JPH07145188A - リボフラノシド誘導体 - Google Patents

リボフラノシド誘導体

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JPH07145188A
JPH07145188A JP6184519A JP18451994A JPH07145188A JP H07145188 A JPH07145188 A JP H07145188A JP 6184519 A JP6184519 A JP 6184519A JP 18451994 A JP18451994 A JP 18451994A JP H07145188 A JPH07145188 A JP H07145188A
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良治 野依
Yoshihiro Hayakawa
芳宏 早川
Keiichi Uchida
啓一 内田
Arata Yasuda
新 安田
Yoshitomi Morisawa
義富 森澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】含フッ素ヌクレオシド類およびその合成中間体
として有用である3位にフッ素原子を有するリボフラノ
シド誘導体を提供する。 【構成】化1で表される3−デオキシ−3−フルオロ−
D−リボフラノシド誘導体(ただし、Rはプリン系核酸
塩基類の残基、水酸基、アルコキシ基、あるいはフッ素
原子を除くハロゲン原子を表し、R12 は水素原子あ
るいは保護基を表す)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素原子を有するリボ
フラノシド誘導体(含フッ素リボフラノシド類および含
フッ素ヌクレオシド類)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素原子を有する糖は、医薬や生化学
用薬剤などの重要な構成単位として、また糖自身がもつ
生理活性の面から近年注目されている。たとえば、含フ
ッ素糖を有するヌクレオシドは抗ウィルス剤や抗腫瘍剤
として知られている。具体的には、2−デオキシ−2,
2−ジフルオロ−リボフラノシド誘導体(特開昭59−17
5498号公報参照)や3−デオキシ−3−フルオロ -α−
D−キシロフラノシド誘導体(J.A,Wright他, Carbohyd
rate Research,18, 345-347(1971),およびY,Fouron他,
J.Org.chem., 39 ,1564-1570(1974)参照)が知られてい
る。また、3−デオキシ−3−フルオロ−D−アラビノ
ース類およびそれを用いて3’−デオキシ−3’−フル
オロウリジンを製造する方法も知られている(G.Kowoll
ik他,J.CARBOHYDRATES・NUCLEOSIDES・NUCLEOTIDES,2(3),
191-195(1975) )。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フッ素原子は水酸基に
比較して炭素原子に対する結合力が極めて大きく、不活
性で、かつ疎水性であり、しかも水酸基に近似した原子
サイズを有する。したがって、糖の水酸基をフッ素原子
に置換すると代謝括抗作用などの面で優れた効果を期待
しうる。一方、糖としては、ヌクレオシドの構成単位で
あるリボースや2−デオキシリボースが応用範囲が広
い。しかし、上記公知の含フッ素糖は、リボースや2−
デオキシリボースの水酸基の立体的位置のみにフッ素原
子が置換されていない。たとえば、2−デオキシ−2,
2−ジフルオロリボフラノシド誘導体であっては本来水
酸基の存在しなかった位置にもフッ素原子が存在し、3
−デオキシ−3−フルオロ−β−D−キシロフラノシド
誘導体(下記式 [III]参照)にあっては、リボースの水
酸基の存在する位置にフッ素原子が存在していない。
【0004】
【化2】
【0005】さらに、3−デオキシ−3−フルオロ−D
−アラビノース類から3’−デオキシ−3’−フルオロ
ウリジンを製造する方法においては、D−アラビノース
類の2’位の水酸基とウラシルの2位の炭素原子との間
が結合した中間体を経由することが必要であること、お
よびその後に糖の2’位の水酸基の位置の転換が必要な
ことより、この方法により製造できるヌクレオシドの種
