JPH07152382A - 楽音発生システム - Google Patents

楽音発生システム

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JPH07152382A
JPH07152382A JP6139341A JP13934194A JPH07152382A JP H07152382 A JPH07152382 A JP H07152382A JP 6139341 A JP6139341 A JP 6139341A JP 13934194 A JP13934194 A JP 13934194A JP H07152382 A JPH07152382 A JP H07152382A
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H7/00Instruments in which the tones are synthesised from a data store, e.g. computer organs
    • G10H7/02Instruments in which the tones are synthesised from a data store, e.g. computer organs in which amplitudes at successive sample points of a tone waveform are stored in one or more memories
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
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    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/471General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
    • G10H2250/475FM synthesis, i.e. altering the timbre of simple waveforms by frequency modulating them with frequencies also in the audio range, resulting in different-sounding tones exhibiting more complex waveforms

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な計算を必要とせずに、発生楽音の細か
なピッチ精度を実現し、また、発生楽音の多様な制御が
行えるようにし、また、ディジタル演算の際の丸め誤差
の修正を行えるようにする。 【構成】 波形サンプル信号を入力し、サンプリング周
期の整数倍の遅延を施して出力する遅延手段と、遅延出
力に基づき、遅延量の異なる複数のサンプル信号を組合
せて合成する演算を行う変更手段と、変更手段の出力信
号を遅延手段に入力する手段とを具え、サンプリング周
期の非整数倍の周期で波形サンプル信号が巡回し、該非
整数倍の周期に対応する周期性を持つ楽音信号が発生さ
れる。変更演算アルゴリズムを複数のアルゴリズムの中
から確率的に選択し、この確率の変化の組合せによっ
て、多様な楽音制御を行う。また、変更演算を、可変制
御される頻度で時間間隔をあけて行うように制御し、発
生楽音の特徴を制御する。また、変更演算の際に、ラン
ダム信号に応じたディザ演算を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、楽器詳しくはディジタ
ル制御式電子楽器若しくは楽音を発生させる方法におい
て利用可能な楽音発生システムに関する
【0002】
【従来の技術】楽音を発生させるディジタル制御式方法
は、一連のディジタル数を発生させ、それを電気アナロ
グ信号に変換することによって行われる。アナログ信号
は増幅され、普通のスピーカを通して楽音を発生させ
る。ディジタル制御を行う楽器は、キーボードに応答す
るディジタル電子回路とで構成されている。電子回路
は、キーボードに応答して信号をディジタル式に処理
し、スピーカのところで音となる振動をディジタル式に
発生する。これらのディジタル式に発生した振動はアナ
ログ発振器で発生した振動とは異なっており、普通の管
弦楽その他のタイプの楽器で機械的に発生した振動とも
異なっている。電子式音源であろうと機械式音源であろ
うと、楽音はすべてフーリエスペクトルによって説明で
きる。フーリエスペクトルでは、楽音をその成分周波数
をシヌソイドとして表わすことによって説明している。
したがって、楽音全体は、成分周波数の合計、すなわ
ち、シヌソイドの合計である。
【0003】フーリエ分析の下では、音質は倍音と不協
和音に分類される。倍音は周期的であり、基本周波数の
整数倍である周波数を有するシヌソイドの合計として表
わすことができる。基本周波数は音質のピッチである。
管弦楽の調和楽器としては、弦楽器、金管楽器、木管楽
器がある。不協和音は周期的ではないが、シヌソイドの
合計として表わすことも多い。しかしながら、不協和音
を含む周波数は、通常、相当に複雑な関係を持つ。不協
和音楽器は、通常、なんらそれと組合ったピッチを持た
ない。不協和音を出す管弦楽の楽器としては、パーカッ
ション、たとえば、バスドラム、スネアドラム、シンバ
ル、その他がある。
【0004】電子制御式楽器は楽音を発生する基礎とし
てフーリエスペクトルを選定することに依存していた。
公知形式のディジタル楽器の1つでは、高調波合成楽音
発生方法を使用している。この方法では、異なった周波
数の多数の振幅スケール式シヌソイドを加算(あるいは
減算)することによって音質を得る。しかしながら、高
調波合成方法では、各サンプルを形成するのに複雑な加
算(あるいは減算)処理を必要とする。この処理では、
高価でありかつ融通のきかないディジタル回路を必要と
する。したがって、高調波合成方法を実施するのに必要
なディジタル設計は複雑なコンピュータ計算を必要と
し、不満な点が多い。
【0005】別の公知形式の楽器では、楽音ろ過方法を
使っている。この方法では、方形波とかのこぎり波形列
のような複雑な電気波形を1つ以上のフィルタでろ過し
て所望の周波数成分を選定する。その後、ろ過した周波
数成分を組合わせてスピーカを駆動する電子信号を形成
する。このろ過方法は、普通、人間の言葉を合成するの
に用いられ、アナログ電子発生器官を持っていることが
多い。ろ過方法は、各サンプルが記憶した一定サンプル
の値に依存しているので、相当に融通がきかない。自然
な音を得るには、多数の乗算ステップを必要とし、これ
は高価につく。
【0006】高調波合成法、ろ過法は、いずれも、シヌ
ソイドの線形の組合せに依存しており、それ故、楽音を
発生する線形方法としての特徴を持つ。入力機能の振幅
(高調波合成法ではシヌソイド、ろ過法ではパルス列)
に2の因数を掛けることによって、同じ音質を持ちかつ
2の因数を掛けた振幅を持つ出力波形を得るという事実
からこの線形性は明らかである。
【0007】「METHOD OF SYNTHESIZING A MUSICAL SOU
ND」なる名称の、Chowning氏の米国特許第4,018,121号
が楽音を発生する非線形方法を記載している。この非線
形方法では、無数のシヌソイドの合計を表わすのに閉鎖
形式の表現(周波数変調に基礎を置く)を用いている。
この非線形周波数変調方法は、多数のシヌソイドを発生
し、これらのシヌソイドは搬送周波数と整数倍の変調周
波数の合計である周波数を持つ。変調周波数の倍数振幅
はベッセル関数の合計である。Chowning氏の非線形周波
数変調方法は、先の線形高調波合成法やろ過方法より優
れており、楽音合成の分野では営業的に成り立つ用途が
見出されている。
【0008】「MUSICAL INSTRUMENT AND METHOD FOR GE
NERATING MUSICAL SOUND」なる名称の、Moorerの米国特
許第4,215,617号が楽音を発生する改良された非線形方
法を記載している。この方法では、周波数成分の振幅が
ベッセル関数に拘束されず、有限のスペクトル、すなわ
ち、有限数のシヌソイドの合計からなるスペクトルを利
用することができる。
【0009】上記の方法と同様の多くの線形、非線形方
法がディジタル楽音合成で成功裡に用いられているが、
これらの方法はすべて、豊かで自然な音を得るには迅速
で複雑な計算能力を必要とする。その結果、楽器のコス
トが上がり、複雑になる。これはディジタル合成を広く
利用する目的に反する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来技術
で要求されるよりも遅くてかつより簡略な計算能力でよ
いディジタル回路を使用でき、その上、豊かな自然音を
発生することのできるディジタル合成を用いる改良され
た楽器が要求されている。また、普通のコンピュータ・
プロセッサおよび普通の半導体チップ技術を用いて構成
することのできる改良されたディジタル楽音合成器が要
求されている。
【0011】上記の背景に従って、本発明の目的は、複
雑な計算を必要としない簡単な普通のディジタル回路を
利用して豊かで自然な音を発生する改良された楽器およ
び方法を提供することにある。詳しくは、比較的簡単な
構成によって、発生楽音の細かなピッチ精度を実現でき
るようにした楽音発生システムを提供することにある。
また、発生楽音の変更制御を確率的に行うことにより、
比較的簡単な構成によって、多様な制御が行えるように
した楽音発生システムを提供することにある。また、発
生楽音の変更制御を時間間隔を空けて断続的に行うこと
により、比較的簡単な構成によって、多様な制御が行え
るようにした楽音発生システムを提供することにある。
更に、楽音合成のためのディジタル演算の際のラウンド
オフ・エラー(丸め誤差)を修正するディザ演算を行う
ことにより誤差の修正された楽音合成を行えるようにし
た楽音発生システムを提供し、あるいはディザ演算の選
択制御によって発生楽音の音色特性を行えるようにした
楽音発生システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の観点に
従う楽音発生システムは、波形サンプル信号を入力し、
サンプリング周期の整数倍の遅延を施して出力する遅延
手段と、前記遅延手段の出力に基づき、遅延量の異なる
複数の波形サンプル信号を組合せて合成する演算を行う
変更手段と、前記変更手段の出力信号を前記遅延手段に
入力する手段とを具え、前記サンプリング周期の非整数
倍の周期で波形サンプル信号が巡回し、その非整数倍の
周期に対応するピッチを持つ楽音信号が発生されること
を特徴とするものである。後述する実施例との対応を示
すと、遅延手段はウェーブテーブルユニット13、変更
手段は変更子ユニット14又はディジターユニット35
におけるラッチ45、65、60、61、67及び演算
装置62等を含む部分、入力する手段は出力レジスタ3
6と母線8を含む部分、に夫々概ね対応している。
【0013】この発明の第2の観点に従う楽音発生シス
テムは、波形サンプル信号を入力し、遅延を施して出力
する遅延手段と、前記遅延手段の出力に基づき、1又は
遅延量の異なる複数の波形サンプル信号を組合せて、変
更された若しくは変更されない波形サンプル信号を発生
する演算を行うものであり、この演算アルゴリズムを複
数の演算アルゴリズムの中から確率的に選択して実行す
る変更手段と、前記変更手段の出力信号を前記遅延手段
に入力する手段とを具え、前記選択された演算アルゴリ
ズムに応じて変更された波形サンプル信号が遅延手段を
巡回し、この巡回ループから楽音信号を取り出すように
したものである。後述する実施例との対応を示すと、遅
延手段はウェーブテーブルユニット13、変更手段は変
更子ユニット14又はディジターユニット35における
ラッチ45、65、60、61、67、演算装置62及
び制御論理回路71等を含む部分、入力する手段は出力
レジスタ36と母線8を含む部分、に夫々概ね対応して
いる。
【0014】この発明の第3の観点に従う楽音発生シス
テムは、波形サンプル信号を入力し、遅延を施して出力
