JPH07144221A - 内部仕切り壁をもつ管及びその製造方法 - Google Patents

内部仕切り壁をもつ管及びその製造方法

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JPH07144221A
JPH07144221A JP31856793A JP31856793A JPH07144221A JP H07144221 A JPH07144221 A JP H07144221A JP 31856793 A JP31856793 A JP 31856793A JP 31856793 A JP31856793 A JP 31856793A JP H07144221 A JPH07144221 A JP H07144221A
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pipe
internal
tube
partition wall
peripheral surface
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JP31856793A
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Kaoru Adachi
馨 足立
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SANKIN ENG
SANKIN KK
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SANKIN ENG
SANKIN KK
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Publication date
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 管内を長尺かつ面積の大きな複数の空間に仕
切る内部仕切り壁をもつ管を容易に製造する。 【構成】 内部管10を外部管16内に挿入する。この
挿入状態のまま全体を冷間引き抜き加工して上記外部管
16の内周面に内部管10の外周面の一部を圧接させ、
上記外部管16の内周面に圧接していない内部管10管
壁により、内部仕切り壁を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管内空間を区画する内
部仕切り壁をもつ管及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種機械等で使用される管の中には、そ
の内部に互いに隔離された複数の流体通路が必要とされ
るものがある。例えば、自動車用エンジンのバルブロッ
カーシャフトにおいては、その内部に潤滑油とバルブ開
閉用の作動油とを混合させず別々に流さなければならな
い場合があり、この場合には、上記バルブロッカーシャ
フト内に互いに独立する2つの流体通路を軸方向に沿っ
て形成する必要がある。
【0003】従来、このような複数の流体通路をもつ管
を製造する場合には、例えば図13に示すように、中実
丸棒90にその軸方向に沿って複数の穴92をガンドリ
ル等で開け、これらの穴92を流体通路として用いるこ
とが行われていた。
【0004】また、上記のような流体通路を必要としな
いものでも、比較的高い曲げ強度やねじれ強度が要求さ
れる軸状部品には、上記のような管ではない中実丸棒
や、特別な高強度鋼からなる円管等を用いることが行わ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記図13に示した製
造方法において、ガンドリルにより可能な穿孔深さは小
さく、よって長い流体通路を形成することは不可能であ
る。また、中実丸棒90にその軸方向と平行な方向に正
確に穴92を穿孔することは容易でない。さらに、製造
された管には図13に示すように余分な肉厚部分が多
く、管が大径である割に大きな通路面積を確保すること
ができない。換言すれば、一定の通路面積を確保するた
めに必要な管の太さは非常に大きなものとなる。
【0006】一方、高強度が要求される部品として上記
のような中実丸棒を用いると、部品の軽量化は到底図り
得ない。また、高価な高強度鋼製の円管等を用いた場合
には、製品の低廉化の大きな妨げとなる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、製造が
