JPH07144595A - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】パッドカバーのベースプレートへの簡略な取付
け装置により、構造が簡単で、パッドカバーのベースプ
レートへの取付けも容易でありながら、充分な強度も確
保できる軽量化されたエアバッグ装置を提供する。 【構成】 少なくとも、衝突時に乗員を保護するエアバ
ッグ１と、該エアバッグ１を膨張させるためのガス発生
器２を取り付けるベースプレート３と、該ベースプレー
ト３に固定されて前記エアバッグ１およびガス発生器２
等を収納するパッドカバー４とから成るエアバッグ装置
において、前記ベースプレート３の一部を折り曲げて側
内面部６を形成し、さらに折り返すことによって側外面
部７を形成し、該側外面部７をパッドカバー４の固定孔
１０に挿入して、該側外面部７と前記側内面部６とによ
りパッドカバー末端部５を挟持固定するように構成した
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のステアリング
ハンドル等に取り付けられるエアバッグ装置に係るもの
で、取付板等を介してステアリングホイールに取り付け
られたベースプレートへのパッドカバーの取付け固定装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のエアバッグ装置におい
て、エアバッグおよびガス発生器等を収納するパッドカ
バーをベースプレートに取り付け固定するには、特開昭
５５−１１０６４３号公報、特開昭６３−１８４５４９
号公報、特開平４−２７６３９号公報等に記載されたも
のがある。図４は特開平４−２７６３９号公報に記載さ
れたもので、この例では、エアバッグ２１が取り付けら
れた取付板２３に対し、該エアバッグ２１を被うエアバ
ッグカバー２４が固着されたエアバッグ装置において、
エアバッグ２１、インフレータ２２、リテーナ１８（エ
アバッグ２１を取付板２３に固定するリング状物）を取
り付けた取付板２３の平板部２３Ａの周縁部から起立し
た起立部２６を設け、該起立部２６にエアバッグカバー
２４の側周壁２５を添接して当て板１２で押さえて、こ
れらをリベット１３で貫通固定したもので、「リベット
タイプ」と呼ばれるものである。また、図５は特開昭５
５−１１０６４３号公報に記載されたもので、この例で
は、エアバッグ２１の周囲を被うエアバッグカバー２４
の側周壁２５の周縁が、エアバッグカバー２４の側周壁
２５の内周面に形成された係止溝２８に挿入係止される
係止爪１５を有する爪板１４と、前記エアバッグカバー
２４の側周壁２５の下端面に形成された挿入溝１７に挿
入される取付板２３の規制壁１６とでスナップ止めされ
て取付板２３に固定されるもので、「スナップインタイ
プ」と呼ばれるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにおけるパッドカバーのベースプレート
への取付け装置では、「リベットタイプ」「スナップイ
ンタイプ」共に、リベット、当て板、爪板等複数のプレ
ートや部品を必要とし、構造も複雑であり、そのための
工程数も増大して、作業性が悪化し、重量の増大も招い
た。これが結果的にコストの上昇につながり、また、自
動車のステアリングホイール中央部に取り付けられるエ
アバッグ装置の重量増は、ステアリング回りの慣性モー
メントを大きくし、操縦性能の悪化を招いた。本発明で
は、以上述べてきたような従来のエアバッグ装置におけ
る諸課題を解決して、パッドカバーのベースプレートへ
の簡略な取付け装置により、構造が簡単で、パッドカバ
ーのベースプレートへの取付けも容易でありながら、充
分な強度も確保できる軽量化されたエアバッグ装置を提
供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このため本発明では、少
なくとも、衝突時に乗員を保護するエアバッグと、該エ
アバッグを膨張させるためのガス発生器を取り付けるベ
ースプレートと、該ベースプレートに固定されて前記エ
アバッグおよびガス発生器等を収納するパッドカバーと
から成るエアバッグ装置において、前記ベースプレート
の一部を折り曲げて側内面部を形成し、さらに折り返す
ことによって側外面部を形成し、該側外面部をパッドカ
バーの固定孔に挿入して、該側外面部と前記側内面部と
によりパッドカバー末端部を挟持固定するように構成し
たもので、好ましくは、前記側外面部と前記側内面部と
の最小間隔が前記パッドカバー末端部の最大厚さよりも
小さいことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】本発明では、少なくとも、衝突時に乗員を保護
するエアバッグ１と、該エアバッグ１を膨張させるため
のガス発生器２を取り付けるベースプレート３と、該ベ
ースプレート３に固定されて前記エアバッグ１およびガ
ス発生器２を収納するパッドカバー４とから成るエアバ
ッグ装置において、前記ベースプレート３の一部を折り
曲げて側内面部６を形成し、さらに折り返すことによっ
て側外面部７を形成してパッドカバー４を固定するため
のフック部を形成し、パッドカバーの固定孔１０に側外
面部７を挿入して、前記側外面部７と前記側内面部６と
によりパッドカバー末端部５を挟持固定するように構成
したので、これによって簡単な構造でありながら充分な
強度で前記パッドカバー末端部５をベースプレート３に
取り付けることができる。また、取付け部品として、パ
ッドカバーとベースプレートのみを準備すればよく、ベ
ースプレート自体の重量はこれまでと同レベルで他に余
分な部材を必要としないので、作業性の向上と、部品コ
ストの削減、および重量の軽減にも大きく寄与できるこ
ととなる。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１、図２および図３は、本発明の実施例を示すも
ので、図１は本発明のエアバッグ装置の断面図であり、
エアバッグ１と、該エアバッグ１を膨張させるためのガ
ス発生器２、エアバッグ１をベースプレート３に取り付
けるためのリテーナ１８等がベースプレート３の平板部
３Ａに取り付けられる。図３のベースプレート３の斜視
図で明確なように、ベースプレート３の平板部３Ａの中
央の取付孔１１に前記ガス発生器２が挿入取着される。
前記ベースプレート３の平板部３Ａの位置を相対的にパ
ッドカバー末端部５の下端位置まで下げてパッドカバー
４の容積を最大限に採ることを可能にすることができる
ように、前記ベースプレート３における側内面部６を上
方つまり乗員の方向に折り曲げた後、前記側内面部６を
前記ベースプレート３の平板部３Ａと平行に外方に折り
曲げて基底部６Ａとし、さらに下方に折り曲げて側外面
部７を形成してパッドカバー４を固定するためのフック
部を形成したものである。図２（Ａ）は第１実施例を示
しており、図１の要部拡大図である。ベースプレート３
の平板部３Ａを折り曲げて形成された側内面部６に設け
られるフック部は、図３で理解されるように複数個設け
られる。本例では、該フック部を構成する側内面部６、
基底部６Ａおよび側外面部７のうち、側外面部７は、ほ
ぼストレート状に下方に延びており、、パッドカバー末
端部５には前記複数の各フック部に対応して固定孔１０
が穿設され、該固定孔１０をフック部の側外面部７に挿
入し、パッドカバー４を上方へ引き上げることにより、
パッドカバー４を確実にベースプレート３に対して固定
することができるものである。

