JPH07153848A - Cmos集積回路装置及びその製造方法 - Google Patents

Cmos集積回路装置及びその製造方法

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JPH07153848A
JPH07153848A JP6222109A JP22210994A JPH07153848A JP H07153848 A JPH07153848 A JP H07153848A JP 6222109 A JP6222109 A JP 6222109A JP 22210994 A JP22210994 A JP 22210994A JP H07153848 A JPH07153848 A JP H07153848A
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JP
Japan
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power supply
phase shift
wiring
integrated circuit
supply wiring
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Withdrawn
Application number
JP6222109A
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English (en)
Inventor
Masato Tatsuoka
真人 立岡
Tomio Sato
富夫 佐藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Microwave Amplifiers (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な観点に基づく電源配線のノイズ低減策
を備えた動作周波数250MHz以上のCMOS集積回
路装置を提供する。 【構成】 半導体基板と、前記半導体基板上に形成され
た電源パッドと、前記半導体基板上に形成されたCMO
S素子を含む回路素子と、前記回路素子の1つと前記電
源パッドを接続するための電源配線と、前記電源配線に
接続され、前記回路素子には接続されず、電源配線との
間にノイズ位相差を形成するための移相分岐部とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CMOS集積回路装置
に関し、特にノイズ対策を備えた高速CMOS集積回路
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CMOS回路は、素子がスイッチングす
る極めて短い期間のみ実質的な消費電流が流れ、低消費
電力の特徴を有する。半導体装置の高集積化と共に低消
費電力化が要求され、CMOS集積回路装置の重要性が
増している。しかし、CMOS集積回路装置において
は、消費電流がスパイク状に流れるため、電源ラインに
はスパイク状のノイズが発生し易い。
【0003】近年、回路動作の高速化の要求と共に、C
MOS回路も回路の高速化、高周波化が進んでいる。ま
た、電源電圧に関しては、低電圧化が進んでいる。高周
波化、低電圧化されたCMOS回路において、回路素子
のスイッチングによって発生するスパイクノイズが電源
配線の電圧を変化させると、回路の他の部分にも雑音が
発生する。このように電源配線に重畳されるスパイク状
ノイズは回路機能を大きく制限する。
【0004】他の回路素子へのスイッチングノイズの影
響を低減するためには、電源配線の幅を広くすることが
考えられる。電源配線の電位が電源電圧に固定されれば
スイッチングノイズの影響は小さくなる。しかし、高集
積化の要求から電源配線の幅増加には制限がある。この
ため、電源配線を介してノイズが他の回路素子に及ぶこ
とを防止するため、パッドを数多く設けること、電源配
線の長手方向に平行にスリットを形成すること、電源配
線を格子状にすること等が、従来提案されている。
【0005】これらの対策は、電源配線の実効電流容量
を増加してスイッチングノイズ自体を減少させること、
ノイズ源から電源配線の接続ノードまでの抵抗を増加し
てノイズの影響を減少させること等を意図したものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の電源配線
のノイズ低減策は、電源電位の利用可能な幅を狭める
(高電位を下げ、低電位を高める)こととなり、低電圧
電源化するCMOS集積回路装置において、回路の動作
マージンを狭めたり、高速性を阻害することになる。
【0007】従来の電源配線のノイズ低減策は、配線の
抵抗(R)成分や容量(C)成分ないし時定数に着目す
るものであったが、この考えに基づく改善策には種々の
制限が見えてきた。特に、250MHz以上の動作周波
数、例えば250〜300MHzの範囲の動作周波数を
実現しようとすると、制限が厳しい。
【0008】本発明の目的は、新規な観点に基づく電源
配線のノイズ低減策を備えた動作周波数250MHz以
上のCMOS集積回路装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のCMOS集積回
路装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され
た電源パッドと、前記半導体基板上に形成されたCMO
S素子を含む回路素子と、前記回路素子の1つと前記電
源パッドを接続するための電源配線と、前記電源配線に
接続され、前記回路素子には接続されず、電源配線との
間にノイズ位相差を形成するための移相分岐部とを有す
る。
【0010】前記移相分岐部は、前記電源配線と共にル
ープを形成し、ループ内での電源配線の位相シフト量と
移相分岐部の位相シフト量が異なり、その差が2nπ
(nは整数)以外となるようにしてもよい。
【0011】また、前記移相分岐部は、一端が電源配線
に接続され、他端は孤立し、内部を往復する反射信号の
位相シフト量が2nπ(nは整数)以外となるようにし
てもよい。
