JPH07140571A - 三次元画像観察装置 - Google Patents

三次元画像観察装置

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JPH07140571A
JPH07140571A JP5312782A JP31278293A JPH07140571A JP H07140571 A JPH07140571 A JP H07140571A JP 5312782 A JP5312782 A JP 5312782A JP 31278293 A JP31278293 A JP 31278293A JP H07140571 A JPH07140571 A JP H07140571A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 手術等を容易にすることも可能な三次元画像
観察装置を提供する。 【構成】 三次元像情報を記録してある記録済み感光性
記録部材PSMpからの射出光を蠅の目レンズ板FEL
により三次元空間内に三次元再生像FTDとして表示さ
せ、それを前記した三次元再生像FTDと観察者OBS
1との間の光学的空間内に設けたハーフミラーHMで反
射した三次元再生像の虚像FTDiの位置と三次元物体
8との位置とを合わせた状態として、不透明な三次元物
体8の内部に、その三次元物体8の内部の構造が嵌め込
まれた状態の像として観察できるようにする。前記の三
次元物体8が人間の頭であり、それと合成される三次元
再生像の虚像FTDiが、前記した人間の脳であるとす
ると、観察者は人間の頭の内の脳の状態を、頭を切開し
ない状態でも観察でき、手術も容易に実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三次元空間中に表示した
三次元画像の観察装置、特に三次元空間中に表示された
三次元画像について、それの奥行き方向の寸法や、三次
元画像内の任意の部分の寸法なども物差し等の測定用具
で実測可能な三次元画像観測装置に関し、医療の分野、
デザインの分野、機械設計の分野、その他、多くの分野
での利用の可能な三次元画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】観察者に立体感を知覚させうるような画
像の表現手段として、従来から観察者の右目には右目用
の画像情報だけを与え、観察者の左目には左目用の画像
情報だけを与えて、観察者に立体画像を知覚させるよう
にするという原理を用いた立体写真や立体テレビジョン
が知られており、また、近年になってコンピュータ・グ
ラフィックスの技術分野において、遠近法を用いて三次
元的な画像を二次元表示画面に表示させるようにした所
謂三次元CG画像も実用されるようになったが、前記の
ような画像の表示手段によって表現される三次元画像か
らは、観察者が実物を色々な角度から観察する時に得ら
れるような情報を得ることができないものである。
【0003】ところで、観察者が実物を色々な角度から
観察する際と同様な情報が得られる三次元画像を三次元
空間中に表示させることができれば、医療の分野、デザ
インの分野、機械設計の分野、その他、多くの分野で有
効に利用できる。さて、立体像のそれぞれ異なる部分の
断面を示す二次元図形を非破壊的に得るのに、従来か
ら、例えば、被検体にX線を照射し、被検体を透過した
X線をX線検出系で受けて得た多方向からのX線投影デ
ータを、コンピュータでのデジタル演算による画像再構
成処理により、被検体の断面各部におけるX線吸収度と
対応する濃淡画像、すなわち、被検体の内部の鮮明な断
層像を陰極線管の映像面上に映出させたり、あるいは前
記した陰極線管の映像面上に映出された被検体の内部の
鮮明な断層像を写真撮影してハードコピーとして用いた
りできるようにしたX線CT(コンピューテッド・Xレイ
・トモグラフイ)技術が知られており、これは被検体の
内部の鮮明な断層像を非破壊的に得ることができる点
で、例えば人体の脳内部の腫瘍や血腫の存在も容易に知
ることが可能であるために、医療の分野で広く実用され
ていることは周知のとおりである。
【0004】前記したX線CTで得られる断層像は、あ
くまでも被検体における各断面における二次元図形であ
るが、前記したX線CTによる断層像写真(立体像の各
部の二次元図形)を個々に見るのでなく、複数枚の断層
像写真によって三次元像を組立てることが望ましいの
で、例えば所定のピッチでX線CTによる断層像写真を
被検体から得て、その得られた複数枚の断層像写真によ
り、被検体の内部構造を三次元的に把握することも試み
られるようになった。例えば医師が人体についてのX線
CTによる複数枚の断層像写真に基づいて三次元像とし
て知覚しようとする場合の最も一般的な方法は、人体の
各断面についてのX線CTによる写真を一面に並べ、そ
の並べられた複数枚の断層像写真を見て、医師が頭の中
で三次元像に組立てるというものであったが、人体の内
部は臓器が複雑に重なっているので、前記のような方法
では適確迅速に三次元的な構造を把握することが困難な
ことは当然である。
【0005】前記のように多数の断層像写真を1面に並
べるのではなく、前記の多数の断層像写真を元の断層面
と対応する位置に配列して同時に見るようにすれば、三
次元的な構造の把握が非常に容易にできるのではとも考
えられるが、X線CTによる断層像写真のフイルムを単
純に元の断層面の位置と対応するように重ねて配置して
観察した場合には、フイルムの透過率が悪く、また後方
の画像は前方の画像に邪魔されて殆んど見ることができ
ない。すなわち、被検体が簡単な構造のものであれば、
上記のような方法であっても良いのであろうが、簡単な
構造のものの場合には各断層像写真を眺めて頭の中で三
次元的に組立てることも容易なのであり、三次元的表示
を得たいような臓器が複雑に重なったものでは、後方の
像が手前側の像に邪魔されて見えないので、これでは実
用性が無いというべきものである。
【0006】それで、従来、観察者が実物を見る場合に