容易で、長尺かつ面積の大きな複数の内部空間を確保す
ることができ、また軽量かつ低廉な構造でありながら高
強度を確保することができる内部仕切り壁をもつ管及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部管と、こ
の外部管の内周面に外周面の一部が圧接する内部管とか
らなり、この内部管の管壁において上記外部管の内周面
と圧接していない部分により管内空間を区画する内部仕
切り壁が形成されている管である。この管は、内部管を
外部管内に挿入し、この挿入状態のまま管全体を冷間引
き抜き加工することにより上記内部管の外周面の一部を
外部管の内周面に圧接させることにより、製造できる。
【0009】より具体的には、複数の内部管が軸方向と
直交する方向に相互圧接しかつこれら内部管の外周面が
上記外部管の内周面に圧接しており、上記内部管同士が
互いに圧接する部分により上記内部仕切り壁が形成され
たものが好適であり、この管は、複数の内部管同士をそ
の軸方向と直交する方向に並べた状態でこれらの内部管
全体の外周面よりも一回り大きな内周面をもつ外部管内
に挿入し、この挿入状態のまま管全体を冷間引き抜き加
工することにより上記外部管の内周面に各内部管の外周
面を圧接させることにより、製造できる。この管では、
各内部管の断面形状を互いに同形の扇形として外部管を
円管とすることが、より好ましい。さらに、中心角が9
0°の扇形をなす4つの内部管を互いに圧接させること
により断面十字状の内部仕切り壁を形成すれば、なお好
ましい。
【0010】また本発明は、上記外部管内の一部の領域
にのみ内部管が設けられ、内部管が設けられていない領
域と内部管の内側領域との双方に管内空間が形成されて
いるものでもよく、例えば、上記内部管の外周面と外部
管の内周面のいずれか一方の周面に軸方向に延びかつ径
方向に突出する複数本の突条が周方向に並設され、これ
らの突条の端面が他方の周面に圧接することにより各突
条同士の間及び内部管内側に管内空間が形成されたもの
でもよい。
【0011】
【作用】上記製造方法によれば、内部管を外部管内に挿
入したまま両者を冷間引き抜き加工するだけで、軸方向
に平行な複数の管内空間を有し、かつこれらの管内空間
が内部仕切り壁で区画された管を製造することができ
る。この管では、内部管において外部管の内周面に接触
していない部分で内部仕切り壁が構成されるので、従来
のように棒に軸方向の穿孔を行って通路が形成された管
に比べ、余分な肉厚部分を減らし、管全体の直径に対す
る管内空間面積の割合を大きく確保することが可能であ
る。また、軽量な構造でありながら上記仕切り壁によっ
て十分な強度を確保することができる。
【0012】さらに、複数の内部管同士を組み合わせて
外部管内に挿入し、そのまま冷間引き抜き加工する製造
方法により、内部管同士が圧接する部分で上記内部仕切
り壁が形成された管を製造することができる。この管で
は、内部管同士の重合により内部仕切り壁が形成されて
いるので、この内部仕切り壁の強度は非常に高くなる。
【0013】さらに、各内部管が互いに等しい扇形であ
る場合には、管各部に発生する応力も均一化され、局所
的に応力が集中する度合が軽減される。特に、中心角9
0°の4つの内部管同士の圧接で断面十字状の仕切り壁
が形成されている管では、軽量かつ簡単な構造でありな
がら互いに直交する2つの方向について効果的な補強が
なされる。
【0014】一方、上記外部管内の一部の領域にのみ内
部管を設け、内部管が設けられていない領域と内部管の
内側領域との双方に管内空間を形成するようにしたもの
では、内部管よりも多数の管内空間を形成することがで
きる。
【0015】特に、内部管の外周面と外部管の内周面の
いずれか一方に形成された突条の端面を他方の周面に圧
接したものでは、中央の管内空間すなわち内部管の内側
空間の周囲に各突条で仕切られた複数の管内空間を形成
できる。従って、上記中央の管内空間に第1の温度をも
つ流体を流し、その周囲の管内空間に第2の温度をもつ
流体を流せば、両流体間で良好な熱伝導性が得られる。
【0016】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図3に基づいて
説明する。
【0017】この実施例では、まず、図1に示すような
直径部12及び円弧部14からなる半円状(断面D字
状)の内部管12を鋼材等によって2つ成形する。