【0012】前記電源配線が2本以上で並んで対向配置
されている場合に、相互にかみ合うくし歯状の前記移相
分岐部が対向する電源配線に接続されるように配置して
もよい。
【0013】前記位相シフト量の差が、52〜308°
となるようにすることが好ましい。一端が電源配線に接
続され、他端が孤立した移相分岐部の場合に、移相分岐
部の減衰定数はα、位相定数はβ、長さはdであり、 cos(2dβ)<−exp(−2dα)/2 の関係を満たすように設計することが好ましい。
【0014】
【作用】動作周波数が250MHz以上になると、回路
中のインダクタンス(L)成分やキャパシタンス(C)
成分が重要な役割を果たすようなになる。
【0015】回路素子と電源を接続するための電源配線
に、電源配線との間に位相差を形成するための移相分岐
部を接続することにより、電源配線中のノイズ成分に異
なる位相の成分を合成することができる。これら異なる
位相を有する信号同士が互いにキャンセルすることによ
り、ノイズは低減する。
【0016】前記移相分岐部を、電源配線と共にループ
を形成するようにすることにより、ノイズ成分を分岐し
て伝搬させ、合流させることができる。また、前記移相
分岐部を、一端が電源配線に接続され他端が孤立した配
線とすることにより、ノイズ成分を分岐して伝搬させ、
他端で反射させて元のノイズ成分に合流させることがで
きる。このときの電源配線の位相シフト量と移相分岐部
の位相シフト量の差が2nπ(nは整数)以外になるよ
うにすればノイズ成分は低減する。
【0017】電源配線が2本以上で並んで対向配置され
ている場合に、移相分岐部の形状を相互にかみ合うくし
歯状とすることにより、移相分岐部が占有する面積を小
さくすることができる。
【0018】位相シフト量の差が、52〜308°とな
るようにすることにより、ノイズ成分の振幅を10%以
上低減することが可能になる。一端が電源配線に接続さ
れ、他端が孤立した移相分岐部の場合に、移相分岐部の
減衰定数はα、位相定数はβ、長さはdであり、 cos(2dβ)<−exp(−2dα)/2 の関係を満たすように設計すれば、ノイズ波形の振幅が
低減する。
【0019】
【実施例】まず、本発明の実施例の説明に先立ち、CM
OS回路の概略を説明する。図3(A)は、CMOS構
成のインバータ回路を示す。pチャネルMOSトランジ
スタ(pMOST)とnチャネルMOSトランジスタ
(nMOST)が直列に接続され、電源配線VDDとVSS
の間に接続されている。
【0020】これら2つのMOSTのゲート電極は共通
に接続され、入力端子INに接続されている。また、2
つのMOSTの相互接続点は、出力端子OUTに接続さ
れている。
【0021】図3(B)は、pMOSTあるいはnMO
STと電源パッドとをそれぞれ接続する電源配線VDD
るいはVSSの平面図を示す。厚さt、幅W1の配線51
が形成されている。配線のコンダクタンスを高くするに
は、通常厚さt、幅W1の積で表される配線断面積を増
大する。
【0022】図3(C)は、CMOS回路の断面構造を
示す。p型シリコン基板60には、n型ウェル61が形
成されている。p型領域60内にn型ソース及びドレイ
ン領域62S、62D、n型ウェル61内にp型ソース
及びドレイン領域63S、63Dが形成されている。ソ
ースとドレイン間のチャネル上にはゲート酸化膜を介し
て多結晶シリコンのゲート電極65、66が形成されて
いる。
【0023】絶縁膜67の開口部を通して電極68、6
9、51がソース及びドレイン領域に接触している。こ
れらの電極上にさらに絶縁膜70が形成されている。こ
のCMOS回路構造は公知のものである。なお、公知の
他の構成を用いてもよい。
【0024】図3(A)に示す回路において、入力端子
INの電位が高いときは、nMOSTがオンし、pMO
STがオフする。したがって、出力端子OUTの電位は
低電位となる。逆に入力端子INの電位が低いときは、
nMOSTがオフし、pMOSTがオンする。したがっ
て、出力端子OUTの電位は高くなる。このように、n
MOSTとpMOSTの直列接続は、インバータ回路を
構成する。
【0025】このようなCMOSインバータ回路におい
ては、定常状態においてはいずれかのMOSTがオフ
し、電流はほとんど流れない。したがって消費電力は極
めて小さい。
【0026】CMOSインバータ回路に電流が流れるの
は、入力信号電位が変化し、過渡的に両MOSTがオン
する瞬間である。両MOSTがオンする瞬間は、インバ
ータ回路を通って貫通電流が流れる。このため、電源配
線に電流が流れ、抵抗成分による電圧降下等によってス
パイク状ノイズが発生する。
【0027】図3(B)は、従来のCMOS回路用配線
を示す。VDD用配線およびVSS用配線は、共に図3
(B)に示すように一定の幅を有する導電配線層51に
よって形成されている。瞬間的に電流が流れても電源配
線に電圧降下を生じさせないためには、電源配線層51
の断面積が十分大きく、抵抗が十分低ければよい。
【0028】しかしながら、このような考えに基づき、
導電配線層51の断面積を大きくすると、半導体CMO
S回路装置における配線の占有面積が非常に大きなもの
になってしまう。
【0029】本発明者は、250MHz以上の動作周波
数を有するCMOS集積回路装置の電源配線において、
位相定数βの異なる複数の配線を結合し、位相の異なる
電位波形を合波することにより、ノイズを抑制すること
を提案する。
【0030】配線の容量や抵抗だけによる解決ではな
く、超高速動作によって見えてくる配線のインダクタン
スを利用する。電源配線の接地ラインVSSおよび高電圧
ラインVDD上に発生するノイズは、インバータ等のノイ
ズ源で流れる電流により発生している。このノイズは、
クロック周波数が上がるにつれ、ますます多発する。さ
らに、低電圧化に応じ、ノイズマージンが減少するた
め、ノイズの影響は無視できなくなってくる。
【0031】また、集積回路のスケールダウンにより半
導体素子自体は小さくなり、集積度は上がるが、その分
ノイズ源が集まる。近接した配線間は相互インダクタン
スで結合されるので、ノイズはより深刻な問題になる。
電源配線を太くせずに回路を設計すると、配線の容量や
