JPH07148287A - ゴルフクラブおよびその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブおよびその製造方法

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JPH07148287A
JPH07148287A JP6191006A JP19100694A JPH07148287A JP H07148287 A JPH07148287 A JP H07148287A JP 6191006 A JP6191006 A JP 6191006A JP 19100694 A JP19100694 A JP 19100694A JP H07148287 A JPH07148287 A JP H07148287A
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golf club
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JP6191006A
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Shii Atsushiyukurafuto Danii
シー アッシュクラフト ダニー
Ii Parente Richiyaado
イー パレンテ リチャード
De Ra Kurutsu Richiyaado
デ ラ クルツ リチャード
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GOORUDOUIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタルウッドのクラブヘッドと製造方法を提
供する。 【構成】 鍛造した単一金属ビレット１２から削り出し
たクラブヘッド本体１０と、本体部の下部壁に形成さ
れ、ソールプレート４８の固定を許容する凹所１８と、
金属ビレットを凹所から本体部内方へ削り出して凹所に
開口させたキャビティ３８と、凹所に固定されてキャビ
ティの開口部を閉成するソールプレート４８とからなる
クラブヘッド。鍛造した単一の金属ビレットを削り出し
て本体部を形成し、本体部の下部壁にソールプレートの
固定を許容する凹所を削り出し、金属ビレットを凹所か
ら本体部内方へ削り出してキャビティを形成し、該凹所
にソールプレートを固定してキャビティの開口部を閉成
し、このソールプレートと金属ビレットとを境界の周り
で一体的に削り出してヘッドの周囲に連続した円滑表面
を形成するようにしたゴルフクラブの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、一般にゴルフクラ
ブ、殊に所謂「メタルウッド」タイプのゴルフクラブおよ
びその製造方法とに関するものである。
【０００２】
【従来技術】ゴルフクラブは、一般に４つの主なタイ
プ、すなわちパター,アイアン,フェアウェイクラブおよ
びドライバーに分類される。従前のドライバーは、通常
木製であったために、往々にして「ウッド」と呼ばれてい
る。しかし最近では、ドライバーは金属でも製造されて
いるので、これらは時として「メタルウッド」と呼ばれて
いる。
【０００３】
【発明が解決すべき課題】殆どのメタルウッドは、便宜
的にステンレス鋼から製造されており、極めて少ない例
外として、これらメタルウッドはインベストメント鋳造
により中空ステンレス鋼シェルとして製造される。この
インベストメント鋳造方法はバラツキを生じ易く、この
ためゴルフクラブのフェースは、ムラがあったり多数の
引け巣を含むことがあり得る。このような欠点を隠すた
め磨きを掛けたり、またサンドブラストで化粧する必要
がある。インベストメント鋳造によって薄肉の壁部を有
するステンレス鋼ヘッドを製造すると、多孔部や薄いス
ポットに起因して、多数の欠陥品を生ずることになる。
またインベストメント鋳造方法は、それ自体が高価につ
き、仕上げに高いコストもかかるために、得られた結果
は余り思わしいものではなかった。
【０００４】ステンレス鋼は比較的重量があるので、ク
ラブヘッドの壁部を比較的薄いものとして、該クラブヘ
ッドの重量を受け入れ得るものとする必要がある。また
肉厚が比較的薄いと、該クラブヘッドがボールを打撃す
ると、出来上りの不具合に起因して、かなりの割合でク
ラブフェースの変形を生じてしまう。
【０００５】
【発明の目的】本発明の目的は、新規でかつ改良された
メタルウッドのゴルフクラブヘッドおよび新規でかつ改
良された該ゴルフクラブを製造する方法を提供すること
にある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の１つの特徴によ
