JPH0551278A - セラミツク多孔体 - Google Patents
セラミツク多孔体Info
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- JPH0551278A JPH0551278A JP3237433A JP23743391A JPH0551278A JP H0551278 A JPH0551278 A JP H0551278A JP 3237433 A JP3237433 A JP 3237433A JP 23743391 A JP23743391 A JP 23743391A JP H0551278 A JPH0551278 A JP H0551278A
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- Japan
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- porous body
- ceramic
- layer
- thermal expansion
- ceramic porous
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Abstract
(57)【要約】
【構成】 内部連通空間を有する3次元網状構造をなし
たセラミック多孔体において、セラミック多孔体主体を
炭化ケイ素にて形成すると共に、このセラミック多孔体
主体の骨格に該主体の熱膨張係数の18%以内の熱膨張
係数を有するようにアルミナ及び炭化ケイ素含有第1セ
ラミック層を形成し、かつこの第1セラミック層上にそ
の熱膨張係数の18%以内の熱膨張係数を有するアルミ
ナ層を形成してなることを特徴とする、鋳物の濾過に使
用されるセラミック多孔体を提供する。 【効果】 本発明のセラミック多孔体は、鋳物、特に鋳
鉄の濾過に使用され、100kg以上の大容量の鋳鉄を
1400℃以上の高温で20秒以上の時間をかけて濾過
しても溶損が生じないものである。
たセラミック多孔体において、セラミック多孔体主体を
炭化ケイ素にて形成すると共に、このセラミック多孔体
主体の骨格に該主体の熱膨張係数の18%以内の熱膨張
係数を有するようにアルミナ及び炭化ケイ素含有第1セ
ラミック層を形成し、かつこの第1セラミック層上にそ
の熱膨張係数の18%以内の熱膨張係数を有するアルミ
ナ層を形成してなることを特徴とする、鋳物の濾過に使
用されるセラミック多孔体を提供する。 【効果】 本発明のセラミック多孔体は、鋳物、特に鋳
鉄の濾過に使用され、100kg以上の大容量の鋳鉄を
1400℃以上の高温で20秒以上の時間をかけて濾過
しても溶損が生じないものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳物用、特に鋳鉄用の濾
過材として好適に用いられるセラミック多孔体に関す
る。
過材として好適に用いられるセラミック多孔体に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、内部連通空間を有する3次元網状構造をなしたセラ
ミック多孔体(セラミックフォーム)を鋳鉄等の溶融金
属より不純物を除去するための濾過材として使用するこ
とは知られている。この場合、鋳鉄の不純物を濾過によ
り除去するためのセラミック多孔体としては、耐熱衝撃
性の良い炭化ケイ素をセラミック原料として使用するこ
とが有効である。
り、内部連通空間を有する3次元網状構造をなしたセラ
ミック多孔体(セラミックフォーム)を鋳鉄等の溶融金
属より不純物を除去するための濾過材として使用するこ
とは知られている。この場合、鋳鉄の不純物を濾過によ
り除去するためのセラミック多孔体としては、耐熱衝撃
性の良い炭化ケイ素をセラミック原料として使用するこ
とが有効である。
【0003】しかし、炭化ケイ素製のセラミック多孔体
を鋳鉄用濾過材とした場合、鋳鉄量が少なく、鋳鉄温度
を低くして短時間で濾過する場合はセラミック多孔体に
溶損が生じ難いが、鋳鉄温度を1400℃以上に上げ、
大容量の鋳鉄を濾過しようとすると炭化ケイ素が鋳鉄と
反応し、セラミック多孔体が溶損するため、炭化ケイ素
製セラミック多孔体は大容量の鋳鉄をより時間をかけて
濾過する用途には使用することができない。