【0018】この成形方法としては、D型ダイスを用い
た冷間引き抜き加工が好ましいが、その他の成形法、例
えば押出し成形によっても加工が可能である。また、冷
間引き抜き加工を行う場合、一回の引き抜き加工で上記
内部管10を製造しても良いし、まず1回目の引き抜き
加工で適当な寸法をもつ円管を成形し、この円管をさら
にD型ダイスで引き抜き加工することにより上記内部管
10を形成するようにしてもよい。
【0019】これらの内部管10をその直径部12同士
が対面する状態で組み合わせることにより、全体として
円筒状外周面をもつ外径D1の管が得られるが、この組
合せ状態のまま、2つの内部管10を、図2に示すよう
な内径D2(>D1)、外径D3の円筒状外部管16内
に挿入する。ここで、外部管16と内部管10との間の
隙間寸法(D2−D1)/2は、内部管10を外部管1
6内に容易に挿入できる範囲でなるべく小さく設定する
ことが望ましい。
【0020】次に、上記外部管16を把持しながら、管
10,16全体を円形のダイスに通して引き抜き加工
し、外部管16の内周面を内部管10の外周面に圧接さ
せることにより、図3に示すように2つの半円状管内空
間18をもつ外径D4(<D3)の管20を製造するこ
とができる。この管20では、互いに対面する直線状の
2つの直径部12によって、管内空間18同士を区画す
る内部仕切り壁が形成されており、図13に示すような
従来の管90に比べて、管の外径D4に対する管内空間
面積の割合は大きく確保されている。しかも、従来のよ
うにガンドリル等に穿孔を行っていないので、軸方向に
正確にかつ長く延びる管内空間18を容易に形成するこ
とができ、この管内空間18を流体通路としても良好に
利用することが可能となっている。また、内部管10管
壁(直径部12)同士の重合で内部仕切り壁が形成され
ているので、この内部仕切り壁の強度も十分に確保され
る。
【0021】実際に、外径15.85mm、肉厚0.85mmのST
KM11A(構造用鋼管)をD型ダイスを用いて冷間引
き抜き加工することにより、半径R1=7.5mm、直径部
寸法D1=2R1=15mm、肉厚t1=0.9mmをもつ2つ
の半円形内部管10を製造し、これらの内部管10を内
径D2=15.5mm、外径D3=21mmの円筒状外部管16内
に挿入し、引き抜き加工(空引き)することにより、外
径D4=20mm、外周部肉厚t2=3.6mm、内部仕切り壁
肉厚t3=1.8mmの管20を得ることができた。
【0022】次に、第2実施例を図4〜図6に基づいて
説明する。
【0023】ここでは、前記第1実施例で示した半円状
の2つの内部管10に代え、図4に示すような2つの半
径部32及び円弧部34からなる中心角α=120°の扇
形断面形状をもつ3つの内部管30を冷間引き抜き加工
等により成形する。そして、これらの内部管30を周方
向(軸方向と直交する方向)に組み合わせた状態で図5
に示すように前記外部管16と同様の外部管36内に挿
入し、前記第1実施例と同様に冷間引き抜き加工して外
部管36の内周面を各内部管30の外周面に圧接させる
ことにより、図6に示すような管40を製造する。
【0024】この管40においても、互いに対面する3
組の半径部32によって、3つの扇形管内空間38同士
を区画する内部仕切り壁が形成されており、図13に示
すような従来の管90に比べて、やはり外径に対する管
内空間面積の割合は大きく確保されている。また、従来
のようにガンドリル等に穿孔を行っていないので、軸方
向に平行な管内空間38を正確に、かつ長く形成するこ
とができる。
【0025】実際に、外径13.2mm、肉厚1.1mmのSTK
M11AをD型ダイスを用いて冷間引き抜き加工するこ
とにより、半径R2=7.3mm(組み合わせた場合の外径
D5=2R2=14.6mm)、肉厚t4=1.0mmをもつ3つ
の扇形内部管30を製造し、これらの内部管30を内径
D6=15.5mm、外径D7=21mmの外部管36内に挿入
し、引き抜き加工(空引き)することにより、外径D8
=20mm、外周部肉厚t5=3.75mm、内部仕切り壁肉厚t
6=2.0mmの管40を得ることができた。
【0026】次に、第3実施例を図7に基づいて説明す
る。
【0027】ここでは、2つの半径部52及び円弧部5
4を有する中心角90°の扇形の4つの内部管50を外
部管56内に配して管60を製造している。この管60
によれば、4つの管内空間58が断面十字状の内部仕切
り壁で仕切られることとなり、このような内部仕切り壁
