JPH07147037A - ハイブリットカードの製造方法 - Google Patents

ハイブリットカードの製造方法

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JPH07147037A
JPH07147037A JP5314051A JP31405193A JPH07147037A JP H07147037 A JPH07147037 A JP H07147037A JP 5314051 A JP5314051 A JP 5314051A JP 31405193 A JP31405193 A JP 31405193A JP H07147037 A JPH07147037 A JP H07147037A
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JP
Japan
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magnetic stripe
substrate
card
resin
optical
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JP5314051A
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English (en)
Inventor
Kazumi Nagano
和美 長野
Mitsuo Hiraoka
美津穂 平岡
Hiroyuki Imataki
寛之 今滝
Hiroshi Tanabe
浩 田辺
Yoshihiro Ogawa
善広 小川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ストライプ位置の位置精度が高く、かつ
光カード基板面の鏡面性に優れた高品位のハイブリット
カードを簡単な工程で提供する。 【構成】 磁気ストライプと光記録層を有するハイブリ
ットカードの製造方法に於いて、該磁気ストライプと光
記録用のプリフォーマットパターンを有する基板を注型
成形、押出成形、熱プレス成形又はインジェクション成
形で同時に一体化して形成するハイブリットカードの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイブリットカード、
詳しくは磁気ストライプ付き光カードの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会が進み携帯性に優れたデータ
キャリアーとして、磁気カード、ICカードおよび光カ
ード等が用いられている。近年これらを組み合わせてな
るハイブリットカードが提案されている。ことに、光カ
ードにおいて、記録密度の向上、個人情報の照合、偽造
防止等を目的として磁気ストライプやICチップを光情
報の記録領域外に設けたハイブリットカードが製品化さ
れつつある。
【0003】このうち、磁気記録カードの長所である、
記録再生が容易でスピードが速く、記録再生装置が安価
である点を生かし、短所である記録容量が小さい点を補
った、磁気ストライプ付き光カードは、実用性が高いこ
とから、多く提案されている。
【0004】磁気カードにおける、磁気記録層の製造方
法は、 (1)磁気層を印刷もしくはコーティングで設ける。 (2)PETシート等のプラスチックフィルムに形成さ
れた磁気層を120℃〜180℃の温度でカード基体に
鏡面熱プレスで埋め込むことによって設ける。 (3)ストライプ状のフィルムから転写して磁気層を設
ける。などの方法が知られいる。
【0005】一方、光カードは、情報の記録/再生を行
うためのトラッキング用案内溝をもつ透明基板の案内溝
面上に光記録層を形成し、接着層を介して保護層を貼り
合わせてなるものである。さて、光カードに磁気ストラ
イプを設ける方法としては、まず光カードを作成し、磁
気記録層を備えた帯状のテープ(磁気ストライプ)を光
カードの所定の位置に貼りつける方法が最も一般的であ
る。
【0006】ところで、磁気情報の読み書きは接触式の
磁気ヘッドにより行われるが、磁気ストライプの耐摩耗
性、傷に対する耐久性を上げるためにも、磁気ストライ
プ面は、カード面と同一であることが望ましい。そのた
めにカード基材上の所定の位置に仮止めした磁気ストラ
イプを鏡面板で熱プレスして埋め込んだり、磁気ストラ
イプの位置だけ厚み分堀り下げておく等の追加工を行っ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】磁気ストライプカード
については、ISO規格(ISO 3554および35
54/add1)およびJIS規格(X−6301−7
9,X−6302−79)等に磁気ストライプ位置、厚
さおよび精度等の規格がある。
【0008】このため磁気ストライプを光カードに設け
る場合、磁気ストライプを光カードに貼り付けると、光
カード基板面から磁気ストライプがその厚さの分だけ高
くなる。この様に貼りつけ加工を行うだけでは、規格を
満足する基板の平面性が得られないため、さらに熱プレ
ス加工を行い磁気ストライプを光カード基板に埋設して
いる。このため光カードの磁気ストライプ貼りつけ側の
基板には、磁気ストライプの埋設が可能な熱可塑性樹脂
を用いるか、又は光カードの磁気ストライプ貼りつけ側
に磁気ストライプを埋設するために熱可塑性樹脂よりな
るシートを貼りつけておく必要があった。
【0009】しかし、鏡面板を用いて熱プレス等を行う
場合でも、基板面と磁気ストライプ面とで完全な同一平
面になるように埋め込むと、熱プレス成形時の温度によ
って凹凸形状に構成されているプリフォーマットが変形
又は消去してしまい、プリフォーマットを変形しない程
度の熱プレスでは完全な同一平面を形成することは困難
である。しかも枚葉の基板で行わなければならず、連続
生産ができない、またプラスチック基板のTg以上の加
熱を2回行なうために基板が変形したりプラスチック基
板の機械的強度が低下する等の問題があった。
【0010】また、光カードに直接、磁気記録層をコー
ティングするタイプの場合では、磁気記録層をコーティ
ングすることにより、光カード上のコーティング部分の
みに磁気ストライプの高さが加わるため、光カード面の
平面性が非常に悪く、又、これにプレス加工を施した場
合は、コーティング層がプレスによってぶれるため磁気