類が限定される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、リボースの
3位の水酸基の立体的位置にフッ素原子を導入すべく研
究検討した結果、新規な含フッ素糖である3−デオキシ
−3−フルオロ−D−リボフラノシド誘導体の製造法を
見い出すに至った。この方法で得られる含フッ素糖は含
フッ素ヌクレオシド類の合成中間体として有用であり、
それを糖部分とする含フッ素ヌクレオシド類を容易に製
造することができる。本発明はこの方法で合成すること
のできた下記新規なリボフラノシド誘導体である。
【0007】下記式[I]で表される3−デオキシ−3
−フルオロ−D−リボフラノシド誘導体。ただし、式
[I]においてRはプリン系核酸塩基類の残基、水酸
基、アルコキシ基、あるいはフッ素原子を除くハロゲン
原子を表し、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子ある
いは保護基を表す。また、Rがプリン系核酸塩基類の残
基の場合、Rはβ位に結合している。
【0008】
【化3】
【0009】上記式[I]で表される3−デオキシ−3
−フルオロ−D−リボフラノシド誘導体はRがプリン系
核酸塩基類の残基の場合は含フッ素ヌクレオシド類であ
り、Rが他の場合はこの含フッ素ヌクレオシド類合成の
中間体として有用な含フッ素リボフラノシド類である。
Rがプリン系核酸塩基類の残基の場合は、Rの位置はβ
位(前記式[I]において図上方)にある。Rが他の場
合はその位置はα位であってもよく、その位置がβ位で
ある化合物とα位である化合物の混合物となってもよ
い。
【0010】Rがプリン系核酸塩基類の残基の場合、そ
れはプリン残基や置換基を有するプリン残基であり、た
とえばアデニン系核酸塩基類の残基やグアニン系核酸塩
基類の残基からなる。具体的には、たとえばアデニン、
グアニン、2-フルオロアデニンなどの化合物から環の窒
素原子に結合した水素原子を除いた残基である。特にア
デニン残基が好ましい。
【0011】Rがアルコキシ基あるいはフッ素原子を除
くハロゲン原子の場合、そのアルコキシ基としては、低
級アルコキシ基(炭素数4以下のものをいう)、特にメ
トキシ基、が好ましい。フッ素原子を除くハロゲン原子
は、塩素原子、臭素原子、あるいはヨウ素原子であり、
特に臭素原子が好ましい。式[I]において、R1 とR
2 は水素原子あるいは保護基からなり、最終的にはR1
とR2 はいずれも水素原子からなる。R1 とR2 が保護
基である式[I]で表される化合物は脱保護により容易
にR1 とR2 が水酸基である式[I]で表される化合物
に変換できる。しかし式[I]で表される3−デオキシ
−3−フルオロ−D−リボフラノシド誘導体からさらに
誘導体を合成する場合にはR1 やR2 が保護基である化
合物を用いることができる。R1 とR2 が保護基である
場合、両者は互いに異なっていてもよい。
【0012】水酸基の保護基である場合のR1 とR2
および後述のR4 とR5 は公知の水酸基の保護基が適当
である。たとえば、トリオルガノシリル基、アシル基、
アルアルキル基などがある。トリオルガノシリル基にお
ける有機基としてはアルキル基、アリール基、アルアル
キル基がある。アリール基やアルアルキル基の芳香核は
アルキル基やアルコキシ基などの置換基を有していても
よい。このアルキル基としては炭素数6以下、特に4以
下のアルキル基が好ましく、アリール基としてはフェニ
ル基が好ましく、アルアルキル基としてはベンジル基が
好ましい。また、ケイ素原子に結合する3個の上記有機
基は同一でも互いに異なっていてもよい。
【0013】保護基としては具体的には、たとえば、ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメ
チルシリル基、フェニルジメチルシリル基、アセチル
基、ベンゾイル基、ベンジル基、トリチル基、トリス
(p-メトキシフェニル)メチル基などがある。さらに、
ある場合には、アルキル基を保護基として使用しうる。
このアルキル基としては低級アルキル基、特にメチル基
が適当である。
【0014】Rが水酸基、アルコキシ基、あるいはフッ
素原子を除くハロゲン原子である本発明の化合物は種々
の含フッ素ヌクレオシド類の合成中間体として有用であ
る。すなわち、そのRを種々の核酸塩基類の残基に容易
に変換できる。たとえば前記公知例に記載の3’−デオ
