JPH07146430A - 電磁駆動装置及び電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装置 - Google Patents

電磁駆動装置及び電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装置

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JPH07146430A
JPH07146430A JP2526594A JP2526594A JPH07146430A JP H07146430 A JPH07146430 A JP H07146430A JP 2526594 A JP2526594 A JP 2526594A JP 2526594 A JP2526594 A JP 2526594A JP H07146430 A JPH07146430 A JP H07146430A
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JP
Japan
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yoke
bobbin
magnet
electromagnetic drive
drive device
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2526594A
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English (en)
Inventor
Satoshi Sakamoto
敏 坂本
Shinichi Orimo
進一 織茂
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォーカスレンズを固定部材に収納した状態
で可動部材を移動できるようにして、フォーカス制御装
置の小型、軽量化を図る。 【構成】 連結部8を介して外側ヨーク筒部9と内側ヨ
ーク筒部10とが同心に形成されたヨーク体5と、少な
くとも内側ヨーク筒部に軸方向に形成された切欠き11
に臨んで支持された支持軸4と、両ヨーク筒部の一方側
に固着された閉磁路を構成するマグネット6とにより固
定部2を構成する。周面にコイル24が巻回されかつ外
側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に介挿されるボビ
ン14と、内側ヨーク筒部よりも小径であり連結部材1
8、19を介してボビン内孔部23に収納された被駆動
体12を保持する被駆動体保持部材13とにより可動部
3を構成する。切欠きに対応位置されるボビンと被被駆
動体保持部材とを連結する連結部材18に、支持軸が挿
通される軸孔17が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被駆動体を保持した被
駆動部を有する可動部材を、ヨーク体に沿って移動動作
させる電磁駆動装置及びこの電磁駆動装置を用いたフォ
ーカス制御装置に関し、例えばビデオカメラ等に搭載さ
れたレンズ鏡筒内のフォーカシング用の可動レンズや電
動ズーミング用の可動レンズを駆動する可動レンズ駆動
機構に用いて好適な電磁駆動装置及びこの電磁駆動装置
を用いたフォーカス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オートフォーカス機能や電動ズ
ーム機能を備えたビデオカメラ等のレンズ鏡筒には、フ
ォーカシング用の可動レンズやズーミング用の可動レン
ズをその光軸方向に移動させてフォーカス制御を行うた
めの可動レンズ駆動装置が設けられている。この可動レ
ンズ駆動装置としては、例えばコイル及びマグネットを
有する電磁駆動型のアクチュエータが比較的多く用いら
れている。フォーカス制御を行う電磁駆動型アクチュエ
ータが備えられたレンズ鏡筒は、例えば、その外筺内に
ビデオカメラの前方側から光軸に沿って順に、前玉ユニ
ット、ズームユニットを構成するバリエータ、絞り装
置、固定レンズ及び可動レンズ群からなるインナーフォ
ーカスユニットを配して構成されている。
【0003】上記バリエータは、ビデオカメラのレンズ
系のWide端及びTele端を決定するもので、その
移動範囲は大きい。従って、このバリエータの駆動機構
としては、ステッピングモータを主体とし、このステッ
ピングモータの回転運動を直線運動に変換する回転−直
動変換機構が用いられる。また、インナーフォーカスユ
ニットの可動レンズは、被写体像を、このレンズ鏡筒の
後方側に設置される、例えばCCD固体撮像素子の撮像
面に結像させるために光軸に沿って移動するレンズであ
り、この移動範囲は上記バリエータと比べて狭いものと
なっている。したがって、この可動レンズを移動させる
可動レンズ駆動機構としては、狭い範囲を移動させるの
に好適な、ボイス・コイル・モータ等の電磁駆動装置が
用いられている。
【0004】インナーフォーカスユニットの可動レンズ
駆動装置を構成する従来の電動フォーカス制御装置は、
図12に示すように、CCD固体撮像素子が配設された
側面部と対向する他方側面部が開放された箱状の外筺1
01内に収容、固定される各構成部材からなる固定部1
02と、この固定部102を構成する2本の支持軸10
4a、104bに支持されて光軸方向に移動可能な可動
部103とから構成されている。固定部102は、外筺
101の前記開放側面部と対向するCCD固体撮像素子
配設側面部の内面の対角位置にそれぞれ一端を片持ち支
持された前記支持軸104a、104bと、金属製のヨ
ーク体105及びこのヨーク体105に固着されるマグ
ネット106とから構成されている。
【0005】ヨーク体105は、支持軸104a、10
4bが設けられた外筺101の側面部と対向する矩形状
の連結部108と、この連結部108の一側面に前記支
持軸104a、104bと平行して互いに同心に形成さ
れた角筒状の外側ヨーク筒部109及び内側ヨーク筒部
110とから構成されている。内側ヨーク筒部110
は、連結部108の中央部に形成した光学穴107の内
周縁から立ち上がり形成されている。また、外側ヨーク
筒部109は、その外形寸法が外筺101の開口寸法よ
りも小とされて前記連結部108の外周縁から立ち上が
り形成され、各コーナ部分が基端部から先端部に亘って
それぞれ切欠き部が形成されることによって、外見上、
前記支持軸104a、104bと平行な4個のヨーク片
により構成されている。
【0006】この外側ヨーク筒部109には、内側ヨー
ク筒部110と対向する各内面に、マグネット106が
例えば接着剤等によってそれぞれ固着されている。これ
らマグネット106は、それぞれ外側ヨーク部109か
ら内側ヨーク部110に向かう方向で磁極が異なるよう
に着磁されており、外側ヨーク筒部109と内側ヨーク
筒部110との間で閉磁路を構成している。ヨーク体1
05は、外筺101の開放側面部から内部に収納され、
連結部108が支持軸104a、104bを設けた側面
部の内面に接合されて固定される。外筺101の内部に
収納、固定された状態において、ヨーク体105の前記
切欠き部には、前記支持軸104a、104bが対応位
置される。
【0007】上述した固定部102に対して光軸方向に
移動可能に支持される可動部103は、中央部分にフォ
ーカスレンズ111が取り付けられる金属製のレンズホ
ルダ112と、このレンズホルダ112の一方側面部に
固着されたボビン113とから構成されている。
【0008】レンズホルダ112は、外形が矩形状に形
成され、中央部分にフォーカスレンズ111の径とほぼ
同じ径を有する光学穴が穿設されたレンズホルダ本体1
14と、このレンズホルダ本体114の他方側面部に前
記光学穴の周縁から一体に突出形成された円筒状のレン
ズ保持筒115と、このレンズ保持筒115に組み込ま
れた前記フォーカスレンズ111と、前記レンズ保持筒
115の周側面に突出形成されるとともに先端部の近傍
に位置して前記支持軸104a、104bがそれぞれ挿
通される軸孔116a、116bが穿設された軸受け部
117a、117bとが一体に形成されて構成されてい
る。
【0009】ボビン113は、合成樹脂材料によって角
筒状に形成され、中央部分には断面矩形状の中空部(図
示せず)を有する。このボビン113には、外周部にコ
イル巻回部が凹設されており、このコイル巻回部を利用
してコイル118が巻回されている。また、ボビン11
3は、その中空部の内径が前記固定部102を構成する
内側ヨーク部110の外径よりもやや大とされている。
さらに、ボビン113は、コイル118を巻回した状態
において、その外径が外側ヨーク部109の内径よりも
やや小とされている。
【0010】ボビン113は、前記支持軸104a、1
04bを軸受け部117a、117bの軸孔116a、
116bに挿通してレンズホルダ112を固定部102
に組み合わせた状態において、前記固定部102を構成
する内側ヨーク部110と外側ヨーク部109の内面に
固着された4個のマグネット106の表面との間で構成
される空間内に介挿位置される。このボビン113のコ
イル巻回部は、前記マグネット106の磁束が形成する
閉磁路、すなわち、マグネット106−内枠ヨーク11
0−連結板108−外枠ヨーク109−マグネット10
6の経路で通る閉磁路中に位置される。
【0011】以上のように構成された従来の電動フォー
カス制御装置は、コイル118に駆動電流が供給される
と、このコイル118から供給された駆動電流の方向に
対応した方向の磁束が発生し、コイル118、換言すれ
ば可動部103には支持軸104a、104bに沿った
駆動力が生じ、この駆動力によって可動部103が移動
動作されることによって、レンズホルダ112に取り付
けられたフォーカスレンズ111が光軸方向に調動動作
されてフォーカス制御が行われ、外筐101に配設され
たCCD固体撮像素子上にレンズ系を通過した映像が撮
像される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインナ
ーフォーカスユニットの可動レンズ駆動装置を構成する
電磁駆動装置においては、可動部103が支持軸104
