JPH07149969A - 自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物

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JPH07149969A
JPH07149969A JP29666993A JP29666993A JPH07149969A JP H07149969 A JPH07149969 A JP H07149969A JP 29666993 A JP29666993 A JP 29666993A JP 29666993 A JP29666993 A JP 29666993A JP H07149969 A JPH07149969 A JP H07149969A
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weight
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mfr
ethylene
crystalline
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JP29666993A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Tsukagoshi
越 常 夫 塚
Hiroshi Yamamoto
本 洋 山
Katsuumi Hasegawa
勝 海 長谷川
Yoshihiro Tomono
野 義 博 伴
Hiroyuki Tsuruta
田 浩 之 鶴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性、衝撃強度のバランスに優れ、流動性、
寸法安定性が著しく改良された自動車バンパー用熱可塑
性樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記の成分(A)〜(D)より構成されてい
ることを特徴とする自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成
物。 成分(A):MFR10〜100g/10分、エチレン
含量1.5〜20重量%、o−ジクロロベンゼンによる
分別における0℃可溶成分含量5重量%以上、該成分の
分子量が40万以上である結晶性プロピレン系共重合
体:100重量部 成分(B):MFR20〜80g/10分、Q値4以
下、o−ジクロロベンゼンによる分別における90℃可
溶低結晶成分(b)/不溶な高結晶成分(a)重量比1
〜3、かつ示差走査熱量計での測定による融点が110
〜130℃であるポリエチレン:5〜25重量部 成分(C):MFR0.3〜7g/10分、プロピレン
含量12〜30重量%のエチレン・プロピレン系共重合
体ゴム:10〜45重量部 成分(D):平均粒径10μm以下、比表面積が1.5
2 /g以上のタルク:0〜30重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車バンパーに代表
される自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物に関するも
のである。詳しくは、特定なポリオレフィン系の樹脂材
料とエチレン・プロピレン系共重合体ゴムとにより構成
された、剛性、衝撃強度のバランスに優れ、流動性、寸
法安定性が著しく改良された自動車バンパー用熱可塑性
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、以下に示す及びの樹脂組成物
が知られている。 プロピレン重合体に、エチレン・プロピレン共重合
体ゴムを初めとする各種ゴムを添加して耐衝撃性を改良
し、タルク等の無機フィラーにより剛性を改良すること
を目的とした樹脂組成物が、特開昭51−136735
号、特開昭57−5511952号、特開昭58−11
1846号、特開昭58−129037号、特開昭61
−187859号、特公昭60−3420号、特開平3
−250040号等の各公報に記載されている。 上記の樹脂組成物に、更にポリエチレンを加えた
樹脂組成物が、特開昭57−159841号、特開昭5
7−172540号、特開昭60−3414号、特開昭
61−233033号、特開昭63−42929号、特
開昭63−6523号、特開昭63−150343号、
特開平5−98124号、特公昭59−49252号、
特公昭61−276840号、特公昭63−65223
号、特公平4−52291号等の各公報に記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の樹脂組成物は、耐衝撃性の改良という点においてはか
なりの成功を収めてはいるが、高粘度の、流動性の低い
ゴムを大量に使用しているために、成形性及び剛性の低
下が顕著であることが問題である。更に、相対的に高額
のゴムを大量に使用しているため、ポリオレフィン系樹
脂の特徴であるコストパーフォーマンスの低下も懸念さ
れる。一方、上記の樹脂組成物は、ポリオレフィンの
相対的な使用量が上記の樹脂組成物に比べて多いが、
使用するポリエチレン樹脂の性状によって物性が大きく
変化してしまう。すなわち、低密度ポリエチレンを用い
た場合には、剛性低下が著しく、更に外観を悪化させ
る。また、高密度ポリエチレンを用いた場合には、剛性
