JPH07146108A - 干渉計装置 - Google Patents

干渉計装置

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JPH07146108A
JPH07146108A JP5303641A JP30364193A JPH07146108A JP H07146108 A JPH07146108 A JP H07146108A JP 5303641 A JP5303641 A JP 5303641A JP 30364193 A JP30364193 A JP 30364193A JP H07146108 A JPH07146108 A JP H07146108A
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Masashi Sueyoshi
正史 末吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来よりも高い精度な計測を実現できる干渉計
装置の提供にある。 【構成】2つの干渉計手段により形成される各参照光路
長を同一にすると共に、同じく2つの干渉計手段により
形成される各計測光路長を所定の長さだけ異ならせし
め、各干渉計手段の計測用反射手段の位置に対して、各
干渉計手段の参照用反射手段の位置が少なくとも内分す
るような位置関係で、各干渉計手段の計測用反射手段を
移動させるよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環境変化に伴う空気の
ゆらぎ、即ち、空気の屈折率の変化に伴う測定誤差を補
正し得る干渉計装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来においては、干渉計装置により得ら
れる被計測物体の変位量または位置に関する計測値中に
含まれる環境変化に伴う空気の屈折率を変化による計測
誤差は、環境計測用のセンサーを用いて、被計測物体を
往復する計測ビームの近傍での空気の温度・圧力・湿度
等を測定し、環境計測用のセンサーによる各測定値と計
測ビームによる被計測物体の計測値とに基づいて、所定
の演算を行うことにより、補正されていた。
【0003】また、特開平2−1501号には、図6〜
図8に示す如き空気の屈折率変化の影響を受けない干渉
計装置が提案されている。図6は干渉計装置の構成を示
す側面図、図7は図6を上方から見た時の平面図であ
り、図8は図6を紙面の左側から見た時の側面図であ
る。そこで、この装置について図6〜図8を参照しなが
ら説明する。被計測物体として例えばウエハWを載置す
るステージSTの一端には移動鏡6が固設されており、
この移動鏡6は、計測方向に沿って所定の距離l2 だけ
離れるように配置された第1反射面6a及び第2反射面
6bを有している。
【0004】レーザ光源1からのレーザビームは、図8
に示す如く、2つのプリズム(2a,2b)の接合面に
半透過面BSが形成された光分割プリズム2に入射し、
この光分割面BSによって上下方向に2分割される。こ
の光分割面BSを反射したレーザビームは半透過プリズ
ム2の一つの面に形成された反射面Rを介して偏光プリ
ズム3の上部に入射し、光分割面BSを透過したレーザ
ビームは偏光プリズム3の下部に入射する。この偏光プ
リズム3は2つの直角プリズムが接合さており、この接
合面には偏光分離面PBSが形成されている。
【0005】偏光プリズム3の上部及び下部に入射した
レーザビームは、偏光プリズム3内の偏光分離面PBS
によって参照ビームと計測ビームとにそれぞれ偏光分離
され、この偏光分離面PBSは、図7の紙面方向に振動
するP偏光成分を参照ビームとしてそれぞれ透過させ、
図7の紙面に垂直な方向に振動するS偏光成分を計測ビ
ームとしてそれぞれ反射させる。
【0006】まず、偏光分離面PBSを透過する各参照
ビームは、偏光プリズム3の射出側面(直角プリズム3
bの1つの面)に接合された1/4波長板4aを通過
し、この1/4波長板4aの端面に設けられた参照用の
反射鏡5を反射後、再び1/4波長板4aを通過して偏
光分離面PBSに向かう。このとき、各参照ビームは、
1/4波長板4aを往復するため、偏光面が90度回転
してS偏光に変換される。従って、各参照ビームは偏光
分離面PBSを反射し、偏光プリズム3の射出側に接合
された偏光板7へ向かう。
【0007】一方、偏光分離面PBSを反射する各計測
ビームは、偏光プリズム3の射出側面(直角プリズム3
aの1つの面)に接合された1/4波長板4bを通過
後、ステージSTの一端に固設された反射鏡6へそれぞ
れ向かう。図6に示す如く、偏光プリズム3内の偏光分
離面PBSの上部を反射し、1/4波長板4bの上部を
通過する第1計測ビームは、反射鏡6の上部の第1反射
面6aを反射して、再び1/4波長板4bを通過して偏
光分離面PBSに向かう。このとき、各参照ビームは、
1/4波長板4aを往復するため、偏光面が90度回転
してP偏光に変換される。従って、各計測ビームは偏光
分離面PBSを通過し、偏光プリズム3の射出側に接合
された偏光板7へ向かう。
【0008】以上の如く、偏光分離面PBSの上部を通
過して偏光板7に向かう計測ビームと参照ビームとは偏
光板7を通過することによって干渉し、この干渉光は第
1光路差検出装置8aにて反射鏡6の上部の第1反射面
6aの変位量に関する出力Aが生成され、また、偏光分
離面PBSの下部を通過して偏光板7に向かう計測ビー
ムと参照ビームとは偏光板7を通過することによって干
渉し、この干渉光は第2光路差検出装置8bにて反射鏡
6の下部の第2反射面6bの変位量に関する出力Aが生
成される。
【0009】各光路差検出装置(8a,8b)からの2
つの出力は、演算装置9に入力され、所定の演算がなさ
れる。ここで、第1光路差検出装置8aの出力Aを
A 、第2光路差検出装置8bの出力BをXB 、ステー
ジSTの変位量をx、変位量が零である測定の原点(測
定開始時又とリセット時)での空気の屈折率をn、空気
の揺らぎ等による空気の屈折率の変化量をΔn、第2反
射面6bと1/4波長板4b(または干渉計)との空気
中での距離をl1 、第1反射面6aと第2反射面6bと
の空気中での距離をl2 とするとき、各光路差検出装置
(8a,8b)からの2つの出力(XA ,XB )は以下
の数式1によるものとなる。
【0010】
【数1】
【0011】また、演算装置9での演算式は、上記数式
1による2つの式によりΔnを消去することにより与え
