JPH07156942A - 紙容器 - Google Patents

紙容器

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JPH07156942A
JPH07156942A JP5300399A JP30039993A JPH07156942A JP H07156942 A JPH07156942 A JP H07156942A JP 5300399 A JP5300399 A JP 5300399A JP 30039993 A JP30039993 A JP 30039993A JP H07156942 A JPH07156942 A JP H07156942A
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JP
Japan
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layer
density polyethylene
ldpe
low density
paper
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Application number
JP5300399A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Tsuchiya
博隆 土屋
Hideki Kurokawa
英樹 黒川
Yasunori Motosawa
安典 本澤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐応力亀裂特性に優れ、例えば油、界面活性
剤、アルカリ性薬剤等を充填しても応力亀裂を発生する
ことがなく、しかも低温シール性を有するとともに機械
適性も良好な紙容器を提供する。 【構成】 低密度ポリエチレン(LDPE)層10、そ
の外側に低圧法線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
層9、さらにその外側に紙からなる基材層2が配設され
た紙複合材料1を用いてなるものであって低密度ポリエ
チレン(LDPE)層10を最内層とする紙容器であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙容器に関し、特に食用
油、モータオイル等の油類、シャンプー、リンス、液体
洗剤等の界面活性剤含有製品、剥離剤、水アカ取り等の
強アルカリ洗浄剤などの液体用容器に好適に用いること
のできる紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙複合材料からなる紙容器は、例
えば乳飲料、果実飲料、清酒等の主として変質し易い食
品を内容物とする液体用容器として広く用いられてい
る。
【0003】そして、そのような紙容器の原紙構成とし
ては、たとえばポリエチレン(PE)/紙/ポリエチレ
ン(PE)、ポリエチレン(PE)/紙/ポリエチレン
(PE)/Al箔/ポリエチレン(PE)、ポリエチレ
ン(PE)/紙/ポリエチレン(PE)/Al箔/ポリ
エチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(P
E)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、紙容器は容器の
回収、洗浄、選別などの作業が省けるとともに、包装作
業の床面積が少なくて済み、しかも軽量かつ廃棄が容易
である等の利点を有することから、種々の用途での使用
が試みられている。
【0005】しかしながら、例えば前述のような原紙構
成からなる従来の紙容器においては、内容物と接する層
すなわち最内層を形成するポリエチレン(PE)にいず
れも高圧法ポリエチレンが用いられているため、たとえ
ば界面活性剤、アルカリ性薬剤などのポリエチレン(P
E)に応力亀裂を発生させる内容物を充填すると、特に
紙容器の折り目に亀裂を生じ、内容物の漏出を招くこと
があるという問題がある。
【0006】そこで、この問題を解消することを目的と
して最内層を線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と
低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物で形成した
包装用ラミネートが提案されている(特公平4−815
06号公報参照)。この包装用ラミネートは、具体的に
は、50〜90重量%のLLDPEを含む混合LLDP
E/LDPE層上に接着剤層を介して障壁層、LDPE
層、支持体層および耐液性材料層をこの順に積層してな
るものである。
【0007】しかしながら、この包装用ラミネートを用
いてなる容器においては、内容物と接する最内層の応力
亀裂の発生は低減しているものの該最内層が線状低密度
ポリエチレン(LLDPE)と低密度ポリエチレン(L
DPE)との混合物により形成されているので、ヒート
シール温度が高く、紙容器の製造効率が悪いという欠点
を有している。
【0008】本発明は前記の事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、例えば油、界面活性剤、ア
ルカリ性薬剤等に対して耐性を有し、これらを充填して
も応力亀裂を発生することがなく、しかも低温シール性
を有するとともに機械適性も良好な紙容器を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の構成は、紙複合材料を用いてなる紙容器に
