JPH07153102A

JPH07153102A - 磁気回路

Info

Publication number: JPH07153102A
Application number: JP32622993A
Authority: JP
Inventors: Masao Ogata; 正男緒方
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 1993-11-30
Filing date: 1993-11-30
Publication date: 1995-06-16
Anticipated expiration: 2013-09-10
Also published as: JP2796239B2

Abstract

(57)【要約】【目的】準単純形状化および歩留りアップでかつコイ
ル感度の高い低コストの磁気回路を提供する。【構成】可動部の両側に、同極が対向するようにかつ
フォーカスコイル及びトラッキングコイルと対向するよ
うに設けられ、その断面の両端部分の幅（Ｘ）が中心部
分の幅（Ｘ₀ ）よりも大きくなるように一体形成された
励磁用の永久磁石１と、この永久磁石１の段差部１０上
に配線され、フォーカスコイルとトラッキングコイルに
駆動用電流を供給する電流供給用ワイヤとを有する磁気
回路。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるＣＤ（コンパ
クトディスク）プレーヤーのような光学的情報信号再生
装置のピックアップ部のレンズ駆動装置に使われる磁気
回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の光学的情報信号再生装置において
は、情報信号がビット形状として記憶されたディスクの
表面に、レンズによって集束されたレーザービームを照
射することにより、情報信号を再生するようになってい
る。そして、情報信号を正確に再生するためには、レー
ザービームをディスクの表面に合焦させることが必要で
あると共に、ビット列にて形成されているトラックを正
確にトレースさせる必要がある。そこで、レンズを光軸
方向（フォーカシング方向）に移動させてレンズとディ
スク表面との距離を調整するフォーカシング制御、及び
レンズをディスクの径方向（トラッキング方向）に移動
させてレーザービームを正確にオントラックさせるトラ
ッキング制御が行なわれている。このような制御を行な
うために、ディスクに記憶された情報を読取るためのレ
ーザービームを集束させるレンズと、レンズを光軸方向
に移動させるフォーカスコイルと、レンズをディスクの
径方向に移動させるトラッキングコイルとを有する可動
部を、励磁用の永久磁石を有する磁気回路により駆動し
ている（例えば、特開昭６２−２１９２４０号参照）。
ここで、従来の永久磁石の断面形状を図５に示す。矩形
状の永久磁石５０の四隅部分には段差部５５がそれぞれ
形成されており、この段差部５５上に駆動用の電流を供
給するためのワイヤが配設されている。このワイヤを介
してフォーカスコイルあるいはトラッキングコイルに供
給された駆動電流と永久磁石間に発生する磁界とにより
所定方向の力が生じて、レンズが光軸方向あるいはディ
スクの径方向に移動する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁気回路に
おいては、励磁用の永久磁石５０には、四隅部分に段差
部５５が形成されている。このような形状を有する永久
磁石は、例えば、磁性粉にプレス成形を施すことによっ
て製造されるが、段差を四箇所有する複雑形状のため、
成形時金型のカジリ、破損の問題を有する。また、二箇
所の上下対向する段差部近傍の永久磁石部は他部分と比
較し断面積が小さいため、プレスに依る成形体が部分的
に粗密になり、成形および焼結・熱処理時のクラック発
生に依る歩留り低下、即ち、コストアップの要因を多く
含んでいる。さらに、永久磁石をこのような形状にする
と、バックヨークへの漏洩磁束が増大して、フォーカス
コイルあるいはトラッキングコイルの感度が低下してし
まうという課題を有している。

【０００４】そこで、本発明は、前記従来技術の問題点
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、準
単純形状化及び歩留りアップでかつコイル感度の高い低
コストの磁気回路を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ディスクに記憶された情報を読取るた
めのレーザービームを集束させるレンズと、レンズを光
軸方向に移動させるフォーカスコイルと、レンズをディ
スクの径方向に移動させるトラッキングコイルとを有す
る可動部を駆動するための磁気回路において、上記可動
部の両側に、同極が対向するようにかつ上記フォーカス
コイル及びトラッキングコイルと対向するように設けら
れ、その断面の両端部分の幅が中心部分の幅よりも大き
くなるように一体成形された励磁用の永久磁石と、この
永久磁石の段差部上に配線され、かつ上記フォーカスコ
イルとトラッキングコイルに駆動用電流を供給する電流
供給用ワイヤとを有する。さらに、前記永久磁石の両端
部分の幅と中心部分の幅の比は、１．２〜１．４であ
る。

