JPH0714310U - エンコーダ内蔵型測定器 - Google Patents

エンコーダ内蔵型測定器

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JPH0714310U
JPH0714310U JP4453693U JP4453693U JPH0714310U JP H0714310 U JPH0714310 U JP H0714310U JP 4453693 U JP4453693 U JP 4453693U JP 4453693 U JP4453693 U JP 4453693U JP H0714310 U JPH0714310 U JP H0714310U
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哲也 中土井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピンドルのオーバーストロークを防止して
カウント不良が生じないエンコーダ内蔵型測定器の提
供。 【構成】 エンコーダ内蔵型測定器10のスピンドル12に
形成したキー溝25と直交する周方向にリング溝32を形成
し、リング溝32にストッパリング33を係合する。 【効果】 スピンドル12の進退に伴ってストッパリング
33が回転板支持部材24の係合キー26の先端に当接し、ス
ピンドル12の軸方向への移動を規制する。従って、係合
キー26の先端がキー溝25の端部に食い込むことがなく、
エンコーダ13を構成する固定板22と回転板23との間の基
準ギャップを一定に保持できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はエンコーダ内蔵型測定器に係り、特にデジタル表示式のマイクロメー タ等に利用できる。
【0002】
【背景技術】
本体に螺合されたスピンドルの移動変位量をエンコーダで検出し、この検出値 をデジタル表示するエンコーダ内蔵型測定器としては、例えばデジタル表示式の マイクロメータが知られている。 従来、この種のマイクロメータに内蔵されるエンコーダは、本体に設けられた 固定板と、スピンドルと同期回転可能に設けられた回転板とが対向配置され、本 体に対するスピンドルの進退量を固定板に対する回転板の回転角度として検出す る構造である。回転板は、スピンドルの外側面軸方向に形成されたキー溝に係合 可能な係合キーを有する回転板支持部材に支持され、適宜な手段により固定板と のギャップが一定に保持されている。 従って、スピンドルを回転させると、そのスピンドルは本体に対し周方向に回 転しながら軸方向へ進退される。すると、スピンドルに同期して回転板支持部材 も回転される。その結果、固定板に対する回転板の回転角がエンコーダにより検 出されたのちデジタル表示されるから、そのデジタル表示値からスピンドルの進 退量を読み取ることができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、一般に、キー溝は、円盤形状の回転刃により切削加工されるため、 その始端,終端には当該キー溝の直線状の底部とスピンドルの外周面とが連続す るような円弧状の底部が形成される。 ところが、このようなキー溝では、スピンドルを後退移動(例えば、マイクロ メータではアンビルに対して離れる方向に移動)させすぎた場合(いわゆるオー バーストローク)、その始端あるいは終端の円弧状の底部に係合キーの先端が食 い込む虞れがある。そして、このまま、スピンドルを前進移動させると、キー溝 の始端あるいは終端の円弧状の底部に係合キーの先端が食い込んでいるため回転 板支持部材もスピンドルと一体的に移動する。このため、固定板及び回転板間の ギャップが拡大して、エンコーダがカウント不良を起こすという問題があった。 本考案の目的は、スピンドルのオーバーストロークを防止してカウント不良が 生じないエンコーダ内蔵型測定器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、本体と、前記本体に回転可能に螺合されたスピンドルと、前記本体 に固定された固定板及び前記スピンドルと同期回転可能な回転板を含み、前記固 定板に対する回転板の回転角から前記スピンドルの軸方向の進退量を検出するエ ンコーダと、前記スピンドルの外側面軸方向に形成されたキー溝と、前記キー溝 に係合する係合キーを有しかつ前記回転板を支持するとともに前記スピンドルと 同期回転可能な回転板支持部材と、前記回転板が前記固定板に対して一定のギャ ップをもって対向するように前記回転板支持部材を定位置に保持する保持手段と 、前記キー溝の端部で交差する前記スピンドルの外周面周方向に形成されたリン グ溝と、前記リング溝に係合するとともに前記係合キーと当接可能なストッパリ ングとを有することを特徴とする。
【0005】 ここで、キー溝及び回転板支持部材としては、従来と略同様に形成しておけば よい。また、リング溝としては、前記キー溝と同様な溝をスピンドルの周面に形 成しておけばよく、例えばキー溝の直線状の底部と円弧状の底部との境界部分に 形成すればよい。 更に、ストッパリングとしては、前記リング溝に係合可能かつスピンドルの外 周面に突出しない断面形状の環形状,C字形状等の部材が利用でき、当接する係 合キーと相互損傷しないようにゴム等の弾性体あるいは合成樹脂等で形成してお けばよい。
【0006】
【作用】 このような本考案においては、キー溝と交差する位置にストッパリングが配置 されているため、このストッパリングに係合キーが当接することによりスピンド ルの軸方向への移動が所定位置で規制され、これによりスピンドルのオーバース トロークを防止できることになる。従って、係合キーの先端がキー溝の円弧状の 底部に食い込む前段階でスピンドルの移動が規制されるから、係合キーの先端が キー溝の円弧状の底部に食い込んでエンコーダのカウント不良を招くことがなく なり、これにより前記目的が達成される。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図1には、本考案に係る一実施例のエンコーダ内蔵型測定器10が示されている 。本実施例のエンコーダ内蔵型測定器10はデジタル表示式のマイクロメータであ り、本体11に螺合されたスピンドル12が本体11に対して周方向に回転しながら軸 方向に進退可能とされている。そして、スピンドル12の本体11に対する進退量は 、本体11に内蔵された静電容量式のエンコーダ13により検出され、この検出値が 所定の電気回路を介して本体11に設けられた表示部14にデジタル表示される。
【0008】 本体11は、図中左方側端部に軸受筒15が設けられているとともに、図中右方側 端部に保持環16が螺合されている。これらの軸受筒15及び保持環16にスピンドル 12が軸通保持されている。 スピンドル12は、その端部にねじ軸17が一体成形されている。ねじ軸17は、前 記保持環16とスピンドル12との間に嵌挿されたインナースリーブ18の内周面と噛 合している。インナースリーブ18は、本体11内部側の端部18Aが保持環16に設け られたプレート19から若干突出されている。スピンドル12の後端部には、インナ ースリーブ18の外側に配置されたアウタースリーブ20に回転可能に被嵌されたシ ンブル21が連結されている。
