JPH07144862A - 乗客コンベアの移動手摺駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、乗客コンベア（エスカレ―
タあるいは動く歩道）の移動手摺の速度変化の異常をす
みやかに検知し、乗客コンベアの安全を確保することに
ある。 【構成】 本発明では、スプロケットの近傍に中継アイ
ドラ―の回転軸に沿ってそれぞれ設けられた回転検出用
のマ―クを、それぞれセンサにより逐次検出し、これら
センサからの回転検出信号により前記回転軸のねじれを
検出するようにする。さらに、回転軸のねじれを検出し
た際には、警報を発するかもしくは乗客コンベアを停止
させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エスカレ―タ或いは動
く歩道において、移動手摺に速度異常が生じた場合に警
報を発したり運転を停止せしめたりして危険を防止する
目的で、該移動手摺の速度変化を検出する乗客コンベア
の移動手摺駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来乗客コンベアの一種であるエスカレ
―タの移動手摺駆動装置は、エスカレ―タの据付スペ―
スを出来るだけ小さくして建屋内の有効面積を広げ、建
屋内の効率的な活用を図ろうとする社会的要求が多く、
この為にエスカレ―タの幅及び深さ共に小形化すること
ができる直線手摺駆動方式のものの採用が多くなってき
た。

【０００３】この直線手摺駆動方式のものを図４を用い
て簡単に説明すると、まず図中１はエスカレ―タ本体を
構成するトラス、２はそのトラス１内の左右上下段に配
設した前後輪用ガイドレ―ル３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂに
沿って走行可能に設けられた踏段で、この踏段２は図示
しないが左右の踏段チェ―ンを介して多数連結されて無
端コンベア状に配列されている。図中５はトラス１の上
階側水平部内の端部寄りに設置された踏段駆動部を示
し、ここには図示省略したがモ―タ・減速機並びに左右
踏段チェ―ン駆動スプロケットなどがある。図中６は左
右の欄干外周を通ってそれぞれトラス１内に引き通され
た無端状の移動手摺６である。この左右の移動手摺６が
以下に述べる手摺駆動装置により駆動されて踏段２と同
期して回転するようになっている。

【０００４】以下、その手摺駆動装置は各構成が左右対
称的にトラス１内に配するので、その片側のものについ
てのみ説明する。まず前記踏段駆動部５の踏段チェ―ン
駆動スプロケットと同軸的に一体に回転する手摺駆動ス
プロケット７が設けられている。このスプロケット７に
第１の手摺駆動チェ―ン８を介して連動する中継アイド
ラ―９が前記トラス１の水平部内の傾斜部側寄り位置に
設けられている。この中継アイドラ―９は前記上下段の
前輪用ガイドレ―ル３ａ，３ｂの相互間位置で前記第１
の手摺駆動チェ―ン８が巻き掛けられて回転する内側中
継スプロケット９ａと、これにより外側に同軸的に設け
た外側中継スプロケット９ｂとを有し、この外側中継ス
プロケット９ｂに第２の手摺駆動チェ―ン10がそれぞれ
巻き掛けられている。

【０００５】この外側中継スプロケット９ｂに巻き掛け
られた第２の手摺駆動チェ―ン10は、先ずトラス１の傾
斜部内に設けたアイドラ11に巻き掛けられてから上方に
立ち上げられ、その上方に前記移動手摺６の上面に沿っ
て一直線上に列設された複数個の手摺駆動輪12とそれぞ
れ同軸の各スプロケット13及びそれらの中間アイドラ―
14に次々と巻き掛けられ、更に下方に降ろされてテンシ
ョナ15の緊張車15ａに巻き掛けられて戻されている。そ
してこの第２の手摺駆動チェ―ン10の回転により前記各
手摺駆動輪12を回転して移動手摺６を摩擦駆動するよう
になっている。またその各手摺駆動輪12の摩擦駆動力が
確実に移動手摺６に伝わるように、各手摺駆動輪12に対
して下側から移動手摺６を挟んで対向配置して該各駆動
輪12に移動手摺を圧接せしめる複数個の転動軸16が設け
られている。

