JPH0715295A - 波形整形回路 - Google Patents

波形整形回路

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JPH0715295A
JPH0715295A JP15388293A JP15388293A JPH0715295A JP H0715295 A JPH0715295 A JP H0715295A JP 15388293 A JP15388293 A JP 15388293A JP 15388293 A JP15388293 A JP 15388293A JP H0715295 A JPH0715295 A JP H0715295A
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JP
Japan
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signal
waveform
hysteresis
circuit
waveform shaping
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JP15388293A
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English (en)
Inventor
Masumi Horie
真清 堀江
Hideaki Ishihara
秀昭 石原
Akio Kobayashi
昭雄 小林
Hideto Mori
英人 森
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ノイズが波形整形に及ぼす影響を簡単、且つ確
実に回避することができ、しかも他の回路と併せて集積
回路化するにも容易な構成を有する波形整形回路を提供
する。 【構成】交番アナログ信号として入力される入力信号と
比較基準信号とをコンパレータによって比較することに
より該入力信号をその交番周期に対応した2値化信号と
して波形整形する。その際、入力信号にノイズが重畳さ
れていても、そのノイズをマスクする上で好適なヒステ
リシス成分の印加レベル、並びに印加時間をソフトウェ
ア的に任意設定し、この設定された印加レベル及び印加
時間に対応した波形を有するヒステリシス波形をハード
ウェア的に発生する。そして、この発生したヒステリシ
ス波形を、それぞれ入力信号と比較基準信号との相対的
なレベル差が助長される態様で、これら信号の少なくと
も一方に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力されるアナログ
信号を任意に波形整形して出力する波形整形回路に関
し、特に自動車等に搭載されたエンジンの電子制御シス
テムにあって、エンジン回転数(回転速度)を監視すべ
く電磁ピックアップを介して抽出されるクランク角度信
号等、交番アナログ信号として取り出される信号をその
交番周期に正確に対応した2値化信号として波形整形す
る回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に、例えば4気筒エンジンを想定
したエンジンの電子制御システムについてその概略を示
す。
【0003】この図11において、符号1は、4気筒エ
ンジンのカム軸と同期して回転するシグナルロータを示
す。そして同図11に示されるように、シグナルロータ
1の外周面には、この例では4つのクランク角検出用の
突起2a、2b、2c及び2dが90度毎に等間隔に設
けられている。これら突起2a、2b、2c及び2d
は、適宜の磁性体からなる錐状突起として形成されてい
る。
【0004】また、シグナルロータ1の近傍には電磁ピ
ックアップ3が配設され、該ピックアップ3を通じて、
シグナルロータ1の回転に伴う上記突起2a、2b、2
c及び2dの通過が検出される。この電磁ピックアップ
3は、適宜の磁性体材料からなるコア(図示せず)にコ
イル(図示せず)が巻装されて構成されている。
【0005】また波形整形回路4は、上記突起2a、2
b、2c及び2dを有するシグナルロータ1の回転に伴
ってこの電磁ピックアップ3に誘起される交番アナログ
信号をその交番周期に対応した2値化信号として波形整
形する回路である。こうした波形整形は通常、上記交番
アナログ信号と比較基準信号とをコンパレータにより比
較することによって行われる。こうして2値化信号とし
て波形整形された信号はマイクロコンピュータ(CP
U)5に取り込まれる。
【0006】他方、A/Dコンバータ6は、エンジン各
部に配設されている他の図示しないセンサを通じて入力
される「エンジン水温」や「バッテリ電圧」にそれぞれ
対応したアナログ信号をA/D変換する回路である。こ
れら信号についてのA/D変換は、その変換チャンネル
の指定(取り込むべきアナログ信号の指定)に併せてマ
イクロコンピュータ(CPU)5から発せられるA/D
変換指令に基づいて実行され、そのA/D変換結果が同
マイクロコンピュータ(CPU)5に取り込まれる。
【0007】また、入力バッファ7は、例えば「電気負
荷信号」、「アイドル信号」、「スタータ信号」等々の
いわゆるオン/オフ信号を入力して、これら信号をマイ
クロコンピュータ(CPU)5が処理するのに適正なレ
ベルに調整する回路である。これらレベル調整された信
号もマイクロコンピュータ(CPU)5に随時取り込ま
れる。
【0008】マイクロコンピュータ(CPU)5は、上
記波形整形回路4を通じて波形整形された信号の2値化
周期に基づいてシグナルロータ1の回転数、ひいてはエ
ンジンの回転数を算出するとともに、上記A/Dコンバ
ータ6や入力バッファ7を通じて取り込む上記各種信号
を所要に処理する。そして、その都度のエンジン状態に
見合った好適なエンジン制御が実現されるよう、燃料噴
射装置(図示せず)に対する噴射信号、並びに点火装置
(図示せず)に対する点火信号を出力する。
【0009】ところで、このようなエンジンの電子制御
システムにあって、その都度の制御量、制御タイミング
を適正に決定するためには、少なくとも上記エンジンの
回転数についてこれをマイクロコンピュータ(CPU)
5自身が正確に把握している必要がある。そしてそのた
めには、上記電磁ピックアップ3に誘起される交番アナ