の維持、表面硬度、表面光沢は改良されるが、寸法安定
性、特に加熱後の収縮率は成形後の収縮率よりも著しく
大きくなる傾向があることから実用上問題となる。ま
た、耐衝撃強度の中でも、特に低温の面衝撃性が著しく
劣り、衝撃強度が特に必要である自動車バンパーへの応
用は困難である。また、昨今、用いられるようになった
線状低密度ポリエチレンの場合には、ポリプロピレンの
剛性を低下させるので、高剛性、かつ高衝撃を必要とす
る用途には使用するのが困難であった。以上のような状
況下であることから、自動車バンパー用熱可塑性樹脂の
分野では、高剛性を維持したまま、低温での耐衝撃性が
良好で、加工性、寸法安定性の良好な、よりコストパー
フォーマンスの高い材料が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて、高
剛性を維持したまま、低温での耐衝撃性能が良好で、良
好な加工性と良好な寸法安定性を両立させるという困難
な課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、結晶
性を持った高分子物質の結晶成分と非結晶成分の割合を
最適化し、それに相溶する高粘度の高分子物質と無機化
合物フィラーを組み合わせる技術を見出だして、本発明
を完成するに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明の自動車バンパー用熱可
塑性樹脂組成物は、下記の成分(A)〜(D)より構成
されていることを特徴とするものである。 成分(A): メルトフローレート(MFR:230
℃、2.16kg)が10〜100g/10分、エチレ
ン含量が1.5〜20重量%、かつo−ジクロロベンゼ
ンによる分別における0℃で可溶な成分の含量が5重量
%以上であり、該可溶成分の重量平均分子量が40万以
上である結晶性プロピレン系共重合体: 100重量
部 成分(B): MFR(190℃、2.16kg)が2
0〜80g/10分、Q値(重量平均分子量/数平均分
子量)が4以下、o−ジクロロベンゼンによる分別にお
ける90℃で可溶な低結晶成分(b)と90℃で不溶な
高結晶成分(a)との重量比[(b)/(a)]が1〜
3、かつ示差走査熱量計での測定による融点が110〜
130℃であるポリエチレン : 5〜2
5重量部 成分(C): MFR(230℃、2.16kg)が
0.3〜7g/10分、プロピレン含量が12〜30重
量%のエチレン・プロピレン系共重合体ゴム:10〜4
5重量部 成分(D): 平均粒径が10μm以下、かつ比表面積が1.5m2 /g以上で あるタルク : 0〜30重量部 [発明の具体的説明] [I] 自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物 (1) 構成成分 (a) 成分(A):プロピレン系共重合体 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物の成分
(A)にて用いられる結晶性プロピレン系共重合体は、
メルトフローレート(MFR:230℃、2.16k
g)が10〜100g/10分、好ましくは30〜80
g/10分、特に好ましくは30〜70g/10分で、
かつエチレン含量が1.5〜20重量%、好ましくは
2.0〜15重量%、特に好ましくは3.0〜15重量
%で、しかも、o−ジクロロベンゼンによる分別におけ
る0℃で可溶な成分の含量が5重量%以上、好ましくは
6〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%であ
り、該可溶成分の重量平均分子量が40万以上、好まし
くは50万〜200万、特に好ましくは60万〜150
万である結晶性プロピレン系共重合体である。
【0006】該結晶性プロピレン系共重合体は、ランダ
ム共重合体でも良いが、加工性及び耐衝撃性の観点から
プロピレン・エチレンブロック共重合体が好ましく、そ
の結晶性プロピレン単独重合部の密度は0.907g/
cm3 以上、好ましくは0.908〜0.912g/c
3 のものが剛性の点から好ましい。上記結晶性プロピ
レン系共重合体のMFRは、重合時に調整したもの、或
いは、重合後にジアシルパーオキサイド、ジアルキルパ
ーオキサイド等の有機化酸化物で調整したものであって
も良い。上記MFRが上記範囲未満では成形性と共に外
観が悪くなり、上記範囲を超えるとヒケ、バリ等の製品
不良が多くなる。また、エチレン含量が上記範囲未満で
は耐衝撃性が悪くなり、上記範囲を超えると剛性の低下
を招く。更に、o−ジクロロベンゼンによる分別におけ
る0℃の温度で可溶な成分の分子量が上記範囲未満だと
低温下の耐衝撃性が悪くなり、また、0℃の温度で可溶
な成分の含量が上記範囲を超えると剛性、耐熱性が悪く
なる。また、この結晶性プロピレン系共重合体は、無水
マレイン酸、メタクリル酸、トリメトキシビニルシラン
等の他の不飽和単量体をグラフト又はランダム共重合し
て含有する共重合体、又はそれら共重合体の混合物であ
っても良い。
【0007】上記結晶性プロピレン系共重合体の製造に
は高立体規則性触媒が用いられる。上記高立体規則性触
媒の代表的な製造方法には、四塩化チタンを有機アルミ
ニウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子
受容体で処理した三塩化チタン組成物と、有機アルミニ
ウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルとを組み合わ
せる方法(特開昭56−100806号、特開昭56−
120712号、特開昭58−104907号の各公報
参照)、及びハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと
各種の電子供与体を接触させる担持型触媒の方法(特開
昭57−63310号、特開昭63−43915号、特
開昭63−831161号の各公報参照)等、の公知の
方法が用いられる。
【0008】(b) 成分(B):ポリエチレン 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物の成分
(B)にて用いられるポリエチレンは、MFR(190
℃、2.16kg)が20〜80g/10分、好ましく
は20〜60g/10分、特に好ましくは25〜50g
/10分で、Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が
4以下、好ましくは2〜3.5、o−ジクロロベンゼン
による分別における90℃で可溶な低結晶成分(b)と
90℃で不溶な高結晶成分(a)の重量比((b)/
(a))が1〜3、好ましくは2〜3、かつ、示差走査
熱量計による測定で110〜130℃、好ましくは11
5〜125℃の範囲内に融点を持つポリエチレンであ
る。中でも密度が0.93g/cm3 以下、好ましくは
0.88〜0.92g/cm3 のものが寸法安定性、耐
衝撃性の点で優れている。
【0009】MFR(190℃、2.16kg)が上記
範囲未満の場合や上記範囲を超える場合は成形性及び耐
衝撃性の点で問題が生じる。Q値(重量平均分子量/数
平均分子量)が上記範囲未満の場合や上記範囲を超える
場合は剛性、耐熱性、ゴム成分との相溶性の点で問題が
生じる。o−ジクロロベンゼンによる分別における90
℃で可溶な低結晶成分(b)と90℃で不溶な高結晶成
分(a)の重量比((b)/(a))が上記範囲未満の
場合は結晶性が低くなり、剛性、耐熱性の点で問題であ
り、上記範囲を超えると結晶性が上がり過ぎてエチレン
・プロピレン系共重合体ゴムとの相溶性、寸法安定性、
耐衝撃性の点で不適である。融点が低すぎると剛性、耐
熱性が劣り、一方、融点が高すぎると耐衝撃性、寸法安
定性が劣るようになる。
【0010】ポリエチレンの製造 ポリエチレンの製造には、チーグラー型触媒、フィリッ
プス型触媒等のイオン重合触媒の存在下、気相流動床
法、溶液法、スラリー法等の製造プロセスを適用してエ
チレンを単独重合することにより得られるエチレン単独
重合体或いはエチレンとα−オレフィンとを共重合する
ことにより得られるエチレンを主成分とするエチレン共
重合体であり、該重合体中のα−オレフィンの含有量に
係わらず、融点が上記範囲にあるものであれば適宜用い
られる。上記エチレンと共重合するα−オレフィンとし
ては、炭素数4〜12の1−オレフィンであり、例え
ば、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1等を挙げ
ることができる。これらα−オレフィンの中で好ましい
ものは、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1、オクテン−1である。この場合のα−オレフィ
ンは1種類だけである必要はなく、2種類以上を用いた
多元系共重合体であっても良く、更に2種類以上の上記
ポリエチレンを本発明の効果を発現できる範囲で併用す
ることができる。本発明の効果を最大限に発揮するため
には、気相流動床により製造されたポリエチレン(直鎖
状低密度ポリエチレン)を用いることが好ましく、成分
(A)の結晶性プロピレン系共重合体及び成分(C)の
エチレン・プロピレン系共重合体ゴムとの相溶性、製品
の寸法安定性、また、製品に衝撃が加えられた場合に延
性破壊となる等の各項目において好適である。
【0011】(c) 成分(C) 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物の成分
(C)にて用いられるエチレン・プロピレン系共重合体
ゴムは、MFR(230℃、2.16kg)が0.3〜
10g/10分、好ましくは0.3〜7g/10分、特
に好ましくは0.3〜5g/10分で、プロピレン含量
が12〜35重量%、好ましくは15〜30重量%であ
るエチレン・プロピレン系共重合体ゴムである。MFR
やプロピレン含量が上記範囲未満或いは上記範囲を超え
ると寸法安定性、耐衝撃性の点で問題がある。このエチ
レン・プロピレン系共重合体ゴムは、エチレン・プロピ
レン共重合体ゴム、(EPR)及び第三成分としてエチ
リデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−
ヘキサジエン等のジエンモノマーを用いて製造したエチ
レン・プロピレン・ジエンモノマー共重合体ゴム(EP
DM)であっても良く、また、部分的にEPDMを併用
したEPRであっても良い。
【0012】(d) 成分(D) 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物において
剛性等を改良する目的で任意成分として配合される成分
(D)のタルクは、平均粒径が10μm以下、かつ比表