a、104bに支持されて光軸方向に移動される場合の
最大移動範囲は、ヨーク体105の連結部108に最も
接近した位置を起点として、コイル118が設けられた
ボビン113がヨーク体105の先端部に対応する位置
まで、換言すれば、ヨーク体105の光軸方向の長さに
よって決定される。ボビン113は、低電力、軽量化の
ために、必要な駆動力を得るコイル118を巻回するに
足る光軸方向の幅寸法が確保されればよい。したがっ
て、このボビン113の光軸方向の幅寸法は、一般には
ヨーク体105の光軸方向の長さよりも小さい。
【0013】ところで、可動部103側は、上述したよ
うに、中空部を有するボビン113の一方側面部がフォ
ーカスレンズ111を組み込んだ金属製のレンズホルダ
112によって閉塞されており、上記起点位置におい
て、ヨーク体105の先端部との衝合を避けるための逃
げ部が必要となる。したがって、ボビン113には、ヨ
ーク体105の光軸方向の長さ寸法の差異とほぼ等しい
光軸方向の逃げ量hを確保するため、レンズホルダ11
2との接合部側が幅厚に構成される。
【0014】したがって、従来のインナーフォーカスユ
ニットの可動レンズ駆動機構を構成する電磁駆動装置に
おいては、可動部103が固定部102に対して光軸方
向に最も突出するように移動された状態においては、全
体の長さが、フォーカスレンズ111が保持されたレン
ズ保持筒115、ボビン113及び固定部102の合計
分となり、極めて大きい長さとなる。このため、上述し
た従来の電磁駆動装置は、光学系、強いてはレンズ鏡筒
の光軸方向の長さが大きくなって、ビデオカメラ全体の
サイズが大型化するという問題がある。
【0015】一方、上述したようにボビン113の一方
側面部にフォーカスレンズ111を組み込んだ金属製の
レンズホルダ112を組み合わせることにより、ヨーク
体105の内側ヨーク部110及び外側ヨーク部109
は、先端側が開放された構造となる。このため、内側ヨ
ーク部110と外側ヨーク部109は、連結部108側
においてのみ磁気的に結合されるいわゆる一方向の磁気
的結合構造となり、磁気効率が落ちる。このようなヨー
ク体105において、磁気効率を向上させるためには、
内側ヨーク部110及び外側ヨーク部109の厚み寸法
をそれぞれ厚くしなければならないが、インナーフォー
カスユニットの可動レンズ駆動機構、強いてはビデオカ
メラ全体の重量が大きくなってしまうといった問題が生
じる。
【0016】上述した問題点は、可動部102の移動
量、すなわちビデオカメラのフォーカスレンズ111の
フォーカシング量を大きくするほど顕著になり、ビデオ
カメラの大型化、重量化を招くことになる。
【0017】ところで、上述した電磁駆動装置において
は、固定部102に対して光軸方向に移動自在に支持さ
れた可動部103の位置を検出する位置検出手段が設け
られている。この位置検出手段は、例えば可動部103
を構成するレンズホルダ112にMRマグネットを取り
付けたマグネット取付け部材を突出して設けるととも
に、このマグネット取付け部材の走行路に対応位置して
外筐101の内面壁にMRセンサを配設してなる。した
がって、この位置検出手段は、可動部103が固定部1
03に沿って移動動作されて、MRマグネットがMRセ
ンサに及ぼす磁気密度の変化によるMRセンサの抵抗値
の変化量をカウントして可動部103の光軸方向の位置
を検出する。
【0018】このように、可動部103は、位置検出手
段を構成するマグネット取付け部材が突出して設けられ
るため、レンズホルダ112がさらに大型化、複雑化す
る。また、マグネット取付け部材は、光軸方向における
可動部103の正確な位置検出を行うため、レンズホル
ダ112に正確に位置決めして取り付けられなければな
らないため、別部材として構成されるマグネット取付け
部材の取り付けは面倒であった。
【0019】したがって、本発明は、固定部を構成する
ヨーク部の軸方向の長さ範囲で、被駆動体を保持した可
動部が軸方向に突出することなく移動動作されるように
することによって、装置の大幅な小型化を達成した電磁
駆動装置を提供することを目的に提案されたものであ
る。
【0020】また、本発明は、固定部を構成するヨーク
体の厚み寸法を大とすることなく可動部を駆動するに必
要な磁気力が得られるようにし、以って装置の軽量化、
小型化を達成した電磁駆動装置を提供することを目的に
提案されたものである。
【0021】さらにまた、本発明は、固定部に対する可
動部の位置を検出する位置検出手段を構成するMRマグ
ネットを正確にかつ簡易に取り付け得るようにし、以っ
て可動部の正確な移動動作の制御を行うようにした電磁
駆動装置を提供することを目的に提案されたものであ
る。
【0022】さらに、本発明は、可動部を駆動する単位
面積当たりの大きな磁気力を得ることによって、装置の
軽量化、小型化を達成した電磁駆動装置を提供すること
を目的に提案されたものである。
【0023】また、本発明は、固定部を構成するヨーク
部の軸方向の長さ範囲で、フォーカスレンズを保持した
レンズホルダが光軸方向に突出することなく調動される
ようにすることによって、オートフォーカス機能や電動
ズーム機能を備えたビデオカメラ等のレンズ鏡筒の小型
化、軽量化を図り、以ってビデオカメラ等の装置全体の
大幅な小型化、軽量化を達成した電磁駆動装置を用いた
フォーカス制御装置を提供することを目的に提案された
ものである。
【0024】さらに、本発明は、固定部を構成するヨー
ク体の厚み寸法を大とすることなくフォーカスレンズを
駆動するに必要な磁気力が得られるようにし、以って装
置の軽量化、小型化を達成した電磁駆動装置を用いたフ
ォーカス制御装置を提供することを目的に提案されたも
のである。
【0025】さらにまた、本発明は、固定部に対する可
動部の位置を検出する位置検出手段を構成するMRマグ
ネットを正確にかつ簡易に取り付け得るようにし、以っ
てフォーカスレンズの正確なフォーカス制御を行うよう
にした電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装置を提供
することを目的に提案されたものである。
【0026】さらにまた、本発明は、フォーカスレンズ
を駆動する単位面積当たりの大きな磁気力を得ることに
よって、装置の軽量化、小型化を達成した電磁駆動装置
を用いたフォーカス制御装置を提供することを目的に提
案されたものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成した本
発明に係る電磁駆動装置は、連結部を介して外側ヨーク
筒部と内側ヨーク筒部とが同心に形成されたヨーク体
と、少なくとも内側ヨーク筒部に軸方向に形成された切
欠きに臨んで支持された支持軸と、前記ヨーク体の外側
ヨーク筒部又は内側ヨーク筒部のいずれか一方側のヨー
ク筒部の他方側のヨーク筒部との対向面に固着されるこ
とによってこれら外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との
間に閉磁路を構成するマグネットとによって固定部を構
成する。また、周面にコイルが巻回されるとともに前記
ヨーク体の外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に介
挿位置されるボビンと、前記内側ヨーク筒部よりも小径
であって複数の連結部材を介して前記ボビンの内孔部に
収納位置された被駆動体を保持する被駆動体保持部材と
によって可動部を構成する。この可動部は、前記固定部
を構成するヨーク体に沿って前記支持軸に移動可能に支
持するようにして組み合わされるる。可動部を固定部に
組み合わせた状態において、前記ヨーク体に形成した切
欠きに対応して位置される前記ボビンと被駆動体保持部
材とを連結する連結部材には、前記支持軸が挿通される
軸孔が形成される。
【0028】また、本発明に係る電磁駆動装置は、可動
部を構成するボビン、連結部材及び被駆動体保持部材
は、例えば合成樹脂材料によって一体に形成される。
【0029】さらに、本発明に係る電磁駆動装置は、ボ
ビンと被駆動体保持部材とを連結する連結部材を、前記
被駆動体保持部材に対して前記内側ヨーク筒部を貫通可
能とする突抜け空間部を構成する位置に設ける。
【0030】さらにまた、本発明に係る電磁駆動装置
は、ヨーク体に、内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との
先端側を磁気的に連結するため、例えば内側ヨーク筒部
と外側ヨーク筒部との先端面に接合可能な幅寸法に形成
された枠状のヨーク板を組み合わす。
【0031】さらにまた、本発明に係る電磁駆動装置
は、ヨーク体に形成した切欠きに対応して位置される前
記ボビンと被駆動体保持部材とを連結する連結部材に、
固定部に対する移動位置を検出する位置検出手段を構成
する位置検出マグネットを取り付けるマグネット取付け
部を一体に形成する。
【0032】さらにまた、本発明に係る電磁駆動装置
は、ヨーク体の外側ヨーク筒部又は内側ヨーク筒部に固
着されたマグネットを、厚みがLm(mm)、長さがW
m(mm)、残留磁束密度がBr(テスラ)、適用可能
な複数種のマグネット群の平均残留磁束密度がBrx
(テスラ)、その平均長さがWmx(mm)であって、
非固着側のヨーク筒部の磁極面との距離がLg(mm)
であるときに、 (Lm/Lg)×(Br/Brx)×(Wm/Wmx)≧0.05 の条件を満足させて構成する。
【0033】また、上述した目的を達成した本発明に係
る電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装置は、連結部
を介して外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部とが同心に形
成されたヨーク体と、少なくとも内側ヨーク筒部に軸方
向に形成された切欠きに臨んで支持された支持軸と、前
記ヨーク体の外側ヨーク筒部又は内側ヨーク筒部のいず
れか一方側のヨーク筒部の他方側のヨーク筒部との対向
面に固着されることによってこれら外側ヨーク筒部と内
側ヨーク筒部との間に閉磁路を構成するマグネットとに
よって構成された固定部に対して、周面にコイルが巻回