ログ信号をその交番周期に正確に対応した2値化信号と
して波形整形することも必須となる。しかし通常は、イ
グニッションノイズ等の車両ノイズが上記誘起される交
番アナログ信号に重畳されることが多く、またこれら重
畳されるノイズ成分が波形整形回路4における上記コン
パレータの2値化出力を狂わせるなど、必ずしも上記ア
ナログ信号の交番周期に対応した正確な波形整形が行わ
れるとは限らない。このように正確な波形整形を行うこ
とができなかった場合には、上記マイクロコンピュータ
(CPU)5を通じて求められるエンジン回転数も自ず
と誤った値となり、ひいては該電子制御システムとして
の信頼性も大きく損なわれることとなる。
【0010】そこで従来は、上記波形整形回路4として
例えば図12に示されるような回路を用いることによっ
て、こうした不都合に対処していた。すなわちこの図1
2に示す波形整形回路において、入力端子41は、上記
電磁ピックアップ3に誘起された交番アナログ信号が受
入される端子である。該入力端子41に入力された交番
アナログ信号は、ダイオードD0 によってその半波分が
クランプされた後、抵抗R1を介してコンパレータ42
の非反転入力(+端子)に加えられる。コンパレータ4
2の反転入力(−端子)には比較基準信号が加えられ
る。
【0011】また同波形整形回路において、ランプ電流
波形発生回路43及び44は、コンパレータ42の出力
に同期して交互に、それぞれ上記入力アナログ信号及び
比較基準電圧にランプ電流波形によるヒステリシスを持
たせる回路である。これら発生されるランプ電流波形
は、同じくコンパレータ42の出力に基づきこれをF−
V(周波数−電圧)変換するF−V変換器45の出力電
圧に基づいてその時間幅が動的に制御されるようになっ
ている。通常、この制御される時間幅は、コンパレータ
42の2値化出力周期の40%程度の時間に設定され
る。
【0012】図13は、この図12に例示した波形整形
回路の動作例を示すタイミングチャートであり、次にこ
の図13を併せ参照して、同波形整形回路によるノイズ
成分の除去(マスク)動作を説明する。
【0013】ここでは簡単のため、上記電磁ピックアッ
プ3に誘起される交番アナログ信号が正弦波形を有して
いるものとすると、これが入力端子41に入力され且つ
上記ダイオードD0 によってクランプされた電圧波形v
1 は、図13(a)に破線にて示す態様の波形となる。
なおここで、同図13(a)に付記する電圧VF は、上
記ダイオードD0 の順方向電圧を示す。
【0014】一方、上記ランプ電流波形発生回路43か
らは、コンパレータ42の出力波形v4 (図13(b)
参照)のうちの2値化ハイ・レベル期間に同期して、図
13(c)に示される態様のランプ電流波形i1 が出力
され、同様に上記ランプ電流波形発生回路44からは、
コンパレータ42の出力波形v4 のうちの2値化ロー・
レベル期間に同期して、図13(d)に示される態様の
ランプ電流波形i2 が出力される。これらランプ電流波
形i1 及びi2 における各時間幅T1 及びT2が、F−
V変換器45によって、それぞれ上記コンパレータ42
の出力波形周期Tの40%程度の時間に制御されること
は上述した通りである。
【0015】さて、上記入力アナログ信号の電圧波形v
1 及び比較基準電圧に対し、それぞれこうしたランプ電
流波形i1 及びi2 に基づくヒステリシスが与えられる
ことにより、それら各合成された電圧、すなわち実際に
コンパレータ42に加えられる電圧v2 及びv3 は、同
図13(a)においてそれぞれ実線及び一点鎖線で示す
態様の波形となる。
【0016】すなわち、入力アナログ信号の電圧波形v
1 (破線)は、それが正転される毎に上記ランプ電流波
形i1 に基づくヒステリシスが加えられて、図13
(a)に実線にて示される態様の電圧波形v2 となる。
他方、比較基準電圧は、この入力アナログ信号の電圧波
形v1 (破線)が負転される毎に上記ランプ電流波形i
2に基づくヒステリシスが加えられて、図13(a)に
一点鎖線にて示される態様の電圧波形v3 となる。
【0017】したがって、上記入力アナログ信号(電圧
波形v1 )に対し、例えば同図13(a)にn1として
付記する態様でノイズが重畳されていたとしても、上記
ランプ電流波形i1 に基づくヒステリシスの印加によ
り、そのノイズ成分も同様に持ち上げられて、上記電圧
波形v2 に対しn1’として示される態様となる。この
ため、本来であれば上記n1として示されるノイズが作
用して、入力アナログ信号が比較基準電圧v3 より小さ
くなる旨、誤判定されるべきところであっても、その影
響は好適に回避(マスク)され、結局は同図13(b)
に示されるような正常な2値化出力が維持されるように
なる。
【0018】また同様に、入力アナログ信号(電圧波形
v1 )に対し、例えばn2として付記する態様でノイズ
が重畳される場合であっても、その期間は比較基準電圧
v3に対して上記ランプ電流波形i2 に基づくヒステリ
シスが印加されることから、この場合も結局は、入力ア
ナログ信号が該比較基準電圧v3 より大きくなる旨、誤
判定されるべきところが補正(マスク)されて、同図1
3(b)に示されるような正常な2値化出力に維持され
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の波形整形回路によれば、コンパレータの入力に対し、
動的にヒステリシスを持たせるようにしたことから、そ
れによってマスクされるノイズ成分については確かにそ
の影響を回避することはできる。
【0020】しかし、例えば上述したようなエンジンの
電子制御システムにあって、前記電磁ピックアップの出
力に基づきエンジンの回転数を求めようとする場合、そ
の電磁ピックアップ出力に重畳されるノイズの大きさや
位相は、通常、エンジンの回転数に応じて変化する。こ
のため、エンジンの回転数が増して上記ピックアップ出
力に重畳されるノイズの大きさも更に増大されるような
状況、或いは同ピックアップ出力へのノイズの重畳位相
が変化するような状況にあっては、必ずしもそれらヒス
テリシスの印加によってこれらノイズ成分の全てをマス
クできるとは限らない。
【0021】また、上記ヒステリシスの印加時間を調整
する回路として上記従来の波形整形回路に採用されてい