を鋳鉄用濾過材とした場合、鋳鉄量が少なく、鋳鉄温度
を低くして短時間で濾過する場合はセラミック多孔体に
溶損が生じ難いが、鋳鉄温度を1400℃以上に上げ、
大容量の鋳鉄を濾過しようとすると炭化ケイ素が鋳鉄と
反応し、セラミック多孔体が溶損するため、炭化ケイ素
製セラミック多孔体は大容量の鋳鉄をより時間をかけて
濾過する用途には使用することができない。
【0004】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、大容量の鋳鉄をより長時間濾過する場合でも
溶損が生じ難く、従って鋳物用濾過材として適したセラ
ミック多孔体を提供することを目的とする。
たもので、大容量の鋳鉄をより長時間濾過する場合でも
溶損が生じ難く、従って鋳物用濾過材として適したセラ
ミック多孔体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記目的を達成するため鋭意検討を行い、耐熱衝撃性に優
れた炭化ケイ素をセラミック多孔体主体とし、鉄との反
応性が炭化ケイ素より低いアルミナを用いて炭化ケイ素
からなるセラミック多孔体主体の骨格をアルミナでコー
ティングすることを試みた。
記目的を達成するため鋭意検討を行い、耐熱衝撃性に優
れた炭化ケイ素をセラミック多孔体主体とし、鉄との反
応性が炭化ケイ素より低いアルミナを用いて炭化ケイ素
からなるセラミック多孔体主体の骨格をアルミナでコー
ティングすることを試みた。
【0006】しかし、1400℃以上の高温の鋳鉄を2
0秒以上で100kg以上の大容量濾過する場合は、溶
損が生じ、この原因は、炭化ケイ素からなるセラミック
多孔体主体にアルミナコーティングを施した場合、クラ
ックが発生することによるためと思われた。
0秒以上で100kg以上の大容量濾過する場合は、溶
損が生じ、この原因は、炭化ケイ素からなるセラミック
多孔体主体にアルミナコーティングを施した場合、クラ
ックが発生することによるためと思われた。
【0007】このため、本発明者は更に検討を続けた結
果、炭化ケイ素からなるセラミック多孔体主体の骨格に
対しアルミナ層を形成する場合、アルミナと炭化ケイ素
を含有し、セラミック多孔体主体の熱膨張係数の18%
以内で、かつアルミナの熱膨張係数の18%以内のセラ
ミック層を介在させることにより、クラックのないセラ
ミック多孔質が得られ、大容量の鋳鉄を1400℃以上
の高温で20秒以上の長時間濾過した場合でも溶損がな
く、セラミック多孔体に変化が生じないことを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
果、炭化ケイ素からなるセラミック多孔体主体の骨格に
対しアルミナ層を形成する場合、アルミナと炭化ケイ素
を含有し、セラミック多孔体主体の熱膨張係数の18%
以内で、かつアルミナの熱膨張係数の18%以内のセラ
ミック層を介在させることにより、クラックのないセラ
ミック多孔質が得られ、大容量の鋳鉄を1400℃以上
の高温で20秒以上の長時間濾過した場合でも溶損がな
く、セラミック多孔体に変化が生じないことを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0008】従って、本発明は、内部連通空間を有する
3次元網状構造をなしたセラミック多孔体において、セ
ラミック多孔体主体を炭化ケイ素にて形成すると共に、
このセラミック多孔体主体の骨格に該主体の熱膨張係数
の18%以内の熱膨張係数を有するようにアルミナ及び
炭化ケイ素含有第1セラミック層を形成し、かつこの第
1セラミック層上にその熱膨張係数の18%以内の熱膨
張係数を有するアルミナ層を形成してなることを特徴と
する、鋳物、特に鋳鉄の濾過材として好適に使用される
セラミック多孔体を提供するものである。
3次元網状構造をなしたセラミック多孔体において、セ
ラミック多孔体主体を炭化ケイ素にて形成すると共に、
このセラミック多孔体主体の骨格に該主体の熱膨張係数
の18%以内の熱膨張係数を有するようにアルミナ及び
炭化ケイ素含有第1セラミック層を形成し、かつこの第
1セラミック層上にその熱膨張係数の18%以内の熱膨
張係数を有するアルミナ層を形成してなることを特徴と
する、鋳物、特に鋳鉄の濾過材として好適に使用される
