JPH07148531A - アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法 - Google Patents
アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法Info
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- JPH07148531A JPH07148531A JP30010393A JP30010393A JPH07148531A JP H07148531 A JPH07148531 A JP H07148531A JP 30010393 A JP30010393 A JP 30010393A JP 30010393 A JP30010393 A JP 30010393A JP H07148531 A JPH07148531 A JP H07148531A
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- aluminum
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 厳しい曲げ加工が要求されたり、断面形状が
複雑なアルミニウム及びその合金からなる中空部を有す
る管状部材である押出形材を低コストで曲げる。 【構成】 冷却すると、アルミニウム及びその合金から
なる押出形材の伸びや強度が向上するが、中空部に水を
注入した押出形材を液体窒素に浸漬して−20〜−19
6℃の温度範囲に冷却すれば、液体窒素の消費量を少な
くし得て、しかも中子を造ったり、中子を中空部に挿入
したり、また曲げ加工後に中子を中空部から抜取る必要
もないので、押出形材を低コストで曲げ加工することが
できる。
複雑なアルミニウム及びその合金からなる中空部を有す
る管状部材である押出形材を低コストで曲げる。 【構成】 冷却すると、アルミニウム及びその合金から
なる押出形材の伸びや強度が向上するが、中空部に水を
注入した押出形材を液体窒素に浸漬して−20〜−19
6℃の温度範囲に冷却すれば、液体窒素の消費量を少な
くし得て、しかも中子を造ったり、中子を中空部に挿入
したり、また曲げ加工後に中子を中空部から抜取る必要
もないので、押出形材を低コストで曲げ加工することが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空部を有する管状部
材の低温曲げ加工方法に係り、特に、形状が複雑で曲げ
加工が困難なアルミニウム又はその合金からなる中空部
を有する管状部材の低温曲げ加工方法に関する。
材の低温曲げ加工方法に係り、特に、形状が複雑で曲げ
加工が困難なアルミニウム又はその合金からなる中空部
を有する管状部材の低温曲げ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車部品や建築部材には、
アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状
部材である押出形材が使用されている。ところで、この
ような押出形材を曲げ加工する場合には、例えば、曲げ
加工状況説明図の図1a,1b,1cに示すように、座
屈を防止するために押出形材10の中空部10aに中子
11を挿入している。一方、厳しい曲げ加工が要求され
る場合や複雑な断面形状を有する押出形材の場合には、
部分加熱で軟化させて曲げ加工したり、また、中子の形
状も複雑になるため、氷中子を用いたりしている。
アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状
部材である押出形材が使用されている。ところで、この
ような押出形材を曲げ加工する場合には、例えば、曲げ
加工状況説明図の図1a,1b,1cに示すように、座
屈を防止するために押出形材10の中空部10aに中子
11を挿入している。一方、厳しい曲げ加工が要求され
る場合や複雑な断面形状を有する押出形材の場合には、
部分加熱で軟化させて曲げ加工したり、また、中子の形
状も複雑になるため、氷中子を用いたりしている。
【0003】しかしながら、部分加熱を行う押出形材の
曲げ加工方法では、工程数増加によるコストアップを来
す一方、押出形材の強度の低下のために座屈し易くなる
