JPH07142327A - 投影露光装置 - Google Patents
投影露光装置Info
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- JPH07142327A JPH07142327A JP5152115A JP15211593A JPH07142327A JP H07142327 A JPH07142327 A JP H07142327A JP 5152115 A JP5152115 A JP 5152115A JP 15211593 A JP15211593 A JP 15211593A JP H07142327 A JPH07142327 A JP H07142327A
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- Japan
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- optical system
- projection optical
- phase
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 一台の装置で簡便に、従来の異なる結像方式
で得られる結像と同等の結像特性を得ると共に、従来の
異なる技術の中間的な結像特性をも得る。 【構成】 投影光学系の瞳面近傍に2枚の透明基板15
及び17を配置し、透明基板15の下面に輪帯状の1/
2波長板16を被着し、透明基板17の上面に小さい円
形の1/2波長板18を被着する。透明基板15及び1
7の少なくとも一方を、投影光学系の光軸AXを中心に
回転自在にして、必要な結像特性に応じて、1/2波長
板16の主軸DAと1/2波長板18の主軸DBとの間
の角度θを変える。
で得られる結像と同等の結像特性を得ると共に、従来の
異なる技術の中間的な結像特性をも得る。 【構成】 投影光学系の瞳面近傍に2枚の透明基板15
及び17を配置し、透明基板15の下面に輪帯状の1/
2波長板16を被着し、透明基板17の上面に小さい円
形の1/2波長板18を被着する。透明基板15及び1
7の少なくとも一方を、投影光学系の光軸AXを中心に
回転自在にして、必要な結像特性に応じて、1/2波長
板16の主軸DAと1/2波長板18の主軸DBとの間
の角度θを変える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子又は
液晶表示素子等をフォトリソグラフィー工程で製造する
際に使用される投影露光装置に関し、特にコンタクトホ
ール等の孤立的パターンを露光する際に適用して卓効あ
るものである。
液晶表示素子等をフォトリソグラフィー工程で製造する
際に使用される投影露光装置に関し、特にコンタクトホ
ール等の孤立的パターンを露光する際に適用して卓効あ
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等をフォトリソグラフィー工程で製造する際に、
フォトマスク又はレチクル(以下、「フォトマスク」と
総称する)のパターン像を投影光学系を介してフォトレ
ジストが塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)
上に露光する投影露光装置が使用されている。
ヘッド等をフォトリソグラフィー工程で製造する際に、
フォトマスク又はレチクル(以下、「フォトマスク」と
総称する)のパターン像を投影光学系を介してフォトレ
ジストが塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)
上に露光する投影露光装置が使用されている。
【0003】露光光の波長をλ、投影光学系の開口数を
N.A.、プロセス定数をR1 とすると、投影露光装置の解
像限界は、一般にR1 λ/N.A.で表され、露光波長λが
短く、開口数N.A.が大きい程解像度が高い。一方、所定
の係数をR2 として、投影光学系の焦点深度はR2 λ/
N.A.2 で表され、露光波長λが短くなっても、開口数N.
A.が大きくなっても、共に焦点深度が減少する。
N.A.、プロセス定数をR1 とすると、投影露光装置の解
像限界は、一般にR1 λ/N.A.で表され、露光波長λが
短く、開口数N.A.が大きい程解像度が高い。一方、所定
の係数をR2 として、投影光学系の焦点深度はR2 λ/
N.A.2 で表され、露光波長λが短くなっても、開口数N.
A.が大きくなっても、共に焦点深度が減少する。
【0004】半導体素子を例に取ると、最近のLSIの
一層の微細化及び多層化に伴って、ウエハプロセスは3
次元的となり、高段差を有するパターンが多くなってい
る。このような高段差のパターンを高精度に形成するた
めに、投影露光装置には大きな焦点深度が要求される。
これに関して、メモリの回路パターンのような周期的な
パターンを露光する際には、位相シフト法や所謂変形照
明法により解像度を向上できると同時に焦点深度を深く
できることが分かっている。
一層の微細化及び多層化に伴って、ウエハプロセスは3
次元的となり、高段差を有するパターンが多くなってい
る。このような高段差のパターンを高精度に形成するた
めに、投影露光装置には大きな焦点深度が要求される。
これに関して、メモリの回路パターンのような周期的な
パターンを露光する際には、位相シフト法や所謂変形照
明法により解像度を向上できると同時に焦点深度を深く
できることが分かっている。
【0005】しかしながら、特に所謂コンタクトホール
(微小開口よりなるパターン)のような孤立的なパター
ンに関しては、位相シフト法や変形照明法では、焦点深
度の改善効果が少ない。これに関して、特にコンタクト
ホールのような孤立的なパターンの像をウエハ上に投影
露光する際の結像特性(像の鮮鋭度、焦点深度等)を改
善する手法として、投影光学系の瞳面(フーリエ変換
面)上に、瞳フィルターを配する手法が幾つか提案され
ている。第1の従来技術として、特開平4−34801
7号公報において開示されている手法は、投影光学系の
