JPH07148597A - 横孔を有する粉末成形体の成形方法およびその装置 - Google Patents

横孔を有する粉末成形体の成形方法およびその装置

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JPH07148597A
JPH07148597A JP29707193A JP29707193A JPH07148597A JP H07148597 A JPH07148597 A JP H07148597A JP 29707193 A JP29707193 A JP 29707193A JP 29707193 A JP29707193 A JP 29707193A JP H07148597 A JPH07148597 A JP H07148597A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに交差する横孔を粉末成形時に形成す
る。 【構成】 材料粉末が充填される型空間Sを形成する金
型2に、粉末成形品1に形成する一方の横孔1aの内径
と等しい外径であり、金型を貫通して型空間へ水平に出
没する第1の水平ロッド5を設ける。また、横孔1aに
交差する他方の横孔1bの内径に等しい外径であり金型
を貫通して型空間Sへ水平に出没すると共に第1の水平
ロッド5に当接する一対の第2の水平ロッド7a,7b
を設ける。第1の水平ロッド5と第2の水平ロッド7
a,7bとを型空間Sへ挿入した状態でこれらの水平ロ
ッドを中心に材料粉末を上下から均等な圧縮比で加圧
し、この加圧完了後に第1の水平ロッドと第2の水平ロ
ッドとを引き抜く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末成形される成形品
の成形方法と成形装置に関し、特に互いに交差する横孔
を有する粉末成形品に用いて好ましい成形方法と成形装
置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の成形方法における横孔成形
方法としては、圧縮成形後に焼結された成形品に対しド
リルやボール盤などの穴明け加工機械を用いて横孔を形
成する方法が一般的であったが、粉末成形法にて製造さ
れる粉末成形品に横孔を機械加工すると、機械加工に要
する工程増加等の諸問題がある。そのため、粉末成形時
に横孔を成形することが提案されている。
【0003】この種の横孔成形方法としては、例えば実
公平2−16,879号公報に開示された成形方法が知
られている。この技術は、ダイスを貫通して型空間を水
平に横切る態様で出没自在に装着された横孔加工用の打
ち抜きパンチを設け、上下の各パンチで鉛直方向に圧縮
成形されている環状の成形品に対して打ち抜きパンチで
横孔を形成し、その打ち抜き屑は成形品の下パンチの軸
心を貫通する中空のコアロッドを介して外部へ排出する
ようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の横孔成形方法では、型空間内で圧縮成形された
焼結前の成形品は脆いので、打ち抜きパンチで横孔を形
成した場合に割れや欠けなどの欠損が発生し易く、形成
された横孔分の圧縮粉末を屑として排出するので、その
分だけ粉末材料の歩留まりが低下するという問題があっ
た。また、この屑を中空のコアロッドへ排出するために
成形品は中空な環状部品以外には適用できないという問
題もあった。しかも、横孔加工用の打ち抜きパンチは大
きな加圧力で駆動する必要があるので油圧シリンダなど
による駆動装置が大型化するという問題も有していた。
特に、成形品に互いに交差する横孔を形成する手法につ
いては何ら言及されておらず、かかる場合には一方の横
孔を機械加工などの手段で形成せざるを得なかった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、互いに交差する横孔を粉末
成形時に形成することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、互いに交差する横孔を有する粉末成形体の
成形方法であって、材料粉末が充填される金型の型空間
に、前記粉末成形品に形成される一方の横孔の内径に対
応する外径であり前記金型を貫通して前記型空間へ水平
に出没する第1の水平ロッドを突き出すと共に、前記一