ので、押出形材の曲げ加工が難しくなるという経済上、
ならびに曲げ加工上の解決すべき課題が生じる。なお、
図1aに示すものは内筒形中子、図1bに示すものは球
面形中子、及び図1cに示すものは砲外形中子とそれぞ
れ呼ばれている。
曲げ加工方法では、工程数増加によるコストアップを来
す一方、押出形材の強度の低下のために座屈し易くなる
ので、押出形材の曲げ加工が難しくなるという経済上、
ならびに曲げ加工上の解決すべき課題が生じる。なお、
図1aに示すものは内筒形中子、図1bに示すものは球
面形中子、及び図1cに示すものは砲外形中子とそれぞ
れ呼ばれている。
【0004】また、氷中子を用いる押出形材の曲げ加工
方法では工程数が増えるので、コストアップとなる。周
知のように、氷に代えて低融点金属、例えば、湯温で融
けるニュートン合金やウッド合金等と呼ばれる共晶合金
を中空部に注入して中子として用いる方法も採用されて
いる。しかしながら、共晶合金を用いる場合、加温によ
る溶融・排出工程等が必要でコストアップを免れ得ない
だけでなく、共晶合金には鉛、カドミウム等の有害重金
属等が含有されているので好ましくない。
方法では工程数が増えるので、コストアップとなる。周
知のように、氷に代えて低融点金属、例えば、湯温で融
けるニュートン合金やウッド合金等と呼ばれる共晶合金
を中空部に注入して中子として用いる方法も採用されて
いる。しかしながら、共晶合金を用いる場合、加温によ
る溶融・排出工程等が必要でコストアップを免れ得ない
だけでなく、共晶合金には鉛、カドミウム等の有害重金
属等が含有されているので好ましくない。
【0005】ところで、近年では、上記課題を解決する
ためと、曲げ加工後の押出形材の減肉や偏肉の防止を狙
いとした低温曲げ加工が試みられるようになってきてい
る。このような低温曲げ加工方法は、例えば、特公平2
−62089号公報に示されている。以下、アルミ合金
管の低温曲げ加工方法の概要を、同明細書並びに添付図
に記載されている同一名称と同一符号とを以て説明す
る。
ためと、曲げ加工後の押出形材の減肉や偏肉の防止を狙
いとした低温曲げ加工が試みられるようになってきてい
る。このような低温曲げ加工方法は、例えば、特公平2
−62089号公報に示されている。以下、アルミ合金
管の低温曲げ加工方法の概要を、同明細書並びに添付図
に記載されている同一名称と同一符号とを以て説明す
る。
【0006】即ち、この方法は、回転引き曲げ方式に適
用されているもので、曲げ加工時にはアルミ合金管の可
動治具の入口付近における座屈を防ぐために、アルミ合
金管を冷却することによってその伸びと強度とを向上さ
せて、アルミ合金管の曲げ加工の容易化を図っている。
用されているもので、曲げ加工時にはアルミ合金管の可
動治具の入口付近における座屈を防ぐために、アルミ合
金管を冷却することによってその伸びと強度とを向上さ
せて、アルミ合金管の曲げ加工の容易化を図っている。
【0007】より詳しくは、低温曲げ加工装置の断面平
面図の図2aと、図2aのA−A線断面図の図2bとに
示すように、アルミ合金管1の中空部に挿入されるマン
ドレル6に、冷媒である液体窒素を流入させる流入路を
設けると共に、この流入路にLN2 管7を介して液体窒
素をアルミ合金管1の中空部に流入させ、液体窒素の蒸
発による気化熱でアルミ合金管1を冷却するものであ
る。このようにアルミ合金管1を冷却すると、Al−M
g系アルミニウム合金管の引張応力、耐力及び伸びと温
度との関係線図の図3に示すように、アルミ合金管1の
機械的性質である伸びや強度が向上するので、曲げ加工
性の悪いAl−Mg系アルミニウム合金からなるアルミ
合金管1でも容易に曲げ加工を施すことができる。
面図の図2aと、図2aのA−A線断面図の図2bとに
示すように、アルミ合金管1の中空部に挿入されるマン
ドレル6に、冷媒である液体窒素を流入させる流入路を
設けると共に、この流入路にLN2 管7を介して液体窒
素をアルミ合金管1の中空部に流入させ、液体窒素の蒸
発による気化熱でアルミ合金管1を冷却するものであ
る。このようにアルミ合金管1を冷却すると、Al−M
g系アルミニウム合金管の引張応力、耐力及び伸びと温
度との関係線図の図3に示すように、アルミ合金管1の
機械的性質である伸びや強度が向上するので、曲げ加工