セラミック多孔体を提供するものである。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のセラミック多孔体は、セラミック多孔体主
体を炭化ケイ素により形成する。この場合、このセラミ
ック多孔体主体は、内部連通空間を有する3次元網状構
造をなしており、これは特にセル膜のない軟質ポリウレ
タンフォームを炭化ケイ素を含むスラリーに浸漬し、余
剰のスラリーを除去し、乾燥後、焼成することにより得
ることができる。この場合、炭化ケイ素としては、粒度
が50μm以下、特に20〜30μmのものを使用する
ことが好ましい。粒度が50μmより大きいものを使用
すると、鋳鉄濾過に使用した場合、セラミック多孔体に
一部溶損が生じる場合がある。
と、本発明のセラミック多孔体は、セラミック多孔体主
体を炭化ケイ素により形成する。この場合、このセラミ
ック多孔体主体は、内部連通空間を有する3次元網状構
造をなしており、これは特にセル膜のない軟質ポリウレ
タンフォームを炭化ケイ素を含むスラリーに浸漬し、余
剰のスラリーを除去し、乾燥後、焼成することにより得
ることができる。この場合、炭化ケイ素としては、粒度
が50μm以下、特に20〜30μmのものを使用する
ことが好ましい。粒度が50μmより大きいものを使用
すると、鋳鉄濾過に使用した場合、セラミック多孔体に
一部溶損が生じる場合がある。
【0010】ここで、このセラミック多孔体主体は、特
に鋳鉄用濾過材としての用途の点から、空孔数4〜20
個/25mm、特に6〜13個/25mm、かさ比重
0.4〜0.6、特に0.45〜0.55のものが好適
である。空孔数が4個/25mmより少ないと不純物の
除去性(濾過性)が十分でない場合が生じ、20個/2
5mmより多いとセラミック層をコーティングした場合
に目詰りが多くなる場合が生じる。また、かさ比重が
0.4より小さいと溶湯に対して強度不足が生じること
があり、0.6より大きいとセラミック層をコーティン
グした場合に目詰りが多くなる場合が生じる。
に鋳鉄用濾過材としての用途の点から、空孔数4〜20
個/25mm、特に6〜13個/25mm、かさ比重
0.4〜0.6、特に0.45〜0.55のものが好適
である。空孔数が4個/25mmより少ないと不純物の
除去性(濾過性)が十分でない場合が生じ、20個/2
5mmより多いとセラミック層をコーティングした場合
に目詰りが多くなる場合が生じる。また、かさ比重が
0.4より小さいと溶湯に対して強度不足が生じること
があり、0.6より大きいとセラミック層をコーティン
グした場合に目詰りが多くなる場合が生じる。
【0011】本発明は、上記セラミック多孔体主体の骨
格表面にアルミナ及び炭化ケイ素含有第1セラミック層
を形成する。この第1セラミック層は、その熱膨張係数
α1がセラミック多孔体主体の熱膨張係数α0の18%以
内、より好ましくは15%以内であり、かつ後述するア
ルミナ層の熱膨張係数α2の18%以内、より好ましく
は15%以内であるように形成される。ここで、熱膨張
係数の比は25〜1000℃における比較であり、セラ
ミック多孔体主体と第1セラミック層との熱膨張係数の
比は100×(α1−α0)/α0とによって求められ、
第1セラミック層とアルミナ層との熱膨張係数の比は1
00×(α2−α1)/α1によって求められる。
格表面にアルミナ及び炭化ケイ素含有第1セラミック層
を形成する。この第1セラミック層は、その熱膨張係数
α1がセラミック多孔体主体の熱膨張係数α0の18%以
内、より好ましくは15%以内であり、かつ後述するア
ルミナ層の熱膨張係数α2の18%以内、より好ましく
は15%以内であるように形成される。ここで、熱膨張
係数の比は25〜1000℃における比較であり、セラ
ミック多孔体主体と第1セラミック層との熱膨張係数の
比は100×(α1−α0)/α0とによって求められ、
第1セラミック層とアルミナ層との熱膨張係数の比は1
00×(α2−α1)/α1によって求められる。
【0012】上記熱膨張係数の比がそれぞれ18%を超
える場合は、得られるセラミック多孔体にクラックが生
じ、鋳鉄濾過時にセラミック多孔体が溶損するため、本
発明の目的が達成し得ない。
える場合は、得られるセラミック多孔体にクラックが生
じ、鋳鉄濾過時にセラミック多孔体が溶損するため、本
発明の目的が達成し得ない。
【0013】上記第1セラミック層は、アルミナと炭化
