JP2917761B2 - 粉末成形品の成形装置及びその成形方法 - Google Patents

粉末成形品の成形装置及びその成形方法

Info

Publication number
JP2917761B2
JP2917761B2 JP19230193A JP19230193A JP2917761B2 JP 2917761 B2 JP2917761 B2 JP 2917761B2 JP 19230193 A JP19230193 A JP 19230193A JP 19230193 A JP19230193 A JP 19230193A JP 2917761 B2 JP2917761 B2 JP 2917761B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
mold
molding
space
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19230193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0740095A (ja
Inventor
雄治 岸
康 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP19230193A priority Critical patent/JP2917761B2/ja
Publication of JPH0740095A publication Critical patent/JPH0740095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2917761B2 publication Critical patent/JP2917761B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧縮成形される粉末
成形品の側面から内側に向けて形成される横方向の空間
成形部、例えば横孔を成形可能な粉末成形品の成形装置
及びその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末成形品は、上金型及び下金型により
形成される型空間内に材料となる粉末を充填し、この状
態で圧縮成形した後焼結して得られるが、このような粉
末成形品に横孔を成形する場合には、従来例えば次のよ
うな方法が用いられていた。
【0003】一つは、圧縮成形した後に焼結された成形
品に対し、ドリルやボール盤などの孔明け加工機械を用
いて機械的に横孔を加工する方法である。
【0004】他の方法は、実公平2−16879号公報
に開示されているように、金型を貫通して型空間を水平
に横切る態様で出没自在に装着された横孔加工の打抜き
パンチを設け、上下の各金型で鉛直方向に圧縮成形され
ている環状の成形品に対し、前述した打抜きパンチで横
孔を形成するものがある。打抜きカスは成形品の下金型
の軸心を貫通する中空のコアロッドを介して外部へ排出
される。
【0005】ところが、前者の方法は、焼結された成形
品は硬度が極めて高く微小な空孔を有し、断続的な切削
となるため、加工性が悪く作業能率が低下するととも
に、孔明け工具の摩耗や損傷も多いので工具費の負担が
大きくなり、しかも加工が別工程になるので作業に連続
性がないなど、製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0006】一方、後者の方法は、圧縮成形された焼結
前の成形品は脆いので、打抜きパンチで横孔を形成した
場合には、割れや欠けなどの欠損が発生しやすく、形成
した横孔分の圧縮粉末をカスとして排出するので、その
分だけ材料粉末の歩留まりが悪くなるとともに、このカ
スを中空のコアロッドへ排出するために成形品は中空な
環状部品以外には適用することができない。しかも、横
孔加工用の打抜きパンチは大きな加圧力で駆動する必要
があるので、油圧シリンダなどによる駆動装置が大型化
するなどの問題があった。
【0007】このため、本願出願人は、上記したような
問題を解決すべく、上金型と下金型との間に形成される
型空間内に対し、成形品の横孔の内径と等しい外径を備
えた水平ロッドを横方向から水平に出没可能に設け、水
平ロッドを型空間内に露出させた状態で上金型を上昇さ
せることで形成される上部開口から材料粉末を型空間内
に充填し、上下両金型間の材料粉末を圧縮成形した後、