性の悪いAl−Mg系アルミニウム合金からなるアルミ
合金管1でも容易に曲げ加工を施すことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、中子に
設けた供給路から液体窒素を供給することにより押出形
材を冷却する曲げ加工方法では、図2から良く理解され
るように、押出形材を液体窒素で冷却する一方、曲げ型
2の外周部を冷却すると共に、曲げ型2の内部に設けた
加温ヒーター9で加熱するので、液体窒素が多量に消費
されると共に、特に、押出形材の断面形状が複雑な場合
には、その断面形状に対応したマンドレルである中子を
作成しなければならず、コストアップを来す要因となっ
ている。
設けた供給路から液体窒素を供給することにより押出形
材を冷却する曲げ加工方法では、図2から良く理解され
るように、押出形材を液体窒素で冷却する一方、曲げ型
2の外周部を冷却すると共に、曲げ型2の内部に設けた
加温ヒーター9で加熱するので、液体窒素が多量に消費
されると共に、特に、押出形材の断面形状が複雑な場合
には、その断面形状に対応したマンドレルである中子を
作成しなければならず、コストアップを来す要因となっ
ている。
【0009】従って、本発明の目的とするところは、厳
しい曲げ加工が要求される管状部材や断面形状の複雑な
管状部材を低コストで曲げることを可能ならしめるアル
ミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材
の低温曲げ加工方法を提供するにある。
しい曲げ加工が要求される管状部材や断面形状の複雑な
管状部材を低コストで曲げることを可能ならしめるアル
ミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材
の低温曲げ加工方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになしたものであって、従って、本発明に係
るアルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管
状部材の低温曲げ加工方法の主たる手段の特徴とすると
ころは、常温では液状であって、かつ−20℃以下の温
度では凝固する液体を封入したアルミニウム及びアルミ
ニウム合金からなる管材を冷媒に浸漬して冷却し、−2
0〜−196℃の温度範囲で曲げ加工するところにあ
る。
決するためになしたものであって、従って、本発明に係
るアルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管
状部材の低温曲げ加工方法の主たる手段の特徴とすると
ころは、常温では液状であって、かつ−20℃以下の温
度では凝固する液体を封入したアルミニウム及びアルミ
ニウム合金からなる管材を冷媒に浸漬して冷却し、−2
0〜−196℃の温度範囲で曲げ加工するところにあ
る。
【0011】
【作用】本発明に係るアルミニウム又はその合金からな
る中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法によれ
ば、長手方向に垂直な断面が円断面、楕円断面、三角形
断面、多角形断面、異形断面のもの、あるいは中空部に
リブやフィン等を有するものを含む管状部材は、−20
〜196℃の温度範囲に冷却されるとその伸びと強度と
が共に向上するが、冷却は冷媒に浸漬するだけなので、
蒸発させて気化熱により冷却させる従来例に比較して冷
媒の消費量が少なくて済む。また、−20℃以下の温度
で凝固する管状部材の中空部に封入された液体は、冷却
により凝固して中子が形成されるので、複雑な形状の中
子を造る必要も、管状部材に中子を挿入する必要もない
だけでなく、曲げ加工終了後には中子が溶けて中空部か
ら流出するので、管状部材から中子を抜取る必要もな
い。
る中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法によれ
ば、長手方向に垂直な断面が円断面、楕円断面、三角形
断面、多角形断面、異形断面のもの、あるいは中空部に
リブやフィン等を有するものを含む管状部材は、−20
〜196℃の温度範囲に冷却されるとその伸びと強度と
が共に向上するが、冷却は冷媒に浸漬するだけなので、
蒸発させて気化熱により冷却させる従来例に比較して冷