瞳面において、点対称に且つ輪帯状に位相を反転させる
ことにより、結像に多重焦点効果を持たせ、これにより
焦点深度の増大を図っている。この原理については、例
えば、「Progress in Optics,vol.2,pp.133-152(1963)
」に示されている。
(微小開口よりなるパターン)のような孤立的なパター
ンに関しては、位相シフト法や変形照明法では、焦点深
度の改善効果が少ない。これに関して、特にコンタクト
ホールのような孤立的なパターンの像をウエハ上に投影
露光する際の結像特性(像の鮮鋭度、焦点深度等)を改
善する手法として、投影光学系の瞳面(フーリエ変換
面)上に、瞳フィルターを配する手法が幾つか提案され
ている。第1の従来技術として、特開平4−34801
7号公報において開示されている手法は、投影光学系の
瞳面において、点対称に且つ輪帯状に位相を反転させる
ことにより、結像に多重焦点効果を持たせ、これにより
焦点深度の増大を図っている。この原理については、例
えば、「Progress in Optics,vol.2,pp.133-152(1963)
」に示されている。
【0006】第2の従来技術として、本出願人が特願平
4−263521号で開示している手法は、投影光学系
の瞳面において、点対称に且つ輪帯状に複数の領域を形
成し、各領域を通過する光が他の輪帯領域を通過する光
と干渉しないようにしたものである。この第2の従来技
術では、円形状又は輪帯状の複数の領域からの波面で形
成される像が、インコヒーレントの状態で、即ち、非可
干渉の状態で重ね合わせられて、焦点深度の増大が図ら
れている。
4−263521号で開示している手法は、投影光学系
の瞳面において、点対称に且つ輪帯状に複数の領域を形
成し、各領域を通過する光が他の輪帯領域を通過する光
と干渉しないようにしたものである。この第2の従来技
術では、円形状又は輪帯状の複数の領域からの波面で形
成される像が、インコヒーレントの状態で、即ち、非可
干渉の状態で重ね合わせられて、焦点深度の増大が図ら
れている。
【0007】以上の2つの従来技術を比較すると、第1
の従来技術は、コンタクトホール等の像の鮮鋭度に優れ
るが、本来のパターン以外の光強度の疑似ピーク、即ち
リンギングが大きいという傾向がある。一方、第2の従
来技術では、リンギングの面での問題は無いが、像の鮮
鋭度の点で劣る傾向があり、且つ露光の際の露光裕度の
点で若干劣る傾向がある。
の従来技術は、コンタクトホール等の像の鮮鋭度に優れ
るが、本来のパターン以外の光強度の疑似ピーク、即ち
リンギングが大きいという傾向がある。一方、第2の従
来技術では、リンギングの面での問題は無いが、像の鮮
鋭度の点で劣る傾向があり、且つ露光の際の露光裕度の
点で若干劣る傾向がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の如き2つの従来
技術は、必ずしも二者択一的なものではなく、投影露光
装置を使用するユーザーによって共存し得るものであ
る。つまり、投影露光装置を使用するデバイスメーカー
によって、それぞれのパターン配置、或いはレジストプ
ロセス条件等により、それら2つの従来技術の何れが適
しているか、或いは、それら2つの従来技術の中間的状
態が適しているのかが、変わってしまうものである。
技術は、必ずしも二者択一的なものではなく、投影露光
装置を使用するユーザーによって共存し得るものであ
る。つまり、投影露光装置を使用するデバイスメーカー
によって、それぞれのパターン配置、或いはレジストプ
ロセス条件等により、それら2つの従来技術の何れが適
しているか、或いは、それら2つの従来技術の中間的状
態が適しているのかが、変わってしまうものである。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、一台の装置で簡
便に、上記2つの従来技術と同等の結像特性が得られる
と共に、上記2つの従来技術の中間的な結像特性も得ら
れるような投影露光装置を提供することを目的とする。
便に、上記2つの従来技術と同等の結像特性が得られる
と共に、上記2つの従来技術の中間的な結像特性も得ら
れるような投影露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の投影露光装置
は、例えば図1に示すように、所定の照明光のもとでフ
ォトマスク(R)上のパターンの像を投影光学系(P
L)を介して感光性の基板(W)上に投影する投影露光
装置において、投影光学系(PL)の瞳面の近傍の面上
の異なる所定の複数の領域に、それぞれ主軸に平行なそ
の照明光の偏光成分とその主軸に交差する軸に平行なそ
の照明光の偏光成分とに所定の位相差を与える位相板
(16,18)を配し、所定の複数の領域にそれぞれ配
された位相板(16,18)の主軸の間の相対角度を可
変にしたものである。
は、例えば図1に示すように、所定の照明光のもとでフ
ォトマスク(R)上のパターンの像を投影光学系(P
L)を介して感光性の基板(W)上に投影する投影露光
装置において、投影光学系(PL)の瞳面の近傍の面上
の異なる所定の複数の領域に、それぞれ主軸に平行なそ
の照明光の偏光成分とその主軸に交差する軸に平行なそ
の照明光の偏光成分とに所定の位相差を与える位相板
(16,18)を配し、所定の複数の領域にそれぞれ配
された位相板(16,18)の主軸の間の相対角度を可
変にしたものである。
【0011】この場合、それら所定の複数の領域にそれ
ぞれ配された位相板(16,18)の形状は、投影光学
系(PL)の光軸を中心とした円形状又は輪帯状である
ことが望ましい。更に、それら所定の複数の領域は2つ
の領域で、この2つの領域に配された位相板(16,1
8)がそれぞれ2分の1波長板であってもよい。
ぞれ配された位相板(16,18)の形状は、投影光学
系(PL)の光軸を中心とした円形状又は輪帯状である
ことが望ましい。更に、それら所定の複数の領域は2つ
の領域で、この2つの領域に配された位相板(16,1
8)がそれぞれ2分の1波長板であってもよい。
【0012】