されるとともに前記ヨーク体の外側ヨーク筒部と内側ヨ
ーク筒部との間に介挿位置されるボビンと、前記内側ヨ
ーク筒部よりも小径であって複数の連結部を介して前記
ボビンの内部に一体に形成されたフォーカスレンズを保
持するレンズホルダとから構成される可動部を、前記固
定部を構成するヨーク体に沿って前記支持軸に移動可能
に支持するようにして組み合わせて電磁駆動装置を構成
する。この電磁駆動装置の前記コイルに駆動電流を供給
してこのコイルと固定部のヨーク体及びマグネットとの
間に生じる磁気的推力により前記可動部を前記ヨーク体
に沿って支持軸上を移動動作させてレンズホルダに保持
したフォーカスレンズを光軸方向に調動することによっ
て、フォーカス制御を行うようにする。
【0034】また、本発明に係る電磁駆動装置を用いた
フォーカス制御装置は、可動部を構成するボビン、レン
ズホルダ及び連結部材とを、例えば合成樹脂材料によっ
て一体に形成する。
【0035】さらに、本発明に係る電磁駆動装置を用い
たフォーカス制御装置は、ボビンとレンズホルダとを連
結する連結部材が、前記レンズホルダに対して前記内側
ヨーク筒部を貫通可能とする突抜け空間部を構成する位
置に設けられる。
【0036】さらにまた、本発明に係る電磁駆動装置を
用いたフォーカス制御装置は、ヨーク体に、内側ヨーク
筒部と外側ヨーク筒部との先端側を磁気的に連結するた
め、例えば内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との先端面
に接合可能な幅寸法に形成された枠状のヨーク板を組み
合わせて構成される。
【0037】さらにまた、本発明に係る電磁駆動装置を
用いたフォーカス制御装置は、ヨーク体の外側ヨーク筒
部又は内側ヨーク筒部の相対向する側面に固着されたマ
グネットを、厚みがLm(mm)、長さがWm(m
m)、残留磁束密度がBr(テスラ)であって、非固着
側のヨーク筒部の磁極面との距離がLg(mm)である
ときに、 (Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)≧0.05 の条件を満足させて構成する。
【0038】
【作用】以上のように構成された本発明に係る電磁駆動
装置においては、可動部は、固定部を構成するヨーク体
の開放された側面部側から、被駆動体保持部材とボビン
とを連結する連結部材をヨーク体に形成した切欠きに対
応位置させるとともに軸穴に支持軸を挿通してヨーク体
の内部に組み込まれる。組み込まれた可動部を構成する
ボビンは、ヨーク体を構成する内側ヨーク筒部と外側ヨ
ーク筒部との間に構成された空間部に介挿位置される。
支持軸が臨むヨーク体に設けた切欠きは、被駆動体保持
部材とボビンとを連結する連結部材の走行空間部を構成
し、支持軸に支持されて軸方向に移動される可動部の移
動動作を可能とする。したがって、可動部の動作領域が
有効に保持され、装置の小型化が達成される。
【0039】対向面にマグネットが固着されることによ
って閉磁路を構成する内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部
との間に介挿位置されたボビンは、前記閉磁路を遮断す
る。可動部は、ボビンの外周面に巻回されたコイルに駆
動電流が供給されると、このコイルから供給された駆動
電流の方向に応じた方向への磁束が発生して前記閉磁路
との磁気的作用によって生じる軸方向の磁気的推力によ
り支持軸に沿って移動動作される。
【0040】被駆動体保持部材とボビンとを連結する連
結部材は、内側ヨーク筒部の先端部に対応した突抜け空
間部を構成することによって、可動部をヨーク体の内部
深くまで収納可能とする。したがって、可動部は、ヨー
ク体の軸方向の略長さ分の範囲での移動が可能となり、
またボビンに内側ヨーク筒部の先端部との衝合を回避す
る軸方向の逃げを設けることが不要となる。さらに、可
動部は、被駆動体保持部材がボビンの内孔部に連結部材
を介して収納されるようにして設けられることによっ
て、ヨーク体の先端部側へと移動された状態において
も、このヨーク体の先端部から突出されない。
【0041】ヨーク体は、可動部が内側ヨーク筒部と外
側ヨーク筒部との先端部から突出されないため、これら
内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との先端部を磁気的に
結合するヨーク板の設置が可能となる。ヨーク体は、内
側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との基端部を連結する連
結部と、先端部側を連結するヨーク板とによって2方向
の磁気的結合が行われる構成となり、磁気効率の向上が
図られる。したがって、駆動部を移動動作させるために
必要な磁気力を得るため、ヨーク体の厚み寸法を大なら
しめる必要は無く、装置の小型、軽量化が達成される。
【0042】被駆動体保持部材とボビンとを連結する連
結部材に形成されたMRマグネット取付け部に取り付け
られたMRマグネットは、固定部に支持されて軸方向に
移動するに伴い、例えば外筐の内面に配設されたMRセ
ンサと対向位置することによって、このMRセンサに及
ぼす磁気密度を変化させる。MRセンサは、この磁気密
度の変化によって抵抗値が変化し、この変化量をカウン
トして可動部の軸方向の位置が検出される。
【0043】また、最適な条件でヨーク体に固着された
マグネットは、可動部に対して大きな単位重量当たりの
磁気的推力を作用させる。したがって、ヨーク体の厚み
寸法或いは可動部材のボビン部に巻回するコイル量も軽
減され、装置の小型、軽量化が達成される。
【0044】また、以上のように構成された本発明に係
る電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装置において
は、可動部は、固定部を構成するヨーク体の開放された
側面部側から、フォーカスレンズを保持したレンズホル
ダとボビンとを連結する連結部材をヨーク体に形成した
切欠きに対応位置させるとともに軸穴に支持軸を挿通し
て、ヨーク体の内部に組み込まれる。組み込まれた可動
部を構成するボビンは、ヨーク体を構成する内側ヨーク
筒部と外側ヨーク筒部との間に構成された空間部に介挿
位置される。支持軸が臨むヨーク体に設けた切欠きは、
レンズホルダとボビンとを連結する連結部材の走行空間
部を構成し、支持軸に支持されて光軸方向に移動される
可動部の移動動作を可能とする。したがって、可動部の
動作領域が有効に保持され、レンズ鏡筒、強いてはこの
フォーカス制御装置を搭載したビデオカメラ等の装置本
体の小型化が達成される。
【0045】対向面にマグネットが固着されることによ
って閉磁路を構成する内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部
との間に介挿位置されたボビンは、前記閉磁路を遮断す
る。可動部を構成するレンズホルダは、ボビンの外周面
に巻回されたコイルに駆動電流が供給されると、このコ
イルから供給された駆動電流の方向に応じた方向への磁
束が発生して前記閉磁路との磁気的作用によって生じる
光軸方向の磁気的推力により支持軸に沿って移動動作さ
れる。これによって、レンズホルダに保持されたフォー
カスレンズが光軸方向に調動されてフォーカス調整が行
われる。
【0046】レンズホルダとボビンとを連結する連結部
材は、内側ヨーク筒部の先端部に対応した突抜け空間部
を構成することによって、可動部をヨーク体の内部深く
まで収納可能とする。したがって、可動部は、ヨーク体
の光軸方向の略長さ分の範囲での移動が可能となり、ま
たボビンに内側ヨーク筒部の先端部との衝合を回避する
軸方向の逃げを設けることが不要となる。さらに、可動
部は、レンズホルダがボビンの内孔部に連結部材を介し
て収納されるようにして設けられることによって、ヨー
ク体の先端部側へと移動された状態においても、このヨ
ーク体の先端部から突出されない。
【0047】ヨーク体は、可動部が内側ヨーク筒部と外
側ヨーク筒部との先端部から突出されないため、これら
内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との先端部を磁気的に
結合するヨーク板の設置が可能となる。ヨーク体は、内
側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との基端部を連結する連
結部と、先端部側を連結するヨーク板とによって2方向
の磁気的結合が行われる構成となり、磁気効率の向上が
図られる。したがって、駆動部を移動動作させるために
必要な磁気力を得るため、ヨーク体の厚み寸法を大なら
しめる必要は無く、フォーカスレンズを光軸方向に大き
く調動動作させることが可能であるにも係わらず、短い
長さでレンズ鏡筒が構成され、このフォーカス制御装置
を搭載したビデオカメラ等の装置本体の小型化、軽量化
が達成される。
【0048】レンズホルダとボビンとを連結する連結部
材に形成されたMRマグネット取付け部に取り付けられ
たMRマグネットは、固定部に支持されて光軸方向に移
動するに伴い、例えば鏡筐の内面に配設されたMRセン
サと対向位置することによって、このMRセンサに及ぼ
す磁気密度を変化させる。MRセンサは、この磁気密度
の変化によって抵抗値が変化し、この変化量をカウント
して可動部の光軸方向の位置が検出される。したがっ
て、検知された可動部の位置に基づいて、コイルに必要
な電源が投入されて可動部の移動動作が制御され、レン
ズホルダに取り付けられたフォーカスレンズのフォーカ
ス制御が行われる。
【0049】また、最適な条件でヨーク体に固着された
マグネットは、可動部に対して大きな単位重量当たりの
磁気的推力を作用させる。したがって、ヨーク体の厚み
寸法或いは可動部材を構成するボビンに巻回するコイル
量も軽減され、以ってこのフォーカス制御装置を搭載し
たビデオカメラ等の装置本体の小型化、軽量化がさらに
達成される。
【0050】
【実施例】以下、本発明に係る電磁駆動装置について、
ビデオカメラ等のレンズ鏡筒内に搭載されているインナ
ーフォーカスユニットの可動レンズ(フォーカスレン
ズ)の駆動制御装置(以下、フォーカス制御装置とい
