JPH07150332A - 鋼帯の浸炭方法 - Google Patents
鋼帯の浸炭方法Info
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- JPH07150332A JPH07150332A JP29546593A JP29546593A JPH07150332A JP H07150332 A JPH07150332 A JP H07150332A JP 29546593 A JP29546593 A JP 29546593A JP 29546593 A JP29546593 A JP 29546593A JP H07150332 A JPH07150332 A JP H07150332A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】コイル状鋼帯の極く表層部を瞬間的に短時間で
均一に浸炭し、且つ少量の鋼帯であっても処理ができる
浸炭方法の提供を目的とする。 【構成】緩目に巻いたコイル状鋼帯を炭化水素系ガス雰
囲気下の箱型焼鈍炉内にアップエンドに載置して焼鈍す
る際、コイル状鋼帯を陰極とし、該陰極の上方に陽極を
配し、1時的に両極間にプラズマを発生させる。
均一に浸炭し、且つ少量の鋼帯であっても処理ができる
浸炭方法の提供を目的とする。 【構成】緩目に巻いたコイル状鋼帯を炭化水素系ガス雰
囲気下の箱型焼鈍炉内にアップエンドに載置して焼鈍す
る際、コイル状鋼帯を陰極とし、該陰極の上方に陽極を
配し、1時的に両極間にプラズマを発生させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯の浸炭方法に関
し、特に、緩目にコイル状に巻いた鋼帯(所謂オープン
コイル)を焼鈍炉中でプラズマ浸炭する方法に関する。
し、特に、緩目にコイル状に巻いた鋼帯(所謂オープン
コイル)を焼鈍炉中でプラズマ浸炭する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス加工用鋼板は、従来Cが0.00
1%以上の低C−リムド鋼や低C−キルド鋼を箱焼鈍し
て製造されていた。しかし、それは、近年の製鋼技術の
進歩に伴ない極低炭素鋼(Cが50ppm以下)が容易
に得られるようになった今日では、極低炭素鋼に必要に
応じてTi,Nb,B等の炭化物形成元素を添加して製
造されることが多くなった。ところが、この極低炭素鋼
から製造したプレス加工用鋼板は、そのまま使用する
と、プレス成形後の塗装下地処理、溶接時での熱影響部
(HAZ)の強度低下、あるいは打ち抜き、剪断時での
バリ発生等の問題があり、種々の改善が望まれた。そこ
で、この鋼板を浸炭して表面層にのみ固溶Cを存在させ
て強度を増し、プレス成形用冷延鋼板を提供することが
考えられた。
1%以上の低C−リムド鋼や低C−キルド鋼を箱焼鈍し
て製造されていた。しかし、それは、近年の製鋼技術の
進歩に伴ない極低炭素鋼(Cが50ppm以下)が容易
に得られるようになった今日では、極低炭素鋼に必要に
応じてTi,Nb,B等の炭化物形成元素を添加して製
造されることが多くなった。ところが、この極低炭素鋼
から製造したプレス加工用鋼板は、そのまま使用する
と、プレス成形後の塗装下地処理、溶接時での熱影響部
(HAZ)の強度低下、あるいは打ち抜き、剪断時での
バリ発生等の問題があり、種々の改善が望まれた。そこ
で、この鋼板を浸炭して表面層にのみ固溶Cを存在させ
て強度を増し、プレス成形用冷延鋼板を提供することが
考えられた。
【0003】一方、鋼材の浸炭技術に関しては、従来よ
り一般に一酸化炭素系ガスを使用するガス雰囲気浸炭、
炭化水素系ガスを使用する真空浸炭、プラズマ浸炭が知
られ、特許技術も多々存在している。ところで、鋼帯の
浸炭に関しては、以前から箱焼鈍炉でガス雰囲気浸炭を
実施していた。その技術は、箱焼鈍炉内にコイル状鋼帯
を載置し、長時間浸炭ガス例えば、HNXガス(H2 :
3〜10%、N2 :97〜90%、CO2 :0.2%以
下、CO:0.2%以下)、AXガス(H2 :75%,
