JPH071492U - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍵の上方への揺動を防ぐための鍵押えを安価
に且つ容易に製造することができ、また鍵盤の鍵の上面
の高さがばらついても全鍵を確実に且つ鍵タッチをあま
り変えることなく押えることができる電子楽器の鍵盤装
置を得る。 【構成】 鍵盤シャーシに設けた筬中２上の支点４によ
り鍵３が揺動自在に支持され、鍵３の上方には、鍵押え
１２が設けられ、鍵押え１２は全鍵３に跨る連結部分１
３と、各鍵３に対応し弾性を有する櫛歯部分１４とから
成り、連結部分１３は鍵盤シャーシ１に固定された固定
脚１５に固定され、櫛歯部分１４の先端部は二股状に形
成され、鍵３の支点直上部分に当接される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子ピアノ、電子オルガン等の電子楽器の鍵盤装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は、先に、図３及び図４に示すように、鍵盤シャーシａに筬中ｂを取 付け、該筬中ｂ上の支点ｃにおいて鍵ｄを揺動自在に支え、該鍵ｄの揺動を、そ の後方のレバー支点ｅを中心にして揺動するレバーｆ、錘ｇ及びスプリングｈで 構成された復帰装置ｉにより復帰させるようにすると共に鍵ｄの上方に、鍵ｄの 上方への揺動を防ぐ鍵押えｊを設けた電子楽器の鍵盤装置において、鍵押えｊを 、鍵盤シャーシａの支点ｃより後方に立設した固定脚ｋの上端に一端が固定され て支点の後方から前方へと延びる固定部材ｌと、その先端に設けたフェルトなど のクッション製でかつ同一断面形状の弾性部材ｍとから構成し、従来のものに比 べて鍵ｄのタッチ感を向上するとともに鍵ｄの上方のスペースを小さくして鍵盤 をコンパクトに納めることができるものを提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述の鍵盤装置は、鍵押えｊの加工ばらつきやバランスパンチ ングによる鍵のストローク調整などにより鍵盤の鍵ｄの上面高さがばらついたと きに、鍵ｄを確実に押えることができないという欠点があった。これを防ぐため に弾性部材ｍを十分撓ませるように鍵押えｊを取り付けると、鍵ｄのタッチを悪 化させるという欠点があった。また、鍵押えｊは、固定部材ｌと弾性部材ｍとか ら構成されるので、製造が面倒で、コストが高くなるという欠点があった。

【０００４】 本考案は、先に提案した鍵盤装置の改良に係り、上記の欠点を解消する電子楽 器の鍵盤装置を提供することをその目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、上記の目的を達成するために、電子楽器の鍵盤シャーシに設けた筬 中上の支点により鍵を揺動自在に支持すると共に鍵の上方に、該鍵の上方への揺 動を防ぐ鍵押えを設けた鍵盤装置において、前記鍵押えは、複数の鍵に跨る連結 部分と各鍵に対応し弾性を有する櫛歯部分とが一体に構成され、該連結部分を鍵 盤シャーシに設けた固定脚に固定したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

請求項１記載の考案によれば、鍵押えは、複数の鍵に跨る連結部分と各鍵に対 応し弾性を有する櫛歯部分とが一体に構成されているので、容易に且つ安価に製 造できる。また、櫛歯部分により鍵を１個づつ独立に押えるので、鍵盤の鍵上面 がばらついても鍵タッチをあまり悪化させることなく鍵を確実に押えることがで きる。

【０００７】 請求項２記載の考案によれば、鍵押えの櫛歯部分の先端は、二股状に形成され 、鍵の支点直上部分に当接するので、鍵押えにより鍵を確実に押えても鍵タッチ が悪化しない。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１及び図２において、１は鍵盤シャーシ、２は鍵盤シャーシ１上に直接取り 付けた金属又はプラスチック製の筬中、３は該筬中２上の支点４で揺動自在に支 持された鍵、５は該鍵３の揺動を復帰させる復帰装置、６は鍵３の支点４の前方 に螺着した螺子形のアクチュエータ、７は鍵盤シャーシ１に設けられた発音用の スイッチを示し、前記復帰装置５は、鍵盤シャーシ１に支えられたレバー支点８ を中心にして揺動自在のレバー９、錘１０及びスプリング１１で構成されている 。鍵３がその前方を指で押されて揺動すると、アクチュエータ６がスイッチ７を 押し、発音開始の作動を行う。

【００１０】 鍵３から指を離すと、指で押されることよって付与された復帰装置５の復帰力 で鍵３は原位置に復帰する。

【００１１】 鍵３の押鍵及び離鍵時において、鍵３の上方への揺動を防ぐための鍵押え１２ は、例えば全鍵３に跨る長さの連結部分１３と、各鍵３に対応する櫛歯部分１４ とが、例えば金属板で一体に構成され、連結部分１３は、支点４の後方の鍵盤シ ャーシ１に下部が固定された固定脚１５の上端に取り付けられる。櫛歯部分１４ の先端部は、二股状に形成され、その２つの分岐片１６、１６は、筬中２に固定 されたバランスピン１７の両側の鍵３の支点直上部分に当接し、鍵３を上方から 押えるようになっている。鍵押え１２の櫛歯片１４は、鍵３を１個づつ独立に押 えるので、鍵盤の鍵３の高さにばらつきがあっても、各櫛歯片１４を鍵３の高さ に合わせて予め変形しておけば、全鍵３を鍵タッチをあまり悪化させることなく 確実に押えることができ、しかも櫛歯片１４の２つの分岐片１６、１６により鍵 ３の支点直上部分を押えるので、鍵タッチを悪化させない。

【００１２】 １８は鍵３の支点４の前方の位置に横方向に形成したアクチュエータ調整窓、 １９は鍵盤シャーシ１に取り付けた筬前２０に固定されたフロントピン、２１は 鍵３の慣性調整のために埋入された錘である。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１及び２記載の考案の構成によれば、先に提案のものに比べて鍵押えが 安価に且つ容易に製造することができ、また櫛歯片により鍵を１個づつ独立に押 えることができるため鍵盤の鍵の上面の高さがばらついても鍵タッチをあまり悪 化させることなく全鍵を確実に押えることができる効果を有する。また、請求項 ２記載の考案の構成によれば、鍵押えの櫛歯部分の先端は鍵の支点直上部分に当 接するため、鍵押えにより鍵を確実に押えても鍵タッチが悪化しないという効果 を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の一部截断側面図

【図２】 上記実施例の要部斜視図

【図３】 本出願人が先に提案した電子楽器の鍵盤装置
の一部截断側面図

【図４】 図３に示された鍵盤装置の要部の斜視図

【符号の説明】

１ 鍵盤シャーシ ２ 筬中 ３ 鍵 ４ 支点 １２ 鍵押え １３ 連結
部分 １４ 櫛歯部分 １５ 固定脚 １６ 分
岐片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子楽器の鍵盤シャーシに設けた筬中上
   の支点により鍵を揺動自在に支持すると共に鍵の上方
   に、該鍵の上方への揺動を防ぐ鍵押えを設けた鍵盤装置
   において、前記鍵押えは、複数の鍵に跨る連結部分と各
   鍵に対応し弾性を有する櫛歯部分とが一体に構成され、
   該連結部分を鍵盤シャーシに設けた固定脚に固定したこ
   とを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
2. 【請求項２】 前記鍵押えの櫛歯部分の先端部は、二股
   状に形成され、鍵の支点直上部分に当接されることを特
   徴とする請求項１記載の電子楽器の鍵盤装置。