れば、ゴルフクラブのヘッドは、前部打撃面、ヒール、
トウ、上部壁すなわちクラウン、下部壁すなわちソール
および後部壁を有する中空本体からなり、この中空本体
は鍛造材料から一体的に構成され、かつ下部壁を介して
削り出した中空キャビティを有している。別体のソール
プレートが、前記本体の下部面に機械加工した凹所に固
定され、少なくとも該本体は、鍛造したアルミニウム合
金またはアルミニウム合金と物理的特性が均等な高密度
の非金属材料から構成され、その打撃面は機械加工すな
わち削り出しがなされて所定の膨出部(bulge)およびロ
ール部(roll)を有すると共に、少なくとも３.１７５mm
(０.１２５インチ)厚以上の薄さを有している。ヒール
は、好ましくは上部壁から該ヒール中へ内方に向けて延
在し、かつ該ヒール内で終端しているボア(bore)を有し
ている。このボアは、ホーゼル(hosel)を受容する手段
であって、かつ所望のフェースアングルおよびライアン
グル(lie angle ボールの位置に関する角度)を決定する
よう方向付けられている。
【０００７】このクラブヘッドは、鍛造材料の単一固型
塊から製作されるために、基本的に同一の切削工具を使
用して製作する際に、所望のフェースアングル、ライア
ングル(lie angle)、重量配分その他のパラメータを取
入れることができる。これにより鋳造したクラブヘッド
および溶接したクラブヘッドの欠点を回避することがで
き、該クラブヘッドの性能が著しく改善される。軽量材
料の使用と単一固型材料塊からの製造とによって、クラ
ブヘッドは本物のウッドのクラブヘッドにおけるプレー
特性、例えば向上したギアエフェクト(gear effect)を
有するよう設計することができ、これは重量制限のため
大きな鋳造ステンレス鋼のヘッドによっては一般に達成
し得ないものである。同時に鍛造したメタルウッドは、
センターを外れて打撃した際に、ウッドのヘッドにおけ
る程の飛距離の損失を生ずることがなく、かつスプリッ
ト(splitting)やチッピングの如きダメージ感を減少さ
せ得るものである。
【０００８】ステンレス鋼に比較してアルミニウム合金
の重量は軽いために、シェルの壁部をより厚くすること
ができ、従って男性用のクラブまたは女性用のクラブに
要求される所望のクラブヘッドの重量を維持しつつも、
ステンレス鋼のメタルウッドより強度を向上させること
ができる。この合金は、好ましくは６０６１ Ｔ６のア
ルミニウム合金または７０７５ Ｔ６のアルミニウム合
金であって、この種のアルミニウム合金は現在主として
航空機産業に使用されている。
【０００９】シェルすなわち本体壁部は、重量制限に合
致させるため最小の肉厚に保持する必要がないから、追
加的に材料をシェルに分配して、クラブヘッドの性能特
性を所望に応じて調整することができる。例えば、余分
の重量(extra weight)をトウおよびヒールの部分に使用
して、スイートスポットをより大きくすることができ
る。また余分の重量を後部壁に持たせて、重心をクラブ
フェースから離間的に移動させることもできる。これに
よって、ボールがクラブフェースの中心から外れた位置
で打撃された際にも、増大したギアエフェクト(gear ef
fect)を生みだすことができる。この増大したギアエフ
ェクトは、クラブフェースの中心で常にボールを打撃す
るとは限らないアベレージゴルファーにも、またボール
の飛びをより正確にコントロールし得ることを望むプロ
ゴルファーにも助けとなるものである。重心は、パーシ
モンウッドのそれと均等なスポット、すなわちクラブの
前部面(front face)と後部面(rear face)との略中間に
位置しているのが好ましい。例えば前記重心は、打撃面
から後方へ２０mm〜７０mmの範囲に位置しているものと
する。
【００１０】本発明の別の特徴によれば、メタルウッド
のゴルフクラブヘッドを製造する方法が提供される。す
なわちこの方法は、上部面、下部面、前方端部および後
方端部を有するアルミニウム材料の固型のビレットを形
成する工程と、下部面を削り出して所定寸法のキャビテ
ィを形成する工程とからなる。ソールプレートを受容す
る凹所を前記キャビティを囲む下部面に機械加工し、該
ソールプレートをこの凹所に嵌合固定させる。また前方
端部を機械加工して、所要の膨出部(bulge)およびロー
ル部(roll)を有するボール打撃面を形成する。
【００１１】前記ビレットは、鍛造によりラグ(lug)を
突出形成しておき、前記キャビティおよびソールプレー
トを受容する凹所を機械加工する際に、このラグを使用
して該ビレットを保持するのが好ましい。このビレット
およびこれに固定されるソールプレートは一体的に機械
加工して、ヘッドの連続的なヒール、トウおよび後部壁
を形成する。次いでこのビレットは、機械加工に先だち