N2 :25%)等に接触させるものであるが、鋼板表面
から内部へのCの拡散が浸炭速度を律速するため、浸炭
にようする時間が永いこと、長時間ガス雰囲気下にある
ため浸炭層が1mm程度と厚くなり、表面が硬くなりす
ぎる欠点があった。
り一般に一酸化炭素系ガスを使用するガス雰囲気浸炭、
炭化水素系ガスを使用する真空浸炭、プラズマ浸炭が知
られ、特許技術も多々存在している。ところで、鋼帯の
浸炭に関しては、以前から箱焼鈍炉でガス雰囲気浸炭を
実施していた。その技術は、箱焼鈍炉内にコイル状鋼帯
を載置し、長時間浸炭ガス例えば、HNXガス(H2 :
3〜10%、N2 :97〜90%、CO2 :0.2%以
下、CO:0.2%以下)、AXガス(H2 :75%,
N2 :25%)等に接触させるものであるが、鋼板表面
から内部へのCの拡散が浸炭速度を律速するため、浸炭
にようする時間が永いこと、長時間ガス雰囲気下にある
ため浸炭層が1mm程度と厚くなり、表面が硬くなりす
ぎる欠点があった。
【0004】そこで、最近は鋼板表面の極く薄い部分
(ミクロンの単位)を浸炭する技術が要求されるように
なった(例えば、特開平1−42331号、特開昭63
−38556号公報)。しかしながら、これらの公報
は、迅速浸炭の考え方(特開昭63−35886号公報
は、コイル状鋼帯の巻き方をルーズにしてガス雰囲気と
の接触を容易にする)は、開示してあるものの、具体的
な設備構成については何ら提案がなかった。そのため、
本出願人は、特開平4−88126号公報に開示したよ
うに、冷延鋼板8表面の極薄い部分(0.5〜100μ
m)を浸炭する竪型連続焼鈍炉16を提案した。それ
は、図2に示すように、竪型連続焼鈍炉16の加熱帯1
0と冷却帯13、14との間にガスシール15を施した
浸炭帯12を設けるもので、この竪型連続焼鈍炉16を
利用すれば、鋼板温度、ガス雰囲気条件、搬送速度及び
冷却条件を制御して浸炭を行うことにより、鋼板の材質
仕様を満足させながら表層浸炭の濃度と深さを所望値に
することができるようになった。
(ミクロンの単位)を浸炭する技術が要求されるように
なった(例えば、特開平1−42331号、特開昭63
−38556号公報)。しかしながら、これらの公報
は、迅速浸炭の考え方(特開昭63−35886号公報
は、コイル状鋼帯の巻き方をルーズにしてガス雰囲気と
の接触を容易にする)は、開示してあるものの、具体的
な設備構成については何ら提案がなかった。そのため、
本出願人は、特開平4−88126号公報に開示したよ
うに、冷延鋼板8表面の極薄い部分(0.5〜100μ
m)を浸炭する竪型連続焼鈍炉16を提案した。それ
は、図2に示すように、竪型連続焼鈍炉16の加熱帯1
0と冷却帯13、14との間にガスシール15を施した
浸炭帯12を設けるもので、この竪型連続焼鈍炉16を
利用すれば、鋼板温度、ガス雰囲気条件、搬送速度及び
冷却条件を制御して浸炭を行うことにより、鋼板の材質
仕様を満足させながら表層浸炭の濃度と深さを所望値に
することができるようになった。
【0005】しかしながら、この設備は、大掛かりであ
り、且つ鋼帯の大量生産用のものである。さらに、浸炭
量を変更するには、前記したように炉温、鋼帯の搬送速
度、雰囲気ガス中のCO濃度を変更する必要があるが、
それら変更の応答性が必ずしも良くないので、浸炭量の
変更時に材質が一定とならず不良品が発生するという問
題が発生した。
り、且つ鋼帯の大量生産用のものである。さらに、浸炭
量を変更するには、前記したように炉温、鋼帯の搬送速
度、雰囲気ガス中のCO濃度を変更する必要があるが、
それら変更の応答性が必ずしも良くないので、浸炭量の
変更時に材質が一定とならず不良品が発生するという問
題が発生した。
【0006】したがって、これらの問題を解決するため
には、設備がコンパクトで鋼帯の少量生産に向き、なお
且つ迅速浸炭が可能な技術ということになり、プラズマ
浸炭技術の利用が望まれた。現在のプラズマ浸炭技術
は、技術雑誌「工業加熱」のvol.24,No.5,