られる以下の数式2によるものとなる。
【0012】
【数2】
【0013】以上の数2の式による演算が演算装置9に
て実行される事により、空気の屈折率変化の影響を受け
ない出力結果が生成され、ステージSTの高い精度な位
置計測を可能としていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術で
は、2つの干渉計装置自体が各々持つ誤差が原理的に増
幅されるという致命的な問題がある。また、被計測物体
としてのステージ上の一端に形成される2つの反射面間
の距離l2 を小さくすると、空気のゆらぎ等による空気
の屈折率変化が補償できる精度が低下するという問題が
ある。
【0015】そこで、本発明は、以上にて述べた如く、
2つの干渉計装置自体が各々持つ誤差が増幅されるとい
う致命的な問題を解消し、空気等の気体のゆらぎによっ
て生ずる屈折率変化による計測誤差を精度良く補正し、
常に高精度で安定した計測を可能とし得る干渉計装置を
提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、例えば図1〜図3に示す如く、計測方
向に沿ってそれぞれ所定位置に設けられかつ前記計測方
向に沿って一体的に移動可能に設けられた第1及び第2
計測用反射手段と、それぞれ所定位置に固設された第1
及び第2参照用反射手段と、光束を供給する光源手段
と、該光源手段からの光束に基づいて,前記第1計測用
反射手段を介して前記計測方向に沿って気体中を往復す
る第1計測光路と前記第1参照用反射手段を介して気体
中を往復する第1参照光路とを形成し,該第1計測光路
及び第1参照光路を経由した各光束によって第1測定出
力を生成する第1干渉計手段と、前記光源手段からの光
束に基づいて,前記第2計測用反射手段を介して前記第
1計測光路とほぼ平行な方向に沿って気体中を往復する
第2計測光路と前記第2参照用反射手段を介して気体中
を往復する第2参照光路とを形成し,該第2計測光路及
び第2参照光路を経由した各光束によって第2測定出力
を生成する第2干渉計手段と、前記第1及び第2測定出
力に基づいて所定の演算を行う演算手段とを有し、前記
第1干渉計手段から前記第1参照用反射手段までの前記
第1参照光路は、前記第2干渉計手段から前記第2参照
用反射手段までの前記第2参照光路と等しい光学的光路
長を有し、前記第1干渉計手段から前記第1計測用反射
手段の基準位置までの前記第1計測光路の光学的光路長
をlM1とし、前記第2干渉計手段から前記第2計測用反
射手段の基準位置までの前記第2計測光路の光学的光路
長をlM2、前記第1干渉計手段から前記第1参照用反射
手段までの前記第1参照光路の光学的光路長をlR1、前
記第2干渉計手段から前記第2参照用反射手段までの前
記第2参照光路の光学的光路長をlR2、前記基準位置か
らの前記第1及び第2計測用反射手段の変位をxとする
とき、前記第1及び第2計測用反射手段は、以下の範囲
を少なくとも移動可能、もしくは以下の範囲の1部を少
なくとも移動可能に構成されるようにした。
【0017】lR1−lM1≦x≦lR2−lM2
【0018】
【作 用】本発明の原理を説明する前に、まず、図6〜
図8に示した従来の装置における計測誤差について説明
する。反射鏡6の上部の第1反射面6aを往復する第1
計測光路と反射鏡5の上側部分を往復する第1参照光路
を形成し、各光路を経由した各光束によって第1測定出
力Aを生成する第1干渉計装置(図6に示す偏光プリズ
ム3の上側部分、各1/4波長板4a,4bの上側部
分、偏光板7の上側部分及び第1光路差測定装置8a)
の量子化誤差(又は分解能)をδA 、反射鏡6の下部の
第2反射面6bを往復する第2計測光路と反射鏡5の下
側部分を往復する第2参照光路を形成し、各光路を経由
した各光束によって第2測定出力Bを生成する第2干渉
計装置(図6に示す偏光プリズム3の下側部分、各1/
4波長板4a,4bの下側部分、偏光板7の下側部分及
び第2光路差測定装置8b)の量子化誤差(又は分解
能)をδB とするとき、図6に示す第1干渉計装置から
の測定出力Aは、本来の計測信号XA に量子化誤差δA
が加えられたものとなり、また、図6に示す第2干渉計
装置からの測定出力Bは、本来の計測信号XB に量子化
誤差δB が加えられたものとなる。
【0019】そこで、各干渉計装置による量子化誤差に
より測定結果に加えられる誤差量をΔxとすると、上記
の数式2は以下の数式3の如くなる。
【0020】
【数3】
【0021】そして、上記の数式3を変形すると以下の
数式4の如くなる。
【0022】
【数4】
【0023】ここで、第1及び第2干渉計装置による出
力は数式1に示した如くそれぞれX A =xn+(l1
2 +x)Δn,XB =xn+(l1 +x)Δnとなる
ため、この関係及び数式4より、以下に示す数式5が導
出される。
【0024】
【数5】
【0025】ここで、n+Δn≒1とすると、上記数式
5は、最終的に以下の数式6の如くなる。
【0026】
【数6】
【0027】そこで、上記数式6に基づいて量子化誤差
量Δxの最大値ΔxMAX について検討する。今、第1及
び第2干渉計装置の量子化誤差(δA ,δB )の最大値
と最小値をそれぞれe,−eとし、各干渉計装置の量子
化誤差が、−e≦δA ≦e,−e≦δB ≦eの範囲を取
り得る時、上記数式6による量子化誤差量の最大値|Δ
MAX |を求める。
【0028】ここで、図6から明らかな如く、l1
0,l2 >0,x≧−l1 の関係が成立しているため、
上記数式6内の(x+l1 +l2 )及び(x+l1 )は
常に正となる。従って、上記数式6による量子化誤差量
の最大値|ΔxMAX |は、最終的に以下の数式7の如く
なる。
【0029】
【数7】
【0030】ここで、上記数式7の量子化誤差量の最大
値|ΔxMAX |を縦軸、ステージSTの位置xを横軸と
してグラフ化すると、図9に示す如くなる。図9に示す
如く、ステージSTが第1及び第2干渉計(1/4波長
板4a)に対して離れた位置にあるに従って、量子化誤
差量の最大値|ΔxMAX |が大きくなり、これによる計
測誤差が無視できない程、大きい事が理解できる。
【0031】一例として、l1 =0.3m、l2 =0.1m、ス
テージSTの移動範囲を-0.3m ≦x≦0.3mとするとき、
量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |が最も最大となるス