う。)に適用した実施例を図1乃至図5を参照して詳細
に説明する。
【0051】実施例フォーカス制御装置は、上述した従
来のフォーカス制御装置と同様に、一方側面部が開放さ
れるとともにこの開放側面部と対向する他方側面部には
CCD撮像素子が配設されたダイキャスト製の鏡筒1内
に収容、固定される各構成部材から構成される固定部2
と、この固定部2を構成する2本の支持軸4a、4bに
支持されて光軸方向に移動可能とされた可動部3とから
構成されている。支持軸4a、4bは、鏡筒1のCCD
撮像素子配設側面部の内面の相対向するコーナ部に、光
軸と平行してそれぞれ片持ち状態に立設された断面がほ
ぼ円形の軸によって構成されている。これら支持軸4
a、4bは、可動部3の移動量を確保するに充分な長さ
寸法を有している。また、鏡筒1の内周壁には、図2に
示すように、一方の支持軸4aと対向するようにして磁
気抵抗効果素子(MRセンサ)34が配設されている。
また、前記支持軸4a、4bを含む固定部2は、金属製
のヨーク体5とこのヨーク体5に固着されるマグネット
6とから構成されている。
【0052】ヨーク体5は、図1および図2に示すよう
に、前記支持軸4a、4bが設けられた鏡筒1のCCD
撮像素子配設側面部の内面と対向する矩形状の連結部8
と、この連結部8の一方側面側に前記支持軸4a、4b
と平行して互いに同心に形成された略角筒状の外側ヨー
ク筒部9及び内側ヨーク筒部10とから構成されてい
る。連結部8は、その外形寸法が鏡筒1の内径寸法より
もやや小とされ、中央領域には矩形状の光学穴7が穿設
されている。外側ヨーク筒部9は、前記連結部8の外周
縁から光軸方向に立ち上がり形成されることによって、
その外径寸法が鏡筒1の内径寸法よりも小とされてい
る。また、この外側ヨーク筒部9には、4つのコーナ部
分に先端部から基端部に達する光軸と平行な外側切欠き
11aが形成されている。また、内側ヨーク筒部10
は、前記連結部8の光学穴7の内周縁から光軸方向に立
ち上がり形成され、4つのコーナ部分には先端部から基
端部に達する光軸と平行な内側切欠き11bが形成され
ている。
【0053】したがって、ヨーク体5は、外観上、外側
ヨーク筒部9及び内側ヨーク筒部10が4つのコーナ部
分に形成された外側切欠き11a、内側切欠き11bに
よって、それぞれ内外相対向する各4個のヨーク片によ
って構成されることになる。勿論、これら外側ヨーク筒
部9と内側ヨーク筒部10に設けた外側切欠き11aと
内側切欠き11bとは、互いに対応位置されてヨーク体
5の内部と外部とを連通させる4つの切欠き11を構成
する。
【0054】以上のように構成されたヨーク体5は、連
結部8を向けて鏡筒1の開放された側面部側からその内
部へと収納されて連結部8がCCD撮像素子配設側面部
の内面に接合されることによって、図2に示すように、
鏡筒1に固定される。このようにしてヨーク体5を鏡筒
1に接合固定した状態において、ヨーク体5の連結部8
に穿設した光学穴7は、鏡筒1に配設した図示しないC
CD撮像素子の撮像面と対向位置される。また、支持軸
4a、4bは、ヨーク体5に設けた4つの切欠き11の
うちの相対する2つの切欠きの外側に対応位置して延在
される。
【0055】なお、上述したように、この実施例フォー
カス制御装置においては、外側ヨーク筒部9と内側ヨー
ク筒部10との相対する各コーナ部にそれぞれ外側切欠
き11aと内側切欠き11bとを形成してヨーク体5の
内部と外部とを連通させる4つの切欠き11を構成した
が、これら切欠き11は、内側ヨーク筒部10のみに設
けてもよい。すなわち、これら切欠き11は、後述する
ように外側ヨーク筒部9の外側に位置して鏡筒1に立設
された支持軸4a、4bが挿通される可動部3の軸受け
連結部18を光軸方向に走行可能とするための走行空間
部を構成しているが、例えば支持軸4a、4bが外側ヨ
ーク筒部9の内側に設けられている場合には、内側ヨー
ク筒部10のみに設けられる。さらに、断面矩形或いは
楕円形に形成された1本の支持軸を備え、この支持軸に
よって、可動部3を回転方向に対して遊転を阻止して移
動動作させるように構成した場合には、ヨーク体5に設
ける切欠き11は、1個であってもよい。
【0056】マグネット6は、それぞれ内側ヨーク筒部
10の外側ヨーク筒部9と相対向する外側面に例えば接
着剤等によってそれぞれ固着されており、それぞれ内側
ヨーク筒部10から外側ヨーク筒部9に向かう方向で磁
極が異なるように着磁されている。実施例フォーカス制
御装置においては、内側ヨーク筒部10との固着面側が
N極、外側ヨーク筒部9との対向面側がS極に着磁され
ている。したがって、マグネット6は、外側ヨーク筒部
9と内側ヨーク筒部10との間で、閉磁路を構成してい
る。
【0057】可動部3は、耐温度、耐湿度、耐磨耗特性
に優れたエンジニアリングプラスチック或いは金属ダイ
キャスト等によって、中央にフォーカスレンズ12が取
り付けられる円筒状のレンズ保持筒部16及びこのレン
ズ保持筒部16の外周部に突出された一対の軸受け連結
部18a、18b及び一対の補強連結部19a、19b
とが一体に成形されたレンズホルダ13と、エンジニア
リングプラスチックによって成形したボビン14とから
構成されている。なお、前記レンズホルダ13と軸受け
連結部18a、18b及び補強連結部19a、19bと
は、それぞれ別部材によって形成した後、接着剤や超音
波溶着法等によってこれらを一体に組み合わせて構成す
るようにしてもよい。さらに、レンズホルダ13とボビ
ン14とを、上述したエンジニアリングプラスチクによ
って一体に成形してもよい。この場合、ボビン14の外
周部へのコイルの捲線が可能とされる構造が採用される
ことは勿論である。
【0058】ボビン14は、光軸方向の中空部23を有
する角筒状に形成され、第1及び第2の軸受け連結部1
8a、18b及び第1及び第2の補強連結部19a、1
9bを一方側面部に接合することによって、詳細を後述
するレンズホルダ13を、前記中空部23の一方の開口
部寄りの位置に収納するようにして組み合わせる。この
ボビン14は、外径が前記固定部2を構成するヨーク体
5の外側ヨーク筒部9の内径よりもやや小とされるとと
もに、内側ヨーク筒部10の外径よりもやや大とされて
いる。このボビン14の外周部には、光軸方向にコイル
24が巻回されている。コイル24は、図示しないリー
ド線を介して駆動電流の供給源と連結されている。
【0059】レンズホルダ13を構成する前記レンズ保
持筒部16は、図1及び図3に示すように、そのレンズ
取付け孔15にフォーカスレンズ12が嵌合固定され
る。第1及び第2の軸受け連結部18a、18bは、レ
ンズ保持筒部16の外周面にそれぞれ互いに略180゜
の間隔を以って突出形成されている。これら第1及び第
2の軸受け連結部18a、18bは、後述するようにそ
の先端部近傍の側面部が前記ボビン14の相対向するコ
ーナ部と接合固定される。また、第1及び第2の軸受け
連結部18a、18bは、それぞれ先端部がボビン14
側に沿って光軸方向に延長された筒状に形成されること
によって光軸方向に貫通する軸穴17a、17bが設け
られている。そして、これら第1及び第2の軸受け連結
部18a、18bは、軸穴17a、17bの間隔が前記
支持軸4a、4bの軸間距離と等しくする長さ寸法を以
ってボビン14の外周部から突出形成されている。軸穴
17a、17bは、後述するように、可動部3を固定部
2に組み合わせた状態において、前記支持軸4a、4b
に対応位置してこれら支持軸4a、4bの挿通を可能と
する穴径を有している。
【0060】また、第1及び第2の補強連結部19a、
19bは、ボビン14の外径寸法とほぼ等しい長さ寸法
を有しかつ前記第1及び第2の軸受け連結部18a、1
8bに対して略90°の間隔を以ってレンズ保持筒部1
6の外周面に突出形成されている。これら第1及び第2
の補強連結部19a、19bは、それぞれ先端部が略扇
形に形成されており、後述するようにレンズホルダ13
とボビン14とを結合するに際して、ボビン14の直交
する2側面部に跨がって接合されることによって、ボビ
ン14との結合部並びに補強部を構成する。
【0061】このボビン14の外周部から突出された前
記第1の軸受け連結部18aの筒状先端部には、図3
(A)に示すように、光軸方向に沿って延長されたマグ
ネット取付け部20が一体に形成されている。このマグ
ネット取付け部20は、第1の軸受け連結部18aの筒
状先端部の上面と、その片側部分に立設された位置決め
板部21とによって構成され、MRマグネット22が接
着剤等によって固着される。このMRマグネット22
は、光軸方向にN極とS極とが交互に着磁された交互着
磁型のマグネットによって構成されている。そして、後
述するように、可動部3を固定部2に組み合わせた状態
において、マグネット取付け部20に固着したMRマグ
ネット22は、可動部3がヨーク体5の連結部8に最も
近接した位置において鏡筒1の内面に配設したMRセン
サ34と対向位置する。このように、MRマグネット2
2とMRセンサ34とが対向位置することによって、M
Rマグネット22がMRセンサ34に及ぼす磁気密度が
変化してMRセンサ34の示す抵抗値が変化するので、
この変化量をカウントすることによって可動部3の光軸
方向の位置が検出される。
【0062】ボビン14の外周部より突出する長さ寸法
に形成された第1及び第2の軸受け連結部18a、18
bには、その一方側面部にボビン14を接合するための
接合構造が設けられている。すなわち、第1の軸受け連
結部18aには、図4に示すように、その側面部にボビ
ン14の側面と対向して、このボビン14の厚み寸法と
ほぼ等しい幅寸法を有するL字状の係合溝31が形成さ
れている。また、第2の軸受け連結部18bには、その
側面部にボビン14の側面と対向して、このボビン14
の厚み寸法とほぼ等しい幅寸法を有する端面がL字状と
された係合断差32が形成されている。これら係合溝3
1及び係合断差32は、ボビン14の相対向するコーナ
ー部の外側面に対応するように設定位置されている。
【0063】外周部にコイル24が巻回されたボビン1
4は、第1の軸受け連結部18aに対応するコーナ部の
側面部が係合溝31に係合されるとともに第2の軸受け
連結部18bに対応するコーナ部の側面部が係合段差3