199 年やvol.26,No.6,199 年に総
説で紹介されているように、浸炭の対象品が鋼製加工部
品であり、鋼帯を処理したものはない。
には、設備がコンパクトで鋼帯の少量生産に向き、なお
且つ迅速浸炭が可能な技術ということになり、プラズマ
浸炭技術の利用が望まれた。現在のプラズマ浸炭技術
は、技術雑誌「工業加熱」のvol.24,No.5,
199 年やvol.26,No.6,199 年に総
説で紹介されているように、浸炭の対象品が鋼製加工部
品であり、鋼帯を処理したものはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、コイル状鋼帯の極く表層部を瞬間的に短時間で
均一に浸炭し、且つ少量の鋼帯であっても処理できる浸
炭方法の提供を目的としている。
を鑑み、コイル状鋼帯の極く表層部を瞬間的に短時間で
均一に浸炭し、且つ少量の鋼帯であっても処理できる浸
炭方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、従来のあらゆる浸炭技術を見直し、それら
の利用できる点を整理した。本発明は、その整理結果に
基づきなされたもので、緩目に巻いたコイル状鋼帯を、
ガス雰囲気下にある箱型焼鈍炉内にアップエンドに載置
して焼鈍するにあたり、上記コイル状鋼帯自体を陰極と
し、さらに該陰極の上方に陽極を配し、一時的に上記箱
形焼鈍炉内を減圧するとともに、上記両極間に電圧を印
加することを特徴とする鋼帯の浸炭方法である。また、
効果促進のため、本発明は、鋼帯コイルの内径及び/又
は外径に補助陰極を配置したことを特徴とする請求項1
記載の鋼帯の浸炭方法でもある。
成するため、従来のあらゆる浸炭技術を見直し、それら
の利用できる点を整理した。本発明は、その整理結果に
基づきなされたもので、緩目に巻いたコイル状鋼帯を、
ガス雰囲気下にある箱型焼鈍炉内にアップエンドに載置
して焼鈍するにあたり、上記コイル状鋼帯自体を陰極と
し、さらに該陰極の上方に陽極を配し、一時的に上記箱
形焼鈍炉内を減圧するとともに、上記両極間に電圧を印
加することを特徴とする鋼帯の浸炭方法である。また、
効果促進のため、本発明は、鋼帯コイルの内径及び/又
は外径に補助陰極を配置したことを特徴とする請求項1
記載の鋼帯の浸炭方法でもある。
【0009】
【作用】本発明では、鋼帯を緩めにコイル状に巻くよう
にしたので、雰囲気ガスは鋼帯のすべての表面に接触で
きるようになる。また、本発明によれば、箱型焼鈍炉の
インナーカバ内を一時的に減圧し、陰極であるコイルと
その上方に配した陽極間に電圧を印加するようにしたの
で、両電極間にグロー放電プラズマが発生するようにな
る。その結果、Cイオンを含む陽イオンは、陰極である
鋼帯の表面に激突し、瞬時に浸炭現象を起こすのであ
る。
にしたので、雰囲気ガスは鋼帯のすべての表面に接触で
きるようになる。また、本発明によれば、箱型焼鈍炉の
インナーカバ内を一時的に減圧し、陰極であるコイルと
その上方に配した陽極間に電圧を印加するようにしたの
で、両電極間にグロー放電プラズマが発生するようにな
る。その結果、Cイオンを含む陽イオンは、陰極である
鋼帯の表面に激突し、瞬時に浸炭現象を起こすのであ
る。
【0010】さらに、本発明では、コイル状鋼帯の内径
及び/又は外径に補助陰極を設けるようにしたので、プ
ラズマの発生が促進され、瞬間的な浸炭を確実にしてい
る。以下、図1〜2に基づき、本発明の内容を説明す
る。図1は、本発明に係る鋼帯の浸炭方法を実施する場
合の概念を示したものであり、箱形焼鈍炉の縦断面図で
ある。図2は、コイル状鋼帯周囲への電極配置を示す斜
視図である。図1〜2に示すような配置において、陽極
1と陰極2の間を10〜2000(Pa)に減圧し、そ
の間に200〜1500(V)の電圧を印加すると、陰
極2近傍で強い電位降下(以下、陰極降下)を生じ、陽
極より電子が放出される。放出された電子は、陰極2降
下部の強電場により急加熱されて、陽極へ向かって移動
する途中、雰囲気ガス中のCH4 やH2 等のガス分子と
