JPH07148482A - 薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置 - Google Patents
薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置Info
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- JPH07148482A JPH07148482A JP32082393A JP32082393A JPH07148482A JP H07148482 A JPH07148482 A JP H07148482A JP 32082393 A JP32082393 A JP 32082393A JP 32082393 A JP32082393 A JP 32082393A JP H07148482 A JPH07148482 A JP H07148482A
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- hydrogen sulfide
- chemical
- injection
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/008—Control or steering systems not provided for elsewhere in subclass C02F
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧送される下水内の硫化水素をほぼ零に抑制
処理すると共に、処理済の下水による下流側への悪影響
をなくし、かつ薬品使用量の低減を図る薬品注入による
下水の硫化水素の制御方法と装置を提供する。 【構成】 圧送される下水を一時的に蓄溜するポンプ井
6と、ポンプ井6内の下水12の水温,水位,溶存酸素
量を検出する検出手段2と、それ等の検出値と圧送管1
4内の滞留時間と予め記録した薬品注入量マスタテーブ
ル8のデータとにより供給すべき薬品(塩化第二鉄)の
注入量を決定するCPU1と、CPU1の指令により薬
品注入ポンプ9を駆動する薬品制御部7等からなる。薬
品注入ポンプ9から一定の注入量の塩化第二鉄を供給す
ることにより硫化水素はほぼ零に抑制処理される。ま
た、硫化水素と塩化第二鉄の反応により生じた硫化鉄は
下水内に浮遊し管内に堆積しない。また、処理済の下水
のpHは一定値以上に保持され酸化還元電位は大巾に向
上する。
処理すると共に、処理済の下水による下流側への悪影響
をなくし、かつ薬品使用量の低減を図る薬品注入による
下水の硫化水素の制御方法と装置を提供する。 【構成】 圧送される下水を一時的に蓄溜するポンプ井
6と、ポンプ井6内の下水12の水温,水位,溶存酸素
量を検出する検出手段2と、それ等の検出値と圧送管1
4内の滞留時間と予め記録した薬品注入量マスタテーブ
ル8のデータとにより供給すべき薬品(塩化第二鉄)の
注入量を決定するCPU1と、CPU1の指令により薬
品注入ポンプ9を駆動する薬品制御部7等からなる。薬
品注入ポンプ9から一定の注入量の塩化第二鉄を供給す
ることにより硫化水素はほぼ零に抑制処理される。ま
た、硫化水素と塩化第二鉄の反応により生じた硫化鉄は
下水内に浮遊し管内に堆積しない。また、処理済の下水
のpHは一定値以上に保持され酸化還元電位は大巾に向
上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧送管で排水される下
水から発生する硫化水素による弊害を除去するに好適な
薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置に関す
る。
水から発生する硫化水素による弊害を除去するに好適な
薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】下水は下水発生源から圧送管で下流側に
送られ、終末処理場で再生処理される。再曝気による酸
素の溶解が十分に見込める自然流下の場合には管壁のス