テージSTの位置は、第1及び第2干渉計(1/4波長
板4a)から反射鏡6の下部の第2反射面6bまでの距
離が0.6m(x=0.3m)の時であり、この時の量子化誤差
量の最大値は、上記数式7より、以下の数式8の如くな
る。
【0032】
【数8】
【0033】従って、第1及び第2干渉計装置の量子化
誤差eが10nm程度であるものとすると、最終的に得られ
る測定値には、上記数式8より、130nm にも達する測定
誤差が加算されることになる。また、上記数式8から明
らかな如く、被計測物体としてのステージ上の一端に配
置された反射鏡6中の2つの反射面(6a,6b)間の
距離l2 を小さくすると、量子化誤差量の最大値|Δx
MAX |が大きくなる事が理解できる。
【0034】この事を具体的に説明すると、l2 ’=l
2 /2とした時の量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |’
とすると、この誤差量は上記数式7より以下の数式9の
如くなる。
【0035】
【数9】
【0036】一例として、前述の通り、l1 =0.3m、l
2 =0.1m、ステージSTの移動範囲を-0.3m ≦x≦0.3m
とした時に、l2 の値をさらに0.1mの半分の0.05m とし
た場合には、第1及び第2干渉計(1/4波長板4a)
から反射鏡6の下部の第2反射面6bまでの距離が0.6m
(x=0.3m)となる位置にステージSTが位置している
時に、量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |’が最も最大
となり、この時の量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |’
は、上記数式8及び9より、以下の数式10の如くな
る。
【0037】
【数10】
【0038】よって、上記数式8及び10から、被計測
物体としてのステージ上の一端に形成される反射鏡6中
の2つの反射面(6a,6b)間の距離l2 を半分にす
ると、量子化誤差量の最大値は約2倍(|ΔxMAX |’
/|ΔxMAX |倍)も大きくなるため、第1及び第2干
渉計装置の量子化誤差eが10nm程度であるものとする
と、最終的に得られる測定値には、上記数式10より、
約250nm にも達する測定誤差が加算されることになる。
【0039】以上にて述べた従来の干渉計装置が抱える
致命的な問題を解消するために、本発明は、2つの干渉
計手段により形成される各参照光路長を同一にすると共
に、同じく2つの干渉計手段により形成される各計測光
路長を所定の長さだけ異ならせしめ、各干渉計手段の計
測用反射手段の位置に対して、各干渉計手段の参照用反
射手段の位置が少なくとも内分するような所定の関係の
もとで、各干渉計手段の計測用反射手段を移動させるよ
うにしたものである。
【0040】これにより、空気等の気体中を通過する参
照光路と計測光路において屈折率変化が生じた場合で
も、各参照光路では実質的に同一な屈折率変化の影響を
受けながら、各計測光路では光路の長さに応じた屈折率
変化の影響を受けるため、環境変化に伴う空気等の気体
の屈折率変化の情報を含んだ異なる2つの計測出力を得
ることができる。そして、この2つの計測出力に基づい
て所定の演算を行うことにより、各光路中での屈折率の
変化による計測誤差を除去することができる。
【0041】しかも、2つの計測用反射手段を所定の移
動範囲もしくはその範囲の1部を少なくとも移動可能に
構成することにより、2つの干渉計手段自体が持つ量子
化誤差による影響を格段に軽減することができ、大幅に
計測精度の向上を達成することができる。なお、各干渉
計手段により形成される各計測光路並びにその付近に局
所的な空気等の気体中の屈折率変化が生じる恐れがある
場合には、各干渉計手段によりそれぞれ形成される参照
光路と計測光路との各々は互いに近接させることが望ま
しい。
【0042】以下の図4を参照しながら本発明の原理に
ついて説明する。図4(a)は本発明の第1干渉計装置
の構成を示す図であり、図4(b)は本発明の第2干渉
計装置の構成を示す図である。まず、図4(a)に示す
如く、第1の光源11から供給される光束は、光分割部
材としてのビームスプリッター12により2光束に分割
され、このビームスプリッター12を透過する一方のビ
ームL21は、計測用ビームとして、図4(a)の左右方
向へ移動可能に設けられた計測用の反射部材14(第1
の計測用反射手段)にて反射されて再びビームスプリッ
ター12に向かう。一方、ビームスプリッター12を反
射する他方のビームL31は、参照用ビームとして反射鏡
13を反射し、計測用ビームL21の光路と近接した空気
等の気体中を計測用ビームL21と平行となるように進行
する。その後、ビームL31は基台に固設された参照用の
反射部材15(第1参照用反射手段)を反射し、再び計
測用ビームL21の光路と近接した空気等の気体中を計測
用ビームL21と平行となるように進行し、反射鏡13を
介してビームスプリッター12へ向かう。そして、ビー
ムスプリッター12によって計測用ビームL21と参照用
ビームL31とが一緒になり、ビームL41として第1のレ
シーバー16(第1検出器)にて受光され、被測定物と
しての反射部材14の移動量が検出される。
【0043】ここで、図4(a)に示す第1干渉計は、
ビームスプリッター12と反射鏡13と第1のレシーバ
ー16とで構成されており、気体中の参照用光路の光学
的光路長がlR1となるように参照用の反射部材15は第
1干渉計に対して所定の光学的距離lR1だけ隔てて基台
に固設されている。また、計測用の反射部材14は、こ
れの基準位置における気体中の計測用光路の光学的光路
長がlM1となるように、第1干渉計から計測用の反射部
材14の基準位置までの光学的距離がlM1となるように
移動可能に設定されている。一方、図4(a)の紙面と
垂直な方向には、図4(b)に示す如き第2干渉計装置
が並列的に配置されており、第2干渉計装置では、反射
鏡23及び参照用の反射部材25は、第2干渉計の気体
中の参照用光路の光学的光路長lR2が第1干渉計の気体
中の参照用光路の光学的光路長lR1と等しくなるように
それぞれ固設されている。また、ビームスプリッター2
2及び計測用の反射部材24(計測用反射手段)は、反
射部材24の基準位置において、第2干渉計の気体中の
測定用光路の光学的光路長lM2が第2干渉計の気体中の
参照用光路の光学的光路長lM1に対し異なるようにそれ