衝突し、それらを励起してH+ ,CH+ ,C+ 等のイオ
ン及びC* ,H* 等の活性子を生成する。発生したイオ
ンのうち陽イオンは陰極降下部で急速に加速され、陰極
であるコイル状鋼帯の表面に激突する。その際、Cを含
むイオンは、コイル状鋼帯の表層部を加熱するととも
に、Cを付与するのである。なお、コイル支持台の下方
に設けたファン6は、雰囲気ガスや発生したプラズマが
鋼帯の全表面に行き渡るための補助具である。
及び/又は外径に補助陰極を設けるようにしたので、プ
ラズマの発生が促進され、瞬間的な浸炭を確実にしてい
る。以下、図1〜2に基づき、本発明の内容を説明す
る。図1は、本発明に係る鋼帯の浸炭方法を実施する場
合の概念を示したものであり、箱形焼鈍炉の縦断面図で
ある。図2は、コイル状鋼帯周囲への電極配置を示す斜
視図である。図1〜2に示すような配置において、陽極
1と陰極2の間を10〜2000(Pa)に減圧し、そ
の間に200〜1500(V)の電圧を印加すると、陰
極2近傍で強い電位降下(以下、陰極降下)を生じ、陽
極より電子が放出される。放出された電子は、陰極2降
下部の強電場により急加熱されて、陽極へ向かって移動
する途中、雰囲気ガス中のCH4 やH2 等のガス分子と
衝突し、それらを励起してH+ ,CH+ ,C+ 等のイオ
ン及びC* ,H* 等の活性子を生成する。発生したイオ
ンのうち陽イオンは陰極降下部で急速に加速され、陰極
であるコイル状鋼帯の表面に激突する。その際、Cを含
むイオンは、コイル状鋼帯の表層部を加熱するととも
に、Cを付与するのである。なお、コイル支持台の下方
に設けたファン6は、雰囲気ガスや発生したプラズマが
鋼帯の全表面に行き渡るための補助具である。
【0011】また、図2に示すように、コイル状鋼帯の
周りに5〜10mm程度離して補助陰極(ホローカソー
ド)を配置し、上記の放電をさせると、補助陰極とコイ
ル状鋼帯(陰極)の間に極めて強い発光が生じる。これ
は、ホローカソード現象と呼ばれ、通常のグロー放電に
比べ数倍から数十倍の電流密度が得られ、通常のプラズ
マ浸炭より短時間の処理が可能となるのである。
周りに5〜10mm程度離して補助陰極(ホローカソー
ド)を配置し、上記の放電をさせると、補助陰極とコイ
ル状鋼帯(陰極)の間に極めて強い発光が生じる。これ
は、ホローカソード現象と呼ばれ、通常のグロー放電に
比べ数倍から数十倍の電流密度が得られ、通常のプラズ
マ浸炭より短時間の処理が可能となるのである。
【0012】なお、本発明に係る鋼帯の浸炭方法では、
焼鈍炉での鋼帯加熱温度は600〜1000℃である
が、プラズマによる加熱エネルギーが不足する場合に
は、ラジアントチューブバーナや電気ヒータ等の補助加
熱源を用いても良い。
焼鈍炉での鋼帯加熱温度は600〜1000℃である
が、プラズマによる加熱エネルギーが不足する場合に
は、ラジアントチューブバーナや電気ヒータ等の補助加
熱源を用いても良い。
【0013】
【実施例】溶鋼を転炉から出鋼後、RH真空脱炭処理し
て得た極低炭素鋼スラブを熱間圧延、冷間圧延を経て板
厚0.8mmの冷延鋼板コイルとして巻取った。このコ
イル状鋼帯3を、図1に示すように、箱型焼鈍炉7の支
持台18上にアップエンドに載置し、コイルの渦巻きを
緩め、所謂オープン(又はルーズ)コイルとした。
て得た極低炭素鋼スラブを熱間圧延、冷間圧延を経て板
厚0.8mmの冷延鋼板コイルとして巻取った。このコ
イル状鋼帯3を、図1に示すように、箱型焼鈍炉7の支
持台18上にアップエンドに載置し、コイルの渦巻きを
緩め、所謂オープン(又はルーズ)コイルとした。
【0014】その後、上部電極1(陽極)及び補助陰極
5、5aをセットし、インナカーバ4及びベル3をかぶ
せ、電気配線、真空装置(図示せず)を取付けた。な
お、図1は各部のシールも省略してある。本実施例は、
図3に示す焼鈍温度パターンと炭化水素系の雰囲気ガス
を採用し、図示していない加熱手段により昇温が行われ
た。そして、この焼鈍工程の均熱期が終了に近ずいた時
点(図3では(1)で示す)より、直ちに真空装置を駆