るF−V変換器やランプ電流波形発生回路自体、いわゆ
るアナログ回路として構成されており、それら回路毎の
定数のばらつき等によって、必ずしも期待されるヒステ
リシス量が正確に得られるとも限らない。
【0022】また、近年の各種装置に対する小型化技術
や集積回路化技術の進歩に伴って、こうした波形整形回
路についても、好適な態様でこれを集積回路化すること
が望まれているが、上記従来の回路構成ではそれもおぼ
つかない。
【0023】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、ノイズが波形整形に及ぼす影響を簡単、
且つ確実に回避することができ、しかも他の回路などと
併せて集積回路化するにも容易な構成を有する波形整形
回路を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、交番アナログ信号として入力され
る入力信号と比較基準信号とをコンパレータによって比
較することにより該入力信号をその交番周期に対応した
2値化信号として波形整形するに、該2値化信号として
入力信号が比較基準信号より大きい旨示す2値化第1レ
ベルの信号を得る期間、及び同2値化信号として入力信
号が比較基準信号より小さい旨示す2値化第2レベルの
信号を得る期間で、それぞれ入力信号と比較基準信号と
の相対的なレベル差を助長するヒステリシスを持たせ、
これら持たせたヒステリシス成分を通じて前記入力信号
に混入されるノイズ成分をマスクする波形整形回路にお
いて、波形整形信号として得られる前記2値化信号の交
番周期に基づき、前記ノイズ成分をマスクする上で好適
なヒステリシス成分の印加レベル、並びに印加時間をそ
れぞれリアルタイム演算する演算手段と、これら演算さ
れた印加レベル及び印加時間に応じた特定の信号波形を
生成し、該生成した信号波形を前記得られる2値化信号
の交番に同期して前記入力信号及び比較基準信号の少な
くとも一方に印加するヒステリシス波形発生回路とを具
えるようにする。
【0025】
【作用】前記ノイズ成分をマスクする上で好適なヒステ
リシス成分(量)とは、該波形整形回路が適用される環
境等に応じて柔軟に設定されるべきものである。その意
味で、このようなヒステリシス成分の印加レベル、並び
に印加時間をリアルタイム演算してこれを設定する上記
演算手段をヒステリシス波形発生回路と独立して具える
ことは、ヒステリシス波形発生回路が発生すべきヒステ
リシス波形の高さ及び時間幅についてこれを、上記環境
等に応じた任意の値として設定できることを意味する。
【0026】また、こうして発生すべきヒステリシス波
形の高さ及び時間幅が決まれば、それに応じた信号波形
を発生する回路も、各種周知のディジタル回路技術を用
いて様々に構成することができる。例えば、( a)前記印
加レベルについての演算値が前記2値化信号の交番に同
期してロードされ、前記印加時間についての演算値に基
づく所定の周期でこのロードされた印加レベルについて
の演算値をダウンカウントするダウンカウンタと、( b)
このダウンカウント値を逐次D/A変換して前記入力信
号及び比較基準信号の少なくとも一方に印加するD/A
コンバータと、によっても、こうしたヒステリシス波形
発生回路は実現される。
【0027】このように、上記構成を有する波形整形回
路によれば、上記ヒステリシス波形を特定するための高
さ及び時間幅に関する値自体は、上記演算手段を通じて
いわばソフトウェア的に設定され、これら値によって特
定されるヒステリシス波形の上記2値化信号の交番に同
期しての発生は、上記ヒステリシス波形発生回路を通じ
ていわばハードウェア的に実現される。このため、ノイ
ズ成分を確実にマスクする上で所望とされるヒステリシ
ス量を、該波形整形回路が適用される環境等に応じて任
意且つ柔軟に設定できることはもとより、従来のアナロ
グ回路によって構成されていた波形整形回路に比べて、
この期待されるヒステリシス量を正確に得ることができ
るようにもなる。また、ヒステリシス波形発生回路とし
ての上記構成によれば、他のディジタル回路などと併せ
て集積回路化を図ることも容易である。
【0028】なお、上記演算手段についてはこれを、一
定時間毎に前記2値化信号を取り込みつつ前記ヒステリ
シス成分の印加レベル及び印加時間を演算するようプロ
グラムされたマイクロコンピュータによって構成するこ
とが可能であり、特に、この波形整形回路が前述したエ
ンジンの電子制御システムなどに適用される場合には更
に、この演算手段を構成するマイクロコンピュータとし
て該電子制御用のマイクロコンピュータを流用すること
も可能である。因みに、このようなエンジンの電子制御
システムにあっては、10m秒に1回程度の割合でエン
ジンの回転数をモニタすればよいことから、上記演算手
段としてこの電子制御用のマイクロコンピュータを流用
しても、それによる該マイクロコンピュータ自身として
の負荷の増大はほとんどない。
【0029】
【実施例】図1に、この発明にかかる波形整形回路の一
実施例を示す。該実施例の波形整形回路も、先の図11
に示されるようなエンジンの電子制御システムにあっ
て、エンジンの回転に同期して電磁ピックアップ3に誘
起される交番アナログ信号をその交番周期に対応した2
値化信号として波形整形する回路であるとする。
【0030】また、同図1に示すCPU5も、基本的に
は、上記波形整形された信号の2値化周期に基づいてエ
ンジンの回転数を算出するとともに、先のA/Dコンバ
ータ(図11参照)を通じて取り込まれる各種センサ情
報を所要に処理して前述した噴射信号や点火信号を出力
するなど、該電子制御システムとして、そのシステム全
体を統括的に制御する部分である。ただしこの実施例で
は、ヒステリシス波形定数の演算手段として、すなわち
同実施例の波形整形回路を構成する要素の1つとしてこ
のCPU5を流用する。
【0031】はじめに、この実施例の波形整形回路の構
成、並びにそれら構成要素の機能について説明する。こ
の実施例の波形整形回路において、入力端子401は、
電磁ピックアップ3(図11参照)に誘起された交番ア
ナログ信号が受入される端子である。該入力端子401
に入力された交番アナログ信号は、前述した従来の回路
と同様、ダイオードD0 によってその半波分がクランプ