抵抗の他にインダクタンスが見えてき、ノイズが増加す
ることになる。
【0032】以下、電源配線を太くせず、配線の容量
(C)、抵抗(R)、インダクタンス(L)を利用して
ノイズを抑制する方法を説明する。R、L、Cを含む配
線の等価回路において、1本の配線上の任意の点xでの
電圧は、
【0033】
【数1】 V(x)=K1 exp〔−αx〕・exp〔−jβx〕 と表される。
【0034】ここで、αは減衰定数、βは位相定数、K
1 はx=0での電圧であり、任意の点xでの瞬時値は、
【0035】
【数2】 V(x,t)=Im〔(2)1/2 1 exp〔−αx〕・sin (ωt−βx)〕 =(2)1/2 1 exp〔−αx〕・sin(ωt−βx) と表せる。
【0036】ここでαとβは、
【0037】
【数3】α=〔RG−ω2 LC+{(R2 +ω2 2
×(G2 +ω2 2 )}1/2 /2〕1/2 β=〔−RG+ω2 LC+{(R2 +ω2 2 )×(G
2 +ω2 2 )}1/2 /2〕1/2 である。
【0038】本発明の実施例による電源配線の基本構成
を、図1に示す。図1(A)は両端が同一の電源配線に
接続されたループ状分岐配線の構成例を示し、図1
(B)は一端が配線に接続され、他端が孤立した移相分
岐部を有する分岐配線の構成例を示す。
【0039】図1(A)において、主配線1にループ状
分岐配線2が接続されている。ループ状分岐配線2の両
端は、主配線1の異なる位置に接続されて、主配線1と
共にループ回路を構成する。ループ回路内において、主
配線1は位相シフトφ1を有し、ループ状分岐配線2は
位相シフトφ2を有する。すなわち、ループ回路に入射
した信号がループ回路から出て、再び主配線1のみに入
る点において、位相の差Δφ=φ2−φ1を生じる。
【0040】ループ状分岐配線は、実線で示すように主
配線1と同一配線層の配線2で形成してもよいし、破線
で示すように主配線1と異なる配線層の配線2aで形成
してもよい。
【0041】図1(B)において、主配線1には1本の
配線である移相分岐配線3の一端が接続されている。位
相分岐配線3の他端はどこにも接続されず、孤立した状
態である。すなわち、移相分岐配線3は通常の配線とし
ての役割を果たさず、直流的には電流が流れない状態に
ある。この移相分岐配線3の位相定数をβ3とする。主
配線1から移相分岐配線3に信号が入り、他端で反射し
て再び主配線1に戻るまでに信号の位相はΔφ=2・φ
3の移相を受ける。
【0042】移相分岐配線は、実線で示すように主配線
1と同一配線層の配線3で形成してもよいし、主配線1
と異なる配線層の配線3aで形成してもよい。図1
(A)の配線において、主配線1の図中左側部分からル
ープ回路を構成する主配線1とループ状分岐配線2に信
号が入り、ループ回路内を互いに逆方向に進行し、合流
点に達するまでの振る舞いを考える。
【0043】ループ回路内での主配線1の長さをa、ル
ープ状分岐配線2の長さをbとすると、合流点における
信号電位は、
【0044】
【数4】V(合流点)=V(a,t)+V(b,t) となる。
【0045】この信号がノイズである場合、ノイズ電位
V(合流点)が減少するには、V(a,t)とV(b,
t)の一方に較べ、他方の位相差が0より大で2π未満
であればよい。この位相差は、好ましくは(1/2)π
以上(3/2)π以下、さらに好ましくは、(3/4)
π以上(5/4)π以下がよい。
【0046】すなわち、
【0047】
【数5】 |ωt−β1 a−(ωt−β2 b)|=|β2 b−β1 a|=Δφ が0より大で2π未満であれば、ノイズ振幅が互いに減
衰し合う。位相差Δφがπのとき減衰量は最大になる。
Δφは、配線の長さa、bを変化させることにより調整
でき、0より大で2π以内の範囲内の値とすればよい。
【0048】250MHz以上の高周波数においては、
以下のような近似を行うことができる。まず、〔数3〕
式のαの式中の分子は、
【0049】
【数6】 RG−ω2 LC+{(R2 +ω2 2 )(G2 +ω2 2 )}1/2 =RG+ω2 LC〔−1+{(R2 +ω2 2 )(G2 +ω2 2 ) /ω4 2 2 1/2 〕 =RG+ω2 LC〔−1+{(R2 /ω2 2 +1)(G2 /ω2 2 +1)}1/2 〕 =RG+ω2 LC〔−1+{1+(R2 /L2 +G2 /C2 )/ω2 +R2 2 /ω4 2 2 1/2 〕 =RG+ω2 LC〔−1+1+(1/2)・(1/ω2 )・(R2 /L2 +G2 /C2 +R2 2 /ω2 2 2 )+(−1/4) (1/2!)(1/ω2 2 (R2 /L2 …)2 +… =RG+LC〔(1/2)・(R2 /L2 +G2 /C2 +R2 2 /ω2 2 2 )+(−1/4)・(1/2!)・(1/ω2 ) (R2 /L2 +…)2 +…〕 ω→∞: →RG+LC・(1/2)・(R2 /L2 +G2 /C2 ) =(1/2LC)(2LCRG+C2 2 +L2 2 ) =(1/2LC)(CR+LG)2 と表せる。
【0050】したがって、
【0051】
【数7】 α={(1/2LC)(CR+LG)2 (1/2)}1/2 =(R/2)(C/L)1/2 +(G/2)(L/C)1/2 となる。
【0052】また、
【0053】
【数8】 β=〔−RG+ω2 LC+{(R2 +ω2 2 ) (G2 +ω2 2 )}1/2 /2〕1/2 ω→∞: →〔{ω2 LC+(ω2 2 ・ω2 2 1/2 }/2〕1/2 =(ω2 LC)1/2 =ω(LC)1/2 となる。
【0054】つまり、位相定数α、βはLとCによって
その値を変化させる。特に、βはLとCのみによって決
定される。図1(A)、(B)に示すような配線構成を
採用し、主配線と分岐配線を設計することにより、所望
の位相差を形成することができる。
【0055】図2は、図1に示すような構成を具体的に
実現するための配線の構成例を示す。図2(A)は、ル
ープ状分岐配線の構成例を示し、図2(B)は、一端の
みが接続された移相分岐配線の構成例を示す。
【0056】図2(A)において、主配線1とループ状
分岐配線2は同一の配線層から形成される。ループ状分
岐配線2の幅は、主配線1の幅よりも狭く選択されてい
る。また、ループ状分岐配線2の長さは、主配線1の対