の形成により、軽量かつ低廉な構造でありながら互いに
直交する2方向についての補強を効果的に行うことがで
きる。従って、この管を軽量でかつ高い曲げ強度やねじ
れ強度が要求される軸部材として提供することができ
る。
【0028】このように、本発明では内部管の個数を問
わず、適宜設定すればよい。また、複数の内部管を用い
る場合、各内部管の断面形状は相互に等しい形状のもの
でなくても良く、例えば半円状の内部管1つと、中心角
90°の扇形内部管2つとを組み合わせるようにしても
良いし、図8に示すように、円をその中心から外れた直
線で分割した複数の内部管42,44を用いるようにし
てもよい。あるいは互いに等しい断面矩形状の4つの内
部管を製造し、これらを上記矩形の辺の2倍の長さの辺
をもつ外部管内に挿入するようにしてもよい。ただし、
前記第1〜第3実施例に示すように、各内部管の形状を
互いに等しい扇形に設定すれば、管内部で発生する応力
が均一化され、局部的に応力が集中するのを避けること
ができる利点がある。また、内部管はすべて同形状であ
り、外部管は円管とすることができるので、量産により
適したものとなる。
【0029】次に、第4実施例を図9に基づいて説明す
る。
【0030】この実施例では、同図に示すように、前記
図8に示した管における内部管44を省略し、単一の内
部管42のみを外部管16内に配している。この管によ
れば、内部管が設けられていない領域(すなわち図8で
は内部管44が設けられている領域)と、内部管42内
側の領域との双方に管内空間を形成することができる。
すなわち、単一の内部管42で外部管16内を2つの管
内空間に仕切ることができ、内部管の個数を削減して軽
量化及び低コスト化を図ることができる。このように一
部の内部管42を省略することは、例えば前記図3,図
6,図7に示した管でも同様に可能であり、具体的には
それぞれ内部管14,34,54の一部を省略すること
ができる。
【0031】なお、上記図9に示す管は、その断面形状
に対応した同じくD型のダイスで円管を引き抜き加工す
る等して製造することが可能である。
【0032】このように内部管の内外に管内空間を形成
する場合も、内部管自体の断面形状は特に問わず、例え
ば第5実施例として図10に示すように略曲線状の凹み
43をもつ断面略ハート形の内部管42′を外部管16
内に配しても、上記凹み43の外側に内部空間18を形
成することができる。この内部管42′も、その断面形
状に対応した同じく略ハート形のダイスを用いて円管を
引き抜くことにより製造が可能である。
【0033】また、第6実施例として図11(a)に示
すように、外部管16の内側に円管からなる2本の内部
管48を配して、両内部管48同士及び内部管48の外
周面と外部管16の内周面とを一部圧接させるようにし
ても、内部仕切り壁の形成が可能である。ここで、同図
(b)に示すように外部管16の管壁が両内部管48の
外周面に沿うような略ひょうたん型になるようにダイス
の形状を設定すれば、内部管48と外部管16との接触
面積を増やして安定性を高めることができる。
【0034】上記のように円管からなる内部管48を用
いる場合にも、この内部管48の本数は問わず、3本以
上の内部管48を外部管16内に挿入して引き抜き加工
を行うようにしてもよい。例えば多数の小径内部管を束
ねた状態で大径の外部管内に挿入し、引き抜き加工を行
えば、多数本の通路をもつ管を得ることができる。
【0035】第7実施例を図12(a)に示す。ここに
示す管は、円管の外周面に軸方向に延びる複数本の突条
62を周方向に並設することにより内部管61を形成
し、この内部管61を各突条62の外接円径よりも僅か
に大きい内径をもつ外部管66内に挿入して両者を引き
抜き加工することにより、各突条62の外端面を外部管
66の内周面に圧接させたものである。
【0036】この実施例によれば、中央の管内空間(す
なわち内部管61の内側の空間)67の周囲に突条62
で仕切られた複数の管内空間68が形成された二重管を
得ることができる。この二重管では、中央管内空間67
に第1の温度をもつ流体(熱媒体)を流し、外側の管内
空間68に第2の温度をもつ流体を流すことにより、両
流体間で十分な熱交換面積を確保することができるた
め、熱交換器として有用となる。この効果は、図12
(b)に示すように外部管66の内周面に複数本の突条
64を形成し、各突条の内端面を内部管61の外周面に
圧接させても同様に得ることができる。