【０００６】ここで、前記トラス１は左右それぞれ山形
鋼よりなる上弦材１ａと下弦材１ｂ、及びその上弦材１
ａと下弦材１ｂとの相互間に掛け渡したチャンネル形鋼
等よりなる多数の縦材１ｃで構成されている。それら各
適当位置の縦材１ｃに前記中継アイドラ―９やアイドラ
―11やテンショナ15が個々に取付け支持されている。

【０００７】また前記トラス１は左右幅寸法が広がらな
いように、しかも前記上段の前輪用ガイドレ―ル３ａの
外側上方に配する各手摺駆動輪12及びこれと各々同軸の
スプロケット13の設置幅Ｅを確保する為に、山形鋼より
なる上弦材１ａの内折れ部が長さＦに亘って切欠され、
そこに補強を兼ねて厚板17が溶接固定され、この厚板17
に対してボルト止め等により固定される駆動輪フレ―ム
18を介して前記各手摺駆動輪12及びその各スプロケット
13並びに中間アイドラ14―が設けられている。

【０００８】前記各転動輪16は２個ずつトラス１の縦材
１ｃに対して上下動可能に摺嵌した転動輪フレ―ム19に
それぞれ回転自在に装着して取付けられ、その下側に縦
材１ｃに固定した取付フレ―ム20を介してスタッド21と
押し上げばね22が設けられて、これに押し上げられて各
手摺駆動輪12に対する移動手摺６の挾圧力を得るように
なっている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手摺駆
動部における移動手摺６と手摺駆動輪12との間の摩擦力
が挾圧力の変動，環境変化あるいは走行抵抗の増大など
によりスリップし、移動手摺６の移動速度が変化する場
合があり、この様な場合に、本来は同期して同一速度で
移動するはずの踏段２と移動手摺６が同期しなくなり、
踏段上の乗客の姿勢が不安定となる問題があった。

【００１０】そこで本発明は、乗客コンベア（エスカレ
―タあるいは動く歩道）の移動手摺の速度変化の異常を
すみやかに検知し、乗客コンベアの安全性の向上を図る
ことにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために、乗客コンベアの本体フレ―ム内に配する
踏段駆動部に第１手摺駆動チェ―ンを介して連動する中
継アイドラ―と、この中継アイドラ―に第２手摺駆動チ
ェ―ンを介して連動回転し前記移動手摺を摩擦駆動する
手摺駆動部とを備え、前記中継アイドラ―はその回転軸
の両端部にそれぞれスプロケットを取り付け、これらス
プロケットに前記第１及び第２の手摺駆動チェ―ンを掛
け渡す乗客コンベアの移動手摺駆動装置において、前記
スプロケットの近傍に前記中継アイドラ―の回転軸に沿
ってそれぞれ設けられる回転検出用のマ―クと、このマ
―クをそれぞれ検出するセンサとを備え、これらセンサ
からの回転検出信号により前記回転軸のねじれを検出す
るようにした乗客コンベアの移動手摺駆動装置を提供す
る。

【００１２】

【作用】以上の構成により、本発明では、スプロケット
の近傍に中継アイドラ―の回転軸に沿ってそれぞれ設け
られた回転検出用のマ―クを、それぞれセンサにより逐
次検出し、これらセンサからの回転検出信号により前記
回転軸のねじれを検出するようにする。さらに、回転軸
のねじれを検出した際には、警報を発するかもしくは乗
客コンベアを停止させるようにする。

【００１３】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。ここで従来と同じ構成部分は図４を参照することと
し、同符号にて説明する。図１及び図２に示すように、
本発明の手摺駆動装置においては、中継アイドラ―９の
回転軸の電動機側から連動される内側中継スプロケット
９ａ近傍及び手摺駆動部側から連動される外側中継スプ
ロケット９ｂ近傍に各々回転検出マ―ク24を取付け、前
記回転検出マ―ク24を確実に検出できる位置にセンサ23
をそれぞれ配置する。