媒の消費量が少なくて済む。また、−20℃以下の温度
で凝固する管状部材の中空部に封入された液体は、冷却
により凝固して中子が形成されるので、複雑な形状の中
子を造る必要も、管状部材に中子を挿入する必要もない
だけでなく、曲げ加工終了後には中子が溶けて中空部か
ら流出するので、管状部材から中子を抜取る必要もな
い。
【0012】
【実施例】発明者等は、鋭意研究を重ね、アルミニウム
又はその合金からなる中空部を有する管状部材である押
出形材の低温曲げ加工に際しては、この押出形材を冷媒
である液体窒素に浸漬して冷却すれば、特開平2−62
089号公報に示されている曲げ加工技術との比較にお
いて、液体窒素の消費量が少なくて済むので経済的に有
利になり、しかも、−20〜−196℃の範囲内で得ら
れる伸びと強度であれば、曲げ加工に十分耐え得ること
を知見してなしたものである。
又はその合金からなる中空部を有する管状部材である押
出形材の低温曲げ加工に際しては、この押出形材を冷媒
である液体窒素に浸漬して冷却すれば、特開平2−62
089号公報に示されている曲げ加工技術との比較にお
いて、液体窒素の消費量が少なくて済むので経済的に有
利になり、しかも、−20〜−196℃の範囲内で得ら
れる伸びと強度であれば、曲げ加工に十分耐え得ること
を知見してなしたものである。
【0013】以下、本発明の実施例に係るアルミニウム
又はその合金からなる押出形材の低温曲げ加工方法を説
明する。ところで、この押出形材の材質は、JIS60
63であり、また寸法・形状は40mm×40mmで、
かつ肉厚2mmの角形断面になるものである。
又はその合金からなる押出形材の低温曲げ加工方法を説
明する。ところで、この押出形材の材質は、JIS60
63であり、また寸法・形状は40mm×40mmで、
かつ肉厚2mmの角形断面になるものである。
【0014】このような押出形材を、本発明による低温
曲げ加工方法(以下、本法という)と、従来法による曲
げ加工方法(以下、従来法という)とにより曲げ加工を
施し、押出形材の曲げ内側にリンクル皺が発生しない限
界曲げ半径や押出形材をベンダーにセットしてからその
曲げ加工が終了するまでに要する時間(以下、セット時
間という)の長短で評価した。
曲げ加工方法(以下、本法という)と、従来法による曲
げ加工方法(以下、従来法という)とにより曲げ加工を
施し、押出形材の曲げ内側にリンクル皺が発生しない限
界曲げ半径や押出形材をベンダーにセットしてからその
曲げ加工が終了するまでに要する時間(以下、セット時
間という)の長短で評価した。
【0015】また、本法では、押出形材を液体窒素に浸
漬して冷却し、その温度を周知の接触式の温度計によっ
て測定した。なお、−20℃以下で完全に凝固する液体
には種々のものが考えられるが、本実施例では、入手が
容易、安価、かつ無害な水を採用した。以下、各条件下
において、周知の構成になるベンダーで曲げ加工した評
価比較を表1に示す。
漬して冷却し、その温度を周知の接触式の温度計によっ
て測定した。なお、−20℃以下で完全に凝固する液体
には種々のものが考えられるが、本実施例では、入手が
容易、安価、かつ無害な水を採用した。以下、各条件下
において、周知の構成になるベンダーで曲げ加工した評
価比較を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】即ち、上記表1に示すAは、中空部に水を
注入した押出形材を液体窒素に浸漬して冷却し、−13
0℃の温度で曲げ加工したもので、限界曲げ半径は10
0mm、セット時間は10秒であり、本法に係るもので
ある。
注入した押出形材を液体窒素に浸漬して冷却し、−13
0℃の温度で曲げ加工したもので、限界曲げ半径は10
0mm、セット時間は10秒であり、本法に係るもので
ある。
【0018】上記表1に示すBは、押出形材を液体窒素
に浸漬して冷却し、−130℃の温度で曲げ加工したも
ので、限界曲げ半径は300mm、セット時間は10秒
であり、中子を用いずに低温曲げ加工して、上記本法と
の低温曲げ加工性の相違を明確にするためのものであ
る。
に浸漬して冷却し、−130℃の温度で曲げ加工したも
ので、限界曲げ半径は300mm、セット時間は10秒
であり、中子を用いずに低温曲げ加工して、上記本法と
の低温曲げ加工性の相違を明確にするためのものであ