応する部分の長さよりも長くされている。
【0057】図2(B)において、主配線1から複数の
移相分岐配線3が分岐している。各移相分岐配線3は、
一端が電源配線1に接続され、他端はどこにも接続され
ず、孤立している。移相分岐配線自体には、回路素子は
接続されていない。4本の移相分岐配線3a〜3dを示
したが、移相分岐配線の数は任意である。
【0058】図2(A)、(B)に示すような配線構成
例を、図3(B)に示すような従来の配線構成と比較
し、その特性をシミュレーションにより求めた。図2
(A)に示す構成としては、主配線1の幅W1が10μ
mであり、接続点間の距離d1が200μmであり、ル
ープ状分岐配線2の長さd2が1mm、その幅W2が1
μmとする。
【0059】図2(B)に示す移相分岐配線の構成例と
しては、分岐配線が1本であり、その長さdが1mmで
あり、その幅W2が1μmであり、主配線1は図2
(A)と同様であるとする。
【0060】また、図3(B)に示す従来の配線の構成
としては、幅W1が15μmであるものを考察した。ま
た、これらの配線は、表面に絶縁膜を設けた厚さH1
基板上に形成され、厚さTを有するものとした。なお、
厚さH1 の基板の絶縁層の厚さはH2 とした。
【0061】各配線のL、R、Cは、以下のように表す
ことができる。
【0062】
【数9】 L≒2ln{6H1 /(0.8W+T)} 〔nH/cm〕 C≒{1.15(W/H2 )+2.8(T/H2 0.222 }εox 〔F/m〕 εox=8.855×10-12 ×3.9 〔F/m〕 R=(d/W)×R□ 〔Ω/μm〕 ただし、H1 はウエハ基板の厚さを含めた配線までの高
さ、Wは配線の幅、Tは配線の厚さ、H2 は酸化膜の厚
さ、R□は配線のシート抵抗、dは配線長である。
【0063】これらの式に従い、図2(A)、(B)お
よび図3(B)の各配線のL、C、Rを決定した。図4
(A)、(B)、(C)は、図2(A)、(B)および
図3(B)の各配線におけるノイズ波形の変化を示す。
図4(A)が図2(A)の構成の場合を示し、図4
(B)が図2(B)の構成の場合を示し、図4(C)が
図3(B)の構成の場合を示す。図2(A)、(B)の
構成を採用した場合、従来の技術による図3(B)の配
線におけるノイズ波形と較べ、ノイズ波形の減衰が著し
く早いことが明瞭であろう。
【0064】図のノイズ波形から、図2(A)、(B)
の構成の場合、ノイズ振幅は3nsで抑制され、通常配
線に較べ、全体的に効果的に抑制されていることが判
る。このような配線のノイズ振幅の減衰の効果は、動作
周波数が250MHz以上の場合、特に有効となり、動
作周波数が250MHz〜300MHzの場合にさらに
有効となる。ノイズ抑制効果は、300MHz以上の周
波数においても著しい。
【0065】図2(A)の左側からノイズ信号が入力さ
れた場合を考える。ノイズ信号は、A点で分岐する。分
岐したノイズ信号は主配線1とループ状分岐配線2に沿
って伝搬し、図のB点で合流する。B点で合流した時、
ノイズ信号電圧は、
【0066】
【数10】 V(t)=V0 q・exp(−2α1 1 )sin(ωt−β1 1 ) +V0 (1−q)exp(−2α2 2 )・ sin(ωt−β2 2 ) となる。ここで、振動成分以外の減衰成分が一定である
とし、かつ、α1 ≒α2=α、q≒1−qとすると、
【0067】
【数11】 V(t)=2C{sin(ωt−β1 1 )+sin(ωt−β2 2 )} =2Csin{ωt−(β1 1 −β2 2 )/2}・ cos{(β1 1 −β2 2 )/2} と表せる。振幅が減衰するためには、位相シフトβ1
1 とβ2 2 との差が2nπ(nは、整数)であっては
ならない。ここで、10%以上の振幅減少を保証するに
は、
【0068】
【数12】 −0.9<cos{(β1 1 −β2 2 )/2}<0.9 であればよい。すなわち、
【0069】
【数13】52°≦β1 1 −β2 2 ≦308° となるように、配線の線幅W、配線長dを選択すればよ
い。
【0070】図2(B)に示すような移相分岐配線の構
成の場合、ノイズ波形の減衰効果を(合成波の振幅)/
(初期波形の振幅)と定義すると、この効果は、
【0071】
【数14】 {1+exp〔−4dα〕+2exp〔−2dα〕・ cos(2dβ)}1/2 と近似することができる。ここで、dは配線長、αは減
衰定数、βは移相分岐配線の位相定数である。ノイズ波
形減衰の効果があるためには、この式の値が1以下にな
ればよい。
【0072】すなわち、
【0073】
【数15】 cos(2dβ)<−(exp〔−2dα〕/2) を満たすものであればよい。
【0074】この条件を満たすように、配線の長さdお
よび幅Wを選択する。なお、ループ状配線の場合も同様
に合成波形の式を解いて条件を導出することができる。
なお、図2においては、分岐配線が直線もしくは直線部
分の集まりで構成される場合を示したが、分岐配線の形
状はこれらに制限されるものではない。主配線を伝達す
る信号に対し、分岐配線を伝達される信号が位相の異な
る信号を重畳できるものであればよい。なお、分岐配線
は主配線を伝達する電源ノイズを抑制するためのもので
あり、この分岐配線に電流を消費する他の回路素子は一
切接続しない。
【0075】なお、半導体集積回路装置において、電源
配線はたとえばチップ周辺の電源パッドに接続され、電
源パッドから配線用ワイヤによってリードフレーム等の
リードに接続される。このワイヤはインダクタンスを有
する。電源配線におけるノイズがワイヤまで伝達される
と、ワイヤの有するインダクタンスおよびパッドとそれ
らに含まれる抵抗によって電圧波形が振動する。
【0076】図5は、パッド部分において電源ノイズを
抑制するための構成例を示す。図5(A)において、電
源配線11はチップ周辺部に配置されており、その複数
個所で接続部14を介して電源パッド15に接続されて
いる。なお、電源配線11は電源パッド15の並ぶ方向
にほぼ平行に配置されている。移相分岐配線12は、電
源配線11と電源パッド15との間に形成された接続部
14に接続されている。また、移相分岐配線は、1方向