水平ロッドを引抜くようにした技術を開発した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
技術では、焼結後の成形品に横孔を機械加工する方法
や、圧縮成形された焼結前の成形品に打抜きパンチで横
孔を形成する方法で発生する種々の問題は解消されるも
のの、圧縮成形後の粉末成形品の各部の粉末の密度を測
定したところ、横孔を堺にして上金型側の上部と下金型
側の下部とで顕著な差が発生していることが判明し、粉
末成形品全体として均一な密度が得られていないことが
分かった。
【0009】図7は、密度測定に使用した横孔1を備え
た圧縮成形後の矩形状の粉末成形品の斜視図であり、こ
の粉末成形品に対し、切断線3によって分けた上部5と
下部7との所定部位の密度をそれぞれ測定した。図8
は、縦軸を密度、横軸を成形数として、実線が上部5の
もので、破線が下部7のものである。これによれば、下
部7の密度が上部5の密度より、最大で0.10g/c
3 低いことが分かる。これは、型空間内への材料粉末
の供給に際し、横孔成形用の水平ロッドが下側への流れ
を阻害し、下側の粉末量が上側の粉末量に比べて不足す
るためと考えられる。
【0010】そこで、この発明は、型空間内に横方向か
ら出没可能な成形部材を使用して粉末成形品の側面から
内側に向けて空間成形部、例えば横孔を形成するような
場合でも、粉末成形品の空間成形部を境にした上部と下
部とで、上部から供給する粉末の密度が均一になるよう
にすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、材料粉末が上部から充填され
る型空間を形成する上金型及び下金型を有する金型本体
と、この金型本体に対し少なくとも一方の側部を貫通し
て前記型空間へ側方から出没可能な成形部材とを有し、
この成形部材に、粉末成形品の側面から内側に向けて形
成する横方向の空間成形部の形状と等しい形状の粉末成
形部と、この粉末成形部の前記型空間内における上下方
向の投影面積より小さい同投影面積を備えた粉末供給部
とをそれぞれ設けた構成としてある。
【0012】第2に、材料粉末が上部から充填される型
空間を形成する上金型及び下金型を有する金型本体に対
し、粉末成形品の側面から内側に向けて形成する横方向
の空間成形部の形状と等しい形状の粉末成形部の前記型
空間内における上下方向の投影面積より小さい同投影面
積を備えた粉末供給部を有する成形部材を、この粉末供
給部が前記型空間に露出する状態となるよう金型本体の
少なくとも一方の側部を貫通して挿入させ、前記型空間
内に上部から材料粉末を充填した後、粉末成形部を型空
間内に露出させるべく成形部材を金型本体に対して移動
させ、この状態で材料粉末を上下から圧縮して加圧さ
せ、加圧終了後に成形部材を引き抜く方法としてある。
【0013】第3に、第1の構成において、粉末成形品
の側面から内側に向けて形成する横方向の空間成形部を
横孔としてある。
【0014】第4に、第1の構成において、成形部材
は、金型本体に対し左右両側方から貫通するよう一対設
けられて型空間へ左右両側方から出没可能であり、粉末
成形品の側面から内側に向けて形成する横方向の空間成
形部を、周方向に延長して形成される凹部としてある。
【0015】第5に、第3の構成において、粉末供給部
は、上下方向に貫通する粉末供給孔を備えている。
【0016】第6に、第4の構成において、粉末供給部
は、上下方向に貫通する粉末供給孔を備えており、かつ
粉末供給孔は型空間に露出した状態で型空間と整合する
形状である。
【0017】
【作用】第1ないし第6の成形装置または成形方法によ
れば、金型本体を貫通する成形部材を型空間内に粉末供
給部が露出するように挿入し、この状態で型空間の上部
から材料粉末を充填することで、充填される材料粉末
は、型空間に露出している粉末供給部の上下方向の投影
面積が粉末成形部の同面積より小さいので、粉末供給部
が型空間に露出していても、下部への粉末の供給不足が
抑制され、粉末成形品の密度は上部と下部とで均一化し
たものとなる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0019】図1は、この発明の一実施例の粉末成形品
の成形装置を示している。この実施例は、円柱状の粉末
成形品に対し、側面から内側に向けて形成する横方向の
空間成形部である横孔を成形する場合に適用される。こ
の装置に使用されるプレス金型は、図示しないダイプレ
