JPH07156824A - 車体下部構造 - Google Patents

車体下部構造

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JPH07156824A
JPH07156824A JP30661593A JP30661593A JPH07156824A JP H07156824 A JPH07156824 A JP H07156824A JP 30661593 A JP30661593 A JP 30661593A JP 30661593 A JP30661593 A JP 30661593A JP H07156824 A JPH07156824 A JP H07156824A
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JP
Japan
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force
cross member
suspension
vehicle body
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP30661593A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyasaka
浩行 宮坂
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、重量増となることがなく、車体の
変形に係わらず車両旋回時に後輪を所期の位置にするこ
とにより前輪のコーナーリングフォースの発生に対して
後輪のコーナーリングフォースを素早く発生させて違和
感なく旋回することが出来る。 【構成】 本発明に係る車体構造は、強度メンバ43
に、曲げ剛性を維持しつつ横力により弾性変形する易変
形部45を設けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋回時における操安性
能を向上した車体下部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、実開昭62−481号公報に
記載の車両1を示す。この車両1は、いわゆるフレーム
構造をなしており、車体(ボディ)3が強度部材(フレ
ーム)5上にボディマウント7、7、7、7を介して支
持されている。また、フレーム5には、サスペンション
9を介して前輪11、後輪13が支持されている。
【0003】このような車両が車線変更等により旋回す
る場合、前輪11、後輪13には、コーナーリングフォ
ースが発生し、このコーナーリングフォースが求心力と
なって遠心力と釣り合いつつ、滑らかに旋回することが
出来るようになっている。
【0004】この場合、旋回時のコーナーリングフォー
スにより横方向の力が付与されるため、サスペンション
9のショックアブソーバを支持するストラットタワー部
に強い横力が作用する。特に旋回方向の外側に位置する
車輪には、車体のローリングにより車体重量が多くかか
るため、発生するコーナーリングフォースは旋回方向の
外側に位置する車輪の方が大きく旋回方向外側のストラ
ットタワー部には強い横力が作用する。このため、スト
ラットタワー部の剛性が低いと、ストラットタワー部が
変形し、旋回時の乗心地に違和感を招く恐れがある。
【0005】そこで、図13に示すように、ストラット
タワー部15の周囲にガセット14を設けることによ
り、ストラットタワー部15の剛性を高くしたものが提
案されている(実開平1−116782号)。これによ
れば、ストラットタワー部15の周囲を補強することに
より車体への車輪の支持剛性が向上されて、旋回時の違
和感を解消することが出来るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来例にお
いては、ストラットタワー部の部分的な剛性を高めるこ
とはできるが、車体全体での剛性を高めることはできな
い。このため、車両が旋回する際に、コーナーリングフ
ォースと逆向きに遠心力が作用する場合、車体全体の剛
性が低いと、図14に示すように、車体が弓なりの変形
を起す可能性がある。このような場合、前述のようにし
て車体への車輪の支持剛性を上げても車体の変形に伴な
って、後輪13a、13bの位置がコーナーリングに対
する所期の位置から変化し、前輪11a、11bのコー
ナーリングフォースの発生に対して後輪13a、13a
のコーナーリングフォースの発生が遅れぎみになり、旋
回時にやはり違和感を感じる恐れがある。
【0007】すなわち、車両が直進し、前輪11a、1
1bと後輪13a、13bとが同方向に向いている状態
から車線変更等により前輪11a、11bを旋回方向へ
操舵すると、通常、後輪13a、13bは車体に対する
設定位置を保ちながら旋回し、前輪11a、11b及び
後輪13a、13bにバランス良くコーナーリングフォ
ースが発生して、遠心力と釣り合いながら旋回する。と
ころが、車体3が弓なりの変形をすると、車体3に対す
る後輪13a、13bの設定位置に変化はなくても車体
全体の変形に伴って後輪13a、13bは旋回方向の外
側へ向くことになり、コーナーリングに対する所期の位
置からずれてくることになる。このように後輪13a、
13bが旋回方向の外側へ向くとオーバーステアぎみと
なってハンドルの切れは良くなるが、後輪13a、13
bが本来の横すべり角の方向へ向いてしまうこととなっ
て前輪11a、11bのコーナーリングフォースの発生