2にそれぞれ係合される。また、ボビン14は、その他
のコーナ部の側面部が第1及び第2の補強連結部19
a、19bにそれぞれ接合される。そして、これら第1
及び第2の軸受け連結部18a、18bと、第1及び第
2の補強連結部19a、19bと対応するボビン14と
の係合部分及び接合部分とを接着剤或いは超音波溶着に
よって固定することによって、図3に示すように、レン
ズホルダ13は、ボビン14の中空穴23に収納される
ようにして一体に組み合わされて可動部3が構成され
る。
【0064】このようにして一体に組み合わされたレン
ズホルダ13とボビン14とは、レンズ保持筒部16の
外周部とレンズホルダ13の内周部との間に、第1及び
第2の軸受け連結部18a、18b及び第1及び第2の
補強連結部19a、19bに囲まれた光軸方向の略々扇
状の空間部35が構成される。これら空間部35は、後
述するように、可動部3を固定部2に組み合わせた状態
において、ヨーク体5を構成する内側ヨーク筒部10の
先端部の外形寸法よりも充分大きな開口寸法を有し、支
持軸4a、4bに支持されて光軸方向に移動動作される
ヨーク体5の内側ヨーク筒部10を貫通可能とする突抜
け空間部として作用する。
【0065】以上のよう構成された可動部3は、外筐1
の内側面に固定された固定部2を構成するヨーク体5に
支持軸4a、4bを介して組み合わされる。すなわち、
レンズ保持筒部16にフォーカスレンズ12を取り付け
たレンズホルダ13と、外周部にコイル24を巻回した
ボビン14とを組み合わせて構成した可動部3は、ヨー
ク体5の切欠き11に対応位置された第1及び第2の軸
受け連結部18a、18bの軸穴17a、17bに支持
軸4a、4bが挿通されるようにして、固定部2に組み
合わされる。このようにして固定部2に組み合わされた
状態において、周面にコイル24が巻回されたボビン1
4は、固定部2を構成するヨーク体5の外側ヨーク筒部
9と内側ヨーク筒部10との間に構成された空間部内に
介挿位置される。
【0066】また、可動部3を構成するレンズホルダ1
3のレンズ保持筒部16とボビン14との間に構成され
た突抜け空間部35は、ヨーク体5を構成する内側ヨー
ク筒部10の先端部を、光軸に直交するようにして配設
されたレンズホルダ13の前方側へと突き抜け可能とす
る。一方、ヨーク体5の外側ヨーク筒部9に設けた外側
切欠き11aと内側ヨーク筒部10に設けた内側切欠き
11bとによって構成された切欠き11は、レンズホル
ダ13とボビン14とを連結する第1及び第2の軸受け
連結部18a、18b及び第1及び第2の補強連結部1
9a、19bの光軸方向の走行空間部を構成する。した
がって、可動部3は、ボビン14の一方側面部をヨーク
体5の連結部8の内側面に接触するまで、固定部2の内
部に深く収納可能とされる。
【0067】上述したように、固定部2に可動部3を収
納するようにして組み合わせた状態において、外側ヨー
ク筒部9と内側ヨーク筒部10との間に介挿位置された
ボビン14は、内側ヨーク筒部10の外側面に固着され
たマグネット6から出た磁束が形成する閉磁路、すなわ
ち、磁束がマグネット6−内側ヨーク筒部10−連結部
8−外側ヨーク筒部9−マグネット6の経路で通る閉磁
路を遮断する。この閉磁路を遮断するコイル24は、図
示しない電源から駆動電流が供給されると、その駆動電
流の方向に応じた方向への磁束を発生させて前記閉磁路
に作用する。したがって、可動部3は、コイル24と前
記閉磁路との間に生じる供給された駆動電流の方向に応
じた磁気的推力によって、支持軸4a、4bに支持され
て光軸方向に移動動作する。これによって、可動部3を
構成するレンズホルダ13のレンズ保持筒部16に組み
付けられたフォーカスレンズ12は、鏡筒1に配設され
たCCD撮像との相対する間隔が調動され、フォーカス
制御が行われる。
【0068】ところで、可動部3は、ヨーク体5の閉磁
路に作用するコイル24の駆動電流の供給によって発生
する磁束に応じた磁気的推力で移動動作される。このた
め、可動部3が固定部2に対して光軸方向に移動動作さ
れる範囲は、最大ヨーク体5の光軸方向の長さ寸法から
ボビン14の光軸方向の長さ寸法を差し引いた距離で決
定される。そして、実施例フォーカス制御装置において
は、可動部3の光軸方向の前方部に内側ヨーク筒部10
の先端部を突き抜け可能とする突抜け空間部35を形成
したことにより、ヨーク体5の光軸方向の長さ寸法とボ
ビン14の光軸方向の長さ寸法との差異に相当する逃げ
部をボビン14の光軸方向の前方部に形成することが不
要とされる。例えば、フォーカスレンズ12の可動範囲
を10mmとしたとき、上述した従来のフォーカス制御
装置においては、光軸方向の長さ寸法が28mm必要で
あった。これに対して、上述した逃げ部を不要とする実
施例フォーカス制御装置においては、光軸方向の長さ寸
法が18mmにまで短縮させることができる。
【0069】ところで、実施例フォーカス制御装置にお
いては、上述したように、レンズホルダ13は、光軸方
向の前方側に突出されないようにしてボビン14の中空
穴23に収納位置されるとともに突抜け空間部35を介
してヨーク体5を構成する内側ヨーク筒部10の光軸方
向の前方側への突き抜けを可能とした構造であることか
ら、開放端として構成される外側ヨーク筒部9と内側ヨ
ーク筒部10との光軸方向の前方端を磁気的に結合する
ヨーク板41の配設が可能となる。
【0070】図5に示したヨーク板41は、金属板を材
料として、外周部の径が外側ヨーク筒部9の外径とほぼ
等しくまた内周部の径が内側ヨーク筒部10の外径とほ
ぼ等しい、換言すれば、ヨーク体5を構成する外側ヨー
ク筒部9と内側ヨーク筒部10との対向間隔とほぼ等し
い幅寸法を有する枠状に形成されている。このヨーク板
41は、固定部2に可動部3を組み合わせた後、図4
(B)に示すように、外側ヨーク筒部9と内側ヨーク筒
部10の先端部を全周に亘って閉塞するようにして接合
固定されることによって、ヨーク体5に組み合わされ
る。したがって、ヨーク体5は、外側ヨーク筒部9と内
側ヨーク筒部10との磁気的結合が、連結部8とヨーク
板41とにより2方向で行われる構造となる。
【0071】ところで、上述したように、開放型として
構成されたヨーク体5の保磁力を向上させるためには、
例えばこのヨーク体5の断面積を大ならしめる必要があ
る。実施例フォーカス制御装置においては、上述したよ
うに、ヨーク体5は、外側ヨーク筒部9と内側ヨーク筒
部10とを連結部8とヨーク板41とによって2方向の
磁気的結合が行われた閉鎖型として構成されるため、磁
気効率の向上が図られている。したがって、固定部2に
対して可動部3を移動動作させるための磁気的推力を保
持するために、外側ヨーク筒部9及び内側ヨーク筒部1
0とは、その厚み寸法をさほど大ならしめらる必要は無
い。換言すれば、ヨーク体5は、比較的薄厚の金属板材
料を採用することができ、フォーカス制御装置自体の軽
量化を図ることができる。例えば、上述した従来のフォ
ーカス制御装置においては、重量がほぼ20gであった
が、ヨーク板41を設けた実施例フォーカス制御装置に
おいては、全体の重量を約13gで構成することが可能
となり、大幅に軽量化が図られている。
【0072】以上のように構成された実施例フォーカス
制御装置において、支持軸4a、4bに支持されて可動
部3を光軸方向に移動動作される単位面積当たりの効率
的な磁気的推力を得るための設計条件について、図6乃
至図9を参照して以下解析する。この解析に際して用い
られる構成各部材に対応する符号、寸法単位、電気的特
性或いは物理的特性の一覧は、次の通りである。 〔固定部2を構成するヨーク部〕 We:ヨーク体5の光軸方向の最大長さ寸法(mm) Wv:ヨーク体5における可動部2の可動範囲(mm) Le:外側ヨーク筒部9と内側ヨーク筒部10との間隔
(mm) Lg:外側ヨーク筒部9とマグネット6との間隔(m
m) B0:ヨーク部の最大磁束密度(テスラ) Bd:可動部3が動作する部分における磁束密度(テス
ラ) Bg:ギャップ部の磁束密度(テスラ) B:ヨーク部の最も飽和し易い部分(例えば、外側ヨー
ク筒部9、内側ヨーク筒部10との連結部分)の磁束密
度(テスラ) t:ヨーク部の厚さ寸法(mm) なお、ヨーク部と
は、連結部8、外側ヨーク筒部9、内側ヨーク筒部10
とからなるヨーク体5及びヨーク板41を総称するもの
とし、ヨーク体5及びヨーク板41は、同一材料によっ
て同一厚さ寸法によって形成されるものとする。
【0073】〔固定部2を構成する内側ヨーク筒部10
に固着されたマグネット6〕 Wm:磁気的推力を発生するマグネット6の長さ寸法
(mm) Wmx:一般に使用される長さ範囲のフォーカス制御装
置に適用可能なマグネットの平均長さ寸法(mm) Hm:マグネット6の幅寸法(内側ヨーク筒部10の幅
寸法)(mm) Lm:マグネットおの厚み寸法(mm) Br:マグネット6の残留磁束密度(テスラ) Brx:フォーカス制御装置に適用可能なマグネットの
平均マグネットの残留磁束密度(テスラ)
【0074】〔可動部3を構成するボビン14に巻回し
て構成されるコイル24〕 Wc:コイル24の長さ寸法(mm) N1:コイル24のターン数 Lc:コイル24の厚み寸法(mm) RLC:コイル24の1ターン当たりの平均長さ(m
m) I1:コイル24を流れる電流(A) I0:コイル24に供給される最大電流(A) V0:コイル24の両端の電圧値(V) R1、R2:コイル24の両端の抵抗値(Ω) W:コイル24の消費電力(W) D1、D2:コイル24の芯線径 DD1、DD2:コイル24の芯線の最外径
【0075】〔可動部3を構成するボビン14、その
他〕 BB:ボビン14の厚み寸法(mm) Sf:DD2に対するスペース・ファクター(捲線を施
すためのにボビン14に形成されたスペース) F:可動部3を駆動する磁気的推力 M1:重量1g当たりの磁気的推力 Pc:パーミアンス係数 K1:漏れ磁界係数
【0076】上述した構成各部材の寸法値、電気的特性
或いは物理的特性に次の数値を設定して以下マグネット
6の単位重量当たりの効率的な磁気的推力を求める。す
なわち、マグネット6は、厚み寸法Lmを0.2mmと
し、ヨーク部の最も飽和しやすい点の磁束密度Bが1.
