JPH07149655A - No合成酵素活性化剤 - Google Patents

No合成酵素活性化剤

Info

Publication number
JPH07149655A
JPH07149655A JP29844693A JP29844693A JPH07149655A JP H07149655 A JPH07149655 A JP H07149655A JP 29844693 A JP29844693 A JP 29844693A JP 29844693 A JP29844693 A JP 29844693A JP H07149655 A JPH07149655 A JP H07149655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fad
active ingredient
synthase
synthase activator
effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29844693A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Nagai
克也 永井
Akiko Okumura
明子 奥村
Hachiro Nakagawa
八郎 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP29844693A priority Critical patent/JPH07149655A/ja
Publication of JPH07149655A publication Critical patent/JPH07149655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 フラビンアデニンジヌクレオチドを有効成分
とするNO合成酵素活性化剤ならびに血圧降下剤および
抗血小板薬。 【効果】 新規なNO合成酵素活性化剤ならびに血圧降
下剤および抗血小板薬の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラビンアデニンジヌ
クレオチドを有効成分とするNO合成酵素活性化剤なら
びに血圧降下剤および抗血小板薬に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の疾患について、優れた新薬の開発
の望まれていることは言うまでもない。種々の生理的役
割を担うことが判明したNOの生合成の調節は、各種疾
患の新しい治療法を提供する。応答する細胞にもよる
が、NOを活性化させるものとして、カルシウムイオノ
フォア、グルタミン酸、アセチルコリン、ブラジキニ
ン、ADP、リポポリサッカライド、トロンビンなどが
挙げられるが、副作用を伴うことなく、効率よく効果を
発現するものは少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来の技術
の背景下に、本発明は、NO合成酵素の新しい活性化剤
ならびにNO合成酵素の活性化を介する薬理作用を利用
した新しい血圧降下剤および抗血小板薬の提供を目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、脳内で機能
する内因性ジギタリス様物質を精製する過程で、ラット
の脳、肝臓、副腎などの組織中に脳のNO合成酵素(nit
ric oxide synthase、NOS) を活性化し、中枢性及び
末梢性にラットに投与すると血圧を低下させる物質が存
在することを示す知見を得た。そこで、その物質をメン
ブレインカット(限外濾過)、FPLC(「ファルマシ
アFPLCシステム」)、HPLC(高速液体クロマト
グラフィー)などを使用して分離、精製したところ、F
AD(フラビンアデニンジヌクレオチド)に極めて類似
した物質であることをが判明した。
【0005】そこで、本発明者は、更に研究の結果、F
ADにもNOS活性化作用があり、延いては血圧降下作
用および血小板凝集抑制作用のあることを見出し、この
ような知見に基いて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、フラビンアデニンジ
ヌクレオチド(FAD)を有効成分とすることを特徴と
するNO合成酵素活性化剤、ならびにFADのNOS活
性化を介する薬理作用を活用した、フラビンアデニンジ
ヌクレオチドを有効成分とすることを特徴とする血圧降
下剤および抗血小板薬に関する。
【0007】以下、本発明を逐次詳細に説明する。
【0008】本発明のNOS活性化剤および血圧降下剤
の有効成分であるフラビンアデニンジヌクレオチド(F
AD)は、周知の如く、ビタミンB2 (リボフラビン)
の補酵素型の1つであり、フラビン酵素の多くはFAD
を補酵素としており、糖・アミノ酸・脂肪酸の中間代
謝、酸化的リン酸化などの生体内の酸化還元反応におい
て広範囲にわたって重要な働きをしている。また、FA
Dは、O.WarburgとW.Christian
(1938)によりD−アミノ酸オキシダーゼから初め
