JPH07149581A - セラミック多孔体及びその製造方法 - Google Patents

セラミック多孔体及びその製造方法

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JPH07149581A
JPH07149581A JP31731193A JP31731193A JPH07149581A JP H07149581 A JPH07149581 A JP H07149581A JP 31731193 A JP31731193 A JP 31731193A JP 31731193 A JP31731193 A JP 31731193A JP H07149581 A JPH07149581 A JP H07149581A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 内部連通空間2を有する三次元網状骨格構造
をなし、空洞部3を有するセラミック多孔体1におい
て、その表面部5のセラミック格子4が、格子4を形成
するリング状の主骨格層6と、主骨格層6を被覆し、か
つ表面側が裏面側より厚肉の補強層7とからなるセラミ
ック多孔体、及び、内部連通空間を有する三次元網状骨
格構造の合成樹脂発泡体をセラミック泥漿に浸漬して合
成樹脂発泡体にセラミック泥漿を付着させた後、余剰泥
漿を除去し、次いで乾燥し、焼成して三次元網状骨格構
造のセラミック多孔体を得る。セラミック多孔体基体の
表面に、粘度が5〜40ポイズ、チクソトロピック指数
が1.5〜5であるセラミック泥漿をスプレー塗布し、
乾燥、焼成することを特徴とする。 【効果】 表面強度が高く、格子骨格の欠けが極めて少
ない上、圧力損失が少なく、このため溶融金属濾過等の
フィルターとして好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属中の介在物を
除去、精製するためのセラミックフィルター等として好
適に用いられるセラミック多孔体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】非鉄、
鋳鉄等の鋳造時、溶融金属中の介在物除去、精製に三次
元網状骨格構造のセラミック多孔体を使用することは、
例えば特開昭51−142162号公報等に示されてい
るように公知である。
【0003】このようなセラミック多孔体の製造は、一
般にセル膜のない軟質ポリウレタンフォーム等の内部連
通空間を有する三次元網状骨格構造の合成樹脂発泡体を
セラミック泥漿に浸漬して合成樹脂発泡体にセラミック
泥漿を付着させた後、余剰泥漿を除去し、次いで乾燥
し、焼成して得るものである。この場合、この発泡体の
格子表面に付着したセラミック泥漿が焼成されることに
より、セラミック多孔体の格子を形成すると共に、この
焼成の間に発泡体が焼失することにより、セラミック多
孔体のセラミック格子は内部に空洞が形成された状態と
なるものである。
【0004】ところで、上記のセラミック多孔体の製造
においては、余剰泥漿を除去する方法として、コスト的
に有利なロールによる圧縮方法を用いているのが一般的
である。
【0005】しかしながら、ロール圧縮方法は、骨格が
太くならず、特に合成樹脂発泡体の表面部は、ロールで
直接こすれるため、合成樹脂発泡体表面部に対するセラ
ミック泥漿の付着量が薄く、場合によっては該発泡体表
面部の骨格の頂稜部には付着しない箇所もあり、このた
め焼成後、セラミック多孔体表面部に合成樹脂発泡体の
消失孔が見られ、表面強度が悪いという問題がある。
【0006】この対策として、ロール間隙を広くする方
法が考えられるが、十分に余剰泥漿を除くことができな
いので、目づまり部のみが増え、湯流れ性不良になり、
しかも、ロールと接触する部分、即ち表面部はいずれに
しても上記と同様の現象を呈し、十分な改善はなされな
い。
【0007】このような表面部の強度が弱いセラミック
多孔体は、梱包して輸送する場合、輸送の振動で骨格に
欠けが生じ、ユーザー先に届いた時には梱包箱内にかな
りの骨格片が見られ、このようなセラミック多孔体内部
に、欠けた骨格が含まれている場合は、使用前に圧縮エ
アーで骨格片を除去してからフィルター材として使用す
る必要があるが、この操作を行っても欠けた骨格を取り
除くには不十分で、時として鋳造製品中へ流れ出し、鋳
造品が不良品となることもあった。