動させ500Paまで減圧してから、40秒間だけ両電
極間に1000Vの電圧を印加した。その後は、通常の
焼鈍工程である冷却期に戻し、製品を炉から取り出し
た。
5、5aをセットし、インナカーバ4及びベル3をかぶ
せ、電気配線、真空装置(図示せず)を取付けた。な
お、図1は各部のシールも省略してある。本実施例は、
図3に示す焼鈍温度パターンと炭化水素系の雰囲気ガス
を採用し、図示していない加熱手段により昇温が行われ
た。そして、この焼鈍工程の均熱期が終了に近ずいた時
点(図3では(1)で示す)より、直ちに真空装置を駆
動させ500Paまで減圧してから、40秒間だけ両電
極間に1000Vの電圧を印加した。その後は、通常の
焼鈍工程である冷却期に戻し、製品を炉から取り出し
た。
【0015】本実施例では、本発明に係る鋼帯の浸炭方
法を実施するタイミングは、3通り選んだ。すなわち、
図3の焼鈍温度パターン上で、(1)、(2)及び
(3)として示した。また、比較例として、上記と同一
のコイル状鋼帯が単に図3の温度パターンで焼鈍され
た。その結果、上記3つの実施例とも、鋼帯表層部に表
面から200μm厚程度の浸炭層が均一に生成された。
その炭素含有量は、表1の最終欄に示してある。また、
表1には、上記実施例及び比較例で得た鋼帯の材料特性
が一括して示してある。表1より、本発明を適用して浸
炭した3つの鋼帯は、各特性値が比較例と比べてプレス
加工に好都合な数値であり、いずれも優れたプレス加工
鋼板となっていることが明らかである。
法を実施するタイミングは、3通り選んだ。すなわち、
図3の焼鈍温度パターン上で、(1)、(2)及び
(3)として示した。また、比較例として、上記と同一
のコイル状鋼帯が単に図3の温度パターンで焼鈍され
た。その結果、上記3つの実施例とも、鋼帯表層部に表
面から200μm厚程度の浸炭層が均一に生成された。
その炭素含有量は、表1の最終欄に示してある。また、
表1には、上記実施例及び比較例で得た鋼帯の材料特性
が一括して示してある。表1より、本発明を適用して浸
炭した3つの鋼帯は、各特性値が比較例と比べてプレス
加工に好都合な数値であり、いずれも優れたプレス加工
鋼板となっていることが明らかである。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、極
低炭素鋼を素材としても、その表層部の極めて薄い部分
の浸炭で、プレス加工性の優れた鋼板を得ることができ
た。
低炭素鋼を素材としても、その表層部の極めて薄い部分
の浸炭で、プレス加工性の優れた鋼板を得ることができ
た。
【図1】本発明に係る鋼帯の浸炭方法を実施する概念を
示した箱型焼鈍炉の縦断面図である。
示した箱型焼鈍炉の縦断面図である。
【図2】コイル状鋼帯(陰極)周囲の電極配置を示す斜
視図である。
視図である。
【図3】本発明に係る鋼帯の浸炭方法を実施した焼鈍温
度パターンの1例である。
度パターンの1例である。
【図4】従来のガス浸炭法を実施する連続焼鈍設備の側
面図である。
面図である。
1 陽極 2 陰極(オープンコイル状鋼帯) 3 ベル 4 インナカバ 5、5a 補助陰極(ホローカソード) 6 ファン 7 箱型焼鈍炉 8 冷延鋼板 9 予熱帯 10 加熱帯 11 均熱帯 12 浸炭帯 13 第1冷却帯 14 第2冷却帯 15 シール 16 従来の竪型連続焼鈍炉 17 進行方向を示す矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 聡 倉敷市水島川崎通1丁目(番地なし) 川 崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 中川 二彦 倉敷市水島川崎通1丁目(番地なし) 川 崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】 緩目に巻いたコイル状鋼帯を、ガス雰囲
気下にある箱型焼鈍炉内にアップエンドに載置して焼鈍
するにあたり、上記コイル状鋼帯自体を陰極とし、さら
に該陰極の上方に陽極を配し、一時的に上記箱形焼鈍炉