ートに固定された円筒状のダイス9と、図示しない加圧
駆動装置、例えば油圧シリンダによって昇降されてダイ
ス9の軸心孔9a内へ下方から嵌入される円柱状の下パ
ンチ11と、図示しない加圧駆動装置、例えばクランク
機構によって昇降されてダイス9の軸心孔9a内へ上方
から嵌入される円柱状の上パンチ13とで構成されてい
る。ここでは、ダイス9と下パンチ11とで下金型を、
上パンチ13で上金型をそれぞれ構成し、上下両金型で
金型本体を構成するものとする。
【0020】ダイス9の軸心孔9aと下パンチ11の上
端面との間の金型本体内に、材料粉末15が充填される
型空間17が形成される。ダイス9の上面には、材料粉
末15を型空間17内へ案内するためのフィーダ19が
設置されている。フィーダ19は、材料粉末15が型空
間17内へ供給された後は、左右方向に移動して余分な
材料粉末を除去するようになっている。
【0021】ダイス9の上下方向のほぼ中心位置には、
左右方向に貫通する円形の貫通孔9bが形成され、この
貫通孔9bに、図中で右側から型空間17へ水平に出没
可能な成形部材としての水平ロッド21が挿入されてい
る。水平ロッド21は、例えば油圧または空気圧の流体
シリンダからなる水平駆動機構23により水平駆動され
る。
【0022】水平ロッド21は、図2にその詳細を示す
ように、先端側のほぼ半分が、粉末成形品に形成する横
孔の内径と等しい外径に形成されており、さらにその先
端側のほぼ半分における型空間17の左右方向の寸法と
同長の部位が粉末成形部Aとなる。この粉末成形部Aに
隣接した位置には、図2(a)及び図1にて上下方向に
貫通する粉末供給孔21aが形成され、ここが粉末供給
部Bとなる。粉末供給孔21aの左右方向の寸法は、粉
末成形部Aの左右方向の寸法と同等となっている。これ
により、型空間17内における粉末供給部Bの上下方向
の投影面積は、粉末成形部Aの同投影面積より粉末供給
孔21aを設けた分だけ小さいものとなる。
【0023】このように構成された粉末成形品の成形装
置において、横孔を有する粉末成形品を成形するには図
1の(a)〜(c)の順序で行う。
【0024】まず、下パンチ11がダイス9の軸心孔9
aに下方から嵌入されて所定位置で停止し、これにより
型空間17が形成される。ダイス9の貫通孔9bに挿入
する水平ロッド21は、粉末供給部Bが型空間17に露
出する位置となるよう水平駆動機構23により移動させ
る。この状態でフィーダ19を介して型空間17内に材
料粉末15を充填する。充填時には、水平ロッド21が
存在する部位は、材料粉末15は粉末供給孔21aを通
過するので、水平ロッド21が邪魔になることなく水平
ロッド21の下方にも充分供給される。充填量は、図1
(a)のように、型空間17から食み出すように充分な
量とする。このとき、水平ロッド21にバイブレーショ
ンをかけることで、材料粉末15による粉末供給孔21
aの目詰まりが防止される。また、水平ロッド21を、
図3に示すように軸心を中心に回転するよう所定角度θ
の範囲で揺動させる動きを追加することで、粉末供給可
能な部分が拡大し、より効果的である。
【0025】図1(a)の状態で、フィーダ19を左右
方向に移動させて上部に供給された余分な材料粉末15
を除去するとともに、水平駆動機構23を動作させて水
平ロッド21をダイス9から引抜くよう図中で右方向に
移動させ、先端の粉末成形部Aが型空間17に露出する
位置となるようにする。この状態が図1(b)である。
このとき、粉末供給部Bの粉末供給孔21aに入り込ん
でいる材料粉末15は、水平ロッド21の移動とともに
ダイス9内に持ち込まれることになるが、この持ち込ま
れた材料粉末15aは、次の成形サイクルで粉末供給部
Bが型空間17に露出するときに型空間17内に供給さ
れるこになるので、無駄になることない。
【0026】次に、図1(c)のように、上パンチ13
を下降させて型空間17内に嵌入させると同時に、下パ
ンチ11も上昇させて型空間17内に深く嵌入させる。
これにより、材料粉末15が上パンチ13と下パンチ1
1とで上下双方から加圧されることになって材料粉末1
5が所定の密度まで圧縮成形され、圧縮成形品25が得
られる。このとき、型空間17内には水平ロッド21の
粉末成形部Aが存在しているので、粉末成形部Aによっ
て横孔25aが形成されることになる。
【0027】この加圧に際しては、偏荷重が加わって変
形しないようにするために、上下方向から均等な圧縮比