する遅延手段と、前記遅延手段の出力に基づき、遅延量
の異なる複数の波形サンプル信号を組合せて、変更され
た波形サンプル信号を発生する演算を行う変更手段と、
前記変更手段における前記変更のための演算を、可変制
御される頻度で時間間隔をあけて行うように制御する制
御手段と、前記変更のための演算が行われたときは前記
変更手段によって変更された波形サンプル信号を前記遅
延手段に入力し、行われないときは変更されない波形サ
ンプル信号を前記遅延手段に入力する手段とを具え、前
記変更された若しくは変更されない波形サンプル信号が
遅延手段を巡回し、この巡回ループから楽音信号を取り
出すようにしたものである。後述する実施例との対応を
示すと、遅延手段はウェーブテーブルユニット13、変
更手段は変更子ユニット14又はディジターユニット3
5におけるラッチ45、65、60、61、67、演算
装置62及び制御論理回路71等を含む部分、制御手段
は崩壊計算ユニット58、キャリインユニット64及び
制御論理回路71等を含む部分、入力する手段は出力レ
ジスタ36と母線8を含む部分、に夫々概ね対応してい
る。
【0015】この発明の第4の観点に従う楽音発生シス
テムは、ディジタル波形サンプル信号を入力し、遅延を
施して出力する遅延手段と、前記遅延手段の出力に基づ
き、ディジタル波形サンプル信号を変更するためのディ
ジタル演算を行う変更手段と、ランダム信号に従ってデ
ィザ演算を行うよう前記変更手段を制御する制御手段
と、前記変更手段の出力信号を前記遅延手段に入力する
手段とを具え、前記変更されたディジタル波形サンプル
信号が遅延手段を巡回し、この巡回ループから楽音信号
を取り出すようにしたものである。後述する実施例との
対応を示すと、遅延手段はウェーブテーブルユニット1
3、変更手段は変更子ユニット14又はディジターユニ
ット35におけるラッチ45、65、60、61、6
7、演算装置62及び制御論理回路71等を含む部分、
制御手段は崩壊計算ユニット58、キャリインユニット
64及び制御論理回路71等を含む部分、入力する手段
は出力レジスタ36と母線8を含む部分、に夫々概ね対
応している。
【0016】
【作用】第1の観点に従う楽音発生システムによれば、
遅延手段を巡回する波形サンプル信号の巡回周期は、遅
延数に相当するサンプリング周期の整数倍ではなく、変
更手段における遅延量の異なる複数の波形サンプル信号
の合成演算結果(変更された波形サンプル信号)が巡回
することにより、1サンプリング周期に満たない遅延が
等価的に付加(又は減少)されて、サンプリング周期の
非整数倍となる。これにより、サンプリング周期の非整
数倍の周期に対応するピッチを持つ楽音信号を発生する
ことができ、波形サンプル信号の変更演算という比較的
簡単な制御によって、発生楽音の細かなピッチ精度を実
現することができる。
【0017】第2の観点に従う楽音発生システムによれ
ば、巡回する波形サンプル信号を変更するための演算ア
ルゴリズムを複数の演算アルゴリズムの中から確率的に
選択して実行するので、確率の変化の組合せによって、
比較的簡単な構成によって、多様な楽音制御を行うこと
ができる。例えば、確率の可変制御によって、発生楽音
の音色を制御することもできるし、上記のように1サン
プリング周期に満たない遅延の等価的に付加(又は減
少)によるサンプリング周期の非整数倍の周期に対応す
るピッチを持つ楽音信号の発生も可能である。
【0018】第3の観点に従う楽音発生システムによれ
ば、巡回する波形サンプル信号を変更するための演算
を、可変制御される頻度で時間間隔をあけて行うように
制御するので、頻度の可変制御という比較的簡単な構成
によって、多様な楽音制御を行うことができる。例え
ば、発生楽音における倍音の崩壊速度を、この変更演算
の頻度の制御によって、可変制御することができ、これ
によって、楽音の特徴を制御することができる。
【0019】第4の観点に従う楽音発生システムによれ
ば、巡回する波形サンプル信号を変更するためのディジ
タル演算によって生じるラウンドオフ・エラー(丸め誤
差)を、ディザ演算によって修正することができ、誤差
の修正された楽音合成が行える。また、ディザ演算を行
うか否かを選択制御することによって、ラウンドオフ・
エラーの修正されていない音色特性と修正された音色特
性の選択を行うこともでき、楽音制御を多様にすること
ができる。
【0020】以下で説明する実施例においては、楽音を
発生するのにウェーブテーブル変更を使用する楽器およ
び方法が示されている。この楽器はキーボードその他の
入力装置、ディジタル信号をウェーブテーブル変更で発
生させるウェーブテーブル変更発生器およびディジタル
信号を楽音に変換する出力装置を包含する。
【0021】この発生器はウェーブテーブルを包含し、
このウェーブテーブルは周期的にアクセスされて楽音を
決定する出力信号を与える。ウェーブテーブルからの出
力信号は変更されてからウェーブテーブルにもどされ、
変更データとして記憶される。或る遅延の後、変更デー
タはウェーブテーブルからアクセスされ、新しい出力信
号となる。このプロセスは周期的に繰り返され、新しい
出力信号毎に変更が行なわれ、ウェーブテーブルにもど
されてそこに記憶される。本発明によれば、こうして、
新しい出力信号がウェーブテーブル変更で発生し、豊か
で自然な楽音を発生するのに用いられる。
【0022】本発明によれば、任意の時刻tにおいて、
ウェーブテーブルにもどされて記憶される変更信号yt
は、ウェーブテーブルの最初の内容xtと変更成分mt
関数である。したがって、信号ytは次に示すように
t、mtの関数となる。 yt=f(xt,mt
【0023】ディジタルサンプルの実施例では、yt
n番目のサンプルはynで与えられる。遅延オペレータ
を使用すれば、nサイクルの遅延を示すウェーブテーブ
ルの場合、ynは、xtのn番目の値xnと、変更成分の
【数1】 倍として与えられるynの遅延値との関数であり、次の
式で与えられる。
【数2】
【0024】弦楽器をはじいた音を発生するのに適した
形式の或る実施例によれば、次の変更値ynを発生する
ように行われる変更は、第1の遅延出力yn-Nと先の遅
延出力yn-(N+1)の平均値である。
【0025】はじく形式の弦楽器の実施例では、ウェー
ブテーブルにもどして格納するn番目の変更値は次の通
りである。
【数3】 ここで、xnはそれが(N+1)よりも大きいnのとき
に0に等しい場合のウェーブテーブルからの第n番目の
サンプルであり、ynはn番目のサンプルでの変更出力
であり、Nはウェーブテーブル遅延(サンプルにおける
音のほぼ所望のピッチ期間)であり、yn-NはN分の遅
延したサンプルであり、yn-(N+1)はN+1分遅れたサ
ンプルである。
【0026】はじき弦楽器実施例では、変更は、たとえ
ば、ウェーブテーブルに記憶されたデータの単純な加算
および2進シフト(2で割ったもの)として実施され
る。或るディジタル記憶装置実施例では、ウェーブテー
ブルのデータのロケーションは、記憶装置アドレスポイ
ンタによって決定される。リードポインタは遅延サンプ
ルyn-Nのロケーションを指定する。「リードポインタ
+1」はリードポインタから1だけオフセットしてお
り、遅延サンプル yn-(N+1)のロケーションを指定す
る。変更値yn はライトポインタの指定したロケーショ
ンでウェーブテーブルに格納される。ライトポインタは
ピッチ遅延N分だけリードポインタからオフセットして
いる。
【0027】多重音声実施例では、ピッチ遅延Nは各音
声ごとに異なっているのが普通である。リードポインタ
およびライトポインタは各音声ごとに決定される。本発
明のウェーブテーブル変更方法は、計算の必要性が低く
ても実施し得る改良ディジタル機器を提供するという目
的を達成する。本発明の前記の、およびその他の目的特
徴は、添付図面を参照しながらの以下の好ましい実施例
についての詳しい説明から明らかとなろう。
【0028】
【実施例】図1において、ここにはディジタル式シンセ
サイザー楽器が示してある。この楽器は、発生させよう
としている楽音を指定する入力ユニット2と、発生させ
ようとしている楽音を表わす信号を発生するウェーブテ
ーブル変更発生器3と、所望の音を発する出力ユニット
4とを包含する。
【0029】図2において、これは図1の楽器を更に詳
しく示している。入力ユニット2は、普通は、電気信号
をインターフエース6に接続するキーボード5を包含す
る。このキーボード5は普通の設計のものであり、キー
を押し下げたときに電気信号を発生する。キーボード5
は発生させようとしている音を指定するための代表的な
装置であるが、他のいかなる形式のものを使用してもよ
い。さらに、入力ユニット2は、普通、音の力(振幅)
や音の持続時間を指定する手段を包含する。
【0030】インターフェースユニット6はキーボード
情報(ピッチ、振幅、持続時間)を符合化し、ウェーブ
テーブル変更発生器3の制御ユニットに伝える。発生器
3は、入力ユニット2からの信号に応答して、出力母線
8に信号を発生させ、この信号は出力ユニット4に送ら
れる。出力ユニット4はこの信号を所望の楽音に変換す
る。普通は、出力ユニット4はディジタルアナログ変換
器9を包含する。変換器9からのアナログ信号は低域フ
ィルタ10及び増幅器11を通してスピーカ12に送ら
れる。スピーカ12は所望の楽音を発する。
【0031】図2において、ウェーブテーブル変更発生
器3は、ウェーブテーブル13、変更子ユニット14、
制御ユニット15を包含する。ウェーブテーブル13は
遅延時間pを持つ遅延装置として作用する。変更子ユニ
ット14からの変更信号はウェーブテーブル13に格納
され、そこで、母線16に出現する前に時間p遅らされ
る。ウェーブテーブルからの母線16上の出力信号は変
更子ユニット14で変更され、ウェーブテーブル13に
格納される。ディジタル例の場合、遅延時間pはデータ
のN個のサンプルで著される。1つのディジタル装置と
して、ウェーブテーブル13はデータのN個のサンプル
を格納するためのディジタル記憶装置となる。pより小
さい時間tの値の場合、ウェーブテーブル13はxt
最初の値を記憶する。ディジタルシステムでは、tはn
のN値に量子分化され、その結果、初期状態では、xn
はN個の初期値を有する。
【0032】バックグラウンドによっては、変更子ユニ
ット14内になんらの変更もない場合、ウェーブテーブ
ル13は遅延時間pで周期的となる出力信号yt を発生
することになる。遅延ラインにある最初の内容がxt
あるとき、出力信号yt は次のように表わされる。
【数4】
【0033】時間tが個々の値に量子化され、pがnの
N個の値に等しいとき(ここでは、Nは整数、xn は、
t のN個の個々の値を表わす)、上記式(1)は次の
ように書くことができる。
【数5】
【0034】変更を変更子ユニット14で行うため、上
記式(1)、(2)は本発明で利用する出力信号に当て
はまらない。本発明によれば、任意の時刻tにおいて、
ウェーブテーブルにもどされて格納される変更信号yt
はウェーブテーブルの最初の内容xt と変更成分mt
関数である。したがって、信号yt は次の式(3)で与
えられるようにxt、mtの関数となる。
【数6】
【0035】ディジタルサンプル実施例では、yt のn
番目のサンプルはyn として与えられ、遅延オペレータ
【数7】 を用いて、Nサイクルの遅延を示すウェーブテーブルの
ばあい、yn は、xn のn番目の値と、変更因数mt
【数1】倍によって与えられるynの遅延値の関数であ
り、次の式(4)で表わせる。
【数8】
【0036】上記式(4)に関連して、値Nの場合に記
憶されたサンプルの最大数は任意の数であってよい。サ
ンプル数が大きければそれだけ、発生する可能性のある
周波数成分が低くなる。或る例では、256個の8ビッ
トサンプルが記憶されている。また、多くの異なった形
式の変更成分mt を選択できる。しかしながら、簡略化
と経済性を考えると、mt の計算の簡単な方が望まし
い。或る簡単な変更成分をはじき演奏弦楽器の楽音の発
生に関連して説明する。
【0037】〔はじき演奏式弦楽器楽音〕図3におい
て、はじき演奏式弦楽器の楽音を発生する変更子ユニッ
ト14の詳細例が示してある。変更子ユニット14は母
線16上にある信号yn-N をnの1周期だけ遅らせる遅