内を減圧するとともに、上記両極間に電圧を印加するこ
とを特徴とする鋼帯の浸炭方法。 - 【請求項2】 鋼帯コイルの内径及び/又は外径に補助
陰極を配置したことを特徴とする請求項1記載の鋼帯の
浸炭方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5295465A JP2981384B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 鋼帯の浸炭方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5295465A JP2981384B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 鋼帯の浸炭方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150332A true JPH07150332A (ja) | 1995-06-13 |
JP2981384B2 JP2981384B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=17820949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5295465A Expired - Lifetime JP2981384B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 鋼帯の浸炭方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2981384B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002092980A1 (fr) * | 2001-05-10 | 2002-11-21 | Soghi Kogyo Co., Ltd. | Ensemble de guidage de gaz d'echappement a surface reformee dans un turbocompresseur de type vgs et procede de reformage de surface des elements constitutifs de cet ensemble |
JP2007126740A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Shimane Pref Gov | プラズマ浸炭処理の制御方法及び装置 |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP5295465A patent/JP2981384B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002092980A1 (fr) * | 2001-05-10 | 2002-11-21 | Soghi Kogyo Co., Ltd. | Ensemble de guidage de gaz d'echappement a surface reformee dans un turbocompresseur de type vgs et procede de reformage de surface des elements constitutifs de cet ensemble |
JP2007126740A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Shimane Pref Gov | プラズマ浸炭処理の制御方法及び装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2981384B2 (ja) | 1999-11-22 |
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