で加圧する必要がある。そのためには、上パンチ13が
材料粉末15の上面に対して加圧を完了するまでの移動
距離と、下パンチ11が材料粉末15の下面に対して加
圧を完了するまでの移動距離との比率に比例するよう
に、上パンチ13の下降スピードに対する下パンチ11
の上昇スピードを設定しておく。例えば、上パンチ13
と下パンチ11の移動距離が等しい場合には、上パンチ
13の下降スピードと下パンチ11の上昇スピードとを
等しく設定し、また下パンチ11の移動距離に対して上
パンチ13の移動距離が2倍の場合には、上パンチ13
の下降スピードを下パンチ11の上昇スピードの2倍に
設定する。
【0028】圧縮成形後は、圧縮成形品25の高さ寸法
の例えば5%以内の僅かな距離だけ上下の各パンチ1
3,11をそれぞれ等しく後退させ、この状態で水平ロ
ッド21を引き抜く。これにより、水平ロッド21を引
き抜く際に水平ロッド21に加わる力が軽減され、水平
駆動装置23の大型化や金型の寿命低下が防止される。
【0029】水平ロッド21を引き抜いた後は、上下の
各パンチ13,11で圧縮成形品25を挟持したまま、
下パンチ11の上端面がダイス9の上面と一致する位置
まで上下の各パンチ13,11を上昇させることで、圧
縮成形品25は型空間17内から外部に抜き出される。
抜き出された圧縮成形品25は、フィーダ19によって
金型上から次工程へ排出される。その後、下パンチ11
を下降させて図1(a)のようにダイス9との間に型空
間17を形成させるとともに、この型空間17に水平ロ
ッド21を挿入し、次の成形サイクルに備える。
【0030】このようにして得られた圧縮成形品25
は、材料粉末15が水平ロッド21の下方にも充分充填
されているので、水平ロッド21の下方部位についても
上部に比べて材料粉末の密度が低くなることはなく、全
体として均一な密度分布が得られる。図4は、水平ロッ
ド21により形成される横孔25aの上部側における材
料粉末15の密度(実線図示)と下部側の同密度(破線
図示)とを示しており、これら両者間には図8で示した
従来のもと比べてに大きな密度差がないことがわかる。
また、全体として均一に材料粉末15を供給できるの
で、圧縮成形時に水平ロッド21に掛かる曲げ応力を低
減でき、水平ロッド21の寿命向上も図ることができ
る。
【0031】なお、粉末供給孔21aの大きさは、水平
ロッド21の形状により大きく異なるが、水平ロッド2
1を直径8mmのものとした場合、実験結果により型空
間17に露出した粉末供給部Bの上下方向の投影面積
が、粉末成形部Aの同投影面積の1%以上を確保できる
範囲で自由である。
【0032】図5は、上記実施例における水平ロッド2
1の粉末供給孔21aに代え、両側部に凹部21bを設
け、この部位を粉末供給部Bとしたものである。この場
合には、型空間17に供給される際の材料粉末15は、
水平ロッド21の凹部21bを通過するので、水平ロッ
ド21の下方においても材料粉末15の供給が充分とな
り、図2のものと同様の効果が得られる。
【0033】図6は、この発明の他の実施例を示してい
る。この実施例は、粉末成形品の側面から内側に向かう
横方向の空間成形部を成形するための成形部材を、金型
本体の左右両側方から貫通して型空間17へ水平に出没
可能な2つの平板状のカムダイス27,29とし、これ
を用いることで、周囲に凹部としての環状の溝を有する
全周アンダカット部を備えた粉末成形品を得るようにし
たものである。上記カムダイス27,29は、前記実施
例における水平ロッド21と同様に、例えば油圧または
空気圧の流体シリンダからなる図示しない水平駆動機構
により、個別に水平駆動される。
【0034】この場合のダイス31は、下ダイス33と
上ダイス35とが分離可能であり、各ダイス33,35
に円形の軸心孔33a,35aが形成されている。下ダ
イス33の軸心孔33aには下方から下パンチ37が、
上ダイス35の軸心孔35aには上方から上パンチ39
がそれぞれ嵌入する。ここでは、ダイス31と下パンチ
37とで下金型を、上パンチ39で上金型をそれぞれ構
成し、上下各金型で金型本体を構成することになる。上
ダイス35の上面にはフィーダ41が設けられ、上下各
ダイス35,33の軸心孔33a,35aと下パンチ3
7の上端面との間の金型本体内には、材料粉末15が充
填される型空間43が形成される。
【0035】カムダイス27,29は、下ダイス33と
上ダイス35との間に、左右方向に移動可能に配置さ
れ、先端に半円形部27a,29aがそれぞれ形成さ