前記ラグから外して異なる位置で保持し、所望の膨出部
およびロール部を有する打撃面を形成する。
【００１２】機械加工の工程は、好ましくは、コンピュ
ータ制御の切削機すなわちＣＮＣ装置によって行なわれ
る。この装置を使用することによって、極めて精密な公
差での機械加工を行なうことができ、仕上がったクラブ
ヘッドの正確度が向上するものである。この方法により
製造したクラブヘッドは、各種の設計仕様にぴったりと
合致し、また該仕様を容易に変更して異なる設計のパラ
メータに一致させることができる。クラブヘッドは、コ
ンピュータ化した切削機の切削工程により外部的にも内
部的にも機械加工されるので、本質的に何等の歪みも生
ずることなく、高精度の製品を得ることができる。
【００１３】高強度アルミニウム合金の鍛造ビレットか
ら製作したクラブヘッドは、性能的に強靱であり、かつ
在来のステンレス鋼のメタルウッドに比較して、遥かに
優れた強度と性能と剛性とを有している。
【００１４】
【実施例】次に、本発明に係るゴルフクラブおよびその
製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参
照しながら以下説明する。図１〜図９は、本発明の好適
な実施例に係るメタルウッドのクラブヘッドを製造する
方法の各工程を示し、また図１０および図１１は、仕上
がり状態でのクラブヘッド１０を示している。製造方法
の第１工程は、例えば６０６１ Ｔ６アルミニウム合金
または７０７５ Ｔ６アルミニウム合金の如き高強度ア
ルミニウム合金の固型ビレット１２を鍛造することであ
る。好適な一実施例において、７０７５ Ｔ６アルミニ
ウム合金を使用した。このビレット１２は、図１および
図３に示すように、短いネック１５を有する上部面１
４、凹所領域(recessed area)１８を有する下部面１
６、矩形状に突出するラグ２２を有する前方端部および
後方端部２４を備えている。このビレット１２は、図２
に示すように、固定した背部ジョー２６および可動ジョ
ー２８の間で先ず保持され、カッタ３２でラグ２２上に
加工面(tooling faces)３０を切削するようになってい
る。なお図３は、図２での切削作業が終了した後の調整
されたビレット１２を示す正面図である。
【００１５】次いで鍛造ビレットは、種々の特別な保持
用具および切削工具を使用するコンピュータ制御の切削
機すなわちＣＮＣ装置で精密仕様に加工される。保持用
ラグ２２は、多くの加工工程の間、ビレットを保持する
のに使用される。図４に示すように、ラグ２２は切削機
の保持用具３６における溝部３４中で、クランプネジ３
７により固定され、ビレットの下部面１６を加工するこ
とにより更に凹所領域１８を形成し、また切削工具４０
を使用して所定寸法のキャビティ３８をビレット中に削
り出す。図５および図６は、図４の工程で加工したキャ
ビティ３８および凹所領域１８を示している。平坦な凹
所領域１８に耳部４２を形成するのが好ましく、図５お
よび図６に示すように、夫々の耳部４２にはネジ付き孔
部４４が穿設される。
【００１６】図７に破線で示す如く、平坦で矩形状の板
４６を機械加工した凹所１８に載置し、ネジ孔４４に挿
入したネジにより該凹所１８に固定する。次いでビレッ
トおよびこれに固定した板４６を、図７に示した位置で
一緒に機械加工して、この板４６の端縁部がビレットの
側面および後部壁に合致するように削り出す。また板４
６の外面を、図７の実線で示す形状にまで削り出して、
最終的にソールプレート４８を形成する。このソールプ
レートをクラブヘッドと共に機械加工することにより、
クラブ面をビレットからソールプレートへ円滑に変移さ
せて、完全に合致させることができる。かくしてソール
プレートは、クラブヘッド本体の一体的な部分として、
全体的な削り出しがなされるものである。図示の実施例
では、ソールプレートはネジで固定されているが、この
ソールプレートは選択的に接着、収縮嵌合(shrink fi
t)、溶接またはこれと均等な技術により固定するように
してもよい。
【００１７】ソールプレートは、クラブヘッドの残余の
部分と同じアルミニウム合金としてもよいし、また例え
ば真鍮のような異なる材料としてもよい。この真鍮は、
土砂や岩との接触を生じ易いクラブ、例えば２番、３
番、４番、５番、６番、７番のクラブや９番のウッドに
使用すれば、アルミニウムよりも対摩耗性が優れてい
る。図示の実施例では、ソールプレートはクラブヘッド
の前面すなわち打撃面の後方へ離間した位置で終端して
いるが、選択的な実施例では、クラブのフロントサイド
まで延在させてもよい。真鍮のソールプレートを使用し
た際には、打撃面の耐久性がより向上し、またクラブの
前部面に魅力的な外観を付与するものである。
【００１８】ゴルフクラブの製造方法における次の工程