方の横孔に交差する他方の横孔の内径に対応する外径で
あり前記金型を貫通して前記型空間へ水平に出没する一
対の第2の水平ロッドを突き出して、それぞれ前記第1
の水平ロッドに当接させ、この第1の水平ロッドと前記
第2の水平ロッドとを前記型空間へ挿入し当接させた状
態で、この型空間内に前記材料粉末を充填して上下から
均等な圧縮比で加圧し、この加圧完了後に前記第1の水
平ロッドと前記第2の水平ロッドとを引き抜くことを特
徴とする粉末成形品の横孔成形方法である。
【0007】このとき、第1の水平ロッドを引き抜く際
に前記第2の水平ロッドを僅かに進退移動させることが
好ましい。
【0008】また、互いに交差する横孔を有する粉末成
形体の成形装置において、材料粉末が充填される型空間
を形成する金型と、前記粉末成形品に形成される一方の
横孔の内径に対応する外径であり前記金型を貫通して前
記型空間へ水平に出没する第1の水平ロッドと、前記一
方の横孔に交差する他方の横孔の内径に対応する外径で
あり、それぞれ前記金型を貫通して前記型空間へ水平に
出没すると共に前記第1の水平ロッドに当接する一対の
第2の水平ロッドとを有することを特徴とする横孔を有
する粉末成形体の成形装置によっても上記目的を達成す
ることができる。
【0009】
【作用】本発明の横孔を有する粉末成形体の成形方法お
よびその装置では、互いに交差する横孔を有する粉末成
形品を成形するにあたり、材料粉末が充填される型空間
を形成する金型に、一方の横孔の内径に対応する外径で
あり金型を貫通して型空間へ水平に出没する第1の水平
ロッドを設け、一方の横孔に交差する他方の横孔の内径
に対応する外径であり金型を貫通して型空間へ水平に出
没すると共に第1の水平ロッドに当接しうる一対の第2
の水平ロッドを設ける。
【0010】そして、第1の水平ロッドと第2の水平ロ
ッドとを型空間へ挿入した状態で、この型空間に充填さ
れる材料粉末を上下から均等な圧縮比で加圧し、この加
圧完了後に第1の水平ロッドと第2の水平ロッドとを引
き抜くことで互いに交差する横孔を有する成形品を得
る。
【0011】第2の水平ロッドは、第1の水平ロッドに
当接される構成であるため、互いに交差する横孔の内径
が等しいかあるいは近似する場合、または横孔を隣接し
て設けたる場合であっても粉末成形時に横孔を成形する
ことが可能となる。
【0012】また、第1の水平ロッドを引き抜く際に第
2の水平ロッドを僅かに進退移動させると、成形品の横
孔内部に生ずるバリを除去することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1〜図5は本実施例の粉末成形方法を示す工
程図であって、図1(A)(B)は粉末供給工程を示す
平面図および断面図、図2(A)(B)は成形工程を示
す平面図および断面図、図3(A)(B)は第1パンチ
抜き出し工程を示す平面図および断面図、図4(A)
(B)は第2パンチ抜き出し(バリ取り)工程を示す平
面図および断面図、図5(A)(B)は部品抜き出し工
程を示す平面図および断面図である。
【0014】本実施例における粉末成形品1は、図6に
示すように円柱体に互いに直交して交差する2つの横孔
1a,1bを形成したものである。
【0015】本実施例に使用される金型は、図示しない
ダイプレートに固定されたダイス2と、図示しない加圧
駆動装置(油圧シリンダ等)によって昇降されてダイス
2の軸心孔2a内へ下方から嵌入される円柱状の下パン
チ3と、図示しない加圧駆動装置(クランク機構等)に
よって昇降されてダイス2の軸心孔2a内へ上方から嵌
入される円柱状の上パンチ4(図2参照)とで構成さ
れ、ダイスの軸心孔2aと下パンチ3の上端面によって
材料粉末が充填される型空間Sが形成される。
【0016】また、横孔形成装置は、ダイス2の左右の
一方を貫通して型空間Sの上下方向中心部を水平に横切
る態様で出没自在に装着された横孔加工用の第1の水平
ロッド5と、この第1の水平ロッド5を水平駆動させる
流体シリンダ6(油圧または空圧)、およびダイス2の
左右のそれぞれを貫通して型空間Sの上下方向中心部を
水平に横切る態様でそれぞれ出没自在に装着された横孔
加工用の第2の水平ロッド7a,7bと、この第2の水
平ロッド7a,7bをそれぞれ水平駆動させる流体シリ
ンダ8a,8b(油圧または空圧)から構成されてい
る。これら第1の水平ロッド5および第2の水平ロッド