【０００６】

【作用】上記本発明では、永久磁石の形状を、その断面
の両端部分の幅が中心部分の幅よりも大きくなるように
した。このような単純ブロックに近い形状ならば、金型
のカジリも少なくなり、また、プレス成形で得られる成
形体に密度の粗密が生じにくいため、成形および焼結・
熱処理時のクラック不良の低下により歩留りがアップす
る。さらに、永久磁石の幅を従来品より全体的に小さく
することによって、永久磁石の有効極と反体面のバック
ヨークの異極との距離が大きくなり、即ち無効磁石分の
磁気抵抗が増加することによってコイル側への有効磁束
が増加し、フォーカスコイルあるいはトラッキングコイ
ルの感度が向上する。特に、永久磁石の両端部分の幅と
中心部分の幅の比が、１．２〜１．４の時に、従来の形
状の永久磁石（図５参照）に比べて、フォーカスコイル
及びトラッキングコイルの相対コイル感度が共に向上す
るので効果的である。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を図により説明する。まず、
本発明の磁気回路の全体構成を図３に示す。図３（ａ）
は斜視図であり、図３（ｂ）は平面図である。一対の永
久磁石１の間に、所定間隔をあけて可動部２が配置され
ている。この可動部２は、ボビン３とボビン３の中央部
分に配置されたレンズ４とから構成されている。このレ
ンズ４は、ディスク（図示せず）に記憶された情報を読
取るためのレーザービームを集束させるためのものであ
る。

【０００８】ボビン３には、レンズ４を光軸方向（フォ
ーカシング方向）に移動させるためのフォーカスコイル
５と、レンズ４をディスクの径方向（トラッキング方
向）に移動させるためのトラッキングコイル６とがそれ
ぞれ巻かれている。上記永久磁石１は、励磁用の磁石で
あり、同極が対向するように配置されている。さらに、
この永久磁石１は、フォーカスコイル５及びトラッキン
グコイル６とそれぞれ対向する。永久磁石１としては、
高性能の希土類焼結磁石（例えば、Ｒ−Ｆｅ−Ｂ系磁石
（Ｒ：Ｎｄ，Ｐｒ等の希土類元素の１種以上））等が好
ましい。

【０００９】永久磁石１の両端部には、ワイヤ７がそれ
ぞれ配設されている。このワイヤ７は、ボビン３に巻か
れているフォーカスコイル５及びトラッキングコイル６
にそれぞれ接続されると共に可動部２を支持している。
そして、このワイヤ７を介してフォーカスコイル５及び
トラッキングコイル６に駆動用の電流が供給される。８
は、二次元的に閉ループを構成しているヨークである。

【００１０】ここで、永久磁石１の断面構成を図１に示
す。上述のように、永久磁石１は、可動部２の両側に、
同極が対向するように配置されている。そして、図１に
示すように、その断面の両端部分の幅（Ｘ）は中心部分
の幅（Ｘ₀ ）よりも大きく、その両端部には段差部１０
が形成され、かつその中心部分は平坦状になっている。

【００１１】このように永久磁石１の両端部に段差部１
０を設けたのは、電流供給用のワイヤ７が永久磁石１に
直接接触しないようにして、ワイヤ７の弾性変形を可能
にするためである。つまり、可動部２のレンズ４は、フ
ォーカシング方向あるいはトラッキング方向に移動する
ので、フォーカスコイル５及びトラッキングコイル６に
電流を供給するためのワイヤ７も可動部２の動きの応じ
て弾性変形しなければならない。従って、このワイヤ７
の弾性変形を阻害しないようにするためには、永久磁石
１に段差部１０が必要なのである。

【００１２】ここで、図２により、本発明の永久磁石１
を従来の永久磁石５０と比較しながら説明する。図２
（ａ）は、本発明の永久磁石１に従来の永久磁石５０を
重ねて描いた縦断面であり、斜線部分が本発明の永久磁
石１であり、外側の点線部分が従来の永久磁石５０であ
る。図２（ｂ）は、本発明の永久磁石１の横断面であ
り、図２（ｃ）は従来の永久磁石５０の横断面である。

【００１３】図２（ａ）に示すように、従来の永久磁石
５０では、四隅部分に段差部５５がそれぞれ形成されて
いる。このような形状の永久磁石５０を製作するには、
プレス成形および焼結・熱処理の工程を経て得られる
が、四隅に段差部を有する複雑形状のため、金型のカジ
リおよびクラック発生等で歩留りが低下してしまう。こ
れに対して、本発明の永久磁石１では、その断面の両端
部分の幅（Ｘ）が中心部分の幅（Ｘ₀ ）よりも大きくな
るように形成されており、中央部分は平坦状である。こ
のような形状ならば、単純ブロック形状に近いため、上
記問題も改善され大幅にコスト低減が図れる。