【作用】先ず、図2を参照して本発明の原理につき説明
する。図2(a)は投影光学系(PL)の瞳面に配置さ
れた位相板の一例を示し、図2(a)に示すように、輪
帯状の第1の位相板(16)中の中央に小さい円形の第
2の位相板(18)が配されているものとする。そし
て、輪帯状の第1の位相板(16)内の一点を通る光の
振幅をψA 、小さい円形の第2の位相板(18)内の一
点を通る光の振幅をψB として、振幅ψA の光と振幅ψ
B の光とによって、像面上に形成される光強度を考える
こととする。
する。図2(a)は投影光学系(PL)の瞳面に配置さ
れた位相板の一例を示し、図2(a)に示すように、輪
帯状の第1の位相板(16)中の中央に小さい円形の第
2の位相板(18)が配されているものとする。そし
て、輪帯状の第1の位相板(16)内の一点を通る光の
振幅をψA 、小さい円形の第2の位相板(18)内の一
点を通る光の振幅をψB として、振幅ψA の光と振幅ψ
B の光とによって、像面上に形成される光強度を考える
こととする。
【0013】ここで、輪帯状の第1の位相板(16)の
主軸DAに平行な偏光成分と主軸に垂直な軸に平行な偏
光成分との位相差をΔ、小さい円形の第2の位相板(1
8)の主軸DBに平行な偏光成分と主軸に垂直な軸に平
行な偏光成分との位相差をΔ′とする。更に、輪帯状の
第1の位相板(16)の主軸DAと小さい円形の第2の
位相板(18)の主軸DBとが成す角度をθとする。投
影光学系(PL)の瞳面に入射する光は、偏光特性を有
していない、即ち、偏光度が零であるとすると、振幅ψ
A の光と振幅ψB の光とによって形成される像の光強度
Iは、互いに直交する2つの偏光光の強度の和で表現で
きる。
主軸DAに平行な偏光成分と主軸に垂直な軸に平行な偏
光成分との位相差をΔ、小さい円形の第2の位相板(1
8)の主軸DBに平行な偏光成分と主軸に垂直な軸に平
行な偏光成分との位相差をΔ′とする。更に、輪帯状の
第1の位相板(16)の主軸DAと小さい円形の第2の
位相板(18)の主軸DBとが成す角度をθとする。投
影光学系(PL)の瞳面に入射する光は、偏光特性を有
していない、即ち、偏光度が零であるとすると、振幅ψ
A の光と振幅ψB の光とによって形成される像の光強度
Iは、互いに直交する2つの偏光光の強度の和で表現で
きる。
【0014】互いに直交する2つの偏光光を、ジョーン
ズベクトル表示で、〈e1〉及び〈e2〉とすると、こ
れらのベクトル〈e1〉及び〈e2〉は直交する2方向
の成分ex 及びey を用いて次のように表される。但
し、成分ex 及びey の複素共役をそれぞれex *及びe
y *で表している。
ズベクトル表示で、〈e1〉及び〈e2〉とすると、こ
れらのベクトル〈e1〉及び〈e2〉は直交する2方向
の成分ex 及びey を用いて次のように表される。但
し、成分ex 及びey の複素共役をそれぞれex *及びe
y *で表している。
【0015】
【数1】
【0016】この場合、ベクトル〈e1〉及び〈e2〉
は、|ex|2+|ey|2=1、となるように正規化されてい
るとすると、振幅ψA の光と振幅ψB の光とによって形
成される像の光強度Iは、次のようになる。
は、|ex|2+|ey|2=1、となるように正規化されてい
るとすると、振幅ψA の光と振幅ψB の光とによって形
成される像の光強度Iは、次のようになる。
【0017】
【数2】I=(1/2)(|a1|2+|a2|2+|b1|2+|b2|2) この式において、成分a1,a2 及び成分b1,b2 は次の
ように表される。
ように表される。
【0018】
【数3】
【0019】また、この式中で使用される行列T(θ)
及びR(Δ)は次のように表される。
及びR(Δ)は次のように表される。
【0020】
【数4】
【0021】ここで、(数3)及び(数4)を用いて、
(数2)を計算すると次のようになる。
(数2)を計算すると次のようになる。
【0022】
【数5】 I=|ψA|2+|ψB|2+C(θ,Δ,Δ′)(ψAψB *+ψA *ψB) 但し、パラメータC(θ,Δ,Δ′)は次のように表され
る。
る。
【0023】
【数6】 C(θ,Δ,Δ′)=cos2θcos{(Δ−Δ′)/2}+sin2θcos{(Δ+Δ′)/2} 仮に、輪帯状の第1の位相板(16)及び小さい円形の
第2の位相板(18)が共に1/2波長板であるとする
と、Δ=Δ′=πであり、このとき(数6)は次のよう
になる。
第2の位相板(18)が共に1/2波長板であるとする
と、Δ=Δ′=πであり、このとき(数6)は次のよう
になる。
【0024】
【数7】C(θ,π,π)=cos2θ−sin2θ=cos2θ (数7)と(数5)とより、主軸の間の角度θの値によ
り、光強度Iは次のように変化するのが分かる。
り、光強度Iは次のように変化するのが分かる。
【0025】
【数8】θ=0 のとき:I=|ψA +ψB |2
【0026】
【数9】θ=π/4のとき:I=|ψA|2 +|ψB|2
【0027】
【数10】θ=π/2のとき:I=|ψA −ψB |2
【0028】これらの場合の内で、(数8)は、投影光
学系の瞳面にフィルターが無い通常の露光方式での結像
と同じ強度分布であり、(数9)は、振幅ψA と振幅ψ
B とがインコヒーレント化された第2の従来技術での結
像と同じ強度分布であり、(数10)式は、振幅ψA と
振幅ψB との位相が反転した第1の従来技術での結像と
同じ強度分布である。その回転角θは、任意にとれるの
で、各種結像状態が自由に選べるということが理解され
る。
学系の瞳面にフィルターが無い通常の露光方式での結像
と同じ強度分布であり、(数9)は、振幅ψA と振幅ψ
B とがインコヒーレント化された第2の従来技術での結
像と同じ強度分布であり、(数10)式は、振幅ψA と
振幅ψB との位相が反転した第1の従来技術での結像と
同じ強度分布である。その回転角θは、任意にとれるの
で、各種結像状態が自由に選べるということが理解され
る。
【0029】即ち、本発明において、輪帯状の第1の位
相板(16)及び小さい円形の第2の位相板(18)を