ライムで生成される硫化物が下水中に溶解しても当該硫
化物は再曝気によって溶解した酸素により酸化されて消
滅するため有害な硫化水素が発生しない。しかしながら
下水が圧送管で排出される場合には再曝気が殆ど期待出
来ないため硫化水素が発生する。この硫化水素は鉄筋や
コンクリートを腐食,劣化させて寿命を低下させると共
に硫化水素ガスが気相に放散され悪臭を発生する問題点
が生ずる。また、下水圧送後に形成される人孔の内部の
コンクリートが腐食され、足掛金具の脱落や鉄筋の露出
が生じ危険である。これ等の問題点を解消する手段とし
て従来技術では圧送管内に空気を供給したり、硫化水素
ガスの発生部位を隔壁等で覆う手段が施されるに過ぎな
かった。
送られ、終末処理場で再生処理される。再曝気による酸
素の溶解が十分に見込める自然流下の場合には管壁のス
ライムで生成される硫化物が下水中に溶解しても当該硫
化物は再曝気によって溶解した酸素により酸化されて消
滅するため有害な硫化水素が発生しない。しかしながら
下水が圧送管で排出される場合には再曝気が殆ど期待出
来ないため硫化水素が発生する。この硫化水素は鉄筋や
コンクリートを腐食,劣化させて寿命を低下させると共
に硫化水素ガスが気相に放散され悪臭を発生する問題点
が生ずる。また、下水圧送後に形成される人孔の内部の
コンクリートが腐食され、足掛金具の脱落や鉄筋の露出
が生じ危険である。これ等の問題点を解消する手段とし
て従来技術では圧送管内に空気を供給したり、硫化水素
ガスの発生部位を隔壁等で覆う手段が施されるに過ぎな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧送管が短い場合や直
線的に配設されている場合には空気の供給により硫化水
素の発生は一時的に抑制される。しかしながら、一般に
圧送管は長く、かつ屈曲して配設されるのが普通であ
る。また、隔壁等で被包する手段は姑息な手段であり硫
化水素ガスが洩れ、悪臭防止の効果は少ない。そこで、
屈曲して配設され、かつ管長の長い圧送管内に発生する
硫化水素を抑制する手段として薬品を注入する方法が検
討された。基礎的研究と現場実験により、硫化水素の抑
制に効果的な薬品として塩化第二鉄と硝酸塩が上げら
れ、これ等の薬品を所定量供給することにより圧送管内
の硫化水素がほぼ零に抑制処理されることがわかった。
また、薬品の注入量は下水の水温,滞留時間,溶存酸素
量により決められ、特に水温と滞留時間に強い相関関係
を有することがわかった。一方、薬品の注入により硫化
水素が抑制されても処理済の下水が下流側の処理手段や
処理場に悪影響を与えることを防止する必要がある。具
体的にはpHの値が余り下廻らないことが必要であり、
かつ下水の嫌気的な雰囲気(酸化還元電位)を改善する
ことが必要である。一方、塩化第二鉄と硝酸塩とを比較
すると前者は硫化水素の抑制反応が鋭敏であり、水質が
酸性に変化し酸化還元電位の著しい向上が認められ、臭
気発生がない特徴を有するが、後者は反応が緩慢であ
り、水質の変化がなく、かつアンモニア臭が発生する等
の欠点を有する。
線的に配設されている場合には空気の供給により硫化水
素の発生は一時的に抑制される。しかしながら、一般に
圧送管は長く、かつ屈曲して配設されるのが普通であ
る。また、隔壁等で被包する手段は姑息な手段であり硫
化水素ガスが洩れ、悪臭防止の効果は少ない。そこで、
屈曲して配設され、かつ管長の長い圧送管内に発生する
硫化水素を抑制する手段として薬品を注入する方法が検
討された。基礎的研究と現場実験により、硫化水素の抑
制に効果的な薬品として塩化第二鉄と硝酸塩が上げら
れ、これ等の薬品を所定量供給することにより圧送管内
の硫化水素がほぼ零に抑制処理されることがわかった。
また、薬品の注入量は下水の水温,滞留時間,溶存酸素
量により決められ、特に水温と滞留時間に強い相関関係
を有することがわかった。一方、薬品の注入により硫化
水素が抑制されても処理済の下水が下流側の処理手段や
処理場に悪影響を与えることを防止する必要がある。具
体的にはpHの値が余り下廻らないことが必要であり、
かつ下水の嫌気的な雰囲気(酸化還元電位)を改善する