ぞれ設定されており、それ以外に関しては図4(a)に
示す第1干渉計装置と基本的に同一である。
【0044】図4(b)に示す如く、第2の光源21か
ら供給される光束は、光分割部材としてのビームスプリ
ッター22により2光束に分割され、このビームスプリ
ッター22を透過する一方のビームL22は、計測用ビー
ムとして、計測用の反射部材24(第2計測用反射手
段)に向かう。この反射部材24は、図4(a)に示し
た反射部材14と共に一体的に図4(b)の左右方向へ
移動可能に設けられている。そして、計測用の反射部材
24へ向かうビームL22は、この反射部材24にて反射
されて再びビームスプリッター22へ向かう。一方、ビ
ームスプリッター22を反射する他方のビームL32は、
参照用ビームとして反射鏡23を反射し、計測用ビーム
22の光路と近接した空気等の気体中を計測用ビームL
22と平行となるように進行する。その後、ビームL32
基台に固設された参照用の反射部材25(第2参照用反
射手段)を反射し、再び計測用ビームL22の光路と近接
した空気等の気体中を計測用ビームL22と平行となるよ
うに進行し、反射鏡23を介してビームスプリッター2
2へ向かう。そして、ビームスプリッター22によって
計測用ビームL22と参照用ビームL32とが一緒になり、
ビームL42として、第2のレシーバー26(第2検出
器)にて受光され、被測定物としての反射部材24の移
動量が検出される。
【0045】なお、図4(b)に示す第2干渉計は、ビ
ームスプリッター22と反射鏡23と第2のレシーバー
26とで構成されている。以上の構成によって、被計測
物としての反射部材14及び24が図4の紙面方向へ一
体的に移動すると、第1干渉装置の第1のレシーバー1
6と第2干渉装置の第2のレシーバー26とからはそれ
ぞれ異なる2つの検出信号が出力される。
【0046】今、第1干渉装置の第1のレシーバー16
からの出力をXA 、第2干渉装置の第2のレシーバー2
6からの出力をXB とし、第1干渉計の参照光路におい
て気体の屈折率の変化の影響を受ける部分での光学的光
路の長さ(第1干渉計と第1参照用反射手段との間の第
1参照光路の気体中での光学的光路長)をlR1(=
R )、第2干渉計の参照光路において気体の屈折率の
変化の影響を受ける部分での光学的光路の長さ(第2干
渉計と第2参照用反射手段との間の第2参照光路の気体
中での光学的光路長)をlR2(=lR1=lR )、測定開
始時(リセット時)等の初期の計測用反射手段の基準位
置における第1干渉計の計測光路中での気体の屈折率の
変化の影響を受ける部分の光路の長さ(第1干渉計と計
測用反射手段の基準位置との間の第1計測光路の光学的
光路長)をlM1、測定開始時(リセット時)等の初期の
計測用反射手段の基準位置における第2干渉計の計測光
路中での気体の屈折率の変化の影響を受ける部分の光路
の長さ(第2干渉計と計測用反射手段の基準位置との間
の第2計測光路の光学的光路長)をlM2、第1及び第2
計測光路の各々において気体の屈折率の変化の影響を受
ける部分での光路の長さがそれぞれlM1,lM2となる時
の被計測物体(第1及び第2計測用反射手段)の基準位
置(原点)からの変位をxとする。但し、この変位x
は、被計測物体が原点より右側へ移動する時を正、被計
測物体が原点より左側へ移動する時を負とする。
【0047】本発明の場合においても上記数式2の関係
が成立すると共に、さらに、以下の数式11の関係が成
立する。
【0048】
【数11】
【0049】従って、上記数式6及び数式11より、次
式12の関係が成立する。
【0050】
【数12】
【0051】そこで、上式12に基づいて本発明による
干渉計装置における量子化誤差量Δxの最大値ΔxMAX
について検討する。今、第1及び第2干渉計装置の量子
化誤差(δA ,δB )の最大値と最小値をそれぞれe,
−eとし、各干渉計装置の量子化誤差が、−e≦δA
e,−e≦δB ≦eの範囲を取り得る時、上記数式12
による量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |は、以下の
(i)〜(iii)の3通りに場合分けできる。(i)lR −lM1≦x≦lR −lM2の場合(但し、lM1
>lM2 この場合には、x+lM1−lR ≧0,x+lM2−lR
0となり、量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |は、上記
数式11より、数式12の如くなる。
【0052】
【数13】
【0053】(ii)x>lR −lM2の場合(但し、lM1
>lM2 この場合には、x+lM1−lR >0,x+lM2−lR
0となり、量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |は、上記
数式12より、数式14の如くなる。
【0054】
【数14】
【0055】(iii)x<lR −lM1の場合(但し、l
M1>lM2 この場合には、x+lM1−lR <0,x+lM2−lR
0となり、量子化誤差量の最大値|ΔxMAX |は、上記
数式12より、数式15の如くなる。
【0056】
【数15】
【0057】以上の数式13〜数式15にて得られる量
子化誤差量の最大値|ΔxMAX |を縦軸、ステージST
の位置xを横軸としてグラフ化すると、図5に示す如く
なる。そこで、数式13〜数式15並びに図5を用い
て、図4に示した干渉計装置全体として高精度を保証す
るための計測用の反射部材(14,24)の最適な移動
範囲xについて検討する。
【0058】空気等の気体の揺らぎ等による気体の屈折
率変化の影響を補正しつつ、干渉計装置として高精度を
保証するためには、現実的に、干渉計装置の計測出力に
加わる量子化誤差の最大値(|ΔxMAX |)を4e以下
に抑えることが好ましい。従って、以下において、干渉
計装置の計測出力に加わる量子化誤差eを4倍〜1倍以
下にそれぞれ抑えた場合における計測用の反射部材(1
4,24)の最適な移動範囲xについて説明する。(I)量子化誤差の最大値|ΔxMAX |を4e以下に抑
えた場合 この場合における計測用の反射部材(14,24)の最
適な移動範囲x(但し、x≧−lM2)は、数式13〜数
式15並びに図5より、以下の数式16の如くなる。
【0059】
【数16】
【0060】一例として、図4(a)に示した第1干渉
計装置と図4(b)に示した第2干渉計装置との量子化
誤差e(又は分解能)をそれぞれ0.5nmとし、lM1=0.