に対して後輪13a、13bのコーナーリングフォース
の発生が遅れ、旋回時に違和感を感じる恐れがある。
【0008】そこで、車体の板厚を厚くしたり、全体的
に補強して車体全体の剛性を上げることが考えられる
が、この場合には、重量の増加を招く。
【0009】本発明は、重量増となることがなく、車体
の変形に係わらず車両旋回時に後輪を所期の位置にする
ことにより前輪のコーナーリングフォースの発生に対し
て後輪のコーナーリングフォースを素早く発生させて違
和感なく旋回することが出来る車体下部構造を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明では、車体後部の車幅方向両側で車
体前後方向に指向して配置され、前端部及び後端部が車
体側に支持されたサスペンションメンバと、サスペンシ
ョンメンバの車体前後方向の中間部に支持され後輪を支
持するサスペンションアームと、サスペンションメンバ
の前端部側で車幅方向に指向して配置され、前記サスペ
ンションアームからサスペンションメンバへ入る横力を
受ける強度メンバとを備え、強度メンバに、曲げ剛性を
維持しつつ横力により弾性変形する易変形部を設けたこ
とを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明であって、記易変形部は、前記強度メンバに、前記
横力により弾性変形を許す切欠部と、この切欠部に嵌合
して曲げ剛性を維持するハニカム部材とを設けて形成す
ることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明であって、前記易変形部は、強度メンバに、前記横
力により弾性変形を許すスリットと、曲げ剛性を維持す
る補強部材とを設けて形成することを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明によれば、車線変更等によ
り車両が旋回すると、前輪及び後輪にはコーナーリング
フォースが発生し、これと釣り合う遠心力がコーナーリ
ングフォースと逆向きに発生する。このため、車体は弓
なりの変形を起こす可能性がある。
【0014】この場合、左右の後輪に発生したコーナー
リングフォースによる後輪からの横力がサスペンション
アームからサスペンションメンバに入り、強度メンバに
旋回方向の内側への横力が加わる。この横力により易変
形部は曲げ剛性を維持しつつ、弾性変形する。
【0015】すなわち、旋回方向の外側の後輪からの比
較的大きな横力により強度メンバは内側へ強く圧縮され
るので、外側のサスペンションメンバの前端部が内側へ
移動する。これにより、旋回方向の外側の後輪は外側か
ら内側へ向かい、コーナーリングにおける所期の方向へ
向かう。
【0016】一方、旋回方向の内側の後輪からの比較的
小さい横力により強度メンバは内側へ引っ張られる。こ
のとき強度メンバには、旋回方向の外側の後輪からの横
力で圧縮力が引張力と同方向に加わるので強度メンバは
比較的小さな横力でも内側へ容易に弾性変形する。これ
により、内側のサスペンションメンバの前端部が旋回方
向の内側へ移動し、外側の後輪と同角度に内側の後輪を
向けることが出来る。
【0017】このように、左右の後輪を旋回方向の外側
(横すべり角の方向)から内側へ変化させることが出
来、車体の弓なりの変形により旋回方向の外側に向いた
左右の後輪をコーナーリングに対する所期の方向へ向け
ることが出来る。
【0018】また、強度メンバには、大きな圧縮力と小
さな引張力とが同方向に、同時に加わるが、強度メンバ
が全体として圧縮変形することにより圧縮力と引張力と
の大小による差が吸収される。
【0019】請求項2記載の発明によれば、強度メンバ
に切欠部を設けることにより、強度メンバの断面積が局
部的に小さくなり強度メンバに横力が加わると、軸方向
に弾性変形する。また、切欠部に嵌合されるハニカム部
材は、曲げ力に対しては強く、圧縮・引張力に対しては
弱い性質を有しているので、前記弾性変形を許しながら
強度メンバの曲げ剛性が維持される。
【0020】請求項3記載の発明によれば、強度メンバ
にスリットを設けることにより、強度メンバの軸方向の
強度が弱くなり強度メンバに横力が加わると、軸方向に
弾性変形する。また、補強部材を強度メンバに設けるこ
とにより、強度メンバの曲げ剛性が維持される。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る車体構造の実施例につい
て説明する。
【0022】第1実施例 図1は、車体後部の下部を示す平面図、図2は、モノコ
ック構造の車体を示す全体斜視図である。
【0023】図2に示す車体23の車両後方側の下部2
4には、図1に示すように車両前後方向に沿ってサイド
メンバ25、27が車体幅方向の左右にそれぞれ配設さ
れている。これらのサイドメンバ25、27間には、リ
ヤクロスメンバリヤ41と、強度メンバであるリヤクロ
スメンバフロント43とが連結されている。これらのリ
ヤクロスメンバリヤ41とリヤクロスメンバフロント4
3との間には、車幅方向両側で車体前後方向に指向して
サスペンションメンバ31a、31bが配置されてい
る。このサスペンションメンバ31a、31bは、前端
部が支持点33、35でサイドメンバ25、27に支持
され、後端部がリヤクロスメンバリヤ41に支持点3
7、39で連結されている。また、これらのサスペンシ
ョンメンバ31a、31b間には、車幅方向に指向して
サスペンションクロスメンバフロント32と、サスペン