7a,7bは、粉末成形品1に形成される横孔1a,1
bの内径と等しい外径に形成されており、特に図示する
実施例では第1および第2の水平ロッド5,7a,7b
が互いに等しい外径に形成されている。
【0017】上述したように、本実施例の第2の水平ロ
ッド7a,7bは、第1の水平ロッド5に対してそれぞ
れ当接するように出没移動を行い、図1(B)に拡大し
て示すように、第2の水平ロッド7a,7bの先端は第
1の水平ロッド5の外面に応じた形状となっている。こ
れにより、第2の水平ロッド7a,7bを第1の水平ロ
ッド5に突き当てると、2本の水平棒が互いに交差する
ことになる。
【0018】なお、図1に示すように第1の水平ロッド
5の先端はダイス2の左右の他方側へ埋没するように装
着されている。また、上述した加圧駆動装置や水平駆動
装置は例えば油圧サーボ回路によって制御することが望
ましい。
【0019】次に横孔成形方法について説明する。 [粉末供給工程]まず、図1(A)(B)に示すよう
に、下パンチ3がダイスの軸心孔2aの所定位置へ嵌入
されて型空間Sが形成されると、この型空間Sへ第1の
水平ロッド5を貫通させると共に、第2の水平ロッド7
a,7bを第1の水平ロッド5に突き当てるように貫通
させる。そして、上パンチ4を型空間Sから上方へ離れ
た位置に移動させた状態で、当該型空間Sへフィーダ9
によって粉末材料を充填する。
【0020】[加圧成形工程]次に、図2(A)(B)
に示すように、上パンチ4を下降させて型空間Sへ嵌入
させると同時に、下パンチ3を上昇させて型空間Sへさ
らに深く嵌入させ、粉末材料を上パンチ4と下パンチ3
とで上下双方から矢示方向に加圧して所定の密度まで圧
縮成形する。これにより、第1の水平ロッド5と第2の
水平ロッド7a,7bとによって交差する横孔1a,1
bに相当する空隙が確保された状態の圧縮成形品が得ら
れる。
【0021】この加圧に際しては、第1および第2の水
平ロッド5,7a,7bに偏荷重が加わって変形しない
ようにするために、上下双方から均等な圧縮比で加圧す
る必要がある。そのための手段として、上パンチ4が粉
末材料の上面に対して加圧を完了するまでの移動距離
と、下パンチ3が粉末材料の下面に対して加圧を完了す
るまでの移動距離との比率に比例するように、当該上パ
ンチ4の下降スピードに対する下パンチ3の上昇スピー
ドを設定しておく。例えば、上パンチ4と下パンチ3の
移動距離が等しい場合は、当該上パンチ4の下降スピー
ドと下パンチ3の上昇スピードを等しく設定し、また下
パンチ3の移動距離に対して上パンチ4の移動距離が2
倍の場合は上パンチ4の下降スピードを下パンチ3の上
昇スピードの2倍に設定する。
【0022】[第1の水平ロッドの引き抜き工程]この
ようにして加圧を完了すると、次に第1の水平ロッド5
および第2の水平ロッド7a,7bの引き抜きを行う
が、加圧状態でそのまま引き抜くと大きな引き抜き力が
必要であり、水平駆動装置6,8a,8bが大型化した
り金型の寿命が低下したりする。そのため、図3(B)
に示すように、本実施例では圧縮成形品の高さ寸法の例
えば5%以内の僅かな距離だけ上下のパンチ3,4を、
矢印で示す方向に、それぞれ等しく後退させ、第1およ
び第2の水平ロッド5,7a,7bに加わる力を軽減さ
せるようにしている。
【0023】[第2の水平ロッドの引き抜き工程(バリ
取り工程)]この後、水平駆動装置6,8a,8bを操
作して、まず図3(A)(B)に示すように圧縮成形品
の横孔から第1の水平ロッド5を引き抜くが、このとき
第1の水平ロッド5と第2の水平ロッド7a,7bとの
突き合わせに起因して生ずる圧縮成形品の横孔内部のバ
リ取りを実施する。具体的には、図3(A)に示すよう
に第1の水平ロッド5を引き抜く際に、図4(A)に示
すように第2の水平ロッド7a,7bを、図4(A)
(B)に示す矢印の僅かに進退移動させることにより行
われる。なお、この第2の水平ロッド7a,7bの進退
移動によって除去された屑は成形品の横孔1a,1b内
部に残留してしまうが、これは成形品を取り出す際、あ
るいはその後の工程にてエアーブロー等の手段で除去す
ることができる。
【0024】[成形品の抜き出し工程]第2の水平ロッ
ド7a,7bの引き抜きを完了すると、最後に下パンチ
3を上昇させて成形品を型空間Sから取り出す。
【0025】このように本実施例の横孔成形方法では、