得られる情報と同様の情報を立体像として表示させる装
置として知られているペリトロンという陰極線管を用い
て立体像の表示を行うようにすることが試みられた。前
記のペリトロンはガラスのような透明で機密な物質で作
られたケースと金属のケースとガラス管とによって構成
された真空外囲器中に、電子銃から射出された電子ビー
ムによって可視光を発光する蛍光体が塗布されているス
クリーンを設けると共に、前記のスクリーンを管軸の方
向に駆動変位させるための駆動機構の一部を封入してお
き、スクリーンを管軸方向で前後に往復運動を行なうこ
とができるようにしたものである。そして、前記したス
クリーンを人間の目にちらつきを感じさせない繰返し周
波数、例えば60サイクル毎秒以上の繰返し周波数で管
軸方向に駆動し、スクリーンによって表示したい三次元
図形における管軸方向と直交し、かつ、管軸方向に並ぶ
多くの面について、それぞれの面で三次元図形が有して
いる二次元の断面図をスクリーン上で表示させうるよう
に、電子ビームを直交する2方向に各別に偏向させるこ
とのできる偏向系に対して所要の2つの偏向信号を与え
て、スクリーン上に前記した二次元の断面図形と対応す
るリサージュ図形を描かせることにより、スクリーンの
管軸方向での各位置における二次元図形の積重ねによる
三次元図形を、光で描かれた立体像として人間の目によ
って観察できるようにしたものである。
【0007】前記したペリトロンを用いると表示したい
図形の電気信号さえあれば、三次元画像の表示が可能で
あり、また、スクリーンの前方における立体角で2πの
範囲においては、空中に光で描かれた立体像が実物をそ
こに置いた状態と同様の状態、すなわち、右から眺めれ
ば実物を右から眺めた時の形で見え、また、左から眺め
れば実物を左から眺めた時の形で見えるという状態での
三次元画像の表示を可能とする。しかしながら、前記の
ペリトロンは陰極線管であるために、電子ビームの収差
と集束の問題、真空外囲器中に設けられている可動部分
を長期間にわたって円滑に動作させることが困難である
という問題点、ペリトロンではスクリーンが管軸方向に
変位した時に、同一の偏向角で電子ビームが振られてい
る状態においても、スポットのスクリーン上での位置が
変化するために、スクリーンが電子銃側に寄った時には
スクリーンに描かれる二次元画像が小さくなり、また、
スクリーンが電子銃側から離れる方に変位した時にはス
クリーンに描かれる二次元画像が大きくなる、というよ
うな変化の態様でスクリーン上の図形の大きさが変化す
るので、表示される三次元画像は歪んだものになるとい
う問題点、偏向歪が存在するという問題点、表示を多色
化するのが困難であるという問題点等、多くの問題点が
あった。
【0008】前記したペリトロンの欠点の無い三次元画
像の表示装置として、本出願人会社では、先に、特公平
5ー74076号公報に開示されているように、多数の
発光素子が二次元的に配置されている可動パネルをその
パネル面と略々垂直な方向に振動させて、振動方向にお
けるそれぞれ異なる各位置において表示の対象にされて
いる三次元像の各断層像を順次に表示できるようにする
ために、可動パネルにおける前記した多数の発光素子が
配置されている面とは反対側の面に、前記した多数の発
光素子の点滅の制御情報を受けるための多数の受光素子
を配置し、また前記した可動パネルと焦点面の位置に前
記した可動パネルにおける多数の受光素子が位置される
ような配置態様とされた凸レンズとを一体的に結合させ
て可動構体を構成し、さらに、前記した可動構体を可動
パネルの面と略々垂直な方向に振動させるようにし、さ
らにまた、前記した可動構体における凸レンズを介して
可動構体における可動パネルの受光素子群に対し、前記
の可動構体における可動パネルの発光素子群によって発
光表示させるべき三次元像の各断面の二次元図形の光情
報を順次に投影できる二次元画像の発生装置とを少なく
とも備えてなる三次元表示装置において、前記した可動
パネルに二次元的に配置されている多数の発光素子を複
数の群に分け、前記のそれぞれの群に属する発光素子を
駆動する発光素子駆動回路とラッチ回路及びシフトレジ
スタとを前記の可動パネルにおける各群毎に設けるとと
もに、前記の可動パネルに設けられるべき受光素子群
は、前記した可動パネルにおける前記の各群に属するシ
フトレジスタへの入力信号を個別に受けることができる
ように前記の各群に属するシフトレジスタ毎に個別に各
1個づつ設けられた群の数に対応する個数の受光素子
と、前記の各群の動作の制御のために共通的に用いられ
る複数の制御情報の個々の制御情報と対応する個々の光
情報を受けるために前記した複数の制御情報の数に対応
する個数の複数個の受光素子とが配列されている構成態
様となされている可動パネルを用い、また、前記の可動
パネルとともに可動構体を構成している凸レンズを介し
て前記した可動構体における可動パネルの受光素子群に
対して順次に光情報を投影する二次元画像の発生装置と
しては、前記した可動パネルにおける受光素子群におけ
るそれぞれの受光素子にそれぞれ所定の情報内容を有す
る光情報を与えうるような構成のものを用いた三次元表
示装置を提案している。
【0009】前記した特公平5ー74076号公報に開
示されている三次元表示装置には、前記したペリトロン
における問題点もなく、良好な三次元画像を三次元空間
中に表示し得たのであるが、この三次元表示装置によっ
て三次元空間内に表示される三次元画像は、可動構体に
おける可動パネルの発光素子群によって発光表示されて
いるものであるから、三次元空間内に表示されている三
次元画像を、単に眺めるだけなら良いが、三次元空間内
に表示されている三次元画像について、それの奥行き方
向の寸法や、三次元画像内の任意の部分の寸法などを物
差し等の測定用具で実測しようとしても、三次元空間内
で高速度で往復運動している可動パネルの発光素子群と
前記の測定用具とが衝突して装置が破壊されてしまうた
めに、そのようなことを行なうことができないという点
が問題になる。なお、前記したペリトロンにおいても、
前記のように三次元空間内に表示されている三次元画像