それぞれ1/2波長板より形成し、両者の主軸の間の角
度θを変えることにより、通常の投影露光装置、第1の
従来技術及び第2の従来技術とそれぞれ同等の結像特性
が得られると共に、上記2つの従来技術の中間的な結像
特性も得られることになる。
相板(16)及び小さい円形の第2の位相板(18)を
それぞれ1/2波長板より形成し、両者の主軸の間の角
度θを変えることにより、通常の投影露光装置、第1の
従来技術及び第2の従来技術とそれぞれ同等の結像特性
が得られると共に、上記2つの従来技術の中間的な結像
特性も得られることになる。
【0030】また、それら位相板(16,18)として
1/4波長板等の種々の位相板を用いた場合も、種々の
結像特性が得られ、3枚以上の位相板を組み合わせた場
合にも種々の結像特性を実現できる。
1/4波長板等の種々の位相板を用いた場合も、種々の
結像特性が得られ、3枚以上の位相板を組み合わせた場
合にも種々の結像特性を実現できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図面を参照
して説明する。図1は、本実施例の投影露光装置の概略
構成を示し、この図1において、水銀ランプ1から射出
された露光光は、楕円鏡2で反射された後、インプット
レンズ4、所定の波長帯の光を選択して通過させる第1
のフィルター板5及び第2のフィルター板6を経てフラ
イアイレンズ7に入射する。楕円鏡2の第2焦点の近傍
に露光光の照射及び遮断を切り換えるためのシャッター
3を配置し、装置全体の動作を制御する主制御系23が
駆動装置24を介してシャッター3の開閉を行う。
して説明する。図1は、本実施例の投影露光装置の概略
構成を示し、この図1において、水銀ランプ1から射出
された露光光は、楕円鏡2で反射された後、インプット
レンズ4、所定の波長帯の光を選択して通過させる第1
のフィルター板5及び第2のフィルター板6を経てフラ
イアイレンズ7に入射する。楕円鏡2の第2焦点の近傍
に露光光の照射及び遮断を切り換えるためのシャッター
3を配置し、装置全体の動作を制御する主制御系23が
駆動装置24を介してシャッター3の開閉を行う。
【0032】フライアイレンズ7の後側(レチクル側)
焦点面に、露光光用の開口絞り(以下、「σ絞り」とい
う)8が配置され、σ絞り8内の多数の2次光源からの
露光光が、ミラー9で反射された後、第1のリレーレン
ズ10、可変視野絞り(レチクルブラインド)11、第
2のリレーレンズ12、ミラー13及びコンデンサーレ
ンズ14を介して、フォトマスクRのパターン領域を均
一な照度で照明する。この場合、可変視野絞り11の配
置面はフォトマスクRのパターン形成面と共役であり、
σ絞り8の配置面は、投影光学系PLの瞳面(フォトマ
スクRのパターン領域のフーリエ変換面)FTPと共役
である。主制御系23が、駆動装置25を介してσ絞り
8及び可変視野絞り11の開口部の形状を所定の形状に
設定する。
焦点面に、露光光用の開口絞り(以下、「σ絞り」とい
う)8が配置され、σ絞り8内の多数の2次光源からの
露光光が、ミラー9で反射された後、第1のリレーレン
ズ10、可変視野絞り(レチクルブラインド)11、第
2のリレーレンズ12、ミラー13及びコンデンサーレ
ンズ14を介して、フォトマスクRのパターン領域を均
一な照度で照明する。この場合、可変視野絞り11の配
置面はフォトマスクRのパターン形成面と共役であり、
σ絞り8の配置面は、投影光学系PLの瞳面(フォトマ
スクRのパターン領域のフーリエ変換面)FTPと共役
である。主制御系23が、駆動装置25を介してσ絞り
8及び可変視野絞り11の開口部の形状を所定の形状に
設定する。
【0033】また、フォトマスクRをマスクステージR
ST上に保持し、レチクルステージRSTの近傍にレチ
クルリーダ26を配置する。図示省略されたレチクルロ
ーダ系によりフォトマスクRをマスクステージRST上
にロードする際に、フォトマスクR上に形成されたレチ
クル情報(バーコード等)をレチクルリーダ26で読み
取り、読み取ったレチクル情報を主制御系23に供給す
る。これにより、主制御系23は、現在マスクステージ
RST上に保持されているフォトマスクRの内容(パタ
ーンの種類、パターンの最小線幅等)を認識することが
できる。
ST上に保持し、レチクルステージRSTの近傍にレチ
クルリーダ26を配置する。図示省略されたレチクルロ
ーダ系によりフォトマスクRをマスクステージRST上
にロードする際に、フォトマスクR上に形成されたレチ
クル情報(バーコード等)をレチクルリーダ26で読み
取り、読み取ったレチクル情報を主制御系23に供給す
る。これにより、主制御系23は、現在マスクステージ
RST上に保持されているフォトマスクRの内容(パタ
ーンの種類、パターンの最小線幅等)を認識することが
できる。
【0034】コンデンサーレンズ14から射出される露
光光ILBのもとで、フォトマスクRのパターン像を投
影光学系PLを介してフォトレジストが塗布されたウエ
ハW上に投影露光する。ウエハWはウエハステージWS
T上に載置され、ウエハステージWSTは、ウエハWを
投影光学系PLの光軸AXに垂直なXY平面内で位置決
めするXYステージ、及びウエハWを光軸AXに平行な
Z方向に位置決めするZステージ等より構成されてい
る。主制御系23が、駆動装置22を介してウエハステ
ージWSTの動作を制御することにより、ウエハWの所
望のショット領域が投影光学系PLの露光フィールド内
に位置決めされると共に、そのショット領域の投影光学
系PLの光軸方向の位置(フォーカス位置)が投影光学
系PLの結像面の位置に設定される。
光光ILBのもとで、フォトマスクRのパターン像を投
影光学系PLを介してフォトレジストが塗布されたウエ
ハW上に投影露光する。ウエハWはウエハステージWS
T上に載置され、ウエハステージWSTは、ウエハWを
投影光学系PLの光軸AXに垂直なXY平面内で位置決
めするXYステージ、及びウエハWを光軸AXに平行な
Z方向に位置決めするZステージ等より構成されてい
る。主制御系23が、駆動装置22を介してウエハステ