では、ソールプレート４８を取外した後に、図８に示す
如く部分的に機械加工したヘッドを固定具５０にネジ締
結具５２を介して固定する。次いで突出しているラグ２
２を機械加工して切落し、前部面を削り出して所望の精
密な膨出部およびロール部の特性を付与し、これにより
仕上がった打撃面５４を作り出す。この製造工程によれ
ば、対称形および非対称形の膨出部およびロール部を含
む全てのタイプの打撃面形状が得られる。在来の膨出部
(ヒールからトウまで)およびロール部(トップからソー
ルまで)の両方向における一定の半径に変えて、フェー
スを機械加工することにより、楕円形すなわち真円(tru
e radius)でない膨出部およびロール部を持たせるよう
にすることができる。このフェースは、中央の領域を横
切って平坦になるよう加工して半径を有する縁部(radiu
sed edges)としてもよい。これにより改良されたプレー
特性を得ることができる。
【００１９】所望のグルーブ５５を含む打撃面５４を機
械加工した後に、ヘッドを同じ固定具５０に保持して所
望の方向に向けさせる。そして図９に示す如く、ドリル
５６を使用してホーゼルチューブを受け入れるためのボ
アを穿設する。このボアは、仕上がったクラブヘッド１
０に所望のライアングルおよびフェースアングルが得ら
れるように穿設される。図１０は、ホーゼルチューブ６
２を受け入れる可能性のある方向にボア５８を穿設した
状態を示している。従ってこのボアは、コンピュータに
よる切削工程で完全に機械加工および整列させられて、
直立、平坦、開放または閉成したフェースアングルおよ
び所望のライアングルを得ている。好ましくは、ボア５
８はクラブヘッドのヒール端において固形材料中で終端
しているが、選択的にソールプレートを介して穿設する
ようにしてもよい。
【００２０】またホーゼルチューブすなわちチューブネ
ック６２もアルミニウム合金とするのが好ましく、クラ
ブヘッドの材料と同じ材料としてもよい。このチューブ
ネック６２は、正確な内部寸法および外部寸法を有する
ように別途製造される。ホーゼルすなわちチューブネッ
ク６２は、押し出し、引抜きまたは鍛造によって製造し
てもよい。次いでホーゼルすなわちチューブネック６２
は、図１０に示すように、ボア５８中に挿入されて該ボ
ア５２の端部にまで押し込まれ、好適には所定位置で溶
接または接着される。その後にゴルフクラブのシャフト
６４をホーゼル６２中に挿通し、所定位置で接着する。
このシャフト６４は、例えばスチール、グラファイト、
グラファイトボロンその他これと同等の複合材料等の如
く、如何なるゴルフクラブのシャフトであってもよい。
【００２１】シャフトの端部を受け入れるネックに、ア
ルミニウム管のドロップインネック(drop-in neck)を使
用することによって、このドロップイン設計および軽量
材料(ステンレス鋼の１/３の重量)に起因して、ホーゼ
ルの領域における重量を軽減させることができる。これ
により余剰となった重量(extra weight)をクラブヘッド
の本体部に分配することによって、性能を向上させるこ
とができる。かくして、クラブヘッドの本体部における
有効重量を増加させ、インパクト時の惰性を増大させる
と共に、ボールの飛距離を潜在的に増大させることがで
きる。アルミニウムのホーゼルが在来のステンレス鋼の
ホーゼルを越えた他の利点は、更に柔軟でかつ更に可撓
性に富むことである。従って、比較的脆いがポピュラー
なグラファイトシャフトの破損する畏れを低減させるこ
とができる。スチール製のクラブヘッドでは、グラファ
イトまたは複合材料製のシャフトは、シャフト接合部や
ホーゼルのトップの部分で破損し易い。アルミニウムの
弾性系数は、ステンレス鋼の弾性系数の１/３なので、
同じ寸法のステンレス鋼のシャフトよりも一層可撓性に
富んでいる。従って、シャフトのネック部がインパクト
時に経験するストレスの強度(intensity)を低減させる
ものである。
【００２２】コンピュータ制御の切削装置において、単
一のクラブヘッドを機械加工するための方法につき前述
したが、多数のヘッドを同時に機械加工することもでき
る。固形ビレットを適当なパレット上に取付け、これを
切削ステーションに向けて前進させ、全てのヘッドをコ
ンピュータ中のプログラム化された指示に従って切削す
ることができる。シャトルシステムを使用して、連続し
たパレットを切削ステーションに向けて前進させるよう
にしてもよい。
【００２３】前述した方法は、本体部の下部壁を介して
キャビティを切削する場合を含むものであったが、この
キャビティは選択的に他の方向、例えば本体部の上部
壁、後部壁、前部面または端部壁から切削するようにし
てもよい。
【００２４】このゴルフクラブの製造方法は、ゴルフク
ラブヘッドを製造するのに、より迅速かつより正確な技
