JPH071448Y2 - コンクリート型枠支持用アンカー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、上積式にコンクリート擁壁を構築する際のコ
ンクリート型枠を牽引し支持するためのコンクリート型
枠支持用アンカーに関する。

［従来の技術］ 従来、コンクリート型枠支持用アンカーとしては、例え
ば実公昭60−1171号、実公昭63−19478号公報等が存在
する。

公知のコンクリート用アンカーは、金属の丸棒を釘状に
先が尖ったものとなし、頭部に連結部を設けたものが一
般的であった。又上記公報に示すように金属の平板でバ
ー状のものをつくり、先を尖らせて打設コンクリートに
打ち込むものが一般的であった。

［考案が解決しようとする課題］ このようなコンクリート型枠支持用アンカーは、コンク
リート擁壁を構築する場合に、打設コンクリート部のコ
ンクリートが完全に固化しない半固化状態でアンカーを
打ち込み、その後埋入したアンカーが固定されるとコン
クリート型枠をジョイントバーを用いてコンクリート型
枠とアンカーとを連結し不動状に支持させるものである
が、打設コンクリート部にアンカーを打ち込むときは、
多数のものを扱う為に、時間が遅れるとコンクリートが
固まってアンカーの打ち込みが具合いよく行えないこと
がある。

その為アンカーの先を釘状に尖らせて打ち込みを容易確
実に行えるようにすると、引き抜き抵抗が少ない為に、
打ち込み後にアンカーが抜けたり、ぐらついたりするの
を避け得ないという問題がある。その為アンカーの表面
の一部に切り起こし、又は打ち出しにより小片を突出形
成することも行われているが、これらの成形加工に多大
の手間を要しコスト高になるという問題がある。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、アン
カーを打設コンクリートに打ち込む際には、強力に確実
に打ち込めるとともに、打込後は、妄りに抜けたり、ぐ
らついたりしないで、しっかり固定することができ、而
も製作加工が容易で、コスト的にも有利なコンクリート
型枠用アンカーを提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案におけるコンクリー
ト型枠支持用アンカーは、打設コンクリート10の平面部
から上端が突出するように埋入固定されるアンカーロッ
ド１と、コンクリート型枠11への牽引用ジョイントバー
２とを、両者1,2の接合部1a.2aに止着したピン３で揺動
自在に連結するようにしたコンクリート型枠支持用アン
カーであって、金属の丸棒からなるアンカーロッド１の
下端を鈎状に折曲げて該部に鋭角状に尖ったヒジをもつ
フック４を形成するとともに、このフック４のヒジ部分
外周下縁部側を先細のナイフエッジ形の刃体4aとなし、
且つフック４の内周上縁側は広幅面4bに形成してなるも
のである。

［作用］ アンカーロッド１を打設コンクリート10に打ち立てて、
上端部をハンマー等で強く叩打すると、下端のフック４
は、外周下縁部側が先細のナイフエッジ形の刃体4aであ
る為に、コンクリートの面及び層中を切り割りする如
く、突入して所定深さに埋設される。一旦、コンクリー
ト層中に埋設されると、フック４の内周上縁側が広幅面
4bに形成されている為に、それらが引き抜き抵抗として
作用し、これによりアンカーロッド１は上方へ抜け出た
り、又は左右にぐらついたり或いは遊回動するようなこ
とが完全に防止される。

アンカーロッド１は、上端部がコンクリート面より突出
するように打ち込まれ、その後にジョイントバー２を用
いて両者の接合部1a.2aのピン孔1b.2bにピン３を挿入し
て連結し、さらに、ジョイントバー２をコンクリート型
枠11側の金具12に接合して型枠を支持させるものであ
る。

［実施例］ アンカーロッド１は、金属の丸棒材、又は角棒材からな
り、下端のフック４は、第２図又は第３図に示すよう
に、ロッド下端を直角Ｌ形より、さらに鋭角のＶ形とな
るように折り曲げて形成するが、図示例の他に針形であ
ってもよい。

フック４のヒジ部となる部位を左右両側から鍛造して篇
平となし、その外周下縁側を先細のナイフエッジ形とな
るように刃体4aとなす。

又、フック４の内周上縁側は刃体4aの幅より広い広幅面
4bとなす。フック４の先端部4cは、丸棒又は角棒状のま
までよい。

フック４のヒジ部は、硬度をもたせるため、焼入れを行
う。

［考案の効果］ 本考案は、上記のとおり構成されているので、アンカー
ロッド１を打設コンクリート部へ打ち込む際には、鋭角
状に尖ったヒジ部分がフック先端部4cより先に接地して
フック４のヒジ部分外周部側のナイフエッジの刃体4aが
切込みの作用を行う為多少固くなったコンクリートでも
ハンマー等でアンカーロッドの上端を叩打すれば、ナイ
フエッジを打ち込むような手軽さで簡単確実にアンカー
ロッドの打ち込みを行うことができるとともに、アンカ
ーロッドを打設コンクリート部へ打ち込んだ際には、フ
ック４の内周上縁側が広幅面4bに形成されている為に、
引き抜き抵抗が強力に作用して妄りに抜けたり、ぐらつ
いたりするおそれがなく、安定したアンカーロッドの固
定支持を行うことができる。而も金属板材の板面に突起
を打ち出すような加工を要せず、構成簡単、安価に実施
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使用状態を示すコンクリート打設部の
断面図、第２図は分解斜視図、第３図はアンカーロッド
の埋設状態の拡大した側面図、第４図は第３図Ａ−Ａ線
の断面図、第５図は同Ｂ−Ｂ線の断面図、第６図イ．ロ
は同Ｃ−Ｃ線の断面図である。 １…アンカーロッド、２…ジョイントバー ３…ピン、４…フック 4a…刃体、4b…広幅面 10…打設コンクリート部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】打設コンクリート10の平面部から上端が突
   出するように埋入固定されるアンカーロッド１と、コン
   クリート型枠11への牽引用ジョイントバー２とを、両者
   1.2の接合部1a.2aに止着したピン３で揺動自在に連結す
   るようにしたコンクリート型枠支持用アンカーであっ
   て、金属の丸棒からなるアンカーロッド１の下端を鈎状
   に折曲げて該部に鋭角状に尖ったヒジをもつフック４を
   形成するとともに、このフック４のヒジ部分外周下縁部
   側を先細のナイフエッジ形の刃体4aとなし、且つフック
   ４の内周上縁側は広幅面4bとしてなることを特徴とする
   コンクリート型枠支持用アンカー。