JPH07143377A - 静止画像撮像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静止画像撮像装置を完全に固定したり、特別
な微少変位機構を設けることなく、高精細かつ広画角な
静止画像を撮像する。 【構成】 ラインセンサ４は、レンズ１及び絞り２を介
して結像面上に結像された静止被写体像を静止画像信号
に変換する。動き検出部７は、撮影中における撮像装置
の静止被写体像に対する動き量を検出する。ラインセン
サ走査部８は、動き量に応じた移動速度及び移動方向に
対する角度でラインセンサ４を結像面上で走査する。信
号処理部９は、動き量に応じてラインセンサ４より出力
された静止画像信号から有効画素信号の範囲を決定す
る。画像メモリ１０は、信号処理部９より出力された静
止画像信号を記録し、外部へ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高精細かつ広画角な静
止画像を撮像する静止画像撮像装置に関し、より詳細に
は、撮影中における撮像装置の静止被写体像に対する動
き量に応じて、一次元配列の撮像素子の移動速度および
移動方向に対する角度や有効画素信号の範囲を調整する
ことによって、装置を完全に固定することなく、高精細
かつ広画角な静止画像を撮像する静止画像撮像装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】高精細かつ広画角な静止画像を撮像する
従来技術としては、以下の〜のものがある。 ラインセンサを一方向に一定速度、一定角度で走査
させて画像を入力する構成のもの。 エリアセンサをｘ，ｙ方向に一定速度、一定角度で
走査させ画像を入力する構成のもの（特開平３−２４０
３７２号公報）。この公報のものは、結像面上に結像さ
れた被写体像が、撮像面移動手段により撮像手段の撮像
面が結像面上を移動し、各位置ごとに画像信号に変換さ
れ、画像信号出力手段により、各位置ごとの画像信号が
外部に出力されるものである。

【０００３】 エリアセンサをｘ，ｙ方向に１／Ｎ画
素ピッチずつ微小変化させ、画素補間によって見かけ上
画素数をＮ倍にして高精細化する構成のもの（特開昭５
８−１９７９７０号公報，特開昭５９−２２４８５号公
報，特開昭６４−６００７２号公報）。前記特開昭５８
−１９７９７０号公報の「高解像度電子カメラ装置」
は、撮像デバイスの位置が画素の半分だけずれた２枚の
画像を記録し、再生において、これらの画像を組み換え
て互に補間することにより、高解像度の画像を得るもの
である。

【０００４】また、特開昭５９−２２４８５号公報の
「撮像機構」は、固体撮像素子を結像面の水平方向に画
素列の１／２ピッチ分だけ変位せしめ、変位の前後にお
いて、同一光電変換画素が隣接する異なる画素区画を受
光するように構成したものである。また、特開昭６４−
６００７２号公報の「固体撮像装置」は、感度の変化や
Ｓ／Ｎの劣化を招来することなく高度像度を得ることが
できるように、単一の感光部に対応して複数の電荷蓄積
部を備え、複写体像の結像位置を変化させると共に、こ
の変化により得られた電荷を電荷蓄積部の各々に画像情
報として蓄積するものである。

【０００５】 カメラを複数台配列し、各カメラから
画像出力をつなぎ合わせる構成のもの（特開平１−１５
２８７９号公報）。この公報の「静止画情報記録装置」
は、撮像画面領域を拡大すべく配列された複数のビデオ
カメラを設け、同一時点でシャッターを切って得られる
静止画信号をフレームメモリに各々記憶させ、前記記憶
された静止画信号を順次読み出す信号処理回路を設け、
該信号処理回路より出力される静止画信号を順次記録す
るものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
静止画像撮像装置においては、以下の〜に示す問題
点がある。 ラインセンサやエリアセンサを一定速度、一定角度
で走査させて画像を入力する構成においては、センサを
読み取り画面の大きさだけ走査させる必要上、読み取り
時間が長くなり、その間、装置を完全に固定させなけれ
ばならない。 エリアセンサを１／Ｎ画素ピッチずつ微小変化させ
る構成においては、撮像装置または撮像素子そのもの
に、圧電素子などを利用した微小変位機構を組み込む必
要があり、装置が複雑で高価となる。 カメラを複数台配列する構成においては、装置自体
が大規模となるなどの問題点があった。