て単離された、黄色針状結晶の、水に易溶、アルコール
に微溶解、非極性溶媒に不溶の物質である。この物質の
紫外可視部での吸収は、リボフラビンよりやや長波長側
にずれるがほぼ同様である。また、蛍光は、そのイソア
ロキサジン核とアデニン間の分子内水素結合のためリボ
フラビンおよびFMN(フラビンモノヌクレオチド)の
10%ほどである化合物であることも、これまた周知の
通りである。以上、「生化学辞典」((株)東京化学同
人(1984))参照。
【0009】本発明のNO合成酵素活性化剤は、生体外
においては(in vitro)、例えば、試薬などとして使用
することができる。
【0010】本発明のNO合成酵素活性剤は、生体内
(in vovo )においては、例えば、脳、肺、心筋、腎
臓、消化管、皮膚などの末梢循環改善によるこれらの器
官、組織での疾患治療効果、インポテンスの治療効果、
抗癌作用、抗微生物作用、免疫機能の活性化効果(エイ
ズ治療薬としての効果)、免疫抑制効果、糖尿病改善効
果、肝細胞毒性、腸障害、血管透過性などの改善作用、
インターフェロンによる抗癌作用の増強効果、マラリア
のような肝臓への感染及び敗血症時の肝機能不全の防御
効果、けいれん性便秘の改善効果、腸管のぜん動促進効
果、腎機能改善効果、脳機能の改善、記憶機能改善効
果、視覚機能の改善効果などの場合に使用できる他に、
特に血圧降下剤および抗血小板薬として使用することが
できる。
【0011】FADを有効成分とする本発明の両剤は、
経口または静注などの非経口で投与することができる。
すなわち、経口または非経口投与に適した有機もしくは
無機固体状又は液状賦形剤のような医薬として許容され
る担体と混合して慣用の医薬製剤の形で使用することが
できる。医薬製剤は錠剤、顆粒、粉剤、カプセルのよう
な固体状であってもよいし、溶液、懸濁液、シロップ、
エマルジョンのような液状であってもよい。必要に応じ
て、前記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤及びその他の通
常使用される添加剤が含まれていてもよい。
【0012】また、このような本発明の両剤の投与量
(有効量)は、上のような投与方法において、副作用を
伴うことなしに使用効果(投与効果)の奏される量とい
うことになる。この量は、患者の年齢、疾患の重篤度な
どにもよるが、非経口の場合、一般的に体重約60kg
の成人患者につき1日当りの投与量として、有効成分の
FADに換算して、例えば、10〜1000mg、好ま
しくは50〜200mgである。経口の場合は、非経口
の場合に比べて増量されることは、言うまでもない。
【0013】なお、FADについては、急性毒性など安
全性に問題のないことは、この物質の、先に言及した生
体内作用から明らかである。
【0014】また、本発明の両剤は、動物にも使用でき
ることはもちろんである。
【0015】
【実施例】以下、試験例および実施例により本発明を更
に説明する。
【0016】(試験例1)A.方 法 (a)動物を用いた検討(NOSの調製) 実験動物には、12時間毎に点灯消灯を繰り返す24℃
の恒温動物室にて飼育するウィスター系雄性ラットを使
用した。
【0017】NOSは、ラット脳よりHopeらの方法
(Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.88, 2811〜2814(199
1))の変法にて部分精製をおこなった。即ち、ラット脳
を断頭屠殺し、得られた脳を5倍量の緩衝液A(Buffer
A、 25mM Tris、pH 7.4、0.5mM EDTA、1mM Dithiothre
itolおよび10mg/Lロイペプチン含有)でホモジナ
イズし、30,000×gで30分遠心後、上清を2′,5′
−ADPアガロースと混和した。30分後、これをカラ
ムにつめ、緩衝液Aで洗浄した後、10mM NADPH(ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型)含有緩
衝液Aにて溶出した。NOSを含む画分をFPLC「M
onoQ」陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにか
け、0〜0.4M NaCl含有緩衝液Aの濃度勾配に
て溶出し、NOS部分精製標品を得た。以上の操作は、
全て4℃にて行った。
【0018】この酵素標品の比活性は、0.1μmol シ
トルリン/mg protein/min であった。このNOS標
品を用いてFAD、FMN、リボフラビンなどの効果を
invitroにて検討した。
【0019】(b)酵素活性測定 NOSの活性は、シトルリンの生成量を測定するSch
midtらの方法(Biochem. Biophys. Res. Comm., 1
65, 284〜291 (1989))、ならびにNO2 - とNO3 -
の生成量を測定するBredtらおよびPollock
らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86, 9030