ことが必要である。一方、塩化第二鉄と硝酸塩とを比較
すると前者は硫化水素の抑制反応が鋭敏であり、水質が
酸性に変化し酸化還元電位の著しい向上が認められ、臭
気発生がない特徴を有するが、後者は反応が緩慢であ
り、水質の変化がなく、かつアンモニア臭が発生する等
の欠点を有する。
【0004】本発明は以上の事情に鑑みて創案されたも
のであり、硫化水素の抑制処理として塩化第二鉄の薬品
を注入することにし、かつ所定量の薬品を注入すべく薬
品の注入量の自動設定と、下水の排出と薬品注入とを同
期制御して硫化水素の抑制の完全化を図ると共に、薬品
の使用量の低減が出来、下流側に悪影響を与えない薬品
注入による下水の硫化水素の制御方法と装置を提供する
ことを目的とする。
のであり、硫化水素の抑制処理として塩化第二鉄の薬品
を注入することにし、かつ所定量の薬品を注入すべく薬
品の注入量の自動設定と、下水の排出と薬品注入とを同
期制御して硫化水素の抑制の完全化を図ると共に、薬品
の使用量の低減が出来、下流側に悪影響を与えない薬品
注入による下水の硫化水素の制御方法と装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、圧送される下水から生ずる硫化水素を
薬品の注入によりほぼ零に抑制処理すると共に処理済の
下水の下流側への影響を低減するための下水の硫化水素
の制御方法であって、所定量の下水を下流側に自動的に
排出すべく下水を一時蓄溜するポンプ井内の下水の水
温,水位,溶存酸素量を検出すると共に、それ等の検出
値に対応する前記薬品の注入量を自動的に設定し、所定
の注入量の薬品の前記ポンプ井内への供給と当該ポンプ
井からの下水の排水を同期制御する薬品注入による下水
の硫化水素の制御方法を特徴とする。また、この制御方
法を実現する具体的手段として、圧送される下水から生
ずる硫化水素を薬品の注入によりほぼ零に制御処理する
と共に処理済の下水の下流側への影響を低減するための
下水の硫化水素の制御装置であって、圧送される下水を
一定の排出レベルまで一時的に蓄溜するポンプ井と、該
ポンプ井内の下水の水温,水位,溶存酸素量を検出する
検出手段と、当該手段の検出値に対応する薬品の注入量
を自動的に求めるCPUと、該CPUに係合し、前記ポ
ンプ井からの所定量の下水を排出する排水ポンプおよび
前記注入量の薬品をポンプ井内に供給する薬品注入ポン
プを下水の排出と同期して制御する制御部とを有してな
る薬品注入による下水の硫化水素の制御装置を構成する
ものである。また、薬品としては塩化第二鉄を使用する
ことを特徴とするものである。
達成するために、圧送される下水から生ずる硫化水素を
薬品の注入によりほぼ零に抑制処理すると共に処理済の
下水の下流側への影響を低減するための下水の硫化水素
の制御方法であって、所定量の下水を下流側に自動的に
排出すべく下水を一時蓄溜するポンプ井内の下水の水
温,水位,溶存酸素量を検出すると共に、それ等の検出
値に対応する前記薬品の注入量を自動的に設定し、所定
の注入量の薬品の前記ポンプ井内への供給と当該ポンプ
井からの下水の排水を同期制御する薬品注入による下水
の硫化水素の制御方法を特徴とする。また、この制御方
法を実現する具体的手段として、圧送される下水から生
ずる硫化水素を薬品の注入によりほぼ零に制御処理する
と共に処理済の下水の下流側への影響を低減するための
下水の硫化水素の制御装置であって、圧送される下水を
一定の排出レベルまで一時的に蓄溜するポンプ井と、該
ポンプ井内の下水の水温,水位,溶存酸素量を検出する
検出手段と、当該手段の検出値に対応する薬品の注入量
を自動的に求めるCPUと、該CPUに係合し、前記ポ
ンプ井からの所定量の下水を排出する排水ポンプおよび
前記注入量の薬品をポンプ井内に供給する薬品注入ポン
プを下水の排出と同期して制御する制御部とを有してな
る薬品注入による下水の硫化水素の制御装置を構成する
ものである。また、薬品としては塩化第二鉄を使用する
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】下水は下水発生源としての各処理区域から集約