【００１４】また、従来の永久磁石５０の横断面は、図
２（ｃ）に示すように、永久磁石５０とヨーク５１の幅
がほぼ同じである。永久磁石５０をこのような形状にす
ると、ヨーク５１への漏洩磁束（Ａ）が増大して、フォ
ーカスコイル及びトラッキングコイルの感度が低下して
しまう。これに対して、本発明では、図２（ｂ）に示す
ように、永久磁石１の幅はヨーク８の幅よりも小さくな
る。このような形状にすると、従来に比べて、ヨーク８
への漏洩磁束も減少してフォーカスコイル５及びトラッ
キングコイル６の感度が向上する。

【００１５】次に、従来の永久磁石５０を使った時のコ
イル感度と本発明の永久磁石１を使った時のコイル感度
とを比較したものを図４に示す。ここで、縦軸は、従来
の永久磁石５０を使った時のコイル感度を基準にした相
対コイル感度である。横軸は、永久磁石１の両端部分の
幅（Ｘ）である。また、Ｂはフォーカスコイル５の相対
感度であり、Ｃはトラッキングコイル６の相対感度であ
る。ここで、永久磁石１の中心部分の幅（Ｘ ₀）を３ｍ
ｍに固定した。なお、永久磁石５０，１は、共にＮｄ−
Ｆｅ−Ｂ系磁石（日立金属製ＨＳ３６−ＡＶ）で形成
した。

【００１６】図４から明らかなように、Ｘが３．７〜
４．２ｍｍのときに、フォーカスコイル５とトラッキン
グコイル６の相対コイル感度が共に、１．００を越えて
いる。従って、永久磁石１の両端部分の幅（Ｘ）と中心
部分の幅（Ｘ ₀＝３ｍｍ）の比（Ｘ／Ｘ ₀）が、１．２
〜１．４の時に、フォーカスコイル５及びトラッキング
コイル６の相対コイル感度が共に１．００を越え、従来
の永久磁石５０に比べて感度が向上する。

【００１７】上述のような永久磁石１を有する磁気回路
において、電流供給用ワイヤ７を介してフォーカスコイ
ル５あるいはトラッキングコイル６に所定の駆動電流を
供給する。この結果、フォーカスコイル５に流れた駆動
電流と、一対の永久磁石１の間に発生した磁界とによ
り、レンズ４の光軸方向（フォーカシング方向）に力が
生じてレンズ４が光軸方向に移動する。一方、トラッキ
ングコイル６に流れた駆動電流と一対の永久磁石１の間
に発生した磁界とにより、ディスクの径方向（トラッキ
ング方向）に力が生じてレンズ４がディスクの径方向に
移動する。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、小型、軽量、低コスト
でかつ感度の高い磁気回路を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気回路の永久磁石の縦断面図であ
る。

【図２】本発明の磁気回路と従来の磁気回路とを比較す
る図であり、（ａ）は本発明の永久磁石に従来の永久磁
石を重ねて描いた時の縦断面図、（ｂ）は、本発明の永
久磁石の横断面図、（ｃ）は従来の永久磁石の横断面図
である。

【図３】本発明の磁気回路の全体構成を示す図であり、
（ａ）は斜視図、（ｂ）は平面図である。

【図４】従来の永久磁石を使った時のコイル感度と、本
発明の永久磁石を使った時のコイル感度とを比較した図
である。

【図５】従来の永久磁石の縦断面図である。

【符号の説明】

１永久磁石２可動部４レンズ５フォーカスコイル６トラッキングコイル７ワイヤ８ヨーク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ディスクに記憶された情報を読取るため
のレーザービームを集束させるレンズと、レンズを光軸
方向に移動させるフォーカスコイルと、レンズをディス
クの径方向に移動させるトラッキングコイルとを有する
可動部を駆動するための磁気回路において、上記可動部
の両側に、同極が対向するようにかつ上記フォーカスコ
イル及びトラッキングコイルと対向するように設けら
れ、その断面の両端部分の幅が中心部分の幅よりも大き
くなるように一体成形された励磁用の永久磁石と、この
永久磁石の段差部上に配線され、かつ上記フォーカスコ
イルとトラッキングコイルに駆動用電流を供給する電流
供給用ワイヤとを有することを特徴とする磁気回路。
【請求項２】前記永久磁石の両端部分の幅と中心部分
の幅の比が、１．２〜１．４であることを特徴とする請
求項１に記載の磁気回路。