であった。
【0045】比較例7 実施例1で得た60.1重量%のPOES−ナトリウム塩に対
し、水酸化ホウ素ナトリウムを0.5重量%添加し、40℃
下、1時間撹拌処理した。その後りん酸でpHを7に戻
し匂いを評価したところ、やや有臭であった。
【0046】比較例8 実施例1で得た60.1重量%のPOES−ナトリウム塩をバッ
チ型反応器でスチーミングを行った。80℃、3時間行っ
た結果、分解、着色が認められ匂いも悪くなった。
【0047】比較例9 実施例1で得た60.1重量%のPOES−ナトリウム塩をスミ
ス薄膜蒸発器を用いスチーミングせずに、単に減圧のみ
で濃縮化を行おうと試みたが、70重量%を超えた時、粘
度が高くなり、操作不能となった。尚匂いを評価したと
ころやや有臭であった。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、POESの水性スラリー
溶液が、POESの濃度が約50〜75重量%で粘度の極少点を
有していることを見いだし、この範囲で薄膜蒸発器によ
り水蒸気と接触させることにより、工業生産可能な方法
で、脱臭されたPOESを廉価に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】POESの濃度と粘度の関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中Rは炭素数8〜20の直鎖状あるいは分枝状のア
    ルキル基、xはプロピレンオキシドの平均付加モル数で
    1〜10、Mは1価又は2価のカチオン、nはMの価数
    を示す)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエー
    テル硫酸塩の約50〜75重量%を含有する水性スラリ
    ー溶液を20〜100℃で水蒸気と共に薄膜蒸発器に供
    給して、脱臭処理することを特徴とするポリオキシプロ
    ピレンアルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーの処理
    法。
  2. 【請求項2】 水性スラリーが、30℃のとき1万セン
    チポイズ以下の粘度である請求項1記載の水性スラリー
    の処理法。
  3. 【請求項3】 水蒸気が、ポリオキシプロピレンアルキ
    ルエーテル硫酸塩に対して0.05〜1.0重量倍の割
    合で供給される請求項1或いは2記載の水性スラリーの
    処理法。
  4. 【請求項4】 脱臭処理が、10〜300mmHgの圧
    力で行われる請求項1〜3記載の水性スラリーの処理
    法。
JP30560093A 1993-12-06 1993-12-06 ポリオキシプロピレンアルキルエーテル硫酸塩の水性スラリーの処理法 Pending JPH07157464A (ja)

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