に長い形状を有し、電源配線11とほぼ平行に配置され
ている。
【0077】すなわち、電源パッド15bを例にとって
説明すると、電源配線11と電源パッド15bを接続す
る接続部14bから、2つの移相用分岐配線12a、1
2bがその両側に分岐している。
【0078】これら移相用分岐配線12a、12bの幅
や長さは、上述のような解析に従ってノイズを低減する
ように定めることができる。また、一旦このような分岐
用配線を作成した後、実際に電源ノイズの抑制効果をテ
ストし、さらに修正を施すこともできる。
【0079】なお、図5(A)においては、電源パッド
に接続する電源配線の両側に移相用分岐配線を接続する
構成を示したが、移相用分岐配線は片側のみに接続して
もよい。
【0080】図5(B)は、電源パッドに接続する電源
配線の片側に移相用分岐配線が接続された構成を示す。
電源配線11から電源パッド15bに接続する接続部1
4bの左側に、移相用分岐配線12が接続されている。
このような移相用分岐配線の断面積や長さは、上述のよ
うな解析もしくはテストサンプルによる結果を参考にし
て決定することができる。
【0081】図5においては、一端が電源配線に接続さ
れ、他端が孤立している移相用分岐配線の構成を示した
が、同様の電源パッド部分においてループ状分岐配線を
形成することもできる。
【0082】図6(A)、(B)は、ループ状分岐配線
を備えた電源パッド部分の電源配線の構成例を示す。図
6(A)においては、チップ周辺部における電源配線1
1を電源パッド15に接続する接続部電源配線14の部
分において、その両側にループ状分岐配線12a、12
bが接続されている。ループ状分岐配線12a、12b
の断面積や長さは、上述の解析もしくはテストサンプル
における結果を参考にして決定すればよい。
【0083】図6(A)においては、電源配線の両側に
ループ状分岐配線を設けたが、ループ状分岐配線の数は
この例に制限されない。図6(B)においては、電源配
線11と電源パッド15を接続する電源配線部分14の
片側にのみループ状分岐配線12が接続されている。
【0084】なお、図5、図6に示すような電源ノイズ
抑制用の分岐配線は、電源パッド間隔等に合わせ、適宜
選択できることは当業者に自明であろう。電源配線に電
源ノイズ抑制用の分岐配線を接続すると、電源配線の配
置に必要なチップ面積は増大する。複数の電源配線を配
置する場合、分岐配線が互いにかみ合うような形状とす
れば、分岐配線の配置に必要なチップ面積を有効に利用
することができる。
【0085】図7は、一端が電源配線に接続され、他端
が孤立した移相用分岐配線をインターデジタル型に組み
合わせた構成例を示す。図7(A)において、電源配線
11a、11bは平行に配置されている。これら一対の
電源配線が対向する領域において、一方の電源配線11
aから突出する分岐配線13aが複数本形成され、これ
ら突起状分岐配線11aの間隙部に他方の電源配線11
bから突起状分岐配線13bが突出している。突起状分
岐配線13a、13bは、互いにかみ合うインターデジ
タル型配置を構成する。
【0086】図7(A)においては、2つの電源配線が
対向し、各配線から他の配線に向かって突起状分岐配線
が突出する特性を示したが、3本以上の配線が平行に配
置される場合にも同様の構成をとることができる。
【0087】図7(B)においては、電源配線11a、
11b、11c、11dが平行に配置されている。中間
の電源配線11b、11cを例にとって説明すると、電
源配線11b、11cの両側から突起状分岐配線13
b、13cが突出している。これらの分岐配線は、隣接
する電源配線から突出する突起状分岐配線とインターデ
ジタル型に配置されている。
【0088】なお、分岐配線13bは、電源配線11b
の左右に突出するが、その右側部分の接続位置と左側部
分の接続位置はずれるように配置されている。これに対
し、電源配線11cの両側に突出する突起状分岐配線1
3cは、同一の位置から左右に突出している。
【0089】このように、分岐配線の接続は、種々に変
化させることができる。また、複数の分岐配線を接続す
ることにより、より効果的に電源ノイズを抑制すること
が可能となる。
【0090】図8は、複数のループ状分岐配線を接続す
る構成例を示す。図8(A)においては、電源配線11
の両側に同一形状のループ状分岐配線12a、12bが
対称的に接続されている。
【0091】図8(B)においては、電源配線11の両
側にループ状分岐配線12a、12bが接続されている
が、これらループ状分岐配線の接続位置は右側と左側で
交互になるように配置されている。
【0092】上記ノイズを減衰させるための配線構造
は、ノイズの発生により回路機能が悪影響を受ける場所
に形成することができる。図9は、CMOS回路の回路
図を示す。図9では、2つのインバータINVaとIN
Vbが電源配線VDDと接地線GNDとの間に並列に接続
されている。インバータINVaは、電源配線VDDと接
地線GNDとの間に直列に接続されたpMOSトランジ
スタQ1 とnMOSトランジスタQ2 から構成されてい
る。トランジスタQ1 とQ2 のゲート電極は、共に入力
端子Vin1 に接続され、出力端子Vout1 は負荷L
aに接続されている。
【0093】インバータINVbは、同様に、電源配線
DDと接地線GNDとの間に直列に接続されたpMOS
トランジスタQ3 とnMOSトランジスタQ4 から構成
されている。トランジスタQ3 とQ4 のゲート電極は、
共に入力端子Vin2 に接続され、出力端子Vout2
は負荷Lbに接続されている。
【0094】入力信号Vin1 がハイレベル(”1”)
からローレベル(”0”)への立ち下がり信号であると
き、pMOSトランジスタQ1 がオン状態になり、pM
OSトランジスタQ1 を通して負荷Laに電流が流れ
る。このとき、電源配線VDDから負荷Laに流れはじめ
た電流により、配線にノイズが発生する。
【0095】このノイズが配線に沿って伝搬し、隣接す
るインバータINVbに影響を与える。負荷Laに流れ
る電流により電源配線VDDの電位が低下すると、インバ
ータINVbへの供給電圧が低下する。このとき、入力
信号Vin2 がハイレベルからローレベルへ立ち下がる