【０００７】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、撮影中における撮像装置の静止被写体像に対
する動き量を検出して、その動き量に応じた移動速度や
移動方向に対する角度で一次元配列の撮像素子を結像面
上で走査させることにより、装置を完全に固定したり、
特別な微小変位機構を設けることなしに、高精細かつ広
画角な静止画像を撮像する静止画像撮像装置を提供する
ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、静止被写体像を結像面上に結像させる画
像結像手段と、該画像結像手段によって結像面上に結像
された静止被写体像を静止画像信号に変換する一次元配
列の撮像素子からなる画像撮像手段と、撮影中における
撮像装置の静止被写体像に対する動き量を検出する動き
検出手段と、該動き検出手段によって検出した動き量に
応じた移動速度および移動方向に対する角度で撮像素子
を結像面上で走査させる走査手段と、前記動き検出手段
によって検出した動き量に応じて、前記画像撮像手段よ
り出力された静止画像信号から有効面素信号の範囲を決
定する信号処理手段と、該信号処理手段より出力された
静止画像信号を記録する画像記録手段と、前記信号処理
手段より出力された静止画像信号あるいは前記画像記録
手段に記録されている静止画像信号を外部へ出力する画
像出力手段とを備えたことを特徴としたものである。

【０００９】

【作用】本発明による静止画像撮像装置においては、動
き検出手段によって撮影中における撮像装置の静止被写
体像に対する動き量を検出し、撮像素子の移動方向すな
わち主走査方向に対する撮像装置の平行移動、および主
走査方向に対する撮像装置の傾きに対しては、走査手段
による撮像素子の移動速度と移動方向に対する角度の調
節によって静止画像を撮像し、また、撮像素子の電荷転
送方向すなわち副走査方向に対する撮像装置の平行移動
に対しては、信号処理手段による有効画素信号の範囲の
調節によって、装置を完全に固定することなく、高精細
かつ広画角な静止画像を撮像して、画像記録手段により
記録あるいは画像出力手段により記録されている静止画
像信号を外部へ出力する。

【００１０】

【実施例】実施例について、図面を参照して以下に説明
する。図１は、本発明による静止画像撮像装置の一実施
例を説明するための構成図で、図中、１はレンズ、２は
絞り、３は絞り駆動部、４はラインセンサ、５はライン
センサ駆動部、６はＡ／Ｄ変換部、７は動き検出部、８
はラインセンサ走査部、９は信号処理部、１０は画像メ
モリ、１１はファインダである。

【００１１】レンズ１は、静止被写体像からの入力光
を、絞り２を通してラインセンサ４の受光面上に結像さ
せる。絞り２は、絞り駆動部３の制御により、レンズ１
からラインセンサ４への入力光を適切な光量に調節す
る。ラインセンサ４は、ラインセンサ駆動部５の制御に
より、レンズ１および絞り２を通して受光面上に結像し
た静止被写体像の１ライン分を光電変換して、一次元の
アナログ画像信号としてＡ／Ｄ変換部６へ出力する。Ａ
／Ｄ変換部６は、ラインセンサ４より出力された一次元
のアナログ画像信号をＡ／Ｄ変換して、一次元のデジタ
ル画像信号として信号処理部９へ出力する。

【００１２】図２（ａ）,（ｂ）は、図１におけるライ
ンセンサと、ラインセンサ駆動部の構成図で、図２
（ａ）は側面図、図２（ｂ）は平面図である。図中、１
２はラインセンサ（図１の４に相当）、１３はＺ軸回転
ステージ、１４はＹ軸移動ステージ、１５はＺ軸回転モ
ータ、１６はＹ軸移動モータである。

【００１３】すなわち、図２（ａ）,（ｂ）において
は、図１における動き検出部７及びラインセンサ走査部
８の動きをラインセンサ走査部の構成例を用いて説明す
るものである。なお、ここで、Ｘ軸は、結像面上におけ
る撮像素子の電荷転送方向、すなわち副走査方向、Ｙ軸
は、結像面上における撮像素子の移動方向、すなわち主
走査方向、Ｚ軸は、結像面の法線方向と各々定義する。

【００１４】動き検出部７は、圧電ジャイロなどの小型
ジャイロ３個で構成され、互いに垂直に筐体に固定され
て、撮影中のＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸まわりの角速度を計測す
る。計測された三軸まわりの角速度は積分されて、それ
ぞれ撮像装置の静止被写体像に対するＹ軸（主走査）方
向の移動量、Ｘ軸（副走査）方向の移動量、Ｚ軸まわり
の回転量として検出され、Ｙ軸方向の移動量とＺ軸まわ
りの回転量はラインセンサ走査部８へ、Ｘ軸方向の移動
量は信号処理部９へと出力される。