された後、抵抗R1を介してコンパレータ402の非反
転入力(+端子)に加えられる。また、コンパレータ4
02の反転入力(−端子)には比較基準信号が加えられ
るようになる。
【0032】また同実施例の回路において、Aレジスタ
403は、コンパレータ402から出力される2値化波
形整形信号の論理ハイ・レベル期間に対応してCPU5
を通じて算出されるヒステリシス波形の高さ、すなわち
ヒステリシスレベルがセットされるレジスタであり、B
レジスタ404は、同2値化波形整形信号の論理ロー・
レベル期間に対応してCPU5を通じて算出されるヒス
テリシスレベルがセットされるレジスタである。
【0033】また同様に、Cレジスタ405は、上記2
値化波形整形信号の論理ハイ・レベル期間に対応してC
PU5を通じて算出されるヒステリシス波形の時間幅
(正確には、後述するダウンカウンタ407のカウント
周期)がセットされるレジスタであり、Dレジスタ40
6は、同2値化波形整形信号の論理ロー・レベル期間に
対応してCPU5を通じて算出されるヒステリシス波形
の時間幅(ダウンカウンタ407のカウント周期)がセ
ットされるレジスタである。
【0034】また、ダウンカウンタ407は、上記Aレ
ジスタ403にセットされた値、若しくは上記Bレジス
タ404にセットされた値がプリセット値としてロード
された後、クロックCLKD に基づいてこのロードされ
たプリセット値をダウンカウントする部分であり、D/
Aコンバータ408は、このダウンカウントされた値を
図示しない基準電圧に基づき逐次D/A変換する部分で
ある。これらD/A変換された信号は、所望とされるヒ
ステリシス波形として、例えばアナログマルチプレクサ
からなるスイッチ409を介して、コンパレータ402
の各入力に印加される。なお、これらダウンカウンタ4
07に対するプリセット値のロードや、スイッチ409
の切替えは、シーケンサ410を通じて制御される。シ
ーケンサ410は、コンパレータ402から出力される
2値化波形整形信号の論理内容に応じて、Aレジスタ4
03及びBレジスタ404の内容を選択的にダウンカウ
ンタ407にロードするとともに、スイッチ409のa
端子及びb端子を選択的に切り替える。
【0035】また、この実施例の回路において、タイマ
411及びエクスクルーシブ・ノア回路412は、上記
Cレジスタ405やDレジスタ406にセットされた値
と協働して、上記ダウンカウンタ407のカウントクロ
ックCLKD を生成する部分である。
【0036】すなわち、タイマ411は、当該電子制御
システムとしての図示しないシステムクロックに基づ
き、リセット信号RESETが加えられる都度、値
「0」から高速にmビットの計数を開始するものであ
り、この計数値が上記Cレジスタ405若しくはDレジ
スタ406にセットされたmビットの値と一致する都
度、エクスクルーシブ・ノア回路412を通じて1個の
カウントクロックCLKD が出力される。上記ダウンカ
ウンタ407は、このカウントクロックCLKD が出力
される毎に、先のプリセット値を「1」ずつダウンカウ
ントし、タイマ411は、同カウントクロックCLKD
が出力される毎に信号RESETによってリセットされ
る。なお、Cレジスタ405にセットされた値とDレジ
スタ406にセットされた値との何れの値をエクスクル
ーシブ・ノア回路412に加えるようにするかも、上記
シーケンサ410を通じて、所要に切替え制御されるも
のとする。
【0037】図2は、こうした実施例の波形整形回路の
動作例を示すタイミングチャート、また図3は、ヒステ
リシス波形定数の演算手段としての上記CPU5の処理
手順を示すフローチャートであり、以下、これら図2及
び図3を併せ参照して、この実施例の波形整形回路の動
作を更に詳述する。
【0038】ここでも簡単のため、電磁ピックアップ3
(図11参照)に誘起される交番アナログ信号が正弦波
形を有しているものとすると、これが入力端子401に
入力され且つダイオードD0 によってクランプされた電
圧波形v1 は、図2(a)に破線にて示す態様の波形と
なる。ここでも、同図2(a)に付記する電圧VF は、
上記ダイオードD0 の順方向電圧を示す。
【0039】また、図2(b)は、この波形整形回路の
コンパレータ402から出力されるとする2値化波形整
形信号v4 についてその時間推移を示している。上記C
PU5では、例えば10m秒毎にこの波形整形信号v4
を取り込み、図3に示される手順にて、該取り込んだ波
形整形信号v4 に応じたヒステリシス波形の波形定数を
演算する。以下に、該CPU5において実行されるこれ
ら波形定数についての演算手順を列記する。 ( 1)CPU5はまず、上記取り込んだ波形整形信号v4
からそのパルス周期Tを算出し(図3ステップST
1)、この算出したパルス周期Tに基づいてエンジンの
回転数Nを計算する(図3ステップST2)。 ( 2)こうしてエンジン回転数Nが求まると、CPU5は
次いで、上記入力電圧波形v1 に対してマスクすべきヒ
ステリシス電圧VMSKH(図2(a)参照)、及び比較基
準信号に対してマスクすべきヒステリシス電圧VMSKL
(図2(a)参照)を、この求めたエンジン回転数Nの
関数、すなわち VMSKH=f(N) VMSKL=f(N) として計算する(図3ステップST3)。上記入力電圧
波形v1 に重畳されるノイズがこのエンジン回転数Nに
依存することは前述した通りであり、ここでこうしてエ
ンジン回転数Nの関数としてこれら各ヒステリシス電圧
VMSKH及びVMSKLを求めることで、重畳されているノイ
ズ成分も確実にマスクされるようになる。なお、これら
ヒステリシス電圧VMSKH及びVMSKLの算出には例えば、
各種エンジン回転数Nの値に応じて予め経験的に求めた
電圧VMSKH及びVMSKLの値(実際には上記ダウンカウン
タ407によるカウント数に対応した値として設定され
る)をそれぞれROMなどにテーブルとして登録してお
き、その都度得られるNの値に応じてそれら該当する電
圧VMSKH及びVMSKLの値を読み出す、等の方法を用いる
ことができる。 ( 3)こうしてヒステリシス電圧VMSKH及びVMSKLを求め
たCPU5は、それら値(ダウンカウンタ407による
カウント数に対応した値)をそれぞれ上記Aレジスタ4
03及びBレジスタ404にセットする(図3ステップ