ストライプ端面が乱れることがあった。
【0011】又、カード基材に追加工を行う場合でも、
工程が非常に煩雑となった。特に、光情報記録用のプリ
フォーマットパターンを有する基板に磁気ストライプを
追加工で設ける場合、加工により発生するゴミ、キズが
プリフォーマット面に致命的なダメージを与えるという
問題があった。
【0012】本発明の第一の発明は、上記の問題点を解
決するためになされたものであり、磁気ストライプ位置
の位置精度が高く、かつ光カード基板面の鏡面性に優れ
た高品位のハイブリットカードを簡略な工程で安価に提
供することを目的とするものである。
【0013】本発明の第二の発明は、押し出し成型法に
より、シート基材と磁気ストライプ層を同一平面上に設
けることができ、光記録層と保護層を接着剤を用いない
でラミネートすることができ、簡単な工程で連続生産が
できるハイブリットカードの製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0014】本発明の第三の発明は、ローラーグルーブ
成型法により、シート基材と磁気ストライプ層を同一平
面上に設けることができ、簡単な工程で連続生産ができ
るハイブリットカードの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0015】本発明の第四の発明は、インジェクション
成形または1回の熱プレス工程で光記録層のプリフォー
マットと磁気ストライプをプラスチック基板に形成する
ことにより、熱による基板の機械的強度の低下を抑制
し、かつプリグルーブの寸法安定性が良好なハイブリッ
トカードを容易に製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
○第一の発明 即ち、本発明の第一の発明は、磁気ストライプと光記録
層を有するハイブリットカードの製造方法に於いて、該
磁気ストライプと光記録用のプリフォーマットパターン
を有する基板を注型成形で同時に一体化して形成する事
を特徴とするハイブリットカードの製造方法である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よれば、磁気ストライプと光記録層のプリフォーマット
パターンを注型成形用型の所定の位置に設け、該型を用
いて光カード基板を成形し磁気ストライプ付き光カード
基板の一体注型成形を行い、該基板で光カードを作成す
ることにより、磁気ストライプの位置の位置精度が高
く、かつ光カード表面の鏡面性が非常に優れた磁気スト
ライプ付き光カードであるハイブリットカードを容易に
作成することを可能にするものである。
【0018】図1は本発明のハイブリットカードの製造
方法に用いる注型成形用セルの一例を示す説明図、図2
は本発明における磁気ストライプ付き基板の製造方法の
一例を示す工程図および図4は本発明のハイブリットカ
ードの製造方法に用いる注型成形用セルの他の例を示す
説明図である。
【0019】図1において、磁気ストライプ位置を示し
た注型成形用型11に、磁気ストライプ12を設ける。
該型は注形成形に一般的に用いることのできる材質であ
ればよく、特に面精度の高い金属板型やガラス型等が望
ましい。
【0020】磁気ストライプを注型成形用型11に設け
る方法としては、磁気記録層を樹脂フィルムにコーティ
ングしたテープを、該型の磁気ストライプ位置にあわせ
て設置すればよい。また磁気記録層を直接、型の磁気ス
トライプ位置に塗布してもよい。また型の前記位置に蒸
着によって磁気ストライプを設けることもできる。
【0021】また、図4に示す様に、注型成形用型とし
て電着塗装用型41を用いて、磁気ストライプ位置に電
着用電極42を設け、電着塗装法によって磁気ストライ
プ22を設けてもよい。
【0022】次に、図2に示す様に、注型成形用型21
に磁気ストライプ22を設け、該注型成形用型21とス
ペーサ23および鏡面型24で注型成形用セルAを組み
立てる。磁気ストライプを光カード保護層側に設ける場
合は、注型成形型には、磁気ストライプ設置側の型21
にも、もう一方の型24にも鏡面型を用いればよい。
【0023】また、磁気ストライプを光カードの光入射
側透明基板上に設ける場合は、図3に示す様に、片面の
型に記録/再生用トラッキング案内溝を設けたグルーブ
付鏡面型31を使用すればよい。
【0024】次に、前記セルの樹脂注入口13より光カ
ード基板用樹脂を注入、硬化した後、脱型し、磁気スト
ライプ付き光カード基板を得る。該基板用樹脂は未硬化
または未重合時に液状であればよく、例えばエポキシ樹
脂、メチルメタクリレート樹脂、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の注型成形が可能な樹脂であればよく、光入射側の基
板の場合、さらに一般的に情報記録媒体に利用できる樹
脂であれば何れでもよい。
【0025】以上の様にして得られた磁気ストライプ付
き光カード基板を用いて光カード(ハイブリットカー
ド)を作成する。
【0026】そのハイブリットカードの構成としては、
図5に示す様に、トラッキング案内溝を設けた透明基板
51上に記録層52を設け、該記録層52の上に接着層
53を介して保護層54を貼り合わせたものからなる。
図5(a)は磁気ストライプ55を保護層54の表面に
設けた例を、図5(b)は磁気ストライプ55を透明基
板51の表面に設けた例を示す。
【0027】前記磁気ストライプ付き基板が保護層であ
る場合、透明基板は情報の記録再生に適した部材であれ
ば何でもよい。また該基板が透明基板の場合、保護層は
記録層に対し、直接記録層に光学的に密着して積層して
もよい。また、必要に応じ、空気層を介して保護層を設
ける所謂エアギャップタイプの形態でも良い。
【0028】また、保護層は記録層を機械的に保護する
ことが好ましく、たとえば、プラスチック、ガラス板、
金属、セラミックス、紙、あるいはこれらの複合材料を
使用することが可能である。
【0029】記録層には、光エネルギーによって情報の
記録を行うことができるものであれば広範囲のものが用
いられ、例えば有機色素ではポリメチン等のシアニン系
染料、ナフトキノン系染料又はフタロシアニン系の顔料
等を挙げることができる。
【0030】無機材料としては、金属、半金属等で、例
えばBi,Sn,Te等の低融点物質又はこれにAs,
Se,S,O,C等を結合した複合化合物や相変化によ