キシ−3’−フルオロウリジンをこの合成中間体から容
易に合成できるのみならず、他のピリミジン残基の導入
も下記プリン残基の導入と同様に容易である。また、R
がプリン系核酸塩基類の残基である本発明の化合物は、
抗ウィルス剤や抗腫瘍剤などの生理活性物質として有用
である。
【0015】本発明の式[I]で表される3−デオキシ
−3−フルオロ−D−リボフラノシド誘導体は、次の方
法で合成することができる。すなわち、式[II]で表され
るフラノシド誘導体をフッ素化して式[I']で表されるリ
ボフラノシド類を合成することができる。この式[I']で
表されるリボフラノシド類は[I]で表される化合物の
1種である。また、式[I']で表されるリボフラノシド類
にプリン系核酸塩基類の残基を導入することにより、R
がプリン系核酸塩基類の残基である式[I]で表される
3−デオキシ−3−フルオロ−D−リボフラノシド誘導
体が得られる。この場合、後述するようにフッ素化反応
で得られた式[I']で表されるリボフラノシド類とプリン
系核酸塩基類残基の導入のための出発原料である式[I']
で表されるリボフラノシド類とは、特に保護基の種類の
点で異なるものであることが好ましい。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】ただし、式[I']、式[II]において、R3
Rと同じアルコキシ基あるいはフッ素原子を除くハロゲ
ン原子であり、R4 とR5 はいずれも水酸基の保護基で
ある。Yは水素原子あるいは脱離基を表す。R3 はフッ
素化反応においてはアルコキシ基であることが好まし
い。
【0019】フッ素化反応において2位や3位の水酸基
部分がフッ素化等の影響を受けないためにはR4 とR5
はいずれも保護基である必要がある。R4 とR5 はそれ
ぞれ対応する保護基である場合のR1 とR2 と同じ保護
基であってもよく、他の保護基であってもよい。同様の
理由でR3 はアルコキシ基であることが好ましい。ま
た、その位置はβ位であることが好ましい。
【0020】上記のようにR4 とR5 はいずれも水酸基
の保護基であり、両者は同一であっても異っていてもよ
い。そのうち、R5 はアルキル基やアルアルキル基が好
ましく、特にベンジル基などのアルアルキル基が好まし
い。R4 はアルキル基以外の保護基、たとえばトリアル
キルシリル基やアルアルキル基が好ましく、特にt-ブチ
ルジメチルシリル基が好ましい。
【0021】Yは水素原子であってもよいが、3位に結
合した水酸基のフッ素化は必ずしも容易ではなく、好ま
しくは脱離基を導入した後フッ素化が行われている。こ
の脱離基は3位の水酸基を活性化した後フッ素化を容易
にする基であり、たとえば、メタンスルホニル基、トリ
フルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル
基、イミダゾリルスルホニル基、アセチル基、トリメチ
ルシリル基などがある。特にトリフルオロメタンスルホ
ニル基が活性化作用が高く、好ましい脱離基として使用
される。
【0022】出発原料である前記式[II]で表されるフラ
ノシド誘導体は立体特異的に合成される必要がある。ま
た、3位の水酸基を除く他の水酸基はフッ素化反応を受
けないように選択的に保護されていなくてはならない。
これらの理由により、式[II]で表されるフラノシド誘導
体は下記の経路で合成されることが好ましい。なお、こ
の場合のR3 はアルコキシ基であるとする。
【0023】
【化6】
【0024】R6 はアルキリデン基を表し、炭素数7以
下のアルキリデン基が好ましく、特にイソプロピリデン
基が好ましい。式(1) の化合物は3位と5位の水酸基が
このアルキリデン基で保護されたβ−D−キシロフラノ
シド誘導体であり、この化合物の2位の水酸基を前記R
5 、特にベンジル基、で保護して式(2) で表されるキシ
ロフラノシド誘導体とする。次にR6 を外して、3位と
5位の水酸基を脱保護する。この脱保護は酸触媒存在下
で容易に行いうる。
【0025】酸触媒としては硫酸や塩酸などの無機酸や
酢酸などの有機酸を使用しうるが、酢酸を用いるのが簡
便である。このとき、R5 は脱離してはならず、したが
って前記のような保護基が採用される。得られた式(3)
で表される化合物の5位の水酸基を選択的に保護基R
4 、特にt-ブチルジメチルシリル基で保護することによ
