JPH07145364A - アルカリ水溶性粘着剤組成物 - Google Patents

アルカリ水溶性粘着剤組成物

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JPH07145364A
JPH07145364A JP29554593A JP29554593A JPH07145364A JP H07145364 A JPH07145364 A JP H07145364A JP 29554593 A JP29554593 A JP 29554593A JP 29554593 A JP29554593 A JP 29554593A JP H07145364 A JPH07145364 A JP H07145364A
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JP
Japan
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water
sensitive adhesive
acrylic
soluble
meth
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JP29554593A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Hiroaki Komatsu
裕明 小松
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性水及び中性水には不溶でありアルカリ性
水にのみ溶解し、アルカリ性水によって容易に洗浄・除
去する事が出来ると共に、優れた粘着性と凹凸面追従性
を有するアルカリ水溶性粘着剤組成物を提供することを
目的とする。 【構成】 共重合体100g中に酸性官能基を0.13
〜1.00mol含有する(メタ)アクリル系共重合体
に、アルカリ水溶性の長鎖有機酸及び/又はアルカリ水
溶性の粘着付与樹脂が含有されていることを特徴とする
アルカリ水溶性粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ性の水によっ
て粘着剤が溶解又は膨潤して剥離することが出来るマス
キングテープ及びラベル等の粘着加工製品用として好適
なアルカリ水溶性粘着剤組成物に関する。
【従来の技術】水溶性粘着剤の歴史は古く、糖類、蛋白
質又は天然ゴムラテックス等の天然物系の水溶性高分子
を用いた再湿型接着剤が良く知られている。又、ベース
ポリマーとしては、アラビアゴム、デキストリン、澱粉
又は膠等が用いられている。これらの粘着材料は、常態
では粘着性を有さないが、水によって賦活され粘着性を
示す。そして被着体に貼付けされた後、乾燥されること
により接着力を発揮する。従って、これらの粘着材料
は、水に濡らすだけで使用することが出来、且つ、不衛
生でなく安価である為、郵便切手、印紙類、襖紙等に広
く用いられている。
【0002】他方、常態で粘着性を有する水溶性粘着剤
は、特に、製紙業界で紙と紙を水溶性粘着剤で固定、ス
プライスした後、この接着部分をパルプ溶解槽に戻し再
利用する用途において広く利用されている。又、瓶や食
品等のラベル用粘着剤、特に、不要となった場合に水洗
によってラベルを容易に剥がすことを可能にする為のラ
ベル用粘着剤にも用いられている。更に、生理用ナプキ
ンの分野では、固定用粘着剤として使用されており、下
着に残った粘着成分が洗濯によって容易に洗浄・除去さ
れるように構成されている。
【0003】上記のような水溶性粘着剤としては、特開
昭60−229972号公報に開示されているように、
ポリアクリル酸100重量部、ジエチレングリコール7
0重量部及びポリプロピレングリコール50重量部を配
合し、ポリアクリル酸のカルボキシル基の一部をカリウ
ムにより中和したものや、特公昭52−22768号公
報に開示されているように、アルキル基の炭素数が1〜
14のアクリル酸アルキルエステル単量体約90〜20
重量部とカルボキシル基がアルカノールアミンで中和さ
れているビニルカルボン酸単量体約10〜80重量部と
の共重合体を主成分とする接着剤組成物等が知られてい
る。
【0004】他方、電子材料の分野では、プリント基板
や半導体等の保護の為、しばしば保護テープが貼付けさ
れており、組立て前に該保護テープを剥離し、残存した
保護テープ用粘着成分の残渣をフロン等の溶剤で洗浄す
ることにより除去していた。しかしながら、近年、地球
環境保護のために、フロンに代えて、水による洗浄が要
求されており、従って、保護テープ用粘着剤としてもそ
の粘着成分残渣が水洗浄可能なものであることが求めら
れている。中でも、プリント基板等のメッキマスキング
テープは、メッキ工程において酸性水や中性水により処
理されるため、プリント基板用の保護テープ用粘着剤と
しては酸性水及び中性水には不溶であり、アルカリ性水
にのみ溶解し得るものであることが必要である。ところ
が、上述した従来の水溶性粘着剤は中性水に溶解するた
めに、上記のようなメッキマスキングテープ用粘着剤と
して用いる事は出来なかった。
【0005】又、水溶性粘着剤の中には、酸性及び中性