術を提供するものである。異なる寸法のヘッドを製造す
る度に異なるダイに交換する必要があり、煩雑でかつ費
用の嵩む鋳造および溶接工程に代わって該製造方法は、
同じ基本的な固定具と切削刃とを使用して、同一の基本
的な方法に従い、広い範囲で異なるクラブヘッドを製造
することができる。内部キャビティは、クラブの異なる
タイプに応じて、異なる寸法に単に切削するだけでよ
く、またホーゼル用のボアおよびフェースはロフト(lof
t)およびライ(lie)用に機械加工される。アルミニウム
合金またはこれと等価な軽量材料を使用することによっ
て、クラブヘッドにおける重量配分のより細かい調整が
可能となり、またクラブの重心および他の特性の精密な
制御が図られる。
【００２５】このクラブヘッド１０により、改良された
感触とゴルフプレー特性とを設計することができる。前
述したように、ヘッド１０は全て、または殆ど全て鍛造
したアルミニウム合金材料で形成するのが好ましい。好
適な合金の一つは、７０７５Ｔ６アルミニウム合金であ
る。
【００２６】この合金は、約３３.５トン(６７,０００
ポンド)の降服強度(yield strength)を有し、また加工
した形状(wrought form)において３８トン(７６,０００
ポンド)の最大強度を有している。７０７５ Ｔ６のアル
ミニウム合金に指定したことは、アルミニウム材料が溶
融熱処理され、次いで昇温された温度下で人工的にエー
ジングされることを意味している。７０７５ Ｔ６アル
ミニウムの重量は、２.７９g/cm3(０.１０１ポンド／立
方インチ)であり、これは通常のメタルウッドに頻繁に
使用される８.０３g/cm3(０.２９０ポンド／立方イン
チ)のステンレス鋼の重量よりも遥かに小さい。
【００２７】このクラブヘッドに使用される材料が軽量
であることから、ヘッドの壁部を在来のステンレス鋼ヘ
ッドにおける肉厚よりも厚くすることができ、また重心
位置の如き特性をコントロールするために、クラブヘッ
ドに異なる重量配分を与え得る範囲をより広くすること
ができる。仕上がり状態のクラブヘッドの前面、すなわ
ち打撃面５４は、少なくとも５.０８mm(０.２インチ)の
厚み(ステンレス鋼のクラブの３.０５mm(０.１２イン
チ)と比較して)を有しているのが好ましく、他方でヒー
ル６６，トウ６８および後部壁７０での厚みは、２.２
８mm〜３.１８mm(０.０９〜０.１２５インチ)の範囲に
あるのが好ましい(ステンレス鋼クラブの同等壁部につ
いては、約０.７６mm(０.０３０インチ)であることと対
比される)。鋳造材料よりも鍛造材料から製造した薄肉
壁部を有するクラブヘッドは、在来のステンレス鋼のヘ
ッドよりも改善された特性を有している。
【００２８】鍛造工程は金属分子の構造を整列させるの
で、鋳造よりも一層強力な末端効果(end result)を生ず
る。このようにアルミニウム合金は、ステンレス鋼より
も軽量でかつ柔軟な材料であることを固有の特性として
いるが、その強度は鍛造工程により著しく増大されてい
る。材料が軽量であるということは、在来のクラブより
ヘッドの壁部を更に薄くすることを許容するものであ
る。従って鍛造したアルミニウム合金のクラブは、ゴル
フボールとのインパクトにより生ずる曲げ力を受けた際
に、在来のステンレス鋼のクラブよりも強靱である。
【００２９】性能の見地からも、厚い壁部を有するクラ
ブヘッドは、ステンレス鋼製のクラブヘッドより優れて
いる。ボールがインパクトにより毎時１７７.０２km(１
１０マイル)で飛ぶ際に、ドライバーのクラブヘッドに
おけるクラブフェースに加わる平均的な力は、該ボール
とクラブヘッドがドライバーの中心で約０.０００５秒
間接触すると仮定して、７３３.５kg(１,４６７ポンド)
である。接触時のピークに達する力は、１,０００kg(約
２,０００ポンド)である。肉厚の薄いステンレス鋼のク
ラブフェースを用いると、これに前記の大きな力が加わ
った際に、肉厚の厚いアルミニウムのクラブフェースよ
りも一層歪み(deflection)を生じ易い。クラブフェース
の歪みを減少させたこのクラブを使用すると、均一な性
能が得られる。また前記歪みに一般に伴なうエネルギー
損失およびその回復を最小にできるので、飛距離を稼ぎ
得る効果も有している。
【００３０】鋳造は鍛造よりも脆く、従って往々にして
気孔、引け巣その他の欠点を生じ易いが、これは鍛造で
は一切生じない。鋳造したステンレス鋼クラブヘッドの
酷使に伴い、例えばクラックや永久変形を生じたりする
問題は、本願発明に係るクラブにより著しく減少ないし
回避できる。肉厚の薄いシェルのステンレス鋼ヘッドを
鋳造すると、多孔部(porosity)に起因して、恐らく３０
％程度の大きな割合で不良品を生ずる。これは製造コス