延ユニット26を包含する。この遅延ユニット26から
の出力はライン28に1つの入力yn-(N+1) を形成し、
それを演算装置(AU)27に送る。演算装置27への
他の入力は母線16から直接導き出される。演算装置2
7は母線16上の値を母線16上の先の値(遅延ユニッ
ト26からの出力)に加えてその合計値を形成する。演
算装置27へのシフト入力29は1つの二進ピット分こ
の合計値をシフトさせ、この合計値を2で割る。
【0038】図3の変更子ユニットを図2のウェーブテ
ーブル変更発生器3に接続した場合、はじき演奏弦楽器
音が発生することになる。図3の変更子ユニット14を
用いて形成した図2のウェーブテーブル変更発生器3
は、いくつかの点でディジタルフィルタに類似する。発
生器3の形をしたディジタルフィルタは機械的に振動す
る弦楽器の弦を模倣する。ディジタルフィルタへの短い
入力信号は「弦」の「はじき動作」を表わしており、次
の遅延時間の間所望の出力信号を発生するように発生器
3を励起する。変更子ユニット14からの出力信号は、
図2のライン8に現われたとき、次のように与えられ
る。
【0039】
【数9】 ここで、xn はサンプルnでの入力信号振幅であり、y
n はサンプルnでの出力振幅であり、Nはサンプルにお
ける音の所望ピッチ時間(大体の値)である。
【0040】基本のはじき演奏弦音は、発生器3を、た
とえば、「ホワイトノイズ」の短いバーストで励起する
ことによって得られる。ホワイトノイズのバーストは、
式(5)におけるxn の値を次のように選定することに
よって得られる。 n=0, n≧Nのとき。 … (62
【0041】ここで、Aは所望の振幅、un は乱数発生
器の出力の関数としての値+1または−1を持つ。nが
0,1,…,(N+1)に等しい場合のxn の値は、変
更子ユニット14による任意の変更に先だって存在する
初期値としてウェーブテーブル13に格納される。最後
に、出力yn は図2の出力装置4によって利用されてn
イコールNのときに音の冒頭部分を発生する。
【0042】〔はじき演奏式弦楽器音の分析〕式(5)
の入力関係は「遅延オペレータ」二進法によっても表現
できる。個々では、単位サンプル遅延オペレータdを次
の関係で定義する。すなわち、
【数10】
【0043】ここで、xn は任意の信号であり、kは整
数である。1つの信号にdk 掛けると、この信号はkサ
ンプル分だけ遅れる。これにより、式(5)は次のよう
になる。
【数11】
【0044】出力信号yn について計算すると、
【数12】
【0045】線形遅延オペレータ式は、各時間信号をそ
のz変形で置換し、dをz-1 で置換することによって
z変形式に直ちに変換する。時間信号(たとえば、xn
またはyn )は下側文字で示し、それに対応するz変形
値は上側小文字、たとえば、X(z)やY(z)で示し
てある。
【0046】ディジタルフィルタ(線形時間定数式)の
伝達関数は入力のz変形値である。図2のはじき弦シミ
ュレータの伝達関数は、式(9)のdについてz-1
引き、次のように移項することによって得られる。
【0047】
【数13】 ここで、
【数14】
【0048】式(9)、(10)は図2のウェーブテー
ブル変更発生器3の一実施例を説明している。フィード
バック・ループは2点平均Ha(z)と直列のウェーブテ
ーブル13として考えられかつ変更子ユニット14とし
ても考えられる或る長さのN遅延ラインHb(z)からな
る。ウェーブテーブル13への入力は端子20にあり、
変更子ユニット14からの出力は端子21にある。端子
21は、閉鎖ループを形成するフィードバック関係で端
子20に接続してある。
【0049】図3の発生器の周波数応答は、
【数15】 で計算される伝達関数として定義され、ここで、Tはサ
ンプリング時間(秒)であり、サンプリング速度fs の
逆数であり、ω=2πfはラジアン周波数であり、fは
周波数(Hz)であり、j=√(−1)である。図2のは
じき演奏弦楽器の周波数応答は次のように与えられる。
【0050】
【数16】
【0051】ウェーブテーブル成分Hbと変更子成分H
aの振幅応答および位相移転を別々に考えるとよい。振
幅応答は周波数応答の振幅と定義され、周波数の関数と
して利得を与える。位相遅延はラジアン周波数で割った
周波数応答のマイナスの複素数角として定義され、周波
数毎のシヌソイドによって生じる時間遅延(秒)を与え
る。
【0052】各成分Ha、Hbの振幅応答Ga、Gb
は、それぞれ、次のように与えられえる。
【数17】
【0053】したがって、遅延ライン成分Haは損失な
しであり、2点平均Haはコサインの第1象限に従う周
波数と共に減少する利得を示す。周波数はすべて、ナイ
キスト限界に制限される。すなわち、|f|≦fs /2
である。この範囲では、 |cos(πfT)|=cos(πfT) である。
【0054】位相遅延を秒よりもサンプルの単位で定義
するともっと便利である。サンプルのHa、Hbの位相
遅延は次のように与えられる。
【数18】 ここで、
【数19】 はzの複素数角を示す。
【0055】2点平均Ha(z)はサンプルの半分に等
しい位相遅延を有し、遅延ラインはその長さNに等しい
位相遅延を有する。ループ全体はHa(変更子ユニット
14)とHb(ウェーブテーブル13)の直列からなる
ので、ループ利得は次の通りである。 ループ利得=Ga(f)Gb(f) =cos(πfT) (18) そして、有効ループ長さは次の通りである。 有効ループ長=Pa(f)+Pb(f) =N+1/2(サンプル) (19) これは各シヌソイド周波数f(Hz)についてのもので
ある。
【0056】単一のはじき弦音を合成する際、振幅Aで
のホワイトノイズのN個のサンプルはウェーブテーブル
13によって与えられ、出力音は最初のN個のサンプル
の後直ちに生じる。ウェーブテーブル13によって表わ
される遅延ラインHbは、本質的に、時刻0で基準化し
た乱数で満たされ、他の入力信号を使用する必要はな
い。変更子ユニット14からの2点平均Haは常に変化
しており、ループの内容および出力信号yn は周期的と
はならない。しかしながら、出力信号は周期的であるよ
うに選ばれ、したがって、この用途での「周期」なる用
語はほぼ周期的あるいは準周期的を意味する。合成弦音
の各「周期」は特定の時刻での遅延ライン(ウェーブテ
ーブル13)の内容に相当し、各周期は先の周期の中間
低域部分に等しい。もっと詳しくいえば、1周期だけオ
フセットしたサンプルの運転2点平均は出力波形に次の
周期を与える。有効ループ長さがN+1/2個のサンプ
ルであるから、この周期はNT+T/2(秒)であると
定義するのが最良であり、ここで、Tはサンプリング周
期である。また、これは1/fs に等しく、ここで、f
s はサンプリング周波数である。実験によれば、NT+
T/2は感知されたピッチ周期と良く一致する。
【0057】〔倍音崩壊〕出力信号yn が準周期的であ
るから、この出力信号は個々のシヌソイドで構成されて
いるわけではない。本質的には、出力信号は異なった速
度でゼロまで崩壊(decay; ディケイ; 減衰)する多く
の狭いエネルギー帯域を有する。これらのエネルギー帯
域が最小周波数の整数倍である周波数に集中したとき、
それを「倍音」と呼ぶことにする。周波数成分が必ずし
も均等に隔たっていない場合、不協和音の可能性を強調
するべく「部分音」という表現を使うことにする。
【0058】ここでは、ループ内を循環する周波数f
(Hz)の部分音を考える。ループを一回通過する毎
に、部分音はループ振幅応答に等しい減衰を受け、Ga
(f)Gb(f)イコールcos(πfT)となる。すな
わち、 1周期の減衰=cos(πfT) ループ内の周回時間がN+1/2個のサンプルに等しい
ので、n個のサンプル(nT秒)後のループを通った周
回回数は n/(N+1/2)=tfs/(N+1/2) に等しくなる。したがって、時間t=nTでの「減衰フ
ァクタ」af(t) は次のように与えられる。
【0059】
【数20】 たとえば、時刻0での最初の部分音振幅Aは時刻tで振
幅Aaf(t)となる。ここで、fは部分音の周波数であ
る。
【0060】指数崩壊の「時定数」cfは振幅が1/e
まで、すなわち、その初期値の約0.37まで崩壊した
ときの時間として定義するのが伝統である。周波数fで
の時定数は上記式(20)を
【数21】 に等しいものとし、cfについて計算することによって
見出される(ここで、fs=1/T)。
【0061】オーディオの場合、普通、崩壊時定数を崩
壊−60dB、すなわち、初期値の0.001倍となっ
た時と定義するのがより有利である。この場合、上記式
(20)を0.001に等しいものとし、tについて計
算する。tのこの値はt60と呼ぶことが多い。cfから
t60(f)への変換は次のようにして行う。 t60(f)=ln (1000)cf (22) すなわち、約6.91cfである。
【0062】たとえば、周波数f(Hz)でのシヌソイ
ドが時刻0で振幅Aを有する場合、時刻t60(f)で振
幅Aaf(t60(f))=A/1000、すなわち、出
発レベルより下の60dBを持つ。
【0063】上記の分析はループまわりの伝播成分によ
る減衰を説明している。しかしながら、それは、ループ
に「フィット」せず、また、自己干渉によって急速に崩
壊する成分を含まない。この自己干渉というのは、機械
的に振動している物理的な弦に類似する。弦にはなんら
かの励起作用が加えられ得るが、励起を止めた後、残っ
たエネルギは急速に弦の長さによって主として決定され
る準周期性を示す。
【0064】同様にして、たとえ図2の楽器のループが
乱数で開始させられたとしても、ごく短時間で、ループ
に存在する周波数は、N+1/2個のサンプルにおける
周期の整数をもつことになり、これらの周波数はすべ
て、基本周波数と呼ぶ最小周波数の倍数となり、その周
期はループ長さN+1/2に正確に一致する。この最小
周波数f1は音のピッチ周波数を与え、次のように与え
られる。 f1=1/〔(N+1/2)T〕=fs/(N+1/2) ...(23) ここで、fs はサンプリング周波数であり、T=1/f
s はサンプリング周期である。
【0065】fをf1で始まる倍音列にセットしたなら
ば、次のようになる。 fk=ωk/2π=k〔fs/(N+1/2)〕 ... (24) ここで、k=1,2,…,N/2は、次のようにk番目
の倍音についての時刻tでの崩壊ファクタをあたえる。
【0066】
【数22】 同様にして、倍音当りの時定数は次のように秒単位で与
えられる。
【数23】
【0067】図4は図2、図3の形式の機器からの12
8個のサンプルの周期を有する音の最初の15回の周期
の間のスペクトル展開を示す。長さ128の高速フーリ
エ変換(FFT)を他の周期毎、すなわち、0、2、
4、・・・14に等しいnについて計算した。ここで、
倍音が高ければ高いだけ崩壊が速く、これが実際の弦の
動作にそっくりであることに注目されたい。倍音が高け
れば高いほど、そのエネルギが急速に消散する。
【0068】或る別の実施例(変更子ユニット14が2
点平均よりもかなり大きいと考えられるHaを持つ場
合)では、t秒後k番目の倍音の減衰ファクタは次の通
りである。 ak(t) =Ga(fk)[tfs/{N+Pa(fk)}] ... (27) ここで、安定のためにGa(f)≦1である。位相崩壊
Pa(fk)は全倍音周波数fkで同じである。同様にし
て、Haがもっと大きいと考えられるとき、各倍音につ
いての崩壊時定数は次のように秒単位で与えられる。
【0069】〔16音声実施例〕図5には、図3形式の
変更子ユニットを使用する図2の楽器の16音声実施例
が示してある。図5において、ウェーブテーブル13は
ランダムアクセス記憶装置(RAM)であり、16音声
の各々に1つあての16の異なった記憶区域を有する。
これらの記憶区域の各々は256個の8ビットバイトの
ためのウェーブテーブル記憶場所を持つ。ウェーブテー
ブル変更子発生器3は8ビット出力レジスタ36とディ
ジター(DIGITAR)ユニット35とを包含する。このデ
ィジターユニット35は図5の楽器の16音声のすべて
について図3の変更子ユニットに関連して先に説明した
変更を行う。ディジターユニット35に接続した12ビ
ットアドレス母線38を有する。さらに、ディジターユ