〜9033(1989)およびProc. Natl. Acad.Sci., U.S.A., 8
8, 10480〜10484 (1991))によって行った。
【0020】先ず、上記のNOS部分精製標品、1mM NA
DPH 、1.6mM CaCl2 、 6μg/mlカルモジュリン、1.3mM
L-アルギニン、50μM (6R)-5,6,7,8- テトラヒドロビオ
プテリン、50mM Tris-HCl 緩衝液(pH 7.4) 及びFA
D、FMNまたはリボフラビンのサンプルからなる反応
液300μlを37℃で7分間インキュベーションした
後、100℃で30秒間煮沸してNOSの反応を停止し
た。
【0021】(i)シトルリン生成量の測定 反応液300μlにウレアーゼ15μl(100mU)
を加えて、37℃に30分間保持した後、600μlの
酸溶液(HCl:H3 PO4 :H2 O=25:20:55(v/
v) 、500ml当り41.7mgのFeCl3 ・5H2
を含有)および300μlの試薬液(水100ml当りチ
オセミカルバジド0.01gおよびジアセチルモノオキ
シム0.5g溶解したもの)を加えて100℃で15分
間煮沸し、5,000×gで5分間遠心後、上清を540nm
での吸光度の測定に付してシトルリンを定量した。
【0022】(ii)NO2 - およびNO3 - の生成量の
測定 反応液を硝酸レダクターゼ(0.1 unit/ml)およびFA
D(5μM)の存在下、37℃で5分間インキュベート
し、NO3 - をNO2 - に還元した後、乳酸デヒドロゲ
ナーゼ(10unit/ml)およびピルビン酸ナトリウム
(10mM)の存在下、37℃で20分インキュベート
し、残存するNADPHを酸化した。この反応液300
μlに300μlの Griess 試薬(5%(v/v) H3
4 、1%(w/v) スルファニル酸および0.1%(w/v)
N−(1−ナフチル)−エチレンジアミンを含有)を
加え、 5,000×gで5分間遠心した後、554nmでの
吸光度を測定し、NO2 - を定量した。
【0023】(c)フローサイトメトリーによる検討
(FADの付着性) まず、PC12細胞(神経芽細胞腫、PC12h細胞、
大阪大学蛋白質研究所畠中寛教授より提供を受けたも
の)は、5%(v/v) 仔ウシ血清および5%(v/v)仔ウマ
血清含有のDulbecco’s modified Eagle’s medium
(DMEM培地)で培養した。次に、PC12細胞をシ
ャーレからピペッティングではがし、5×105 cells
/ml の懸濁液を調製し、そのままあるいはFAD(最終
濃度5mM)を加えてフローサイトメーター「Cyto
ACE」(日本分光製)で 5,000個の細胞の530nm
での蛍光強度を測定した(励起波長は488nm)。
【0024】ウシ肺動脈内皮細胞(CPAE、 ATCC CC
L209)は、10%(v/v) ウシ胎児血清(FBS)含有の
最少必須培地(MEM培地)で培養した。CPAEを
0.25%トリプシンではがし、 2,000×gで、5分間
遠心した後、沈渣を10%FBS・MEM培地に懸濁
し、5×105 cells/ml とした。そのままあるいはF
AD(5mM)を加えて、フローサイトメーターで 5,0
00個の細胞の530nmでの蛍光強度を測定した。
【0025】(d)NO電極を用いたNO産生量の測定 NO産生量は一酸化窒素測定装置(NOモニター「Mo
del NO−501」(インターメディカル社(東
京))を用いて測定した。10cm2 の培養皿にて培養
したPC12細胞およびCPAEそれぞれの培養液を5
0mM HEPESおよび200μM L−アルギニン
含有のハンクス液(pH7.4)に変えた。この培養皿
の培養液中にNO電極をセットし、電極付近にFADを
40μl添加し(PC12細胞の場合には18mM、そ
してCPAEの場合は2.5mMの濃度のFADとし
た)、この時流れる電流値を測定した。
【0026】(e)血圧に対する効果の検討 ウィスター系雄性ラットをウレタン(1g/kg、i
p)で麻酔後、大腿動脈にカテーテルを留置し、トラン
スデューサー「Morse Manifold VTM system 」(Namic,
Hudson Falls, NY )を用いる血圧測定装置「Model PA
S-401 」(Star Medical Co., Tokyo )を用いて血圧お
よび心拍数を測定した。この際、予め側脳室あるいは大
腿静脈にカテーテルを留置し、それらのカテーテルを使
用してFAD、およびその他の物質を脳内および静脈内
に投与し、血圧および心拍数に対する効果を検討した。
【0027】B.結 果 (a)NOS活性化効果について FADは、ラット脳より調製した部分精製NOS標品の
in vitroでの活性を上昇させた。FAD 10μMの存
在下に酵素活性は180%活性化し、それ以上加えると
その活性化はやや減少した。リボフラビンには殆ど活性
化作用はないが、FMNにはFADと同様の活性化作用
があることが明らかとなった。
【0028】(b)培養血管内皮細胞(CPAE)およ
び神経芽細胞腫(PC12)へのFADの付着について ウシ肺動脈内皮培養細胞(CPAE)をFADを5mM