の水には溶解せずアルカリ性の水にのみ溶解するような
特定のpHで水溶性を示すものがある。これは、ビール
瓶のラベルや前記メッキ時のマスキングテープ等の粘着
剤として用いられ、粘着剤をアルカリ水溶液で洗浄除去
出来ることが特徴である。このような粘着剤は一般にア
ルカリ水溶性粘着剤と呼ばれ、酸性水中または中性水中
では溶解もしくは膨潤せず被着体から剥離しないが、ア
ルカリ性水中では速やかに溶解もしくは膨潤して容易に
被着体から剥がれるものである。
【0006】このようなアルカリ水溶性粘着剤として、
出願人は特定のカルボキシル基を有するアクリル系モノ
マーを特定量配合したアルカリ水溶性粘着剤を提案して
いる(特願平4−303581号参照)が、この粘着剤
はガラス転移温度の高い極性モノマーを大量に共重合し
ている為、常温では粘着剤が硬く粘着性(タック)が不
充分なので、プリント基板のマスキングテープや粗面に
貼付けるラベル等のように凹凸面追従性が要求される用
途の場合、熱圧着する必要があり作業性の面で問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消するため、酸性水及び中性水には不溶であ
りアルカリ性水にのみ溶解し、アルカリ性水によって容
易に洗浄・除去する事が出来ると共に、優れた粘着性と
凹凸面追従性を有するアルカリ水溶性粘着剤組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ水溶性
粘着剤組成物は、共重合体100g中に酸性官能基を
0.13〜1.00mol含有する(メタ)アクリル系
共重合体に、アルカリ水溶性の長鎖有機酸及び/又はア
ルカリ水溶性の粘着付与樹脂が含有されていることを特
徴とし、そのことにより上記目的が達成される。尚、本
発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメ
タアクリルを意味する。
【0009】上記共重合体100g中に酸性官能基を
0.13〜1.00mol含有する(メタ)アクリル系
共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル等の
(メタ)アクリル系モノマーとカルボキシル基、スルフ
ォン酸基、燐酸基等の酸性官能基を有するビニル系モノ
マーとを共重合することにより得られる。
【0010】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メ
タ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソオ
クチルエステル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メ
タ)アクリル酸トデシルエステル等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。アルキル
基の炭素数が1あるいは12より大きいと、得られる共
重合体の弾性率が高くなりすぎて粘着剤が硬くなること
がある。
【0011】又、上記酸性官能基を有し(メタ)アクリ
ル系モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無
水)マレイン酸、イタコン酸、2−アクリロイルオキシ
エチル琥珀酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル
酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェ
ート、反応性スルフォン酸エステル等が挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0012】本発明においては、上記(メタ)アクリル
系モノマーと酸性官能基を有するビニル系モノマーとの
共重合比率は、得られる共重合体100g中に占める酸
性官能基の量が0.13〜1.00molの範囲となる
ような比率であることが必要である。
【0013】共重合体100g中の酸性官能基の量が
0.13mol未満であるとアルカリ性水への溶解性が
得られず、逆に1.00molを超えると共重合体が硬
質化して粘着性が著しく低下する。
【0014】又、上記共重合体のガラス転移温度は、特
に限定されるものではないが、−50〜50℃程度の範
囲にあることが望ましい。共重合体のガラス転移温度が
−50℃程度未満であると耐熱性が低下するし、逆に5
0℃程度を超えると耐寒性が低下する。尚、ここで言う
ガラス転移温度とは、アクリル系共重合体の粘弾性スペ
クトルのtanδのピーク値で示されるTgを言う。
【0015】上記(メタ)アクリル系モノマーと酸性官
能基を有するビニル系モノマーとの共重合方法は、特に
限定されるものではなく、溶液重合法、乳化重合法、懸
濁重合法、塊状重合法、光重合法等の公知のいずれの方
法でも良い。
【0016】本発明のアルカリ水溶性粘着剤組成物に
は、アルカリ水溶性の長鎖有機酸及び/又はアルカリ水
溶性の粘着付与樹脂が含有されていることが必要であ
る。
【0017】上記アルカリ水溶性の長鎖有機酸とは、2