ションクロスメンバリヤ34が連結されている。さら
に、サスペンションメンバ31a、31bの車体前後方
向の中間部には、サスペンションアーム29a、29b
が支持されている。これらのサスペンションアーム29
a、29bには、左右の後輪13a、13bがそれぞれ
支持されている。
【0024】特にこの発明では、リヤクロスメンバフロ
ント43に易変形部45が設けられている。この易変形
部45は、図3に示すように、リヤクロスメンバフロン
ト43の長手方向の両側に設けられ、曲げ剛性を維持し
つつリヤクロスメンバフロント43の軸方向の力により
容易に弾性変形する構成である。この実施例の易変形部
45は、リヤクロスメンバフロント43の両側部に上下
方向に貫通して設けられた切欠部49、49と、この切
欠部49、49に嵌合するハニカム部材51、51とで
形成されている。
【0025】切欠部49は、リヤクロスメンバフロント
43の長手方向に沿う底壁49aと、この底壁49aの
両側からリヤクロスメンバフロント43の側面43aま
で延びる斜面49b、49cとで台形状に形成されてい
る。そして、切欠部49は、リヤクロスメンバフロント
43の幅方向の両側に対称にそれぞれ形成されており、
これらの切欠部49、49の間の断面積は他の部分より
局部的に小さくなっている。これにより、リヤクロスメ
ンバフロント43に軸方向の力(圧縮力又は引張力)が
加わると、この力により切欠部49、49の間が軸方向
に弾性変形し易くなっている。但し、切欠部49のみで
は、曲げ剛性が低いので、前記ハニカム部材51が嵌合
されている。
【0026】ハニカム部材51は、断面が六角形状の中
空の筒部を複数集合し全体として切欠部49と同形状の
台形状に形成されたハニカム部材本体52と、このハニ
カム部材本体52の軸方向(上下方向)の両側を閉鎖す
る補強板51a、51aとで構成されている。ハニカム
部材本体52の軸方向の高さは、切欠部49の高さ、す
なわち、リヤクロスメンバフロント43の厚みに等し
く、切欠部49に嵌合された状態では、ハニカム部材本
体52の軸方向の上面及び下面は、リヤクロスメンバフ
ロント43の上面43b、下面43cと面一となってい
る。また、ハニカム部材本体52の側面51cは、リヤ
クロスメンバフロント43の側面43aと面一となって
いる。このハニカム部材本体52の上下を閉鎖する補強
板51a、51aは、ハニカム部材本体52の上下面の
外周より若干大きな台形形状に形成されており、ハニカ
ム部材本体52の上下面の外周から突出した部分でリヤ
クロスメンバフロント43の切欠部49の周囲を厚み方
向に挟持している。これにより、ハニカム部材本体52
が切欠部49内に嵌合した状態で取り付けられ、ハニカ
ム部材本体52の側面を切欠部49の内壁に接着するこ
とでハニカム部材51が切欠部49に固定されている。
【0027】ハニカム部材51は、曲げや、捩じり剛性
が高く、ハニカムの中空を潰す方向の力(圧縮力、引張
力)に対しては剛性は低い。従って、ハニカム部材本体
52を切欠部49内に嵌合させることにより、リヤクロ
スメンバフロント43は、車幅方向の力(圧縮力、引張
力)に対しては容易に弾性変形する。
【0028】すなわち、リヤクロスメンバフロント43
に圧縮力が加わると、切欠部49、49間が弾性変形す
るが、切欠部49に嵌合しているハニカム部材51はこ
の方向の力に対して剛性が低いので切欠部49、49間
の弾性変形を妨げることはなく、この力に対してハニカ
ム部材51も弾性変形する。さらに、切欠部49が台形
形状に形成されているので、リヤクロスメンバフロント
43に圧縮力が加わると、斜面49b、49cがハニカ
ム部材本体52を切欠部49から押し出す方向すなわ
ち、ハニカム部材本体52がリヤクロスメンバフロント
43から逃げる方向に力を加えることになる。これによ
ってもリヤクロスメンバフロント43に加わった圧縮力
による弾性変形をハニカム部材本体52が妨げることは
ない。
【0029】また、リヤクロスメンバフロント43に引
張力が加わると、ハニカム部材51にも引張力が加わる
が、この方向の力に対してはハニカム部材51は全体と
して剛性が低いので弾性変形しリヤクロスメンバフロン
ト43の弾性変形を妨げることがない。また、引張力に
より切欠部49、49間が伸びて底壁49aの車体幅方
向の長さが長くなると、斜面49b、49cが遠ざかる
ため、これによってもハニカム部材51は切欠部49、
49間の弾性変形を妨げることはない。従って、リヤク
ロスメンバフロント43は、車幅方向の力に対して弾性
変形が可能となっている。
【0030】一方、リヤクロスメンバフロント43に曲
げ力が加わると、断面積の最も小さい切欠部49、49
の間から変形しようとするが、ハニカム部材51は、曲
げ力に対して高い剛性を有しているので、切欠部49、
49間の変形が阻止される。
【0031】また、リヤクロスメンバフロント43の長
手方向を軸とするねじり力がリヤクロスメンバフロント
43に加わると、切欠部49、49間がねじれ変形しよ
うとするが、ハニカム部材51はこの方向の力に対して
高い剛性を有しているので、切欠部49、49間の変形
が阻止される。
【0032】従って、曲げ力や、捩じり力によりリヤク
ロスメンバフロント43が変形することがなく、曲げ剛
性が維持される。
【0033】さらに、本実施例では、図4に示すよう
に、リヤクロスメンバリヤ41へのサスペンションメン
バ31a、31bの支持点37、39(但し、図4には
右側の支持点37のみ図示して、支持点39は省略し
た)の近傍で、フロアパネルPに連結部材47の下端が