含む培地中に置くと、培養細胞の蛍光強度が増加するこ
とがフローサイトメトリーにて認められた。この事実
は、FADが培養血管内皮細胞に結合するか、付着する
か、または取り込まれることを示している。PC12細
胞についても、同様の結果が得られた。
【0029】(c)培養細胞におけるNO産生について ウシ肺動脈内皮培養細胞(CPAE)にFADを50μ
M添加し、培地中でのNO産生が増加するか否かを、前
記のように、インターメディカル社製のNO測定装置
(NOモニター「Model NO−50」)にて検討した。その
結果、培地のNO含量がFAD添加後に増加することが
明らかとなった。神経芽細胞腫(PC12)へのFAD
(50μM)の添加も同様に培地のNO含量を増加させ
た。両細胞におけるNO産生のFADによる増加は、両
者共にN−ニトロアルギニンにより阻害され、L−アル
ギニンの培地への添加により回復した。
【0030】(d)FADの中枢性および末梢性投与効
果 ラットの側脳室にウレタン麻酔下にてFAD(200nm
ol/kg)を投与したところ、血圧が下降し(15〜20
mmHg)、同時に心拍数も下降した。この降下は、SHR
(高血圧自然発症ラット)ではより顕著に認められた
(35mmHgの血圧降下)。
【0031】一方、ウレタン麻酔下のラットの静脈内に
FAD(20nmol/kg)を投与したところ、血圧下降
(30〜50mmHg)および心拍数の低下が認められた。
しかしながら、in vitroにてNOS活性化作用を示すF
MNは、静脈内投与では血圧下降を示さなかった。
【0032】(e)アデノシンレセプターの関与の可能
性の検討 FADの上記作用がアデノシンレセプターを介するもの
か否かを検討した結果、(i)アデノシンは直接NOS
を活性化せず、ウシの肺動脈内皮細胞(CPAE)およ
び神経芽細胞腫(PC12細胞)にアデノシンを添加し
てもNOの産生の増加はNO電極を用いた実験では認め
られなかった、(ii)アデノシンレセプター(A1 およ
びA2 )阻害剤であるアミノフィリンの存在下でFAD
を上記両培養細胞に添加しても、FADによるNO産生
促進効果には影響を与えなかった。
【0033】これらの結果を、下記第1表にまとめて示
す。
【0034】第1表中、被検物質について付言すると、
FMNおよびリボフラビンはFADの前駆体であり、ロ
ゼオフラビンはリボフラビンの誘導体であり、そしてア
デノシンはFADの構造の一部となっている。また、作
用(a)はNO産生脳酵素についてのもの、(b)はN
Oモニターにより測定したもの、(c)は血圧に対する
影響、(d)はレセプターによる結合または取込みを示
し、そして、(e)はNOの血中濃度の変化を示すもの
である。なお、、+++、++、+、−およびNDは、
それぞれ、強陽性、中等度陽性、弱陽性、陰性および未
検定を意味する。
【0035】
【表1】
【0036】C.考 察 以上の結果から、FADは、細胞内NOSに作用してN
Oの産生を増加させることによって血圧の下降および徐
脈を引き起こすと考えられる。さらにFADについて次
の薬効が期待される。
【0037】(a)NOは脳、肺、心筋その他の末梢血
管などの血管を拡張させるので、その効果から、FAD
は降圧効果、脳循環改善、肺および心臓機能の改善効果
があると考えられる。
【0038】(b)ペニスの勃起はNOによる海綿体の
弛緩より起こるので、インポテンスの改善効果が予測さ
れる。
【0039】(c)マクロファージからのNO産生が増
加すると、癌細胞をはじめとして微生物、リンパ球に対
して阻害、抑制効果があるので、免疫能の活性化効果が
予測される。この点に関して、脾臓のT細胞の増殖抑制
はNO依存性があるので、場合によっては免疫能の抑制
に影響がある。
【0040】(d)NOはアルギニンやトルブタマイド
製剤で刺激されるインスリン放出を仲介するので、糖尿
病改善効果が予測される。
【0041】(e)NOはLPS(リポポリサッカライ
ド)で起こる肝細胞毒性、腸障害、血管透過性を改善す
るので、これらの保護作用が期待される。
【0042】(f)NOがインターフェロンによる癌細
胞、線維芽細胞の増殖の抑制に関与するので、インター
フェロンによる抗腫瘍作用の増強効果が期待される。
【0043】(g)NOは肝臓ではマラリアのような肝
臓への感染や、敗血症時の肝機能不全の防御を促進する
ので、これらの効果も期待される。
【0044】(h)NOは腸管の弛緩を引き起こすの
で、けいれん性便秘の改善や腸管機能の改善効果がある
と予測される。
【0045】(i)腎臓の糸球体や髄質などの血管はN
Oによって調節に関与しているので、腎機能効果が期待
される。
【0046】(j)中枢神経系では、NOは興奮性アミ
ノ酸の神経伝達を介する、また、長期増強のメディエー
ターでもあるので、脳機能の改善、記憶改善効果が期待
される。ただし、過剰では毒性あり。
【0047】(k)網膜のアマクリン細胞では、NOは
ギャップジャンクションの伝導性を調節するし、脈絡膜
の血流調節にも関連するので、視覚機能の改善効果も期
待される。