7m、lM2=0.5m、lR =lR1=lR2=0.6 とした場合に
ついて、干渉計装置の計測出力に加わる量子化誤差の最
大値(|ΔxMAX |)を4e以下に抑えられる計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xについて見る。
【0061】この場合には、上記数式16より計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xは-0.4m 〜0.4mと
なり、干渉計装置全体としては2.0nm (=4e)の精度
が保証されることが理解できる。(II)量子化誤差の最大値|ΔxMAX |を3e以下に抑
えた場合 この場合における計測用の反射部材(14,24)の最
適な移動範囲x(但し、x≧−lM2)は、数式13〜数
式15並びに図5より、以下の数式17の如くなる。
【0062】
【数17】
【0063】一例として、図4(a)に示した第1干渉
計装置と図4(b)に示した第2干渉計装置との量子化
誤差e(又は分解能)をそれぞれ0.5nmとし、lM1=0.
7m、lM2=0.5m、lR =lR1=lR2=0.6 とした場合に
ついて、干渉計装置の計測出力に加わる量子化誤差の最
大値(|ΔxMAX |)を3e以下に抑えられる計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xについて見る。
【0064】この場合には、上記数式17より計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xは-0.3m 〜0.3mと
なり、干渉計装置全体としては1.5nm (=3e)の精度
が保証されることが理解できる。(III)量子化誤差の最大値|ΔxMAX |を2e以下に
抑えた場合 この場合における計測用の反射部材(14,24)の最
適な移動範囲x(但し、x≧−lM2)は、数式13〜数
式15並びに図5より、以下の数式18の如くなる。
【0065】
【数18】
【0066】一例として、図4(a)に示した第1干渉
計装置と図4(b)に示した第2干渉計装置との量子化
誤差e(又は分解能)をそれぞれ0.5nmとし、lM1=0.
7m、lM2=0.5m、lR =lR1=lR2=0.6 とした場合に
ついて、干渉計装置の計測出力に加わる量子化誤差の最
大値(|ΔxMAX |)を2e以下に抑えられる計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xについて見る。
【0067】この場合には、上記数式18より計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xは-0.2m 〜0.2mと
なり、干渉計装置全体としては1.0nm (=2e)の精度
が保証されることが理解できる。(IV)量子化誤差の最大値ΔxMAX をe以下に抑えた
場合 この場合における計測用の反射部材(14,24)の最
適な移動範囲x(但し、x≧−lM2)は、数式13〜数
式15並びに図5より、以下の数式19の如くなる。
【0068】
【数19】
【0069】一例として、図4(a)に示した第1干渉
計装置と図4(b)に示した第2干渉計装置との量子化
誤差e(又は分解能)をそれぞれ0.5nmとし、lM1=0.
7m、lM2=0.5m、lR =lR1=lR2=0.6 とした場合に
ついて、干渉計装置の計測出力に加わる量子化誤差の最
大値(|ΔxMAX |)をe以下に抑えられる計測用の反
射部材(14,24)の移動範囲xについて見る。
【0070】この場合には、上記数式19より計測用の
反射部材(14,24)の移動範囲xは-0.3m 〜0.3mと
なり、干渉計装置全体としては0.5nm (=e)の精度が
保証されることが理解できる。以上の如く、本発明によ
れば、環境変化に伴う気体の屈折率が変化しても高精度
のもとで安定した計測が実現できることが理解できる。
しかも、本発明では、被計測物体(第1及び第2計測用
反射手段)を数式19を満足する範囲において移動させ
れば、原理的に、2つの干渉計の量子化誤差e(又は分
解能)を1倍以下に抑えられる事が可能となり、極めて
安定した高精度な計測が達成できる。なお、2つの干渉
計の量子化誤差e(又は分解能)の1倍以下の精度が要
求されない場合には、被計測物体(第1及び第2計測用
反射手段)は、上記数式19を満足する範囲もしくはそ
の1部を少なくとも移動可能に設けられれば良い。
【0071】
【実施例】以下、本発明による実施例の干渉計の構成に
ついて図1〜図3を参照して説明する。本例では図6〜
図8にて説明した従来の干渉計装置を改良して各干渉計
と各参照用反射手段との間に空気中を通過する参照光路
を形成した構成としており、図6〜図8にて示した同一
の機能を持つ部材には図1〜図3においても同一の符号
を付してある。ここで、図1は本実施例の干渉計装置を
側面から見た時の様子を示し、図2は図1に示した本実
施例の干渉計装置を真上から見た時の様子を示してお
り、図3は図2の左側から見た時の本実施例の干渉計装
置の側面の様子を示している。
【0072】図1〜図3に示す第1実施例では、計測方
向Xに沿ってそれぞれ異なる位置に設けられかつその計
測方向Xに沿って一体的に移動可能に設けられた第1計
測用反射手段(第1移動鏡6a)及び第2計測用反射手
段(第2移動鏡6b)と、互いに等しい位置に固設され
た第1参照用反射手段(第1固定鏡5a)及び第2参照
用反射手段(第2固定鏡5b)、コヒーレントな光束を
供給する光源手段(レーザ光源1,光分割プリズム2)
と、この光源手段(1,2)からの光束に基づいて,第
1計測用反射手段6aを介して計測方向Xに沿って空気
中往復する第1計測光路OPM1と第1参照用反射手段5
aを介して空気中を往復する第1参照光路OPR1とを形
成し,その第1計測光路OPM1及び第1参照光路OPR1
を経由した各光束によって第1測定出力XA を生成する
第1干渉計(偏光分離プリズム3、1/4波長板4a,
4b、偏光板7,第1検出装置8a)と、光源手段
(1,2)からの光束に基づいて,第2計測用反射手段
(6b)を介して第1計測光路OPM1とほぼ平行な方向
に沿って空気中を往復する第2計測光路OPM2と第2参
照用反射手段5bを介して空気中を往復する第2参照光
路OPR2とを形成し,その第2計測光路OPM2及び第2
参照光路OPR2を経由した各光束によって第2測定出力