【００１５】ラインセンサ走査部８は、ラインセンサ１
２、Ｚ軸回転ステージ１３、Ｙ軸移動ステージ１４、お
よびそれぞれのステージを動かす２個のモータ１５，１
６で構成される。Ｚ軸回転ステージ１３は、動き検出部
７で検出されたＺ軸まわりの回転量に応じて、Ｚ軸回転
モータ１５により逆方向に回転してラインセンサ１２が
静止被写体像に対して常に一定の傾きになるように保
つ。Ｙ軸移動ステージ１４は、動き検出部７で検出され
たＹ軸方向の移動量に応じて、Ｙ軸移動モータ１６によ
りラインセンサ１２が結像面上の静止被写体像をＹ軸方
向に一定間隔で走査するよう移動する。

【００１６】信号処理部９は、動き検出部７で検出され
たＸ軸方向の移動量に応じて、Ａ／Ｄ変換部６より出力
される静止画像信号から有効画像信号の範囲を決定し
て、その有効画素信号を画像メモリ１０へ記録し、記録
された静止画像信号を撮像装置の外部へ出力する。画像
メモリ１０は、信号処理部９より出力された静止画像信
号を一時記録しておき、必要時に撮像装置の外部へ出力
する。ファインダ１１は、信号処理部９より出力された
静止画像信号を画面に表示して、撮影者がたった今撮像
した静止画像の中身を確認出来るようにする。

【００１７】図３（ａ）〜（ｄ）は、有効画素信号の範
囲の概念図で、図３（ａ）は静止被写体像、図３（ｂ）
は単純に出力した場合の静止画像、図３（ｃ）は動き量
より求めた有効画素信号の範囲、図３（ｄ）は座標を正
規化して出力した場合の静止画像である。

【００１８】図３（ａ）の静止被写体像に対して、撮像
装置が撮影中に次第に左方向へと流れた場合、Ａ／Ｄ変
換部６より出力される静止画像信号から単純に画像を再
生すると、再生された画像は、図３（ｂ）のように右方
向へと流れた画像となる。そこで、動き検出部７で検出
されたＸ軸方向の移動量に応じて、信号処理部９で出力
する静止画像信号を、図３（ｃ）の点線枠内に限定し
て、出力静止画像信号の左端を点線枠の左端にそろえて
座標を正規化することにより、図３（ｄ）のような被写
体像に忠実な静止画像が得られる。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、動き検出手段によって撮影中における撮像装
置の静止被写体像に対する動き量を検出し、その動き量
に応じて撮像素子の移動速度や移動方向に対する角度、
有効画素範囲の調整を行うことによって、装置を固定す
ることなく、高精細かつ広画角な静止画像の撮像が可能
となる。これにより、特別な微小変化機構を設けたり、
カメラを複数台配列した場合などに比べて、簡単に静止
画像の手持ち撮影が行え、装置の小型化や簡易化も容易
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による静止画像撮像装置の一実施例を説
明するための構成図である。

【図２】本発明による静止画像撮像装置におけるライン
センサとその走査部の構成図である。

【図３】本発明による静止画像撮像装置における有効画
素信号の範囲の概念図である。

【符号の説明】

１…レンズ、２…絞り、３…絞り駆動部、４…ラインセ
ンサ、５…ラインセンサ駆動部、６…Ａ／Ｄ変換部、７
…動き検出部、８…ラインセンサ走査部、９…信号処理
部、１０…画像メモリ、１１…ファインダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 静止被写体像を結像面上に結像させる画
   像結像手段と、該画像結像手段によって結像面上に結像
   された静止被写体像を静止画像信号に変換する一次元配
   列の撮像素子からなる画像撮像手段と、撮影中における
   撮像装置の静止被写体像に対する動き量を検出する動き
   検出手段と、該動き検出手段によって検出した動き量に
   応じた移動速度および移動方向に対する角度で撮像素子
   を結像面上で走査させる走査手段と、前記動き検出手段
   によって検出した動き量に応じて、前記画像撮像手段よ
   り出力された静止画像信号から有効面素信号の範囲を決
   定する信号処理手段と、該信号処理手段より出力された
   静止画像信号を記録する画像記録手段と、前記信号処理
   手段より出力された静止画像信号あるいは前記画像記録
   手段に記録されている静止画像信号を外部へ出力する画
   像出力手段とを備えたことを特徴とする静止画像撮像装
   置。