と、供給電圧の低下のため、入力信号変化の影響が縮小
される。このため、pMOSトランジスタQ3 の動作速
度が低下し、インバータINVbの立ち上がり速度が低
下する。
【0096】インバータINVbが最初に駆動され、そ
の後インバータINVaが駆動されるときも同様の現象
が生じる。入力信号がローレベルからハイレベルに変化
したときは、nMOSトランジスタQ2 またはQ4 がオ
ン状態になり、負荷LaまたはLbに蓄積されていた電
荷が放電される。この放電電流により、接地線GNDの
電位が上昇する。接地線GNDの電位が上昇するとnM
OSトランジスタQ2 またはQ4 の動作速度が低下す
る。
【0097】インバータの動作速度の低下を防止するた
めには、このようなCMOS回路内に発生したノイズの
影響を回避することが好ましい。図10は、CMOSイ
ンバータの基本構成例を示す。図10(A)は平面図、
図10(B)は断面図を示す。図10(A)に示すよう
に、pMOSトランジスタが図の上側部分に、nMOS
トランジスタが図の下側部分に形成されている。p型ソ
ース領域31Sとp型ドレイン領域31Dがn型ウェル
22内に形成されている。ゲート電極25が、ソース領
域31Sとドレイン領域31Dとの間に配置されてい
る。
【0098】n型ソース領域32Sとn型ドレイン領域
32Dがp型基板内に形成されている。ゲート電極25
が図の下方に延在し、ソース領域32Sとドレイン領域
32Dとの間に配置されている。局部配線33が、p型
ドレイン領域31Dとn型ドレイン領域32Dとを接続
している。電源電圧VDDが供給される電源配線28が図
の上方に横方向に配置され、接地線27が図の下方に横
方向に配置されている。
【0099】コンタクトCT1が、電源配線28とpM
OSトランジスタのソース領域31Sとを接続し、コン
タクトCT2が、接地線27とnMOSトランジスタの
ソース領域32Sとを接続している。コンタクトCTw
は、電源配線28とn型ウェル22とを接続し、コンタ
クトCTsは、接地線27と基板とを接続している。
【0100】図10(B)は、図10(A)の一点鎖線
XB−XBにおける断面図を示す。p型基板21の中に
n型ウェル22が形成されている。フィールド酸化膜2
3とゲート酸化膜24が基板21の表面に形成されてい
る。多結晶シリコンのゲート電極25がゲート酸化膜2
4の上に形成されている。ゲート電極25を覆うよう
に、SiO2 からなる層間絶縁膜26が形成されてい
る。層間絶縁膜26の上に、接地線27及び電源配線2
8が形成されている。接地線27または電源配線28に
急激に電流が流れると、ノイズが発生し他の回路素子に
影響を与える。
【0101】図11は、ノイズによる影響を減少させる
ことができる配線構成を示す。図10に示す基本構成と
は、ループ状分岐配線35Aが接地線27に接続され、
ループ状分岐配線35Bが電源配線28に接続されてい
る点が異なる。ループ状分岐配線35は、電源供給線2
7及び28と同一配線層の金属配線で形成されている。
【0102】図12は、ノイズによる影響を減少させる
ことができる他の配線構成を示す。一方の端部が孤立し
た移相分岐配線36A1、36A2、36A3、・・・
が、接地線27に接続され、接地線27から突出した構
成とされている。また、移相分岐配線36B1、36B
2、36B3、・・・が、電源配線28に接続され、電
源配線28から突出した構成とされている。
【0103】電源供給線を、多層配線としてもよい。こ
の場合に、ノイズ低減用の分岐配線を全ての配線層に形
成してもよい。図13は、電源供給線を多層配線とした
例を示す。図13においては、図11に示す配線構成に
加えて、その上に他の電源供給用配線層が形成されてい
る。接地線41が図の縦方向に延在し、コンタクトCT
8、CT9を介して下層の接地線27に接続されてい
る。電源配線42も図の縦方向に延在し、コンタクトC
T6、CT7を介して下層の電源配線28に接続されて
いる。ループ状分岐配線37A、37Bがそれぞれ接地
線41及び電源配線42に接続されている。この場合、
位相シフト用のループ状分岐配線は、下層及び上層の電
源供給線の双方に形成されている。
【0104】図14は、電源供給用配線を多層配線とし
た他の例を示す。図14においては、図12に示す配線
構成に加えて、その上に他の電源供給用配線層が形成さ
れている。上層の接地線41が図の縦方向に延在し、コ
ンタクトCT13、CT14を介して下層の接地線27
に接続されている。上層の電源配線42も図の縦方向に
延在し、コンタクトCT11、CT12を介して下層の
電源配線28に接続されている。移相分岐配線38A、
38Bがそれぞれ上層の接地線41及び電源配線42に
接続されている。
【0105】上記構成例では、電源供給用配線と位相シ
フト用分岐配線が同一の配線層に形成されている。位相
シフト用分岐配線を電源供給用配線と異なる配線層に形
成してもよい。
【0106】図15は、位相シフト用分岐配線が電源供
給用配線と異なる配線層に形成された配線構成を示す。
図15において、電源供給用配線27、28が層間絶縁
膜で覆われ、その上に位相シフト用分岐配線を含む他の
配線層が形成されている。ループ状分岐配線39A1、
39A2がコンタクトCT15〜CT18を介して下層
の接地線27に接続されている。
【0107】ループ状分岐配線39A1は、図の上方に
向かって配置され、ループ状分岐配線39A2は、図の
下方に向かって配置されている。また、ループ状分岐配
線39B1、39B2がコンタクトCT21〜CT24
を介して下層の電源配線28に接続されている。
【0108】図16、位相シフト用分岐配線が電源供給
用配線と異なる配線層に形成された他の配線構成を示
す。図16において、移相分岐配線40A1、40A
2、40A3・・・がコンタクトCT25、CT26、
CT27・・・を介して下層の接地線27に接続されて
いる。移相分岐配線40B1、40B2、40B3・・
・がコンタクトCT28、CT29、CT30・・・を
介して下層の電源配線28に接続されている。図15、
図16では、ループ状分岐配線あるいは移相分岐配線
は、コンタクトから図の上方及び下方へ延在するように