の奥行き方向の寸法や、三次元空間内に表示されている
三次元画像内の任意の部分の寸法などをノギスや物差し
等の測定用具で実測しようとしても、三次元画像が真空
外囲器内に形成されているために行なえないことは当然
である。
【0010】そこで、本出願人会社では先に、特開昭6
4ー9798号公報、特開昭64ー24243号公報、
その他に開示してあるようなXYZプロッタ、すなわち
点光源を三次元空間中で三次元的に変位させて三次元画
像を描き、前記の三次元画像の三次元像情報を蠅の目レ
ンズ板の焦点面に設置された二次元的な感光性記録部材
に記録するようなXYZプロッタに関する多くの提案を
行なっている。そして、前記のXYZプロッタによって
二次元的な感光性記録部材に三次元像情報を記録させた
記録済み感光性記録部材(感光性記録部材が、例えば写
真フィルムのように露光工程の後に、現像処理が必要な
ものであれば、記録済み感光性記録部材は前記した現像
処理後に得られることはいうまでもない)における感光
性記録部材に再生光を照射すると、蠅の目レンズ板によ
って感光性記録部材からの射出光が三次元再生像を三次
元空間内に形成させる。前記の三次元再生像の全体が、
三次元空間内に実像として存在していれば、三次元空間
内に存在している三次元再生像のどの部分についても、
奥行き方向の寸法や、三次元再生像内の任意の部分の寸
法なども物差し等の測定用具を用いて実測することがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したX
YZプロッタによって三次元像情報を記録するのに使用
される二次元的な感光性記録部材には、被写体とされる
三次元画像の三次元像情報が蠅の目レンズ板における各
蠅の目レンズによって結像されるのであり、またXYZ
プロッタにより二次元的な感光性記録部材に三次元像情
報を記録させた記録済み感光性記録部材に再生光を照射
して、三次元空間内に三次元再生像を形成させる場合に
は、記録済み感光性記録部材から射出した再生光が、蠅
の目レンズ板により三次元空間に三次元再生像として表
示されることは既述のとおりであるが、XYZプロッタ
によって三次元像情報を記録する際の二次元的な感光性
記録部材と蠅の目レンズ板との相対的な位置関係と、記
録済み感光性記録部材に再生光を照射して、三次元空間
内に三次元再生像を形成させる場合の記録済み感光性記
録部材と蠅の目レンズ板との相対的な位置関係とが同一
でないと、三次元空間内に正しい三次元再生像を表示さ
せることができない。
【0012】前記の問題点は、前記のXYZプロッタに
よって二次元的な感光性記録部材へ三次元像情報を記録
する際に用いられる蠅の目レンズ板と、記録済み感光性
記録部材に再生光を照射して、三次元空間内に三次元再
生像を形成させる場合に用いられる蠅の目レンズ板とを
同一構成のものとし、XYZプロッタによって二次元的
な感光性記録部材へ三次元像情報を記録する際における
蠅の目レンズ板と、二次元的な感光性記録部材との相対
的な位置関係と、XYZプロッタによって三次元像情報
が記録された記録済み感光性記録部材と、三次元空間内
に三次元再生像を形成させる場合に用いられる蠅の目レ
ンズ板との相対的な位置関係とが全く同じにできるよう
にする調整機構または設定機構を用いたり、あるいは蠅
の目レンズ板と感光性記録部材とを一体化させた構造の
部材を使用したりすることにより解決できる。
【0013】そして、前記のように蠅の目レンズ板と感
光性記録部材とを一体化させた構造の部材を使用して、
感光性記録部材に三次元像情報を記録したり、記録済み
感光性記録部材から三次元空間内に三次元再生像を表示
させるようにした場合は、記録済み感光性記録部材と蠅
の目レンズ板との位置合わせを行なう手間がないので使
い勝手の面からみて便利である。ところで、三次元空間
内に良好な三次元再生像を表示させるためには、構成部
材として用いられる蠅の目レンズ板が良好な光学的な特
性を備えていることが必要とされる。しかし、前記のよ
うに蠅の目レンズ板と感光性記録部材とが一体化された
部材(記録媒体)の構成部材として用いられる蠅の目レ
ンズ板は、いわば使い捨てにされるものであるから、使
用者の側からの要望、その他の各種の要因によって、記
録媒体の価格が抑えられること、一方、人間の三次元像
に対する通常の認識の仕方から外れない状態で、かつ、
所定の解像度を有する高品質の三次元再生像を、三次元
空間内に生じさせうるような光学的な特性を有する蠅の
目レンズ板の使用が必要とされることにより、そこそこ
の光学的な特性を備えた蠅の目レンズ板が採用されるこ
とになる。
【0014】前記のような事情により、充分にNAの大
きな蠅の目レンズを配列させた構成の蠅の目レンズ板を
使用することは困難であるために、記録済み感光性記録
部材に再生光を照射した際に、良好な状態で三次元空間
内に形成させることのできる三次元再生像の大きさは、
蠅の目レンズ板の垂直方向の寸法に関して例えば10セ
ンチメートル以下(1例として7.5cm)であり、前
記の寸法よりも大きな三次元再生像を三次元空間内に実
像として形成させた場合に、その三次元再生像を視た観
察者には、三次元空間内の三次元再生像における自分に
近い方の部分の解像度が低く、遠くの部分の解像度が高
く見えるという現象が大きく現われるために大きな違和
感を覚えることになる。すなわち、人間が日常生活にお
いて実際の三次元物体を視た場合には、その三次元物体
における自分に近い部分の方が遠くの部分よりも、はっ
きり見えるのが普通であるのに、その普通の感じ方とは
逆の状態で三次元再生像が見えるという点に途惑いを感
じながら観察を行なうことになる。
【0015】ここで、1例として前記した三次元再生像
を医療に利用する場合について、患者の臓器について得
た所定のピッチでの断層像のデータに基づいて生成させ
た信号を、前記したXYZプロッタに与えて、XYZプ
ロッタにより三次元空間内に患者の臓器の三次元画像を
光点によって描き、それを蠅の目レンズ板の略々焦点面
に設置された状態の二次元的な感光性記録部材に記録さ