トが嵩む一つの要因となっている。本発明に係る方法
は、このような不良品の発生を解消し得るものである。
【００３１】鍛造したアルミニウム合金のクラブヘッド
は、またステンレス鋼クラブヘッドが有している欠点を
克服し改善された性能を有している。先に述べたよう
に、このクラブヘッドには軽量材料が使用されているの
で、構造上の完全性(integrity)を維持するために全重
量を確保する必要がない。従って、このような構造的な
完全性を維持するのに必要とされない重量を、ヒール、
トウおよび所望に応じてヘッドにおけるバックウェイテ
ィング(back weighting)に付与するよう分配することが
できる。前記ヒールおよびトウのウェイティング(weigh
ting)は、より大きな所謂「スイートスポット」を提供す
るものであり、また経験の少ないプレーヤーであっても
使い易いものになっている。リアウェイティング(rear
weighting)は重心をバックから前部面に移動させる効果
を有し、これによってギアエフェクトを向上させること
ができる。従って図１１に示すように、重心ｃはヘッド
の背部における壁厚がｔのとき、前部面から背面側に向
かった第１位置に位置しているが、前記壁厚をｔ'まで
増大させると、この重心は新たな位置ｃ'まで移動す
る。このような重心移動は、インベストメント鋳造のク
ラブヘッドでは達成し得ない。その理由は、クラブの周
囲の壁厚は構造的な完全性を得るため最小限必要である
が、クラブヘッドの最大重量を超過することはできない
からである。従って、クラブヘッドの背面部に余分に重
量を配分することはできず、重心はクラブのフロント部
分に通常位置しており、かつこの種のクラブでは殆どま
たは全くギアエフェクトが得られていない。このため、
例えばトウのように中心から離れた部分で打撃された球
は右に飛ぶことになる。
【００３２】シャフトから重心がオフセットしている
と、ボールが正確に中心で打撃されない場合は、該ボー
ルとのインパクト時にギアエフェクトを生ずる。このギ
アエフェクトは、ボールが飛ぶ際の弾道を増大させて、
プレーヤーにボールを働かせる(work the ball)もので
ある。従ってプレーヤーは、ギアエフェクトの増大に伴
い更にボールをコントロールしなければならず、プロの
プレーヤーはこの可能性を備えたクラブを典型的に用い
たがるものである。このギアエフェクトは、またボール
をクラブフェースの中心で常に打撃するとは限らない、
より平均的なゴルファーの助けになるものである。この
クラブヘッドは、ギアエフェクトを生ずるように重心を
位置させることができ、これは技量に優れたプレーヤー
が好むパーシモンのウッドと均等なものである。換言す
れば、重心ｃはクラブの前部面および後部面の略中間に
位置させることができる。このようにすることは、在来
のメタルウッドヘッドでは全く不可能であった。
【００３３】このクラブヘッドは、ゴルフボールがステ
ンレス鋼のクラブヘッドに接触した際に生ずる不快な音
を低減させるために、中心のキャビティに発泡部を使用
する必要が全くない。このクラブヘッドのアルミニウム
の壁厚構造は、ステンレス鋼のクラブでインパクトした
際の不快音を生ずる振動を、著しく低減ないし解消し得
るものである。従って発泡部は必要がなく、中央キャビ
ティを空洞にすることによる重量節減は性能改善に振り
向けることができる。ゴルファーは、このクラブヘッド
により更にソフトになったインパクトに共感を覚えるで
あろう。このソフトなインパクトは感触を改善し、また
インパクト時の音はより快適なものとなる。
【００３４】ソールプレートは別として、クラブヘッド
は前述したアルミニウム合金の単一の鍛造ビレットから
全て製造するのが好ましく、このソールプレートは該ヘ
ッドと同一材料または異なる材料で別途機械加工される
が、クラブヘッドの前部面に別のフェアーインサート(f
are insert)を使用してもよい。この場合に、クラブヘ
ッドのフェースは、インサート(insert)を受け入れるよ
う精密に機械加工される。
【００３５】クラブヘッドには、如何なる高強度アルミ
ニウム合金を使用してもよい。選択的に、物理的特性が
アルミニウムと類似している、例えば或る種のプラスチ
ックの如き高密度の非金属材料を同様の製造方法に使用
してもよい。
【００３６】前述した本発明の好適な実施例は、単なる
実施例としてのものであって、当業者であれば、開示さ
れた実施例を特許請求の範囲で限定された発明の範囲か
ら離れることなく、これを改変し得ることが了承されよ
う。
【図面の簡単な説明】
【図１】クラブヘッドの最初の鍛造工程を示す斜視図で
ある。
【図２】鍛造部材のボス部に加工面を切削している状態
を示す概略図である。
【図３】鍛造部材の正面図である。
【図４】ソールプレート用の面と内部キャビティとを機