配置されている。
【0109】図17は、図16の一点鎖線XVII−X
VIIにおける断面図を示す。p型基板21内にp型ウ
ェル35が形成されている。p型ウェル35内に、n型
ソース領域31S及びn型ドレイン領域31Dが形成さ
れている。ソース領域31Sとドレイン領域31Dとの
間のチャネル上にゲート酸化膜24を介してポリシリコ
ンからなるゲート電極25が形成されている。層間絶縁
膜26がこのトランジスタ構造を覆っている。
【0110】下層の電源供給用配線27(28)が層間
絶縁膜26上に形成されている。他の層間絶縁膜44が
下層の電源供給用配線27(28)を覆うように形成さ
れている。上層の電源供給用配線40Aが層間絶縁膜4
4上に形成され、層間絶縁膜44に設けられたコンタク
トホールを介して下層の電源供給用配線27(28)に
接続されている。他の層間絶縁膜46が電源供給用配線
40Aを覆うように形成されている。
【0111】図15〜図17に示す多層配線層からなる
ノイズ低減用配線構成においては、位相シフト用分岐配
線の材料と電源供給用配線の材料とを異なるものとして
もよい。この場合、配線材料の抵抗を位相定数決定のた
めのパラメータとして用いることができる。
【0112】電源供給用配線を3層以上の多層配線とし
てもよい。位相シフト用分岐配線は、それを形成するた
めのスペースがあれば、どの配線層のどの場所で電源供
給用配線と接続してもよい。
【0113】上記実施例において電源供給用配線等の配
線は、Al、Al合金、またはW、Co、Ti、Mo、
Ta等の高融点金属、または高融点金属のシリサイド等
で形成され、シリコン等の半導体基板表面上の酸化シリ
コン等の絶縁膜上に形成される。配線のパターニングは
公知のフォトリソグラフィを用いて行う。
【0114】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に250MHz以上のCMOS集積回路装置におい
て、電源配線に信号位相を変化させるための分岐配線を
接続することにより、電源ノイズを低減することができ
る。複数の分岐配線を設け、複数の信号波形の位相を異
ならせれば、効率的に電源ノイズを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電源配線の基本構成を示
す概念図である。
【図2】本発明の実施例による電源配線の構成例を示す
平面図である。
【図3】CMOS回路装置を説明するための回路図、平
面図及び断面図である。
【図4】本発明の実施例による電源配線の特性を従来例
と比較して示すグラフである。
【図5】本発明の実施例による電源配線の構成例を示す
平面図である。
【図6】本発明の実施例による電源配線の構成例を示す
平面図である。
【図7】本発明の実施例による電源配線の構成例を示す
平面図である。
【図8】本発明の実施例による電源配線の構成例を示す
平面図である。
【図9】MOSインバータの回路図である。
【図10】MOSインバータの配線構造の平面図及び断
面図である。
【図11】本発明の実施例によるMOSインバータの配
線構造の平面図である。
【図12】本発明の実施例によるMOSインバータの他
の配線構造の平面図である。
【図13】本発明の実施例によるMOSインバータの他
の配線構造の平面図である。
【図14】本発明の実施例によるMOSインバータの他
の配線構造の平面図である。
【図15】本発明の実施例によるMOSインバータの他
の配線構造の平面図である。
【図16】本発明の実施例によるMOSインバータの他
の配線構造の平面図である。
【図17】図16の配線構造の断面図である。
【符号の説明】
1、11 主配線 2、12 ループ状分岐配線 3、13 移相分岐配線 14 接続部 15 電源パッド 21 p型基板 22 n型ウェル 23 フィールド酸化膜 24、25 ゲート電極 26、44、46 層間絶縁膜 27、41 接地線 28、42 電源配線 31、32 ソース及びドレイン領域 33 局部配線 35 p型ウェル 35A、35B、39A、39B ループ状分岐配線 36A、36B、40A、40B 移相分岐配線 60 p型シリコン基板 61 n型ウェル 62、63 ソース及びドレイン領域 65、66 ゲート電極 67、70 絶縁膜 68、69 電極 β 位相定数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03K 17/16 H 9184−5J 17/687

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された電源パッドと、 前記半導体基板上に形成されたCMOS素子を含む回路
    素子と、 前記回路素子の1つと前記電源パッドとを接続するため
    の電源配線と、 前記電源配線に接続され、前記回路素子には接続され
    ず、電源配線との間にノイズ位相差を形成するための移
    相分岐部とを有するCMOS集積回路装置。
  2. 【請求項2】 前記移相分岐部は、前記電源配線と共に
    ループを形成し、ループ内での電源配線の位相シフト量
    と移相分岐部の位相シフト量が異なり、その差は2nπ
    (nは整数)ではないことを特徴とする請求項1記載の
    CMOS集積回路装置。
  3. 【請求項3】 前記移相分岐部は、一端が電源配線に接
    続され、他端は孤立し、内部を往復する反射信号の位相
    シフト量が2nπ(nは整数)以外となる請求項1記載
    のCMOS集積回路装置。
  4. 【請求項4】 前記移相分岐部は、電源配線の両側に分
    岐する複数分岐部を有し、その少なくとも一部は電源配
    線と共にループを形成し、ループ内での電源配線の位相
    シフト量と移相分岐部の位相シフト量が異なる請求項1
    記載のCMOS集積回路装置。
  5. 【請求項5】 前記移相分岐部は、電源配線の両側に分
    岐する複数分岐部を有し、その少なくとも一部は一端が
    電源配線に接続され、他端は孤立し、内部を往復する反
    射信号の位相シフト量が2nπ(nは整数)以外となる
    請求項1記載のCMOS集積回路装置。