せて、記録済み感光性記録部材に再生光を照射して患者
の臓器の実物大の三次元再生像を三次元空間内に表示さ
せるようにした場合について考え、前記の患者の臓器が
脳であったとすると、人間の脳の平均的な大きさは15
cm程度であるために、前記の解決策に従った場合には
人間の脳については、観察者に対して違和感を与えるよ
うな状態でしか三次元再生像を三次元空間内に表示させ
ることができないということになる。前記の問題は、例
えば充分にNAの大きな蠅の目レンズを配列させた構成
の蠅の目レンズ板を使用すれば解決できる。しかし既述
した理由により、そのような解決策は採用できない。そ
れで別の解決策として、例えば蠅の目レンズ板の垂直方
向の寸法に関して例えば10cm以下の三次元再生像し
か三次元空間内に表示しないようにするということも考
えられるが、それでは既述のように15cmの大きさを
有する人間の脳の観察については適用できないことにな
る。
【0016】それで、蠅の目レンズ板の略々焦点面に設
置された二次元的な記録済み感光性記録部材の垂直方向
について、蠅の目レンズ板の前方の空間には実像による
三次元再生像が表示され、また、蠅の目レンズ板の後方
の空間には虚像による三次元再生像が表示されるよう
に、蠅の目レンズ板の前方と後方との双方の空間に三次
元再生像を表示させることができるような三次元像情報
を、蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置された二次元的
な感光性記録部材に記録させるXYZプロッタが提案さ
れた(特開昭64ー24243号公報参照)。そして、
前記のようなXYZプロッタを使用すれば、記録済み感
光性記録部材に再生光を照射した際に、良好な状態で三
次元空間内に形成させることのできる三次元再生像の大
きさが、蠅の目レンズ板の垂直方向の寸法に関して例え
ば7.5cmであるような光学的な性能の蠅の目レンズ
板を使用している場合であっても、15cmの大きさを
有する人間の脳の観察を良好な状態で行なうことができ
ることになる。
【0017】しかしながら前記の場合に、三次元空間内
に表示された三次元再生像を単に観察するだけでなく、
三次元再生像の奥行き方向の寸法や、三次元再生像内の
任意の部分の寸法などを物差し等の測定用具を用いて実
測しようとしても、蠅の目レンズ板の後方の空間の虚像
による三次元再生像については行なうことができないの
である。また、三次元空間内に実像だけによって表示さ
れた三次元再生像の場合においても、三次元再生像内の
任意の部分の寸法などを物差し等で測定するときに、遮
光物体が三次元再生像内に入った場合には、その遮光物
体よりも観察者側の三次元再生像が消滅してしまうとい
う人間が日常生活において実際の三次元物体について体
験していることとは逆のことが生じる。それで、前記し
たような諸問題点についての解決策が求められた。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は蠅の目レンズ板
の略々焦点面に設置された状態の感光性記録部材に三次
元像情報を記録させた記録済み感光性記録部材を再生光
で照射し、前記の記録済み感光性記録部材からの射出光
を蠅の目レンズ板により、三次元空間内に三次元再生像
として形成させ、前記の三次元再生像を、前記の三次元
再生像と観察者との間の光学的空間内に設けたハーフミ
ラーで反射した三次元再生像の虚像で観察したり、前記
のハーフミラーを透過した三次元再生像を観察できるよ
うなものとして三次元画像観察装置を構成する。また、
三次元空間内に表示させる三次元再生像の形成に用いら
れる記録済み感光性記録部材を作製するのに際して、感
光性記録部材に三次元像情報が記録されるべく用意され
た三次元物体に、3個以上の位置合わせ用のマーカを取
付けた状態で、三次元像情報が記録された記録済み感光
性記録部材を得て、前記の記録済み感光性記録部材に拡
散光の再生光を照射して、三次元空間内に蠅の目レンズ
板によって三次元再生像として形成させ、前記した三次
元再生像と観察者との間の光学的空間内に設けたハーフ
ミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像の位置
と、前記した三次元物体との位置とを、前記の位置合わ
せ用のマーカを用いて互いの位置を合わせた状態とし
て、前記した三次元再生像の虚像と、三次元物体とを合
成して観察できるようにする。前記した三次元再生像と
観察者との間の光学的空間内に設けたハーフミラーと、
記録済み感光性記録部材の中心位置の垂線上における予
め定められた位置における前記した垂線と交わる平面と
視域と対応して形成される立体形状の外周面との交線で
包囲される面よりも小さな寸法形状の透孔を有する部材
を記録済み感光性記録部材と観察者との間の光学的空間
内に設けて、スプリアス等が観察者の目に入らないよう
にする。また、三次元画像観察装置には三次元的位置と
回転とについて、それぞれ3自由度を有する支持装置で
支持する。前記した三次元再生像と観察者との間の光学
的空間内に設けたハーフミラーで反射した前記した三次
元再生像の虚像の位置が、ハーフミラーから予め定めた
距離だけ離れた位置に生じるようにし、また、前記した
再生光の強度が三次元物体の輝度と関連する特定の強度
に設定されるように制御したり、あるいは再生光の強度
が三次元物体の輝度と関連する特定な強度に設定された
状態の再生光をオン,オフ制御する。また、三次元物体
の輝度が、再生光の強度と関連する特定な値と、前記の
特定な値よりも大きな値とに切換えられるように照明用
の光の強度を制御したり、前記したハーフミラーを開閉
制御したり、三次元画像観察装置の筐体の全体を、観察
者と三次元物体との間の光学的な空間内に出入自在に制
御できる構成とする。
【0019】
【作用】蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置された状態
の感光性記録部材に三次元像情報を記録させてある記録
済み感光性記録部材を再生光で照射すると、前記の記録