る記録可能なTe−TeO2 系や光学濃度変化による記
録可能なハロゲン化銀等が挙げられる。
【0031】記録層の製造方法としては、記録層を湿式
塗布により設ける際には、ロールコーティング,ワイヤ
ーバーコーティング,エアーナイフコーティング,カレ
ンダーコーティング,ディップコーティング,スプレー
等の方法で塗布する。乾式で設ける際には、蒸着、スパ
ッタリング等の方法で設ける。次いで、記録層が形成さ
れた透明基板は、接着層を介して保護層が積層される。
【0032】本発明において接着層としては、従来知ら
れている接着剤、例えば酢酸ビルニ、アクリル酸エステ
ル、塩化ビニル、エチレン、アクリル酸、アクリルアミ
ドなどビニルモノマーの重合体及び共重合体、ポリアミ
ド、ポリエステル、エポキシ系などの熱可塑性接着剤、
アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂)、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ビニル樹
脂などの接着剤、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロゴ
ム、シリコンゴムなどのゴム系接着剤が使用される。
【0033】特に、ホットメルト型のものはドライプロ
セスであり、大量、連続生産を考える上で好ましい。ま
た、紫外線硬化型の接着剤も、量産性を向上させること
ができるため好適である。接着方法は、ラミネート、熱
プレス、光硬化など接着剤に合った方法が選択される。
【0034】○第二の発明 即ち、本発明の第二の発明は、磁気ストライプと光記録
層を有するハイブリットカードの製造方法に於いて、該
磁気ストライプと光記録層を有する基板を押出成形によ
り溶融状態で同時に一体化して形成する事を特徴とする
ハイブリットカードの製造方法である。
【0035】以下、本発明を詳細に説明する。図6は本
発明のハイブリットカードの製造方法の一例を示す説明
図である。同図において、加熱溶融状態の熱可塑性樹脂
105は、ダイス104より押し出されたのち、冷却ロ
ール101(以下、第1冷却ロールと記す。)および冷
却ロール102(以下、第2冷却ロールと記す。)の間
に挟み込まれたのち、第2冷却ロール102と冷却ロー
ル103(以下、第3冷却ロールと記す。)のロール上
で冷却されてシート状基板となる。
【0036】本発明によれば、上記シート状基板を成形
する際、溶融状態の熱可塑性樹脂105を第1冷却ロー
ル101および第2冷却ロール102間に挟み込むと同
時に、一方の面では磁気ストライプ106を同時に挟み
込み、又他方の面では成形シート幅よりも狭くテープ状
の光記録層107を挟み込み、更に該テープ状の光記録
層107よりも幅が広く、好ましくは成形シート幅に等
しい保護基材シート108を同時に挟み込むことのよ
り、前記熱可塑性樹脂105の表面へ磁気ストライプ1
06および光記録層107を埋め込むことができる。更
に、熱可塑性樹脂105と保護基材シート108とが接
着剤を介することなく貼り合わされて、図7に示す様な
本発明の磁気ストライプと光記録層を有するハイブリッ
トカードが得られる。
【0037】また、図8のように保護基材シート108
の代わりに、上記と同様な第2の熱可塑性樹脂105′
を別のダイスより溶融押し出しして、2つの熱可塑性樹
脂105,105′間に上記光記録層107を挟み込ん
で硬化させるようにしても良い。
【0038】又、冷却ロールの数を増やして、別の冷却
ロールの間で、前記第2の熱可塑性樹脂105′を挟み
込むようにしても良い。
【0039】磁気ストライプ106は一般用に用いられ
ているようなポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリ塩化ビニル、紙等のフィルム基材上に磁気層をコー
ティングしたものを用いることができ、上記熱可塑性樹
脂105の粘度が低い状態で2本の鏡面ロール間に押し
込まれる為、磁気ストライプ106は完全に熱可塑性樹
脂105中に埋没し同一平面を形成することが可能とな
る。
【0040】したがって、磁気ストライプ106の基材
フィルムとして、熱可塑性樹脂との密着が悪いものや溶
融状態の樹脂又はロールの温度で著しい変形を受ける材
料は好ましくない。
【0041】熱可塑性樹脂105には、ジエチレングリ
コールビスアリルカーボネート樹脂、メチルメタクリレ
ート樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、T
PX、スチレン樹脂などが用いられる。保護基材シート
108には、熱可塑性樹脂105と同様な樹脂が用いら
れる。
【0042】又、熱可塑性樹脂に磁気ストライプを設け
るには、図9に示す様に、表面の剥離性の良い耐熱性フ
ィルム、例えばポリイミドフィルム等からなるベースフ
ィルム109に磁気ストライプ106を部分的にコーテ
ィングしたのち(図9(a)参照)、図6と同様にして
磁気ストライプ部分のみを熱可塑性樹脂105内に埋め
込み(図9(b)参照)、樹脂を硬化した後(図9
(c)参照)、該剥離性の良い耐熱フィルムをはがすこ
とにより磁気ストライプのみを転写する方式でも良い
(図9(d)参照)。
【0043】光記録層107はトラッキング等のプリフ
ォーマットパターンを有しており、光情報記録媒体の記
録材料として公知のあらゆるものを用いることができる
が、フィルム状でかつ耐熱性の高いものが好ましい。具
体的には、銀塩粒子をゼラチン状のマトリックス中に分
散したフィルムにプリフォーマットパターンを露光した
ものや、グルーブ形状を転写、固化させた紫外線硬化性
樹脂にテルル等の低融点金属膜層をスパッタ等で設けた
フィルム状のものが好ましい。
【0044】上記光記録層107および磁気ストライプ
106は、ダイスから押し出される樹脂の幅に合わせて
複数設けることができ、極めて量産性、連続生産に優れ
ている。
【0045】○第三の発明 即ち、本発明の第三の発明は、磁気ストライプと光記録
層を有するハイブリットカードの製造方法に於いて、該
磁気ストライプと光記録用のプリフォーマットパターン
を有する基板を押出成形により溶融状態で同時に一体化
して形成する事を特徴とするハイブリットカードの製造
方法である。
【0046】以下、本発明を詳細に説明する。一般に情
報記録媒体用基板には、例えば特開昭56−87203
号公報、特開昭56−84921号公報及び特開昭52