る。
【0019】上記表1に示すCは、押出形材を液体窒素
に浸漬して冷却し、−18℃の温度で曲げ加工したもの
で、限界曲げ半径は135mm、セット時間は40秒で
あり、円筒形中子を用いた従来法に係るものである。
に浸漬して冷却し、−18℃の温度で曲げ加工したもの
で、限界曲げ半径は135mm、セット時間は40秒で
あり、円筒形中子を用いた従来法に係るものである。
【0020】上記表1に示すDは、20℃で曲げ加工し
たもので、限界曲げ半径が150mm、セット時間は3
0秒であり、円筒形中子を用いた従来法に係るものであ
る。
たもので、限界曲げ半径が150mm、セット時間は3
0秒であり、円筒形中子を用いた従来法に係るものであ
る。
【0021】上記表1に示すEは、中子を用いずに20
℃で曲げ加工したもので、限界曲げ半径は500mm、
セット時間は10秒である。
℃で曲げ加工したもので、限界曲げ半径は500mm、
セット時間は10秒である。
【0022】上記表1に示すFは、300℃に加熱した
後、中子を用いずに曲げ加工したもので、限界曲げ半径
は650mm、セット時間は10秒である。
後、中子を用いずに曲げ加工したもので、限界曲げ半径
は650mm、セット時間は10秒である。
【0023】即ち、本法に係る低温曲げ加工方法によれ
ば、限界曲げ半径は従来の如何なる場合よりも限界曲げ
半径が小さく、しかも、中子を用いない場合と同セット
時間で良いので、本法は従来法に比較して極めて優れて
いることが良く理解される。勿論、本法は押出形材の冷
却に液体窒素を用いているが、従来のように、押出形材
の中空部に液体窒素を供給する方式でなく、押出形材を
液体窒素に浸漬するだけのため、従来例に比較して液体
窒素の消費量は少なくて済む。
ば、限界曲げ半径は従来の如何なる場合よりも限界曲げ
半径が小さく、しかも、中子を用いない場合と同セット
時間で良いので、本法は従来法に比較して極めて優れて
いることが良く理解される。勿論、本法は押出形材の冷
却に液体窒素を用いているが、従来のように、押出形材
の中空部に液体窒素を供給する方式でなく、押出形材を
液体窒素に浸漬するだけのため、従来例に比較して液体
窒素の消費量は少なくて済む。
【0024】ところで、以上では、押出形材を−130
℃に冷却して曲げ加工した場合を説明した。勿論、各温
度レベルにおける押出形材の曲げ加工評価データを開示
するのが望ましい。しかしながら、図3に示すように、
−20〜196℃の範囲であれば、アルミニウムや各種
アルミニウム合金の伸びや強度が改善され、それらの伸
び、強度、寸法・形状に応じて限界曲げ半径が相違した
としても、従来法に比較して優れることは容易に理解さ
れるので、種々の温度レベルにおける曲げ加工テストの
遂行を省略したものである。
℃に冷却して曲げ加工した場合を説明した。勿論、各温
度レベルにおける押出形材の曲げ加工評価データを開示
するのが望ましい。しかしながら、図3に示すように、
−20〜196℃の範囲であれば、アルミニウムや各種
アルミニウム合金の伸びや強度が改善され、それらの伸
び、強度、寸法・形状に応じて限界曲げ半径が相違した
としても、従来法に比較して優れることは容易に理解さ
れるので、種々の温度レベルにおける曲げ加工テストの
遂行を省略したものである。
【0025】また、以上では、寸法・形状が40mm×
40mm×2mmの四角断面をした押出形材を曲げ加工
した場合を例として説明したが、中空部を有する管状部
材であれば寸法の如何を問わず、また長手方向に垂直な
断面が円断面、楕円断面、三角形断面、多角形断面、異
形断面のもの、中空部にリブやフィン等を有するものの
形状の如何を問わず、本発明に係る技術的思想を適用し
得ることは容易に理解されることである。
40mm×2mmの四角断面をした押出形材を曲げ加工
した場合を例として説明したが、中空部を有する管状部
材であれば寸法の如何を問わず、また長手方向に垂直な
断面が円断面、楕円断面、三角形断面、多角形断面、異
形断面のもの、中空部にリブやフィン等を有するものの
形状の如何を問わず、本発明に係る技術的思想を適用し
得ることは容易に理解されることである。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る低温曲
げ加工方法によれば、アルミニウム又はその合金からな