ST4)。 ( 4)次にCPU5は、上記算出したパルス周期Tに応じ
て、それぞれその40%程度の時間となるよう、入力電
圧波形v1 及び比較基準信号に対する上記ヒステリシス
電圧VMSKH及びVMSKLの印加時間、すなわちマスク時間
TMSKH及びTMSKLを計算する(図3ステップST5)。
これは例えば、 TMSKH=0.4T TMSKL=0.4T として計算される。そしてこれらマスク時間TMSKH及び
TMSKLは、図2(c)に付記される時間TMSKH及びTMS
KLにそれぞれ相当する。前記電磁ピックアップ3(図1
1参照)に誘起される交番アナログ信号が正弦波形を有
していない場合には、これらマスク時間として所望され
る比率も自ずと変わってくる。また、この誘起される交
番アナログ信号に対するノイズの重畳位相が変化する場
合であっても、これらマスク時間を調整することで対処
可能となる。 ( 5)こうしてマスク時間TMSKH及びTMSKLを求めると、
CPU5は更に、これら求めたマスク時間TMSKH及びT
MSKLで上記ダウンカウンタ407でのダウンカウントが
終了されるよう、それらマスク時間に見合ったカウント
クロックCLKDの周期を計算する(図3ステップST
6)。因みに、マスク時間TMSKHに見合ったカウントク
ロックCLKD の周期は、これをΔTMSKHとすると、 ΔTMSKH=TMSKH/Aレジスタへのセット値 によって求められ、マスク時間TMSKLに見合ったカウン
トクロックCLKD の周期は、これをΔTMSKLとする
と、 ΔTMSKL=TMSKL/Bレジスタへのセット値 によって求められる。 ( 6)CPU5は最後に、こうして求めたカウントクロッ
クCLKD の周期ΔTMSKH及びΔTMSKLをタイマ411
のクロック周期で除した値を、それぞれ上記Cレジスタ
405及びDレジスタ406にセットする(図3ステッ
プST7)。
【0040】CPU5の以上の処理によって、Aレジス
タ403及びBレジスタ404にはヒステリシス電圧V
MSKH及びVMSKLが、またCレジスタ405及びDレジス
タ406にはカウントクロックCLKD の周期ΔTMSKH
及びΔTMSKLがそれぞれセットされる。
【0041】以下では、これらレジスタ403〜406
に対し、上記各々該当する値が既にセットている前提の
もとで、同実施例の回路の動作を順次説明する。いま、
図2(a)に示されるように、0Vを中心として交番す
る入力アナログ信号v1 の増大に伴い、時刻t0 におい
てコンパレータ402の2値化波形整形出力v4 (図2
(b)参照)が立ち上がると、シーケンサ410は、こ
れに応じて ・Aレジスタ403にセットされているヒステリシス電
圧VMSKHの値をダウンカウンタ407にロードする ・Cレジスタ405にセットされているカウントクロッ
クCLKD の周期ΔTMSKHの値をエクスクルーシブ・ノ
ア回路412に与える ・スイッチ409をa端子側に切り替える といった制御を実行する。
【0042】これによりダウンカウンタ407は、上記
ヒステリシス電圧VMSKHの値に対応したカウントプリセ
ット値から、上記周期ΔTMSKHにて与えられるカウント
クロックCLKD (図2(d)参照)に基づくダウンカ
ウントを開始し、そのカウント値をD/A変換するD/
Aコンバータ408からは、図2(c)の時刻t0 以降
に示される形状を有するヒステリシス波形をもって、そ
のマスク電流i1 が出力されるようになる。
【0043】このため、コンパレータ402の非反転入
力端子(+)への入力電圧v2 は同図2(a)に示され
るように、はじめ(v1 +R1・IMSKH)、すなわち
(v1+VMSKH)に持ち上げられ、その後上記ダウンカ
ウンタ407のダウンカウント態様に応じて、この持ち
上げ量(v2 −v1 )もリニアに減少する。そして、上
記時刻t0 からマスク時間TMSKHだけ経過した時点で、
この持ち上げ量(v2 −v1 )が「0」となり、該入力
電圧v2 は電圧v1 と等しくなる。
【0044】更にその後、同入力信号v2 (=v1 )の
減少に伴い、時刻t1 においてコンパレータ402の2
値化波形整形出力v4 (図2(b)参照)が立ち下がる
と、シーケンサ410は、これに応じて ・Bレジスタ404にセットされているヒステリシス電
圧VMSKLの値をダウンカウンタ407にロードする ・Dレジスタ406にセットされているカウントクロッ
クCLKD の周期ΔTMSKLの値をエクスクルーシブ・ノ
ア回路412に与える ・スイッチ409をb端子側に切り替える といった制御を実行する。
【0045】これによりダウンカウンタ407は、上記
ヒステリシス電圧VMSKLの値に対応したカウントプリセ
ット値から、上記周期ΔTMSKLにて与えられるカウント
クロックCLKD (図2(d)参照)に基づくダウンカ
ウントを開始し、そのカウント値をD/A変換するD/
Aコンバータ408からは、図2(c)の時刻t1 以降
に示される形状を有するヒステリシス波形をもって、そ
のマスク電流i1 が出力されるようになる。
【0046】そしてこの場合には、コンパレータ402
の反転入力端子(−)への比較基準電圧v3 が同図2
(a)に示されるように、はじめ(R2・IMSKL)、す
なわちVMSKLに持ち上げられ、その後上記ダウンカウン
タ407のダウンカウント態様に応じてリニアに減少す
る。またこの場合には、上記時刻t1 からマスク時間T
MSKLだけ経過した時点で、この比較基準電圧v3 が0V
となる。
【0047】このように、この実施例の波形整形回路に
おいても、波形整形信号として入力信号が比較基準信号
より大きい旨示す2値化第1レベルの信号を得る期間、
及び同波形整形信号として入力信号が比較基準信号より
小さい旨示す2値化第2レベルの信号を得る期間で、そ
れぞれ入力信号と比較基準信号との相対的なレベル差を
助長するヒステリシスを持たせることができるようにな
る。このため、この実施例の回路によっても、基本的
に、先の図13に示されるような態様で、ノイズ成分が
波形整形に及ぼす影響を回避することができる。
【0048】しかもこの実施例の回路においては、上記
ヒステリシスの大きさ(電圧)及び時間幅に関する値自
体は、CPU(マイクロコンピュータ)を通じていわば
ソフトウェア的に設定され、これら値によって特定され