連結されている。この連結部材47は上方に向かって次
第に幅が狭くなっており、途中で車体幅方向の外側に位
置するストラットハウジング21側に向けて屈曲してい
る。そして、先端は車体上部のリヤピラーインナ17に
連結されている。
【0034】次に作用について図5を用いて説明する。
図5は車体後部側を示す平面図である。なお、図におい
て、紙面左側を車両の進行方向とする。
【0035】車両が同一の車線を直進している状態で
は、コーナーリングフォースは発生せず、後輪13a、
13bからの横力も作用しないのでリヤクロスメンバフ
ロント43には、軸方向の力が作用することがなく、易
変形部45は変形しない。
【0036】車両が直進している状態から、例えば車線
変更等により左側に操舵すると(右側の車線から左側の
車線に移動するとき)左右の後輪13a、13bには、
それぞれ初期のコーナーリングフォースCr1、Cr2
が発生する。この場合、車体上部はローリングにより外
側に移動しようとして外輪側の車輪13aに車体の重量
が多くかかるため、左右のコーナーリングフォースCr
1、Cr2はCr1>Cr2となる。
【0037】左右の後輪13a、13bに初期のコーナ
ーリングフォースCr1、Cr2が発生すると、後輪1
3a、13bからサスペンションアーム29a、29b
には、旋回方向の内側への横力がそれぞれ作用し、この
横力はサスペンションアーム29a、29bからサスペ
ンションメンバ31a、31bにそれぞれ入る。そし
て、この横力はリヤクロスメンバリヤ41、リヤクロス
メンバフロント43に圧縮荷重及び引張荷重として加わ
る。旋回方向の外側の後輪13aからの横力はサスペン
ションアーム29aからサスペンションメンバ31aに
入り、リヤクロスメンバ41、43に圧縮荷重として加
わる。この場合、リヤクロスメンバフロント43には易
変形部45が形成されているので、リヤクロスメンバリ
ヤ41に対して弾性変形する量は多く、支持点37の内
側への移動量より支持点33のほうが多い。従って、外
側のサスペンションメンバ31aは支持点37を中心に
支持点33が内側へ相対的に回転したことになり、後輪
13aは、図5の実線で示すように、コーナーリングに
対する所期の方向に向く。このとき、横力によりサイド
メンバ25も旋回方向の内側へ弾性変形する。
【0038】また、旋回方向の内側の後輪13bからの
横力はサスペンションアーム29bからサスペンション
メンバ31bに入り、リヤクロスメンバリヤ41、リヤ
クロスメンバフロント43に内側への引張荷重として加
わる。この場合、リヤクロスメンバフロント43には易
変形部45が形成されているので、リヤクロスメンバリ
ヤ41に対して弾性変形し易く、支持点39の内側への
移動量より支持点35のほうが多い。また、リヤクロス
メンバフロント43には、コーナーリングフォースCr
2による引張力と同方向に前記コーナーリングフォース
Cr1による圧縮力も同時に加わっているので、比較的
小さな引張力でリヤクロスメンバフロント43は旋回方
向の内側へ容易に伸び変形することが出来る。従って、
内側のサスペンションメンバ31bは支持点39を中心
に支持点35が内側へ相対的に回転したことになり、後
輪13bは、図5の実線で示すように、後輪13aと同
角度、同方向に移動し、コーナーリングに対する所期の
方向に向く。このとき、横力によりサイドメンバ27も
旋回方向の外側へ弾性変形する。
【0039】なお、リヤクロスメンバフロント43に
は、コーナーリングフォースCr1による比較的大きな
圧縮力とコーナーリングフォースCr2による比較的小
さな引張力が同方向に、同時に加わるが、リヤクロスメ
ンバフロント43が全体として圧縮変形することによ
り、圧縮力と引張力との大小の差が吸収される。
【0040】このように、本実施例では、旋回時にリヤ
クロスメンバフロント43に設けた易変形部45の曲げ
剛性を維持した弾性変形により、後輪13a、13bを
コーナーリングに対する所期の方向に向けることが出来
るので、前輪のコーナーリングフォースの発生に対し
て、後輪側も素早くコーナーリングフォースを発生し、
違和感なく旋回走行することが出来る。
【0041】また、本実施例の車体構造によれば、車体
の肉厚を厚くしたりあるいは、全体的な補強をすること
により、車体剛性を上げる必要がないので、重量の増加
を招くことがない。
【0042】車両の旋回動作が終了すると、易変形部4
5、サイドメンバ25、27は自信の復元力により元の
形状に素早く戻り、支持点33、35、37、39は初
期の位置に戻る。
【0043】また、制動時などに、リヤクロスメンバフ
ロント43に曲げ力や捩り力が働く場合には、ハニカム
部材51の曲げ、捩り剛性は極めて高いので、通常のリ
ヤクロスメンバフロント以上の剛性を有する。
【0044】さらに、車両が左側に旋回すると、コーナ
ーリングフォースと逆向きに遠心力を車体上部は受ける
ので車体のローリングにより、車体上部は旋回方向の外
側に移動しようとする。この場合、本実施例では、連結
部材47を介して支持点37の近傍は車体上部に引きず
られて、旋回方向の外側に引張られる。支持点37の近
傍が旋回方向の外側に引っ張られると、リヤクロスメン
バリヤ41が外側に全体的に引っ張られて支持点39も
外側に引っ張られる。この結果、リヤクロスメンバリヤ
41に加わる横力(引張力及び圧縮力)が相殺される。
これにより、後輪13a、13bをコーナーリングに対
する所期の方向へより向け易くなり、車両旋回時により
違和感なく操縦することが出来る。