おいて、低密度ポリエチレン(LDPE)層、該低密度
ポリエチレン(LDPE)層の外側に低圧法線状低密度
ポリエチレン(LLDPE)からなる線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)層および該線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)層の外側に紙からなる基材層を有する
紙複合材料により形成され、前記低密度ポリエチレン
(LDPE)層を最内層とすることを特徴とする紙容器
であり、さらに前記低密度ポリエチレン(LDPE)層
を形成する低密度ポリエチレン(LDPE)は融点11
5℃以下である紙容器である。
【0010】
【作用】本発明の紙容器は、低密度ポリエチレン(LD
PE)層と、この低密度ポリエチレン(LDPE)層の
外側に位置する線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
層と、該線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層の外
側に位置する基材層とを有する紙複合材料を用いてな
り、前記低密度ポリエチレン(LDPE)層が最内層と
なるように形成されている。
【0011】ここで、内容物と接触する最内層を形成す
る低密度ポリエチレン(LDPE)は、その融点が、通
常、115℃程度以下であるので、そのような低密度ポ
リエチレン(LDPE)を最内層とするこの紙容器は低
温シール性を有するものである。そして、この最内層の
外側に設けられている線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)層を形成する低圧法線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)は耐応力亀裂性に優れているので、例えば食
用油、モータオイル等の油類、シャンプー、リンス、液
体洗剤等の界面活性剤含有製品、剥離剤、水アカ取り等
の強アルカリ洗浄剤などを、この紙容器に充填しても、
紙容器に応力亀裂が発生することがない。最内層および
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層は、いずれも
紙からなる基材層に積層支持されているが、紙からなる
基材層によりこの紙容器には充分な剛性が付与されてい
る。したがって、この紙容器は、低温シール性を有して
いるとともに耐応力亀裂性に優れ、しかも良好な機械適
性を有している。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1〜図4はそれぞれ本発明の紙容器を形成する
紙複合材料の層構成の一例を示す断面図である。
【0013】図1に示す紙複合材料1は、紙からなる基
材層2の片面には耐水性樹脂層3が積層されている。基
材層2の他の一面には接着性樹脂層4を介してアルミ箔
5が積層され、さらにこのアルミ箔5に接着剤層6を介
して耐熱樹脂層7が積層され、さらにこの耐熱樹脂層7
に接着剤層6′を介して低圧法線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)との
共押出フィルム8により形成されている線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)層9と低密度ポリエチレン(L
DPE)層10とが線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)層9側を接着面として積層されている。
【0014】基材層2を形成する紙としては、たとえば
坪量100〜500g/m2 の板紙が好適に用いられ
る。この基材層2の片面に積層される耐水性樹脂層3
は、たとえば押出ラミネート法を好適に採用して形成さ
れ、その形成材料としては、低密度ポリエチレン(LD
PE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ
プロピレン(PP)などが挙げられる。この耐水性樹脂
層3の表面には、印刷性を付与するためにコロナ処理等
の表面処理を施すことが好ましい。
【0015】このような耐水性樹脂層3の厚さは、通
常、15〜50μm程度である。基材層2の他の一面に
積層される接着性樹脂層4は、紙からなる基材層2と後
述するアルミ箔5とを接着する機能乃至作用を有する層
であり、その形成材料としては、例えば低密度ポリエチ
レン(LDPE)、エチレン・アクリル酸共重合体、エ
チレン・メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂など
が挙げられる。
【0016】接着性樹脂層4の厚さは、通常、10〜5
0μm程度である。この接着性樹脂層4にはアルミ箔5
が積層されている。アルミ箔5の厚さは、通常、6〜2
0μm程度である。
【0017】アルミ箔5は、バリヤー性および遮光性を
付与する機能乃至作用を有するが、バリヤー性を付与す
るためには、アルミニウム(Al)以外の金属あるいは
例えば酸化ケイ素(SiOx )等の無機酸化物を用いて
もよい。また、バリヤー性を必要としない場合には、た
とえば図2に示すように、アルミ箔5に代表されるバリ
ヤー性を付与するための層を除いた構成の紙複合材料を
用いることもできる。なお、図2に示す紙複合材料の層
構成は、アルミ箔5が除かれているとともに接着性樹脂
層4に後述する耐熱樹脂層7が直接に積層されているほ
かは、図1に示す紙複合材料の層構成と同様である。