ケイ素、更に必要により粘土やポリアクリル酸などを配
合したスラリーを上記セラミック多孔体主体の骨格に付
着することにより形成し得る。ここで、これら成分の割
合は、焼成温度で出発原料と同じ結晶を保っていれば、
熱膨張係数もほぼ加成性が成り立つので、この加成性を
利用してスラリーの成分組成及び熱膨張係数を調整する
ことができるが、通常アルミナと炭化ケイ素との比率と
して、アルミナは70.9〜24.7%、炭化ケイ素は
29.1〜75.3%含むことが好適である。
ケイ素、更に必要により粘土やポリアクリル酸などを配
合したスラリーを上記セラミック多孔体主体の骨格に付
着することにより形成し得る。ここで、これら成分の割
合は、焼成温度で出発原料と同じ結晶を保っていれば、
熱膨張係数もほぼ加成性が成り立つので、この加成性を
利用してスラリーの成分組成及び熱膨張係数を調整する
ことができるが、通常アルミナと炭化ケイ素との比率と
して、アルミナは70.9〜24.7%、炭化ケイ素は
29.1〜75.3%含むことが好適である。
【0014】次に、本発明は、上記第1セラミック層上
にアルミナ層を形成する。このアルミナ層はアルミナス
ラリーを用いて形成される。
にアルミナ層を形成する。このアルミナ層はアルミナス
ラリーを用いて形成される。
【0015】従って、本発明のセラミック多孔体は、セ
ラミック多孔体の骨格表面に第1セラミック層が形成さ
れ、その上にアルミナ層が形成された2層コーティング
構造を有するが、かかるセラミック多孔体を製造する好
適な方法は、セル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
に、セラミック多孔体主体を形成し得る炭化ケイ素含有
スラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、乾燥した
後、第1セラミック層を形成し得るアルミナと炭化ケイ
素を含むスラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、乾
燥し、更にアルミナ層(第2セラミック層)を形成し得
るアルミナスラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、
乾燥し、このようにセル膜のない軟質ポリウレタンフォ
ームに各スラリーの乾燥物をコーティングした後、焼成
することが好ましい。この際、焼成条件としては、昇
温、降温とも50℃/時間以下、特に40℃/時間以下
とすることが好ましい。50℃/時間より昇温、降温速
度が早くなると、セラミック多孔体にクラックが生じる
場合がある。
ラミック多孔体の骨格表面に第1セラミック層が形成さ
れ、その上にアルミナ層が形成された2層コーティング
構造を有するが、かかるセラミック多孔体を製造する好
適な方法は、セル膜のない軟質ポリウレタンフォーム
に、セラミック多孔体主体を形成し得る炭化ケイ素含有
スラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、乾燥した
後、第1セラミック層を形成し得るアルミナと炭化ケイ
素を含むスラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、乾
燥し、更にアルミナ層(第2セラミック層)を形成し得
るアルミナスラリーを付着し、余剰スラリーを除去し、
乾燥し、このようにセル膜のない軟質ポリウレタンフォ
ームに各スラリーの乾燥物をコーティングした後、焼成
することが好ましい。この際、焼成条件としては、昇
温、降温とも50℃/時間以下、特に40℃/時間以下
とすることが好ましい。50℃/時間より昇温、降温速
度が早くなると、セラミック多孔体にクラックが生じる
場合がある。
【0016】なお、上記第1セラミック層及びアルミナ
層の合計コーティング量はセラミック多孔体主体に対し
10〜20%とすることが好ましい。10%未満ではコ
ーティング量が不足し、鋳鉄を濾過した際に溶損が生じ
る場合があり、20%を超えると、セラミック多孔体に
目詰りが生じ、鋳鉄を濾過した際の濾過時間が長くなる
ことがあり、またクラックも生じ、溶損が生じる場合が
ある。この場合、第1セラミック層とアルミナ層とのコ
ーティング割合は、重量比で30:70〜70:30、
特に40:60〜60:40とすることが好ましい。