ージWSTの動作を制御することにより、ウエハWの所
望のショット領域が投影光学系PLの露光フィールド内
に位置決めされると共に、そのショット領域の投影光学
系PLの光軸方向の位置(フォーカス位置)が投影光学
系PLの結像面の位置に設定される。
【0035】また、本例では、投影光学系PLの瞳面F
TPの近傍に、2枚のそれぞれガラス基板等よりなる円
形の透明基板15及び17を配置する。図2はそれら透
明基板15及び17を示し、これら図2(a)及び
(b)において、上側の透明基板15の下面に投影光学
系PLの光軸AXを中心として輪帯状の1/2波長板1
6を被着し、下側の透明基板17の上面に光軸AXを中
心として小さい円形の1/2波長板18を被着する。図
2(a)に示すように、1/2波長板18は、輪帯状の
1/2波長板16に内接するような円形であり、1/2
波長板16の主軸DA及び1/2波長板18の主軸DB
はそれぞれ光軸AXに対して直交している。そして、1
/2波長板16の下面及び1/2波長板18の上面が、
図1の投影光学系PLの瞳面FTPにほぼ位置してい
る。
TPの近傍に、2枚のそれぞれガラス基板等よりなる円
形の透明基板15及び17を配置する。図2はそれら透
明基板15及び17を示し、これら図2(a)及び
(b)において、上側の透明基板15の下面に投影光学
系PLの光軸AXを中心として輪帯状の1/2波長板1
6を被着し、下側の透明基板17の上面に光軸AXを中
心として小さい円形の1/2波長板18を被着する。図
2(a)に示すように、1/2波長板18は、輪帯状の
1/2波長板16に内接するような円形であり、1/2
波長板16の主軸DA及び1/2波長板18の主軸DB
はそれぞれ光軸AXに対して直交している。そして、1
/2波長板16の下面及び1/2波長板18の上面が、
図1の投影光学系PLの瞳面FTPにほぼ位置してい
る。
【0036】また、図1において、主制御形23からの
指令に応じて、回転駆動装置21が透明基板15又は透
明基板17の少なくとも一方を光軸AXを中心に回転で
きるように構成されている。従って、図2(a)に示す
ように、輪帯状の1/2波長板16の主軸DAと小さい
円形の1/2波長板18の主軸DBとの間の角度θを任
意の値の設定できる。主制御系23は、レチクルリーダ
26で読み取ったフォトマスクRの種類に応じて、回転
駆動装置21を介してその角度θを所望の値に設定す
る。
指令に応じて、回転駆動装置21が透明基板15又は透
明基板17の少なくとも一方を光軸AXを中心に回転で
きるように構成されている。従って、図2(a)に示す
ように、輪帯状の1/2波長板16の主軸DAと小さい
円形の1/2波長板18の主軸DBとの間の角度θを任
意の値の設定できる。主制御系23は、レチクルリーダ
26で読み取ったフォトマスクRの種類に応じて、回転
駆動装置21を介してその角度θを所望の値に設定す
る。
【0037】本例の動作につき説明するため、投影光学
系PLの瞳面FTPにおいて、輪帯状の1/2波長板1
6に入射する照明光ILBの振幅をψA 、円形の1/2
波長板18に入射する照明光ILBの振幅をψB とす
る。この場合、既に説明したように、1/2波長板16
の主軸DAと1/2波長板18の主軸DBとがなす角度
θにより、ウエハW上で振幅ψA の照明光ILBと振幅
ψB の照明光ILBとが重畳された像の光強度Iは次の
ようになる。
系PLの瞳面FTPにおいて、輪帯状の1/2波長板1
6に入射する照明光ILBの振幅をψA 、円形の1/2
波長板18に入射する照明光ILBの振幅をψB とす
る。この場合、既に説明したように、1/2波長板16
の主軸DAと1/2波長板18の主軸DBとがなす角度
θにより、ウエハW上で振幅ψA の照明光ILBと振幅
ψB の照明光ILBとが重畳された像の光強度Iは次の
ようになる。
【0038】
【数11】 θ=0 (0°)のとき:I=|ψA +ψB |2
【0039】
【数12】 θ=π/4(45°)のとき:I=|ψA|2 +|ψB|2
【0040】
【数13】 θ=π/2(90°)のとき:I=|ψA −ψB |2
【0041】以上の光強度Iは、θ=0°のときは、投
影光学系PLの瞳面FTPに何のフィルターも配置しな
い場合、つまり通常の結像に対応し、θ=45°のとき
は、輪帯状の1/2波長板16と小さい円形の1/2波
長板18とがインコヒーレントの第2の従来技術の結像
に対応し、θ=90°のときは、輪帯状の1/2波長板
16と小さい円形の1/2波長板18との位相が反転し
ている第1の従来技術の結像に対応している。従って、
本実施例に依れば、瞳フィルターとしての透明基板15
及び17の一方を光軸AXの回りに回転させるだけで、
通常結像と、第2の従来技術のように瞳面内の領域毎に
インコヒーレント化させる結像と、第1の従来技術のよ
うに瞳面内の領域毎に位相を反転させる結像との3種類
の結像が、それぞれ容易に実現される。更に、角度θは
任意の値に設定できるので、上記3種類の結像状態の中
間的状態も実現でき、結像特性の微調整が可能である。
影光学系PLの瞳面FTPに何のフィルターも配置しな
い場合、つまり通常の結像に対応し、θ=45°のとき
は、輪帯状の1/2波長板16と小さい円形の1/2波
長板18とがインコヒーレントの第2の従来技術の結像
に対応し、θ=90°のときは、輪帯状の1/2波長板
16と小さい円形の1/2波長板18との位相が反転し
ている第1の従来技術の結像に対応している。従って、
本実施例に依れば、瞳フィルターとしての透明基板15
及び17の一方を光軸AXの回りに回転させるだけで、
通常結像と、第2の従来技術のように瞳面内の領域毎に
インコヒーレント化させる結像と、第1の従来技術のよ
うに瞳面内の領域毎に位相を反転させる結像との3種類
の結像が、それぞれ容易に実現される。更に、角度θは
任意の値に設定できるので、上記3種類の結像状態の中
間的状態も実現でき、結像特性の微調整が可能である。
【0042】次に、上述実施例において、図2の1/2
波長板16及び18の代わりに、それぞれ1/4波長板