械加工している状態を示す側面図である。
【図５】図４で機械加工した鍛造部材の平面図である。
【図６】図５の６−６線断面図である。
【図７】アタッチメントおよびソールプレートの成形状
態を示す側面図である。
【図８】ラグを除去して、クラブヘッドの面成形を行な
っている状態を示す概略図である。
【図９】ホーゼルのソケットに穿孔を行なっている状態
を示す説明図である。
【図１０】仕上がり状態でのクラブヘッドの一部切欠斜
視図である。
【図１１】重心の位置を示すクラブヘッドの平面図であ
る。
【符号の説明】
１０ クラブヘッド １２ 固型ビレット(高強度アルミニウム合金) １４ 上部面 １５ 短いネック １６ 下部面 １８ 凹所領域 ２２ ラグ ２４ 後方端部 ２６ 背部ジョー ２８ 可動ジョー ３０ 加工面 ３２ カッタ３２ ３４ 溝部 ３６ 切削機の保
持用具 ３７ クランプネジ ３８ キャビティ ４０ 切削工具 ４２ 耳部 ４４ ネジ付き孔部 ４６ 矩形状板 ４８ ソールプレート ５０ 固定具 ５２ ネジ締結具 ５４ 打撃面 ５６ ドリル ５８ ボア ６２ ホーゼルチューブすなわちチューブネック ６４ シャフト ６６ ヒール ６８ トウ ７０ 後部壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード デ ラ クルツ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92061 パウマ バレー ウィスコン ウ ェイ 32019

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 鍛造した単一の金属ビレット(12)から削
    り出され、前部打撃面(54)、後部壁(70)、上部壁、下部
    壁、ヒール(66)およびトウ(68)を有する本体部(10)と、 この本体部(10)の下部壁に形成され、別体をなすソール
    プレート(48)の固定を許容する凹所(18)と、 前記金属ビレット(12)を凹所(18)から本体部内方へ削り
    出して、前記凹所(18)に開口させた中空キャビティ(38)
    と、 前記凹所(18)に配設されて前記中空キャビティ(38)の開
    口部を閉成し、該凹所(18)にボルト等の固定手段を介し
    て固定されるソールプレート(48)とからなり、 前記中空キャビティ(38)を削り出す程度を加減すること
    により、製品完成後のクラブヘッドに所望の重量配分を
    付与し得るよう構成したことを特徴とするゴルフのクラ
    ブヘッド。
  2. 【請求項２】 前部打撃面(54)は、３.１７５mm(０.１
    ２５インチ)の厚み以上の壁厚を有している請求項１に
    記載のゴルフのクラブヘッド。
  3. 【請求項３】 前記ソールプレート(48)は、本体部(10)
    と同じ材料で構成されている請求項１に記載のゴルフの
    クラブヘッド。
  4. 【請求項４】 前記ソールプレート(48)は、本体部(10)
    と異なる材料で構成されている請求項１に記載のゴルフ
    のクラブヘッド。
  5. 【請求項５】 鍛造した金属ビレット(12)の材料は、ア
    ルミニウム合金である請求項１に記載のゴルフのクラブ
    ヘッド。
  6. 【請求項６】 鍛造した単一の金属ビレット(12)から削
    り出され、前部打撃面(54)、後部壁(70)、上部壁、下部
    壁、ヒール(66)およびトウ(68)を有する本体部(10)と、 この本体部(10)の下部壁に形成され、別体をなすソール
    プレート(48)の固定を許容する凹所(18)と、 前記金属ビレット(12)を凹所(18)から本体部内方へ削り
    出して、前記凹所(18)に開口させた中空キャビティ(38)
    と、 前記凹所(18)に配設されて前記中空キャビティ(38)の開
    口部を閉成し、該凹所(18)にボルト等の固定手段を介し
    て固定されるソールプレート(48)と、 前記ヒール(66)に穿設されて、上部壁から所定角度で内
    部へ延在するボア(58)と、 前記ボア(58)に挿通固定される別体をなすホーゼルチュ
    ーブ(62)とからなり、 前記中空キャビティ(38)を削り出す程度を加減すること
    により、製品完成後のクラブヘッドに所望の重量配分を
    付与し得るよう構成したことを特徴とするゴルフのクラ
    ブヘッド。
  7. 【請求項７】 鍛造した単一の金属ビレット(12)から削
    り出され、前部打撃面(54)、後部壁(70)、上部壁、下部
    壁、ヒール(66)およびトウ(68)を有する本体部(10)と、 この本体部(10)の下部壁に形成され、別体をなすソール