【0018】図1に示すように、アルミ箔5には、接着
剤層6を介して耐熱樹脂層7が積層されている。接着剤
層6は、ドライラミネートの接着剤層の他、サンドラミ
ネーションあるいは押出ラミネーションする場合のアン
カーコート剤層としてもよい。ドライラミネートの接着
剤層を形成する場合、その形成材料としては、たとえば
2液硬化型ウレタン接着剤が挙げられる。一方、アンカ
ーコート剤層の形成材料としては、たとえばイソシアネ
ート化合物、ポリエチレンイミン、アルキルチタネー
ト、ポリブタジエン等が挙げられる。これらの接着剤あ
るいはアンカーコート剤の用量は、通常、0.05〜5
g/m2 程度である。
【0019】耐熱樹脂層7は耐熱性を付与するとともに
機械適性の向上を図る作用乃至機能を有する層であり、
その形成材料としては、たとえば2軸延伸ポリエチレン
テレフタレート(OPET)、2軸延伸ポリアミド(O
Ny)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(P
C)等のフィルムが挙げられる。例えばこれらのフィル
ムには、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム
等の金属または無機酸化物が蒸着されていてもよい。
【0020】この耐熱樹脂層7の厚さは、通常、7〜5
0μm程度である。図1に示すように、耐熱樹脂層7に
は、接着剤層6′を介して線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)層9と低密度ポリエチレン(LDPE)層1
0とが線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層9側を
接着面として積層されている。
【0021】ここで、接着剤層6′については、前述の
接着剤層6と同様である。線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)層9は、この紙容器の応力亀裂特性を向上さ
せる作用乃至機能を有する層であり、低圧法線状低密度
ポリエチレン(LLDPE)により形成されている。具
体的には、たとえば、アルキルアルミニウムと遷移金属
化合物との組合わせを主体とする触媒(チーグラー・ナ
ッタ触媒)を用いて、50kg/cm2 の圧力下、エチ
レンと、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等
のα−オレフィンとを共重合して得られる低圧法線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)を好適に用いて形成さ
れている。
【0022】線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層
9を形成する低圧法線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)は、その密度が、通常、0.88〜0.94、メル
トインデックス(MI)が、通常、0.1〜20であ
る。このような低圧法線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)からなる線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
層9は応力亀裂特性に優れている。
【0023】線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層
9の厚さは、通常、5〜100μm程度であり、好まし
くは10〜80μm程度である。この線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)層9には、これに隣接して低密度
ポリエチレン(LDPE)層10が積層されている。
【0024】低密度ポリエチレン(LDPE)層10
は、紙容器の内容物と直接に接する最内層を形成する層
であり、紙容器に成形する際の低温シール性を付与する
作用乃至機能を有する層である。
【0025】この低密度ポリエチレン(LDPE)層1
0を形成する低密度ポリエチレン(LDPE)として
は、示差熱分析による融解による吸熱ピークが115℃
以下のポリエチレン、さらに具体的には高圧法低密度ポ
リエチレンが好適に用いられる。この低密度ポリエチレ
ン(LDPE)の密度は、通常、0.915〜0.93
0であり、メルトインデックス(MI)は、通常、0.
1〜10である。
【0026】低密度ポリエチレン(LDPE)層10の
厚さは、通常、5〜100μmである。線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)層9と低密度ポリエチレン(L
DPE)層10とは、前記の低圧法線状ポリエチレン
(LLDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)との
共押出フィルム8により形成されている。
【0027】この共押出フィルムの構成は、紙容器の最
内層が低密度ポリエチレン(LDPE)層10で形成さ
れるとともに、その外側に線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)層9が位置するものであれば、図1に示すよ
うな線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層9/低密
度ポリエチレン(LDPE)層10の2層構成に限られ
るものではなく、たとえば図3あるいは図4に示すよう