【0048】(試験例2)ヒトよりクエン酸採血し、P
RP(多血小板血漿)を調製後、これにFADを下記第
2表に示す種々の濃度となるように添加し、コラーゲン
(0.4μg/ml)およびセロトニン(5μg/m
l)を同時に添加したときに惹起される血小板凝集を血
小板凝集測定装置(「HEMA TRACER 80
1」二光バイオサイエンス社製)を用いて測定した。
【0049】結果を第2表に示す。同表より、FADは
10-7Mより濃度に依存して血小板凝集を抑制した。
【0050】
【表2】
【0051】実施例1(調剤例) 蒸留水にフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を
溶解してその2.5%水溶液とし、これを2ml容アン
プルに充填封入して本発明の薬剤(血圧降下剤および抗
血小板薬)を作成した。
【0052】
【発明の効果】本発明により、新規の、優れたNO合成
酵素活性化剤および血圧降下剤が容易に提供されるとこ
ろとなった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラビンアデニンジヌクレオチドを有効
    成分とすることを特徴とするNO合成酵素活性化剤。
  2. 【請求項2】 フラビンアデニンジヌクレオチドを有効
    成分とすることを特徴とする血圧降下剤。
  3. 【請求項3】 フラビンアデニンジヌクレオチドを有効
    成分とすることを特徴とする抗血小板薬。
JP29844693A 1993-11-29 1993-11-29 No合成酵素活性化剤 Pending JPH07149655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29844693A JPH07149655A (ja) 1993-11-29 1993-11-29 No合成酵素活性化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29844693A JPH07149655A (ja) 1993-11-29 1993-11-29 No合成酵素活性化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07149655A true JPH07149655A (ja) 1995-06-13

Family

ID=17859821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29844693A Pending JPH07149655A (ja) 1993-11-29 1993-11-29 No合成酵素活性化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07149655A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07188052A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd インターフェロン用作用効果増強剤及び該増強剤とインターフェロンとを含有する抗ウイルス活性増強組成物
KR20000054332A (ko) * 2000-06-01 2000-09-05 김진경 혈관내피세포 성장인자 억제제에 의한 암 치료법
JP2004115507A (ja) * 2002-09-06 2004-04-15 Sankyo Co Ltd 血管内皮性酸化窒素の合成促進剤
FR3087650A1 (fr) * 2018-10-31 2020-05-01 Bio Even Flavine adenine dinucleotide (fad) pour son utilisation pour la prevention et/ou le traitement de cancer

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07188052A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd インターフェロン用作用効果増強剤及び該増強剤とインターフェロンとを含有する抗ウイルス活性増強組成物
KR20000054332A (ko) * 2000-06-01 2000-09-05 김진경 혈관내피세포 성장인자 억제제에 의한 암 치료법
JP2004115507A (ja) * 2002-09-06 2004-04-15 Sankyo Co Ltd 血管内皮性酸化窒素の合成促進剤
FR3087650A1 (fr) * 2018-10-31 2020-05-01 Bio Even Flavine adenine dinucleotide (fad) pour son utilisation pour la prevention et/ou le traitement de cancer