【0045】第2実施例 次に第2実施例について図6を用いて説明する。なお、
本実施例は、サスペンションメンバの前端部側で車幅方
向に配置された強度メンバの他の例である。
【0046】図6に示すように、本実施例のリヤクロス
メンバフロント53は全体が薄板材で形成されており、
底壁55の両側を同方向に折り曲げて側壁57a、57
bが形成され、断面凹状に形成されている。底壁55の
長手方向の両側の開口縁部には、略直角に屈曲された折
曲げ部55a(但し、図6には片側のみ図示)が形成さ
れている。この折曲げ部55aはサイドメンバ25、2
7への結合部となっている。
【0047】また、側壁55a、55aの上部開口縁部
には、略直角に屈曲された折曲げ部58、58がそれぞ
れ形成され、長手方向の両側の開口縁部にも、略直角に
屈曲された折曲げ部56、56が形成されている。これ
らの折曲げ部58、58、56、56は、車体及びサイ
ドメンバ25、27への結合部となっている。
【0048】底壁55上には側壁57a、57b間を連
結する5枚のブレース59a、59b、59c、59
d、59eが長手方向に対してそれぞれ交差した状態で
連続して設けられている。このブレース59a、59
b、59c、59d、59eは、側壁57a、57b間
に配置されることにより、側壁57a、57bの内側へ
の倒れ込みが防止されて、凹状の断面形状を保持し曲げ
剛性を維持している。
【0049】このようなリヤクロスメンバフロント53
は、長手方向(軸方向)の力が作用した場合には、ブレ
ース59a、59b、59c、59d、59eには面内
力として作用するため、すなわち、軸方向の力は底壁5
3、側壁57a、57bにのみ作用し、ブレース59
a、59b、59c、59d、59eには作用しないの
で、リヤクロスメンバフロント53は軸方向に全体的に
弾性変形し易い。
【0050】また、曲げ力が作用した場合には、ブレー
ス59a、59b、59c、59d、59eには面外力
として作用するために、すなわち、曲げ力や捩じり力が
底壁53、側壁57a、57bに作用すると共に、側壁
57a、57bを通してブレース59a、59b、59
c、59d、59eにも作用するため、リヤクロスメン
バフロント53は曲げ力に対する剛性が極めて高くなっ
ている。
【0051】さらに、リヤクロスメンバフロント53の
長手方向を軸とする捩じり力が作用した場合にも、ねじ
り力がブレース59a、59b、59c、59d、59
eに面外力として作用するために、ねじり力に対してリ
ヤクロスメンバフロント53は剛性が極めて高くなって
いる。
【0052】従って、リヤクロスメンバフロント53
は、薄板材で形成することにより軸方向の力で弾性変形
が可能になり、ブレース59a、59b、59c、59
d、59eを設けたことにより曲げ剛性が維持され、リ
ヤクロスメンバフロント53は、各ブレース59a、5
9b、59c、59d、59e間が容易に変形し全体と
して易変形部を構成している。
【0053】このリヤクロスメンバフロント53は、上
記第1実施例のリヤクロスメンバフロント43と同じ位
置に配設されることにより、第1実施例のリヤクロスメ
ンバフロント43と同様の作用をする。
【0054】すなわち、旋回方向の外側のサスペンショ
ンメンバ31aに加わった圧縮力と、内側のサスペンシ
ョンメンバ31bに加わった引張力によりリヤクロスメ
ンバフロント53が旋回方向の内側に移動しつつ弾性変
形して、支持点33、35を旋回方向の内側に移動さ
せ、旋回時に後輪13a、13bをコーナーリングに対
する所期の方向に向けることが出来る。
【0055】また、本実施例によれば、薄板材を折曲げ
てリヤクロスメンバフロント53を形成したことにより
第1実施例のリヤクロスメンバフロント53より軽量化
を図ることが出来、コストを低減することが出来る。
【0056】第3実施例 次に第3実施例について図7を用いて説明する。図7に
示すように本実施例のリヤクロスメンバフロント61
は、底壁63の両側から側壁65a、65bが屈曲形成
されて、断面凹状に形成されている。底壁63の長手方
向の両側の開口縁部には、略直角に屈曲された折曲げ部
74(但し、図7には片側のみ図示)が形成されてい
る。この折曲げ部74はサイドメンバ25、27への結
合部となっている。
【0057】また、側壁65a、65bの上縁部は外側
に屈曲された折曲げ部66、66がそれぞれ形成され、
長手方向の両側の開口縁部にも、略直角に屈曲された折
曲げ部68、68が形成されている。これらの折曲げ部
66、66、68、68は、車体及びサイドメンバ2
5、27への結合部となっている。
【0058】このリヤクロスメンバフロント61の長手
方向の両側には、易変形部62、62が形成されてい
る。易変形部62は、側壁65a、65bに設けた長孔
69a、69b、69c、69dと、側壁65a、65
b間の長手方向の両側に設けたクロスしたブレース67
a、67b、67c、67dとからなる。
【0059】リヤクロスメンバフロント61に長手方向
の力(軸方向の力)が作用すると、リヤクロスメンバフ
ロント61は長孔69a、69b、69c、69dが形
成されているので、この方向の力に対して弱く設定され
ており、両端部が容易に弾性変形する。
【0060】この場合、リヤクロスメンバフロント61
に軸方向の力が作用しても、ブレース67a、67b、
67c、67dは、面内力として作用するために、すな
わち、軸方向の力が底壁63、側壁65a、65bにの
み作用し、ブレース67a、67b、67c、67dに