り、式(4) で表される化合物が得られる。
【0026】次に、3位の水酸基に脱離基Y’を導入し
て目的とする式(5) で表される化合物を得る。これら式
(4) および(5) で表される化合物は前記式[II]で表され
る化合物の1種である。このような反応経路を採用する
理由は、2位と3位の水酸基の反応性が近似しているた
め、2位の水酸基のみに保護基を導入する必要があるこ
と、および3位の水酸基の立体位置を保持させる必要が
あることによる。
【0027】式[II]で表されるフラノシド誘導体をフッ
素化して3位にフッ素原子を導入する反応は、フッ素化
剤を用いて行われる。フッ素化により式[I']で表される
リボフラノシド類が得られる。この反応時下記のように
式[II]で表される化合物におけるR4 とR5 の一部〜全
部が脱保護され、水素原子であってもよい対応するR1
とR2 になる。
【0028】フッ素化剤としては、公知のフッ素化剤を
使用しうるが、特にフッ素化テトラアルキル(あるいは
アルアルキル)アンモニウムが適当である。アルキル基
としては低級アルキル基、アルアルキル基としてはベン
ジル基が適当であり、4個のアルキル基やアルアルキル
基は異っていてもよく、アルキル基とアルアルキル基の
両者からなっていてもよい。好ましくは、フッ素化テト
ラブチルアンモニウムが使用される。これらフッ素化剤
は通常テトラビドロフランなどの不活性溶媒に溶解して
使用される。フッ素化反応は通常不活性溶媒中数十度以
下の温度で行われ、特に約 0℃〜室温下で行われること
が好ましい。
【0029】前記式[II]で表されるフラノシド誘導体を
フッ素化することにより、フッ素原子がOY基の立体的
に反対の側に結合し、OYが脱離する。通常、このフッ
素化と同時に、5位の水酸基の保護基が外れ、R1 が水
素原子である式[I']で表される3−デオキシ−3−フル
オロ−D−リボフラノシド類が得られる。その後必要に
より2位の保護基R2 を脱保護することができる。
【0030】式[I']で表される3−デオキシ−3−フル
オロ−D−リボフラノシド類にプリン系核酸塩基類残基
の導入を行うことにより、Rがプリン系核酸塩基類残基
である前記式[I]で表される3−デオキシ−3−フル
オロ−D−リボフラノシド誘導体が得られる。この反応
を行う際、2位と5位の水酸基は通常保護されている必
要がある。したがって、前記フッ素化反応で得られた式
[I']で表される化合物の2位や5位の水酸基が保護され
ていない場合には、その保護をまず行う。上記のように
フッ素化反応では通常は5位の水酸基が保護されていな
い化合物が生成するためこの5位の水酸基の保護を行
う。また、前述のように2位の水酸基の保護基が脱保護
しにくい保護基(たとえば、ベンジル基)である場合に
はこの段階で脱保護しやすい保護基に変換しておくこと
が好ましい。すなわち、5位が水酸基である状態で2位
の水酸基の脱保護を行い、次いで2位と5位の水酸基を
保護することが好ましい。
【0031】具体的には、たとえば前記式(5) で表され
る化合物のフッ素化により下記式(6) で表される化合物
を得て、次に、2位の水酸基を脱保護し、下記式(7) の
ジオールとする。2位の水酸基の保護基R5 の脱離は水
素添加などによって行われる。たとえば、R5 がベンジ
ル基の場合、パラジウム黒などを触媒として水素添加に
より脱離される。その後2位と5位の水酸基を再び保護
する。この保護基としては、アセチル基やベンゾイル基
などのアシル基を採用しうる。
【0032】
【化7】
【0033】核酸塩基類の残基の導入は種々の方法で行
いうる。たとえば、前記Wrightの文献に記載の方法など
を採用しうる。この方法は、1位の水酸基やその誘導基
を臭素原子に置換し、この水素原子を核酸塩基類の残基
に置換する方法である。具体的には、上記式(7) で表さ
れる化合物の2個の水酸基を保護し、これを臭化水素−
酢酸溶液でそのR3 を臭素原子に変換し、次いでこのブ
ロミドと6−ベンズアミノプリンなどの反応性プリン誘
導体とをシアン化第2水銀存在下ニトロメタン中で反応
させて臭素原子をプリン残基に置換する。最後に保護基
を外すことにより、式[I]で表される含フッ素ヌクレ
オシド類が得られる。なお、この核酸塩基類の残基の導
入はピリミジン系核酸塩基類の残基の導入についても同
様に行うことができる。
【0034】以下、本発明は実施例等により具体的の説