【０００７】図２（Ｂ）に示したものは、本発明の第２
実施例である。本例では、前記パッドカバー末端部５に
おける固定孔１０が挿入し易いように、フック部を構成
する側外面部７の先端部を僅か曲げたものである。この
ように構成することによって、フック部を構成する側外
面部７の先端部に対応して前記パッドカバー末端部５に
おける固定孔１０を挿入固定するために、パッドカバー
末端部５を大きく傾ける必要がなくなる。また挿入固定
のために、パッドカバー末端部５を引き上げる際に、前
記側外面部７先端部のエッジにより前記パッドカバー末
端部５の側面や固定孔１０が損傷する虞れがなくなる。

【０００８】図２（Ｃ）に示したものは、本発明の第３
実施例である。本例では、前記図２（Ｂ）の第２実施例
のものと同様に、前記パッドカバー末端部５における固
定孔１０が挿入し易いように、フック部を構成する側外
面部７の先端部を曲げると共に、取付強度をさらに向上
させるために側外面部７全体を大きく湾曲させたもので
ある。この例では、全体が湾曲されてフック部を構成す
る前記側外面部７と前記側内面部６との最小間隔は、こ
こに固定されるパッドカバー末端部３の最大厚さより小
さく形成することが好ましく、これにより、パッドカバ
ー４のフック部への固定時にパッドカバー末端部３が前
記側外面部７と前記側内面部６との間に幾分きつく固定
されて、確実な固定を可能にすることができる。以上述
べてきた構造は、ベースプレート側を所定の形状に変形
させることのみでパッドカバーを固定するようにしてい
るが、この本発明に加えて、ビス等の取外し可能な固定
具類による固定構造を併用しても良いことは勿論であ
る。また、本発明の趣旨の範囲内で、フックを構成する
側内面部６、基底部６Ａ、および側外面部７の数、形状
とパッドカバー末端部３の形状および固定孔１０の数、
形状さらにはそれらの組合せ構造は適宜採用できること
は言うまでもないことである。なお、パッドカバー４と
しては、屈曲性のある材質のものであれば、特に限定さ
れないが、好ましくは、ショア押込硬度が５５Ｄ以下の
材料、より好ましくは、ウレタン系エラストマーとガラ
スバルーンの配合物から成るものが使用されるものであ
る。