ニット35は8ビットデータ母線37に接続している。
データ母線37はウェーブテーブル13を出力レジスタ
36に接続している。入力ユニット2は共通のデータ母
線37に母線7によって接続してある。出力レジスタ3
6は入力として出力ユニット4にデータ入力としてウェ
ーブテーブル13に8ビット母線8によって接続してあ
る。
【0070】図5のディジターユニット35の詳細が図
6に示してある。図6において、データ母線37は入力
としてデータイン・ラッチ45に接続してあり、トリス
テート(トライステート)・ゲート46から出力を受け
取る。データイン・ラッチ45とトリステート・ゲート
46はB母線として示してある共通のデータ母線47に
接続している。データは、B母線47およびデータ母線
8を通して図6のディジターユニットに行く入力、ま
た、そこからの出力である。
【0071】図6において、A母線48はアドレス・レ
ジスタ49にアドレスを運ぶのに利用される。アドレス
・レジスタ49はその出力部を12ビットアドレス母線
38に接続しており、このアドレス母線は図5のウェー
ブテーブル13にアドレスを与える。アドレス・レジス
タ49からの母線50上の4つの下位出力ビットは符合
化され、16音声の1つを指定する。母線50は入力部
として音声整合比較器52に接続している。
【0072】図6において、Muラッチ53は、ラッチ
信号Mu−Lが示されたときに母線47からデータを受
ける。ラッチ53にビットロケーションc0、c1,・
・・c7で示してある。ラッチ53からの8ビット出力
は多数の入力部に送られる。高位ビットc1、・・・c
7は入力としてゼロ検出器40に送られる。ゼロ検出器
40は、ビットc1、・・・c7のすべてが0であると
きにそれを検出し、ライン98上に出力を与える。ライ
ン98上の出力は1ビットモード・ラッチ91へのラッ
チ信号である。モード・ラッチ91はラッチ53からc
0ビットを受ける。ラッチ91にラッチされたc0ビッ
トが論理0であるとき、それは、パラメータ・モードが
選定されていることを示す。ラッチ91のビットが論理
1である場合には、それは、ピッチ/振幅モードが選定
されていることを示す。ラッチ91からの出力は、NO
Rゲート97に入力として送られる。ゲート97はゼロ
検出器40から他の入力を受け、ラッチ53からc4ビ
ットを受ける。ゼロ検出器40がビットc1、・・・c
7のすべてが論理0でないという非主張出力を感知し、
ラッチ91が1つの0を記憶していてパラメータモード
を呼ばれる状態を示しているときには、ゲート97は、
c4がゼロであって音声ラッチ90にラッチ信号を与え
る場合に満足させられる。音声ラッチ90は、ゲート9
7からのラッチ信号に応答して、Muラッチ53からの
ビットc0、・・・c3を記憶する。このようにして、
新しい音声が選定されて変更すべきその音声についての
異なったパラメータを許す。音声ラッチ90からの出力
は音声整合比較器52に他の出力として与えられる。音
声ラッチ90内に示される音声がアドレス・ラッチ49
によってアドレス指定されつつある音声に相当する場合
には、比較器52からの出力がライン54上でアドレス
指定される。
【0073】図6において、音声整合比較器52からの
出力ライン54はANDゲート94、95にエネーブル
入力を与える。データ94、95は、したがって、ラッ
チ90で識別された音声がアドレス・ラッチ49によっ
てアドレス指定されつつある音声と同じであるときはい
つでも作動可能とされる。
【0074】ANDゲート94への他の入力はライン8
5上のモード・ラッチ91からの出力である。したがっ
て、音声整合が生じ、モード・ラッチ91がユニットが
ピッチ/振幅モードにあることを示しているときはいつ
でもゲート94は満足化されることになる。ANDゲー
ト94はマルチプレクサ92の作動を制御する。
【0075】マルチプレクサ92はMuラッチ53から
1つのデータ入力を受け、母線47から他の入力を受け
る。ゲート94が満足化されたとき、マルチプレクサ9
2はラッチ53からの下位入力を選定して、シフト・レ
ジスタ56のPbotステージ561に新しいピッチす
なわち振幅値をロードする。ゲート94が満足化されて
いない場合には、マルチプレクサ92はB母線上のシフ
ト・レジスタ56のPtopステージ5616から導かれ
たデータを選定する。
【0076】同様にして、ANDゲート95は、モード
・ラッチ91がパラメータ・モードにあるときに満足化
される。そのとき、ゲート95はパラメータ・マルチプ
レクサ93を制御して下位入力を選定し、シフト・レジ
スタ55のPbotステージ55−1にMuラッチ53
からの新しいパラメータ値をロードする。ゲート95が
満足化されなかったとき、マルチプレクサ93は母線4
4を経てステージ5516からのPtopデータを選定
し、Pbotステージ551に再挿入する。
【0077】上記方法では、ラッチ53内の指令に応答
して、新しいピッチあるいは振幅がシフト・レジスタ5
6の相当する音声ロケーションに挿入され得る。あるい
は、新しいパラメータがシフト・レジスタ55の相当す
る音声ロケーションに挿入され得る。
【0078】図6において、演算装置62は普通の12
ビット装置であり、特に、その2つの入力ポートの各々
で受けた12ビットデータを加算するようになってい
る。演算装置62は8ビット高位部と4ビット下位部と
に分かれている。下位部からのキャリーアウトはライン
43信号でORされて高位部へのキャリーインを形成す
る。ライン43上のキャリーイン1は、ラッチ61内の
下位4つのビットがZ−Bによって0にクリアされたと
きにキャリーイン・ユニット64の制御の下に高位8ビ
ット部に+1を加えるのに使用される。演算装置62の
ための入力ポートの1つは12ビットAラッチ60から
送られ、他の入力ポートは12ビットBラッチ61から
送られてくる。Aラッチ60はその入力をA母線48か
ら引き出し、Bラッチはその入力をB母線47から引き
出す。8ビットRラッチ65はB母線47の高位8ビッ
トからのデータをA母線48の対応する高位8ビットに
与える。12ビットTラッチ66は普通のライトポイン
タ・アドレスを記憶するレジスタとして使用するために
A母線48とやり取りする。演算装置62からの13ビ
ット出力はインバータ63での反転のときあるいはその
後のいずれかで13ビットCラッチ67に送られる。こ
のCラッチ67は、C−R/A信号が示されたときにA
母線48にその出力の下位12ビットを送り、C−R/
B信号が示されたときにB母線47に直接高位8ビット
を送る。13ビットラッチ67からの高位8ビットを選
定することによって、1ビット分のシフトを有効に行
う。すなわち、Cラッチ67の任意の8ビット数が2で
割られる。
【0079】図6において、崩壊/計算ユニット58
は、フィールド55−1からのピッチc0、c1、c2
によっておよびPtopステージ5516のフィールド5
5−2からのコヒーレンスビットc3によって指定され
た速度の関数としてランダムビット発生器からの異なっ
た確率値を選択するセレクタである。このユニット58
からの出力はPROBd、「PROB 1/2」ラインであ
る。
【0080】PROB 1/2ライン上の出力は、コヒーレ
ントビットc3が示されているときを除いて時間の半分
で論理1であり、時間の残りの半分で論理0である。こ
の場合、現在サイクルにおけるPROB 1/2ラインの出
力は先のサイクルのそれと同じである。PROB 1/2ラ
インは制御論理回路71への入力の1つであり、AND
ゲート39への入力でもある。ゲート39はその残りの
入力を、ステージ5516の出力フィールド55−3から
のc7ビット、ディザビット、から引き出す。ゲート3
9からの出力はキャリイン・ユニット64への制御入力
の1つとなる。
【0081】ユニット58からのPROBdライン出力
は、1または0状態のどちらかをとり、ここで、1であ
る確率は、フィールド55−1からの3ビット出力すな
わち指令ビットc0、c1、c2の関数として制御され
る。このようにして、PROBdラインは1または0の
論理状態を持ち、相対確率が選択され得る。PROBd
ラインはキャリイン・ユニット64へ1つの入力として
送られ、別の入力としてEラッチ59へ送られる。Eラ
ッチ59への入力はEラッチに格納される量の事実の値
あるいは意図値(すなわち真理値あるいは補数値)のい
ずれかを選択し、それぞれPROBdの1または0状態
の関数としてB母線47に送る。
【0082】図6において、PROBdラインは他の入
力部としてキャリイン・ユニット64に接続している。
このキャリイン・ユニット64は、キャリイン・ライン
43を制御する信号としてANDゲート39からの出力
またはPROBdラインのいずれかを選択するセレクタ
・ユニットである。制御論理回路71から、「dk」ラ
インが指示されたとき、ゲート39ラインが選択され
る。制御ラインrandが制御論理回路71から指示さ
れたときには、ユニット58からのPROBdラインが
選択される。
【0083】崩壊(ディケイ)動作中にPROBdライ
ンを選択する効果は、崩壊(ディケイ)の引き延ばしを
可能とすることにある。崩壊引き延ばしのない動作で
は、ライン43上のユニット64からのキャリインはリ
ードポインタ・アドレスに+1を加えてリードポインタ
+1アドレスの計算を可能とさせる。しかしながら、崩
壊引き延ばしの場合、+1の加算は或る回数禁じられ、
その結果、リードポインタ・アドレスがリードポインタ
+1アドレスを使用しているときの2倍使用される。こ
れらの状態下では、リードポインタ・アドレスから読出
されるデータ値への変更は行なわれない。同じデータ値
がライトポインタ・アドレスにもどされる。+1加算を
禁じる周波数(頻度)が大きければそれだけ、引き延ば
しが長くなる。PROBdラインは、はじき動作中も使
用され、異なった初期振幅値を選択する。
【0084】〔デイジター制御〕図6のデイジターユニ
ットの制御は制御(CTRL)論理回路71で実施され
る。この制御論理回路71は7回の制御サイクルを連続
的に循環する。このとき、各サイクルは第1位相と第2
位相とを有する。制御サイクルは11、12;21、22
・・・;71、72で示してある。サイクル11、・・・
2のすべてはまとめて1つの論理アレイと呼ぶか、あ
るいは簡単に論理サイクルと呼ぶ。
【0085】多数の制御ライン73が制御論理回路71
からの出力部となり、図6のユニットを通して、或る場
合、図5の機器に接続している。制御論理回路71から
の各制御ライン73とそれらの機能が次の表1に示して
ある。
【0086】
【0087】表1において、信号ラインの各々について
のポストスクリプトLはラッチへのラッチング機能が生
じたことを示す。ポストスクリプトRはラッチ回路から
の読出(ゲートアウト)機能が生じたことを示す。(な
お、上記で“/C”と“/P”の“/”はバー記号(反
転記号)を示す。以下、同様である。また、次に出て来
る“/L”等の記号も、“L”の反転を示す。)
【0088】次の表2は、図6の制御論理回路71によ
って発生した7つの制御サイクルの各位相11〜72につ
いて、表1に示す制御ラインの各々の信号の2進値その
他の状態を示す。ラインE−RおよびC−R/Bについ
てのP、/P信号は、それぞれ、レジスタ・ステージ5
16のステージ55−5、55−4からのc5、c6ビ
ットによって決定される。ビットc5、c6が共に1の
とき、Pは1、/Pは0である。Pが1のとき、それは
Eラッチ59からB母線47への振幅を選択するはじき
演奏周期を示す。Pが1のとき、出力データはCラッチ
67からB母線47に選択される。ラインC−Lの/L
信号はライン/C−Lの1または0の状態である。ライ
ン/C−LのR信号はハープ・モードでは1である。す
なわち、局部パラメータ・ビットc4が0であり、c5
が1である。ドラム・モード(c5、c6共に0)で
は、Rはユニット58からの「PROB 1/2」信号であ
る。randラインのD信号はc7(ディザビット)の
補数である。Z−Bラインでは、記号φは0または1の
いずれかが存在し得ることを示す。
【0089】
【表2】
【0090】〔指令制御〕図6のデイジターユニットの
動作は指令の制御下にある。各指令は8ビットを有し、
これら8ビットは高位から下位に向ってc7、c6……