れ、両者の先端同志を突き合わせると、円形孔を有する
粉末成形部Aが形成されることになる。粉末成形部Aの
円形孔は、軸心孔33a,35aより小さいものとなっ
ている。この粉末成形部Aに隣接したカムダイス29に
は、軸心孔33a,35aとほぼ同径の粉末供給孔29
bが形成されて粉末供給部Bを構成している。
【0036】このように構成された粉末成形品の成形装
置において、全周アンダカット部を有する粉末成形品を
成形するには、図6(a)〜(d)の順序で行う。
【0037】まず、(a)に示すように、下パンチ37
が下ダイス33の軸心孔33aに下方から嵌入されて所
定位置で停止し、これにより型空間43が形成される。
カムダイス27,29は、下ダイス33と上ダイス35
との間にて、カムダイス27が引き出されカムダイス2
9が押し込まれてカムダイス29の粉末供給孔29bが
軸心孔33a,35aに整合するような位置とする。こ
の状態でフィーダ41を介して型空間43内に材料粉末
15を充填する。充填量は、型空間43から食み出すよ
うに充分な量とする。
【0038】材料粉末15を型空間43内に充填する際
には、カムダイス29は粉末供給孔29bが軸心孔33
a,35aに整合していることから、型空間43にはカ
ムダイス29が露出することはなく、したがってこのと
き材料粉末15は、カムダイス29が邪魔になることな
くカムダイス29の下方側にも充分に供給されることに
なる。
【0039】(a)の状態から、フィーダ41を左右方
向に移動させて上部に供給された余分な材料粉末15を
除去するとともに、カムダイス27,29を相互の先端
を突き合わせた状態のまま図中で右方向に移動させ、粉
末成形部Aの中心と軸心孔33a,35aの中心とが同
位置となるようにする。この状態が(b)である。この
とき、粉末供給部Bの円形孔に入り込んでいる材料粉末
は、カムダイス27,29の移動とともに下ダイス33
と上ダイス35との間に持ち込まれることになるが、こ
の持ち込まれた材料粉末15aは、次の成形サイクルで
この粉末供給部Bが型空間43に移動するとき型空間4
3内に供給されることなるので、無駄になることはな
い。
【0040】次に、(c)のように、上パンチ39を下
降させて型空間43内に嵌入させると同時に、下パンチ
37も上昇させて型空間43内に深く嵌入させる。これ
により、材料粉末15が上パンチ39と下パンチ37と
で上下双方から加圧されることになって材料粉末15が
所定の密度まで圧縮成形され、圧縮成形品45が得られ
る。このとき、型空間43内にはカムダイス27,29
の粉末成形部Aが存在しているので、粉末成形部Aによ
って環状の溝45aが形成されることになる。その後、
カムダイス27,29をそれぞれ個別に左右に引き抜
き、上パンチ39,上ダイス35及び、下パンチ37を
上昇させることで、圧縮成形品45は型空間43内から
外部に抜き出される。
【0041】この実施例においても、圧縮成形品45
は、カムダイス27,29によって成形される溝45a
の下方にも材料粉末15が充分充填されているので、溝
45aの下方部位についても材料粉末の密度が低くなる
ことはなく、全体として均一な密度分布が得られる。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、粉末成形品の側面から内側に向かう横方向の空間
成形部を成形するための粉末成形部を有する成形部材
に、粉末成形部の型空間内における上下方向の投影面積
より小さい同投影面積を備えた粉末供給部を設け、この
粉末供給部を型空間内に露出させた状態で型空間の上部
から材料粉末を充填するようにしたので、充填される材
料粉末は、上下方向の投影面積が小さい粉末供給部を通
して供給されることになり、成形部材より下方への供給
不足が抑制され、粉末成形品の密度を上部と下部とで均
一化したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す粉末成形品の成形装
置の作業工程図である。
【図2】図1の成形装置に用いる水平ロッドの詳細図で
ある。
【図3】図2の水平ロッドに揺動運動をさせる状態を示
す作用説明図である。
【図4】図1の成形装置による粉末成形品の横孔上部と
下部とにおける材料粉末の密度を示す説明図である。
【図5】図2の水平ロッドの他の例を示す詳細図であ
る。
【図6】この発明の他の実施例を示す粉末成形品の成形
装置の作業工程図である。