済み感光性記録部材からの射出光が蠅の目レンズ板によ
って三次元空間内に三次元再生像として表示される。前
記の三次元再生像は、前記した三次元再生像と観察者と
の間に設けたハーフミラーで反射した三次元再生像の虚
像で観察したり、前記のハーフミラーを透過した三次元
再生像を観察できるから、前記した三次元再生像の奥行
き寸法や三次元再生像内の任意の部分の寸法などを物差
し等で測定するときに、遮光物体を三次元再生像内に入
れても、その遮光物体よりも観察者側の三次元再生像を
消滅させることもない状態での観察や実測を行なうこと
ができ、また、前記の三次元再生像をハーフミラーで反
射した三次元再生像の虚像で観察する人(例えば医師)
と、前記のハーフミラーを透過した三次元再生像を観察
する人(患者)との2人が、互いに左右(あるいは上
下)が逆の像を観察するにしても、スプリアス等の歪の
ない状態の三次元画像を同時に観察できる。
【0020】また、三次元空間内に表示させる三次元再
生像の形成に用いられる記録済み感光性記録部材を作製
するのに際して、感光性記録部材に三次元像情報を記録
するべく用意した三次元物体に、3個以上の位置合わせ
用のマーカを取付けた状態で、三次元像情報を記録させ
た記録済み感光性記録部材に再生光を照射して、三次元
空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形
成させ、前記した三次元再生像と観察者との間に設けた
ハーフミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像の
位置と、前記した三次元物体との位置とを、前記の位置
合わせ用のマーカを用いて互いの位置を合わせた状態と
して、前記した三次元再生像の虚像と、三次元物体とを
合成して観察すると、不透明な三次元物体の内部に、そ
の三次元物体の内部の構造が嵌め込まれた状態の像とし
て観察できる。
【0021】それで、例えば前記の三次元物体が人間の
頭であり、それと合成される三次元再生像の虚像が、前
記した人間の脳であるとすると、観察者は人間の頭の内
の脳の状態を、頭を切開しない状態でも観察できること
になる。それで、前記のように人間の頭に、その人間の
脳の三次元再生像の虚像とを合成して表示させておけ
ば、観察者は人間の頭の内の脳の状態を正確に知覚した
状態で、脳外科手術を容易に行なうこともでき、また、
例えば自動車事故等において、多数のガラス片が突刺さ
っているような患者についての手術も、人体の内部のガ
ラス片の位置を示す三次元画像を、患者の体における対
応する部分に合成することにより極めて容易に行なうこ
とができる。そして、三次元再生像と観察者との間に設
けたハーフミラーで反射した前記した三次元再生像の虚
像の位置が、ハーフミラーから予め定めた距離だけ離れ
た位置に生じるようにすることにより、前記のような手
術も容易に実施できるようにされる。
【0022】また、前記した三次元再生像と観察者との
間に設けたハーフミラーと、記録済み感光性記録部材の
中心位置の垂線上における予め定められた位置における
前記した垂線と交わる平面と視域と対応して形成される
立体形状の外周面との交線で包囲される面よりも小さな
寸法形状の透孔を有する部材を、観察者と記録済み感光
性記録部材との間に設けることにより、スプリアス等の
無い状態の三次元再生像を得ることができる。前記した
三次元画像観察装置は三次元的位置と回転とについて、
それぞれ3自由度を有する支持装置で支持されているこ
とにより、三次元再生像の虚像と、三次元物体とを合成
して観察する際に、不透明な三次元物体の内部に、その
三次元物体の内部の構造が良好に嵌め込まれた状態の像
として観察することを容易にする。
【0023】不透明な三次元物体の内部に、その三次元
物体の内部の構造が良好に嵌め込まれた状態の像として
観察できるように、三次元再生像の虚像と、三次元物体
とを合成して観察する際には、再生光の光強度や三次元
物体の照明の光強度とを制御して三次元再生像の虚像
と、三次元物体とが合成された状態での観察が容易に行
なえる状態にする。また、再生光の光強度や三次元物体
の照明の光強度との制御により三次元再生像の虚像と、
三次元物体とが合成された状態での観察が容易に行なえ
る状態に、再生光の光強度や三次元物体の照明の光強度
等を設定しておいて、前記した再生光をオン,オフ制御
したり、三次元物体の照明の光強度を、前記の設定され
た光強度と、前記の設定された光強度よりも大きな光強
度とに切換えるように制御したり、あるいはハーフミラ
ーを開閉制御したり、三次元画像観察装置の筐体の全体
を、観察者と三次元物体との間の光学的な空間に出入自
在に移動させることにより、三次元再生像の虚像と、三
次元物体とを合成して観察している状態と、三次元物体
だけを観察している状態とに容易に切換えを行なうこと
ができる。
【0024】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の三次元画
像観察装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1乃至
図17は本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
ブロック図、図18及び図26はXYZプロッタの概略
構成を示す斜視図、図19乃至図25及び図27乃至図
32はは3次元像の記録再生の説明用の図である。本発
明は、蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置された状態の
感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記録済み感
光性記録部材を再生光で照射して、前記の記録済み感光
性記録部材からの射出光を、三次元空間内に蠅の目レン
ズ板によって三次元再生像として形成させ、前記した三
次元再生像と観察者との間の光学的空間内にハーフミラ
ーを設けて、観察者がハーフミラーで反射した三次元空