B を生成する第2干渉計(偏光分離プリズム3、1/
4波長板4a,4b、偏光板7,第2検出装置8b)
と、第1及び第2測定出力(XA ,XB )に基づいて所
定の演算を行う演算処理装置9とを配置したものであ
る。
【0073】図1〜図3に示す如く、コヒーレントな光
束を供給する光源としてのレーザー光源1は第1周波数
1 のビーム(以下、第1ビームと称する。)と第2周
波数f2 のビーム(以下、第2ビームと称する。)を供
給し、この第1及び第2ビームは、光分割プリズム2に
入射する。この光分割プリズム2は、平行四辺形状のプ
リズム2aと直角プリズムとの接合で構成され、この接
合面には光を振幅分割する光分割面BSが形成されてい
る。
【0074】まず、光分割面BSで反射して第1干渉計
へ向かう第1及び第2ビームについて説明すると、この
光分割面BSで反射する第1及び第2ビームは、プリズ
ム2aの反射面Rで反射して、偏光分離プリズム3の上
部に入射する。この偏光分離プリズム3は2つの直角プ
リズム3a,3bの接合により構成され、この接合面に
は光を偏光分離する偏光分離面PBSが形成されてい
る。
【0075】ここで、偏光分離プリズム3の上部を入射
する一方の第1ビームは、偏光分離面PBSの入射面内
を振動する直線偏光の光(以下、P偏光と称する。)で
あり、他方の第2ビームは、偏光分離面PBSの入射面
と垂直な面内を振動する直線偏光の光(以下、S偏光と
称する。)である。そして、偏光分離面PBSに対し4
5°の入射角で入射するP偏光の第1ビームは偏光分離
面PBSを通過し、偏光分離面PBSに対し45°の入
射角で入射するS偏光の第2ビームは偏光分離面PBS
を反射する。
【0076】まず、偏光分離面PBSの上部を通過する
P偏光の第1ビームについて説明すると、P偏光の第1
ビームは偏光分離面PBSを通過後、偏光分離プリズム
3に接合された1/4波長板4aを通過して円偏光に変
換され、参照用の固定鏡5の1部を構成する上部の第1
固定鏡5aへ向かう。第1固定鏡5aは、第1参照光路
OPR1内での気体光路長(空気光路長)が所定の長さl
R1となるように、1/4波長板4aに対して所定の距離
R1だけ隔てて配置されており、後述するが、第1固定
鏡5aの下部に配置される第2固定鏡5bと一体的に構
成されている。
【0077】この第1固定鏡5aを反射した円偏光の第
1ビームは、再び1/4波長板4aを通過してS偏光に
変換され、偏光分離プリズム3内の偏光分離面PBSで
反射する。その後、偏光分離プリズム3に接合された偏
光板7に入射する。この偏光板7は、第1ビームのS偏
光の方向に対して45°方向での直線偏光を透過させる
ように配置されており、第1ビームの1部の偏光成分が
偏光板7を通過して、第1の光路差検出装置8aにて検
出される。
【0078】一方、偏光分離面PBSの上部を反射する
S偏光の第2ビームについて説明すると、S偏光の第2
ビームは偏光分離面PBSを反射後、偏光分離プリズム
3に接合された1/4波長板4bを通過して円偏光に変
換され、計測用の移動鏡6の1部を構成する上部の第1
移動鏡6aへ向かう。第1固定鏡6aは、第1計測光路
OPM1内での空気光路長が所定の長さlM1となるよう
に、1/4波長板4b(または第1干渉計)に対して所
定の距離lM1だけ隔てて配置されており、後述するが、
第1移動鏡6aの下部において計測方向に沿って所定の
距離だけずらして配置される第2移動鏡6bと一体的に
移動可能に構成されている。なお、計測用の移動鏡6
は、ウエハWを保持するステージSTの一端に固設され
ており、このステージSTの移動に伴って移動する。
【0079】さて、第1移動鏡6aを反射した円偏光の
第2ビームは、再び1/4波長板4bを通過してP偏光
に変換され、偏光分離プリズム3内の偏光分離面PBS
を通過し、偏光分離プリズム3に接合された偏光板7に
入射する。この偏光板7は、換言すれば、第2ビームの
P偏光の方向に対して45°方向での直線偏光を透過さ
せるように配置されており、第1ビームの1部の偏光成
分が偏光板7を通過して、前述の第1ビームの1部の偏
光成分と共に、第1の光路差検出装置8aにて検出され
る。次に、光分割プリズム2の光分割面BSで反射して
第2干渉計へ向かう第1及び第2ビームについて説明す
ると、この光分割面BSを通過する第1及び第2ビーム
は、偏光分離プリズム3の下部に入射する。
【0080】ここで、偏光分離プリズム3の下部を入射
する一方の第1ビームは、前述と同様に、偏光分離面P
BSの入射面内を振動する直線偏光の光(以下、P偏光
と称する。)であり、他方の第2ビームは、偏光分離面
PBSの入射面と垂直な面内を振動する直線偏光の光
(以下、S偏光と称する。)である。そして、偏光分離
面PBSに対し45°の入射角で入射するP偏光の第1
ビームは偏光分離面PBSを通過し、偏光分離面PBS
に対し45°の入射角で入射するS偏光の第2ビームは
偏光分離面PBSを反射する。
【0081】まず、偏光分離面PBSの下部を通過する
P偏光の第1ビームについて説明すると、P偏光の第1
ビームは偏光分離面PBSを通過後、偏光分離プリズム
3に接合された1/4波長板4aを通過して円偏光に変
換され、参照用の固定鏡5の1部を構成する下部の第2
固定鏡5bへ向かう。第2固定鏡5bは、第1固定鏡5
aと一体的に構成されており、第2参照光路OPR2内で
の気体光路長(空気光路長)が第1参照光路OPR1内で
の気体光路長(空気光路長)と等しい所定の長さl
R2(=lR1)となるように、1/4波長板4a(または
第2干渉計)に対して所定の距離lR2(=lR1)だけ隔
てて配置されている。
【0082】この第2固定鏡5bを反射した円偏光の第
1ビームは、再び1/4波長板4aを通過してS偏光に
変換され、偏光分離プリズム3内の偏光分離面PBSで
反射する。その後、偏光分離プリズム3に接合された偏
光板7に入射する。この偏光板7は、第1ビームのS偏
光の方向に対して45°方向での直線偏光を透過させる
ように配置されており、第1ビームの1部の偏光成分が
偏光板7を通過して、第2の光路差検出装置8bにて検
出される。
【0083】一方、偏光分離面PBSの下部を反射する
S偏光の第2ビームについて説明すると、S偏光の第2
ビームは偏光分離面PBSを反射後、偏光分離プリズム
3に接合された1/4波長板4bを通過して円偏光に変
換され、計測用の移動鏡6の1部を構成する下部の第2
移動鏡6bへ向かう。この第2固定鏡6bは、ウエハW