【図7】横孔を備えた圧縮成形後の矩形状の粉末成形品
の斜視図である。
【図8】従来例による粉末成形品の横孔上部と下部とに
おける材料粉末の密度を示す説明図である。
【符号の説明】
9,31 ダイス(下金型) 11,37 下パンチ(下金型) 13,39 上パンチ(上金型) 15 材料粉末 17,43 型空間 21 水平ロッド(成形部材) 21a 粉末供給孔 25,45 圧縮成形品(粉末成形品) 25a 横孔(横方向の空間成形部) 45a 凹部(横方向の空間成形部) 27,29 カムダイス(成形部材) 29b 粉末供給孔 A 粉末成形部 B 粉末供給部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料粉末が上部から充填される型空間を
    形成する上金型及び下金型を有する金型本体と、この金
    型本体に対し少なくとも一方の側部を貫通して前記型空
    間へ側方から出没可能な成形部材とを有し、この成形部
    材に、粉末成形品の側面から内側に向けて形成する横方
    向の空間成形部の形状と等しい形状の粉末成形部と、こ
    の粉末成形部の前記型空間内における上下方向の投影面
    積より小さい同投影面積を備えた粉末供給部とをそれぞ
    れ設けたことを特徴とする粉末成形品の成形装置。
  2. 【請求項2】 材料粉末が上部から充填される型空間を
    形成する上金型及び下金型を有する金型本体に対し、粉
    末成形品の側面から内側に向けて形成する横方向の空間
    成形部の形状と等しい形状の粉末成形部の前記型空間内
    における上下方向の投影面積より小さい同投影面積を備
    えた粉末供給部を有する成形部材を、この粉末供給部が
    前記型空間に露出する状態となるよう金型本体の少なく
    とも一方の側部を貫通して挿入させ、前記型空間内に上
    部から材料粉末を充填した後、粉末成形部を型空間内に
    露出させるべく成形部材を金型本体に対して移動させ、
    この状態で材料粉末を上下から圧縮して加圧させ、加圧
    終了後に成形部材を引き抜くことを特徴とする粉末成形
    品の成形方法。
  3. 【請求項3】 粉末成形品の側面から内側に向けて形成
    する横方向の空間成形部が横孔であることを特徴とする
    請求項1記載の粉末成形品の成形装置。
  4. 【請求項4】 成形部材は、金型本体に対し左右両側方
    から貫通して型空間へ側方から出没可能であり、粉末成
    形品の側面から内側に向けて形成する横方向の空間成形
    部が周方向に延長して形成される凹部であることを特徴
    とする請求項1記載の粉末成形品の成形装置。
  5. 【請求項5】 粉末供給部は、上下方向に貫通する粉末
    供給孔を備えていることを特徴とする請求項3記載の粉
    末成形品の成形装置。
  6. 【請求項6】 粉末供給部は、上下方向に貫通する粉末
    供給孔を備えており、かつ粉末供給孔は型空間に露出し
    た状態で型空間と整合する形状であることを特徴とする
    請求項4記載の粉末成形品の成形装置。
JP19230193A 1993-08-03 1993-08-03 粉末成形品の成形装置及びその成形方法 Expired - Fee Related JP2917761B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19230193A JP2917761B2 (ja) 1993-08-03 1993-08-03 粉末成形品の成形装置及びその成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19230193A JP2917761B2 (ja) 1993-08-03 1993-08-03 粉末成形品の成形装置及びその成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0740095A JPH0740095A (ja) 1995-02-10
JP2917761B2 true JP2917761B2 (ja) 1999-07-12

Family