るヒステリシス波形の上記2値化信号の交番に同期して
の発生のみが、上記シーケンサ、ダウンカウンタ及びD
/Aコンバータ等をはじめとするハードウェアによって
実現されるため、上述のように、入力信号に重畳される
ノイズの大きさや位相がエンジンの回転数に応じて変化
するような特殊な環境にあっても、それらノイズ成分を
確実にマスクすることのできるヒステリシス波形を任意
に、しかも容易に設定することができるようになる。
【0049】また、この実施例の波形整形回路によれ
ば、先の図12に例示したような、アナログ回路によっ
て構成されている従来の波形整形回路に比べて、上記期
待されるヒステリシス量をより正確に得ることができる
ようにもなる。
【0050】そしてこの実施例の回路によれば、他のデ
ィジタル回路などと併せて集積回路化を図ることも容易
である。なおこの実施例では、ヒステリシス波形定数の
演算手段として、エンジン電子制御用のCPU5を流用
するようにしたが、このような電子制御システムが10
m秒に1回程度の割合でエンジンの回転数をモニタすれ
ばよいことは前述した通りであり、ヒステリシス波形定
数の演算手段として流用したことによる該CPU5自身
の負荷の増大はほとんどない。
【0051】図4に、この発明にかかる波形整形回路の
他の実施例を示す。この実施例の回路は、同図4に示さ
れるように、前記D/Aコンバータ408の部分をいわ
ゆるディザー方式の8ビットD/Aコンバータ80によ
って構成したものである。またそれにともない、先のダ
ウンカウンタ407についてもこれをアップ・ダウンカ
ウンタ70に代えている。該アップ・ダウンカウンタ7
0のアップカウント/ダウンカウントの切替えは、シー
ケンサ410を通じて行われるものとする。
【0052】またこの実施例の回路において、先の図1
に示した実施例の回路と同一の要素にはそれぞれ同一の
符号を付して示しており、これら要素についての重複す
る説明は割愛する。
【0053】さて、この図4に示す波形整形回路におい
ては、入力端子401に入力される前記交番アナログ信
号、及びアップ・ダウンカウンタ70から出力される8
ビットのカウント信号が上記ディザー方式のD/Aコン
バータ80に与えられ、該D/Aコンバータ80の出力
が、2値化波形整形信号としてCPU5に加えられる。
【0054】D/Aコンバータ80は、上記入力端子4
01に接続されるバッファ回路、及びスイッチS100 、
S105 に加え、大きくは、スイッチS101 〜S104 とコ
ンデンサC1 〜C4 とによって構成される電荷分配回路
81、スイッチS1 〜S32とラダー抵抗とによって構成
される電圧分配回路82、そして、比較基準電圧Vref
をもとにこれら回路81及び82によるD/A変換出力
との比較を行い、その結果を上記2値化波形整形信号と
して出力するコンパレータ83をそれぞれ具えて構成さ
れている。
【0055】なお、このD/Aコンバータ80におい
て、上記比較基準電圧Vref は、D/A変換参照電圧V
A の(1/2)の電圧に設定されるものとする。また、
上記D/A変換出力は、その上位4ビット分が電荷分配
回路81を通じた電荷再分配によって決定され、その下
位4ビット分が電圧分配回路82を通じた電圧分配態様
によって決定される。
【0056】また、上記スイッチS100 及びS105 をは
じめ、上記電荷分配回路81及び電圧分配回路82に配
設される各スイッチの切替えタイミングは、該実施例の
波形整形回路が適用されるエンジンの電子制御システム
のシステムクロックに基づき制御されるものとする。
【0057】図5〜図7はそれぞれ、このD/Aコンバ
ータ80の動作原理を説明したものであり、以下、これ
ら図5〜図7を併せ参照して、該D/Aコンバータ80
の動作を説明する。
【0058】D/Aコンバータ80は、上記システムク
ロックが論理ロー・レベルにあるとする初期状態におい
ては、スイッチS100 及びS105 はオンに、また電荷分
配回路81を構成するスイッチS101 〜S104 は、図4
に図示される通りそれぞれ上記スイッチS100 側(a端
子側)に接続されるよう切替え制御される。これにより
該D/Aコンバータ80は、実質的に図5(a)に示さ
れる回路構成となる。ここで、コンデンサ容量の「8
C」とは、電荷分配回路81におけるコンデンサC1 の
容量「C」、コンデンサC2 の容量「C」、コンデンサ
C3 の容量「2C」、及びコンデンサC4 の容量「4
C」が全て加算された値である。
【0059】次に、上記システムクロックが立ち上がっ
て論理ハイ・レベルになると、上記スイッチS100 及び
S105 はオフに、また電荷分配回路81のスイッチS10
1 は電圧分配回路82のスイッチS1 〜S32側(b端子
側)に、そして電荷分配回路81の残りのスイッチS10
2 〜S104 及び電圧分配回路82のスイッチS1 〜S32
はアップ・ダウンカウンタ70から出力される8ビット
のカウント値に応じた状態にそれぞれ切替え制御され
て、同D/Aコンバータ80は、上記コンパレータ83
を通じての比較状態となる。このとき、コンパレータ8
3の非反転入力(+端子)に加わる電圧v1 は、 v1 =[{32n+(L−0.5)}/256]・VA −vin ただしここで、 vin:システムクロックが立ち上がった瞬間の入力信号
電圧 VA :D/A変換参照電圧 n :コンデンサC2 〜C4 のうち、システムクロック
が論理ハイ・レベルの期間に電圧VA に接続される容量
比の合計値(0≦n≦7) L :スイッチS1 〜S32のうち、システムクロックが
論理ハイ・レベルの期間にオンとなるスイッチの番号
(1≦n≦32) となり、該D/Aコンバータ80は、実質的に、図5
(b)に示される回路構成となる。
【0060】ここで、この比較状態にあるD/Aコンバ
ータ80の回路状態に鑑みると、次のことがいえる。す
なわち、上記コンパレータ83の反転入力(−端子)に
与える比較基準電圧Vref を、上述のようにD/A変換
参照電圧VA の(1/2)の電圧に設定しておけば、し
たがって例えば、D/A変換参照電圧VA が5Vである
とするときにこの比較基準電圧Vref を2.5Vにして
おけば、0Vを中心に交番する入力信号に対し、等価的
には、±Vref (=VA /2)の範囲、すなわち±2.