【０００９】発明者らは、以上詳述した本発明の実施例
に係るエアバッグ装置について試験をした結果、通常の
エアバッグ使用温度範囲である−４０°〜９０°Ｃにお
いて、試験的にエアバッグ装置の展開を繰り返し行った
が、従来品に比較しても何ら遜色のない取付け強度を示
し、エアバッグの展開性能も良好であった。しかも、装
置の軽量化に伴い、ステアリングの操縦性能も向上し
た。さらに、部品点数についても、ボルト、リベット、
当て板、爪板等は全く使用しないため、従来品に比して
軽量化が実現でき、製造サイクルについても、従来１個
宛３０秒程を要していた工程が、１５秒前後程度に短縮
できた。

【００１０】

【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明で
は、衝突時に乗員を保護するエアバッグと、該エアバッ
グを膨張させるためのガス発生器を取り付けるベースプ
レートと、該ベースプレートに固定されて前記エアバッ
グおよびガス発生器を収納するパッドカバーとから成る
エアバッグ装置において、前記ベースプレートの一部を
折り曲げて側内面部を形成し、さらに折り返すことによ
って側外面部を形成し、パッドカバーを固定するための
フック部を形成し、パッドカバーの固定孔に側外面部を
挿入して、該側外面部と前記側内面部とによりパッドカ
バー末端部を挟持固定するように構成したので、これに
よって軽量化された簡単な構造でありながら充分な強度
で前記パッドカバー末端部をベースプレートに取り付け
ることができることとなった。また、取付け部品とし
て、パッドカバーとベースプレートのみを準備すればよ
く、ベースプレート自体の重量はこれまでと同レバルで
他に余分な部材を必要としないので、作業性の向上と、
部品コストの削減、および重量の軽減にも大きく寄与で
き、トータルコストダウンが可能となった。また、従来
品の「リベットタイプ」では、ベースプレートからパッ
ドカバーを取り外す場合、リベットを破壊させる必要が
あり、リサイクルは困難であった。しかしながら、本発
明のエアバッグ装置によれば、簡単な構造でありなが
ら、エアバッグ作動時においてもその取付強度は充分強
固であり、かつ、パッドカバーの取外しが非常に容易で
あり、装置のリサイクル性にも優れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るエアバッグ装置を示
す断面図である。

【図２】本発明のエアバッグ装置の各実施例に係る要部
を示す図である。（Ａ）は第１実施例を示し、（Ｂ）は
第２実施例を示し、（Ｃ）は第３実施例を示す。

【図３】本発明のエアバッグ装置の実施例に係るベース
プレートの斜視図である。

【図４】第１の従来のエアバッグ装置を示す断面図であ
る。

【図５】第２の従来のエアバッグ装置を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ エアバッグ ２ ガス発生器 ３ ベースプレート ３Ａ 平板部 ４ パッドカバー ５ パッドカバー末端部 ６ 側内面部 ６Ａ 基底部 ６Ｂ 係止凹部 ７ 側外面部 １０ 固定孔 １１ 取付孔 １８ リテーナ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも、衝突時に乗員を保護するエ
   アバッグと、該エアバッグを膨張させるためのガス発生
   器を取り付けるベースプレートと、該ベースプレートに
   固定されて前記エアバッグおよびガス発生器等を収納す
   るパッドカバーとから成るエアバッグ装置において、前
   記ベースプレートの一部を折り曲げて側内面部を形成
   し、さらに折り返すことによって側外面部を形成し、該
   側外面部をパッドカバーの固定孔に挿入して、該側外面
   部と前記側内面部とによりパッドカバー末端部を挟持固
   定するように構成したことを特徴とするエアバッグ装
   置。
2. 【請求項２】 前記側外面部と前記側内面部との最小間
   隔が前記パッドカバー末端部の最大厚さよりも小さいこ
   とを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ装置。