−82204号公報に記載されているように、その情報
記録面にトラッキング用溝、情報用ピット等のグルーブ
が形成されている。
【0047】本発明のハイブリットカードの製造方法は
ローラー・グルーブ成型法を用いるが、該ローラー・グ
ルーブ成型法とは、特開平3−113750号公報1〜
11頁に記載されているように、可塑性樹脂をグルーブ
等のプリフォーマットパターンを有するローラーで引き
とり、該パターンを転写、硬化して樹脂基板上にプリフ
ォーマットパターンを設ける方法である。
【0048】図16はローラーグルーブ成形法の概略を
示す説明図である。ローラーグルーブ成形法に用いられ
る基板材料としては、一般に光情報記録媒体に用いられ
る光学特性に優れた材料のうち、押し出し成形の可能な
熱可塑性樹脂を用いることができ、例えばポリカーボネ
−ト等が好ましく用いられる。
【0049】同図16において、加熱溶融状態の熱可塑
性樹脂205は、ダイス204より押し出されたのち、
冷却ロール201(以下、第1冷却ロールと記す)およ
び冷却ロール202(以下、第2冷却ロールと記す)の
間に挟み込まれ、次いで第2冷却ロール202および冷
却ロール203(以下、第3冷却ロールと記す)上で冷
却されてシート状基板となる。
【0050】この際、光情報記録媒体に用いるプリフォ
ーマットパターンが形成されたロールを第2冷却ロール
202として用いることにより、プリフォーマットパタ
ーンを有するシート状基板を得ることができる。
【0051】該プリフォーマットパターンが形成された
ロールの製造方法は、特開平2−110841号公報に
記載されている様に、ロール上に直接刻印する方法、
又、特開平2−132661号公報に記載されている様
にシート状スタンパをロール上に固定する方法などが挙
げられる。
【0052】図11は本発明のハイブリットカードの製
造方法の一例を示す説明図である。同図において、本発
明のハイブリットカードに用いる磁気ストライプ付光記
録媒体用基板を製造するには、上記のローラー・グルー
ブ成型法において、ダイス204より押し出された溶融
状態の熱可塑性樹脂205を第1冷却ロール201及び
第2冷却ロール202で挟み込む際に磁気ストライプ2
06を同時に挟み込むことにより、該磁気ストライプ2
06の樹脂基板への埋め込みを行なう。
【0053】熱可塑性樹脂205は、粘度が低い状態で
2本の鏡面ロール間に押し込まれる為、磁気ストライプ
206は完全に熱可塑性樹脂の中に埋没し、同一平面を
形成することが可能となる。
【0054】磁気ストライプ206は、一般に用いられ
ているようなポリエチレンテレフターレト(PET)、
塩化ビニル、紙等のフィルム基材上に磁気層をコーティ
ングしたものを用いることができるが、該基材ごと熱可
塑性樹脂内に埋め込まれる場合には、熱可塑性樹脂との
密着性が悪いものや、溶融状態の樹脂又はロールの温度
で著しい変形を受ける材料は好ましくない。
【0055】図12は本発明における磁気ストライプの
別な埋め込み方法を示す断面図である。また、熱可塑性
樹脂に磁気ストライプを設けるには、図12に示す様
に、表面の剥離性の良い耐熱性フィルム、例えばポリイ
ミドフィルム等からなるベースフィルム207に磁気ス
トライプ206を部分的にコーティングしたのち(図1
2(a)参照)、図12と同様にして磁気ストライプ部
分のみを熱可塑性樹脂205内に埋め込み(図12
(b)参照)、樹脂を硬化した後(図12(c)参
照)、該剥離性の良い耐熱フィルムをはがすことにより
磁気ストライプのみを転写する方式でも良い(図12
(d)参照)。
【0056】上記の磁気ストライプ206はダイス20
4から押し出される樹脂の幅に合わせて複数設けること
ができる為、連続生産性に非常に優れている。
【0057】上記の様にして熱可塑性樹脂の基板に磁気
ストライプとプリフォーマットパターンを溶融状態で同
時に一体化して形成するが、磁気ストライプとプリフォ
ーマットパターンは熱可塑性樹脂基板の反対面に形成さ
れるが、プリフォーマットパターンの上には光記録層を
形成する。
【0058】光記録層を形成する方法は、例えば、光記
録層を湿式塗布により設ける際には、ロールコーティン
グ,ワイヤーバーコーティング,エアーナイフコーティ
ング,カレンダーコーティング,ディップコーティン
グ,スプレー等の方法で塗布する。乾式で設ける際に
は、蒸着、スパッタリング等の方法で設ける。
【0059】前記光記録層の上には、接着剤を介して保
護基板を貼り合わせてハイブリットカードを製造するこ
とができる。
【0060】接着剤としては、従来知られている接着
剤、例えば酢酸ビルニ、アクリル酸エステル、塩化ビニ
ル、エチレン、アクリル酸、アクリルアミドなどビニル
モノマーの重合体及び共重合体、ポリアミド、ポリエス
テル、エポキシ系などの熱可塑性接着剤、アミノ樹脂
(ユリア樹脂、メラミン樹脂)、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ビニル樹脂などの接
着剤、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロゴム、シリコン
ゴムなどのゴム系接着剤が使用される。
【0061】保護基板には、熱可塑性樹脂205と同様
な樹脂が用いられる。
【0062】○第四の発明 即ち、本発明の第四の発明は、磁気ストライプと光記録
層を有するハイブリットカードの製造方法に於いて、該
磁気ストライプと光記録用のプリフォーマットパターン
を有する基板を熱プレス成形又はインジェクション成形
で同時に一体化して形成することを特徴とするハイブリ
ットカードの製造方法である。
【0063】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、光記録層と磁気ストライプを共に有するハイブリッ
トカードにおいて、プラスチック基板上に凸凹状プリフ
ォーマットを熱プレスまたはインジェクション成形によ
り形成すると同時に磁気記録層を基板表面に設けること
に特徴を有する。
【0064】本発明のハイブリットカードの製造方法に
よれば、安価で容易にかつ、プラスチック基板への熱的
ダメージを最小限に抑制した磁気ストライプおよびプリ
グルーブを形成したプラスチック基板を得ることが可能
となる。
【0065】図17は本発明のハイブリットカードの製
造方法の一例を示す模式図である。同図はコンプレッシ