5テスラ(T)となるように、最小の厚み寸法tを解析
する。なお、これら設定数値は、フォーカス制御装置に
おいて、標準的に採用されている数値の一例である。
【0077】〔設定した数値〕 マグネット6の厚み寸法Lm=0.2mm マグネット6の幅寸法Hm=12.6mm なお、マグ
ネット6は、固着される切欠き11bによって構成され
る内側ヨーク筒部10の各片の幅寸法とほぼ同一とされ
るものとする。
【0078】マグネット6の比重=7 ヨーク部の比重=7.86 ヨーク部を流れる最大磁束密度Bo=1.5T コイル24の厚み寸法Lc=4.5mm コイル24の両端に印加される電圧Vo=4.5V コイル24の両端の抵抗値(目標値)Ro=33Ω コイル24に用いられる線材の固有抵抗値=1.72×
10-5Ω/mm コイル24に用いられる線材の比重=8.93 MRマグネット22の比重=4.9 漏れ磁界係数をK1=1.3 ボビン14の厚み寸法BB=0.5mm
【0079】ここで、外側ヨーク筒部9の内径と内側ヨ
ーク筒部10の外側面に固着されるマグネット6との対
向間隔(ギャップ)Lg、外側ヨーク筒部9と内側ヨー
ク筒部10との対向間隔Le、ボビン14に巻回された
コイル24の1ターン当りの平均長さRLC、マグネッ
ト6の長Wm(mm)、パーミアンス係数をPc、漏れ
磁界係数K1、動作点磁束密度Bd、ギャップの磁束密
度Bgは、それぞれ下式(1)乃至式(7)によって関
係付けられる。
【0080】 Lg=Le−2×t−Lm ・・・式(1) Lc=Lg−BB−0.3−0.3 (0.3:空間ギャップ) ・・・式(2) RLC=4×Hm+2π(Lm+0.5Lg) (0.5:ボビン14に巻回 されたコイル24の巻き方向の中心位置を換算するために乗じた換算係数) ・・・式(3) Pc=(Lm/Lg)×K1 ・・・式(4) Bd=Br/(1+1.04/Pc) (1.04:マグネット6の可逆透磁 明率係数) ・・・式(5) Bg=Bd/K1 ・・・式(6) B=0.5×Bd×Wm/(t×K1) ・・・式(7) したがって、式(7)においてB=1.5(T)となる
ように、tを変数として上記式(1)乃至式(6)に代
入し、それぞれの値が算出される。
【0081】次に、コイル24の両端の抵抗値R1とコ
イル24の芯線のターン数N1は、次の式(8)及び式
(9)によって関係付けられる。したがって、抵抗値R
1が33Ωとなるように、コイル24の芯線の径D1と
ターン数N1とを決定する。 N1=Lc×(Wc−0.4×2)×Sf/(π×D12 /4) (0.4: ボビン14の肉厚寸法) ・・・式(8) R1=RLC×N1×1.72×10-5=33 ・・・式(9)
【0082】また、コイル24を流れる電流I1及び消
費電力Wは下式(10),(11)によって求められ
る。 I1=Vo/R1=4.5/33=0.136(A) ・・・式(10) W=Vo×I1=4.5×0.136=0.612(W)・・・式(11)
【0083】以上の各式から、固定部2に対して可動部
3を光軸方向に移動動作させる磁気的推力Fは、下式
(12)より算出される。 F=Bg×4×Hm×I1×N1/9.8(g・f) (9.8:ニュートン メータのg・cm換算係数) ・・・式(12)
【0084】また、実施例フォーカス制御装置における
各構成部材等の重量を、次によって定義した場合、各構
成部材は以下の式(13)乃至式(18)によって関係
付けられる。 MM:電磁駆動装置を構成する固定部2及び可動部3の
全体重量(g) MYo:ヨーク部の重量(g) Mci:コイル24の重量(g) Mho:フォーカスレンズ12,レンズホルダ13,ボ
ビン14の合計重量:ホルダ−部の重量(g) Mmg:マグネット6の重量(g) Mmr:MRマグネット22の重量(g)
【0085】 Myo=(4×Hm)×2×(Wm+Le)×t×7.86/1000 ・・・式(13) Mmg=4×(Hm×Wm×Lm)×7/1000 ・・・式(14) Mci=π×D12 /4×RLC×N1×8.93/1000 ・・・式(15) Mmr=2×2.5×Wm×4.9/1000 ・・・式(16) Mho=1 ・・・式(17) MM=Myo+Mmg+Mci+Mmr+Mho ・・・式(18)
【0086】したがって、式(18)により算出される
電磁駆動装置を構成する固定部2及び可動部3の駆動部
の全体重量である重量MMと、上述した式(12)によ
り算出される固定部2に対して可動部3を光軸方向に移
動動作させる磁気的推力Fとから、駆動部の単位重量当
りの磁気的推力M1が次の式(19)により、算出され
る。
【0087】 M1=F/MM ・・・式(19)
【0088】ところで、フォーカス制御装置を構成する
電磁駆動装置に使用可能なマグネットとしては、例えば
磁束密度0.2(T)の焼結稀土類マグネットから磁束
密度1.4(T)の焼結フェライトマグネット等の各種
マグネットが挙げられる。しがって、これら使用可能な
各種マグネットの平均磁束密度Brxは、一般係数とし
て0.8(T)に置換することができる。また、このフ
ォーカス制御装置において、鏡筒の長さ寸法は、一般に
10mm乃至30mm程度である。したがって、鏡筒の
平均長さ寸法Wmxは、一般係数として20(mm)に
置換することができる。
【0089】上述した検討経過から、上述した実施例フ
ォーカス制御装置の効率的な単位重量当りの磁気的推力
Mを得るために、内側ヨーク筒部10に固着されたマグ
ネット6の厚み寸法Lm、このマグネット6と外側ヨー
ク筒部9との間隔Lgとの比と、使用するマグネット6
の磁束密度Brと使用可能な各種マグネットの平均磁束
密度Brxとの比及び使用するマグネット6の長さ寸法
Wmと鏡筒の平均長さ寸法Wmxとの比、〔(Lm/L
g)×(Br/0.8)×(Wm/20)〕に着目し
た。
【0090】すなわち、上述した各式において、単位重
量当りの磁気的推力M1のピーク値を「1」に規格化
し、マグネット6の厚み寸法Lmを変数として0.2m
mより増加させ、上述の式(1)乃至式(19)の計算
を順次繰り返して単位重量当りの磁気的推力Mnを求め
る。そして、単位重量当りの磁気的推力M1のピーク値
「1」を規格化してM1’とし、前記横軸値〔(Lm/
Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)〕値に対し
て、プロットしたものを図7に示す。なお、同図には、
マグネット6の厚みLmを変化させて得られた磁気的推
力F、駆動部の重量MM(40g)との比MM/40の
値を横軸値〔(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(W
m/20)に対してプロットしたものも併せて示す。た
だし、同図は、マグネット6の長さWmが20mm、そ
の残留磁束密度Brを0.8Tとした場合を示してい
る。
【0091】図7から明らかなように、横軸値〔(Lm
/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)〕を0.