5Vの範囲で同コンパレータ83における比較電圧を設
定することができる。そしてこのことは図示すると、実
質的に図5(b)に示される回路構成となる、すなわち
ここでの電圧設定例によれば図6(a)に示される態様
となる該D/Aコンバータ80は、コンパレータ83の
比較電圧設定態様を上記の如く移動して考えることで、
実質的に図6(b)に示される回路状態と等価となるこ
とを意味する。
【0061】因みに、この図6(b)に示す回路状態と
は、該D/Aコンバータ80への入力信号電圧vinに対
して、コンパレータ83の比較基準電圧、すなわち2値
化閾値の方を±2.5Vの範囲で積極的に変化させるこ
とを意味するものであり、結局これら入力信号電圧vin
と比較基準電圧[{(m−0.5)/256}・VA−
Vref ]との関係についてもこれを、先のアップ・ダウ
ンカウンタ70によるカウント設定に応じて、例えば図
7(a)に示される態様とすることができることを意味
する。図7(b)に、これら入力信号電圧vin及び比較
基準電圧[{(m−0.5)/256}・VA −Vref
]のこうした関係に基づくコンパレータ83の2値化
波形整形出力v2 を併せ示す。なお、図6におけるmと
は、上記式における[{32n+(L−0.5)}/2
56]に相当する変数であって、n及びLの上記の定義
によって1〜256の値をとる。
【0062】図8〜図10は、こうした原理に基づく該
実施例波形整形回路の実際の動作についてその一例を示
したものであり、次に、これら図8〜図10をも併せ参
照して、同実施例の回路の動作を更に具体的に説明す
る。D/Aコンバータ80が、システムクロックの論理
レベル推移に伴って初期状態と比較状態との2つの状態
をとることは上述した通りである。初期状態とは換言す
ると、スイッチS100 を閉じて入力信号電圧vinをサン
プリングしている期間に相当する状態であり、また比較
状態とは換言すると、このサンプリングされた入力信号
電圧vinを電荷分配回路81にホールドしている期間に
相当する状態である。このようにこのD/Aコンバータ
80においては、上記システムクロックに同期して、こ
れらサンプリング期間とホールド期間とが交互に繰り返
されるようになる。
【0063】図8は、このようなサンプリング期間とホ
ールド期間とにおける上記スイッチS100 〜S105 、及
びS1 〜S32の状態遷移例を示している。これら各スイ
ッチは、アップ・ダウンカウンタ70から出力される8
ビットカウント値に応じて、同図8に例示するような切
替え内容が予め設定されており、それら各対応するカウ
ント値が維持されている期間毎に、こうした状態遷移を
繰り返す。
【0064】さて、以下に説明する動作例では、一例と
して図9(a)に示される態様でのヒステリシスを実現
すべく、すなわちアップ・ダウンカウンタ70からは同
図9(b)に示される態様でのカウント出力が得られる
ように、Aレジスタ403、Bレジスタ404、Cレジ
スタ405、及びDレジスタ406にセットする値が決
められるものとする。
【0065】すなわちここでは、前記ヒステリシスレベ
ルVMSKH及びVMSKLとして共に、アップ・ダウンカウン
タ70のカウント数「7」に相当する電圧シフトをコン
パレータ83の非反転入力(+端子)信号(vref −v
in)に対して与えるべく演算がCPU5を通じて既に実
行され(図3ステップST3参照)、その結果、Aレジ
スタ403には、値「128」から上記ヒステリシスレ
ベルVMSKH「7」を減じた値「121」がセットされ、
Bレジスタ404には、値「128」に上記ヒステリシ
スレベルVMSKL「7」を加えた値「135」がセットさ
れる。また、Cレジスタ405には、カウントクロック
CLKD の周期ΔTMSKHとして、前述したマスク時間T
MSKHをもとにこれを上記ヒステリシスレベルVMSKH
「7」で割った値を更にタイマのクロック周期で割った
値、すなわち ΔTMSKH=TMSKH/VMSKH「7」/TTCK ただし、TTCK はタイマのクロック周期 がセットされ、Dレジスタ406には同様に、カウント
クロックCLKD の周期ΔTMSKLとして、前述したマス
ク時間TMSKLをもとにこれを上記ヒステリシスレベルV
MSKL「7」で割った値を更に上記タイマのクロック周期
TTCK で割った値、すなわち ΔTMSKL=TMSKL/VMSKL「7」/TTCK がセットされる。そしてこの場合、シーケンサ410
は、同図9(c)に示される態様でコンパレータ83か
ら出力されるとする2値化波形整形信号v2 に基づき、
その論理ロー・レベル期間ではアップカウントし、その
論理ハイ・レベル期間ではダウンカウントするよう、上
記アップ・ダウンカウンタ70のカウント形態を制御す
る。なお、アップ・ダウンカウンタ70自身は、アップ
カウント時であれ、ダウンカウント時であれ、上記値
「128」に達したところで該値「128」を維持する
ような構成になっているとする。この「128」という
値は、8ビットカウンタの最大計数値「256」の半分
の値であり、この実施例では、この値「128」をもっ
てヒステリシスによるマスク量を「0」としている。
【0066】こうした設定により、アップ・ダウンカウ
ンタ70からは図9(b)に示される態様でそのカウン
ト値が出力されることとなる。またこれを受入するD/
Aコンバータ80では、これらカウント値に基づいて先
の図8に例示した態様でのスイッチングを繰り返し、そ
の結果、コンパレータ83の比較基準電圧Vref に対
し、同図9(a)に電圧v1 として示される信号をその
非反転入力(+端子)に発生するようになる。なお、こ
の図9(a)に示す電圧v1 において、その0V線との
間に引いた無数の縦線は、前述したシステムクロックの
周期をイメージしたものであり、例えば図中にZ領域と
して示した部分を拡大して示すと図10のようである。
因みにこの図10においては、クロック周期TCLK のう
ち、論理ロー・レベルにある期間において前記サンプリ
ングが行われ、論理ハイ・レベルにある期間において前
記ホールドが行われることを示している。またこの場
合、CPU5においても、システムクロックに同期し
て、上記コンパレータ83による2値化出力を読み込む
こととなる。図9(c)では、こうしたイメージを併せ
図示している。また参考までに、先の図8は、図9
(b)でいうT7 期間〜T10期間での上記各スイッチの
状態推移に対応している。
【0067】以上、図9(a)〜(c)からも明かなよ
うに、ディザー方式のD/Aコンバータを用いるこの実
施例の波形整形回路によっても、先の図1に示した実施
例の回路と実質的に等価な態様を持って、入力信号vin
に重畳されるとするノイズをマスクでき、ひいてはそれ
らノイズ成分の波形整形に及ぼす影響を回避できること
がわかる。
【0068】なお、上記各実施例は何れも、エンジンの