ョン(熱プレス成形)法による、プリグルーブ付および
磁気ストライプ付基板の製造方法を示すものである。
【0066】以下にコンプレッション法による製造工程
を順次説明する。 磁気ストライプ積層テープ313をプラスチック基
板305と鏡面プレス型307の間にセットする。 プリグルーブパターンを形成した、電鋳によって作
成した金型(スタンパー)304を一方の加熱プレス台
303にセットする。 プラスチック基板305を磁気ストライプ積層テー
プ313と金型(スタンパー)304の間にセットす
る。
【0067】 プレス圧力311を付加し、金型30
4と鏡面プレス型307をともにプラスチック基板の熱
変形温度+50℃程度の温度に加温し、10秒〜60秒
一定温度に保つ。 次に、金型と鏡面プレス型を30〜50℃程度まで
冷却しプラスチック基板を離型する。
【0068】上記、〜の工程によって、磁気ストラ
イプおよび凸凹プリフォーマットを有する光学情報記録
媒体用基板を作製することができる。
【0069】プレス温度はプラスチック基板のTg近傍
で行なわれ、通常80〜200℃付近で行なわれる。プ
レス圧力は、20〜200Kg/cm2 で行なわれる。
【0070】図17においては、磁気ストライプ積層テ
ープ313には、磁気テープ用ベースフィルム306に
磁気テープはり付用接着剤310をコーティングした上
に磁気テープ(磁気記録層)308を設けたものを用い
た。
【0071】本発明において、プラスチック基板として
は光学的に記録・再生に於いて不都合の少ないものが好
ましく、また基板側から記録・再生光を入射する場合に
は、使用する光に対して透過率の高いものであればよ
い。例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ビニル系樹脂、ポリスルホン樹脂、
ポリイミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド樹脂セルロース誘導体などを用いる
ことができる。
【0072】また、熱プレス成形時の気泡残りを少なく
するためにプラスチック基板305の表面はなし地面が
良い。たとえば、中心線平均粗さRa=0.2〜0.5
μmの面が好ましい。
【0073】次に、図19〜21は本発明のハイブリッ
トカードの製造方法の一例を示す模式図である。同図は
インジェクション(射出)成形法によるプリグルーブ付
および磁気ストライプ付基板の製造方法を示すものであ
る。
【0074】以下にインジェクション成形法による製造
工程を順次説明する。 磁気テープ用ベースフィルムの厚み分の凹部318を
形成したインジェクション成形用型をインジェクション
成形機にセットする。(図19,図20参照) の成形用型に、磁気テープ319がリールで供給さ
れるようにセットする。(図21参照) 光記録用プリフォーマットパタ−ン317を形成し
た、電鋳によって作成した金型(スタンパー)315を
インジェクション成形機にセットする。(図19参照)
【0075】成形材料をホッパーに投入し、シリンダ
ーで加熱し、スクリューまたはプランジャー314で圧
縮し、混練しながら前進し、可塑化する。(図19参
照)この時の製造条件は、使用するプラスチックによっ
て違うが、例えば、ポリカーボネートでは、シリンダー
温度270℃〜360℃、成形圧力約1400Kg/c
2 、金型温度100〜150℃が好ましい。
【0076】アニール後、成形品を取り出す。この
時、磁気テープのMS部分が基板に埋め込まれ、ベース
フィルムはリールに残る。一方、基板の反対面には、プ
リグルーブが成形されている。 次の成形のために、磁気テープをリールで繰り出す。
以下からの工程を繰り返して行う。
【0077】磁気テープは、図17において用いたもの
と同様の磁気テープ用ベースフィルム306に磁気テー
プはり付用接着剤310をコーティングした上に磁気テ
ープ(磁気記録層)308を設けたものを使用した。但
し、ベースフィルムは耐熱性の高いポリイミドフィルム
が好ましい。
【0078】使用するプラスチックは、上記のコンプレ
ッション成形法による場合と同様のものを用いることが
できるが、成形条件がそれぞれ異なる。例えば、アクリ
ル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル)では、シリンダー
温度160〜260℃、成形圧力約1400Kg/cm
2 、ポリオレフィン系樹脂(TPX)では、シリンダー
温度260〜280℃、成形圧力約1400Kg/cm
2 などである。
【0079】上記の様にしてプラスチック基板に磁気ス
トライプとプリフォーマットを同時に形成するが、磁気
ストライプとプリフォーマットはプラスチック基板の反
対面に形成され、プリフォーマットの上には光記録層を
形成する。
【0080】光記録層を形成する方法は、例えば、光記
録層を湿式塗布により設ける際には、ロールコーティン
グ,ワイヤーバーコーティング,エアーナイフコーティ
ング,カレンダーコーティング,ディップコーティン
グ,スプレー等の方法で塗布する。乾式で設ける際に
は、蒸着、スパッタリング等の方法で設ける。
【0081】前記光記録層の上には、接着剤を介して保
護基板を貼り合わせてハイブリットカードを製造するこ
とができる。接着剤としては、従来知られている接着
剤、例えば酢酸ビルニ、アクリル酸エステル、塩化ビニ
ル、エチレン、アクリル酸、アクリルアミドなどビニル
モノマーの重合体及び共重合体、ポリアミド、ポリエス
テル、エポキシ系などの熱可塑性接着剤、アミノ樹脂
(ユリア樹脂、メラミン樹脂)、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ビニル樹脂などの接
着剤、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロゴム、シリコン
ゴムなどのゴム系接着剤が使用される。
【0082】保護基板には、例えば、アクリル系樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル系樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂セルロ
ース誘導体などを用いることができる。
【0083】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0084】○第一の発明の実施例 実施例1 図2に示す様に、たて56mm×よこ88mmのガラス