……c0で示してある。指令を通訳する方法は2つあ
り、パラメータ・モードとピッチ/振幅モードである。
パラメータ・モード中、図6装置の動作に有効なパラメ
ータが外部源、たとえば、入力ユニット2からロードさ
れる。ピッチ/振幅モード中は、ピッチあるいは振幅が
外部源から指定される。
【0091】各論理サイクルの位相11では、データイ
ン・ラッチ45からのデータがMuラッチ53に格納さ
れる。この位相11中、サイクルのモードが検出され、
図6のモード・ラッチ91に格納され、制御シフト・レ
ジスタ55、56のPbotデータエントリ・ロケーシ
ョンを決定する。パラメータにエントリするには、母線
7上の指令ビットがすべて0である。ピッチ/振幅モー
ドにエントリするには、母線7上で、指令ビットc7、
c6、c5、c4、c3、c2、c1がすべて0であ
り、指令ビットC0が1である。
【0092】〔パラメータ・モード〕パラメータ・モー
ド(モード・ラッチ91が0にセット)では、2種類の
パラメータがある。すなわち、指令ビットc4が0であ
るときに定められる広域パラメータと、c4が1である
ときの局部パラメータとである。指令を説明するには、
4つの高位ビットc7、c6、c5、c4を含む高位ナ
イブル(nybble)と、4つの下位ビットc3、c
2、c1、c0を含む下位ナイブルとに分けるとよい。
これらのビットは、それぞれ、16進文字で表わされる
1または0の二進状態を持つことができる。たとえば、
4つの高位ビットが0のとき、16進文字0hは、すべ
てのビットが0であることを示す。4つの低位ビットが
0001の場合には、16進文字1hはこれらのビット
がそれぞれの値を持つことを示すのに使用される。4つ
のビットすべてが1であることを示すには、16進文字
Fhが利用される。16進文字は基本の16進数を表わ
すサブスクリプト「h」で示す。すなわち、各16進文
字は4つの二進ビットに展開できる。パラメータ・モー
ドの指令コードを次の表3,表4に示す。表において、
GLOBAL PARは広域パラメータ、LOCAL
PARは局部パラメータを示す。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】表3,表4に示す種々のパラメータは、は
じき演奏弦の基本音に多くの異なった変化を得るための
ものである。本実施例では高位ナイブルで定められる3
種のはじき演奏式楽器となっている。ドラム(1hX
h)、ギター(3hXh)、ハープ(5hXh)である。こ
れら3種の楽器に加えて、付勢、すなわち、「はじき」
は局部パラメータ7hXhによって指定される。変更ビッ
ト(ディザビットと呼ぶ)の有無もまた局部パラメータ
高位ナイブルによって制御される。表3,表4の文字X
hはナイブルが任意の値を持ち得ることを示す。表4に
示された16エントリについての局部パラメータの下位
ナイブルは崩壊特性を指定する。次の表5の8つのエン
トリは指定されたパラメータの代表例を示す。
【0096】
【表5】
【0097】作動にあたって、局部パラメータ・モード
の間、指令ビットc2、c1、c0のデータ値はシフト
レジスタ55の3ビットフィールド55−1に格納され
る。コヒーレンス制御ビットc3は1ビットフィールド
55−2に格納される。制御ビットc7、c6、c5は
1ビットフィールド55−3、55−4、55−5に格
納される。表3,表4から判るように、局部パラメータ
の下位ナイブル4ビットのうち、c0,c1,c2は崩
壊特性を指示し、c3はコヒーレンスすなわち密着か/
独立かを指示する。
【0098】モード・ラッチ91が局部パラメータ・モ
ードの存在を示し、比較器52がシフトレジスタ55の
底部ステージ551にある音声が正しいものであること
を示しているときは、局部パラメータはB母線47から
シフトレジスタ55の底部ステージ551にゲートされ
る。表2のサイクル(両位相)1ないし7(すなわち、
1〜72)をすべて包含する各論理アレイ・サイクル
(論理サイクル)の間、シフトレジスタ・ステージ5
5、56の内容はステージシフトされる。すなわち、底
部ステージ551、561のデータは次の隣接ステージ5
2、562にシフトされ、これが次々に行なわれ、最終
的に、ステージ5515、5615が頂部ステージ5516
5616にシフトされる。16個のステージ551、5
2、……5516および561、562、……5616は図
5及び図6の楽器の16個の異なった音声に対応する。
【0099】多くの異なった制御パラメータはシフトレ
ジスタ55に格納できる。しかしながら、楽器の基本動
作は、以下にPM(ピッチ/振幅モード)中の動作に関
連して説明するように、これら制御パラメータとは無関
係で変らない。
【0100】〔ピッチ/振幅モード〕ピッチ/振幅モー
ド中、各音は、或る振幅での初期はじきに続いて或る指
定されたピッチの崩壊によって構成される。図6におい
て、シフトレジスタ56の16個の8ビットステージが
「はじき」期間中に使用されてこのはじきの最大振幅を
記憶し、その後の崩壊期間中にピッチ周期を記憶する。
【0101】ピッチ/振幅モードは、表2の7サイクル
論理サイクルの第1位相中に0h1hコードがMuラッチ
53内に検出されたときに開始される。ピッチ/振幅モ
ードが所与のピッチの音と関連した最初の時間にエント
リしつつあるならば、0h1hコードの後にはじき音の振
幅が続き、この振幅がシフトレジスタの底部ステージ
(Pbot)561に格納される。この格納された振幅
は、図5のウェーブテーブル・ユニット13を適切な初
期値で満たすのに利用される。振幅値は、プラスであろ
うとマイナスであろうと、図6のランダムビット発生器
57の1または0の出力の関数としてその音声について
のウェーブテーブルの各ロケーションに格納される。
【0102】図6の回路がウェーブテーブルに振幅をロ
ードする要領は次の通りである。第1サイクル11で、
Cラッチ67から次のアドレス・ロケーションが得ら
れ、Tラッチ66に格納される。Ptopステージ56
16から振幅値がアクセスされ、B母線47を通してEラ
ッチ59に転送される。
【0103】サイクル61で、Tラッチ66からアドレ
スがアドレス・ラッチ49およびAラッチ60に転送さ
れる。Bラッチ61はa−1でロードされ、その結果、
サイクル72で、Cラッチ67のアドレスが−1だけ減
じられる。サイクル71で、Eラッチ59に格納されて
いるプラスあるいはマイナスの振幅値がデータアウト・
ゲート46を通してゲートされて、アドレス・ラッチ4
9が指定するウェーブテーブルの記憶ロケーションに格
納される。このプロセスは、ウェーブテーブルがプラス
またはマイナスの振幅値で一杯になるまで繰返される。
ウェーブテーブルが満たされつつある間、プラスあるい
はマイナス振幅値に等しい出力データが出力ユニット4
に送られる。これらの振幅値ははじき音を構成する。は
じき音は、ウェーブテーブルがプラスまたはマイナス振
幅値で一杯になるまで存在する。
【0104】はじき位相を終了させ、崩壊位相を開始さ
せる指令によって指定された適切な時刻に、ピッチ/振
幅モードは再びエントリし、ピッチ周期数Nがシフトレ
ジスタの底部ステージ(Pbot)561に入れられ
る。論理サイクルが完了すると、16個の音声の各々に
ついて指令が実行される。
【0105】ピッチ/振幅モードの崩壊部分では、図5
および図6の楽器は前記数9の式(5) に示したように次
の要領で動作を継続する。図6の装置は16個すべての
音声について共通のライトポインタを使用する。このラ
イトポインタは、同時に変更されるデータ値を格納しよ
うとしているウェーブテーブルのアドレスを示す。ライ
トポインタは図6のTラッチ66に格納される。Tラッ
チの下位4つのビットはアドレスの音声フィールドを表
わしており、4ビット母線50上のアドレス・ラッチ4
9からの音声フィールド出力に相当する。Tラッチ66
内の高位8つのビット(相応して、アドレス・ラッチ4
9からの母線51上にある)は任意特定の音声について
のウェーブテーブルロケーション内の書込アドレスを表
わす。各論理サイクル(表2の7サイクル)で、ラッチ
66内のライトポインタは1カウントだけ減じられる。
【0106】作動中、各音声のリードポインタが、各論
理サイクルで、シフトレジスタ56の頂部ロケーション
5616(Ptop)から得たピッチ数Nを加算すること
によって計算される。図6の実施例では、Tラッチ66
のアドレスは各論理サイクル毎に1つずつ減じられる。
したがって、ラッチ66内のライトポインタの背後のN
ロケーションはラッチ66内のアドレスにNを加えるこ
とによって得られる。ラッチ66のアドレスが増分に変
ったときには、このNはラッチ66のアドレスから引か
れることになる。リードポインタは先にNサイクルで記
憶されたデータを選択する。このデータは変更を受け、
ライトポインタの指定するアドレスに格納される。
【0107】本実施例では、変更は前記数9の式(5) に
従う。「リードポインタ+1」で指定されたデータはT
ラッチ66のアドレスから離れたデータN+1アドレス
である。NおよびN+1ロケーションのデータは合計さ
れ、2で割られ、ライトポインタ(Tラッチ66内)で
指定されたアドレスに再書込みされる。通常の崩壊動作
は、新しい指令が何ら与えられないときに表6に示す要
領で上記式(5) の変更部分を実施する。
【0108】
【表6】
【0109】表6において、最後のサイクル72では、
Tレジスタ内のアドレスを1だけ減ずる。この減じられ
た値がライトポインタであって、新しい論理サイクルが
サイクル11で開始したときにCラッチ67に格納され
る。サイクル11で、ライトポインタはラッチ67から
A母線48にゲートされ、そこからTラッチ66および
Aラッチ60にゲートされる。
【0110】サイクル11で、現音声(Tラッチ66の
下位ビットで表わされる)のピッチ長NがB母線(表6
にPtopで示す)に現われる。この値はBラッチ61
にラッチされる。サイクル11で、Aラッチ60のT値
およびBラッチ61のピッチ長Nは加算器62で加算さ
れてサイクル12でのCラッチ67内のリードポインタ
を与える。
【0111】サイクル12で、Cラッチ内のリードポイ
ンタはA母線48を通してアドレス・ラッチ49にゲー
トされ、そこで、母線38を通って伝播して図5のウェ
ーブテーブル13をアドレス指定する。こうしてアドレ
ス指定されたウェーブテーブル13は母線8上にデータ
を与え、データイン・ラッチに格納させる。サイクル3
1で、データイン・ラッチ45のデータイン値はB母線
47を通ってゲートされ、Rラッチ65に格納される。
サイクル31で、キャリイン・ユニット64は条件付き
でA、Bラッチの合計の内容に+1を加算させ、それに
よって、Cラッチの値に+1を加える。Cラッチ内の先
の値はリードポインタ(T+N)であったから、サイク
ル31後のCラッチ内の新しい数はリードポインタ+1
(T+N+1)となる。
【0112】サイクル41で、Cラッチ67内のリード
ポインタ+1はA母線を通してアドレス・ラッチ49に
転送される。アドレス・ラッチ49からは、リードポイ
ンタ+1がウェーブテーブル13をアドレス指定し、サ
イクル51においてデータイン・ラッチ45に新しいデ
ータ値をラッチさせる。
【0113】サイクル51で、リードポインタによって
得たデータ値はRラッチ65を通してAラッチ60にゲ
ートされ、リードポインタ+1から得た他のデータ値は
B母線47を通してBラッチ61にゲートされる。これ
ら2つのデータ値は、次に加算器62によって加算さ
れ、サイクル51でCラッチ67に合計を与える。
【0114】サイクル61で、Tラッチ66からのライ
トポインタはA母線48を通してアドレス・ラッチ49
およびAラッチ60にゲートされる。サイクル61で、
B母線上の−1のプリセット値はBラッチにラッチさ
れ、その後、加算器62によってAラッチのライトポイ
ンタに加算されて新しいライトポインタ(T−1)を形
成する。これはサイクル72でCラッチにラッチされ
る。また、サイクル71で、Cラッチからの合計は1ビ
ット・シフトでCラッチ67からB母線47にゲートア
ウトされ、トリステート・ゲート46を通して母線8に
ゲートアウトされ、ライトポインタ(T)アドレスでウ
ェーブテーブル・ユニット13に格納される。この時点