明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではな
い。なお、合成例は、前記式[II]で表される化合物の合
成例であり、実施例1は式[II]で表される化合物のフッ
素化とその生成物である式[I']で表される化合物(より
具体的には前記式(6) で表される化合物)の例であり、
実施例2は実施例1の生成物より本発明の含フッ素ヌク
レオシド類を合成する例である。また、参考例1〜2は
前記式(6) で表される本発明の化合物から本発明以外の
含フッ素ヌクレオシド類を合成する例であり、本発明の
この化合物を合成中間体として他の含フッ素ヌクレオシ
ド類も容易に合成できることを示す。
【0035】
【実施例】
[合成例1]メチル 2-O-ベンジル-3,5-O- イソプロピ
リデン−β−D-キシロフラノシド[式(2) において、R
3 がメトキシ基、R5 がベンジル基、R6 がイソプロピ
リデン基である化合物]の合成。
【0036】メチル 3,5-O-イソプロピリデン−β−D-
キシロフラノシド 12.6g(61.6mmol)と、酸化銀(15.0g)
の N,N- ジメチルホルムアミド懸濁液にベンジルブロミ
ド(21.1g) を加え、室温で36時間撹拌した。反応液を濾
過し、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水
で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。カラ
ムクロマトグラフ精製して、ベンジルエーテル12.6g(収
率69%)を得た。
【0037】1H-NMR(CDCl3):δ 1.38(s,6H),3.41(s,3
H),3.8-4.5(m,5H),4.59(s,2H),4.98(s,1H),7.32(s,5H)
【0038】[合成例2]メチル 2-O-ベンジル−β−
D-キシロフラノシド[式(3) において、R3 がメトキシ
基、R5 がベンジル基である化合物]の合成。
【0039】メチル 2-O-ベンジル−3,5-O-イソプロピ
リデン−β−D-キシロフラノシド 30.1g(0.10mol) を酢
酸(60ml)−水(24ml)溶液に溶解し、50℃の湯浴上で1時
間反応させた。湯浴を50℃に保ったままで低沸点物を溜
出させた。カラムマトグラフで精製し、ジオール20.9g
(収率80%)を得た。 Rf 0.40(ベンゼン−酢酸エチル=1:1)。
【0040】[合成例3]メチル 2-O-ベンジル−5-O-
t-ブチルジメチル−β−D-キシロフラノシド[式(4) に
おいて、R3 がメトキシ基、R4 がt-ブチルジメチルシ
リル基、R5 がベンジル基である化合物]の合成。
【0041】合成例2で得られたジオール20.9g(82mmo
l) を、N,N-ジメチルホルムアミド(80ml)に溶解し、イ
ミダゾール(16.8g) を加えた。この溶液に、t-ブチルジ
メチルクロロシラン12.4g のN,N-ジメチルホルムアミド
(60ml)溶液を0℃で30分かけて滴下した。3時間撹拌の
後常法に従い後処理した。カラムクロマトグラフ精製し
て、シリルエーテル30.2g(収率 100%)を得た。
【0042】1H-NMR(CDCl3):δ 0.10(s,6H),0.91(s,9
H),3.37(s,3H),3.9-4.1(m,3H),4.2-4.4(m,3H),4.61(s,2
H),4.93(s,1H),7.32(s,5H)。
【0043】[実施例1]メチル 2-O-ベンジル-3- デ
オキシ-3- フルオロ−β−D−リボフラノシド[式(6)
において、R3 がメトキシ基、R5 がベンジル基である
化合物]の合成。
【0044】前記合成例3で合成したメチル 2-O-ベン
ジル-5-O-t- ブチルジメチルシリル−β−D-キシロフラ
ノシド13.0g(35.0mmol) のジクロロメタン(80ml)溶液に
2,6-ルチジン11.4g を加え0℃に冷却した。ここへ無水
トリフルオロメタンスルホン酸(20.0g) を15分かけて滴
下し、さらに30分反応させた。氷を加えて後処理し、シ
ョートカラムクロマトグラフで粗生成物を16.8g1を取り
出した。
【0045】この粗生成物をテトラヒドロフラン(60ml)
に溶解し、フッ素化テトラブチルアンモニウムのテトラ
ヒドロフラン溶液(f=1.0)92ml を0℃で20分かけて滴下