注型成形用型21にJIS規格に準拠する様に定めた磁
気ストライプ位置に磁気ストライプ22を付設した。磁
気ストライプとしては東京磁気印刷(株)社製のJIS
−II型磁気テープを用いた。
【0085】次に、前記型21とJIS規格磁気ストラ
イプカード厚さに準拠する厚さのスペーサー23と鏡面
型24を用いて注型成形用セルAを組み立てた。次に、
図1に示す樹脂注入口13より、光カード保護層基板樹
脂として下記の組成の液状のエポキシ樹脂を注入し、1
00℃で10時間硬化させた。次いで、注型成形用セル
から脱型した後、樹脂注入口の突起をサンダーで削りと
り、磁気ストライプが付設されたエポキシ樹脂光カード
保護層基板を得た。
【0086】
【表1】 エポキシ樹脂組成 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100重量部 メチルヘキサヒドロフタール酸無水物 88重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5重量部 2,6−ジ−ターシャリー ブチル−p−クレゾール 1.0重量部
【0087】次に、トラッキング案内溝を設けた厚さ4
mmの透明アクリル樹脂基板に記録層としてシアニン色
素NK1414を0.1μmの厚さに塗布し、100℃
で10分間乾燥後、ホットメルタイプの接着剤を介して
前記磁気ストライプ付き基板とラミネーターで貼り合わ
せて光カードを得た。得られた光カードは、磁気ストラ
イプの位置精度が高く、かつ表面の鏡面性が優れてい
た。
【0088】実施例2 実施例1と同様の注型成形用型21の磁気ストライプ位
置に磁気記録層をグラビアコートし、該型21に磁気ス
トライプを付設した。次に、図3に示す様に、前記注型
成形用型21とスペーサ23とトラッキング案内溝を設
けたグルーブ付鏡面型31を用い、注型成形用セル33
を組み立てた。そして該セルに以下の配合組成の液状エ
ポキシ樹脂を注入し、100℃で10時間硬化させた。
【0089】
【表2】 エポキシ樹脂組成 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100重量部 メチルヘキサヒドロフタール酸無水物 88重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5重量部 2,6−ジ−ターシャリー ブチル−p−クレゾール 1.0重量部
【0090】次いで、注型成形用型から脱型した後、樹
脂注入口の突起をサンダーで削り取り磁気ストライプの
付設された透明エポキシ樹脂組成物の光カード透明基板
を得た。尚、成形方法が注型成形であるために成形歪に
よる複屈折が小さく、100×100mmの基板内の位
置差は0.1〜5nm(ダブルバス)であった。
【0091】この基板のトラッキング案内溝上に、記録
層として色素IR820(日本化薬社製)3.0wt%
を含有するジアセトンアルコール溶液をスピンコートし
1000±50Åの記録層を得た。次に、これをホット
メルトタイプの接着剤を介して保護層を貼り合わせて光
カードを得た。得られた光カードは、磁気ストライプの
位置精度が高く、かつ表面の鏡面性が優れていた。
【0092】○第二の発明の実施例 実施例3 図6に示す方法でハイブリットカードを製造した。熱可
塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂(帝人化成製、パ
ンライトL−1250)を用いた。乾燥した樹脂を30
0℃に加熱、溶融させ、リップ長150mmのダイス1
04より押し出し量11Kg/hで押し出した。
【0093】ロール径300mm、幅500mmの第
1、第2、第3冷却ロールを130℃に設定し、上記ダ
イスより押し出した樹脂を図6と同様にロールで引き取
った。シート成形速度は3.0m/minで行った。
【0094】磁気ストライプは10μm厚のポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ダイアホイル(株)製、ダ
イアホイル)上に磁性体を塗布し、幅7mmのテープ状
に切断したのち、ロール状に巻き取ったものを用いて、
図6と同様にして、第1冷却ロール101側から溶融状
態の樹脂中に埋め込んだ。
【0095】光記録層は銀塩粒子をゼラチンマトリック
ス中に分散させた幅35mmのテープに、トラッキング
用のプリフォーマットパターンを露光したのちロール状
に巻き取ったものを用意した。
【0096】次に、同じくロール状に巻いた幅80m
m、厚さ0.3mmのポリカーボネ−トシート(帝人化
成製、パンライトPC−211)を用意し、図6と同様
の方法で、溶融状態の熱可塑性樹脂、上記の光記録層、
上記の0.3mmポリカーボネ−トシートの順になる様
に第1、第2冷却ロール間に挟み込んだ。
【0097】冷却して得られたシート基材を86mm×
54mmの大きさに切断して、図10に示す様な基材表
面に段差がなく、埋め込まれた磁気ストライプからなる
磁気情報記録領域110を有し、かつ基材内部に光記録
層からなる光情報記録領域111を有するハイブリット
カードを得た。
【0098】実施例4 実施例3と同様にしてポリカーボネ−ト樹脂の溶融押し
出しを行った。次に、図8に示す方法と同様に、第2の
ダイス104′より同条件でポリカーボネ−ト樹脂を溶
融押し出しした。
【0099】2つのダイス104,104′から押し出
された溶融状態のポリカーボネート樹脂105,10
5′の間に、プリフォーマットパターンを転写、硬化さ
せた紫外線硬化型樹脂のパターン上に1000Å厚のテ
ルル膜をスパッタした光記録層107を介し、一方、実
施例3と同様の磁気ストライプ106を図8の様に2つ
の樹脂105,105′の外側に配置し、第1冷却ロー
ル101と第2冷却ロール102間で一気に挟み込んで
ポリカーボネ−トを硬化させた。
【0100】以下、実施例3と同様にして、図10に示
すな基材表面に段差がない磁気ストライプ付きのハイブ
リットカードを得た。
【0101】○第三の発明の実施例 実施例5 図11に示す方法でハイブリットカードを製造した。熱
可塑性樹脂としてポリカーボネ−ト樹脂(帝人化成製、
パンライトL−1250)を用いた。乾燥した樹脂を3
00℃に加熱・溶融させ、リップ幅300mmのダイス
より押し出し量22Kg/hで押し出した。