間内の三次元再生像の虚像を観察できるようにしたり、
観察者がハーフミラーを透過した三次元空間内の三次元
再生像を観察できるようにしたり、ハーフミラーで反射
した三次元空間内の三次元再生像の虚像の観察と、ハー
フミラーを透過した三次元空間内の三次元再生像とを別
の観察者が同時に観察できるようにしたりできるように
した三次元画像観察装置及び前記した三次元再生像と観
察者との間の光学的空間内に設けたハーフミラーで反射
した前記した三次元再生像の虚像と、三次元物体とを合
成して観察できるようにした種々な構成態様の三次元画
像観察装置に関するものである。
【0025】ここでまず、蠅の目レンズ板の略々焦点面
に設置された状態の感光性記録部材に対してXYZプロ
ッタにより三次元像情報を記録させたり、記録済み感光
性記録部材に再生光を照射して、前記の記録済み感光性
記録部材からの射出光を、三次元空間内に蠅の目レンズ
板によって三次元再生像として形成させる場合の問題点
等についての概略について記述する。図18はXYZプ
ロッタの1例構成のものの概略構成を示す斜視図であ
り、また、図19は図18に示すXYZプロッタによる
三次元画像情報の記録原理の説明図、図20は図18に
示すXYZプロッタにより記録された三次元画像情報の
再生原理の説明図である。図18においてMBは機台で
あり、前記の機台MB上には蠅の目レンズ板(多数の個
眼が集って構成されている昆虫の複眼に似ているため
に、複眼レンズ、蠅の目レンズ板、などのように通称さ
れている構成形態のレンズ)FELと、前記の蠅の目レ
ンズ板FELの焦点面に位置するように配置されている
感光性記録部材PSMとが設置されている。
【0026】前記の感光性記録部材PSMとしては、例
えば、銀塩感光材膜が設けられている写真乾板または写
真フィルムが使用されたり、あるいは、光の照射によっ
て非晶質状態から結晶状態への相変化または結晶状態か
ら非晶質状態への相変化を生じるような感光性記録部
材、その他、光磁気記録部材等を用いることができる
が、以下の説明では、感光性記録部材PSMとして銀塩
感光材膜が設けられている写真乾板または写真フィルム
が用いられているとしてある。前記のように蠅の目レン
ズ板FELの焦点面に位置するように配置されるべき感
光性記録部材PSMは、それが蠅の目レンズ板FELと
一体化されて、蠅の目レンズ板FELと感光性記録部材
PSMとにより記録媒体が構成されていても、あるい
は、蠅の目レンズ板FELの焦点面に位置するように配
置されるべき感光性記録部材PSMと蠅の目レンズ板F
ELとが別体のものとして構成されているものであって
もよい。
【0027】前記した蠅の目レンズ板FELの焦点面に
位置するように配置されるべき感光性記録部材PSMが
蠅の目レンズ板FELと別体のものとして構成されてい
るものであった場合には、記録済み感光性記録部材PS
Mpと、記録時に使用された蠅の目レンズ板FELと同
一な構成態様の蠅の目レンズ板FELとの両者の相対的
な位置関係が記録時と同一の態様となるように組合わさ
れて再生に使用されることになる。この点は図26に示
すXYZプロッタについても同様である。図18に示さ
れているXYZプロッタは、蠅の目レンズ板FELの前
面の三次元空間内に、記録の対象にされるべき三次元画
像の形状と対応する位置で点灯して変位駆動される点光
源PPSを設けて構成されており、その構成の全体が、
例えば暗箱内に収納された状態で使用される。前記の蠅
の目レンズ板FELの前面の三次元空間における予め定
められた範囲内のどの位置にも変位駆動されうるような
態様のものとして構成されるべき前記の点光源PPS
は、機台MBに設けられている駆動装置DRAにより変
位駆動されるようになされている。
【0028】点光源PPSの駆動装置DRAは、ステッ
ピングモータMxの駆動回転によってXYZ直交座標系
におけるX軸方向に延在するように設けられたレール部
材Rxに沿ってX軸方向に移送されるX軸方向の移送体
Fxと、前記したX方向の移送体Fxに固着されてい
て、XYZ直交座標系におけるZ軸方向に延在するよう
に設けられたレール部材Rzに沿い、ステッピングモー
タMzの駆動回転によってZ軸方向に移送されるZ軸方
向の移送体Fzと、前記したZ軸方向の移送体Fzに固
着されていて、XYZ直交座標系におけるY軸方向に延
在するように設けられたレール部材Ryに沿ってステッ
ピングモータMyの駆動回転によってY軸方向に移送さ
れるY軸方向の移送体Fyとを備えて構成されている
(図26に示すXYZプロッタにおいて、駆動装置DR
Aで変位駆動される構成部分中で、Y軸方向に移送され
るY軸方向の移送体がFybである点だけが、図18に
示されているXYZプロッタにおける駆動装置DRAで
変位駆動される構成部分と異なる)。
【0029】前記の図18に示されているXYZプロッ
タにおける点光源PPSの駆動装置DRAは、前記した
X,Y,Z軸方向の各移送体Fx,Fy,Fzにおける
それぞれのステッピングモータMx,My,Mzが、コン
ピュータから供給される駆動信号に応じて回転駆動され
ることにより、Y軸方向の移送体Fyに固着されている
前記した点光源PPSが、蠅の目レンズ板FELの前面
の三次元空間における予め定められた範囲内におけるど
の位置にも変位駆動されうるのであり、また前記した点
光源PPSの点灯状態がコンピュータで制御されること
により、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間にお
ける予め定められた範囲内では、記録の対象とされるべ
き三次元画像の形状が連続した線状の光の軌跡で表示さ
れたり、あるいは記録の対象とされるべき三次元画像の
形状が光点の配列によって表示されたりする。
【0030】さて、点光源PPSが蠅の目レンズ板FE
Lの前面の三次元空間内で点灯した場合には、前記の点
光源PPSから放射された光は、図19(図21も同じ)
に例示されているように蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)