【0008】また、セラミック多孔体を溶融金属の濾過
に使用する場合、第1に要求されることは、溶融金属の
衝撃に対する耐抗力であり、表面部の強度が弱いセラミ
ック多孔体は、この耐抗力が不十分であった。
【0009】そのため、骨格を太くすればこのような問
題点が少なくなることは十分に考えられるが、従来法で
は骨格を太くすれば湯流れ性が悪くなり、しかもコスト
も高くなるものであった。例えば、セラミックスラリー
に合成樹脂発泡体を含浸後、遠心分離で余剰泥漿を除去
する方法があり、この方法では太い骨格で鋭角部もない
セラミック多孔体を得ることができるが、一回での付着
量が少なく、そのため含浸−遠心分離−乾燥の工程を4
〜5回繰り返す必要があり、工数がかかってコストの増
大を招いていた。しかも、この遠心分離法では、セラミ
ック多孔体の全体の骨格が太くなるため、かさ比重を大
きくすると、骨はより太くなり、空隙部が減り、圧力損
失が増大するという問題点がある。
【0010】一方、鋳鉄の機械的性質の改善、組織均一
化等の高品質化のために、鋳造の際、銅、珪素等の接種
剤が用いられ、機械的性質の改善を目的とした場合、取
鍋内の溶湯中に接種剤を添加してから鋳造を行ってい
る。この場合、鋳造初期には接種の効果がみられるが、
時間と共にその効果は急激に失われるため、2次接種を
行うのが一般的である。このため、溶湯温度の低下が避
けられず、湯流れ不良を起こすこともあった。この場
合、もしセラミック多孔体の表面強度が高ければ、接種
剤を直接セラミック多孔体表面上に置くことができ、安
定した品質の鋳造ができることが期待される。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、表面強度が優れ、骨格の欠けが少なく、しかも圧力
損失の少ないセラミック多孔体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、内部連通
空間を有する三次元網状骨格構造の合成樹脂発泡体をセ
ラミック泥漿に浸漬して合成樹脂発泡体にセラミック泥
漿を付着させた後、余剰泥漿を除去し、次いで乾燥し、
焼成して三次元網状骨格構造のセラミック多孔体を得る
セラミック多孔体の製造方法において、セラミック泥漿
が付着した合成樹脂発泡体又は焼成後のセラミック多孔
体基体の表面に粘度が5〜40ポイズ、チクソトロピッ
ク指数が1.5〜5であるセラミック泥漿をスプレー塗
布し、乾燥、焼成するなどの方法により、セラミック多
孔体の少なくとも表面部のセラミック格子が、該格子を
形成するリング状の主骨格層と、該主骨格層を被覆して
形成され、かつ該主骨格層の表面側が裏面側より厚肉の
補強層とからなるセラミック多孔体、より具体的には、
上記補強層が、セラミック格子の表面中央位置からそれ
ぞれ両側に120°偏位した位置間の表面側において主
骨格層の厚さの0.2〜2倍の平均厚さを有すると共
に、上記120°偏位位置間の裏面側において主骨格層
の厚さの0〜0.1倍の平均厚さを有するセラミック多
孔体が得られること、このセラミック多孔体は、かさ比
重をそのままにして表面部だけを強化したものであるの
で、表面強度が優れ、骨格の欠けが少なく、しかも圧力
損失が低いことを見い出した。
【0013】即ち、セラミックは、クラックの発生によ
りそのクラックを核として破壊に進展するもので、セラ
ミック骨格が太ければ、クラックを発生させるのにより
大きな力が必要となり、その結果、強度が大きいことに
なる。しかしながら、本発明者はクラックの発生を防止
すれば良いのであるから、中心層の骨格は細くとも、輸
送中の欠け発生によるクラック生成及び鋳湯時の衝撃の
両面からみて必ずしも全体の骨格を太くする必要がな
く、表面部の骨格のみ太くすれば良いと考えた。例え
ば、溶融金属のフィルターとして用いる場合、溶融金属
等の流れ性に関して表面の骨格太さとの関係は、流入側
に関しては表面骨格が太く、鋭角部のないことが有利と
されるが、流入面の裏側まで鋭角部をなくす必要はな
く、むしろ流れ抵抗の上昇の原因となってしまう。逆
に、流出側に関しては、流入面側と逆のことがいえる。
本発明者は、かかる知見に基づき、流れ性の良い骨格形
状のセラミック多孔体を得るため鋭意検討を行った結
果、上記構成のセラミック多孔体が強度と圧力損失とい
うむしろ相反する特性を同時に兼備し、溶融アルミニウ
ムや鋳鉄等のフィルターとして優れた性能を有すること