は作用しないので、リヤクロスメンバフロント61の両
端部での弾性変形を妨げることがない。
【0061】一方、リヤクロスメンバフロント61に曲
げ力が作用した場合には、長孔69a、69b、69
c、69dが形成されている部分にブレースブレース6
7a、67b、67c、67dを設けたので、曲げ力に
対して剛性が高くなっており、剛性が維持されている。
【0062】また、リヤクロスメンバフロント61の長
手方向を軸とするねじり力に対しても、上記と同様に剛
性が維持されている。
【0063】従って、リヤクロススメンバフロント61
の長手方向の両側の易変形部62は、曲げ剛性を維持し
つつ軸方向の力に対して弾性変形可能となっている。
【0064】このリヤクロスメンバ61は、上記第1実
施例のリヤクロスメンバフロント43と同じ位置に配設
されることにより、第1実施例のリヤクロスメンバフロ
ント43と同様の作用をする。
【0065】第4実施例 次に第4実施例について図8及び図9を用いて説明す
る。図8に示すように本実施例のリヤクロスメンバフロ
ント71は、底壁73の両側から側壁65a、65bが
屈曲形成されて、断面凹状に形成されている。底壁73
の長手方向の両側の開口縁部には、略直角に屈曲された
折曲げ部74(但し、図8には片側のみ図示)が形成さ
れている。この折曲げ部74はサイドメンバ25、27
への結合部となっている。
【0066】また、側壁65a、65bの上縁部は外側
に折り曲げられて折曲げ部70、70が形成され、長手
方向の両側の開口縁部にも、略直角に屈曲された折曲げ
部76、76が形成されている。これらの折曲げ部7
0、70、76、76は、車体及びサイドメンバ25、
27への結合部となっている。
【0067】このリヤクロスメンバフロント71の長手
方向の両側には易変形部72、72が形成されている。
この易変形部72は、底壁73の幅方向に沿って設けら
れた3種類のビード77a、77b、77cからなる。
これらのビード77a、77b、77cは、図9
(a)、(b)に示すように、底壁73の外側に打ち出
して形成されている。そして、ビード77aは、底壁7
3の長手方向両側部にそれぞれ形成され、ビード77b
はビード77aより短く、ビード77aの内側にそれぞ
れ形成されている。さらに、ビード77cはビード77
bより短く、ビード77bの内側にそれぞれ形成されて
いる。
【0068】このリヤクロスメンバフロント71に軸方
向の力が加わると、ビード77a、77b、77cが底
壁73の中心に向かうほど長さが短くなっているので、
両端部、すなわち両側のビード77a、77a側から容
易に弾性変形する。
【0069】一方、リヤクロスメンバフロント71に、
曲げ力が作用しても剛性を有しているので、曲げ剛性が
維持されている。
【0070】このリヤクロスメンバフロント71は、上
記第1実施例のリヤクロスメンバフロント43と同じ位
置に配設されることにより、第1実施例のリヤクロスメ
ンバフロント43と同じ作用をする。
【0071】本実施例のリヤクロスメンバフロント71
は、底壁73にビード77a、77b、77cを形成し
ているだけなので、上記各実施例のリヤクロスメンバフ
ロント43、53、61と比較して簡単な構造となり、
コストを低減することが出来る。
【0072】第5実施例 次に第5実施例について図10を用いて説明する。な
お、図1に示す第1実施例と同構成部分については、図
面に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0073】図10に示すように、本実施例でも、サイ
ドメンバ25、27間にリヤクロスメンバフロント87
が連結され、サスペンションメンバ31a、31b間に
サスペンションクロスメンバ(強度メンバ)79、80
が連結されている。
【0074】そして、本実施例では、サスペンションク
ロスメンバ79に易変形部81が形成されている。この
易変形部81は、第1実施例におけるクロスメンバフロ
ント43に設けた易変形部45と同構成で、幅方向の両
側に切欠部83、83を設けることにより、サスペンシ
ョンクロスメンバ79の断面積を局部的に他の部分より
小さくすることで軸方向の力に対して弾性変形を可能に
し、曲げ剛性を維持するために切欠部83、83にハニ
カム部材85が嵌合されている。
【0075】次に作用について図10を用いて説明す
る。なお、図10において紙面左側を車両の進行方向と
する。
【0076】車両が同一の車線を直進している状態で
は、コーナーリングフォースは発生せず、後輪13a、
13bからの横力も作用しないのでサスペンションクロ
スメンバ79には、軸方向の力が作用しない。車両が直
進している状態から、例えば車線変更等により左側に操
舵すると(右側の車線から左側の車線に移動するとき)
左右の後輪13a、13bには、それぞれ初期のコーナ
ーリングフォースCr1、Cr2が発生する。この場
合、車体上部はローリングにより外側に移動しようとし
て外輪側の車輪13aに車体の重量が多く作用するた
め、左右のコーナーリングフォースCr1、Cr2はC
r1>Cr2となる。
【0077】左右の後輪13a、13bに初期のコーナ
ーリングフォースCr1、Cr2が発生すると、後輪1
3a、13bからサスペンションアーム29a、29b
には、旋回方向の内側への横力がそれぞれ作用し、この
横力はサスペンションメンバ31a、31bにそれぞれ
入る。そして、この横力はクロスメンバ87、41及び
サスペンションクロスメンバ79に圧縮荷重及び引張荷
重として加わる。