  6. 【請求項6】 前記電源配線が2本以上で並んで対向配
    置され、相互にかみ合うくし歯状の前記移相分岐部が対
    向する電源配線に接続されている請求項1記載のCMO
    S集積回路装置。
  7. 【請求項7】 前記移相分岐部は、前記電源配線より小
    さな断面積を有する導電配線で形成される請求項1〜6
    のいずれかに記載のCMOS集積回路装置。
  8. 【請求項8】 前記ループ内の前記電源配線の長さはd
    1 、位相定数はβ1であり、前記移相分岐部の長さはd
    2 、位相定数はβ2 であり、位相シフト量β 1 1 と位
    相シフト量β2 2 との差は、2nπ(nは整数)では
    ない請求項2記載のCMOS集積回路装置。
  9. 【請求項9】 位相シフト量の差は、52〜308°で
    ある請求項8記載のCMOS集積回路装置。
  10. 【請求項10】 前記移相分岐部の減衰定数はα、位相
    定数はβ、長さはdであり、 cos(2dβ)<−exp(−2dα)/2 の関係を満たす請求項3記載のCMOS集積回路装置。
  11. 【請求項11】 前記電源パッドは、前記半導体基板の
    周辺領域に配置されており、 前記移相分岐部は、前記周辺領域内の前記電源パッド近
    傍に配置されている請求項1記載のCMOS集積回路装
    置。
  12. 【請求項12】 前記電源パッドは複数形成されてお
    り、 前記電源配線は、前記電源パッドの近傍を通過するよう
    に配置された共通領域と、前記共通領域と前記電源パッ
    ドとを接続する接続部とを含み、 前記移相分岐部は、前記接続部に接続されている請求項
    11記載のCMOS集積回路装置。
  13. 【請求項13】 前記移相分岐部は、前記共通領域に平
    行な1方向に長い形状を有する請求項12記載のCMO
    S集積回路装置。
  14. 【請求項14】 前記移相分岐部は、一端が電源配線の
    接続部に接続され、他端が孤立している請求項12記載
    のCMOS集積回路装置。
  15. 【請求項15】 前記移相分岐部は、両端が電源配線の
    接続部の相互に異なる2か所に接続されている請求項1
    2記載のCMOS集積回路装置。
  16. 【請求項16】 前記移相分岐部は、前記電源配線の接
    続部の両側から分岐した複数の分岐配線を有する請求項
    12記載のCMOS集積回路装置。
  17. 【請求項17】 前記移相分岐部は、前記電源配線が形
    成されている配線層と異なる配線層に形成されている請
    求項1記載のCMOS集積回路装置。
  18. 【請求項18】 前記回路素子は、約250MHz以上
    の周波数で動作するように設計されている請求項1記載
    のCMOS集積回路装置。
  19. 【請求項19】 半導体基板、前記半導体基板上に形成
    された電源パッド、前記半導体基板上に形成されたCM
    OS素子を含む回路素子、及び前記回路素子の1つと前
    記電源パッドとを接続する電源配線を含んで構成され、
    250MHz以上の周波数で動作するCMOS集積回路
    装置の製造方法であって、 前記電源配線に接続され、前記回路素子には直接接続さ
    れておらず、前記電源配線上のノイズとの間にノイズ位
    相差を形成するための移相分岐部を形成する工程を含む
    CMOS集積回路装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記移相分岐部と前記電源配線とはル
    ープを形成し、 さらに、前記電源配線のうち前記ループを形成する部分
    の信号の位相シフト量が、前記移相分岐部の信号の位相
    シフトと異なり、その差は2nπ(nは整数)である請
    求項19記載のCMOS集積回路装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記移相分岐部の一端は前記電源配線
    に接続され、他端は孤立し、 さらに、前記移相分岐部の前記一端から入射し、前記他
    端で反射し、前記一端に戻ってきた信号の位相シフト量
    が2nπ(nは整数)以外となるように、前記移相分岐
    部の長さと幅を選択する工程を含む請求項19記載のC
    MOS集積回路装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記選択工程において、前記ループ内
    の前記電源配線の長さがd1 、位相定数がβ1 であり、
    前記移相分岐部の長さがd2 、位相定数がβ 2 であると
    き、位相シフト量β1 1 と位相シフト量β2 2 との
    差が2nπ(nは整数)とならないように前記電源配線
    及び前記移相分岐部の幅と長さを選択する請求項20記
    載のCMOS集積回路装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記位相シフト量の差は52〜308
    °である請求項22記載のCMOS集積回路装置の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 前記選択工程において、前記移相分岐
    部の減衰定数がα、位相定数がβ、長さがdであり、 cos(2dβ)<−exp(−2dα)/2 を満足するように前記移相分岐部の幅と長さを選択する
    請求項21記載のCMOS集積回路装置の製造方法。
JP6222109A 1993-09-17 1994-09-16 Cmos集積回路装置及びその製造方法 Withdrawn JPH07153848A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5945700A (en) * 1996-07-24 1999-08-31 Nec Corporation Semiconductor device having a semiconductor switch structure

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