され、一時的にポンプ井に蓄溜し、所定の排出レベルに
なると下流側に自動的に圧送排水される。この圧送中に
圧送管内部で生成される硫化水素をほぼ零に出来れば本
発明の目的は達成される。そのため、ポンプ井内の下水
の水温,水位,溶存酸素量を検出する。硫化水素をほぼ
零にするに必要な薬品の注入量は特に水温,滞留時間に
直接的に関係する。そのため、予めCPU側に水温と溶
存酸素量に相当する薬品注入量の基本データを記録保持
すると共に、このデータとポンプ起動時に圧送管内部に
滞留される下水の予想滞留時間とから自動的に薬品の注
入量が求められる。なお、薬品注入量が過多になるとp
Hの値が低下(酸化)するためポンプ井から排出される
瞬間に滞留時間を予測しこれに見合う量の薬品を注入す
ることにより下流側への悪影響が防止される。
され、一時的にポンプ井に蓄溜し、所定の排出レベルに
なると下流側に自動的に圧送排水される。この圧送中に
圧送管内部で生成される硫化水素をほぼ零に出来れば本
発明の目的は達成される。そのため、ポンプ井内の下水
の水温,水位,溶存酸素量を検出する。硫化水素をほぼ
零にするに必要な薬品の注入量は特に水温,滞留時間に
直接的に関係する。そのため、予めCPU側に水温と溶
存酸素量に相当する薬品注入量の基本データを記録保持
すると共に、このデータとポンプ起動時に圧送管内部に
滞留される下水の予想滞留時間とから自動的に薬品の注
入量が求められる。なお、薬品注入量が過多になるとp
Hの値が低下(酸化)するためポンプ井から排出される
瞬間に滞留時間を予測しこれに見合う量の薬品を注入す
ることにより下流側への悪影響が防止される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図1は本実施例の全体構成図であり、図2は本実
施例の制御方法の概要を説明するためのフローチャート
である。
する。図1は本実施例の全体構成図であり、図2は本実
施例の制御方法の概要を説明するためのフローチャート
である。
【0008】図1により本実施例の全体構成を説明す
る。下水12は処理区域13から管15を介しポンプ井
6に送られ一時的に蓄溜される。ポンプ井6内には検出
手段2の水温検出センサ3と水位検出センサ4と溶存酸
素量検出センサ5が配設されCPU1と連結する。ポン
プ井6内の下水12は所定の排出レベル位置に到達する
と下水排水ポンプ10により屈曲して配設される圧送管
14を介して終末処理場16側に送られる。一方、塩化
第二鉄は薬品蓄溜タンク11内に保存され、薬品注入ポ
ンプ9により注入管17を介してポンプ井6に供給され
る。なお、薬品注入ポンプ9は薬品制御部7により自動
制御される。
る。下水12は処理区域13から管15を介しポンプ井
6に送られ一時的に蓄溜される。ポンプ井6内には検出
手段2の水温検出センサ3と水位検出センサ4と溶存酸
素量検出センサ5が配設されCPU1と連結する。ポン
プ井6内の下水12は所定の排出レベル位置に到達する
と下水排水ポンプ10により屈曲して配設される圧送管
14を介して終末処理場16側に送られる。一方、塩化
第二鉄は薬品蓄溜タンク11内に保存され、薬品注入ポ
ンプ9により注入管17を介してポンプ井6に供給され
る。なお、薬品注入ポンプ9は薬品制御部7により自動
制御される。
【0009】CPU1には薬品注入量マスタテーブル8
のデータが予め入力記録される。前記したように、硫化
水素を抑制処理するに必要な薬品の注入量は下水の水温
と滞留時間によりほぼ決められる。水温検出センサ3は
下水の水温を検出し、その検出値をCPUに入力する。
一方、水位検出センサ4によりポンプ井6内の下水12
の排出開始時間が検出される。また、圧送管14の形状
および長さ等から下水12の圧送管14内の滞留時間が
予測される。前記検出値に対応する薬品注入量マスタテ
ーブル8のデータと前記滞留時間とから薬品注入量と注
入時期が自動的に求められる。CPU1は薬品制御部を
下水12の排水と同期してコントロールして、薬品注入
ポンプ9および注入管17を介し所定の注入量の薬品