19及び20を配するようにしても良い。この場合、波
長板19における位相差Δ、及び波長板20における位
相差Δ′は共にπ/2となり、上述の(数6)は次のよ
うになる。
波長板16及び18の代わりに、それぞれ1/4波長板
19及び20を配するようにしても良い。この場合、波
長板19における位相差Δ、及び波長板20における位
相差Δ′は共にπ/2となり、上述の(数6)は次のよ
うになる。
【0043】
【数14】C(θ,π/2,π/2)=cos2θ 従って、これを(数5)に代入することにより、ウエハ
W上での光強度Iは次のようになる。
W上での光強度Iは次のようになる。
【0044】
【数15】θ=0 (0°)のとき:I=|ψA+ψB|2
【0045】
【数16】 θ=π/2(90°)のとき:I=|ψA|2+|ψB|2 即ち、2枚の1/4波長板の主軸の間の角度θに応じ
て、通常の結像と、第2の従来技術のように瞳面内の領
域毎にインコヒーレント化する結像との2種類の結像を
成し得る。ここでも角度θは任意に取り得るので、以上
の2種類の結像の中間的結像も可能である。更に、図2
では図示省略されているが、輪帯状の1/4波長板19
と小さい円形の1/4波長板20との間に、透明基板1
5及び17の厚さの差等に依り、半波長の位相差を生じ
させておけば、ウエハW上での光強度Iは次のようにな
る。
て、通常の結像と、第2の従来技術のように瞳面内の領
域毎にインコヒーレント化する結像との2種類の結像を
成し得る。ここでも角度θは任意に取り得るので、以上
の2種類の結像の中間的結像も可能である。更に、図2
では図示省略されているが、輪帯状の1/4波長板19
と小さい円形の1/4波長板20との間に、透明基板1
5及び17の厚さの差等に依り、半波長の位相差を生じ
させておけば、ウエハW上での光強度Iは次のようにな
る。
【0046】
【数17】θ=0 (0°)のとき:I=|ψA-ψB|2
【0047】
【数18】 θ=π/2(90°)のとき:I=|ψA|2+|ψB|2 従って、瞳面内の領域毎に位相反転させる第1の従来技
術の結像と、瞳面内の領域毎にインコヒーレント化する
第2の従来技術の結像との2種類の結像及びそれらの間
の中間的結像が実現される。
術の結像と、瞳面内の領域毎にインコヒーレント化する
第2の従来技術の結像との2種類の結像及びそれらの間
の中間的結像が実現される。
【0048】なお、上述の第1実施例では2枚の波長
板、すなわち円形の1/2波長板18の外径と輪帯状の
1/2波長板16の内径とを一致させることを前提とし
たが、波長板の製造精度を考えると、円形の1/2波
長板18と輪帯状の1/2波長板16とが一部重なる場
合、及び1/2波長板18の外径と1/2波長板16
の内径との間に隙間ができる場合もある。又はのよ
うになっても良いが、より積極的にの場合では2枚の
波長板18,16のオーバーラップ部分、の場合では
隙間部と、第1実施例と同じ2つの領域(円形の領域及
びこれと重ならない輪帯状の領域)との3つの領域の位
相を制御するようにしても良い。また、オーバーラップ
部分又は隙間部を輪帯状の遮光帯としても良い。これに
より、波長板の製造精度を緩くできる。これは1/2波
長板18,16の代わりに1/4波長板20,19を使
用する場合も同様である。
板、すなわち円形の1/2波長板18の外径と輪帯状の
1/2波長板16の内径とを一致させることを前提とし
たが、波長板の製造精度を考えると、円形の1/2波
長板18と輪帯状の1/2波長板16とが一部重なる場
合、及び1/2波長板18の外径と1/2波長板16
の内径との間に隙間ができる場合もある。又はのよ
うになっても良いが、より積極的にの場合では2枚の
波長板18,16のオーバーラップ部分、の場合では
隙間部と、第1実施例と同じ2つの領域(円形の領域及
びこれと重ならない輪帯状の領域)との3つの領域の位
相を制御するようにしても良い。また、オーバーラップ
部分又は隙間部を輪帯状の遮光帯としても良い。これに
より、波長板の製造精度を緩くできる。これは1/2波
長板18,16の代わりに1/4波長板20,19を使
用する場合も同様である。
【0049】次に、本発明の第2実施例につき図3を参
照して説明する。本例でも全体の構成は図1と同じであ
るが、投影光学系PLの瞳面FTPの近傍に配置する瞳
フィルターの構成だけが異なっている。図3は、本実施
例で投影光学系PLの瞳面FTPの近傍に配置される瞳
フィルターを示し、第1の円形の透明基板15の上面中
央部に、投影光学系PLの光軸AXに軸対称に円形の遮
光膜31を被着し、透明基板15の下面に、光軸AXに
軸対称に遮光膜31より大きい円形の1/2波長板32
を被着する。また、第2の円形の透明基板17の上面に
も、1/2波長板32と対向するように同じ大きさの円
形の1/2波長板33を被着する。本例でも、透明基板
15と透明基板17との少なくとも一方が光軸AXを中
心に回転自在に構成され、図3(a)に示すように、円
形の1/2波長板33の主軸DCと円形1/2波長板3
2の主軸DDとの間の角度θが可変となっている。
照して説明する。本例でも全体の構成は図1と同じであ
るが、投影光学系PLの瞳面FTPの近傍に配置する瞳
フィルターの構成だけが異なっている。図3は、本実施
例で投影光学系PLの瞳面FTPの近傍に配置される瞳
フィルターを示し、第1の円形の透明基板15の上面中
央部に、投影光学系PLの光軸AXに軸対称に円形の遮
光膜31を被着し、透明基板15の下面に、光軸AXに
軸対称に遮光膜31より大きい円形の1/2波長板32
を被着する。また、第2の円形の透明基板17の上面に
も、1/2波長板32と対向するように同じ大きさの円
形の1/2波長板33を被着する。本例でも、透明基板
15と透明基板17との少なくとも一方が光軸AXを中
心に回転自在に構成され、図3(a)に示すように、円
形の1/2波長板33の主軸DCと円形1/2波長板3
2の主軸DDとの間の角度θが可変となっている。
【0050】本実施例において、図3(a)の透明基板
15及び17の領域を、位相板が無い大輪帯領域15a