面積が1.5m2 /g以上のタルクである。この様なタ
ルクは、一般に乾式粉砕後に乾式分級して製造される、
平均粒径が10μm以下、好ましくは7μm以下、特に
好ましくは2〜5μmで、かつ比表面積が1.5m2
g以上、好ましくは3.5〜7m2 /g、特に好ましく
は3.5〜6m2 /gのものである。平均粒径が上記範
囲超過では耐衝撃性が劣る傾向にあり、比表面積が上記
範囲未満では曲げ弾性率が不足する傾向にある。この平
均粒径は液層沈降式光透過法(例えば、堀場製作所製L
A−5000等)を用いて測定して、粒度累積分布曲線
から読み取った累積量50重量%の時の粒径値である。
また、比表面積は空気透過法(例えば、島津製作所製S
S−100型恒圧通気式比表面積測定装置等)により測
定された値である。
【0013】(e) 付加的成分(E) 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物には、上
記成分(A)〜成分(D)の他に、更に、本発明の効果
を著しく損なわない範囲で任意の付加的成分(E)を添
加することができる。該付加的成分(E)としては、熱
可塑性重合体に通常配合される添加剤、例えば加工安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属石鹸類
を始めとする各種石鹸類、帯電防止剤、滑剤、核剤、顔
料及び顔料分散剤等の他、タルクよりも高い剛性を与え
ることが知られている繊維状チタン酸カリウム、繊維状
マグネシウムオキシサルフェート、繊維状硼酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウムウイスカー等のウイスカー類及び
炭素繊維等も必要に応じて添加することができる。
【0014】(2) 配合割合 上記各成分(A)〜成分(D)の配合割合は、 成分(A):結晶性プロピレン系共重合体100重量部
に対して、 成分(B):ポリエチレン5〜25重量部、好ましくは
10〜20重量部、 成分(C):エチレン・プロピレン系共重合体ゴム10
〜45重量部、好ましくは15〜35重量部、及び、 成分(D):タルク0〜30重量部、好ましくは3〜2
0重量部 である。本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物
において、上記成分(B)が上記範囲未満では成形品に
衝撃が加えられた場合に脆性破壊を起こし易くなり、上
記範囲超過では剛性が劣るので不適当である。また、上
記成分(C)が上記範囲未満では耐衝撃性のみならず、
寸法安定性が低下し、上記範囲超過では剛性の低下、外
観の悪化を招くので不適当である。また、成分(D)の
配合量が無いと、剛性、寸法安定性が低下する傾向があ
るり、上記範囲超過では耐衝撃性が著しく低下するので
不適当である。なお、本発明に用いられる結晶性プロピ
レン系共重合体(成分(A))、ポリエチレン(成分
(B))、エチレン・プロピレン系共重合体ゴム(成分
(C))、タルク(成分(D))は、配合割合がそれぞ
れ上記範囲内であれば各成分は2種以上の混合物を併用
したものであっても何等差支えがない。また、タルク
(成分(D))は未処理のまま使用しても良いが、重合
体との密着性或いは分散性を向上させる目的で、各種有
機チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング
剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等で予め処
理されたものを用いることもできる。
【0015】[II] 自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成
物の製造 (1) 混 練 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物は、上記
成分(A)〜成分(D)の各構成成分を、上記配合割合
で配合して、通常の押出機やバンバリーミキサー、ロー
ル、ブラベンダー、ニーダー等の混練機を用いて溶融混
練することにより製造することができる。これらの中で
も二軸押出機を用いて溶融混練することにより製造する
ことが望ましい。
【0016】(2) 成 形 本発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物の成形法
は、特に限定されるものではなく、通常の射出成形、押
出成形、中空成形等を行なうことが可能であるが、奏さ
れる発明の効果から見て射出成形を行なうことが最適で
ある。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
する。 [I] 測定方法 本発明において用いる各種測定法は次の通りである。 (1) 溶剤分別:三菱油化(株)製クロス分別クロマト
グラフCFC T−150Aを使用し、次のような条件
下で実施した。 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 流速 :1ml/分 測定濃度:4mg/ml 注入量 :0.4ml カラム :昭和電工(株)製AD80M/S 3本 冷却速度:1℃/分
【0018】(2) MFR:JIS−K6758に準拠
し、2.16Kg荷重を用いて190℃(ポリエチレ
ン)、230℃(結晶性プロピレン共重合体)で測定し
た。 (3) 曲げ弾性率:成形体試験片につき、JIS−K7