に、低密度ポリエチレン(LDPE)層10′/線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)層9/低密度ポリエチ
レン(LDPE)層10の3層構成であってもよい。
【0028】ここで、図3に示す紙複合材料は、図1に
示す構成の紙複合材料における線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)層9/低密度ポリエチレン(LDPE)
層10の2層構成の共押出フィルム8に代えて低密度ポ
リエチレン(LDPE)層10′/線状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)層9/低密度ポリエチレン(LDP
E)層10の3層構成の共押出フィルム8′を用いたも
のであり、図4に示す紙複合材料は、基材層2の片面に
積層した接着性樹脂層4に低密度ポリエチレン(LDP
E)層10′/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
層9/低密度ポリエチレン(LDPE)層10の3層構
成の共押出フィルム8′を積層してなるものである。
【0029】このような共押出フィルム8は、たとえば
Tダイまたはインフレーション法により共押出しして形
成される。なお、この発明の紙容器を形成する紙複合材
料の層構成は、紙容器の最内層が低密度ポリエチレン
(LDPE)層10で形成されるとともに、その外側に
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層9が位置し、
さらに線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層9の外
側に紙からなる基材層2が位置するものであれば、図1
〜図4に示したもの限られるものではなく、用途・目的
に応じて適当な構成とすることができる。その具体例と
しては、いずれも最内層から最外層の順に、LDPE層
10/LLDPE層9/アルミ箔/ポリエチレンテレフ
タレート(PET)層/LDPE層/基材層2/LDP
E層、LDPE層10/LLDPE層9/ポリエチレン
テレフタレート(PET)層/アルミ箔/エチレン・メ
タクリル酸共重合体(EMAA)樹脂層/基材層2/L
DPE層、LDPE層10/LLDPE層9/シリカ蒸
着ポリエチレンテレフタレート(Si−PET)層/L
DPE層/基材層2/LDPE層、LDPE層10/L
LDPE層9/エチレン・ビニルアルコール共重合体
(EVOH)層/LDPE層/基材層2/LDPE層、
LDPE層10/LLDPE層9/シリカ蒸着ポリエチ
レンテレフタレート(Si−PET)層/黒色ポリエチ
レン(黒PE)層/LDPE層/基材層2/LDPE
層、LDPE層10/LLDPE層9/白色顔料含有線
状低密度ポリエチレン(白入りLLDPE)層/シリカ
蒸着ポリエチレンテレフタレート(Si−PET)層/
黒色ポリエチレン(黒PE)層/LDPE層/基材層2
/LDPE層、LDPE層10/LLDPE層9/シリ
カ蒸着ポリエチレンテレフタレート(Si−PET)層
・白色印刷層/黒色ポリエチレン(黒PE)層/LDP
E層/基材層2/LDPE層等が挙げられる。なお、こ
れらの具体例では所要の接着剤層を省略してある。
【0030】紙容器の製造は、通常、次のようにして行
われる。すなわち、前述の紙複合材料のシートの外面に
印刷を行った後、打ち抜き、端面をスカイブヘミングし
て内容物が端面に接触しないようにしてから充填装置内
で底部およびトップ部を熱風加熱、火炎加熱等によりヒ
ートシールして紙容器とする。
【0031】この紙容器の形状については、用途・目的
等に応じて適宜に決定すればよく、例えばゲーベルトッ
プ型、ブリック型、フラットトップ型などが挙げられ
る。以上のようにして形成されるこの紙容器は、耐応力
亀裂特性に優れているとともに、低温シール性に優れ、
しかも良好な機械適性を具備するものであり、例えば食
用油、モータオイル等の油類、シャンプー、リンス、液
体洗剤等の界面活性剤含有製品、剥離剤、水アカ取り等
の強アルカリ洗浄剤などの液体用容器に好適に使用する
ことができる。
【0032】次に、実験例を示して本発明をさらに具体
的に説明する。実験例1 まず、共押出インフレーション法を採用して高圧法低密
度ポリエチレン[LDPE、融点108℃、密度d=
0.919、メルトインデックスMI=1.0、住友化
学(株)製「スミカセンF218-1 」]と低圧法線状低密
度ポリエチレン[LLDPE、密度d=0.920、メ
ルトインデックスMI=2.1、三井石油化学(株)製
「ウルトゼックス2022L」]との共押出フィルム(LD
PE/LLDPE)を製膜した。なお、得られた共押出
フィルムは、LDPE層の厚さが50μmであり、LL
DPE層の厚さが50μmであった。
【0033】次に、厚さ9μmのアルミ箔と厚さ12μ
mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと
を2液硬化型ウレタン接着剤を用いてドライラミネート
するとともにこのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムを上記の共押出フィルムにおけるLLDP
E層側に2液硬化型ウレタン接着剤を用いてドライラミ
ネートした。
【0034】その後、上記のアルミ箔と坪量400g/
2 の紙とをエチレン・メタクリル酸共重合体(三井デ
ュポンポリケミカル社製「ニュークレルA-1108C」)層