0℃に於いて、中性水(イオン交換水)100gに対す
る溶解度が10g程度以下で、アルカリ水(10重量%
の水酸化カリウム水溶液)100gに対する溶解度が3
0g程度以上の長鎖有機酸を言い、例えば、2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸、2−アクリロイルオキシエ
チルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒ
ドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッド
フォスフェート、ポリカプロラクトンアクリレート、ア
クリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、アクリル酸テ
トラマー、アクリル酸オリゴマー、ポリアクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステルオリゴマーもしくはこれらの
水添化物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0018】上記アルカリ水溶性の長鎖有機酸の中性水
(イオン交換水)100gに対する20℃に於ける溶解
度が10g程度を超えると中性水中で容易に溶出する
為、前記ビール瓶のラベル用粘着剤やプリント基板のメ
ッキマスキングテープ用粘着剤には適用出来ない。
【0019】又、上記アルカリ水溶性の長鎖有機酸の分
子量は、特に限定されるものではないが、100〜10
000程度が好ましい。長鎖有機酸の分子量が100程
度未満であると前記アクリル系共重合体からのブリード
アウトが著しくなり粘着力が低下する。逆に、長鎖有機
酸の分子量が10000程度を超えると前記アクリル系
共重合体との相溶性が低下すると共にアルカリ水溶性も
乏しくなる。
【0020】更に、前記アクリル系共重合体に対する上
記アルカリ水溶性の長鎖有機酸の配合量は、特に限定さ
れるものではないが、アクリル系共重合体の固形分10
0重量部に対し、長鎖有機酸0.1〜200重量部程度
が好ましく、なかでも5〜100重量部程度がより好ま
しい。
【0021】アクリル系共重合体の固形分100重量部
に対する長鎖有機酸の配合量が0.1重量部程度未満で
あると長鎖有機酸の配合効果である可塑化効果が得られ
ず、逆に200重量部程度を超えるとアクリル系共重合
体からのブリードアウトが著しくなり粘着力が低下する
と共に凝集力も低下する。
【0022】本発明のアルカリ水溶性粘着剤組成物に含
有される前記アルカリ水溶性の粘着付与樹脂とは、酸価
が100mgKOH/g程度以上で、分子量が100〜
10000程度の粘着付与樹脂を言い、例えば、アビエ
チン酸、ウッドロジン、ガムロジン、マレイン酸変成ロ
ジン、不均化ロジン又はこれらのエステル、水添化物等
のロジン系粘着付与樹脂が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。
【0023】上記アルカリ水溶性の粘着付与樹脂の酸価
が100mgKOH/g程度未満であるとアルカリ水溶
性が不充分となる。又、上記粘着付与樹脂の分子量が1
00程度未満であるとアクリル系共重合体からのブリー
ドアウトが起こり粘着力が低下し、逆に分子量が100
00程度を超えると前記アクリル系共重合体との相溶性
が低下すると共にアルカリ水溶性も乏しくなる。
【0024】又、前記アクリル系共重合体に対する上記
アルカリ水溶性の粘着付与樹脂の配合量は、特に限定さ
れるものではないが、アクリル系共重合体の固形分10
0重量部に対し、粘着付与樹脂5〜100重量部程度が
好ましい。
【0025】アクリル系共重合体の固形分100重量部
に対する粘着付与樹脂の配合量が5重量部程度未満であ
ると粘着付与樹脂配合の効果である粘着性向上効果が得
られず、逆に100重量部程度を超えるとアクリル系共
重合体との相溶性が低下したり粘着力が低下することが
ある。
【0026】本発明のアルカリ水溶性粘着剤組成物は、
前記アクリル系共重合体に、アルカリ水溶性の長鎖有機
酸及び/又はアルカリ水溶性の粘着付与樹脂が含有され
て成るが、上記に於いて、アルカリ水溶性の長鎖有機酸
を単独もしくは過剰に含有させると粘着性が比較的低く
再剥離性に優れたアルカリ水溶性粘着剤組成物となり、
プロテクトテープやマスキングテープのような再剥離性
を要求される用途むけの粘着加工製品に適したものとな
る。又、上記に於いて、アルカリ水溶性の粘着付与樹脂
を単独もしくは過剰に含有させると強粘着性のアルカリ
水溶性粘着剤組成物となり、ラベルや固定用テープのよ
うな強粘着性を要求される用途むけの粘着加工製品に適
したものとなる。
【0027】本発明のアルカリ水溶性粘着剤組成物に
は、アルカリ水溶性を阻害しない範囲で必要に応じ、酢
酸ビニル、スチレン、N−ビニルピロリドン、マクロモ
ノマー(高分子モノマー)等の反応性モノマーを共重合
成分として用いても良いし、又、架橋剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤、界面
活性剤、中和剤等の各種添加剤を配合しても良い。