を知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0014】従って、本発明は、内部連通空間を有する
三次元網状骨格構造をなし、内部に空洞部を有するセラ
ミック格子からなるセラミック多孔体において、このセ
ラミック多孔体の少なくとも表面部のセラミック格子
が、該格子を形成するリング状の主骨格層と、該主骨格
層を被覆して形成され、かつ該主骨格層の表面側が裏面
側より厚肉の補強層とからなることを特徴とするセラミ
ック多孔体、及び、内部連通空間を有する三次元網状骨
格構造の合成樹脂発泡体をセラミック泥漿に浸漬して合
成樹脂発泡体にセラミック泥漿を付着させた後、余剰泥
漿を除去し、次いで乾燥し、焼成して三次元網状骨格構
造のセラミック多孔体を得るセラミック多孔体の製造方
法において、セラミック泥漿が付着した合成樹脂発泡体
又は焼成後のセラミック多孔体基体の表面に、粘度が5
〜40ポイズ、チクソトロピック指数が1.5〜5であ
るセラミック泥漿をスプレー塗布し、乾燥、焼成するこ
とを特徴とする上記セラミック多孔体の製造方法を提供
する。
【0015】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のセラミック多孔体は、図1〜4に示すよう
に、内部連通空間2を有する三次元網状骨格構造をな
し、内部に空洞部3を有するセラミック格子4からなる
セラミック多孔体1において、このセラミック多孔体1
の少なくとも表面部5、即ちこのセラミック多孔体1を
溶融金属用フィルターとして用いる場合、溶融金属流入
側のセラミック格子4aを、リング状の主骨格層6と、
補強層7とから形成したものであり、この場合、補強層
7の表面側7aを裏面側7bより厚肉に形成したもので
ある。
【0016】ここで、補強層7の形成は、上述したよう
に少なくとも表面部5に対して行われるものであるが、
必要により裏面部9や側面部10,10に対して行うこ
とができ、特にこのセラミック多孔体1を溶融金属用フ
ィルターとして用いる場合は、裏面部9にも補強層7を
形成することが推奨される。
【0017】また、上記補強層7は、その表面側7aが
裏面側7bより厚肉に形成されているものであり、これ
により表面部の格子4aの頂部11の鋭角部が被覆さ
れ、丸みを帯びて、この点からも表面の強度が向上する
ものであるが、この場合表面側7aは、図3,4に示す
ように、格子4aの表面中央位置(格子4aの中心部を
通り、セラミック多孔体1の表面部方向に対して直交す
る面)Aからそれぞれ両側に120°偏位した位置B,
C間の表面側と定義され、この表面側7aの厚さは上記
主骨格層6の厚さの0.2〜2倍の平均厚さとすること
が好ましく、また上記120°偏位位置B,C間の裏面
側7bの厚さは主骨格層6の厚さの0〜0.1倍の平均
厚さを有することが好ましい。表面側7aの平均厚さが
0.2倍より薄いと上記鋭角部が残り、2倍より厚いと
格子4aが全体的に太くなり過ぎて圧力損失が大きくな
る場合が生じる。一方、裏面側7bの平均厚さが0.1
倍より厚いということは、後述するように表面側よりセ
ラミック泥漿をスプレーするため、表面側が厚くなりす
ぎるものである。
【0018】なお、上記補強層7は、該補強層7を形成
後、格子4aにおいて、鋭角部がなく、凸部が70〜1
00%で、凹部が0〜40%程度とすることが良い。凸
部の割合が70%より低いと、溶湯衝撃により破壊し易
くなる場合がある。
【0019】上記の如きセラミック多孔体は、内部連通
空間を有する三次元網状骨格構造の合成樹脂発泡体をセ
ラミック泥漿に浸漬して合成樹脂発泡体にセラミック泥
漿を付着させた後、余剰泥漿を除去し、次いで乾燥し、
焼成して三次元網状骨格構造のセラミック多孔体を得る
セラミック多孔体の製造方法において、セラミック泥漿
が付着した合成樹脂発泡体又は焼成後のセラミック多孔
体基体の表面に、粘度が5〜40ポイズ、チクソトロピ
ック指数が1.5〜5であるセラミック泥漿をスプレー
塗布し、乾燥、焼成することによって得ることができ
る。
【0020】ここで、本発明で用いる合成樹脂発泡体と
しては、内部連通空間を有する三次元網状骨格構造を有
すればいずれのものでも良く、例えば軟質ポリウレタン
フォーム、特にセル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