で、2つの転送したデータ値は、リードポインタおよび
リードポインタ+1アドレスで、先に説明した式(5) に
従って取込また、加算され、平均化される。また、サイ
クル72で、ライトポインタの減分値(T−1)が形成
され、Cラッチ67に格納される。
【0115】ライトポインタの新しい値は、下位4つの
ビットが変えられているので、異なった音声を定める。
同様に、シフトレジスタ56が1ステージ分ステップ動
作を受け、その結果、先にPtopロケーション5616
にあるピッチ数NがB母線を通してPbotロケーショ
ン561にもどされる。
【0116】異なった音声についてのピッチ長の新しい
値が今やPtopロケーション5616に格納されてい
る。このピッチ値が再度利用されて、表6の形式の完全
な論理サイクルの実行によってリードポインタを形成す
る。
【0117】16個の音声の各々についてのこの計算は
表6形式の論理サイクルの16回の実行によって行なわ
れる。その後、Tラッチ66は減分し続ける。このと
き、16回の減分の後のキャリアウトはTラッチ66内
の高位ビットまで行ない、その結果、ウェーブテーブル
内の新しいロケーションが音声毎にアクセスされる。こ
のようにして、ウェーブテーブル・ユニット13内のロ
ケーションのすべてが、16個の音声のそれぞれについ
て、音声毎に式(5) に関連して先に説明した計算を行な
う要領でアクセスされる。
【0118】図5の出力ユニット4へのサンプルの転送
は、サイクル71において表6のサイクルの終りで一度
生じる。表6の論理サイクルを16回実行した後、音声
毎に1つあての16個のサンプルが出力ユニット4に出
力される。その後、表6の論理サイクルの16回以上の
実行で、16個以上のサンプルが、音声毎に1つあて、
出力ユニット4に出力される。ここで、出力ユニット4
の出力が加算されず、ただ、音声毎に一度に1つずつ時
多重化されるだけであることに注目されたい。各サンプ
ルはD/A変換器9でアナログ信号に変換され、この信
号はフィルタ10で低域ろ波される。ライン18上の信
号は、母線8上の出力がD/A変換器9で変換される前
に加算される場合などに16個すべての音声からの音を
表わす。D/A変換器9を通して時多重化し、低域ろ波
することは最初に加算し、その後にD/A変換を行なう
ことと同じである。
【0119】母線8上の出力信号は音声毎に約20kH
zのサンプリング周波数で生じる。16個すべての音声
が周期的な要領で1つの出力を与えるので、データ母線
8上には、320kHzの周波数のサンプリング周波数
(論理サイクル周波数である)の16倍の速さで新しい
信号が現われる。論理サイクル周波数は、表2の7サイ
クルのすべてを完了するように採用した時間である。表
2形式の論理サイクル内の各サイクルは完全な論理サイ
クルの周波数の7倍、すなわち、2.24MHzで生じ
る。サンプリング周波数、論理サイクル周波数および論
理サイクル内の各サブサイクル周波数の値は単に代表例
として示してある。任意の周波数を選べる。ここで説明
した好ましい実施例は、2MHzと3MHzの間の基本
クロック周波数で作動した。したがって、各音声に対す
るサンプリング周波数Fsは、ディジターユニット35
のクロック周波数の1/112である。この実施例で
は、サンプリング周波数Fsは16個の音声すべてに対
して同じである。
【0120】〔指令シーケンス〕図5及び図6の楽器
で、入力ユニット2が適切なシーケンスで入力指令を与
えるものとする。この指令シーケンスにおいて、一回の
はじきの振幅を定める振幅は、はじき演奏モードの一部
としてシフトレジスタ56に記入される。同様に、各音
声のピッチを定めるピッチ数はその特定の音声について
の崩壊モードの一部として記入される。これに関連し
て、指令コードについての2つの値が振幅あるいはピッ
チ数を記入するのを禁止していることに注目されたい。
禁止された2つの値は0h0hおよび0h1hである。これ
らの値が禁止されるのは、ピッチ/振幅モードとパラメ
ータ・モードの変換にこれらの値を使用するからであ
る。しかしながら、これらの値はピッチとしては特に有
用なわけではない。2のピッチがナイキスト周波数だか
らである。さらに、これに、これらの振幅はそれらの反
転(FhFh、FhEh)を使用することによっても得られ
る。対称はじきを行なうとき、最大振幅はFhFhであ
り、最小は8h0hである。最大振幅ギター音を演奏する
ための指令シーケンスの代表例を次の表7に示す。
【0121】
【0122】図5の楽器が前記式(5) の機能を実行する
ことを示すには、簡単な例を用いると有効である。その
例として、M個の記憶ロケーション(Mは10である)
を持つ記憶装置を使用する。ここでは、ピッチ長Nが6
であると仮定する。ライトポインタ(単一の音声と組合
った高位ビットによってのみ考える)は9、8、7、
…、1、0の値を持つ。
【0123】記憶装置の10のロケーション0、1、
…、9は最初それぞれデータ値A、B、…、Jで満たさ
れていると仮定する。これらのデータ値はそれぞれラン
ダムビット発生器の1または0で決定されるような正ま
たは負の量のいずれかを持つ。表2の形式の論理サイク
ルが、1つの音声についてのサイクルにのみ対応して、
1、2、3、…、18、…、と番号付けられる。実際に
は、各音声毎に1つあて16倍のサイクルがあるが、1
つの音声に相当するサイクルのみに番号が付けてある。
これら簡略化した仮定の下に、次の表8が、ライトポイ
ンタ、このライトポインタに関連する記憶装置アドレス
に格納されるデータ、およびリードポインタ、リードポ
インタ+1の関係を示している。
【0124】
【表8】
【0125】表8において、論理サイクル1に先立っ
て、格納データは、先に述べたように、データ値A、
B、…、Jである。これらの値は、たとえば、+8、−
8、−8、+8、−8、+8、+8+8、−8、+8で
あり得る。論理サイクル1では、ライトポインタで示さ
れる記憶ロケーション9はリードポインタおよびリード
ポインタ+1で定められたアドレスでアクセスされた量
の平均値で満たされている。リードポインタは、データ
値Fで格納されるアドレス5を示している。リードポイ
ンタ+1はデータ値Gのアドレス6を示している。した
がって、論理サイクル1では、格納データは(F+G)
/2、すなわち、先に例として挙げた値では8である。
【0126】論理サイクル2では、格納データは(E+
F)/2、すなわち、0である。同様に、各サイクルは
論理サイクル6まで同様であって、ライトポインタ4の
記憶ロケーションは(A+B)/2、すなわち、0であ
る。論理サイクル7では、しかしながら、リードポイン
タは論理サイクル1で(F+G)/2で格納したロケー
ション9を示している。論理サイクル7は論理サイクル
1から数えて6サイクル目である。論理サイクル1で格
納した値で平均化した値は、ライトポインタサイクル1
0の前のサイクルで格納した値、すなわち、当初のデー
タ値Aである。データ値Aは変位した7つのサイクルで
ある。したがって、6サイクル変位と7サイクル変位の
間の平均値は6と1/2であり、すなわち、ピッチ数はN
+(1/2)サイクルとなる。
【0127】〔16音声実施例の要約〕図5の16音声
実施例は、それぞれ、ピッチ数Nで決定されるピッチ値
について独立して制御される音声を有する。各音声は約
20kHzのサンプリング率を有する。各サンプル時間
は16音声サイクルであり、各サイクルは7つのクロッ
クサイクルからなる論理サイクルである。サンプリング
周波数はディジターユニットのクロック周波数の1/1
12である。
【0128】各音声は4つのモード、はじき演奏、ギタ
ー崩壊(ギター・ディケイ)、ドラム崩壊(ドラム・デ
ィケイ)、ハープ崩壊(ハープ・ディケイ)の1つとな
る。これらの崩壊アルゴリズム(ディケイ・アルゴリズ
ム)の各々は、崩壊動作中の崩壊ストレッチ現象を可能
とし、ストレッチング・ファクターは1、2、3、4、
8、16、32、64、無限となる。ファクターsはス
トレッチ崩壊にsの値を掛ける。ストレッチングは選択
された論理サイクルでリードポインタを+1だけ増分さ
せないことを意図している。
【0129】はじき演奏中、出力ユニット4におけるD
/A変換器への出力は、ランダムに振幅Aまたは255
−A、すなわち、補数であり得る。255−Aへの反転
の確率は1/Sであり、ここで、Sは図6のEラッチ5
9に対する「PROBd」制御によって決定されるスト
レッチング・ファクターである。これらの条件の下で、
図2のD/A変換器9は128に位置する。
【0130】ギターおよびドラムでは、ブレンド・ファ
クター(1マイナスCラッチからの補数を選択する確
率)は、それぞれ、1と1/2である。ハープは0のブ
レンド・ファクターを持つドラムである。0のブレンド
・ファクターは、補数が常にCラッチから選択されるこ
とを意味する。したがってウエーブテーブルの値は各バ
ス毎に相補され、周波数を1オクターブ下げ、奇数倍音
のみを残す。この操作はレンジダウンが1オクターブ延
期し、より高いオクターブに幾分異常な音色を加える。
ディザビットc7はオプションとして与えられ、ラウン
ドオフ・エラー(丸め誤差)の影響を相殺するようにな
っている。
【0131】コヒーレンスビットc3はいくつかの音声
をつなぐ手段として与えてある。この技術は単一音声に
よって達成され得る振幅以上に音の全振幅を増大させる
のに使用し得る。また、最初に2つのコヒーレント音声
を等しい振幅および逆振幅(完全なキャンセル、それ
故、無音)で励起することによって音の始まりで「音の
増大」を与えるのにも使用できる。逆振幅はコヒーレン
スビットをオフにする。
【0132】図5の実施例において、ディジターユニッ
ト35は、論理サイクルあたり1回だけ(SpCyサイク
ルで7回のクロックサイクル毎に1回)入力ユニット2
から入力母線72を検査する。したがって、制御バイト
が新しい指令を発せられる前にインターフェース・ユニ
ット6によって少なくとも7サイクル保持する必要があ
る。インターフェース・ユニット6は任意普通の装置で
よく、たとえば、マイクロプロセッサチップあるいはデ
イジタユニット35からSpCy信号によってゲートアウ
トされる制御レジスタである。また、デイジタユニット
35の制御記憶装置は図6のシフトレジスタ55、56
を利用するので、ただ1つの音声に影響を与える指令
は、その音声が底部ロケーション551または561にス
テップ動作させられるまで保持されなければならない。
したがって、1つの音声に影響させることを意図してい
る指令は少なくとも112クロックサイクルの間インタ
ーフェース・ユニットによって保持されるべきである。
【0133】〔他の実施例〕先に述べた16音声実施例
は、共通のライトポインタおよび音声毎に計算される異
なったリードポインタを利用した。また、サンプリング
周波数fsは各音声に対して同じであった。これらの条
件は普通であるから、これに本発明が限定されることは
ない。さらに、ライトポインタおよびリードポインタ
は、各音声および各サンプリング周波数fsに対して独
立して決定され、かつまた、各音声毎に別々に決定され
得る。
【0134】図2の実施例で、変更子ユニット14を8
080マイクロプロセッサとして考えた場合、本発明の
さらに別の実施例となる。このようなマイクロプロセッ
サ実施例で変更を行なうに適したプログラムを表9及び
表10に示す。表9は各ステップ毎のプログラム内容を
示し、表10は同プログラム内容に関する各ステップ毎
のコメントを示す。
【0135】
【0136】
【0137】表9及び表10において、エントリ点はS
TARTである。8080プロセッサ内のレジスタはC
ラッチ、DEレジスタおよびHLレジスタを包含する。
DURは記憶装置のロケーションである。Cレジスタは
ライトポインタの下位半分を記憶する。DEレジスタは
音声2についてのリードポインタ2を記憶する。HLレ
ジスタは現バイトのアドレスを記憶する。したがって、
DURは256サンプルのカウント数を通じてステップ
動作を行なう。DURレジスタは、256カウントを通
してカウントした後、次の組の256カウントを通して
カウントを開始、これを次々に行なうようにまわり込
む。
【0138】表9及び表10において、プログラム・ル
ーチンは、命令30から命令31まで進めることによっ