05以上とすると、単位重量当りの磁気的推力M1が急
激に大きくなる。なお、同図には、(Lm/Lg)×
(Br/0.8)×(Wm/20)>0.3となるデー
タが示されていないが、そのような値をとる装置は、ボ
ビン14の外周部に巻回するスペースを確保することが
できないために作製不可能である。
【0092】また、図8は、マグネット6の長さ寸法W
mを鏡筒に一般に採用される長さ寸法10乃至30m
m、使用可能なマグネットの残留磁束密度Br0.4T
乃至1.2Tの範囲で変化させ、図7と同様に単位重量
当りの磁気的推力M1の規格化されたM1’を計算した
結果を図示したものである。なお、同図中、○印は、W
m=10mm,Br=0.4Tの場合を示し、△印は、
Wm=30mm,Br=0.4Tの場合を示し、□印
は、Wm=10mm,Br=1.2Tの場合を示し、さ
らに◎印は、Wm=30mm,Br=1.2Tの場合を
示している。
【0093】図8から明らかなように、単位重量当りの
磁気的推力M1は、マグネット6の長さ寸法Wmを10
乃至30mm、その残留磁束密度Brを0.4T乃至
1.2Tの範囲で変化させても、単位重量当りの〔(L
m/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)〕の値
を0.05以上とすることによって、大となる。
【0094】ところで、実施例フォーカス制御装置にお
いて、フォーカスレンズ12を光軸方向に調動させるた
めには、例えば20g・f程度の磁気的推力Fを必要と
するものとする。この20g・f程度の磁気的推力Fを
発生するために必要な駆動部の重量MMをMAとする
と、MAは次式(20)によって算出される。 MA=MM/F×20 ・・・式(20)
【0095】この式(20)によって算出されるフォー
カスレンズ12を光軸方向に調動させるために必要な磁
気的推力F=20g・fのための駆動部の重量MAの値
を横軸とし、(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(W
m/20)に対してプロットしたものを図9に示す。ま
た、同図には、磁気的推力F、駆動部の重量MMの値を
横軸(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/2
0)に対してプロットした値も併せて図示されている。
なお、マグネット6の長さ寸法Wmは20mm、その残
留磁束密度Brは0.8Tとする。
【0096】同図から明らかなように、フォーカスレン
ズ12を光軸方向に調動させるために必要な磁気的推力
F=20g・fのための駆動部の重量MAは、(Lm/
Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)を増加させ
ると、このMAの値が急激に減少し、(Lm/Lg)×
(Br/0.8)×(Wm/20)が0.05以上とな
るように設定することによって、小さくできることがわ
かる。
【0097】以上の説明から明らかなように、実施例フ
ォーカス制御装置においては、内側ヨーク筒部10に固
着されたマグネット6の厚み寸法Lm、このマグネット
6と外側ヨーク筒部9との間隔Lgとの比と、使用する
マグネット6の磁束密度Brと使用可能な各種マグネッ
トの平均磁束密度Brxとの比及び使用するマグネット
6の長さ寸法Wmと鏡筒の平均長さ寸法Wmxとの比、
(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)の
値を0.05以上となるように設定することによって、
単位重量当りの推力M1が大きなものとなるとともに、
フォーカスレンズ12の駆動に必要な推力を発生するた
めに必要な駆動部の重量MMも小さくできる。したがっ
て、フォーカス制御装置の全体の重量を軽量化すること
が可能となる。
【0098】なお、上述の計算は、内側ヨーク筒部10
と外側ヨーク筒部9との前方端面を閉塞するヨーク板4
1がこれら内側ヨーク筒部10と外側ヨーク筒部9に取
り付けられ、内側ヨーク筒部10と外側ヨーク筒部9と
が二方向において磁気的に結合された実施例フォーカス
制御装置について行ったが、前記ヨーク体41を有さな
いフォーカス制御装置についても、同様の計算に基づい
て軽量化が達成することが説明されることは明らかであ
る。
【0099】すなわち、図10は、ヨーク板41を備え
ていないヨーク体5について、上述した図8と同様に、
マグネット6の長さ寸法Wmを10乃至30mm、マグ
ネット6の残留磁束密度Brを0.4T乃至1.2Tに
変化させ、単位重量当りの磁気的推力M1の規格化され
たM1’を計算した結果を示したものである。なお、同
図において、○印は、Wm=10mm,Br=0.4T
の場合を示し、△印は、Wm=30mm,Br=0.4
Tの場合を示し、◎印は、Wm=10mm,Br=1.
2Tの場合を示し、□印は、Wm=30mm,Br=
1.2Tの場合を示している。
【0100】同図から明らかなように、ヨーク板41を
備えておらず磁気的結合が一方向であるヨーク体5から
なる場合においても、単位重量当りの磁気的推力M1
は、マグネット6の長さ寸法Wmを10乃至30mm、
その残留磁束密度Brを0.4T乃至1.2Tの範囲で
変化させても、単位重量当りの〔(Lm/Lg)×(B
r/0.8)×(Wm/20)〕の値を0.05以上と
することによって、大となる。
【0101】また、図11は、フォーカスレンズ12を
光軸方向に調動させるために必要な磁気的推力F=20
g・fを発生するために必要な駆動部の重量MAの値を
横軸(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/2
0)に対してプロットしたものである。なお、同図に
は、磁気的推力F、駆動部の重量MMの値を横軸(Lm
/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)に対して
プロットしたものも併せて示す。なお、マグネット6の
長さWmは20mm、マグネット6の残留磁束密度Br
は0.8Tとした。
【0102】図11から明らかなように、(Lm/L
g)×(Br/0.8)×(Wm/20)を増加させる
と、前記駆動部の重量MAの値が急激に減少し、(Lm
/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)が0.0
5以上となるように設定することによって、フォーカス
レンズ12を光軸方向に調動させるために必要な磁気的
推力F=20g・fを発生するために必要な駆動部の重
量MAが小とされる。
【0103】したがって、ヨーク板41を備えておらず
磁気的結合が一方向であるヨーク体5を有するフォーカ
ス制御装置においても、(Lm/Lg)×(Br/0.
8)×(Wm/20)が0.05以上となるように設定
することによって、単位重量当りの磁気的推力M1が大
きなものとなるとともに、フォーカスレンズ12の駆動
に必要な推力を発生するために必要な駆動部の重量MM
も小さくできる。したがって、フォーカス制御装置全体
の重量を軽量化することが可能となる。
【0104】そして、上述した実施例を一般的にみた場
合、通常、微小距離の移動に適用されてきた電磁駆動装
置(ボイス・コイル・モータ方式の駆動装置)を、長距
離移動用にも適用させることが可能となり、しかもその
小型化も達成させることが可能となる。
【0105】また、上記実施例では、ビデオカメラ等の
レンズ鏡筒内に搭載されているインナーフォーカスユニ
ットの可動レンズ(フォーカスレンズ)の駆動制御装置
に適用した例を示したが、その他、レンズ以外の部材を
軸方向に電磁駆動方式(ボイス・コイル・モータによる
駆動方式)で移動させる移動装置全般に適用させること
ができる。
【0106】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る電磁駆動装
置によれば、支持軸が配された外筐に固定され、かつ外
側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部とが磁気的に一体に連結
されて構成されたヨーク体と、このヨーク体の上記外側
ヨーク筒部又は内側ヨーク筒部のいずれか一方に固着さ
れ、内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との間に閉磁路を
形成するマグネットとからなる固定部に対して、軸方向
にコイルが巻回されたボビンと、このボビンの内部に収
納された被駆動体を保持する被駆動体保持部材と、これ
ら被駆動体保持部材とボビンとを連結する連結部材とに
よって構成され上記固定部に沿って光軸方向に移動可能
とされた可動部とから構成され、前記連結部材に一体に
形成した軸受け連結部を少なくとも内側ヨーク筒部に設
けた切欠きに臨ませて前記支持軸を挿通させるように構
成したことにより、ヨーク体のほぼ全長に亘って可動部
の移動動作が可能となり、動作領域が有効に保持される
ことによって装置の小型化が図られる。
【0107】また、ボビンと被駆動体保持部材との間
に、ヨーク体の内側ヨーク筒部の先端部を貫通可能とす
る突抜け空間部を設けたことにより、ボビンに内側ヨー
ク筒部との衝合を防止する逃げ部を設けることが不要と
され、装置自体の長さ寸法をほぼ固定部の長さ寸法にま
で短縮化することが可能となり、装置自体の小型化を図
ることができる。さらに、連結部を介して一方側が磁気
的に結合された内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との開
放部側にヨーク板を組み付けて二方向の磁気的結合が図
られるため、ヨーク体の厚み寸法を大とすること無く可
動部を駆動する磁気的推力を保持することが可能とな
り、装置の軽量化を図ることができる。
【0108】さらに、マグネットの厚み寸法をLm(m
m)、外側ヨーク筒部の内径とマグネットの外径との間
隔をLg(mm)またマグネットの磁束密度をBr(テ
スラ)、その長さ寸法をWm(mm)とし、使用可能な
複数種のマグネットの平均磁束密度をBrx(テス
ラ)、平均長さ寸法をWmx(mm)としたときに、各
部を、(Lm/Lg)×(Br/Brx)×(Wm/W
mx)≧0.05とすることによって、単位重量当りの
磁気的推力が大きなり、また必要な磁気的推力を発生す
るために必要な駆動部の重量も小さくでき、電磁駆動装
置の重量を軽量化することができる。
【0109】本発明に係る電磁駆動装置を用いたフォー
カス制御装置によれば、支持軸が配された鏡筒に固定さ
れ、かつ外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部とが磁気的に
一体に連結されて構成されたヨーク体と、このヨーク体
の上記外側ヨーク筒部又は内側ヨーク筒部のいずれか一
方に固着され、内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との間
に閉磁路を形成するマグネットとからなる固定部に対し
て、軸方向にコイルが巻回されたボビンと、このボビン
の内部に収納されたフォーカスレンズを保持するレンズ
ホルダと、これらレンズホルダとボビンとを連結する連
結部材とによって可動部を構成し、前記連結部材に一体
に形成した軸受け連結部を少なくとも内側ヨーク筒部に
設けた切欠きに臨ませて前記支持軸を挿通させるように
構成したことにより、ヨーク体のほぼ全長に亘ってフォ
ーカスレンズを移動動作させてフォーカス調整が可能と
なり、動作領域が有効に保持されることによって鏡筒の
小型化が図られる。
【0110】また、ボビンとレンズホルダとの間に、ヨ
ーク体の内側ヨーク筒部の先端部を貫通可能とする突抜
け空間部を設けたことにより、ボビンに内側ヨーク筒部
との衝合を防止する逃げ部を設けることが不要とされ、