を好適に使用することができる。この場合、網状度合い
を表す空孔数(セル数)は、通常この種の用途に使用さ
れる範囲で選択することができ、特に制限されない。
【0021】次に、本発明で用いるセラミック泥漿は、
セラミック粉末を水に懸濁したスラリーで、通常セラミ
ック多孔体の製造に使用されているものを使用すること
ができる。泥漿特性としては、弱いチクソトロピック性
を示すものが良く、酸化物、非酸化物の種類を問わな
い。好適に使用される酸化物セラミックとしては、例え
ばアルミナ、コーディライト、ムライト、ジルコニアな
どが挙げられ、非酸化物セラミックとしては、例えば炭
化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。また、泥漿作
成に関し、必要により泥漿特性を調整する解膠剤、水性
高分子等を添加することができる。
【0022】このセラミック泥漿に上記合成樹脂発泡体
を浸漬し、セラミック泥漿を合成樹脂発泡体に付着さ
せ、次いで余剰泥漿を除去する方法は、特に制限されな
いが、余剰泥漿を除去する方法として、生産性からロー
ル等を用いて圧縮する方法を好適に採用することができ
る。
【0023】一般には、余剰泥漿を除去した合成樹脂発
泡体を、引き続き乾燥し、焼成するが、本発明において
は、余剰泥漿を除去後、乾燥後、又は焼成後にセラミッ
ク泥漿をスプレー塗布して多孔体表面を処理する。
【0024】この場合、スプレーするセラミック泥漿と
しては、セラミック成分を格子骨格セラミック(主骨格
層)と同成分とすることが好ましく、ないしは格子骨格
セラミックの熱膨張係数との差が18%以内のセラミッ
ク成分からなる泥漿を用いることが良い。熱膨張係数の
差が18%を超えるセラミック成分を使用すると、焼成
後、スプレーしたセラミック表面にクラックが発生する
場合がある(特開平5−51278号公報参照)。
【0025】また、スプレー塗布する対象としては、余
剰泥漿除去後の濡れた状態の合成樹脂発泡体、もしくは
乾燥後の合成樹脂発泡体又は焼成後のセラミック多孔体
であるが、好ましいのは乾燥後又は焼成後である。特
に、余剰泥漿除去後、表面を乾燥させたものが好適であ
る。余剰泥漿を除去した直後の濡れた状態では、基本と
なる泥漿とスプレーした泥漿とが同化し易く、そのため
粘度やチクソ性を高くしなければ表面の格子が上述した
ような骨格とならず、効率が悪い場合がある。
【0026】スプレー塗布するセラミック泥漿特性とし
ては、25℃での粘度が5〜40ポイズ、特に8〜30
ポイズである。5ポイズより粘度が低いと、スプレーし
ても粘性が小さいため、吹きつけられた泥漿が格子骨格
表面にとどまらずに流れ落ちるおそれがあり、場合によ
っては基材に付着していたセラミック成分を剥離させて
しまうおそれがある。一方、40ポイズを超えると、ス
プレー操作が困難であり、スプレーノズルの目づまりを
招くおそれがある。また、このセラミック泥漿のチクソ
トロピック指数は、1.5〜5の範囲、特に2〜4の範
囲である。この値が1.5より小さいと、粘度が大きく
てもスプレーした際に吹きつけた箇所にとどまらずに流
れ落ちてしまう場合があり、5を超えると、流れ性が不
良で、そのまま付着するが、沈積状態となり、焼成後突
起物として残ってしまう場合がある。このような泥漿特
性は必要によりポリアクリル酸系の増粘剤、解膠剤、及
び酸、アルカリ剤を加えて調整することができる。
【0027】なお、チクソトロピック指数とは、この値
をηrとすると、25℃における回転粘度計による6r
pmと60rpmとの粘度の比である。
【0028】ηr=η6rpm/η60rpm
【0029】スプレー塗布する方法は、特に制限されな
いが、スプレーの投影方向を多孔体表面に対して該表面
に直交する面からそれぞれ両側に30〜60°偏位した
位置間の範囲で行うことが好ましい。これによって表面
部の格子を上述した構造とすることができる。また、ス
プレー塗布する箇所は、多孔体全表面でも良く、フィル
ターとして用いる場合には流体の流れ方向側の面に行っ
ても良い。特に、余剰泥漿を除去する方法としてロール
等の圧縮法を採用した場合、ロールの接触面は上述した
ように泥漿が付着していない場合があるので、ロール接
触面をスプレー塗布することが好ましい。
【0030】スプレーの塗布量は、表面部格子が上述し
た構造となる量であり、具体的には乾燥重量換算で0.