て崩壊時間が満了したときはいつでも励起される。崩壊
時間が満了していない場合には、命令30はCONT命
令15までジャンプし、処理を続ける。
【0139】前記式(5) 形式の変更を決定する要領は、
円形バッファ技術のそれである。共通のライトポインタ
はすべての音声によって共有される。各音声は別個のリ
ードポインタを有する。ライトポインタ、リードポイン
タは、共に、LOOPの実行あたりに一回ステップ動作
を受ける。各音声Vについてのピッチ数Nは明白に格納
されず、むしろ、その音声のライトポインタとリードポ
インタとの差となる。音声1についてのライトポインタ
は、レジスタHの内容をBに移動させることによって
B、Cレジスタを使用して形成される。ライトポインタ
2はレジスタDの内容をレジスタBに移動させることに
よって形成される。レジスタCの下位バイトは、レジス
タ対BCにおいて、高位バイトBに影響することなく増
分、減分される。
【0140】表9及び表10のルーチンは、256個の
サンプル毎に一回、タイマDURを減分することによっ
て、サンプリング周波数タイミングを処理する。
【0141】2音声実施例が本発明のウェーブテーブル
変更子方法の別の実施例であるが、現行のマイクロプロ
セッサ技術を用いた特定の実施例が2つ音声を処理する
のに適している。もちろん、マイクロプロセッサの能力
が大きければそれだけ処理数も増えるので、上記の円形
バッファ技術はもっと多い音声を処理するのに使用し得
る。
【0142】図5の実施例では、高い倍音(高調波)ほ
ど崩壊速度(ディケイ速度)も大きく、したがって、音
はほとんど純粋な正弦波まで崩壊し、初期スペクトルが
何であるかに関係なしに、結局は、一定の値(無音)ま
で崩壊する。
【0143】多くの初期状態を指定することができる。
具体的に言えば、これは適切な値を持つウェーブテーブ
ルをプリロードするようなことを含む。初期値は正弦
波、三角波その他任意所望の波形を形成し得る。しかし
ながら、一般には、そんなに複雑にする必要はない。多
くの高い倍音を最初に持つのが望ましいので、図5実施
例のバッファはランダムな値で満たされる。これはギタ
ーによく似たはじき弦音を発生する。バッファを満たす
のに速い方法の1つとしては、2レベルランダムネスを
使用する方法がある。数学的に言えば、初期状態はnが
Nと0の間にある場合、次のように与えられる。 yn=+A、確率1/2 (291) yn=−A、確率1/2 (292
【0144】この形態のシングルビット・ランダムネス
は図5のランダムット発生器57のためのフィードバッ
ク・シフトレジスタで容易に発生する。このような実施
例は完全なランダム言語発生器よりも簡単である。パラ
メータAは振幅制御のためであり、出力の振幅はAに正
比例する。
【0145】音を演奏した後、次の音を演奏する前にラ
ンダム値でバッファを再ロードする必要はかならずしも
ない。音の崩壊が早すぎない場合には、2つのピッチの
間でスラー音を発生する。この技術は、特に、円形バッ
ファ技術を使用する場合に有効である。Nの増加を先の
サンプルをより多くつかめるからである。減少カウンタ
を使用する同様の増加では、バッファ(ウェーブテーブ
ル)の橋を通過する値が不明確となる。
【0146】初期バッファロードが周期的であり、この
周期がNを引き出す場合には、音は、バッファロードの
周期性に相当するピッチを有し、Nの倍音となる。この
倍音トリックは、バッファの半分(または、3分の1、
4分の1)をランダムネスで満たし、これらのサンプル
を加算してバッファのレストを満たすことによって行な
われる。短いバッファ(N小)は崩壊が速いので、これ
はハイピッチ音の延長する方法を与える。以下に述べる
崩壊ストレッチング法は同じ結果を得るのにより一般的
で、強力で、時間のかからない方法である。
【0147】1つの方法として、yn-N-1をyn-N+1で置
換し、ピッチをN+1/2ではなくてN−1/2に変え
る。単一音声アルゴリズムでは、この変形例では、減少
カウンタ技術においてラップアラウンドの余分な時間を
使用することによって周期Nを補正できる。この余分な
時間は正規のサンプル時間の半分にセットした場合、平
均サンプリング率はT(1+1/2N)である。これは音
の周波数が1/〔(T){N−1/(2N)}〕であることを
意味する。
【0148】崩壊時間を短縮することは、延長すること
よりもむずかしい。1つの可能性は、波形をより速く滑
らかにするように反復を変更することである。例えば、 yn=xn+{yn-N-1+2yn-N+yn-N+1}/4 …(30) 上記式(30) のアルゴリズムは計算力を高め、短い崩壊
時間を或るサンプルを計算する時間の増加分だけオフセ
ットする。以下に述べる変形例は前記式(5) のアルゴリ
ズムよりも容易に式(30) に適用できる。
【0149】基本式(5) の簡単な変形例はドラム音色を
生じる。ドラム例の最も簡単な説明は次の確率的な循環
関係である。 通常の初期状態は、2レベルランダムネスである。
【0150】パラメータbはブレンドファクターと呼ば
れる。ブレンドファクターが1のとき、アルゴリズムは
基本はじき弦アルゴリズムまで減少し、Nがピッチを制
御する。ブレンドファクターが2分の1のとき、音はド
ラムのようになる。中間値ははじき弦とドラムの中間の
音を発するが、その或るものは音楽的に非常に面白いも
のである。1/2よりも小さい値もまた面白い。b=1
/2が各サンプルに単一のランダムネスビットのみを要
求することに注目されたい。bについて任意の値を使用
する場合、全ランダム言語との比較が必要である。
【0151】bが1/2に近い場合、バッファ長さは音
のピッチを制御しない。その代りに、ノイズバーストの
崩壊時間を制御する。大きなN(約200)で、サンプ
リング時間が約50マイクロ秒の場合、その効果はスネ
アドラムとなる。小さいN(約20)の場合、その効果
はトムトムとなる。中間値は中間の音色を与え、或るド
ラムから別のドラムへの滑らかな移動を可能とする。こ
れらのドラム音では、バッファは最小定数(A)で満た
され、アルゴリズムがランダムネスそれ自体を生じるか
らである。
【0152】小さな言語寸法(8ビット)を使用する
と、ラウンドオフ・エラーの問題が生じる。上記のアル
ゴリズムでは、ラウンドオフ・エラーはランダムでない
がサンプルの一致したラウンデイングダウンを生じさせ
る。この効果は、基本周波数の崩壊時間(理論的な崩壊
時間に比べた場合、あるいは、アルゴリズムをもっと大
きい言語寸法で計算した場合の崩壊時間)を十分に減ず
る。この効果は、2で割る前にyn-N+yn-N-1に0また
は1をランダムに加えることによってほとんど除去でき
る。このビット・トウィドル技術は基本的な最終崩壊を
その理論崩壊時間までほぼ延長する。しかも、音の初期
アタックを長くすることがない。
【0153】より長い崩壊時間(はじき弦あるいはドラ
ム)の場合、崩壊ストレッチングを用い得る。ドラムの
場合、これは「スネア」音を増大させる効果があり、も
っと小さいN値を使用できるようにする。ストレッチさ
れた音についての循環関係は次の通りである。
【0154】
【0155】新しいパラメータdは崩壊率乗数と呼ば
れ、0ないし1の範囲にある。時には便宜上、ストレッ
チファクターs=1/dとしてみる。崩壊率乗数および
ブレンドファクターが独立しており、アルゴリズムが2
つの別々のテストで行なわれ、なんら乗数を必要としな
いということに注目されたい。音の崩壊時間はほぼsに
比例する。音のピッチはdの影響も受ける。時間が約N
+(1/2)dだからである。dについての最適な選択はサ
ンプリング速度Nおよび所望の効果に依存する。dをN
またはN2にほぼ比例するように選択することによっ
て、より高いピッチの崩壊率がより低いピッチの崩壊率
に匹敵することになる。d=1のとき、循環関係がスト
レッチされていないアルゴリズムのそれに簡略化される
ことに注目されたい。d=0のとき、音は崩壊しない。
b=1のとき、これは前記式(5) のウェーブテーブル合
成アルゴリズムとなり、b=1/2の場合、ホワイトノ
イズが生じる。
【0156】ドラム音を望まない場合、bは1にセット
され、アルゴリズムを簡単にすることができる。ランダ
ムバッファロードの場合、音ははじき弦となり、崩壊時
間はdに比例する。非ランダムバッファロードをb=1
で用い、sの値が大きい場合、木管楽器の音が出る。
【0157】上記の実施例は1つ以上の音声のすべてに
ついて単一のサンプリング周波数fsを使用している。
もちろん、fsは音声毎に異なっていてもよい。たとえ
ば、図6のクロックユニット(CLK)のためのクロッ
ク周波数を制御論理回路71に周波数制御を行なう母線
47から量Qのプログラム指令によって可変としてもよ
い。クロック周波数はQで割られ、異なった値のQが各
音声毎に与えられ、各音声が異なったサンプリング周波
数を持っていてもよい。また、任意の音声のサンプリン
グ周波数が、時間の関数としてQを変化させることによ
って時間の関数として変化してもよい。
【0158】本発明の実施例は多音声楽器の音声のすべ
てについて単一のD/A変換器を使用することを意図し
ている。別の実施例では、各音声がそれ自体のD/A変
換器を持ち、複数の変換器からのアナログ出力を合計し
てもよい。たとえば、これを図2の低域フィルタ10の
前にある加算増幅器で行なう。本発明を好ましい実施例
について説明してきたが、本発明の範囲、精神から逸脱
することなく種々の変更、修正が可能であることは当業
者であれば了解できよう。
【0159】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、遅延手段
を巡回する波形サンプル信号を変更するために、遅延量
の異なる複数の波形サンプル信号を組合せて合成する変
更演算を行うことにより、1サンプリング周期に満たな
い遅延が等価的に付加(又は減少)されて、巡回周期を
サンプリング周期の非整数倍とすることができ、これに
より、サンプリング周期の非整数倍の周期に対応するピ
ッチを持つ楽音信号を発生することができ、波形サンプ
ル信号の変更演算という比較的簡単な制御によって、発
生楽音の細かなピッチ精度を実現することができる、と
いう優れた効果を奏する。
【0160】また、巡回する波形サンプル信号を変更す
るための演算アルゴリズムを複数の演算アルゴリズムの
中から確率的に選択して実行するので、確率の変化の組
合せによって、比較的簡単な構成によって、多様な楽音
制御を行うことができる、という優れた効果を奏する。
例えば、確率の可変制御によって、発生楽音の音色を制
御することもできるし、上記のように1サンプリング周
期に満たない遅延の等価的に付加(又は減少)によるサ
ンプリング周期の非整数倍の周期に対応するピッチを持
つ楽音信号の発生も可能である。
【0161】また、巡回する波形サンプル信号を変更す
るための演算を、可変制御される頻度で時間間隔をあけ
て行うように制御するので、頻度の可変制御という比較
的簡単な構成によって、多様な楽音制御を行うことがで
きる、という優れた効果を奏する。例えば、発生楽音に
おける倍音の崩壊速度を、この変更演算の頻度の制御に
よって、可変制御することができ、これによって、楽音
の特徴を制御することができる。
【0162】また、巡回する波形サンプル信号を変更す
るためのディジタル演算によって生じるラウンドオフ・
エラー(丸め誤差)を、ディザ演算によって修正するこ
とができ、誤差の修正された楽音合成が行える、という
優れた効果を奏する。また、ディザ演算を行うか否かを
選択制御することによって、ラウンドオフ・エラーの修
正されていない音色特性と修正された音色特性の選択を
行うこともでき、楽音制御を多様にすることができると
いう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を組込んだ楽器の一実施例を示す電気的
ブロック図。
【図2】図1の楽器の詳細例を示す電気的ブロック図。
【図3】図2の楽器においてウェーブテーブル変更発生
器の一部を構成する変更子ユニットの具体例を示す電気
的ブロック図。
【図4】図2及び図3の形式の楽器の代表的な音につい
ての最初の15周期における出力信号のスペクトル例を
示す振幅対周波数のグラフ。
【図5】ディジター半導体チップ(ディジターユニッ