層の合計コーティング量はセラミック多孔体主体に対し
10〜20%とすることが好ましい。10%未満ではコ
ーティング量が不足し、鋳鉄を濾過した際に溶損が生じ
る場合があり、20%を超えると、セラミック多孔体に
目詰りが生じ、鋳鉄を濾過した際の濾過時間が長くなる
ことがあり、またクラックも生じ、溶損が生じる場合が
ある。この場合、第1セラミック層とアルミナ層とのコ
ーティング割合は、重量比で30:70〜70:30、
特に40:60〜60:40とすることが好ましい。
【0017】本発明のセラミック多孔体は、特に鋳鉄の
濾過材として有効に使用されるが、本発明のセラミック
多孔体によれば、100kg以上の大容量の鋳鉄を14
00℃以上、とりわけ1450℃以上の高温で濾過する
ことができ、かかる苛酷な条件で濾過を行なってもセラ
ミック多孔体に溶損が生じることがない。
濾過材として有効に使用されるが、本発明のセラミック
多孔体によれば、100kg以上の大容量の鋳鉄を14
00℃以上、とりわけ1450℃以上の高温で濾過する
ことができ、かかる苛酷な条件で濾過を行なってもセラ
ミック多孔体に溶損が生じることがない。
【0018】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において、部は重量部、%
は重量%を示す。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において、部は重量部、%
は重量%を示す。
【0019】[実施例1] A.セラミック多孔体主体となるセラミックスラリー付
着フォームの作成 熱膨張係数5.5×10-6,粒度30μmの炭化ケイ素
80部に粘土20部及び水20部とカルボキシル基変性
ポリアクリル酸5部を加え、スラリーとした。このスラ
リーに空孔数6個/25mmのセル膜のないポリウレタ
ンフォームを浸漬し、スラリーが付着したポリウレタン
フォームをロール間(ロール間隙はポリウレタンフォー
ム厚さの20%)に通して余剰のスラリーを除去した
後、60℃で乾燥した。
着フォームの作成 熱膨張係数5.5×10-6,粒度30μmの炭化ケイ素
80部に粘土20部及び水20部とカルボキシル基変性
ポリアクリル酸5部を加え、スラリーとした。このスラ
リーに空孔数6個/25mmのセル膜のないポリウレタ
ンフォームを浸漬し、スラリーが付着したポリウレタン
フォームをロール間(ロール間隙はポリウレタンフォー
ム厚さの20%)に通して余剰のスラリーを除去した
後、60℃で乾燥した。
【0020】得られたフォームのかさ比重は0.48で
あった。なお、このフォームを焼成した場合の熱膨張係
数(α0)は6.3×10-6となる。 B.第1層コーティング 熱膨張係数5.5×10-6,粒度30μmの炭化ケイ素
80部、粘土20部、熱膨張係数7.9×10-6のアル
ミナ100部をカルボキシ基変性ポリアクリル酸20%
の水溶液800部に加え、スラリーを調製した。このス
ラリーにAで作成したフォームを含浸させ、余剰のスラ
リーを除去し、60℃で乾燥した。
あった。なお、このフォームを焼成した場合の熱膨張係
数(α0)は6.3×10-6となる。 B.第1層コーティング 熱膨張係数5.5×10-6,粒度30μmの炭化ケイ素
80部、粘土20部、熱膨張係数7.9×10-6のアル
ミナ100部をカルボキシ基変性ポリアクリル酸20%
の水溶液800部に加え、スラリーを調製した。このス
ラリーにAで作成したフォームを含浸させ、余剰のスラ
リーを除去し、60℃で乾燥した。
【0021】得られた第1層コーティングフォームのか
さ比重は0.52であった。また、上記スラリーを乾燥
し、焼成した場合の熱膨張係数(α 1)は7.2×10
-6であり、Aの熱膨張係数α0との比は、(α1−α0)
×100/α0=14.3%である。 C.第2層コーティング 熱膨張係数(α2)7.9×10-6のアルミナ100部
をカルボキシル基変性ポリアクリル酸20%の水溶液9
00部に加え、スラリーを調製し、このスラリーにBの
フォームを含浸し、Bと同様に操作し、かさ比重0.5
7の第2層コーティングフォームを得た。
さ比重は0.52であった。また、上記スラリーを乾燥
し、焼成した場合の熱膨張係数(α 1)は7.2×10
-6であり、Aの熱膨張係数α0との比は、(α1−α0)