(塩化第二鉄)をポンプ井6内に送るように作用する。
塩化第二鉄により抑制処理された処理済の一定量の下水
12がポンプ井6から排出されると下水排水ポンプ10
が停止し、同時に薬品注入ポンプ9が停止する。
のデータが予め入力記録される。前記したように、硫化
水素を抑制処理するに必要な薬品の注入量は下水の水温
と滞留時間によりほぼ決められる。水温検出センサ3は
下水の水温を検出し、その検出値をCPUに入力する。
一方、水位検出センサ4によりポンプ井6内の下水12
の排出開始時間が検出される。また、圧送管14の形状
および長さ等から下水12の圧送管14内の滞留時間が
予測される。前記検出値に対応する薬品注入量マスタテ
ーブル8のデータと前記滞留時間とから薬品注入量と注
入時期が自動的に求められる。CPU1は薬品制御部を
下水12の排水と同期してコントロールして、薬品注入
ポンプ9および注入管17を介し所定の注入量の薬品
(塩化第二鉄)をポンプ井6内に送るように作用する。
塩化第二鉄により抑制処理された処理済の一定量の下水
12がポンプ井6から排出されると下水排水ポンプ10
が停止し、同時に薬品注入ポンプ9が停止する。
【0010】次に、本実施例の作用を図2のフローチャ
ートにより更に詳しく説明する。まず、ポンプ井6に処
理区域13側から下水12が流入される(ステップ10
0)。ポンプ井6内の水温検出センサ3,水位検出セン
サ4および溶存酸素量検出センサ5によりポンプ井6内
の下水の水温,水位,溶存酸素量が求められる(ステッ
プ101)。水位検出センサ4によりポンプ井6内の下
水12が排出レベルに達したか否かが検出され下水排水
ポンプ10の起動の有無が判断される(ステップ10
2)。Yesの場合は下水排水ポンプ10が作動し(ス
テップ103)、同時に薬品注入量マスタテーブル8を
参照して予想滞留時間が算出される(ステップ10
4)。それによりCPU1は薬品注入量を決定し(ステ
ップ105)、薬品制御部7を介し薬品注入ポンプ9に
作動指令を発する(ステップ106)。薬品注入ポンプ
9は薬品蓄溜タンク11から所定の注入量の塩化第二鉄
をポンプ井6内に供給する。ポンプ井6から一定量の処
理済下水12が終末処理場16側に排出されると(ステ
ップ106)、下水排水ポンプ10の停止時期が判断さ
れ(ステップ107)、下水排水ポンプ10の停止と同
時に薬品注入ポンプ9も停止する(ステップ108)。
以下、同様な動作を繰返し行うことにより硫化水素をほ
ぼ零に抑制処理された下水12のみが終末処理場16側
に送られる。
ートにより更に詳しく説明する。まず、ポンプ井6に処
理区域13側から下水12が流入される(ステップ10
0)。ポンプ井6内の水温検出センサ3,水位検出セン
サ4および溶存酸素量検出センサ5によりポンプ井6内
の下水の水温,水位,溶存酸素量が求められる(ステッ
プ101)。水位検出センサ4によりポンプ井6内の下
水12が排出レベルに達したか否かが検出され下水排水
ポンプ10の起動の有無が判断される(ステップ10
2)。Yesの場合は下水排水ポンプ10が作動し(ス
テップ103)、同時に薬品注入量マスタテーブル8を
参照して予想滞留時間が算出される(ステップ10
4)。それによりCPU1は薬品注入量を決定し(ステ
ップ105)、薬品制御部7を介し薬品注入ポンプ9に
作動指令を発する(ステップ106)。薬品注入ポンプ
9は薬品蓄溜タンク11から所定の注入量の塩化第二鉄
をポンプ井6内に供給する。ポンプ井6から一定量の処
理済下水12が終末処理場16側に排出されると(ステ
ップ106)、下水排水ポンプ10の停止時期が判断さ
れ(ステップ107)、下水排水ポンプ10の停止と同
時に薬品注入ポンプ9も停止する(ステップ108)。
以下、同様な動作を繰返し行うことにより硫化水素をほ
ぼ零に抑制処理された下水12のみが終末処理場16側
に送られる。
【0011】硫化水素と塩化第二鉄との反応により硫化
鉄(無害)が発生する。この硫化鉄が圧送管14(図
1)等に堆積すると圧送管14内が詰まり流量抵抗が増
大する等の問題点が生じる。しかしながら、現場観察に
よると処理済の下水12は圧送管14内を圧送されるた