ト)を利用して構成した本発明に係る楽器の一実施例を
示す電気的ブロック図。
【図6】図5の楽器で使用するディジター半導体チップ
(ディジターユニット)の内部構成例を概略的に示す電
気的ブロック図。
【符号の説明】
2 入力ユニット 3 ウェーブテーブル変更発生器 4 出力ユニット 13 ウェーブテーブルユニット 14 変更子ユニット 15 制御ユニット 26 遅延ユニット 27 演算装置 35 ディジターユニット 36 出力レジスタ 55,56 シフトレジスタ 71 制御論理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレキサンダー ロバート ストロング アメリカ合衆国 コネチカット州 06279 ウィリントン ファーミーア ロード (番地なし) (72)発明者 ケヴィン ジョン カープラス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14850 イサカ ウッドクレスト テラス 107

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形サンプル信号を入力し、サンプリン
    グ周期の整数倍の遅延を施して出力する遅延手段と、 前記遅延手段の出力に基づき、遅延量の異なる複数の波
    形サンプル信号を組合せて合成する演算を行う変更手段
    と、 前記変更手段の出力信号を前記遅延手段に入力する手段
    とを具え、前記サンプリング周期の非整数倍の周期で波
    形サンプル信号が巡回し、その非整数倍の周期に対応す
    るピッチを持つ楽音信号が発生されることを特徴とする
    楽音発生システム。
  2. 【請求項2】 前記変更手段は、遅延量の異なる2以上
    の波形サンプル信号を加算し、該加算した値を1より大
    きい数で割る演算を行うものである請求項1に記載の楽
    音発生システム。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、遅延量が1サンプリン
    グ周期だけ異なる2つの波形サンプル信号を組合せて演
    算を行うものである請求項1又は2に記載の楽音発生シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記変更手段は、遅延量が1サンプリン
    グ周期だけ異なる2つの波形サンプル信号を加算し、該
    加算した値を平均化する演算を行うものであり、前記サ
    ンプリング周期の整数倍と1/2の周期に対応するピッ
    チを持つ楽音信号が発生されることを特徴とする請求項
    3に記載の楽音発生システム。
  5. 【請求項5】 前記遅延手段は、複数のサンプル点にわ
    たって波形サンプル信号を記憶するための読み書き可能
    な記憶手段と、サンプリング周期に従って歩進される第
    1のアドレスを指示する手段と、所望の整数値に相当す
    るアドレス数だけ前記第1のアドレスからオフセットし
    ている第2のアドレスを指示する手段と、前記第1のア
    ドレスと第2のアドレスの一方を読出しアドレスとして
    前記記憶手段から波形サンプル信号を読み出し、他方を
    書込みアドレスとして前記変更手段の出力信号を前記記
    憶手段に書き込む制御手段とを含み、前記書込みアドレ
    スと読出しアドレスとの間の差である前記オフセットア
    ドレス数に対応する遅延が施されることを特徴とする請
    求項1に記載の楽音発生システム。
  6. 【請求項6】 前記遅延手段は、前記読出しアドレスと
    して、所定の1以上の整数値だけ互いにオフセットした
    複数の読出しアドレスを指示する手段を含み、該複数の
    読出しアドレスの各々に対応して、遅延量の異なる複数
    の波形サンプル信号が出力されることを特徴とする請求
    項5に記載の楽音発生システム。
  7. 【請求項7】 前記遅延手段には、任意の初期波形が入
    力される請求項1に記載の楽音発生システム。
  8. 【請求項8】 前記初期波形は、ノイズ波形である請求
    項7に記載の楽音発生システム。
  9. 【請求項9】 波形サンプル信号を入力し、遅延を施し
    て出力する遅延手段と、 前記遅延手段の出力に基づき、1又は遅延量の異なる複
    数の波形サンプル信号を組合せて、変更された若しくは
    変更されない波形サンプル信号を発生する演算を行うも
    のであり、この演算アルゴリズムを複数の演算アルゴリ
    ズムの中から確率的に選択して実行する変更手段と、 前記変更手段の出力信号を前記遅延手段に入力する手段
    とを具え、前記選択された演算アルゴリズムに応じて変
    更された波形サンプル信号が遅延手段を巡回し、この巡
    回ループから楽音信号を取り出すようにした楽音発生シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 前記確率をパラメータによって可変す
    るようにしたことを特徴とする請求項9に記載の楽音発
    生システム。
  11. 【請求項11】 前記演算アルゴリズムの確率的選択に
    応じて、前記発生される楽音信号の音色が制御される請
    求項9又は10に記載の楽音発生システム。
  12. 【請求項12】 確率的に選択される2つの演算アルゴ
    リズムは、その解の絶対値が同じであり正負極性が反転
    しているものである請求項9乃至11のいずれかに記載
    の楽音発生システム。
  13. 【請求項13】 前記遅延手段は、サンプリング周期の
    整数倍の遅延を施するものであり、前記演算アルゴリズ
    ムの確率的選択に応じて前記波形サンプル信号が遅延手
    段を巡回する周期が確率的に前記サンプリング周期の非
    整数倍の周期となり、該サンプリング周期の非整数倍の
    周期に対応するピッチを持つ楽音信号が発生されること
    を特徴とする請求項9又は10に記載の楽音発生システ
    ム。
  14. 【請求項14】 前記複数の演算アルゴリズムの少なく
    とも1つは、そのアルゴリズムで使用する少なくとも1
    つの波形サンプル信号の遅延量が、他の少なくとも1つ
    の演算アルゴリズムで使用する波形サンプル信号の遅延
    量とは相違している請求項9又は13に記載の楽音発生
    システム。
  15. 【請求項15】 前記遅延手段は、複数のサンプル点に
    わたって波形サンプル信号を記憶するための読み書き可
    能な記憶手段と、サンプリング周期に従って歩進される
    第1のアドレスを指示する手段と、所望の整数値に相当
    するアドレス数だけ前記第1のアドレスからオフセット
    している第2のアドレスを指示する手段と、前記第1の
    アドレスと第2のアドレスの一方を読出しアドレスとし
    て前記記憶手段から波形サンプル信号を読み出し、他方
    を書込みアドレスとして前記変更手段の出力信号を前記
    記憶手段に書き込む制御手段とを含み、前記書込みアド
    レスと読出しアドレスとの間の差である前記オフセット
    アドレス数に対応する遅延が施されることを特徴とする
    請求項9乃至14のいずれかに記載の楽音発生システ
    ム。
  16. 【請求項16】 前記遅延手段には、任意の初期波形が
    入力される請求項9乃至15のいずれかに記載の楽音発
    生システム。
  17. 【請求項17】 前記初期波形は、ノイズ波形である請
    求項16に記載の楽音発生システム。
  18. 【請求項18】 波形サンプル信号を入力し、遅延を施
    して出力する遅延手段と、 前記遅延手段の出力に基づき、遅延量の異なる複数の波
    形サンプル信号を組合せて、変更された波形サンプル信
    号を発生する演算を行う変更手段と、 前記変更手段における前記変更のための演算を、可変制
    御される頻度で時間間隔をあけて行うように制御する制
    御手段と、 前記変更のための演算が行われたときは前記変更手段に
    よって変更された波形サンプル信号を前記遅延手段に入
    力し、行われないときは変更されない波形サンプル信号
    を前記遅延手段に入力する手段とを具え、前記変更され
    た若しくは変更されない波形サンプル信号が遅延手段を
    巡回し、この巡回ループから楽音信号を取り出すように
    した楽音発生システム。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、前記変更のための演
    算を行う頻度を確率的に制御するものである請求項18
    に記載の楽音発生システム。
  20. 【請求項20】 前記確率を、発生しようとする楽音の
    特性を選択する情報に応じて可変制御するようにした請
    求項19に記載の楽音発生システム。
  21. 【請求項21】 前記遅延手段は、複数のサンプル点に
    わたって波形サンプル信号を記憶するための読み書き可
    能な記憶手段と、サンプリング周期に従って歩進される
    第1のアドレスを指示する手段と、所望の整数値に相当
    するアドレス数だけ前記第1のアドレスからオフセット
    している第2のアドレスを指示する手段と、前記第1の
    アドレスと第2のアドレスの一方を読出しアドレスとし
    て前記記憶手段から波形サンプル信号を読み出し、他方
    を書込みアドレスとして前記変更手段の出力信号を前記
    記憶手段に書き込む制御手段とを含み、前記書込みアド
    レスと読出しアドレスとの間の差である前記オフセット
    アドレス数に対応する遅延が施されることを特徴とする
    請求項18乃至20のいずれかに記載の楽音発生システ
    ム。
  22. 【請求項22】 前記遅延手段には、任意の初期波形が
    入力される請求項18乃至21のいずれかに記載の楽音
    発生システム。
  23. 【請求項23】 前記初期波形は、ノイズ波形である請
    求項22に記載の楽音発生システム。
  24. 【請求項24】 ディジタル波形サンプル信号を入力
    し、遅延を施して出力する遅延手段と、 前記遅延手段の出力に基づき、ディジタル波形サンプル
    信号を変更するためのディジタル演算を行う変更手段
    と、 ランダム信号に従ってディザ演算を行うよう前記変更手
    段を制御する制御手段と、 前記変更手段の出力信号を前記遅延手段に入力する手段
    とを具え、前記変更されたディジタル波形サンプル信号
    が遅延手段を巡回し、この巡回ループから楽音信号を取
    り出すようにした楽音発生システム。
  25. 【請求項25】 前記ディザ演算を行うか否かを、発生
    しようとする楽音の特性を選択する情報に応じて選択す
    るようにした請求項24に記載の楽音発生システム。
  26. 【請求項26】 前記遅延手段は、複数のサンプル点に
    わたって波形サンプル信号を記憶するための読み書き可
    能な記憶手段と、サンプリング周期に従って歩進される
    第1のアドレスを指示する手段と、所望の整数値に相当
    するアドレス数だけ前記第1のアドレスからオフセット
    している第2のアドレスを指示する手段と、前記第1の
    アドレスと第2のアドレスの一方を読出しアドレスとし
    て前記記憶手段から波形サンプル信号を読み出し、他方
    を書込みアドレスとして前記変更手段の出力信号を前記
    記憶手段に書き込む制御手段とを含み、前記書込みアド
    レスと読出しアドレスとの間の差である前記オフセット
    アドレス数に対応する遅延が施されることを特徴とする
    請求項24又は25に記載の楽音発生システム。
  27. 【請求項27】 前記遅延手段には、任意の初期波形が
    入力される請求項24乃至26のいずれかに記載の楽音
    発生システム。
  28. 【請求項28】 前記初期波形は、ノイズ波形である請
    求項27に記載の楽音発生システム。
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