【0009】 エンコーダ13は、前記本体11に前記保持環16,スペーサ19を介して固定された 固定板22と、前記スピンドル12と同期回転可能に設けられた回転板23とを含んで 構成されている。このエンコーダ13は、前記固定板22に対する回転板23の回転角 から前記スピンドル12の軸方向の進退量を検出する構造である。 固定板22は、図示しない送信電極,受信電極を有してスペーサ19に接着固定さ れており、その中央部分からは前述したインナースリーブ18の端部18Aが所定寸 法突出している。
【0010】 一方、回転板23は、軸受筒15と保持環16との間に設けられた回転板支持部材24 に支持されている。回転板支持部材24は、スピンドル12の外周面軸方向に形成さ れたキー溝25に係合可能な係合キー26及びこの係合キー26を位置決めするロック ボルト27を有し、保持環16側の端面に回転板23が固定されている。 この回転板23は、前記回転板支持部材24を定位置に保持する保持手段28により 前記固定板22に対して一定のギャップをもって対向するようにされている。保持 手段28は、回転板支持部材24が軸受筒15に収容されたスプリング29によりスピン ドル12に軸通されたカラー30,スペーサ31を介して保持環16側に向かって付勢さ れる構成となっている。従って、回転板支持部材24と固定板22の中央部分から突 出するインナースリーブ18の端部18Aとが当接することにより、固定板22,回転 板23が一定のギャップを介して対向配置されている。このような回転板支持部材 24により、回転板23はスピンドル12がシンブル21の回転に伴って周方向に回転し ながら軸方向に進退すると、周方向に同期回転可能かつ軸方向に相対移動可能と されている。
【0011】 キー溝25は円盤形状の回転刃により断面略V字形状に切削加工され、その始端 ,終端には当該キー溝25の直線状の底部とスピンドル12の外周面とが連続するよ うな円弧状の底部が形成されている。係合キー26は、その先端が前記キー溝25に 対応して略円錐形状とされている。 そして、キー溝25の図中左方の端部には、当該キー溝25と直交するスピンドル の外周面周方向にリング溝32が形成され、このリング溝32にはストッパリング33 が係合されている。リング溝32は、キー溝25の直線状の底部と円弧状の底部との 境界部分に形成され、円盤形状の回転刃により断面略V字形状に切削加工されて いる。ストッパリング33は断面円形の略環状とされ、前記リング溝32に係合して 係合キー26と当接可能かつスピンドル12の外周面から突出しない寸法に形成され ている。このストッパリング33は硬質ゴム,合成樹脂等の若干弾性を有する適宜 な材質により形成されており、当接する係合キー26の先端と相互損傷しないよう にされている。
【0012】 以上のような本実施例におけるエンコーダ内蔵型測定器10は、図2に示すよう に、従来と同様にシンブル21を回転させると、スピンドル12が本体11に対して周 方向に回転しながら軸方向に進退される。すると、本体11に対するスピンドル12 の進退量は、固定板22に対する回転板23の回転角としてエンコーダ13により検出 されたのち所定の電気回路を介して表示部14にデジタル表示される。 そして、スピンドル12を後退移動させる場合、所定位置まで移動させるとスト ッパリング33が係合キー26の先端に当接してスピンドル12の移動を規制し、オー バーストロークを防止する。また、スピンドル12を前進移動させると、ストッパ リング33が係合キー26の先端から離間し、通常の進退操作が可能となる。
【0013】 以上のような本実施例によれば、スピンドル12を所定位置まで移動させると係 合キー26の先端がストッパリング33に当接する。すなわち、スピンドル12の軸方 向への移動が係合キー26の先端とストッパリング33との当接位置で規制され、エ ンコーダ内蔵型測定器10のオーバーストロークが防止できる。 従って、係合キー26の先端がキー溝25の端部に形成された円弧状の底部に食い 込むことがないため、従来のような固定板22と回転板23との基準ギャップの拡大 等が生じることがなく、エンコーダ13のカウント不良を防止できる。
【0014】 また、ストッパリング33は弾性を有するため、係合キー26の先端と当接しても 衝撃を緩和でき、相互損傷の虞れがない。 そして、ストッパリング33は、スピンドル12の外周面に突出しないように形成 されているため、スピンドル12の周方向への回転抵抗や軸方向への進退抵抗が生 じることがなく、スピンドル12にねじ軸17を介して連結されるシンブル21の回転 操作を従来と同様に行うことができる。 また、スピンドル12のオーバーストローク防止には、キー溝25の端部近傍に形 成されたリング溝32にストッパリング33を係合するだけで達成されるため、加工 コストを低くできるとともに、既存のスピンドルに追加加工が容易に行える。
【0015】 なお、本考案は前述の実施例に限定されるものではなく、本考案を達成できる 範囲での改良,変形等は本考案に含まれるものである。 例えば、前述した本実施例では、ストッパリングはキー溝の一方の端部近傍に のみ係合されていたが、キー溝の始端近傍及び終端近傍の双方に係合しておいて もよい。 また、リング溝は、キー溝と直交する週報に形成されていたが、斜めに形成し ておいてもよい。そして、リング溝の断面形状としては、略V字形状以外にも断 面四角形,断面半円等でもよく、実施にあたって適宜選択すればよい。 更に、ストッパリングの材質,形状等も任意であり、弾性を有しない金属等で 断面三角形,四角形等に形成してもよい。そして、ストッパリングは環状でなく ともよく、一部を切欠いたスナップリング等のようなものでもよい。これによれ ば、ストッパリングを適宜回転させることによりスピンドルの移動規制を任意に 解除できる。
【0016】 また、リング溝は、キー溝の直線状の底部と円弧状の底部との境界部分に形成 されていたが、このような構成は本考案には必須ではなく、係合キーが食い込ま ない位置であれば任意箇所に形成してもよい。しかし、本実施例のようにすれば 係合キーの先端がキー溝の円弧状の底部に食い込むことを確実に防止できる。 そして、前述した本実施例のエンコーダ内蔵型測定器は静電容量式のエンコー ダが内蔵されていたが、光電式,電磁式,接点式等の方式のエンコーダを内蔵し たエンコーダ内蔵型測定器にも適用できる。 その他、本考案は、デジタル表示式のマイクロメータ以外のエンコーダ内蔵型 測定器全般に適用できるものである。
【0017】
【考案の効果】
前述のような本考案によれば、ストッパリングが係合キーに当接することでス ピンドルの軸方向への移動が規制されるため、エンコーダ内蔵型測定器の本体に 対するスピンドルのオーバーストロークが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す断面図である。
【図2】前記実施例の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 エンコーダ内蔵型測定器であるマイクロメータ 11 本体 12 スピンドル 13 エンコーダ 22 固定板 23 回転板 24 回転板支持部材 25 キー溝 26 係合キー 28 保持手段 32 リング溝 33 ストッパリング