を保持するステージSTの移動に伴って第1固定鏡6a
と一体的に移動可能に設けられているが、第2計測光路
OPM2内での空気光路長が第1計測光路OPM1内での空
気光路長に対して短い所定の長さlM2となるように、1
/4波長板4bに対して所定の距離lM2だけ隔てて配置
されている。
【0084】さて、第2移動鏡6bを反射した円偏光の
第2ビームは、再び1/4波長板4bを通過してP偏光
に変換され、偏光分離プリズム3内の偏光分離面PBS
を通過し、偏光分離プリズム3に接合された偏光板7に
入射する。この偏光板7は、換言すれば、第2ビームの
P偏光の方向に対して45°方向での直線偏光を透過さ
せるように配置されており、第1ビームの1部の偏光成
分が偏光板7を通過して、前述の第1ビームの1部の偏
光成分と共に、第2の光路差検出装置8bにて検出され
る。
【0085】以上にて説明した如く、第1の光路差検出
装置8aにおいては、気体光路長(空気光路長)がlR1
となる第1参照光路OPR1を経由する第1ビームと、気
体光路長(空気光路長)がlM1となる第1計測光路OP
M1を経由する第2ビームとががそれぞれ入射することと
なる。このため、第1の光路差検出装置8aの内部の光
電検出器からは、第1移動鏡6aが第1固定鏡5aに対
して停止している状態では、周波数が(f1−f2)の
ビート信号が出力され、第1移動鏡6aがX方向へ移動
すると周波数が変調されたビート信号が出力される。従
って、この第1の光路差検出装置8aは、この周波数の
変化を積算することにより、第1移動鏡6aと第1固定
鏡5aとの相対的な移動量を検出することができる。
【0086】よって、第1参照光路OPR1の気体光路長
(空気光路長)lR1をlR 、第1計測光路OPM1の気体
光路長(空気光路長)をlM1、測定開始時(リセット
時)等の初期の空気等の気体の屈折率をn、空気等の気
体の屈折率の変化をΔn、第1計測光路OPM1の気体光
路長(空気光路長)がlM1となる時の第1移動鏡6a
(またはステージST)の位置をリセット位置(座標原
点)とし、このリセット位置からの第1移動鏡6a(ま
たはステージST)変位量をxとすると、第1の光路差
検出装置8aでは、xn+(lM1−lR +x)Δnに相
当する信号XA が演算装置9へ出力される。
【0087】一方、第2の光路差検出装置8bにおいて
は、気体光路長(空気光路長)がl R2となる第2参照光
路OPR2を経由する第1ビームと、気体光路長(空気光
路長)がlM2となる第2計測光路OPM2を経由する第2
ビームとががそれぞれ入射することとなる。このため、
第2の光路差検出装置8bの内部の光電検出器からは、
第2移動鏡6bが第2固定鏡5bに対して停止している
状態では、周波数が(f1−f2)のビート信号が出力
され、第2移動鏡6bがX方向へ移動すると周波数が変
調されたビート信号が出力される。従って、この第2の
光路差検出装置8bは、この周波数の変化を積算するこ
とにより、第2移動鏡6bと第2固定鏡5bとの相対的
な移動量を検出することができる。
【0088】よって、第2参照光路OPR2の気体光路長
(空気光路長)lR2(=lR1)をlR 、第2計測光路O
M2の気体光路長(空気光路長)をlM2、測定開始時
(リセット時)等の初期の空気等の気体の屈折率をn、
空気等の気体の屈折率の変化をΔn、第2計測光路OP
M2の気体光路長(空気光路長)がlM2となる時の第2移
動鏡6b(またはステージST)の位置をリセット位置
(座標原点)とし、このリセット位置からの第2移動鏡
6b(またはステージST)変位量をxとすると、第2
の光路差検出装置8bでは、xn+(lM2−lR +x)
Δnに相当する信号XB が演算装置9へ出力される。
【0089】この演算処理部9には、所定の演算式がメ
モリーされており、例えば、以下に示す如く、上記数式
2及び数式11より導出される数式20がメモリーされ
ている。
【0090】
【数20】
【0091】従って、演算装置9は、第1及び第2の光
路差検出装置(7a,7b)からの出力信号(XA ,X
B )、及び計測開始時での初期の気体の屈折率nを検出
するための不図示の屈折率検出器からの出力nに基づい
て、上記数式20式に示す如き演算を実行し、気体の揺
らぎ等が起因して生ずる気体の屈折率変化に伴う計測誤
差が補正された演算結果により第1移動鏡6a及び第2
移動鏡6b(またはステージST)の移動量または座標
位置を算出する。これにより、正確な第1移動鏡6a及
び第2移動鏡6b(またはステージST)の位置を求め
る事ができる。よって、演算装置9の演算結果を不図示
の表示部を介して表示しても良く、また、演算装置9か
ら算出された移動量または座標位置の情報に基づいて、
不図示であるが、ステージSTを移動させるための駆動
系の駆動量を制御系によって制御しても良い。
【0092】そして、上記数式16〜数式19を満足す
るように第1移動鏡6a及び第2移動鏡6b(またはス
テージST)をそれぞれ移動させれば、干渉計装置の出
力に加算される量子化誤差eをそれぞれ4倍〜1倍以下
に抑えることが可能となる。以上の如く本実施例によれ
ば、各計測光路と各参照光路とを各々近接するように構
成しているため、計測光路中にて生ずる気体の屈折率変
化による測定誤差を補正し、精度良く移動鏡6の移動量
や位置を検出することができる。
【0093】しかも、本例によれば、2つの移動鏡との
間の距離に対して2つの固定鏡が内分するように、2つ
の移動鏡を移動させることができるため、極めて高い精
度な計測が保証される。なお、上述の各実施例ではヘテ
ロダイン方式のレーザー干渉計に本発明を適用したもの
であるが、本発明はホモダイン方式の干渉計にも同様に
適用することができる。
【0094】また、本実施例では、第1移動鏡6aの位
置と第2移動鏡6bの位置とに差を持たせる事により、
2つの計測光路内の気体光路長に差(lM1−lM2)を生
じせしめているがこれに限ることはない。例えば、第1
移動鏡6aの位置と第2移動鏡6bの位置とを一致させ
て、さらに、一体的に構成されている第1及び第2干渉
計(偏光分離プリズム3、1/4波長板4a,4b、偏
光板7)を第1干渉計としての上側部分と第2干渉計と
してのと下側部分とに2分割し、2つの干渉計を計測方
向にずらして配置して、2つの計測光路内の気体光路長
に差(lM1−l M2)を生じせしめても良い。さらには、
第1移動鏡6aの位置と第2移動鏡6bの位置とが等し