した。0℃で24時間、室温で3時間撹拌の後、テトラヒ
ドロフランを溜去し、飽和硫酸アンモニウム水溶液で処
理した。カラムクロマトグラフ精製し、標記のフッ素化
体を5.4g得た。
【0046】19F-NMR(CDCl3):(CCl3F 基準) -207.1(dd
d,j=53.7,22.0,13.4Hz)。1 H-NMR(CDCl3):δ 3.47(s,3H),4.0-4.2(m,2H),4.55(s,2
H),4.6-5.2(m,5H),7.33(s,5H) 。 IR(CHCl3) 3300cm-1
【0047】[実施例2]9-(3- デオキシ-3- フルオロ
−β−D-リボフラノシル)アデニン[式[I]におい
て、Rがβ位の結合したアデニン残基であり、R1 とR
2 が水素原子である化合物]の合成。
【0048】実施例1で合成したベンジルエーテル5.4g
(21.1mmol)をエタノール70mlに溶解し、5%−パラジウ
ム黒5.5g存在下、室温、常圧で水素添加した。10時間後
セライト545 を通し濾過して濃縮した。
【0049】粗生成物をピリジン35mlに溶解し、ベンゾ
イルクロリド6.1gを加え室温で36時間反応させた。ビリ
ジン留去後、カラムクロマトグラフ精製し、メチル 2,
5-ジ-O- ベンゾイル-3- フルオロ−β−D-リボフラノシ
ドを2.2g得た。このジベンゾイル体は式(7) の化合物
(R3 はメトキシ基)の2位と5位の水酸基をベンゾイ
ル基で保護した化合物である。19 F-NMR(CDCl3):(CCl3F 基準) -211.6(ddd,j=53.2,18.
1,4.9Hz) 。
【0050】このジベンゾイル体2.2g(5.9mmol) を酢酸
(15ml)−無水酢酸(0.4ml) に溶解した。ここに30%臭化
水素−酢酸溶液を加えて室温で3時間撹拌した。酢酸、
無水、酢酸などを完全に溜去後、ニトロメタン(10ml)に
溶解し、アデニンモノベンゾエート1.3gのニトロメタン
溶液(80ml)に加え、さらにシアン化第2水銀2g を加
え、1時間加熱還流した。ニトロメタンを溜去後、30%
ヨウ化カリウム水溶液と水で洗浄し濃縮した。ショート
カラムクロマトグラフで粗分離し、次の反応に用いた。
【0051】トリベンゾイル体 1.29gをメタノール(38m
l)に溶解し、ここに1Mナトリウムメトキシド−メタノー
ル溶液を加え、1時間加熱還流した。メタノールを溜去
後、水(40ml)を加え、2N酢酸水溶液で中和した。水層を
クロロホルムで抽出し、有機物を除去した後、濃縮し
た。99.5%エタノールから再結晶し、最終生成物である
標記のフルオロアデノシン0.60g を得た。
【0052】19F-NMR(CD3SOCD3):(CCl3F基準) -197.8(d
t,=54.4,27.1Hz) 。1 H-NMR(CD3SOCD3): δ 3.6-3.7(m,2H),4.29(dt,J=27.6,
3.7Hz,1H),4.8-5.0(m,1H),5.09(dd,J=54.4,4.2Hz,1H),
5.69(dd,J=7.3,4.9Hz,1H),5.89(d,J=6.3Hz,1H),5.93(d,
J=8.1Hz,1H),7.39(s,2H),8.13(s,1H),8.36(s,1H) 。13 C-NMR(CD3SOCD3):δ 61.1(d,J=12.2Hz,C-5),72.0(d,J
=15.9Hz,C-2),83.9(d,J=22.0Hz,C-4),86.9(C-1),93.1
(d,J=181.8Hz,C-3),119.4(C-5),140.1(C-8),149.1(C-
4),152.4(C-2),156.2(C-6)。 IR(KBr 錠剤) 3300,1650 cm-1。 融点 205.6 ℃。
【0053】[参考例1]1-(3- デオキシ-3- フルオロ
−β-D- リボフラノシル)ウラシル[式[I]におい
て、Rがβ位に結合したウラシル残基であり、R1 とR
2 が水素原子である化合物]の合成。
【0054】実施例2と同様にジベンゾイル体を合成
し、この0.40g (1.1mmol) を酢酸(1.8ml)-無水酢酸(0.0
8ml)に溶解した。ここに30%臭化水素−酢酸溶液(5.8m
l) を加え室温で3時間撹拌した。酢酸、無水酢酸など
を完全に溜去後、ニトロメタン(5ml) に溶解し、ウラシ
ル(0.11g)、シアン化第2水銀(0.27g) を加え、5時間加
熱還流した。次いでショートカラムクロマトグラフ精製