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、前記本体に回転可能に螺合され
    たスピンドルと、前記本体に固定された固定板及び前記
    スピンドルと同期回転可能な回転板を含み、前記固定板
    に対する回転板の回転角から前記スピンドルの軸方向の
    進退量を検出するエンコーダと、前記スピンドルの外側
    面軸方向に形成されたキー溝と、前記キー溝に係合する
    係合キーを有しかつ前記回転板を支持するとともに前記
    スピンドルと同期回転可能な回転板支持部材と、前記回
    転板が前記固定板に対して一定のギャップをもって対向
    するように前記回転板支持部材を定位置に保持する保持
    手段と、前記キー溝の端部で交差する前記スピンドルの
    外周面周方向に形成されたリング溝と、前記リング溝に
    係合するとともに前記係合キーと当接可能なストッパリ
    ングとを有することを特徴とするエンコーダ内蔵型測定
    器。
JP1993044536U 1993-08-16 1993-08-16 エンコーダ内蔵型測定器 Expired - Fee Related JP2590370Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005227285A (ja) * 2004-02-11 2005-08-25 Carl Mahl Holding Gmbh 間隔測定のための精密測定機器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005227285A (ja) * 2004-02-11 2005-08-25 Carl Mahl Holding Gmbh 間隔測定のための精密測定機器

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JP2590370Y2 (ja) 1999-02-10

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