め硫化鉄は下水12内に浮遊混合され堆積しないことが
確認された。また、塩化第二鉄の注入濃度を100mg
/l以下にすればpHは5.8を下廻ることがないこと
が確認され、かつ10mg/l以上の注入により酸化還
元電位が大巾に増加することが確認される。従って、ポ
ンプ井6からの排出量をコントロールすることにより処
理済の下水のpHおよび酸化還元電位を所定値にするこ
とが出来る。これにより、終末処理場16側への悪影響
の防止が図れる。更に、現場実験によると硫化水素ガス
によるニオイが全くなくなったことが確認されると共
に、終末処理場16側における流入水質の変化がなく、
沈砂池での沈砂・し砂の量の変化がなく、水処理施設で
の汚泥引抜量の変化がなく引抜ポンプの負荷も増加しな
い。また、汚泥量に変化がないことも確認された。
鉄(無害)が発生する。この硫化鉄が圧送管14(図
1)等に堆積すると圧送管14内が詰まり流量抵抗が増
大する等の問題点が生じる。しかしながら、現場観察に
よると処理済の下水12は圧送管14内を圧送されるた
め硫化鉄は下水12内に浮遊混合され堆積しないことが
確認された。また、塩化第二鉄の注入濃度を100mg
/l以下にすればpHは5.8を下廻ることがないこと
が確認され、かつ10mg/l以上の注入により酸化還
元電位が大巾に増加することが確認される。従って、ポ
ンプ井6からの排出量をコントロールすることにより処
理済の下水のpHおよび酸化還元電位を所定値にするこ
とが出来る。これにより、終末処理場16側への悪影響
の防止が図れる。更に、現場実験によると硫化水素ガス
によるニオイが全くなくなったことが確認されると共
に、終末処理場16側における流入水質の変化がなく、
沈砂池での沈砂・し砂の量の変化がなく、水処理施設で
の汚泥引抜量の変化がなく引抜ポンプの負荷も増加しな
い。また、汚泥量に変化がないことも確認された。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、次のような顕著な効果
を奏する。 1)圧送される下水から発生する硫化水素がほぼ零に抑
制処理され、終末処理場側で硫化水素ガスの悪臭が除去
される。なお、硫化水素は0.02ppmでも悪臭の確
認が可能なものであり、本発明により悪臭が感じられな
いことから少なくとも0.02ppm以下の硫化水素し
か残存していないことから硫化水素のほぼ完全除去が実
現された。 2)硫化水素と塩化第二鉄との反応により生成される硫
化鉄が下水内に浮遊し管内に堆積しない。これにより処
理済の下水の円滑排水が永続出来る。 3)CPUで求められた所定量の薬品(塩化第二鉄)の
みが供給されるため、薬品使用量の低減が図れる。 4)所定量の薬品の供給により処理済の下水のpHおよ
び酸化還元電位を所望値に保持することが出来る。これ
により下流側への悪影響が防止される。 5)下水の排水と薬品の供給が自動同期制御により行わ
れるため、安定、かつ確実な下水処理が出来る。 6)排出される下水の量や、圧送管の形状,長さ等が変
化してもCPU内の記録データの更新により容易に対応
することが出来る。
を奏する。 1)圧送される下水から発生する硫化水素がほぼ零に抑
制処理され、終末処理場側で硫化水素ガスの悪臭が除去
される。なお、硫化水素は0.02ppmでも悪臭の確
認が可能なものであり、本発明により悪臭が感じられな
いことから少なくとも0.02ppm以下の硫化水素し
か残存していないことから硫化水素のほぼ完全除去が実
現された。 2)硫化水素と塩化第二鉄との反応により生成される硫
化鉄が下水内に浮遊し管内に堆積しない。これにより処
理済の下水の円滑排水が永続出来る。 3)CPUで求められた所定量の薬品(塩化第二鉄)の
みが供給されるため、薬品使用量の低減が図れる。 4)所定量の薬品の供給により処理済の下水のpHおよ
び酸化還元電位を所望値に保持することが出来る。これ
により下流側への悪影響が防止される。 5)下水の排水と薬品の供給が自動同期制御により行わ
れるため、安定、かつ確実な下水処理が出来る。 6)排出される下水の量や、圧送管の形状,長さ等が変