03〜0.2g/cm2、特に0.05〜0.18g/
cm2の範囲が好ましい。塗布量が0.03g/cm2
り少ないと表面部の格子に鋭角部が残り、0.2g/c
2より大くすると、編み目を形成する格子骨格が太く
なり過ぎて目開きを封じてしまう場合がある。
【0031】なお、スプレー塗布した場合、セラミック
泥漿は表面部の格子に主として付着し、2層目、3層目
と内部に行くに従い付着量が少なくなり、本発明におい
ては、表面部の格子が上述した構造となればよいが、内
部に塗布されていても本発明の目的を損わない範囲で差
し支えない。
【0032】スプレー塗布した後、通常と同様に乾燥
し、焼成することによって、本発明のセラミック多孔体
を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。なお、下記の例において、部は重量部を示す。
【0034】[実施例1]次のようにセラミック泥漿が
付着した合成樹脂発泡体を得た。まず、炭化ケイ素75
部、アルミナ10部、木節粘土5部、第1リン酸アルミ
ニウム10部に水11部を加えてセラミック泥漿を作成
した。このセラミック泥漿の粘度は160ポイズであっ
た。
【0035】この泥漿に縦横が75mmで厚さが22m
m、セル数が6個/インチの三次元網状骨格構造を有す
る軟質ポリウレタンフォームを浸漬した。浸漬後、ロー
ルを用いて余剰泥漿を除去した。この時の付着量は、か
さ比重で0.40(焼成後換算0.32)とした。外観
は、目づまりが見られず、また、泥漿の付着した表面骨
格は鋭角であった。
【0036】その後、60℃で1分間乾燥を行って、表
面を乾燥し、次いで、スプレー塗布を行った。
【0037】まず、上記泥漿を水で希釈して20ポイズ
にした。この泥漿のチクソトロピック指数は3.4であ
った。この泥漿を自由落下式のスプレー(イワタW7
7、ノズル径1.5)を用いて、上記セラミック泥漿が
付着した合成樹脂発泡体の表裏に塗布量0.1g/cm
2の割合で吹きつけた。その後、60℃で16時間乾燥
し、1300℃で焼成した。焼成後の表面骨格は凸状に
形成され、その凸部は格子のほぼ90%であった。
【0038】[実施例2]スプレー工程で泥漿粘度を1
0ポイズ、チクソトロピック指数を2.9とした以外は
実施例1と同様にしてセラミック多孔体を得た。
【0039】[実施例3]スプレー工程で泥漿粘度を3
0ポイズ、チクソトロピック指数を4.5とした以外は
実施例1と同様にしてセラミック多孔体を得た。
【0040】[比較例1、2、3]スプレー工程を行わ
ない以外は実施例1と同様にしてセラミック多孔体を得
た。この場合、ロール間隙を調整して余剰泥漿除去後の
かさ比重をそれぞれ0.45(比較例1)、0.35
(比較例2)、0.41(比較例3)とした。
【0041】[実施例4]セラミック泥漿が付着した合
成樹脂発泡体を実施例1と同様に作成した。このセラミ
ック泥漿にアルミナ10部を加えてから水を加えて粘度
を11ポイズ、チクソトロピック指数を2.4にし、こ
の泥漿を実施例1と同様に自由落下式のスプレーで吹き
つけた。吹きつけ量は0.15g/cm2とした。次い
で、60℃で16時間乾燥し、1300℃で焼成した。
【0042】この場合、セラミック多孔体の骨格をなす
セラミック(主骨格層)の室温から1000℃までの平
均熱膨張係数は6.3×10-6、スプレー塗布部のセラ
ミック(補強層)は同じく6.5×10-6であった。
【0043】[比較例4]実施例1において、スプレー
用泥漿粘度を20ポイズから45ポイズに、チクソトロ
ピック指数を3.4から4.5にした以外は、実施例1
と同様にしてセラミック多孔体を得た。
【0044】[比較例5]実施例1において、スプレー
用泥漿粘度を20ポイズから3ポイズに、チクソトロピ
ック指数を3.4から1.7にした以外は、実施例1と
同様にしてセラミック多孔体を得た。
【0045】得られたセラミック多孔体の評価を下記の
ように行った。 <骨格厚み>スプレー処理したサンプルを切断し、骨格
中心より0°(表面側中央)、60°、320°の平均
厚みを測定してこの値をAとし、また骨格中心より15
0°、270°の平均厚みを測定してこの値をA’とし
た。
【0046】一方、スプレー処理しないサンプルも同様
に平均厚みを測定し、上記Aに相当する部分の平均厚み
をB、上記A’に相当する部分の平均厚みをB’とし、
A/BとA’/B’の値を求めた。これは表面側と裏面
側との骨格厚みの差を表すものである。 <剥離テスト>サンプルの表裏両面に粘着テープ(商品
名テラオカテープ,(株)寺岡製作所製)を貼り、次い