FELの焦点面に設置されている感光性記録部材PSM
に、前記の複眼レンズ板FELにおける個々のレンズ
(個眼レンズ)毎に点光源PPSの像が結像して記録され
る。図19(図21も同じ)中において、蠅の目レンズ板
FELの焦点面に位置するように配置されている感光性
記録部材PSMに丸印しで表わしている部分は、前記し
た蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内の点光源
PPSの像の結像部分を示したものである。
【0031】点光源PPSの点灯位置が、蠅の目レンズ
板FELの前面の三次元空間内における図19に示され
ている位置とは異なった位置に移動した場合における蠅
の目レンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置され
ている感光性記録部材PSMに対して、前記した複眼レ
ンズ板FELにおける個々のレンズ(個眼レンズ )毎に
結像される移動した点光源PPSの像は、前記した図1
9示の点光源PPSの像の結像位置とは異なる位置とさ
れて、蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に
設置されている感光性記録部材PSMには、前記した複
眼レンズFELにおける個々のレンズ(個眼レンズ)毎
に、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内におけ
る個々の点光源PPSの点灯位置とそれぞれ1対1に対
応した位置に点光源PPSの像が結像して記録されるこ
とにより、感光性記録部材PSMには蠅の目レンズ板F
ELの前面の三次元空間内で三次元的に変位した各位置
毎の点光源PPSの位置情報が記録される。
【0032】前記のような記録態様で蠅の目レンズ板
(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置されている感光性
記録部材PSMに記録された蠅の目レンズ板FELの前
面の三次元空間内の点光源の像は、感光性記録部材PS
Mがポジ型のものであれば、それを現像処理することに
より点光源の像の部分だけが透明になり他の部分が黒と
なるような態様のものとして現像される。図20は、蠅
の目レンズ板FELの前面の三次元空間内に位置する点
光源PPSの位置情報が前記のようにして記録された記
録済み感光性記録部材PSMpに拡散光を照射すること
により、蠅の目レンズ板FELの前面の空間内にもとの
点光源PPSの再生像PPSpを現出させうることを説
明するための図であり、この図20中においてPSMp
は点光源の像の部分だけが透明になり他の部分が黒とな
るような態様のものとして現像された記録済み感光性記
録部材PSMpである。
【0033】前記した記録済み感光性記録部材PSMp
と、記録時に使用された蠅の目レンズ板FELと同一な
構成態様の蠅の目レンズ板FELとの両者を、前記両者
の相対的な位置関係が記録時と同一の態様となるように
組合わせて、蠅の目レンズ板FELとは反対側から記録
済み感光性記録部材PSMpに光源DSPより拡散光の
状態の再生光を照射すると、記録済み感光性記録部材P
SMpを透過した再生光は、蠅の目レンズ板FELにお
ける個々の個眼レンズ毎に集光されることにより、図2
0に例示されているように蠅の目レンズ板FELの前面
の三次元空間内のPPSpに実像を結ぶが、前記の実像
PPSpは、それを実像PPSpの位置から離れた位置
に居る人が見ると、実像の位置に光の点が存在するもの
として知覚される。
【0034】前記の記録済み感光性記録部材PSMpと
して、三次元空間内で三次元的に変位した多数の位置毎
の点光源PPSの像が記録されていたとすると、記録済
み感光性記録部材PSMpに記録されていた点光源PP
Sの各位置における像は、それぞれ蠅の目レンズ板FE
Lにおける個々の個眼レンズ毎に集光されて、蠅の目レ
ンズ板FELの前面の三次元空間内におけるもとの点光
源の位置にそれぞれ実像を結ぶから、それを実像PPS
pの位置から離れた位置に居る人が見ると、前記した三
次元空間内における前記した実像の位置に現われる光の
線または光の点の全体は光による三次元像として知覚で
きることになる。
【0035】図19及び図20を参照して説明した記録
再生の原理から明らかなように、図18に示されている
構成態様のXYZプロッタは、三次元空間内での点光源
の点灯によって光による線描画あるいは光による点描画
として描かれた光による三次元画像を蠅の目レンズ板の
焦点面に設置された感光性記録部材に記録するものであ
るから、前記した点光源と感光性記録部材との選択使用
によりカラー画像による三次元画像を出現させるように
することもできるし、また、記録済み感光性記録部材と
して光透過型のものではなく、光反射型の記録済み感光
性記録部材(例えば、印画紙)を用いて、再生時に蠅の目
レンズ板側から拡散光で照明しても蠅の目レンズ板の前
方の三次元空間内に、光による線描画または光による点
描画として描かれた光による三次元画像を出現させるこ
ともできる。
【0036】図18を参照して説明したXYZプロッタ
の構成例では、蠅の目レンズ板FELの前方の三次元空
間中の点光源PPSの像が、前記した複眼レンズFEL
における個々のレンズ(個眼レンズ)毎に、蠅の目レンズ
板(複眼レンズ)FELの焦点面に設置されている感光性
記録部材PSMに、図19に例示されているように結像
されることにより、前記の蠅の目レンズ板(複眼レンズ)
FELの焦点面に設置されている感光性記録部材PSM
に、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内におけ
る各位置毎の点光源PPSの位置情報が記録されるか
ら、前記のようにして蠅の目レンズ板FELの前面の三
次元空間内における各位置毎の点光源PPSの位置情報
が記録された記録済み感光性記録部材PSMpに対して
図20に示されているように拡散光の再生光を照射する
ことによって、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空