【0028】
【作用】本発明のアルカリ水溶性粘着剤組成物は、共重
合体100g中に酸性官能基を0.13〜1.00mo
l含有する(メタ)アクリル系共重合体に、アルカリ水
溶性の長鎖有機酸及び/又はアルカリ水溶性の粘着付与
樹脂が含有されているので、酸性及び中性の水には溶解
せず、アルカリ性の水にのみ容易に溶解する。又、優れ
た凹凸面追従性を有すると共に、低粘着性で再剥離性に
優れたものから強粘着性で接着性に優れたものまで巾広
い性能を発現出来るものである。
【0029】
【実施例】この発明をさらに詳しく説明するため、以下
に実施例をあげる。なお、実施例中の「部」は「重量
部」を意味する。
【0030】(実施例1)
【0031】(a)アクリル系共重合体の重合 温度計、攪拌器及び窒素導入管を備えた反応容器に、表
1の実施例1に示されるように、アクリル酸ブチルエス
テル84.8部、アクリル酸15部及びアクリル酸2−
ヒドロキシエチルエステル0.2部のモノマーと酢酸エ
チル100部を仕込み、60℃に昇温し還流後、重合開
始剤としてアゾビスイソブチルニトリル0.05部を滴
下し10時間共重合反応を行い、樹脂分50%のアクリ
ル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体
100g中の酸性官能基の含有量は0.21mol、
又、GPCで測定した重量平均分子量は50万であっ
た。
【0032】(b)粘着剤組成物の調整 表1の実施例1に示されるように、上記アクリル系共重
合体溶液200部(樹脂分100部)に対し、長鎖有機
酸として2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフ
タル酸10部及び架橋剤としてアセチルアセトンアルミ
錯体「アルミキレートD」(川研ファインケミカル社
製)0.5部を配合してアクリル系溶剤型粘着剤組成物
を得た。
【0033】(c)粘着テープの作成 得られた粘着剤組成物を、予め表面張力が54dyn/
cmとなるようにコロナ処理を施した厚み38μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムのコロナ
処理面に乾燥後の膜厚が60μmとなるように塗布・乾
燥して粘着テープを作成した。
【0034】(d)評価 得られた粘着テープの性能評価を次の方法で行った結果
は表1に示すとおりであった。尚、評価は特別の記載が
ない限り23℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0035】ボールタック:JIS Z−0237
「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じ、得られた
粘着テープのボールタックを傾斜板の角度30度、助走
路の長さ100mmで測定した。
【0036】粘着力:JIS Z−0237に準じ、
得られた粘着テープを巾25mm、長さ150mmに裁
断し、巾25mm、長さ150mm、厚さ1.5mmの
冷間圧延ステンレス鋼板(SUS304)に接着長さが
100mmとなるように接着し、30分放置した後、イ
ンストロン試験機を用い引張り速度300mm/分で1
80度角剥離強度(g/25mm)を測定した。
【0037】溶解性:得られた粘着テープを巾50m
m、長さ50mmに裁断し、60℃のアルカリ水(1重
量%の水酸化カリウム水溶液)300ccに浸漬し1時
間放置後の粘着剤のみの重量減少率(%)を測定した。
尚、同様の試験を中性水(イオン交換水)及び酸性水
(1重量%の硫酸水溶液)についても行った。
【0038】凹凸面追従性:図1及び図2に示される
ように、厚み30μmの銅箔5が1mmのクリアランス
7でガラスエポキシ基板6に接着された櫛型段差を有す
るプリント基板4の表面に巾25mm、長さ200mm
に裁断された粘着テープ1を貼り付け、重さ2kgのゴ
ムローラーで1m/分の速度で圧着した。次いで、60
℃のニッケル電解メッキ液に3分間浸漬した後、取り出
して、粘着テープ1を剥離し、接着部分の粘着テープ1
裏面へのメッキ液の浸み込み面積率(%)を測定した。
浸み込み面積率の低いものが粘着剤の柔軟性が高く凹凸
面追従性も大きいと言える。
【0039】(実施例2)
【0040】表1の実施例2に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、長鎖有機酸として2−アクリロ
イルオキシエチルフタル酸30部を配合して得たアクリ
ル系溶剤型粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と
同様にして粘着テープを作成した。
【0041】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0042】(実施例3)
【0043】表1の実施例3に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、長鎖有機酸としてアクリル酸ト
リマー5部を配合して得たアクリル系溶剤型粘着剤組成