(厚さ30μm)を介してサンドラミした。
【0035】次に、紙の一方の面に高圧法低密度ポリエ
チレン[LDPE、三井石油化学(株)製「ミラソン1
6P」]を厚さ30μmで押し出しラミネートして紙複
合材料シートを作成した。
【0036】この紙複合材料シートを1.8リットルゲ
ーベルタイプの抜型で打ち抜き、端部をスカイブヘミン
グ処理し、ホットエアーシールにより胴部を貼り合わ
せ、充填機により下記の組成の内容物を充填した。その
後、この充填済み紙容器を50℃で1箇月保存し、洩れ
の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0037】 充填内容物の組成 水酸化ナトリウム …4% ノニルフェノールエチレンオキサイド8モル付加物 …10% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム …10% ケイ酸ナトリウム …10% 水 …66%
【0038】
【表1】 実験例2 前記実験例1において、厚さ50μmのLDPE層と厚
さ50μmのLLDPE層との共押出フィルム(LDP
E/LLDPE)を用いるのに代えて厚さ30μmのL
DPE層と厚さ40μmのLLDPE層と厚さ30μm
のLDPE層との共押出フィルム(LDPE/LLDP
E/LDPE)を用いたほかは、前記実験例1と同様に
して充填済紙容器を作成し、得られた充填済み紙容器を
50℃で1箇月保存して洩れの有無を調べた。結果を表
1に示す。
【0039】実験例3 前記実験例1におけるのと同様にして厚さ50μmのL
DPE層と厚さ50μmのLLDPE層との共押出フィ
ルム(LDPE/LLDPE)を製膜し、この共押出フ
ィルムをLLDPE層側から厚さ12μmのシリカ蒸着
ポリエチレンテレフタレートフィルム[三菱化成(株)
製「テックバリヤーH」]のシリカ蒸着面にドライラミ
ネートし、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの他方の面にイソシアネート系アンカーコート剤
[日本ポリウレタン(株)製「コロネートL」]を塗布
してから高圧法低密度ポリエチレン[LDPE、三井石
油化学(株)製「ミラソン16P」]を厚さ15μmで
押し出しラミネートし、この面を坪量400g/m2
紙に高圧法低密度ポリエチレン[LDPE、三井石油化
学(株)製「ミラソン16P」]15μmを介してサン
ドラミして紙複合材料シートを作成したほかは、前記実
験例1と同様にして充填済紙容器を作成し、得られた充
填済み紙容器を50℃で1箇月保存して洩れの有無を調
べた。結果を表1に示す。
【0040】実験例4 高圧法低密度ポリエチレン[LDPE、三井石油化学
(株)製「ミラソン16P」]15μm/接着性樹脂
[三井石油化学(株)製「アドマーLF500 」]15μm
/6−ナイロン[三菱化成(株)製「ノバミッド102
0」]20μm/接着性樹脂[三井石油化学(株)製
「アドマーLF500 」]15μm/低圧法線状低密度ポリ
エチレン[LLDPE、密度d=0.920、メルトイ
ンデックスMI=2.1、三井石油化学(株)製「ウル
トゼックス2022L」]30μm/高圧法低密度ポリエチ
レン[LDPE、融点108℃、密度d=0.919、
メルトインデックスMI=1.0、住友化学(株)製
「スミカセンF218-1 」]50μmの共押出フィルムを
作成し、この共押出フィルムにおける高圧法低密度ポリ
エチレン層と坪量400g/m2 の紙とを厚さ20μm
の高圧法低密度ポリエチレン[LDPE、三井石油化学
(株)製「ミラソン16P」]層を介してサンドラミす
ることにより紙複合材料シートを作成したほかは、前記
実験例1と同様にして充填済紙容器を作成し、得られた
充填済み紙容器を50℃で1箇月保存して洩れの有無を
調べた。結果を表1に示す。
【0041】実験例5 前記実験例1におけるのと同様に、厚さ50μmのLD
PE層と厚さ50μmのLLDPE層との共押出フィル
ム(LDPE/LLDPE)を製膜し、この共押出フィ
ルムをLLDPE層側から厚さ9μmのアルミ箔、厚さ
12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムの順にドライラミネートし、このポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムにアンカーコートを施し
てから厚さ15μmの低密度ポリエチレンを押出しラミ
ネートして複合フィルムを作成した。
【0042】一方、坪量400g/m2 の紙にコロナ処
理を行い、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30
μmで押し出しラミネートし、この紙のもう一方の面に
上記の複合フィルムのポリエチレン面を厚さ15μmの
低密度ポリエチレンを介してサンドラミすることにより
紙複合材料シートを作成し、前記実験例1と同様にして
充填済紙容器を作成し、得られた充填済み紙容器を50
℃で1箇月保存して洩れの有無を調べた。結果を表1に
示す。
【0043】実験例6 前記実験例1におけるのと同様にして厚さ50μmのL
DPE層と厚さ50μmのLLDPE層との共押出フィ
ルム(LDPE/LLDPE)を製膜し、この共押出フ
ィルムと厚さ12μmのエバールフィルム[クラレ
(株)製「エバールXL」]とを共押出フィルムのLL
DPE側からドライラミネートし、エバールフィルム面
にアンカーコート処理を行い、さらに厚さ15μmの低
密度ポリエチレン(LDPE)を押出ラミネートして複
合フィルムを作成した。