装置自体の長さ寸法をほぼ固定部の長さ寸法にまで短縮
化することが可能となり、装置自体の小型化を図ること
ができる。さらに、連結部を介して一方側が磁気的に結
合された内側ヨーク筒部と外側ヨーク筒部との開放部側
にヨーク板を組み付けて二方向の磁気的結合が図られる
ため、ヨーク体の厚み寸法を大とすること無く可動部を
駆動する磁気的推力を保持することが可能となり、装置
の軽量化を図ることができる。
【0111】さらに、マグネットの厚み寸法をLm(m
m)、外側ヨーク筒部の内径とマグネットの外径との間
隔をLg(mm)またマグネットの磁束密度をBr(テ
スラ)、その長さ寸法をWm(mm)としたときに、各
部を、(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/2
0)≧0.05とすることによって、単位重量当りの磁
気的推力が大きなり、また必要な磁気的推力を発生する
ために必要な駆動部の重量も小さくできる。したがっ
て、装置の軽量化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁駆動装置を備えたビデオカメ
ラ等のレンズ鏡筒内に搭載されているインナーフォーカ
スユニットのフォーカス制御装置の要部を示す分解斜視
図である。
【図2】同フォーカス制御装置の固定部を鏡筒と共に示
し、同図(A)は前方から見た正面図、同図(B)は同
図(A)のA−A線に沿った縦断面図である。
【図3】同フォーカス制御装置の可動部を示し、同図
(A)は前方から見た正面図、同図(B)は同図(A)
のB−B線に沿った縦断面図である。
【図4】同フォーカス制御装置の組み立て状態を示し、
同図(A)は前方から見た正面図、同図(B)は同図
(A)のC−C線に沿った縦断面図である。
【図5】同フォーカス制御装置のヨーク体を構成する外
側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部の開放部に組み合わされ
てヨーク体を二方向で磁気的に結合するヨーク板を示
し、同図(A)は前方から見た正面図、同図(B)は側
面図である。
【図6】同フォーカス制御装置を組み立てた状態の要部
縦断面図である。
【図7】同フォーカス制御装置について、(Lm/L
g)×(Br/0.8)×(Wm/20)に対する、単
位重量当りの推力M1を規格化したM1’の値、磁気的
推力Fの値、駆動部の重量MMに基づくMM/40の値
を示す特性図である。
【図8】同フォーカス制御装置について、マグネットの
磁束密度Br及び長さ寸法Wmを変化させたときの、
(Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)に
対する、単位重量当りの推力M1を規格化したM1’の
値を示す特性図である。
【図9】同フォーカス制御装置について、(Lm/L
g)×(Br/0.8)×(Wm/20)に対する、2
0g・fの推力Fを発生するために必要な駆動部の重量
MAの値、磁気的推力Fの値、駆動部の重量MMの値を
示す特性図である。
【図10】ヨーク板を組み付けずに外側ヨーク筒部と内
側ヨーク筒部が一方向で磁気的に結合されたヨーク体を
備えるフォーカス制御装置について、マグネットの磁気
密度Br及び長さ寸法Wmを変化させたときの、(Lm
/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)に対す
る、単位重量当りの磁気的推力M1を規格化したM1’
の値を示す特性図である。
【図11】同フォーカス制御装置について、(Lm/L
g)×(Br/0.8)×(Wm/20)に対する、2
0g・fの推力Fを発生するために必要な駆動部の重量
MAの値、磁気的推力Fの値、駆動部の重量MMの値を
示す特性図である。
【図12】従来の電磁駆動装置をビデオカメラ等のレン
ズ鏡筒内に搭載されているインナーフォーカスユニット
のフォーカス制御装置に適用した構成を示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
1 鏡筒 2 固定部 3 可動部 4a、4b 支持軸 5 ヨーク体 6 マグネット 8 連結部 9 外側ヨーク筒部 10 内側ヨーク筒部 11 切欠き 12 フォーカスレンズ 13 レンズホルダ 14 ボビン 15 レンズ取付け孔 16 ヨーク板 17a、17b 軸穴 18a 第1の軸受け連結部 18b 第2の軸受け連結部 19a 第1の補強板連結部 19b 第2の補強板連結部 22 MRマグネット 23 中空部 24 コイル 34 MRセンサ 35 突き抜け部 41 ヨーク体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結部を介して外側ヨーク筒部と内側ヨ
    ーク筒部とが同心に形成されたヨーク体と、少なくとも
    内側ヨーク筒部に軸方向に形成された切欠きに臨んで支
    持された支持軸と、前記ヨーク体の外側ヨーク筒部又は
    内側ヨーク筒部のいずれか一方側のヨーク筒部の他方側
    のヨーク筒部との対向面に固着されることによってこれ
    ら外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に閉磁路を構
    成するマグネットとによって構成した固定部と、 周面にコイルが巻回されるとともに前記ヨーク体の外側
    ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に介挿位置されるボ
    ビンと、前記内側ヨーク筒部よりも小径であって複数の
    連結部材を介して前記ボビンの内孔部に収納位置された
    被駆動体を保持する被駆動体保持部材とによって構成し
    た可動部とを備え、 この可動部は、前記固定部を構成するヨーク体に沿って
    前記支持軸に移動可能に支持するようにして組み合わさ
    れるとともに、固定部に組み合わせた状態において、前
    記ヨーク体に形成した切欠きに対応して位置される前記
    ボビンと被駆動体保持部材とを連結する連結部材に、前
    記支持軸が挿通される軸孔が形成されたことを特徴とす
    る電磁駆動装置。
  2. 【請求項2】 可動部を構成するボビン、連結部材及び
    被駆動体保持部材は、一体に形成されたことを特徴とす
    る請求項1記載の電磁駆動装置。
  3. 【請求項3】 ボビンと被駆動体保持部材とを連結する
    連結部材は、前記被駆動体保持部材に対して、ヨーク体
    の内側ヨーク筒部を貫通可能とする突抜け空間部を構成
    する位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は請
    求項2のいずれか1項に記載の電磁駆動装置。
  4. 【請求項4】 ヨーク体には、内側ヨーク筒部と外側ヨ
    ーク筒部との先端側を磁気的に連結するヨーク板が組み
    合わされたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載の電磁駆動装置。
  5. 【請求項5】 ヨーク体に形成した切欠きに対応して位
    置される前記ボビンと被駆動体保持部材とを連結する連
    結部材に、固定部に対する移動位置を検出する位置検出
    手段を構成する位置検出マグネットを取り付けるマグネ
    ット取付け部を一体に形成したことを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁駆動装置。
  6. 【請求項6】 ヨーク体の外側ヨーク筒部又は内側ヨー
    ク筒部に固着されたマグネットは、厚みがLm(m
    m)、長さがWm(mm)、残留磁束密度がBr(テス
    ラ)、適用可能な複数種のマグネット群の平均残留磁束
    密度がBrx(テスラ)、その平均長さがWmx(m
    m)であって、非固着側のヨーク筒部の磁極面との距離
    がLg(mm)であるときに、 (Lm/Lg)×(Br/Brx)×(Wm/Wmx)≧0.05 を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項に記載の電磁駆動装置。
  7. 【請求項7】 連結部を介して外側ヨーク筒部と内側ヨ
    ーク筒部とが同心に形成されたヨーク体と、少なくとも
    内側ヨーク筒部に軸方向に形成された切欠きに臨んで支
    持された支持軸と、前記ヨーク体の外側ヨーク筒部又は
    内側ヨーク筒部のいずれか一方側のヨーク筒部の他方側
    のヨーク筒部との対向面に固着されることによってこれ
    ら外側ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に閉磁路を構
    成するマグネットとによって構成された固定部に対し
    て、 周面にコイルが巻回されるとともに前記ヨーク体の外側
    ヨーク筒部と内側ヨーク筒部との間に介挿位置されるボ
    ビンと、前記内側ヨーク筒部よりも小径であって複数の
    連結部を介して前記ボビンの内部に一体に形成されたフ
    ォーカスレンズを保持するレンズホルダとから構成され
    る可動部を、前記固定部を構成するヨーク体に沿って前
    記支持軸に移動可能に支持するようにして組み合わせて
    電磁駆動装置を構成し、 前記コイルに駆動電流を供給してこのコイルと固定部の
    ヨーク体及びマグネットとの間に生じる磁気的推力によ
    り前記可動部を前記ヨーク体に沿って支持軸上を移動動
    作させてレンズホルダに保持したフォーカスレンズを光
    軸方向に調動することによって、フォーカス制御を行う
    ように構成したことを特徴とする電磁駆動装置を用いた
    フォーカス制御装置。
  8. 【請求項8】 可動部を構成するボビン、連結部材及び
    レンズホルダは、一体に形成されたことを特徴とする請
    求項7記載の電磁駆動装置を用いたフォーカス制御装
    置。
  9. 【請求項9】 ボビンとレンズホルダとを連結する連結
    部材は、前記レンズホルダに対してヨーク体の内側ヨー
    ク筒部を貫通可能とする突抜け空間部を構成する位置に
    設けられたことを特徴とする請求項7又は請求項8のい
    ずれか1項に記載の電磁駆動装置を用いたフォーカス制
    御装置。
  10. 【請求項10】 ヨーク体には、内側ヨーク筒部と外側
    ヨーク筒部との先端側を磁気的に連結するヨーク板が組
    み合わされたことを特徴とする請求項7乃至請求項9の
    いずれか1項に記載の電磁駆動装置を用いたフォーカス
    制御装置。
  11. 【請求項11】 ヨーク体に形成した切欠きに対応して
    位置される前記ボビンとレンズホルダとを連結する連結
    部材に、固定部に対する移動位置を検出する位置検出手
    段を構成する位置検出マグネットを取り付けるマグネッ
    ト取付け部を一体に形成したことを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁駆動装置。
  12. 【請求項12】 ヨーク体の外側ヨーク筒部又は内側ヨ
    ーク筒部に固着されたマグネットは、厚みがLm(m
    m)、長さがWm(mm)、残留磁束密度がBr(テス
    ラ)であって、非固着側のヨーク筒部の磁極面との距離
    がLg(mm)であるときに、 (Lm/Lg)×(Br/0.8)×(Wm/20)≧0.05 を満足することを特徴とする請求項7乃至請求項11の
    いずれか1項に記載の電磁駆動装置用いたフォーカス制
    御装置。
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