【0078】旋回方向の外側の後輪13aからの横力は
サスペンションアーム29aからサスペンションメンバ
31aに入り、クロスメンバ87、41及びサスペンシ
ョンクロスメンバ79、80に圧縮荷重として加わる。
この場合、サスペンションクロスメンバ79には易変形
部81が形成されているので、サスペンションクロスメ
ンバ80に対して軸方向に弾性変形(圧縮変形)する量
は多く、図10の点線で示すように、サスペンションメ
ンバ31aの中間部は旋回方向の内側へ弾性変形する。
これにより、後輪13aは旋回方向の内側のコーナーリ
ングに対する所期の方向に向く。
【0079】一方、旋回方向の内側の後輪13bからの
横力はサスペンションアーム29bからサスペンション
メンバ31bに入り、サスペンションクロスメンバ7
9、80に引張荷重として加わる。この場合、サスペン
ションクロスメンバ79には易変形部81が形成されて
いるので、サスペンションクロスメンバ80に対して弾
性変形する量は多く、図10の点線で示すように、サス
ペンションメンバ31aの中間部は旋回方向の外側へ弾
性変形する。また、サスペンションクロスメンバ79に
は、コーナーリングフォースCr2による比較的小さな
引張力と同方向にコーナーリングフォースCr1による
比較的大き圧縮力も同時に加わっているので、小さな引
張力でサスペンションクロスメンバ79は旋回方向の外
側へ容易に弾性変形することが出来、内側の後輪13b
を外側の後輪13aと同方向に向けることが出来る。こ
れにより、左右の後輪13a、13bをコーナーリング
に対する所期の方向に向けることが出来る。
【0080】なお、サスペンションクロスメンバ79に
は、コーナーリングフォースCr1による圧縮力とコー
ナーリングフォースCr2による小さい引張力が同方向
に、同時に加わるが、サスペンションクロスメンバ79
が全体として圧縮変形することにより、圧縮力と引張力
の大小の差が吸収される。
【0081】このように、本実施例では、旋回時にサス
ペンションクロスメンバ79に設けた易変形部81の弾
性変形により、後輪13a、13bをコーナーリングに
対する所期の方向に向けることが出来るので、前輪のコ
ーナーリングフォースの発生に対して、後輪13a、1
3b側も素早くコーナーリングフォースを発生し、車両
旋回時に違和感なく操縦することが出来る。
【0082】また、本実施例の車体構造によれば、車体
の肉厚を厚くしたりあるいは、全体的な補強をすること
により、車体剛性を上げる必要がないので、重量の増加
を招くことがない。
【0083】車両の旋回動作が終了すると、易変形部8
1、サスペンションメンバ31a、31bは自信の復元
力により元の形状に素早く戻る。
【0084】また、この実施例においても、図示しない
連結部材により、支持点37の近傍を車体上部に連結す
ることにより、支持点37、39は外側に引張られて、
後輪13a、13bをコーナーリングに対する所期の方
向により向け易くなる。
【0085】なお、本実施例では、サスペンションクロ
スメンバ79に、第1実施例と同構成の易変形部81を
設けたが、サスペンションクロスメンバ79を第2、第
3、第4実施例のクロスメンバフロント53、61、7
1のような構成としても良い。
【0086】第6実施例 次に第6実施例について図11を用いて説明する。上述
した各実施例では、フレームタイプ以外の車体構造につ
いて説明したが、本実施例は、本発明をペリメタフレー
ムの車体構造に適用した例である。
【0087】図11に示すように、車体89は、フレー
ム(強度部材)91上に、ボディマウント93a〜93
gを介して支持されている。なお、図11は車両の片側
(左側)部分のみを表示しており、他の片側(右側)は
省略している。従って、図11に示すフレーム91は、
左側のフレーム部分91aと右側のフレーム部分(不図
示)とを有している。
【0088】これらの左右のフレーム部分に、上記第5
実施例と同様のサスペンションメンバ31a、31bの
両前端部が支持点33、35で支持されている(図10
参照)。また、上記第5実施例と同様に左右のフレーム
部分間には、図示しないリヤクロスメンバフロントとリ
ヤクロスメンバリアとが連結されている。また、車両後
方側のリヤクロスメンバリアの中間部にサスペンション
メンバ31a、31bの後端部側が支持点37、39で
支持されている。さらに、本実施例においても上記第5
実施例と同様に、車両前方側のサスペンションクロスメ
ンバ79に、易変形部81が形成されている。
【0089】本実施例では、図11に示すように、ボデ
ィマウント93e、93fの間に支持点33、35が位
置しており、最後方位置のボディマウント93g側に支
持点37、39が位置している。このようにボディマウ
ント及び支持点を配置することにより、車両が旋回する
際に、車体のローリングによって車体が外側に移動しよ
うとすると、支持点37あるいは支持点39が車体最後
方位置のボディマウント93g側に位置しているので、
フレーム91の後方側は旋回時に旋回方向の外側に引っ
張られる。これにより支持点37、39が旋回方向の外
側に引っ張られる。
【0090】本実施例によれば、車両旋回時に、サスペ
ンションクロスメンバ79が易変形部81で弾性変形す
ることにより後輪13a、13bをコーナーリング対す
る所期の位置に向けることが出来、フレーム91の後方
側が旋回方向の外側に引っ張られるので、後輪13a、
13bをコーナーリングに対する所期の方向により向け
易くなる。
【0091】また、本実施例では、ボディマウントの位