る中空部を有する管状部材を−20〜196℃の温度範
囲に冷却して曲げ加工性を向上させるが、冷媒の消費量
が少ないので経済的に有利であり、また冷却により液体
が凝固して中子が形成され、複雑な形状の中子を造る必
要も、管状部材に中子を挿入する必要もないだけでな
く、曲げ加工終了後は中子を管状部材から抜取る必要も
なく、そして従来のように冷媒の消費量に伴うコストア
ップもないので、厳しい曲げ加工や形状の複雑な管状部
材の曲げ加工に係る加工コストの低減に対して多大な効
果がある。
げ加工方法によれば、アルミニウム又はその合金からな
る中空部を有する管状部材を−20〜196℃の温度範
囲に冷却して曲げ加工性を向上させるが、冷媒の消費量
が少ないので経済的に有利であり、また冷却により液体
が凝固して中子が形成され、複雑な形状の中子を造る必
要も、管状部材に中子を挿入する必要もないだけでな
く、曲げ加工終了後は中子を管状部材から抜取る必要も
なく、そして従来のように冷媒の消費量に伴うコストア
ップもないので、厳しい曲げ加工や形状の複雑な管状部
材の曲げ加工に係る加工コストの低減に対して多大な効
果がある。
【図1】図1a,1b,1cは、従来例に係る曲げ加工
状況説明図である。
状況説明図である。
【図2】従来例に係り、図2aはアルミニウム合金管の
低温曲げ加工装置の断面平面図であり、また図2bは図
2aのA−A線断面図である。
低温曲げ加工装置の断面平面図であり、また図2bは図
2aのA−A線断面図である。
【図3】Al−Mg系アルミニウム合金管の引張応力、
耐力及び伸びと温度との関係線図である。
耐力及び伸びと温度との関係線図である。
フロントページの続き (72)発明者 平野 正和 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内
Claims (1)
- 【請求項1】 常温では液状であって、かつ−20℃以
下の温度では凝固する液体を封入したアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる中空部を有する管状部材を冷
媒に浸漬して冷却し、−20〜−196℃の温度範囲で
曲げ加工することを特徴とするアルミニウム又はその合
金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30010393A JPH07148531A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30010393A JPH07148531A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07148531A true JPH07148531A (ja) | 1995-06-13 |
Family
ID=17880754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30010393A Withdrawn JPH07148531A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アルミニウム又はその合金からなる中空部を有する管状部材の低温曲げ加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07148531A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102744304A (zh) * | 2012-07-26 | 2012-10-24 | 襄阳市广谦达进出口有限公司 | 空腔冷弯大口径薄壁铝弯管的加工方法 |
CN103331348A (zh) * | 2013-07-18 | 2013-10-02 | 西安东风仪表厂 | 一种矩形截面薄壁钢管的弯曲方法 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP30010393A patent/JPH07148531A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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