し、ウラシル化体0.1gを得た。
【0055】19F-NMR(CDCl3):(CCl3F 基準) -210.37(dd
d,j=54.20,25.39,16.00Hz)。 上で得られた生成物をメタノール(3ml) に溶解し、1Mナ
トリウムメトキシド−メタノール溶液(0.49ml)を加え、
1時間加熱還流した。実施例2と同様に後処理し最終生
成物である標記の化合物(非常に吸湿性) を得た(0.04
g) 。
【0056】19F-NMR(CD3COCD3):(CCl3F基準)-220.2(d
dd,J=54.68,27.34,27.17Hz) 。1 H-NMR(CD3COCD3): δ 3.6-3.8(m,2H,H-5'),4.25(dt,J=
2.8,27.3Hz,1H,H-4'),4.2-4.8(m,3H),5.02(dd,J=4.0,5
4.7Hz,1H,H-3'),5.64(d,J=8.1Hz,1H),6.02(d,J=7.9Hz,1
H),7.85(s,1H),7.94 s,1H) 。 IR(KBr錠剤) 3400,1700,1650 cm-1。 融点 205.6 ℃。
【0057】[参考例2]1-(3- デオキシ-3- フルオロ
−β-D- リボフラノシル)-5- フルオロウラシル[式
[I]において、Rがβ位に結合した5-フルオロウラシ
ル残基であり、R1とR2 が水素原子である化合物]の
合成。
【0058】実施例2と同様にジベンゾイル体を合成
し、この 0.60g(1.6mmol) を酢酸(2.8ml)-無水酢酸(0.1
28ml) に溶解した。ここに30%臭化水素−酢酸溶液(8.6
ml) を加え室温で3時間撹拌した。酢酸、無水酢酸など
を完全に溜去後、トルエン(20ml)に溶解し、5-フルオロ
ウラシル水銀(0.62g) のトルエン懸濁液に加えて1時間
加熱還流した。次いでショートカラムクロマトグラフ精
製しウラシル化体0.1gを得た。19 F-NMR(CDCl3):(CCl3F 基準) -161.3(s),-210.4(ddd,j
=59.57,43.94,18.07Hz) 。
【0059】上で得られた生成物をメタノール(4ml) に
溶解し、1Mナトリウムメトキシド−メタノール溶液(0.3
4ml)を加え、1時間加熱還流した。実施例2と同様に後
処理し最終生成物である標記の化合物(非常に吸湿性)
を得た(0.02g) 。
【0060】19F-NMR(CD3COCD3):(CCl3F基準) -173.05
(s),-209.77(ddd,J=54.40,21.48,12.08Hz) 。1 H-NMR (CD3COCD3):δ 3.58(d,J=5.4Hz,2H),3.5-5.1(m,
5H),4.9(dt,J=54.7,4.7Hz,1H),7.62(s,1H),7.70(s,1H)
。 IR(KBr錠剤) 3400,1700,1650 cm-1
【0061】
【発明の効果】Rが水酸基、アルコキシ基、あるいはフ
ッ素原子を除くハロゲン原子である本発明の化合物は種
々の含フッ素ヌクレオシド類の合成中間体として有用で
ある。すなわち、そのRを種々の核酸塩基類の残基に容
易に変換することができる。また、Rがプリン系核酸塩
基類の残基である本発明の化合物は、抗ウィルス剤や抗
腫瘍剤などの生理活性物質として有用であると考えられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 新 神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰2−59−1 (72)発明者 森澤 義富 神奈川県横浜市磯子区杉田3−16−1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表される3−デオキシ−3
    −フルオロ−D−リボフラノシド誘導体。ただし、式
    [I]においてRはプリン系核酸塩基類の残基、水酸
    基、アルコキシ基、あるいはフッ素原子を除くハロゲン
    原子を表し、R1 、R2 は水素原子あるいは保護基を表
    す。また、Rがプリン系核酸塩基類の残基の場合、Rは
    β位に結合している。 【化1】
  2. 【請求項2】プリン系核酸塩基類の残基がアデニン残基
    である、請求項1の誘導体。
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