くなるように、両移動鏡を一体的に構成し、いずれか一
方の計測光路中に内部が真空でかつ計測光路に沿った長
さLの密封管を配置すれば、密封管の長さLの分だけの
光路長差(L=|lM1−lM2|)を生じせしめる事も可
能である。なお、この密封管に所定の屈折率を持つ気
体、液体、固体等の媒質を封入しても良い。
【0095】また、本実施例では、第1固定鏡5aの位
置と第2固定鏡5bの位置を一致させる事により、2つ
の参照光路内の気体光路長を互いに等しくしているがこ
れに限ることはない。例えば、第1固定鏡5aと第2固
定鏡5bとを所定の距離だけずらして配置して、さら
に、一体的に構成されている第1及び第2干渉計(偏光
分離プリズム3、1/4波長板4a,4b、偏光板7)
を第1干渉計としての上側部分と第2干渉計としてのと
下側部分とに2分割し、2つの干渉計を所定の距離だけ
ずらして配置して、2つの参照光路内の気体光路を等し
くしても良い。
【0096】また、以上にて示した実施例における各干
渉計の計測光路と参照光路との光路の少なくとも一方に
光路折り曲げ用の光路偏向部材を適宜配置し、装置全体
がコンパクトになるように各光路を引き回すことも可能
である。このように、本発明は上述実施例に限定されず
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得
る。
【0097】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、空気等の
気体の揺らぎが生じていても測定誤差が極めて少なく、
しかも原理的に高精度な計測が実現できる高性能な干渉
計装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施例の干渉計装置を側面から見た時
の様子を示す側面図である。
【図2】図2は図1に示した本実施例の干渉計装置を真
上から見た時の様子を示す平面図である。
【図3】図3は図2の左側から見た時の本実施例の干渉
計装置の様子を示す側面図である。
【図4】(a)は本発明の原理を示すための第1干渉計
の概念図であり、(b)は本発明の原理を示すための第
2干渉計の概念図である。
【図5】図4に示した本発明による干渉計装置による量
子化誤差の最大値とステージの移動量との関係を示す図
である。
【図6】図6は従来の干渉計装置を側面から見た時の様
子を示す側面図である。
【図7】図7は図6に示した従来の干渉計装置を真上か
ら見た時の様子を示す平面図である。
【図8】図8は図7の左側から見た時の従来の干渉計装
置の様子を示す側面図である。
【図9】図6〜図8に示した従来の干渉計装置による量
子化誤差の最大値とステージの移動量との関係を示す図
である。
【主要部分の符号の説明】
1・・・・・・レーザー光源 2・・・・・・光分割プリズム 3・・・・・・偏光分離プリズム 4a,4b・・・・・・1/4波長板 5,5a,5b・・・・・・固定鏡 6,6a,6b・・・・・・移動鏡 7・・・・・・偏光板 8a・・・・・・第1光路差検出装置 8b・・・・・・第2光路差検出装置 9・・・・・・演算装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】計測方向に沿って一体的に移動可能に設け
    られた第1及び第2計測用反射手段と、それぞれ所定位
    置に固設された第1及び第2参照用反射手段と、光束を
    供給する光源手段と、該光源手段からの光束に基づい
    て,前記第1計測用反射手段を介して前記計測方向に沿
    って気体中を往復する第1計測光路と前記第1参照用反
    射手段を介して気体中を往復する第1参照光路とを形成
    し,該第1計測光路及び第1参照光路を経由した各光束
    によって第1測定出力を生成する第1干渉計手段と、前
    記光源手段からの光束に基づいて,前記第2計測用反射
    手段を介して前記第1計測光路とほぼ平行な方向に沿っ
    て気体中を往復する第2計測光路と前記第2参照用反射
    手段を介して気体中を往復する第2参照光路とを形成
    し,該第2計測光路及び第2参照光路を経由した各光束
    によって第2測定出力を生成する第2干渉計手段と、前
    記第1及び第2測定出力に基づいて所定の演算を行う演
    算手段とを有し、 前記第1干渉計手段から前記第1参照用反射手段までの
    前記第1参照光路は、前記第2干渉計手段から前記第2
    参照用反射手段までの前記第2参照光路と等しい光学的
    光路長を有し、 前記第1干渉計手段から前記第1計測用反射手段の基準
    位置までの前記第1計測光路の光学的光路長をlM1
    し、前記第2干渉計手段から前記第2計測用反射手段の
    基準位置までの前記第2計測光路の光学的光路長を
    M2、前記第1干渉計手段から前記第1参照用反射手段
    までの前記第1参照光路の光学的光路長をlR1、前記第
    2干渉計手段から前記第2参照用反射手段までの前記第
    2参照光路の光学的光路長をlR2、前記基準位置からの
    前記第1及び第2計測用反射手段の変位をxとすると
    き、 前記第1及び第2計測用反射手段は、以下の範囲を少な
    くとも移動可能、もしくは以下の範囲の1部を少なくと
    も移動可能に構成されることを特徴とする干渉計装置。 lR1−lM1≦x≦lR2−lM2
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JP30364193A JP3412212B2 (ja) 1993-10-01 1993-12-03 干渉計装置
US08/532,267 US5585922A (en) 1992-12-24 1995-09-22 Dual interferometer apparatus compensating for environmental turbulence or fluctuation and for quantization error

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5327043B2 (ja) * 2007-03-08 2013-10-30 株式会社ニコン 位置計測モジュール、位置計測装置、ステージ装置、露光装置及びデバイス製造方法

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