でサンプルから引き剥し、これらの粘着テープに付着し
た剥離骨格の5平方センチ当りの重量を求めた。 <圧力損失>縦横75mm、厚さ22mmのサンプルか
ら40mm径の円柱を切り出し、風速20mm/sでの
圧力損失を求めた。 <曲げ強度>ロール圧縮の際の合成樹脂発泡体の進行方
向に沿って、縦横75mm、厚さ22mmのサンプルの
両側を切断して幅35mm、長さ75mm、厚さ25m
mのサンプルを切り出した。このサンプルについて、ス
パン60、クロスヘッドスピード10mm/minでの
3点曲げ強度を測定した。
【0047】これらの結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果より、本発明のセラミック多孔
体は、本発明の補強層を有さないものに比較して、かさ
比重が同等であっても表面骨格の剥離が非常に少ないと
共に、圧力損失が同等であり、曲げ強度も改善されてい
ることが認められる(実施例1と比較例3、実施例2と
比較例2、実施例3と比較例1)。かさ比重に対する圧
力損失、かさ比重に対する曲げ強度をプロットしたもの
をそれぞれ図5、図6に示す。これらの図から圧力損失
を変えずに強度を向上させることが認められる。更に、
スプレー塗布するセラミック泥漿の泥漿特性が好ましい
範囲を外れると、本発明のセラミック多孔体が得られな
いことも認められる(比較例4、5)。
【0050】
【発明の効果】本発明のセラミック多孔体は、表面強度
が高く、格子骨格の欠けが極めて少ない上、圧力損失が
少なく、このため溶融金属濾過等のフィルターとして好
適である。
【0051】また、本発明のセラミック多孔体の製造方
法によれば、圧力損失を高めずに表面強度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック多孔体の一例を示す側面図
である。
【図2】同例の拡大側面図である。
【図3】同例の表面部格子の拡大断面図である。
【図4】本発明のセラミック多孔体の他の例を示す表面
部格子の拡大断面図である。
【図5】実施例と比較例のかさ比重に対して曲げ強度を
プロットしたグラフである。
【図6】実施例と比較例のかさ比重に対して圧力損失を
プロットしたグラフである。
【符号の説明】
1 セラミック多孔体 2 内部連通空間 3 空洞部 4 セラミック格子 5 表面部 6 主骨格層 7 補強層 A 表面中央位置 B 表面中央位置から120°偏位した一方の位置 C 表面中央位置から120°偏位した他方の位置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部連通空間を有する三次元網状骨格構
    造をなし、内部に空洞部を有するセラミック格子からな
    るセラミック多孔体において、このセラミック多孔体の
    少なくとも表面部のセラミック格子が、該格子を形成す
    るリング状の主骨格層と、該主骨格層を被覆して形成さ
    れ、かつ該主骨格層の表面側が裏面側より厚肉の補強層
    とからなることを特徴とするセラミック多孔体。
  2. 【請求項2】 補強層が、セラミック格子の表面中央位
    置からそれぞれ両側に120°偏位した位置間の表面側
    において主骨格層の厚さの0.2〜2倍の平均厚さを有
    すると共に、上記120°偏位位置間の裏面側において
    主骨格層の厚さの0〜0.1倍の平均厚さを有する請求
    項1記載のセラミック多孔体。
  3. 【請求項3】 内部連通空間を有する三次元網状骨格構
    造の合成樹脂発泡体をセラミック泥漿に浸漬して合成樹
    脂発泡体にセラミック泥漿を付着させた後、余剰泥漿を
    除去し、次いで乾燥し、焼成して三次元網状骨格構造の
    セラミック多孔体を得るセラミック多孔体の製造方法に
    おいて、セラミック泥漿が付着した合成樹脂発泡体又は
    焼成後のセラミック多孔体基体の表面に、粘度が5〜4
    0ポイズ、チクソトロピック指数が1.5〜5であるセ
    ラミック泥漿をスプレー塗布し、乾燥、焼成することを
    特徴とする請求項1記載のセラミック多孔体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006122829A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Sanki Gomme Kk セラミックフィルタエレメント及びその製造方法
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