【００１４】ここで、前記回転検出マ―ク24は図２に示
すように等ピッチに配置するような構成としている。こ
のように構成することによって回転検出マ―ク24をセン
サ23により検出させ、センサ23よりパルス信号を発生さ
せる。

【００１５】通常状態においては内側中継スプロケット
９ａ側の回転検出信号と外側中継スプロケット９ｂ側の
回転検出信号は同期している。しかし、移動手摺６の走
行状態に異常が生じると中継アイドラ―９の回転軸にね
じれが発生し、本来同期すべき双方の回転検出信号にず
れが生じることになる。

【００１６】この回転検出信号のずれの出力が一定の許
容値を越えかつ少なくとも連続して２回以上続いた場合
にこれを異常と判断し、異常出力を発生させ制御装置
（図示しない）との連動により警報を発したり、エスカ
レ―タを停止させるようにする。

【００１７】図３は、異常検出時の動作説明図である。
内側中継スプロケット９ａ側のセンサ23ａからの回転検
出信号及び外側中継スプロケット９ｂ側のセンサ23ｂか
らの回転検出信号が同期せずにずれが生じた場合には、
出力信号のオン時間が通常時より長くなり、この状態が
２度連続で検出されると、異常出力信号が出力される。

【００１８】本実施例においては、移動手摺の走行状態
に異常が生じたときにこれを速やかに検知することで警
報を発したり、エスカレ―タを停止させ乗客の安全を確
保することができ、より安全性の向上した乗客コンベア
を提供することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば簡素な構造により乗客コ
ンベア（エスカレ―タあるいは動く歩道）の移動手摺の
速度変化を常に正しく把握することができるようにな
り、さらに乗客の安全を守るのに非常に有利となる。さ
らに制御装置と連動させ、注意放送や乗客コンベアの停
止制御等と関連づけ、システム的に乗客に注意を促すこ
とができ、より高い安全性を確保できる。また、構成が
簡単でコンパクトなため取付け並びに保守点検作業が簡
便にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の移動手摺駆動装置の中継アイドラ―の
構成を示す図である。

【図２】図１のＢ−Ｂ矢視図である。

【図３】本発明の移動手摺駆動装置の動作説明図であ
る。

【図４】従来のエスカレ―タの移動手摺駆動装置の全体
構成図である。

【符号の説明】

１…トラス、５…踏段駆動部、８…第１の手摺駆動チェ
―ン、９…中継アイドラ―、９ａ…内側中継スプロケッ
ト、９ｂ…外側中継スプロケット、10…第２の手摺駆動
チェ―ン、23…センサ、24…回転検出マ―ク。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗客コンベアの本体フレ―ム内に配する
   踏段駆動部に第１手摺駆動チェ―ンを介して連動する中
   継アイドラ―と、この中継アイドラ―に第２手摺駆動チ
   ェ―ンを介して連動回転し前記移動手摺を摩擦駆動する
   手摺駆動部とを備え、前記中継アイドラ―はその回転軸
   の両端部にそれぞれスプロケットを取り付け、これらス
   プロケットに前記第１及び第２の手摺駆動チェ―ンを掛
   け渡す乗客コンベアの移動手摺駆動装置において、前記
   スプロケットの近傍に前記中継アイドラ―の回転軸に沿
   ってそれぞれ設けられる回転検出用のマ―クと、このマ
   ―クをそれぞれ検出するセンサとを備え、これらセンサ
   からの回転検出信号により前記回転軸のねじれを検出す
   るようにしたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺
   駆動装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の乗客コンベアの移動手摺
   駆動装置において、前記回転軸のねじれを検出した際に
   は、警報を発するかもしくは乗客コンベアを停止させる
   ようにしたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺駆
   動装置。