互いに内径が近似している横孔であっても粉末成形時に
形成することができるので、その後に機械加工等の別工
程を設ける必要がなくなる。
【0026】なお、本発明は、以上説明した実施例に限
定されるものではない。したがって、上記実施例に開示
された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設
計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述した
実施例では直交する横孔1a,1bとして本発明を説明
したが、互いに交差する横孔の角度や数は上記実施例に
何ら限定されることはない。特に、横孔が隣接して設け
られる場合などには本発明は効果的といえる。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、第1
の水平ロッドに対して第2の水平ロッドは当接される構
成であるため、横孔が等しいかあるいは近似した内径で
あったり、または横孔を隣接して設けたい場合であって
も粉末成形時に成形することが可能となる。また、金型
との干渉による損傷を防止することができるので金型寿
命を向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の成形方法における粉末供給
工程を示す平面図、(B)は同じく断面図である。
【図2】 (A)は本発明の成形方法における圧縮成形
工程を示す平面図、(B)は同じく断面図である。
【図3】 (A)は本発明の成形方法における第1パン
チ抜き出し工程を示す平面図、(B)は同じく断面図で
ある。
【図4】 (A)は本発明の成形方法における第2パン
チ抜き出し(バリ取り)工程を示す平面図、(B)は同
じく断面図である。
【図5】 (A)は本発明の成形方法における部品抜き
出し工程を示す平面図、(B)は同じく断面図である。
【図6】 互いに交差する横孔を有する成形品を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1…成形品、 1a,1b…横孔、
2…ダイス、2a…軸心孔、 3…下パン
チ、 4…上パンチ、5…第1の水平パン
チ、 6…水平駆動装置、7a,7b…第2の水平パン
チ、8a,8b…水平駆動装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに交差する横孔を有する粉末成形体
    の成形方法であって、 材料粉末が充填される金型の型空間に、前記粉末成形品
    に形成される一方の横孔の内径に対応する外径であり前
    記金型を貫通して前記型空間へ水平に出没する第1の水
    平ロッドを突き出すと共に、前記一方の横孔に交差する
    他方の横孔の内径に対応する外径であり前記金型を貫通
    して前記型空間へ水平に出没する一対の第2の水平ロッ
    ドを突き出して、それぞれ前記第1の水平ロッドに当接
    させ、この第1の水平ロッドと前記第2の水平ロッドと
    を前記型空間へ挿入し当接させた状態で、この型空間内
    に前記材料粉末を充填して上下から均等な圧縮比で加圧
    し、この加圧完了後に前記第1の水平ロッドと前記第2
    の水平ロッドとを引き抜くことを特徴とする横孔を有す
    る粉末成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の水平ロッドを引き抜く際に前
    記第2の水平ロッドを僅かに進退移動させることを特徴
    とする請求項1に記載の横孔を有する粉末成形体の成形
    方法。
  3. 【請求項3】 互いに交差する横孔を有する粉末成形体
    の成形装置において、 材料粉末が充填される型空間を形成する金型と、前記粉
    末成形品に形成される一方の横孔の内径に対応する外径
    であり前記金型を貫通して前記型空間へ水平に出没する
    第1の水平ロッドと、前記一方の横孔に交差する他方の
    横孔の内径に対応する外径であり、それぞれ前記金型を
    貫通して前記型空間へ水平に出没すると共に前記第1の
    水平ロッドに当接する一対の第2の水平ロッドとを有す
    ることを特徴とする横孔を有する粉末成形体の成形装
    置。
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