    プレート(48)の固定を許容する凹所(18)と、 前記金属ビレット(12)を凹所(18)から本体部内方へ削り
    出して、前記凹所(18)に開口させた中空キャビティ(38)
    と、 前記凹所(18)に配設されて前記中空キャビティ(38)の開
    口部を閉成し、該凹所(18)にボルト等の固定手段を介し
    て固定されるソールプレート(48)と、 前記本体部(10)の前面を削り出すことにより形成した膨
    出部およびロール部とからなり、 前記中空キャビティ(38)を削り出す程度を加減すること
    により、製品完成後のクラブヘッドに所望の重量配分を
    付与すると共に、前記本体部(10)の前面から後方へ離間
    する領域で重心位置を調節し得るよう構成したことを特
    徴とするゴルフのクラブヘッド。
  8. 【請求項８】 前記重心は、打撃面から後方へ２０mm〜
    ７０mmの範囲に位置している請求項７に記載のゴルフの
    クラブヘッド。
  9. 【請求項９】 前記中空キャビティ(38)は開放した下方
    端を有し、ソールプレート(48)は該キャビティ(38)の開
    放した下方端を横切って本体部(10)の下部壁に固定さ
    れ、このソールプレート(48)は金属ビレット(12)と共に
    その境界の周りを削り出しされて、クラブヘッドの周囲
    に連続した円滑な表面を形成している請求項１、６およ
    び７の何れかに記載のゴルフのクラブヘッド。
  10. 【請求項１０】 鍛造した単一の金属ビレット(12)を削
    り出すことにより、前部打撃面(54)、後部壁(70)、上部
    壁、下部壁、ヒール(66)およびトウ(68)を有する本体部
    (10)を形成し、 前記本体部(10)の下部壁に、別体をなすソールプレート
    (48)の固定を許容する凹所(18)を削り出し、 前記金属ビレット(12)をその凹所(18)から本体部内方へ
    削り出して、前記凹所(18)に開口する中空キャビティ(3
    8)を形成し、 前記凹所(18)に別体をなすソールプレート(48)を固定し
    て前記中空キャビティ(38)の開口部を閉成し、このソー
    ルプレート(48)と金属ビレット(12)とを境界の周りで一
    体的に削り出してヘッドの周囲に連続した円滑表面を形
    成するようにしたことを特徴とするゴルフクラブの製造
    方法。
  11. 【請求項１１】 鍛造した単一の金属ビレット(12)を削
    り出すことにより、前部打撃面(54)、後部壁(70)、上部
    壁、下部壁、ヒール(66)およびトウ(68)を有する本体部
    (10)を形成し、 前記本体部(10)の下部壁に、別体をなすソールプレート
    (48)の固定を許容する凹所(18)を削り出し、 前記金属ビレット(12)をその凹所(18)から本体部内方へ
    削り出して、前記凹所(18)に開口する中空キャビティ(3
    8)を形成すると共に、該中空キャビティ(38)を削り出す
    程度を加減して製品完成後のクラブヘッドに所望の重量
    配分を付与し、 前記凹所(18)に別体をなすソールプレート(48)を固定し
    て前記中空キャビティ(38)の開口部を閉成し、このソー
    ルプレート(48)と金属ビレット(12)とを境界の周りで一
    体的に削り出してヘッドの周囲に連続した円滑表面を形
    成するようにしたことを特徴とするゴルフクラブの製造
    方法。
  12. 【請求項１２】 各ヘッドの前部端を削り出して所望の
    膨出部およびロール部を有する打撃面(54)とし、かつ異
    なるヘッド毎にその削り出しを変化させて、異なる膨出
    部およびロール部の特性を有するクラブヘッドとする工
    程を含む請求項１０または１１に記載のゴルフクラブの
    製造方法。
  13. 【請求項１３】 鍛造した金属ビレット(12)の材料は、
    アルミニウム合金である請求項１０または１１に記載の
    ゴルフクラブの製造方法。
  14. 【請求項１４】 金属ビレット(12)を鍛造する際に、該
    ビレット(12)の前部端に突出する保持用ラグ(22)が形成
    され、また中空キャビティ(38)を削り出す間、前記ラグ
    (22)を一対のジョー(26,28)で保持するようになってい
    る請求項１０または１１に記載のゴルフクラブの製造方
    法。
  15. 【請求項１５】 金属ビレット(12)を削り出す工程は、
    コンピュータ制御の切削機で実施される請求項１０また
    は１１に記載のゴルフクラブの製造方法。
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