化してもCPU内の記録データの更新により容易に対応
することが出来る。
【図1】本発明の一実施例の全体構成図。
【図2】本実施例の作用を説明するためのフローチャー
ト。
ト。
1 CPU 2 検出手段 3 水温検出センサ 4 水位検出センサ 5 溶存酸素量検出センサ 6 ポンプ井 7 薬品制御部 8 薬品注入量マスタテーブル 9 薬品注入ポンプ 10 下水排水ポンプ 11 薬品蓄溜タンク 12 下水 13 処理区域 14 圧送管 15 管 16 終末処理場 17 注入管
Claims (4)
- 【請求項1】 圧送される下水から生じる硫化水素を薬
品の注入によりほぼ零に抑制処理すると共に処理済の下
水の下流側への影響を低減するための下水の硫化水素の
制御方法であって、所定量の下水を下流側に自動的に排
出すべく下水を一時蓄溜するポンプ井内の下水の水温,
水位,溶存酸素量を検出すると共に、それ等の検出値に
対応する前記薬品の注入量を自動的に設定し、所定の注
入量の薬品の前記ポンプ井内への供給と当該ポンプ井か
らの下水の排水を同期制御することを特徴とする薬品注
入による下水の硫化水素の制御方法。 - 【請求項2】 圧送される下水から生じる硫化水素を薬
品の注入によりほぼ零に制御処理すると共に処理済の下
水の下流側への影響を低減するための下水の硫化水素の
制御装置であって、圧送される下水を一定の排出レベル
まで一時的に蓄溜するポンプ井と、該ポンプ井内の下水
の水温,水位,溶存酸素量を検出する検出手段と、当該
手段の検出値に対応する薬品の注入量を自動的に求める
CPUと、該CPUに係合し、前記ポンプ井からの所定
量の下水を排出する排水ポンプと前記注入量の薬品をポ
ンプ井内に供給する薬品注入ポンプを下水の排出と同期
して制御する制御部とを有することを特徴とする薬品注
入による下水の硫化水素の制御装置。 - 【請求項3】 前記薬品が塩化第二鉄である請求項1の
薬品注入による下水の硫化水素の制御方法。 - 【請求項4】 前記薬品が塩化第二鉄である請求項2の
薬品注入による下水の硫化水素の制御装置。
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---|---|---|---|
JP5320823A JPH0818018B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置 |
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JP5320823A JPH0818018B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置 |
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JPH07148482A true JPH07148482A (ja) | 1995-06-13 |
JPH0818018B2 JPH0818018B2 (ja) | 1996-02-28 |
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ID=18125638
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JP5320823A Expired - Fee Related JPH0818018B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 薬品注入による下水の硫化水素の制御方法と装置 |
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1993
- 1993-11-29 JP JP5320823A patent/JPH0818018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0818018B2 (ja) | 1996-02-28 |
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