203に準拠し、23℃で測定した。 (4) 落錘衝撃強度:支持台(穴径40mm)上に設置
した試験片(120mm×80mm、厚み2mm)に荷
重センサーであるダートを落下させ(2m×4kg
f)、試験片の衝撃荷重における変形破壊挙動を測定
し、得られた衝撃パターンにおける亀裂発生点までにお
いて吸収された衝撃エネルギーを算出し、材料の衝撃強
度とした。また、その時の破壊された状態を目視によっ
て確認した。測定雰囲気温度は−30℃である。
【0019】(5) 寸法安定性:成形体試験片につき、
ASTM D955−88に準拠し、測定した。成形は
成形後48時間の収縮率(1/1,000)を、また、
加熱はサンプルを100℃の温度で1時間加熱した後、
24時間経過して23℃の温度にまで冷却した時の収縮
率(1/1,000)を測定した。 (6) 融 点(融解温度):示差走査熱量計(例えば、
デュポン社製910型DSC)に10mgの試料を装填
し、+180℃の温度にまで加温した後、1分間に10
℃の一定速度で−100℃まで冷却する。その後、1分
間に20℃の一定速度で昇温した際に得られるサーモグ
ラムのピーク位置を融点とする。 (7) Q 値:溶媒としてo−ジクロロベンゼンを用い
てゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定
した重量平均分子量を数平均分子量で除した値。
【0020】[II] 実験例 実施例1〜10及び比較例1〜13組成物の調製 表1〜表4に示す材料を表5及び表6に示す組成で配合
し、更に、2,6−ジ−t−ブチル−p−フェノール
0.1重量部、テトラキス[メチレン−3−(3´,5
´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]メタン0.1重量部、及びカーボンブラッ
ク0.5重量部を配合して、川田製作所製スーパーミキ
サーで5分間混合した後、神戸製鋼所製FCM2軸混練
機にて210℃の温度にて混練・造粒して組成物を得
た。樹脂組成物の性能評価 この後、型締力100トンの射出成形機にて成形温度2
20℃で各種試験片を作成し、前述の測定方法に従って
性能を評価した。得られた結果を表7及び表8に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】 表5〜表8から明らかなように、実施例1〜10の本発
明の樹脂組成物は、成形性(MFR値)、曲げ弾性率、
落水衝撃強度、寸法安定性、外観、全ての評価において
良好な結果を得た。これに対して、各比較例1〜13の
樹脂組成物は上記各種物性の少なくとも一つが低下した
ものとなっている。塗装性評価 また、実施例1〜10の各種樹脂組成物の塗装性の評価
を行なった。該塗装性の評価は、成形品をトリクロロエ
タン蒸気で洗浄し、プライマー及びウレタン系上塗料を
使用して標準塗装仕様により塗装した後、一次密着性
(碁盤目試験)及び耐温水試験後の碁盤目試験を行ない
密着性とブリスターの有無を判定した。
【0029】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、塗料の密着性、
耐水性等の塗装性能がいずれも良好であることから、本
発明の自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物は、自動車
の各種外装品であるバンパーに最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 勝 海 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 伴 野 義 博 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 鶴 田 浩 之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜(D)より構成されて
    いることを特徴とする自動車バンパー用熱可塑性樹脂組
    成物。 成分(A): メルトフローレート(MFR:230
    ℃、2.16kg)が10〜100g/10分、エチレ
    ン含量が1.5〜20重量%、かつo−ジクロロベンゼ
    ンによる分別における0℃で可溶な成分の含量が5重量
    %以上であり、該可溶成分の重量平均分子量が40万以
    上である結晶性プロピレン系共重合体: 100重量
    部 成分(B): MFR(190℃、2.16kg)が2
    0〜80g/10分、Q値(重量平均分子量/数平均分
    子量)が4以下、o−ジクロロベンゼンによる分別にお
    ける90℃で可溶な低結晶成分(b)と90℃で不溶な
    高結晶成分(a)との重量比[(b)/(a)]が1〜
    3、かつ示差走査熱量計での測定による融点が110〜
    130℃であるポリエチレン : 5〜2
    5重量部 成分(C): MFR(230℃、2.16kg)が
    0.3〜7g/10分、プロピレン含量が12〜30重
    量%のエチレン・プロピレン系共重合体ゴム:10〜4
    5重量部 成分(D): 平均粒径が10μm以下、かつ比表面積が1.5m2 /g以上で あるタルク : 0〜30重量部
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