【0102】次に、図13に示すようなプリフォーマッ
トパターン208を有するNi製スタンパ(長さ950
mm×幅250mm、厚さ200μm)をロール径30
0mm、幅600mmの第2冷却ロール上に巻きつけネ
ジ止めして固定した。第1,第2,第3の冷却ロールを
130℃に設定し、上記ダイス204より押し出した樹
脂を図11と同様にロールで引き取った。シート成形速
度は3.0m/minで行った。
【0103】磁気ストライプは、10μm厚のポリエチ
レンテレフタレートフィルム(ダイアホイル(株)製、
ダイアホイル)上に磁性体を塗布し、幅7mmに切断し
た後、ロール状に巻き取ったものを用いて、成形ロール
の幅方向に60mm間隔で4巻配置した。
【0104】図11と同様に第1冷却ロール側から磁気
ストライプを該第1冷却ロールと溶融状態の樹脂との間
で挟み込みを行い、図14に示す4本の磁気ストライプ
206が幅方向に埋め込まれ、かつ樹脂の反対の面にプ
リフォーマットパターンの凹凸を有する厚さ0.40m
m、幅250mmのシート基材を得た。
【0105】上記シート基材のプリフォーマットパター
ン上に、スパッタ法によりテルルの記録膜を設け、ホッ
トメルト系接着剤(ヒロダイン 7580、ヒロダイン
工業社製)、厚さ0.30mmのポリカーボネ−ト基板
を順次積層し、ラミネートしたのち、86mm×54m
mのカードサイズに切断して、図15に示す様な基材表
面に段差がなく、埋め込まれた磁気ストライプ206を
有し、かつ基材内部に光記録層からなる光情報記録領域
210を有する磁気ストライプ付き光カード209を得
た。
【0106】○第四の発明の実施例 実施例6 0.4mm厚で平均粗さRa=0.20のPMMA基板
を図17に示される様な熱プレス成形機にセッティング
し、加圧圧力4Kg/cm2 、温度150℃で30秒間
プレス形成した後、金型および鏡面プレス型を30℃ま
で冷却し、離型後、図18(a),(b)に示される様
な磁気ストライプ付かつグループ付光カード用基板を得
た。磁気ストライプとしては東京磁気印刷(株)社製の
JIS−II型磁気テープを用いた。
【0107】図18は製造された光カード用基板を示す
説明図であり、図18(a)は斜視図、図18(b)は
YY線断面図である。
【0108】該光カード用基板の磁気ストライプが形成
された側にハードコート(コニディック 7−824−
9、大日本インキ社製)層を磁気記録情報の記録・再生
に影響のない程度の厚さ(約2〜3μm程度)に設け、
次に、プリグルーブパターンが形成された側に下記構造
式(I)、(II)で示される有機色素および光安定剤
を0.75:0.25の混合比で混合した混合液を溶媒
塗布法によって塗布して記録層を形成した後、ホットメ
ル系接着剤(N−0903HC、三井石油化学社製)を
用いて、厚さ0.3mmのPMMAからなる保護基板を
積層し、カード形状に切断して磁気ストライプ付光カー
ドを得た。
【0109】
【化1】
【0110】
【化2】
【0111】実施例7 実施例6のプラスチック基板を0.4mm厚のポリカー
ボネート基板(帝人化成社製、商品名パンライトPC−
251)に変え、熱プレス温度を180℃、30sec
にすることによっても同時に磁気ストライプ付かつグル
ープ付光カード用基板を得ることができた。その後、実
施例6と同様の方法で磁気ストライプ付光カードを得
た。
【0112】実施例8 図21のように磁気テープ用ベースフィルムの厚み分の
凹部を形成したインジェクション成形用型に、磁気テー
プがリールで供給されるようにセットする。次に、光記
録用プリグルーブパタ−ンを形成した金型をインジェク
ション成形機にセットする。
【0113】ポリカーボネート基板(帝人化成社製、商
品名パンライトAD−5503)のペレットをホッパー
に投入し、シリンダーで加熱し、プランジャーで圧縮
し、混練しながら前進し、可塑化した。製造条件は、シ
リンダー温度350℃、成形圧力約1400Kg/cm
2 、金型温度130℃で行った。
【0114】110℃でアニール後、MSが埋め込ま
れ、反対面に光記録用プリグルーブが形成された成形基
板を得た。上記にようにして得られた基板を用いて実施
例6と同様に、光記録層を設け、接着剤を用いてポリカ
ーボネート製の保護基板を積層し、カード形状に切断し
て磁気ストライプ付光カードを得た。
【0115】
【発明の効果】
○第一の発明の効果 以上説明した様に、本発明によれば、磁気ストライプを
注型成形用型の所定の位置に設け、該型を用いて光カー
ド基板を成形し、磁気ストライプ付き光カード基板を一
体注型成形することにより、磁気ストライプ位置の位置
精度が高く、かつ光カード基板面の鏡面性に優れた磁気
ストライプ付き光カード基板が得られるため、高品位の
磁気ストライプ付き光カード(ハイブリットカード)を
簡略な工程で安価に製造できる効果が得られる。
【0116】○第二の発明の効果 以上説明した様に、本発明によれば、押し出し成型法に
より磁気ストライプを有するハイブリットカードを形成
する際、溶融状態で磁気ストライプおよび光記録層を埋
め込むことにより、 シート成型時に、磁気ストライプと光記録層を同時に
設けることができる為、工程が簡略化できる。 シート成型と同時に光記録層、保護層をラミネートす
ることができる為、接着層を必要としない。 リール・トウ・リールで連続生産ができる為。大量生
産に適している。 シート基材と磁気ストライプ層を同一平面上で設ける
ことができる為、磁気ストライプの耐摩耗性に優れてい
る。等の効果がある。
【0117】○第三の発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、ローラー・グル
ープ成型法によってプリフォーマットパターンの微細な
凹凸を有する光情報記録媒体用の基板を成型する際、溶
融状態で磁気ストライプを埋め込むことにより、 シート成型工程中に磁気ストライプを設けることがで
きる為、工程が簡略化できる。 複数の磁気ストライプを連続して基材上に設けること
ができるので、生産性に優れている。 シート基材と磁気ストライプ層を同一平面上に設ける
ことができる為、磁気ストライプの耐摩耗性に優れてい
る。等の効果がある。
【0118】○第四の発明の効果 本発明の第四の発明によれば、従来少なくとも2つの熱
プレス工程を必要としした磁気ストライプ付き光カード
用基板の製造方法が一つの熱プレス工程で製造すること