WO2020089310A1 (fr) * 2018-10-31 2020-05-07 Bio Even Flavine adénine dinucléotide (fad) pour son utilisation pour la prévention et/ou le traitement de cancer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2268732C2 (ru) Способы лечения митохондриальных нарушений
Dupont et al. Regulation of xanthine dehydrogenase and xanthine oxidase activity and gene expression in cultured rat pulmonary endothelial cells.
EP0908182B2 (en) Preventives or remedies for diseases induced by hypofunction of nitric oxide synthase (nos)
EP0491708B1 (en) Isolating aminoarginine and use to block nitric oxide formation in body
JPH04504726A (ja) アナフィラキシーの遅反応性物質に対する拮抗薬としてのリポキシンa↓4およびその誘導体の使用
JP2002542191A (ja) グルタチオンの吸収を増しかつその効果を補強するのに有用な、カルニチンおよびグルタチオン含有組成物
Onesti et al. Pharmacodynamic effects and clinical use of alpha methyldopa in the treatment of essential hypertension∗
JPH06234637A (ja) 腫瘍壊死因子アルファを阻害するためのレフルノミドの使用
TW201219370A (en) Agent for regulating the formation of nitrogen monoxide
JPH07149655A (ja) No合成酵素活性化剤
Korytko et al. Pharmacological characterization of nitric oxide production in a rat model of meningitis
JP3251673B2 (ja) 酸化窒素生成の抑制方法
YAGI Distribution of riboflavin nucleotides in rat organs influenced by the administration of flavin compounds
CN100490819C (zh) 具有不同性状的药物及其制备和用途
EP0664127B1 (en) Pharmaceutical compositions containing isoquinoline derivatives
EA001099B1 (ru) Инъекционное лекарственое средство "цитофлавин", обладающее цитопротекторным действием
JP2002536325A (ja) 疾患を治療するためのl−アルギニン基盤の処方およびその使用方法
Wong et al. Stereoselective inhibition of amantadine accumulation by quinine and quinidine in rat renal proximal tubules and cortical slices.
RU2006224C1 (ru) Мембраностабилизирующее и антиоксидантное лекарственное средство "рикавит"
RU2267319C2 (ru) Фармацевтическая композиция и способ лечения синдрома хронической усталости с ее использованием
Akintonwa et al. The toxicological effects of pure dietary adenine base in the rat
EP2855487A1 (en) Compounds for the treatment of ischemia-reperfusion- related diseases
Zimm et al. Modulation of thiopurine cytotoxicity in the HL-60 cell line by physiological concentrations of hypoxanthine
Litwin et al. Sodium o-iodobenzoate and hemoglobin-oxygen affinity: in vivo effects
Folkers The impact of natural product chemistry on medicine