と、遮光膜31の外側で且つ2枚の1/2波長板32及
び33が重なっている小輪帯領域32aとに分けて考え
ると、小輪帯領域32aを通る光が2枚の1/2波長板
32及び33を通過する。この場合に先に述べたのと同
様の計算を行うと、結果は全く同じになる。即ち、2枚
の1/2波長板32及び33の主軸が成す角度をθとし
て、第1実施例と同様に、大輪帯領域15aに入射する
光の振幅をψA′、小輪帯領域32aに入射する光の振
幅をψB′と定義すると、振幅ψA′の光と振幅ψB′の
光との混合による光強度I′は、次のようになる。
15及び17の領域を、位相板が無い大輪帯領域15a
と、遮光膜31の外側で且つ2枚の1/2波長板32及
び33が重なっている小輪帯領域32aとに分けて考え
ると、小輪帯領域32aを通る光が2枚の1/2波長板
32及び33を通過する。この場合に先に述べたのと同
様の計算を行うと、結果は全く同じになる。即ち、2枚
の1/2波長板32及び33の主軸が成す角度をθとし
て、第1実施例と同様に、大輪帯領域15aに入射する
光の振幅をψA′、小輪帯領域32aに入射する光の振
幅をψB′と定義すると、振幅ψA′の光と振幅ψB′の
光との混合による光強度I′は、次のようになる。
【0051】
【数19】 I′=|ψA′|2+|ψB′|2+cos2θ・(ψA′*ψB′+ψA′ψB′*) 従って、角度θにより、各種結像状態が実現できるの
は、第1実施例と同様である。本実施例において、透明
基板15の中央部を遮光膜31にて遮光したのは、コン
タクト・ホール等のパターンには、瞳中央部を遮光した
方が焦点深度が深くなるとされており、本発明が、図3
のような中央遮光瞳フィルターと共存できることを示す
ためである。
は、第1実施例と同様である。本実施例において、透明
基板15の中央部を遮光膜31にて遮光したのは、コン
タクト・ホール等のパターンには、瞳中央部を遮光した
方が焦点深度が深くなるとされており、本発明が、図3
のような中央遮光瞳フィルターと共存できることを示す
ためである。
【0052】尚、本発明の原理説明の(数6)及び上述
の第1実施例の説明から分かるように、本発明に用いる
位相板としては、1/2波長板が望ましい。それは、1
/2波長板を用いることにより、投影光学系の瞳面内の
各領域毎の干渉性に着目した場合、上記の(数11)〜
(数13)で示したように、通常の結像(数11)、
インコヒーレント化された結像(数12)、位相反
転の結像(数13)、の3種類の結像状態及びそれらの
中間的状態を連続的に実現できるからである。
の第1実施例の説明から分かるように、本発明に用いる
位相板としては、1/2波長板が望ましい。それは、1
/2波長板を用いることにより、投影光学系の瞳面内の
各領域毎の干渉性に着目した場合、上記の(数11)〜
(数13)で示したように、通常の結像(数11)、
インコヒーレント化された結像(数12)、位相反
転の結像(数13)、の3種類の結像状態及びそれらの
中間的状態を連続的に実現できるからである。
【0053】なお、上述実施例では2枚の位相板が使用
されているが、投影光学系の瞳面の近傍において、3枚
以上の位相板(1/2波長板、又は1/4波長板等)を
瞳フィルターの部材として用いて、それらの主軸が成す
角度を可変に構成してもよい。更に、それら位相板を必
ずしも円形状又は輪帯状に形成する必要はなく、例えば
扇状、又は矩形状に形成してもよく、位相板の主軸の間
の角度を変えるのに、並進運動等を用いてもよい。
されているが、投影光学系の瞳面の近傍において、3枚
以上の位相板(1/2波長板、又は1/4波長板等)を
瞳フィルターの部材として用いて、それらの主軸が成す
角度を可変に構成してもよい。更に、それら位相板を必
ずしも円形状又は輪帯状に形成する必要はなく、例えば
扇状、又は矩形状に形成してもよく、位相板の主軸の間
の角度を変えるのに、並進運動等を用いてもよい。
【0054】更に、照明光として、直線偏光しているレ
ーザ光を使用する場合には、小さい円形の1枚の位相板
のみを用いて、この位相板の回転角を調整するだけで
も、上述実施例と同様に種々の結像特性を得ることがで
きる。このように、本発明は上述実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得
る。
ーザ光を使用する場合には、小さい円形の1枚の位相板
のみを用いて、この位相板の回転角を調整するだけで
も、上述実施例と同様に種々の結像特性を得ることがで
きる。このように、本発明は上述実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、位相板の主軸の間の相
対角度を変えることにより、一台の投影露光装置で簡便
に、第1の従来技術、第2の従来技術、及びそれらの中
間的結像状態が容易に実現できる。これにより、露光を
行う際のパターン形状等の条件、レジストプロセス等の
条件に合わせて、投影光学系の結像特性の微調整が可能
であるという効果がある。また、本発明では、瞳フィル
ターとしての位相板に入射する光は、非偏光光を想定し
ているので、照明光学系においては、何ら、偏光素子を
用いることなく、従来の照明光学系を用いることができ
る。更に、本発明では、位相板(1/2波長板、1/4
波長板等)を用いるので、瞳フィルター部での光量損失
(吸収)が無いという利点もある。
対角度を変えることにより、一台の投影露光装置で簡便
に、第1の従来技術、第2の従来技術、及びそれらの中
間的結像状態が容易に実現できる。これにより、露光を
行う際のパターン形状等の条件、レジストプロセス等の
条件に合わせて、投影光学系の結像特性の微調整が可能
であるという効果がある。また、本発明では、瞳フィル
ターとしての位相板に入射する光は、非偏光光を想定し
ているので、照明光学系においては、何ら、偏光素子を
用いることなく、従来の照明光学系を用いることができ
る。更に、本発明では、位相板(1/2波長板、1/4
波長板等)を用いるので、瞳フィルター部での光量損失
(吸収)が無いという利点もある。
【0056】また、所定の複数の領域にそれぞれ配され