【0037】本発明は、以上の実施例に限定されるもの
でなく、例として次のような態様をとることも可能であ
る。
【0038】(1) 本発明において、内部管及び外部管の
材質は冷間引き抜き加工が可能なものであれば良く、鉄
鋼材料、非鉄金属材料、その他、用途に応じて適宜設定
すればよい。また、内部管と外部管とは必ずしも同材質
である必要はなく、例えば内部管には耐腐食性の高い材
料を用い、外部管には内部管よりも強度の高い材料を用
いるといったことも可能である。
【0039】(2) 本発明において、冷間引き抜きでの断
面減少率は特に問わず、外部管の内周面を内部管の外周
面に圧接できる範囲内で適当な値に設定すればよい。
【0040】(3) 本発明の管の用途は特に問わず、前述
のバルブロッカーシャフトやピストンピン、熱交換器の
他、内部に複数の管内通路を必要とする管や、内部仕切
り壁の形成によって補強を行うことが望ましい種々の管
に広く適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、内部管を外部管
内に挿入し、この挿入状態のまま管全体を冷間引き抜き
加工することにより上記内部管の外周面の一部を外部管
の内周面に圧接させ、この圧接部分以外の内部管管壁で
内部仕切り壁を形成するものであるので、従来のように
ガンドリルで穿孔することにより内部管内空間を形成す
るもの等と異なり、複数の長尺管内空間を仕切る壁を容
易にかつ軸方向に沿って正確に形成することができる効
果がある。さらに、このようにして製造された管では、
従来の管における余分な肉厚部分を大幅に減らし、所望
の管内空間面積を確保するのに必要な管の径を大幅に削
減することができる。また、上記仕切り壁の形成によっ
て、簡単、低廉でかつ軽量な構造でありながら、管の強
度を効果的に高めることが可能となる。
【0042】特に、複数の内部管を組み合わせた状態で
外部管内に挿入し、この挿入状態のまま冷間引き抜き加
工を行って内部管同士も圧接させるものでは、内部管同
士の重合部分で内部仕切り壁が形成されるので、より強
度の高い内部仕切り壁を得ることができる。
【0043】さらに、各内部管を互いに等しい扇形に設
定したものでは、管各部に発生する応力を均一化し、局
所的に応力が集中する度合を軽減することができ、強度
的により有利な管を提供することができる効果がある。
また、内部管をすべて同一形状とすることができ、また
外部管には円管を用いることができるので、量産化をさ
らに進めることができる。特に、上記扇形の中心角を9
0°に設定して内部に断面十字状の仕切り壁を形成した
ものでは、簡単、低廉、かつ軽量な構造で互いに直交す
る2つの方向についての曲げ強度やねじれ強度を大幅に
高めることができる利点がある。
【0044】一方、上記外部管内の一部の領域にのみ内
部管を設け、内部管が設けられていない領域と内部管の
内側領域との双方に管内空間を形成したものでは、内部
管よりも多数の管内空間を形成することができる。すな
わち、少数の内部管で管内を仕切ることができ、管全体
の軽量化及び低コスト化を図ることができる効果があ
る。
【0045】特に、請求項6記載のように、内部管の外
周面と外部管の内周面のいずれか一方に形成された突条
の端面を他方の周面に圧接したものでは、中央の管内空
間すなわち内部管の内側空間の周囲に各突条で仕切られ
た複数の管内空間を形成することができ、上記中央の管
内空間に第1の温度をもつ流体を流し、その周囲の管内
空間に第2の温度をもつ流体を流すことにより、熱伝導
性の高い優れた熱交換器として利用することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において製造される内部管
の断面図である。
【図2】上記内部管を2つ組み合わせて外部管内に挿入
した状態を示す断面図である。
【図3】上記内部管及び外部管を冷間引き抜き加工する
ことにより得られた内部仕切り壁をもつ管の断面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例において製造される内部管
の断面図である。
【図5】上記内部管を3つ組み合わせて外部管内に挿入
した状態を示す断面図である。
【図6】上記内部管及び外部管を冷間引き抜き加工する
ことにより得られた内部仕切り壁をもつ管の断面図であ
る。
【図7】第3実施例における管を示す断面図である。
【図8】上記内部管の断面形状の変形例を示す断面図で
ある。