【0044】一方、坪量400g/m2 の紙にコロナ処
理を行い、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30
μmで押し出しラミネートし、この紙のもう一方の面に
上記の複合フィルムの低密度ポリエチレン(LDPE)
面を厚さ15μmの低密度ポリエチレン(LDPE)を
介してサンドラミすることにより紙複合材料シートを作
成し、前記実験例1と同様にして充填済紙容器を作成
し、得られた充填済み紙容器を50℃で1箇月保存して
洩れの有無を調べた。結果を表1に示す。
【0045】比較実験例1 前記実験例1において、厚さ50μmのLDPE層と厚
さ50μmのLLDPE層との共押出フィルム(LDP
E/LLDPE)に代えて厚さ100μmの高圧法低密
度ポリエチレン[LDPE、融点108℃、密度d=
0.919、メルトインデックスMI=1.0、住友化
学(株)製「スミカセンF218-1 」]単体フィルムを用
いたほかは、前記実験例1と同様にして紙複合材料シー
トを作成した。
【0046】次に、前記実験例1と同様にして充填済紙
容器を作成し、得られた充填済み紙容器を50℃で1箇
月保存して洩れの有無を調べた。結果を表1に示す。比較実験例2 前記実験例3において、厚さ50μmのLDPE層と厚
さ50μmのLLDPE層との共押出フィルム(LDP
E/LLDPE)に代えて厚さ100μmの低圧法線状
低密度ポリエチレン[LLDPE、密度d=0.92
0、メルトインデックスMI=2.1、三井石油化学
(株)製「ウルトゼックス2022L」]単体フィルムを用
いたほかは、前記実験例3と同様にして紙複合材料シー
トを作成した。
【0047】次に、前記実験例1と同様にして充填済紙
容器を作成し、得られた充填済み紙容器を50℃で1箇
月保存して洩れの有無を調べた。結果を表1に示す。結果の検討 表1から明らかなように、実験例1〜実験例4の紙容器
は、比較実験例1および比較実験例2の紙容器に比較し
て、耐応力亀裂特性に優れ、長期間保存後も応力亀裂に
よる洩れが発生することながなく、また、シール時の熱
ピンホールの発生による洩れの発生がないことが確認さ
れた。
【0048】
【発明の効果】以上に詳述したことから明らかなよう
に、本発明は、低温シール性に優れる低密度ポリエチレ
ン(LDPE)層及びその外側に耐応力亀裂特性に優れ
る低圧法線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層を有
し、さらにその外側に紙からなる基材層を有する紙複合
材料を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)層を最内
層とする構成としたので、本発明によれば、例えば油、
界面活性剤、アルカリ性薬剤等に対して耐性を有し、こ
れらを充填しても応力亀裂を発生することがなく、しか
も低温シール性を有するとともに機械適性も良好な紙容
器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器を形成する紙複合材料の層構成
の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の紙容器を形成する紙複合材料の層構成
の他の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の紙容器を形成する紙複合材料の層構成
のさらに他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の紙容器を形成する紙複合材料の層構成
のさらに他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…紙複合材料 2…基材層 9,9′…低圧法線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)層 10…低密度ポリエチレン(LDPE)層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙複合材料を用いてなる紙容器におい
    て、低密度ポリエチレン(LDPE)層、該低密度ポリ
    エチレン(LDPE)層の外側に低圧法線状低密度ポリ
    エチレン(LLDPE)からなる線状低密度ポリエチレ
    ン(LLDPE)層および該線状低密度ポリエチレン
    (LLDPE)層の外側に紙からなる基材層を有する紙
    複合材料により形成され、前記低密度ポリエチレン(L
    DPE)層を最内層とすることを特徴とする紙容器。
  2. 【請求項2】 前記低密度ポリエチレン(LDPE)層
    を形成する低密度ポリエチレン(LDPE)は融点11
    5℃以下である請求項1記載の紙容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001158064A (ja) * 1999-09-20 2001-06-12 Dainippon Printing Co Ltd 包装材料および容器
JP2006117267A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Dainippon Printing Co Ltd 液体用紙容器
JP2012528056A (ja) * 2009-05-26 2012-11-12 ミードウエストベコ・コーポレーション 密閉シールされた容器

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