た位相板の形状が、投影光学系の光軸を中心とした円形
状又は輪帯状である場合には、それら位相板を回転する
だけで主軸の間の角度を変えることができるので、結像
特性の制御が容易である。また、所定の複数の領域が2
つの領域であり、これら2つの領域に配された位相板が
それぞれ2分の1波長板である場合には、簡単な構成で
通常の結像、第1の従来技術の結像、第2の従来技術の
結像、及びこれらの中間の結像を全て実現することがで
きる。
た位相板の形状が、投影光学系の光軸を中心とした円形
状又は輪帯状である場合には、それら位相板を回転する
だけで主軸の間の角度を変えることができるので、結像
特性の制御が容易である。また、所定の複数の領域が2
つの領域であり、これら2つの領域に配された位相板が
それぞれ2分の1波長板である場合には、簡単な構成で
通常の結像、第1の従来技術の結像、第2の従来技術の
結像、及びこれらの中間の結像を全て実現することがで
きる。
【図1】本発明による投影露光装置の第1実施例の全体
を示す構成図である。
を示す構成図である。
【図2】(a)は図1の投影光学系PLの瞳面近傍に配
置された瞳フィルターとしての2枚の透明基板を示す平
面図、(b)は図2(a)の側面図である。
置された瞳フィルターとしての2枚の透明基板を示す平
面図、(b)は図2(a)の側面図である。
【図3】(a)は本発明の第2実施例の投影光学系PL
の瞳面近傍に配置された瞳フィルターとしての2枚の透
明基板を示す平面図、(b)は図3(a)の側面図であ
る。
の瞳面近傍に配置された瞳フィルターとしての2枚の透
明基板を示す平面図、(b)は図3(a)の側面図であ
る。
1 水銀ランプ 7 フライアイレンズ 14 コンデンサーレンズ R フォトマスク PL 投影光学系 W ウエハ 15,17 透明基板 16 輪帯状の1/2波長板 18 円形の1/2波長板 21 回転駆動装置 31 遮光膜 32,33 円形の1/2波長板
Claims (3)
- 【請求項1】 所定の照明光のもとでフォトマスク上の
パターンの像を投影光学系を介して感光性の基板上に投
影する投影露光装置において、 前記投影光学系の瞳面の近傍の面上の異なる所定の複数
の領域に、それぞれ主軸に平行な前記照明光の偏光成分
と該主軸に交差する軸に平行な前記照明光の偏光成分と
に所定の位相差を与える位相板を配し、 前記所定の複数の領域にそれぞれ配された前記位相板の
主軸の間の相対角度を可変にしたことを特徴とする投影
露光装置。 - 【請求項2】 前記所定の複数の領域にそれぞれ配され
た前記位相板の形状は、前記投影光学系の光軸を中心と
した円形状又は輪帯状であることを特徴とする請求項1
記載の投影露光装置。 - 【請求項3】 前記所定の複数の領域は2つの領域であ
り、該2つの領域に配された前記位相板はそれぞれ2分
の1波長板であることを特徴とする請求項2記載の投影
露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5152115A JPH07142327A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 投影露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5152115A JPH07142327A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 投影露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07142327A true JPH07142327A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=15533391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5152115A Withdrawn JPH07142327A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 投影露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07142327A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003050856A1 (fr) * | 2001-12-12 | 2003-06-19 | Nikon Corporation | Dispositif optique de diffraction, dispositif optique de refraction, dispositif optique d'eclairage, systeme et procede d'exposition |
-
1993
- 1993-06-23 JP JP5152115A patent/JPH07142327A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003050856A1 (fr) * | 2001-12-12 | 2003-06-19 | Nikon Corporation | Dispositif optique de diffraction, dispositif optique de refraction, dispositif optique d'eclairage, systeme et procede d'exposition |
US7095560B2 (en) | 2001-12-12 | 2006-08-22 | Nikon Corporation | Diffractive optical device, refractive optical device, illumination optical system, exposure apparatus and exposure method |
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