ができるため、磁気ストライプ付光カード用基板のコ
ストが低減し、加熱工程が1回になったために熱によ
る基板の機械的強度の低下が抑制され、かつプリグルー
ブの寸法安定性が良好なハイブリットカードを容易に製
造することができた。
【0119】また、インジェクション成形により磁気ス
トライプ付き光カード用基板を製造することができるた
め、磁気ストライプ付光カード用基板のコストが低減
し、プリグルーブの寸法安定性が良好なハイブリット
カードを容易に製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明のハイブリットカードの製造方法に
用いる注型成形用セルの一例を示す説明図である。
【図2】第一の発明における磁気ストライプ付き基板の
製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】第一の発明のハイブリットカードの製造方法に
用いる注型成形用セルの他の例を示す説明図である。
【図4】第一の発明のハイブリットカードの製造方法に
用いる注型成形用セルの他の例を示す説明図である。
【図5】第一の発明により製造されたハイブリットカー
ドの構成を示す説明図である。
【図6】第二の発明のハイブリットカードの製造方法の
一例を示す説明図である。
【図7】第二の発明により得られたハイブリットカード
の断面図である。
【図8】第二の発明のハイブリットカードの製造方法の
他の例を示す説明図である。
【図9】第二の発明における磁気ストライプの別な埋め
込み方法を示す断面図である。
【図10】第二の発明の製造方法で得られたハイブリッ
トカードの一例を示す斜視図である。
【図11】第三の発明のハイブリットカードの製造方法
の一例を示す説明図である。
【図12】第三の発明における磁気ストライプの別な埋
め込み方法を示す断面図である。
【図13】第三の発明のローラーグルーブ法におけるス
タンパの一例を示す説明図である。
【図14】第三の発明により得られた磁気ストライプ付
光情報媒体基板の一例を示す説明図である。
【図15】第三の発明により得られた磁気ストライプ付
光カードの一例を示す説明図である。
【図16】ローラーグルーブ成形法を示す説明図であ
る。
【図17】第四の発明のハイブリットカードの製造方法
の一例を示す模式図である。
【図18】第四の発明により製造された光カード用基板
を示す説明図である。
【図19】第四の発明のハイブリットカードの製造方法
の他の例を示す模式図である。
【図20】図19のハイブリットカードの製造方法に用
いる装置の一部分を示す模式図である。
【図21】図19のハイブリットカードの製造方法に用
いる装置の一部分を示す模式図である。
【符号の説明】
11 注型成形用型 12 磁気ストライプ 13 樹脂注入口 21 注型成形用型 22 磁気ストライプ 23 スペーサー 24 鏡面型 25 プラスチック基板用樹脂 26 プラスチック基板 31 グルーブ付鏡面型 32 光カード透明基板 41 電着塗装用型 42 電着用電極 A,33 注型成形用セル 51 透明基板 52 記録層 53 接着層 54 保護層 55 磁気ストライプ 101,201 第1冷却ロール 102,202 第2冷却ロール 103,203 第3冷却ロール 104,104′,204 ダイス 105,105′,205 熱可塑性樹脂 106,206 磁気ストライプ 107 光記録層 108 保護シート基材 109 磁気ストライプのベースフィルム 110 磁気情報記録領域 111 光情報記録領域 207 磁気層ベースフィルム 208 光情報記録用プリフォーマットパターン 209 磁気ストライプ光カード 210 光情報記録領域 301 冷媒入口 302 冷媒出口 303 加熱プレス台 304 金型 305 プラスチック基板 306 磁気テープ用ベースフィルム 307 鏡面金型 308 磁気テープ(磁気記録層) 309 加熱用ヒーター 310 磁気テープはり付用接着剤 311 プレス圧力 312 プリフォーマットトラック 313 磁気ストライプ積層テープ 314 プランジャー 315 金型 316 金型 317 光記録用プリフォーマットパタ−ン 318 凹部 319 磁気テープ 320 成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/06 (72)発明者 田辺 浩 神奈川県川崎市中原区今井上町53番地 キ ヤノン株式会社小杉事業所内 (72)発明者 小川 善広 神奈川県川崎市中原区今井上町53番地 キ ヤノン株式会社小杉事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ストライプと光記録層を有するハイ
    ブリットカードの製造方法に於いて、該磁気ストライプ
    と光記録用のプリフォーマットパターンを有する基板を
    注型成形で同時に一体化して形成する事を特徴とするハ
    イブリットカードの製造方法。
  2. 【請求項2】 磁気ストライプと光記録層を有するハイ
    ブリットカードの製造方法に於いて、該磁気ストライプ
    と光記録層を有する基板を押出成形により溶融状態で同
    時に一体化して形成する事を特徴とするハイブリットカ
    ードの製造方法。
  3. 【請求項3】 磁気ストライプと光記録層を有するハイ
    ブリットカードの製造方法に於いて、該磁気ストライプ
    と光記録用のプリフォーマットパターンを有する基板を
    押出成形により溶融状態で同時に一体化して形成する事
    を特徴とするハイブリットカードの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気ストライプと光記録層を有するハイ
    ブリットカードの製造方法に於いて、該磁気ストライプ
    と光記録用のプリフォーマットパターンを有する基板を
    熱プレス成形又はインジェクション成形で同時に一体化
    して形成することを特徴とするハイブリットカードの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002544631A (ja) * 1999-05-12 2002-12-24 ジェムプリュス 非接触式カードの製造方法

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