×100/α0=14.3%である。 C.第2層コーティング 熱膨張係数(α2)7.9×10-6のアルミナ100部
をカルボキシル基変性ポリアクリル酸20%の水溶液9
00部に加え、スラリーを調製し、このスラリーにBの
フォームを含浸し、Bと同様に操作し、かさ比重0.5
7の第2層コーティングフォームを得た。
【0022】なお、第1層コーティングセラミックの熱
膨張係数α1と第2層コーティングセラミックの熱膨張
係数α2との比は、(α2−α1)×100/α2=8.9
%である。 D.焼成 Cで得られた第2層コーティングフォームを1400℃
まで35時間、1400℃から200℃まで30時間か
けて焼成し、α0が6.3×10-6 のセラミック多孔体
主体上にα1が7.2×10-6 の第1セラミック層が形
成され、更にその上にα2が7.9×10-6 の第2セラ
ミック層が形成されたセラミック多孔体を得た。このセ
ラミック多孔質のかさ比重は0.49であり、目視観察
の結果ではクラックがないものであった。
膨張係数α1と第2層コーティングセラミックの熱膨張
係数α2との比は、(α2−α1)×100/α2=8.9
%である。 D.焼成 Cで得られた第2層コーティングフォームを1400℃
まで35時間、1400℃から200℃まで30時間か
けて焼成し、α0が6.3×10-6 のセラミック多孔体
主体上にα1が7.2×10-6 の第1セラミック層が形
成され、更にその上にα2が7.9×10-6 の第2セラ
ミック層が形成されたセラミック多孔体を得た。このセ
ラミック多孔質のかさ比重は0.49であり、目視観察
の結果ではクラックがないものであった。
【0023】[実施例2]炭化ケイ素の粒度を20μm
とした以外は実施例1と同様にしてセラミック多孔体を
製造した。
とした以外は実施例1と同様にしてセラミック多孔体を
製造した。
【0024】[比較例1]実施例1のセラミックスラリ
ー付着フォームAに、炭化ケイ素80部、粘土20部、
アルミナ150部とする以外は実施例1と同様にして第
1層コーティングを施した。得られた第1層コーティン
グフォームのかさ比重は0.52であり、またこの第1
層コーティングセラミック自体を焼成した場合の熱膨張
係数(α1)は7.5×10-6であり、Aの熱膨張係数
α0との比は19.0%であった。
ー付着フォームAに、炭化ケイ素80部、粘土20部、
アルミナ150部とする以外は実施例1と同様にして第
1層コーティングを施した。得られた第1層コーティン
グフォームのかさ比重は0.52であり、またこの第1
層コーティングセラミック自体を焼成した場合の熱膨張
係数(α1)は7.5×10-6であり、Aの熱膨張係数
α0との比は19.0%であった。
【0025】次に、実施例1と全く同様にして第2層コ
ーティングを施した。得られた第2層コーティングフォ
ームのかさ比重は0.56であり、第1層コーティング
セラミックの熱膨張係数α1と第2層コーティングセラ
ミックの熱膨張係数α2との比は5.3%であった。
ーティングを施した。得られた第2層コーティングフォ
ームのかさ比重は0.56であり、第1層コーティング
セラミックの熱膨張係数α1と第2層コーティングセラ
ミックの熱膨張係数α2との比は5.3%であった。
【0026】更に、実施例1と同様にして焼成し、かさ
比重0.46のセラミック多孔体を得た。このセラミッ
ク多孔質は目視外観上クラックが見られた。
比重0.46のセラミック多孔体を得た。このセラミッ
ク多孔質は目視外観上クラックが見られた。
【0027】[比較例2]スラリーが付着したポリウレ
タンフォームをロール間隙をポリウレタンフォーム厚さ
の17%としたロール間に通ずる以外は実施例1と同様
にしてセラミックスラリー付着フォームを得、これを実
施例1のD工程と同様にして焼成して、かさ比重0.5
0のセラミック多孔体を得た。
タンフォームをロール間隙をポリウレタンフォーム厚さ
の17%としたロール間に通ずる以外は実施例1と同様
にしてセラミックスラリー付着フォームを得、これを実
施例1のD工程と同様にして焼成して、かさ比重0.5
0のセラミック多孔体を得た。
【0028】上で得られたセラミック多孔体内に鋳湯を
流し、鋳湯を濾過する鋳湯テストを下記条件で行なっ
た。その結果を表1,2に示す。
流し、鋳湯を濾過する鋳湯テストを下記条件で行なっ