【図9】第4実施例における管を示す断面図である。
【図10】第5実施例における管を示す断面図である。
【図11】(a)は第6実施例における管を示す断面
図、(b)はその変形例を示す断面図である。
【図12】(a)は第7実施例における管を示す断面
図、(b)はその変形例を示す断面図である。
【図13】従来の管の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,30,42,42′,44,48,50,61
内部管 12 直径部(内部管同士が相互圧接する部分) 16,36,56,66 外部管 18,38,58 管内空間 20,40,60 内部仕切り壁をもつ管 34,54 半径部(内部管同士が相互対面する部分) 62,64 突条

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部管と、この外部管の内周面に外周面
    の一部が圧接する内部管とからなり、この内部管の管壁
    において上記外部管の内周面と圧接していない部分によ
    り管内空間を区画する内部仕切り壁が形成されているこ
    とを特徴とする内部仕切り壁をもつ管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内部仕切り壁をもつ管に
    おいて、複数の内部管が軸方向と直交する方向に相互圧
    接しかつこれら内部管の外周面が上記外部管の内周面に
    圧接しており、上記内部管同士が互いに圧接する部分に
    より上記内部仕切り壁が形成されていることを特徴とす
    る内部仕切り壁をもつ管。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内部仕切り壁をもつ管に
    おいて、各内部管の断面形状が互いに同形の扇形であ
    り、外部管が円管であることを特徴とする内部仕切り壁
    をもつ管。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の内部仕切り壁をもつ管に
    おいて、中心角が90°の扇形をなす4つの内部管が互
    いに圧接することにより断面十字状の内部仕切り壁が形
    成されていることを特徴とする内部仕切り壁をもつ管。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の内部仕
    切り壁をもつ管において、上記外部管内の一部の領域に
    のみ内部管が設けられ、内部管が設けられていない領域
    と内部管の内側領域との双方に管内空間が形成されてい
    ることを特徴とする内部仕切り壁をもつ管。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の内部仕切り壁をもつ管に
    おいて、内部管の外周面と外部管の内周面のいずれか一
    方の周面に軸方向に延びかつ径方向に突出する複数本の
    突条が周方向に並設され、これらの突条の端面が他方の
    周面に圧接することにより各突条同士の間及び内部管内
    側に管内空間が形成されていることを特徴とする内部仕
    切り壁をもつ管。
  7. 【請求項7】 内部管を外部管内に挿入し、この挿入状
    態のまま管全体を冷間引き抜き加工することにより上記
    内部管の外周面の一部を外部管の内周面に圧接させるこ
    とを特徴とする内部仕切り壁をもつ管の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の内部仕切り壁をもつ管の
    製造方法において、複数の内部管同士をその軸方向と直
    交する方向に並べた状態でこれらの内部管全体の外周面
    よりも一回り大きな内周面をもつ外部管内に挿入し、こ
    の挿入状態のまま管全体を冷間引き抜き加工することに
    より上記外部管の内周面に各内部管の外周面を圧接させ
    ることを特徴とする内部仕切り壁をもつ管の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の内部仕切り壁をもつ管の
    製造方法において、各内部管の断面形状を互いに同形の
    扇形に設定し、外部管を円管とすることを特徴とする内
    部仕切り壁をもつ管の製造方法。
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