物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープ
を作成した。
【0044】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0045】(実施例4)
【0046】表1の実施例4に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、粘着付与樹脂として酸価350
mgKOH/gのアビエチン酸(和光純薬工業社製)1
0部を配合して得たアクリル系溶剤型粘着剤組成物を用
いたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを作成
した。
【0047】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0048】(実施例5)
【0049】表1の実施例5に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、粘着付与樹脂として酸価175
mgKOH/gのガムロジン(荒川化学工業社製)30
部を配合して得たアクリル系溶剤型粘着剤組成物を用い
たこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを作成し
た。
【0050】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0051】(実施例6)
【0052】温度計、攪拌器及び窒素導入管を備えた反
応容器に、表1の実施例6に示されるように、2−アク
リロイルオキシエチルアシッドフォスフェート72部、
アクリル酸ブチルエステル25部及びポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系反応性界面活性剤
「アクアロンHS20」(第一工業製薬社製)3部と水
200部を仕込み攪拌してエマルジョン化した後、80
℃に昇温し、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム0.1部を滴下し8時間共重合反応を行い、樹脂
分33.3%のアクリル系共重合体エマルジョンを得
た。得られたアクリル系共重合体100g中の酸性官能
基の含有量は0.38molであった。
【0053】表1の実施例6に示されるように、上記ア
クリル系共重合体エマルジョン300部(樹脂分100
部)に対し、粘着付与樹脂として酸価155mgKOH
/gの不均化ロジン「ロンジスR」(荒川化学工業社
製)の20%アセトン溶液75部(固形分15部)を配
合してアクリル系エマルジョン型粘着剤組成物を得た。
【0054】上記アクリル系エマルジョン型粘着剤組成
物を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作成し、
その性能を実施例1と同様にして評価した結果は表1に
示すとおりであった。
【0055】(比較例1)
【0056】表2の比較例1に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、長鎖有機酸及び粘着付与樹脂を
配合しなかったアクリル系溶剤型粘着剤組成物を用いた
こと以外は実施例1と同様にして粘着テープを作成し
た。
【0057】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0058】(比較例2)
【0059】表2の比較例2に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、分子量5000のポリエチレン
グリコール20部を配合して得たアクリル系溶剤型粘着
剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着
テープを作成した。
【0060】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0061】(比較例3)
【0062】表2の比較例3に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、粘着付与樹脂として酸価50m
gKOH/gのテルペンフェノール樹脂系粘着付与樹脂
「タマノール803」(荒川化学工業社製)20部を配
合して得たアクリル系溶剤型粘着剤組成物を用いたこと
以外は実施例1と同様にして粘着テープを作成した。
【0063】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0064】(比較例4)
【0065】表2の比較例4に示されるように、アクリ
ル系共重合体の重合において、モノマー組成をアクリル
酸ブチルエステル96.7部、アクリル酸3部及びアク
リル酸2−ヒドロキシエチルエステル0.3部としたこ
と以外は実施例1と同様にして樹脂分50%のアクリル
系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体1
00g中の酸性官能基の含有量は0.04mol、又、
GPCで測定した重量平均分子量は60万であった。
【0066】表2の比較例4に示されるように、上記ア