置を上記したように配置することで、車両旋回時に車両
後方側を旋回方向の外側に引張ることが出来るので、連
結部材を設ける必要がなく、上記各実施例と比較して部
品点数を少なくすることが出来る。しかも、連結部材を
設けない分だけ重量を低減することが出来る。
【0092】なお、本実施例では、第5実施例と同様に
車体前方側のサスペンションクロスメンバに易変形部を
設けたが、第1実施例のようにリヤクロスメンバフロン
ト87に易変形部を設けても良く、また、リヤクロスメ
ンバフロントは、第2、第3実施例で示した構成のもの
でも良い。
【0093】また、上述の各実施例では、強度メンバ
(リヤクロスメンバフロント43、53、61、71、
サスペンションクロスメンバ79)に易変形部を設け
て、旋回時に後輪13a、13bをコーナーリングに対
する所期の方向に向けることにより、違和感なく旋回出
来るようにしたが、強度メンバに設けた易変形部の弾性
変形量を多くすることにより、旋回時に前輪の舵角と同
方向に後輪を向けることも可能である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、強度メンバに、曲げ剛性を維持しつつ横力に
より弾性変形する易変形部を設けたことにより、重量増
となることがなく、車両旋回時に後輪を所期の方向に向
けることが出来る。よって、車体の変形に係わらず前輪
のコーナーリングフォースの発生に対して後輪のコーナ
ーリングフォースを素早く発生させることが出来るの
で、旋回時に違和感なく操縦することが出来る。
【0095】請求項2記載の発明によれば、強度メンバ
に切欠部を設けて易変形部を形成し、この切欠部にハニ
カム部材を嵌合させることにより、軸方向の力に対して
は剛性が低く、曲げ力、捩り力に対しては高い剛性を得
ることが出来る。
【0096】請求項3記載の発明をによれば、強度メン
バにスリットと補強部材を設けることにより、軸方向の
力に対して剛性が低い易変形部を全体で構成すると共
に、曲げ力や捩り力に対しては高い剛性を得ることが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体構造が適用された第1実施例
の車両の後部を示す平面図である。
【図2】本発明に係る車体構造が適用された第1実施例
の車両の車体を示す斜視図である。
【図3】第1実施例の左右のサイドメンバと、これらの
サイドメンバ間に連結された強度メンバを示す斜視図で
ある。
【図4】車体後部のストラットハウジングとリヤピラー
とを示す斜視図である。
【図5】第1実施例の車体構造を示し、車両旋回時にお
ける左右のサイドメンバと、車輪と、強度メンバとの関
係を示す平面図である。
【図6】第2実施例の強度メンバを示す斜視図である。
【図7】第3実施例の強度メンバを示す斜視図である。
【図8】第4実施例の強度メンバを示す斜視図である。
【図9】第4実施例の強度メンバを示し、(a)は図7
のVIIIa−VIIIa線に沿って切断した断面図、
(b)はVIIIb−VIIIb線に沿って切断した断
面図である。
【図10】第5実施例の車体構造を示す平面図である。
【図11】第6実施例の車体構造を示す側面図である。
【図12】従来の車体構造の車両を示す側面図である。
【図13】従来の車体構造におけるストラットタワー部
を示す斜視図である。
【図14】車両が旋回するときの、車体の挙動と、車体
に発生する力と車輪との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
13a、13b 後輪 23 車体 25、27 サイドメンバ 29a、29b サスペンションアーム 31a、31b サスペンションメンバ 43、53、61、71 クロスメンバフロント(強度
メンバ) 45、81 易変形部 49、83 切欠部 51、85 ハニカム部材 59a〜59e ブレース 67a〜67d ブレース 69a〜69d スリット 79 サスペンションクロスメンバ(強度メンバ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体後部の車幅方向両側で車体前後方向
    に指向して配置され、前端部及び後端部が車体側に支持
    されたサスペンションメンバと、 前記サスペンションメンバの車体前後方向の中間部に支
    持され後輪を支持するサスペンションアームと、 前記サスペンションメンバの前端部側で車幅方向に指向
    して配置され、前記サスペンションアームからサスペン
    ションメンバへ入る横力を受ける強度メンバとを備え、 前記強度メンバに、曲げ剛性を維持しつつ前記横力によ
    り弾性変形する易変形部を設けたことを特徴とする車体
    下部構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、前記易変
    形部は、前記強度メンバに、前記横力により弾性変形を
    許す切欠部と、この切欠部に嵌合して曲げ剛性を維持す
    るハニカム部材とを設けて形成することを特徴とする車
    体下部構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明であって、前記易変
    形部は、強度メンバに、前記横力により弾性変形を許す
    スリットと、曲げ剛性を維持する補強部材とを設けて形
    成することを特徴とする車体下部構造。
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