JPH07156072A - パワーレンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に組み立てることができ、かつ疲労した
部品の交換が必要な場合に取り外すことのできるように
ハウジングに配置されたシリンダブッシュを備えるパワ
ーレンチを提供すること。 【構成】 ヘッド部１１と駆動部１２とで構成されるハ
ウジング１０を備えたパワーレンチ。駆動部１２は、ヘ
ッド部１１と反対側の側面の開口２２を通じてハウジン
グ１０の内部に挿入されるシリンダブッシュ２１を具備
する。このシリンダブッシュ２２およびその内部に容れ
られたピストン２８は、容易に交換することができる。
締め連結部に関しては、ピストンロッド２９がヘッド部
１１に含まれる回転可能なレバー１７に結合されている
ため、該レバー１７によって引き離すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハウジングの内部に配
置されたシリンダブッシュと、前記ハウジングの内部で
変位可能なピストンと、回転可能に支持されたレバーを
介して往復駆動される環状部片とを具備した圧力作動式
のパワーレンチに関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】米国
特許第４８０５４９６号、もしくは米国特許第５２６３
３８８号に開示されたパワーレンチは、ヘッド部と駆動
部とから成るハウジングを備えている。駆動部は、ヘッ
ド部の内部から駆動部の対応するボアに挿入され、かつ
ヘッド部と反対側の駆動部の終端部壁に支持された交換
可能なシリンダブッシュを含んでいる。このシリンダブ
ッシュは、ヘッド部の内部から装着されている。このた
め、シリンダブッシュの装着は、レバーと環状部材とを
装着する以前に済ましておかなければならない。６００
〜８００バールもの非常に高い圧力に耐えねばならない
シリンダブッシュに、たとえば割れ等の欠陥が生じた場
合、あるいはピストンを交換しなければならない時、パ
ワーレンチの全体を分解しなければならない。この場
合、環状部材およびレバーは、最初に取り去られなけれ
ばならない。

【０００３】本発明の目的は、上記実情に鑑みて、容易
に組み立てることができ、かつ疲労した部品の交換が必
要な場合に取り外すことのできるようにハウジングに配
置されたシリンダブッシュを備えるパワーレンチを提供
することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
パワーレンチでは、シリンダブッシュが装着される開口
がヘッド部と反対側のハウジングの端面に位置されてい
る。この開口は、シリンダブッシュを押し通すために十
分に大きく形成されている。次に、シリンダブッシュ
は、たとえばねじ込むことにより、もしくは頑丈な蓋体
によって開口を閉塞することにより、ハウジングに固定
されているため、シリンダ内に作用する押圧力が開口を
通じてシリンダブッシュを押すことができない。

【０００５】ハウジングの端部からシリンダブッシュを
装着することは、さらに、比較的全長の短いハウジング
に対して複数の長さの異なるシリンダブッシュを用いる
ことができるという利点をもっている。長さの大きいあ
る特定のシリンダブッシュでは、ハウジングの外部に突
き出る可能性がある。したがって、ハウジングにおける
駆動部の長さは、全長の一番短いシリンダブッシュに応
じて寸法決めすることができる。長いシリンダブッシュ
は、部分的にハウジングから突出する。長いシリンダブ
ッシュは、たとえばピストンの復元力が流動体圧ではな
く、バネによって発生されるとき用いられる。シリンダ
ブッシュに復帰バネを用いる場合には、より大きな軸方
向長さが要求される。

【０００６】したがって、本発明に係るパワーレンチで
は、挿入されるシリンダブッシュとピストンとのユニッ
トに関してだけ異にすれば異なる機能のものを製造する
ことが可能となる。

【０００７】本発明の実施例によれば、抜去可能な締め
連結部によってピストンロッドがレバーに結合されてい
る。このことは、レバーおよび環状部材がハウジング内
に留まるのに対し、ハウジングの外部からピストンを引
張ることができるという利点を有する。ピストンを取り
外すためには、それ以前にシリンダブッシュのみを取り
去ればよい。シリンダブッシュとともにピストンを再挿
入すると、ピストンロッドの端部がレバーに捕らえら
れ、そこで締め連結部が結合する。ピストンが往作動し
ている間、ピストンロッドの端部がレバーを押すように
作用し、締め連結部は緊張しない。ピストンが復作動し
ている間、ピストンロッドは大きな力を要することなく
レバーを引く。この低い力による復帰動作は、締め連結
部が解放されるという危険性を伴わない。

【０００８】

【実施例】以下、一実施例を示す図面に基づいて本発明
を詳細に説明する。図１によれば、パワーレンチは、ヘ
ッド部１１と駆動部１２とで構成された一体状のハウジ
ング１０を備える。ヘッド部１１は、２つの平行な板状
壁によって画成された作動室１３を有する。これらの壁
に環状部材１４が回転可能に支持されている。環状部材
１４は、輪郭内歯１５を有する開口を備え、この開口内
に回転すべきボルトヘッドに装着される丸ダイスの軸が
挿入可能である。

【０００９】環状部材１４には、バネ負荷式のラチェッ
ト要素１８を備えたレバー１７が支持されており、該ラ
チェット要素１８は環状部材１４のラチェット外歯１９
と係合可能である。ラチェット要素１８は、レバー１７
が環状部材１４を一方向にだけは一緒に引張るが、他の
回転方向には環状部材１４を回転させないで戻るように
構成され、かつレバー１７に支持されている。

【００１０】駆動部１２においては、シリンダブッシュ
２１がボア２０の内部に配置されている。シリンダブッ
シュ２１をハウジング１０の内部に挿入するハウジング
開口２２が、ヘッド部１１と反対側の駆動部１２の外端
に位置している。開口２２は、蓋体２３がねじ込まれる
ネジ山を備えている。蓋体２３は、その外側部に複数の
孔２４を備え、これらの孔２４内に蓋体２３を回転させ
る工具が挿入可能である。同様の孔２５がシリンダブッ
シュ２１の底２６の外側部に配置されている。底２６
は、蓋体２３に支持されている。

【００１１】さらに、シリンダブッシュ２１は、ヘッド
部１１に面したその前端部に雄ネジ２７を備えている。
この雄ネジ２７は、シリンダブッシュ２１の長さの約半
分にわたって延び、かつボア２０の雌ネジにねじ込まれ
ている。

【００１２】シリンダブッシュ２１は、油圧等の液圧シ
リンダを形成し、その内部でピストン２８が変位可能で
ある。ここで、ピストン２８は、球状ピストンとして構
成されており、シリンダ壁に対する密封を維持しなが
ら、シリンダブッシュ２１の内部で異なる旋回位置を取
ることができる。このピストン２８には、ピストンロッ
ド２９が固着されている。ピストンロッド２９の先端に
位置した球状ヘッド３０が、レバー１７の球状軸受３１
内に着座している。球状軸受３１には、締め輪バネ構造
形式のロック装置３２が設けられており、このロック装
置３２が球状ヘッド３０を取り囲むことにより、該球状
ヘッド３０を球状軸受３１内に保持している。球状ヘッ
ド３０がレバー１７に対して押圧されると、ロック装置
３２は半径方向に一旦拡張した後に球状ヘッド３０の後
方で再び閉じ、該球状ヘッド３０を球状軸受３１内に保
持することになる。

【００１３】シリンダブッシュ２１の内部には、ピスト
ン２８と別個に、戻りストローク用の補助ピストン３３
が設けられている。補助ピストン３３は、傾かないよう
に円筒状のピストン面を有している。スリーブ３４が補
助ピストン３３から作動室１３の方へ向かって突き出て
いる。スリーブ３４を取り囲み、かつ前方のシリンダ室
３５を密封するシール３４ａがヘッド部１１と駆動部１
２との間の結合壁に設けられている。前方のシリンダ室
３５は、補助ピストン３３によって区画され、後方のシ
リンダ室３６は、ピストン２８と底２６とによって区画
されている。

【００１４】前方のシリンダ室３５は、ライン３８に接
続され、後方のシリンダ室３６は、ライン３９に接続さ
れている。これらライン３８，３９には、接続装置４０
を介してそれぞれホースが接続可能である。

【００１５】パワーレンチの動作時、作動ストローク
は、ライン３９を加圧する一方、ライン３８を加圧しな
いことによって行われる。シリンダ室３６内の圧力でピ
ストン２８が前進すると、ピストンロッド２９がレバー
１７を押圧し、ラチェット要素１８を介して環状部材１
４を回転させる。また同時に、ピストン２８は、補助ピ
ストン３３も押す。戻りストローク時には、ライン３８
が加圧される一方、ライン３９は加圧されない。シリン
ダ室３５内の圧力で補助ピストン３３が駆動され、ピス
トン２８をその後端位置へと押圧される。

【００１６】ヘッド部１１の周壁のうちレバー１７と反
対側を向いた部分には、取り外し可能な蓋体４３によっ
て閉じられた取付開口４２が設けられている。蓋体４３
を取り外せば、取付開口４２を介して環状部材１４とレ
バー１７の組立ユニットとをハウジング１０内に取り付
け可能である。

【００１７】シリンダブッシュ２１および２つのピスト
ン２８，３３の組立ユニットを取り付けるには、前記開
口２２を介してハウジング１０内に挿入すればよい。

【００１８】図２に示した実施例では、ハウジング１０
が第１実施例と同様に構成されている。しかしながら、
この第２実施例では、ハウジング１０に挿入されるピス
トン−シリンダユニットが異なっている。すなわち、シ
リンダブッシュ２１ａは、先のシリンダブッシュ２１よ
りも大きな長さを有し、ハウジング１０の駆動部１２か
ら突出している。シリンダブッシュ２１ａの外面の雄ね
じ２７ａは、ボア２０の雌ねじにねじ込まれている。蓋
体２３は、用いられていない。

【００１９】また、第２実施例には、補助ピストン２３
がない。ピストン２８ａの復元力は、シリンダブッシュ
２１ａの内部に配置されたスプリング４４によって発生
される。スプリング４４は、一方の端部がピストン２８
ａを押圧するとともに、ピストンロッド２９ａが突出し
て通り抜けるハウジング１０の隔壁にもう一方の端部が
支持されている。このスプリング４４のためにより大き
な長さのシリンダブッシュ２１ａが必要となる。

【００２０】同一のハウジング１０を、図１に示すよう
な複動式ピストン−シリンダユニット、もしくは図２に
示すような単動式ピストン−シリンダユニットとして任
意に用いることが可能である。これらピストン−シリン
ダユニットは、上述した方法によって容易に交換するこ
とができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るパワ
ーレンチによれば、シリンダブッシュが装着される開口
がヘッド部と反対側のハウジングの端面に位置されてい
るため、容易に組み立てることができ、かつ疲労した部
品の交換が必要な場合に取り外すことが可能である。

【００２２】しかも、シリンダブッシュをハウジングの
端部から装着するようにしているため、比較的全長の短
いハウジングにも複数の長さの異なるシリンダブッシュ
を用いることができるようになり、挿入されるシリンダ
ブッシュとピストンとのユニットに関してだけ異にすれ
ば異なる機能のものを製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパワーレンチを示したもので、複
動式シリンダを備えた第１実施例を示す長さ方向断面図
である。

【図２】本発明に係るパワーレンチを示したもので、単
動式シリンダを備えた第２実施例を示す長さ方向断面図
である。

【符号の説明】

１０…ハウジング １１…ヘッド部 １２…駆動部 １４…環状部材 １７…レバー ２１，２１ａ…シリンダブッシュ ２２…開口 ２３…蓋体 ２７，２７ａ…雄ねじ ２８，２８ａ…ピストン ２９，２９ａ…ピストンロッド ３２…ロック装置 ４２…取付開口

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状部材およびこの環状部材を引張るレ
   バーがそれぞれ回転可能に支持されたヘッド部と、 シリンダブッシュおよびこのシリンダブッシュ内に移動
   可能に配置され、ピストンロッドが前記レバーに結合さ
   れたピストンをそれぞれ包含した駆動部とを具備して構
   成されるハウジングを備えたパワーレンチにおいて、 前記シリンダブッシュは、ヘッド部と反対側の駆動部の
   外端部に配置された開口を通じてハウジングの内部に挿
   入されるように適合され、かつハウジングの外部から解
   除される締め具によって駆動部に装着されていることを
   特徴とするパワーレンチ。
2. 【請求項２】 前記ピストンロッドは、伸張性を有した
   押し込み、もしくは締め連結部によって前記レバーに結
   合されていることを特徴とする請求項１記載のパワーレ
   ンチ。
3. 【請求項３】 前記環状部材および前記レバーを挿入す
   るための取付開口は、該環状部材の周面において前記レ
   バーと反対側の側面に配置されていることを特徴とする
   請求項１記載のパワーレンチ。
4. 【請求項４】 前記シリンダブッシュは、雄ねじによっ
   て前記ハウジングにねじ込まれていることを特徴とする
   請求項１記載のパワーレンチ。
5. 【請求項５】 前記シリンダブッシュは、前記開口に着
   脱可能に装着される蓋体によって支持されていることを
   特徴とする請求項１記載のパワーレンチ。
6. 【請求項６】 前記シリンダブッシュは、前記ハウジン
   グの外部に突出していることを特徴とする請求項１記載
   のパワーレンチ。
7. 【請求項７】 前記ハウジングの内部に任意に挿入する
   ことのできる少なくとも２種類の異なるシリンダブッシ
   ュが用意されていることを特徴とする請求項１記載のパ
   ワーレンチ。