クリル系共重合体溶液を用い長鎖有機酸及び粘着付与樹
脂を配合しなかったアクリル系溶剤型粘着剤組成物を用
いたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを作成
した。
【0067】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0068】(比較例5)
【0069】表2の比較例5に示されるように、アクリ
ル系共重合体の重合において、モノマー組成をアクリル
酸100部とし、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタ
ン0.05部、溶媒としてメタノール100部を用いた
こと以外は実施例1と同様にして樹脂分50%のアクリ
ル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体
100g中の酸性官能基の含有量は1.39mol、
又、GPCで測定した重量平均分子量は80万であっ
た。
【0070】表2の比較例5に示されるように、粘着剤
組成物の調整において、上記アクリル系共重合体溶液2
00部(樹脂分100部)に対し、分子量5000のポ
リエチレングリコール20部を配合して得たアクリル系
溶剤型粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様
にして粘着テープを作成した。
【0071】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0072】(比較例6)
【0073】表2の比較例6に示されるように、実施例
6で用いたのと同様のアクリル系共重合体エマルジョン
に長鎖有機酸及び粘着付与樹脂を配合しなかったアクリ
ル系エマルジョン型粘着剤組成物を用いたこと以外は実
施例1と同様にして粘着テープを作成した。
【0074】得られた粘着テープの性能を実施例1と同
様にして評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】表1に示されたとおり、この発明による実
施例1〜6のアクリル系粘着剤組成物は中性及び酸性の
水には溶解しないがアルカリ性の水には完全に溶解する
と共に、凹凸面追従性にも優れている。又、実施例1〜
3のアクリル系粘着剤組成物はボールタック、粘着力と
も比較的低く再剥離性に優れている。一方、実施例4〜
6のアクリル系粘着剤組成物はボールタック、粘着力と
も高く強粘着性である。これに対し、表2に示されたと
おり、比較例1のアクリル系粘着剤組成物は凹凸面追従
性が悪く、比較例2のアクリル系粘着剤組成物は中性及
び酸性の水にも一部溶解する。又、比較例3及び4のア
クリル系粘着剤組成物はアルカリ性の水に対する溶解性
が不充分か無い。更に、比較例5のアクリル系粘着剤組
成物はアルカリ性の水のみならず中性及び酸性の水にも
溶解すると共に凹凸面追従性も悪い。又、比較例6のア
クリル系粘着剤組成物はボールタック、粘着力とも低く
凹凸面追従性も良くない。
【0078】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明のアルカリ水
溶性粘着剤組成物は、酸性及び中性の水には溶解せずア
ルカリ性の水にのみ容易に溶解する。又、凹凸面追従性
に優れていると共に、ボールタック及び粘着力は低い範
囲から高い範囲まで巾広く設定出来るので、広範囲の用
途の粘着加工製品に好適に使用出来るものである。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルカリ水溶性粘着剤組成物の凹
凸面追従性を評価する方法を示す断面図である。
【図2】本発明によるアルカリ水溶性粘着剤組成物の凹
凸面追従性を評価する方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1 粘着テープ 2 基材(PETフィルム) 3 粘着剤層 4 プリント基板 5 銅箔 6 ガラスエポキシ基板 7 クリアランス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共重合体100g中に酸性官能基を0.
    13〜1.00mol含有する(メタ)アクリル系共重
    合体に、アルカリ水溶性の長鎖有機酸及び/又はアルカ
    リ水溶性の粘着付与樹脂が含有されていることを特徴と
    するアルカリ水溶性粘着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001240830A (ja) * 2000-02-28 2001-09-04 Saiden Chemical Industry Co Ltd 粘着剤組成物および表面保護フィルム
WO2008146884A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-04 Nippon Mektron, Ltd. 配線基板のめっき方法及び配線基板
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