電子制御システムに適用されることを想定して、図13
に例示したようなランプ波形状のヒステリシス波形を得
ることを前提にそれらハードウェアを構成したが、該ヒ
ステリシス波形の形状は任意であり、他に例えば、鋸歯
状波形状のヒステリシス波形を発生する回路、三角波形
状のヒステリシス波形を発生する回路、或いは方形波形
状のヒステリシス波形を発生する回路、そして更には、
これら波形が合成された形状を有するヒステリシス波形
を発生する回路等々、任意の回路を採用することができ
る。要は、これら発生されるヒステリシス波形の波形定
数さえ、ソフトウェア的に任意に演算、設定できるもの
であればよい。
【0069】また同様に、上記各実施例は何れも、エン
ジンの電子制御システムに適用されることを想定して、
その電子制御に用いられるマイクロコンピュータ(CP
U)を、上記波形定数を演算設定する演算手段として流
用するようにしたが、これとて任意であり、該演算手段
を電子制御用のマイクロコンピュータ(CPU)と別途
に具える構成としても勿論よい。
【0070】また、この発明にかかる波形整形回路が、
エンジンの電子制御システム以外のシステムに対しても
同様に適用可能であることは勿論であり、交番アナログ
信号として入力される信号の該交番周期に対応した2値
化信号が必要とされる全てのシステムに対して、その入
力信号に重畳されるノイズ成分の影響を良好に回避した
信頼性の高い波形整形信号を呈することができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ノイズ成分を確実にマスクする上で所望とされるヒ
ステリシス量を、当該波形整形回路が適用される環境等
に応じて任意且つ柔軟に設定することができる。
【0072】しかもこの発明によれば、従来のアナログ
回路によって構成されていた波形整形回路に比べて、こ
の期待されるヒステリシス量を正確に得ることができる
ようにもなる。
【0073】また、この発明の構成によれば、他のディ
ジタル回路などと併せて集積回路化を図ることも容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる波形整形回路の一実施例につ
いてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示される実施例波形整形回路の動作例を
示すタイミングチャートである。
【図3】図1に示されるCPUが同実施例波形整形回路
の演算手段として実行する演算処理の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図4】この発明にかかる波形整形回路の他の実施例に
ついてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示されるD/Aコンバータのそれぞれ初
期状態(サンプル期間)と比較状態(ホールド期間)と
における等価回路を示す回路図である。
【図6】同D/Aコンバータの比較状態(ホールド期
間)における更なる等価回路を示す回路図である。
【図7】図4に示されるD/Aコンバータの動作原理を
示すタイミングチャートである。
【図8】同D/Aコンバータにおける各スイッチの入力
カウント値に応じた状態遷移例を示す説明図である。
【図9】図4に示される実施例波形整形回路の動作例を
示すタイミングチャートである。
【図10】図9のZ領域部分についてこれを拡大して示
すタイミングチャートである。
【図11】エンジンの電子制御システムについてその概
略構成を示すブロック図である。
【図12】同電子制御システムに採用されている従来の
波形整形回路についてその構成例を示すブロック図であ
る。
【図13】図12に示される従来の波形整形回路の動作
原理を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…シグナルロータ、2…クランク角検出用の突起、3
…電磁ピックアップ、4…波形整形回路、5…マイクロ
コンピュータ(CPU)、6…A/Dコンバータ、7…
入力バッファ、41、401…入力端子、42、83、
402…コンパレータ、43、44…ランプ電流波形発
生回路、45…F−V変換器、70…アップ・ダウンカ
ウンタ、80…ディザー方式D/Aコンバータ、81…
電荷分配回路、82…電圧分配回路、403、404、
405、406…レジスタ、407…ダウンカウンタ、
408…D/Aコンバータ、409…スイッチ、410
…シーケンサ、411…タイマ、412…エクスクルー
シブ・ノア回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 英人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交番アナログ信号として入力される入力信
    号と比較基準信号とをコンパレータによって比較するこ
    とにより該入力信号をその交番周期に対応した2値化信
    号として波形整形するに、該2値化信号として入力信号
    が比較基準信号より大きい旨示す2値化第1レベルの信
    号を得る期間、及び同2値化信号として入力信号が比較
    基準信号より小さい旨示す2値化第2レベルの信号を得
    る期間で、それぞれ入力信号と比較基準信号との相対的
    なレベル差を助長するヒステリシスを持たせ、これら持
    たせたヒステリシス成分を通じて前記入力信号に混入さ
    れるノイズ成分をマスクする波形整形回路において、 波形整形信号として得られる前記2値化信号の交番周期
    に基づき、前記ノイズ成分をマスクする上で好適なヒス
    テリシス成分の印加レベル、並びに印加時間をそれぞれ
    リアルタイム演算する演算手段と、 これら演算された印加レベル及び印加時間に応じた特定
    の信号波形を生成し、該生成した信号波形を前記得られ
    る2値化信号の交番に同期して前記入力信号及び比較基
    準信号の少なくとも一方に印加するヒステリシス波形発
    生回路と、 を具えることを特徴とする波形整形回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008294786A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Nippon Seiki Co Ltd パルス発生装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008294786A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Nippon Seiki Co Ltd パルス発生装置

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