た。その結果を表1,2に示す。
【0029】条件 セラミック多孔体サイズ:75×75×25mm 鋳鉄種:FCD(鋳湯温度を1380〜1480℃の間
で変化させた。) 鋳湯方法:かけぜき、下部開放
で変化させた。) 鋳湯方法:かけぜき、下部開放
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明のセラミック多孔体は、鋳物、特
に鋳鉄の濾過に使用され、100kg以上の大容量の鋳
鉄を1400℃以上の高温で20秒以上の時間をかけて
濾過しても溶損が生じないものである。
に鋳鉄の濾過に使用され、100kg以上の大容量の鋳
鉄を1400℃以上の高温で20秒以上の時間をかけて
濾過しても溶損が生じないものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 内部連通空間を有する3次元網状構造を
なしたセラミック多孔体において、セラミック多孔体主
体を炭化ケイ素にて形成すると共に、このセラミック多
孔体主体の骨格に該主体の熱膨張係数の18%以内の熱
膨張係数を有するようにアルミナ及び炭化ケイ素含有第
1セラミック層を形成し、かつこの第1セラミック層上
にその熱膨張係数の18%以内の熱膨張係数を有するア
ルミナ層を形成してなることを特徴とするセラミック多
孔体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03237433A JP3127509B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | セラミック多孔体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03237433A JP3127509B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | セラミック多孔体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551278A true JPH0551278A (ja) | 1993-03-02 |
JP3127509B2 JP3127509B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=17015289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03237433A Expired - Fee Related JP3127509B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | セラミック多孔体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3127509B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN110744012A (zh) * | 2019-10-25 | 2020-02-04 | 武汉科技大学 | 一种金属浇铸用螺旋孔型陶瓷过滤器 |
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-
1991
- 1991-08-23 JP JP03237433A patent/JP3127509B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN110744012A (zh) * | 2019-10-25 | 2020-02-04 | 武汉科技大学 | 一种金属浇铸用螺旋孔型陶瓷过滤器 |
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CN112299851A (zh) * | 2020-09-23 | 2021-02-02 | 中国科学院金属研究所 | 一种具有高抗热震性能的陶瓷丝网波纹介质材料及其制备方法和应用 |
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JP3127509B2 (ja) | 2001-01-29 |
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