ID=16289004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19230193A Expired - Fee Related JP2917761B2 (ja) 1993-08-03 1993-08-03 粉末成形品の成形装置及びその成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2917761B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2808106B1 (en) * 2013-05-30 2019-11-06 Sandvik Intellectual Property AB Method for manufacturing a cutting insert

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8033805B2 (en) 2007-11-27 2011-10-11 Kennametal Inc. Method and apparatus for cross-passageway pressing to produce cutting inserts
JP5915954B2 (ja) * 2012-06-05 2016-05-11 住友電工焼結合金株式会社 粉末成形機の給粉装置
JP7192751B2 (ja) * 2019-11-26 2022-12-20 新東工業株式会社 ダスト固形化装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2808106B1 (en) * 2013-05-30 2019-11-06 Sandvik Intellectual Property AB Method for manufacturing a cutting insert

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0740095A (ja) 1995-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3433515A1 (de) Verfahren und werkzeug zum plastischen verformen metallischer werkstuecke durch kaltfliesspressen
JPH11300497A (ja) 粉末成形装置及びその駆動方法
JP2917761B2 (ja) 粉末成形品の成形装置及びその成形方法
JP3560748B2 (ja) 横穴付粉末成形品の製造方法
JPH06102247B2 (ja) 揺動型鍛造機
US6698267B1 (en) Method and impact machine for forming a body
JP5222614B2 (ja) 粉体プレス装置
JP3097425B2 (ja) 横孔を有する粉末成形体の成形方法およびその装置
JP3444922B2 (ja) 粉末成形品の横孔成形方法とその金型装置
JP2876946B2 (ja) 粉末成形品のアンダカット形状成形方法及びその成形装置
JPH0216879Y2 (ja)
CN207463929U (zh) 汽车变速箱结合齿冲压装置
JPS5935603A (ja) 圧粉体の成形装置
JPH0740094A (ja) 粉末成形品の横孔成形装置及びその横孔成形方法
JPH0788698A (ja) 粉末成形品の横孔成形用金型
WO2001083135B1 (en) Method and impact machine for forming a body
JP4394257B2 (ja) 粉末成形体の製造方法
JP3581623B2 (ja) 油圧式プレス機
JP2000005838A (ja) 穴付部材の塑性加工方法及びその装置
CN220611905U (zh) 一种汽车内饰冲压装置
CN213833342U (zh) 多功能旋转式振动送料装置
CA1086100A (en) Process and apparatus for manufacturing trimming dies
SU1433560A1 (ru) Штамп дл формировани деталей из листовых материалов
JP2549608B2 (ja) ホースの接続用管の食い込み歯のプレス成形工法
JPS6320435Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090423

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees