JPH0715399Y2 - 家庭栽培用椎茸ホダ木 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は家庭での椎茸の原木栽培を行うための椎茸ホダ
木に関する。

（従来の技術） 独特の風味があり、また多くの薬効がある椎茸を実利と
楽しみを兼ねて家庭で栽培することは一種のブームとも
なっている。しかし、椎茸は、通常、原木栽培といっ
て、直径６〜15cm、長さ１米前後の原木を植菌によって
ホダ化させ、通風の良い場所で適度な水気を保ちなが
ら、直射日光や荒風を避けて栽培するものであって、こ
れだけの大きさのホダ木は、家庭栽培用として持ち運び
するのに不便であるし、都市型化が進んだ今日の家庭で
は置き場所にも苦労するのが実情である。そこで、持ち
運びが楽で、手軽に家庭栽培できるようにということ
で、ホダ木を短く切って販売することも試みられてい
る。

（考案が解決しようとする課題） 子供，婦人あるいは老人が簡単に持ち運びでき、かつま
た、都市型住宅の狭い環境の中で椎茸栽培を気軽に楽し
めるようにするには、従来の長くて重いホダ木を３〜50
cm程度の長さに切断することが必要である。しかしなが
ら、従来の椎茸ホダ木の場合、これほどの長さに切断し
たのでは椎茸の発生状況が著しく悪化し、栽培の楽しみ
が少なくなってしまう。

すなわち、従来の椎茸ホダ木は、一般に駒形種菌を原木
の植菌孔に植菌したものであって、この駒形種菌は菌糸
の蔓延が遅く、また、植菌孔の間隔が、長さ方向には20
〜30cmで、幅方向には６〜10cmと広くて植菌孔の数が少
ないために、椎茸が生えにくく、そのために、短いホダ
木では、発生する椎茸の数は少ない。

本考案はこのような問題点を解決するためになされたも
のであって、短く、取り扱いが便利で、しかも十分な数
の椎茸の発生を可能とする家庭栽培用椎茸ホダ木を得る
ことを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、原木に長さ方向には４〜10cmの間隔をおき幅
方向には２〜5cmの間隔をおいて植菌孔を設け、該植菌
孔に多発生型のオガ種菌を植菌し、完熟ホダ木とさせた
のち、前記原木を短く切断することにより上記課題を解
決した。

（作用） 長さ方向には４〜10cmの間隔で、また、幅方向には２〜
5cmの間隔で、つまり、通常の植菌孔の数の３〜10倍程
度の数となるように設けられた植菌孔に多発生型のオガ
種菌が植菌されることにより、菌糸の蔓延は早くて椎茸
の発生が多くなり、また、完熟ホダ木となったのち切断
されるので、短く切断されたホダ木によっても十分な数
の椎茸を生じさせることができ、家庭栽培が手軽の行え
る。

（実施例） 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示している。この実施例に
おいて、原木１は第１図に二点鎖線で示す部分を含めて
全長が１米前後で、直径は６〜15cmである。この原木１
に長さ方向に４〜10cmの間隔（l₁）をおき幅方向に２〜
5cmの間隔（l₂）をおいて植菌孔２が設けられ、これら
植菌孔２に種菌が植えられる。

種菌としては、通常用いられる駒形種菌に比べて菌糸の
蔓延が早いオガ種菌を選択し、しかも、オガ種菌のうち
でも腐朽力の際得て強い多発生型の種菌が用いられる。
そして、この植菌された原木１はその１米前後の長さの
ままホダ化させ、完熟ホダ木になってから３〜50cm程
度、好ましくは30cm程度の長さのホダ木３に切断する。

こうしてできた短いホダ木３を家庭において全体を水に
浸した後室内や庭先の直射日光の当たらない場所に置
き、適当な水気と通気を保つことで、第２図に示すよう
に椎茸４を発生させることができる。しかも、短いホダ
木３ではあっても、発生する椎茸４の数量は多く、年間
４〜５回の発生が可能で、２年間収穫することができ
る。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成されているので、短くて取り
扱いが便利でしかも椎茸を多量に発生させることのでき
るホダ木が得られ、これを用いて家庭で手軽に椎茸栽培
を楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構造図、第２図は同実施例
において椎茸を発生させた状態のホダ木の外観図であ
る。 1:原木、2:植菌孔、3:ホダ木、4:椎茸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】原木に長さ方向には４〜10cmの間隔をおき
   幅方向には２〜5cmの間隔をおいて植菌孔を設け、該植
   菌孔に多発生型のオガ種菌を植菌し、完熟ホダ木とさせ
   たのち、前記原木を短く切断してなる家庭栽培用椎茸ホ
   ダ木。