間内には再生された点光源PPSpが観察者Mに認識で
きるようにされるのである。
【0037】ところが、図18を参照して説明したXY
Zプロッタのような構成では、それによって記録された
三次元画像を再生したときに、記録の対象にされたもと
の三次元画像を正しく見ることができる立体的な空間の
範囲(以下、視域と記載する)が狭く、前記した視域から
外ずれた場所からは記録の対象にされたもとの三次元画
像の他に、記録時にもともと存在していなかった偽の三
次元画像(ゴースト画像,スプリアス画像)も認識されて
しまうという問題点がある。前記の問題点を図21及び
図22を参照して具体的に説明すると次のとおりであ
る。図21は既述した図19と同様に、図18を参照し
て説明した構成態様のXYZプロッタによって、蠅の目
レンズ板FELの前方の三次元空間中の1個の点光源P
PSの像を蠅の目レンズ板FELの焦点面の位置に設置
された感光性記録部材PSMに記録させる場合の状態を
図示説明している図であって、図21においてPPSは
蠅の目レンズ板FELの前方の三次元空間中に位置して
おり記録の対象にされている1個の点光源を示し、ま
た、PSMは蠅の目レンズ板FELの焦点面の位置に設
置されている感光性記録部材を示している。
【0038】図21に例示されているような態様で蠅の
目レンズ板FELの前方の三次元空間内の1つの点光源
PPSの像が蠅の目レンズ板FELの焦点面の位置に設
置された感光性記録部材PSMに記録された後に、感光
性記録部材PSMに現像処理を施して得た記録済み感光
性記録部材PSMpに、図22中の下方から拡散光の再
生光を照射することにより、蠅の目レンズ板FELの前
面の三次元空間内には記録の対象にされた点光源PPS
と対応する再生像PPSpが再現されるとともに、図2
2中に符号PPSr1,PPSr2…、PPSl1,PPSl2
…で例示されている如き空間位置にもそれぞれ再生像が
生じる。すなわち、蠅の目レンズ板FELの前方の三次
元空間内の1つの点光源PPSからの光は、蠅の目レン
ズ板FELにおける各個眼レンズによってそれぞれ結像
されて、蠅の目レンズ板FELの焦点面の位置に設置さ
れた感光性記録部材PSMにおける図21中の丸印しの
位置に記録される。
【0039】それで、感光性記録部材PSMを現像処理
して得た記録済み感光性記録部材PSMpにおける図2
2中の丸印しの位置には、図21について説明したよう
に蠅の目レンズ板FELの前方の三次元空間内の1つの
点光源PPSからの光が、蠅の目レンズ板FELにおけ
る各個眼レンズによって、蠅の目レンズ板FELの焦点
面の位置に設置された感光性記録部材PSMに結像記録
されているが、記録済み感光性記録部材PSMpに対し
て図22における下方から拡散光の再生光を照射する
と、前記のように記録済み感光性記録部材PSMpにお
ける図22中の丸印しの位置に1つの点光源PPSに基
づいて記録された多数の像の部分を通過した光は、蠅の
目レンズ板FELにおける多数の個眼レンズのそれぞれ
によって図22中の点PPSp,PPSpr1,PPSpr2
…、PPSpl1,PPSpl2…等の多くの位置に実像を
結ぶ。
【0040】そして、前記の図22中における蠅の目レ
ンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点P
PSpは、記録の対象にされた点光源PPS、すなわ
ち、図21中の蠅の目レンズ板FELの前方の三次元空
間内の記録の対象にされた1つの点光源PPSに対応し
ているものであり、前記した図22中における蠅の目レ
ンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点P
PSpは、図21中の蠅の目レンズ板FELの前方の三
次元空間内で記録の対象にされている1つの点光源PP
Sからの光が、蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レ
ンズによって、蠅の目レンズ板FELの焦点面の位置に
設置された感光性記録部材PSMに結像記録される際に
辿った光線の経路を、図22中の記録済み感光性記録部
材PSMpに対して、それの下方から照射されている拡
散光の再生光が逆に辿って生じたものである。
【0041】また、前記した図22中における蠅の目レ
ンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点P
PSpr1は、前記した点PPSpに実像を結んだ光線が
過過した各個眼レンズに対して1個だけ右隣りの各個眼
レンズを通過した光によって生じた実像であり、さら
に、前記した図22中における蠅の目レンズ板FELの
前方の三次元空間内に示されている点PPSpr2は、前
記した点PPSpに実像を結んだ光線が過過した各個眼
レンズに対して2個だけ右隣りの各個眼レンズを通過し
た光によって生じた実像であり、以下同様にして、前記
した図22中における蠅の目レンズ板FELの前方の三
次元空間内に示されている点PPSpl1は、前記した
点PPSpに実像を結んだ光線が過過した各個眼レンズ
に対して1個だけ左隣りの各個眼レンズを通過した光に
よって生じた実像である。
【0042】さらに前記した図22中における蠅の目レ
ンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点P
PSpl2は、前記した点PPSpに実像を結んだ光線
が過過した各個眼レンズに対して2個だけ左隣りの各個
眼レンズを通過した光によって生じた実像である。図2
2中に示されている前記の各点PPSp,PPSpr1,
PPSpr2…、PPSpl1,PPSpl2…等の多くの位
置に生じた実像は、図22中にそれぞれ矢印により示さ
れている範囲で観察者によって認識されることになる
が、観察者の眼Eが例えば、図22中のEで示される部
分にあったとすれば、その観察者は点PPSp,PPSp
r1,PPSpl1の3つの光点を同時に見ることになる
が、この場合に観察者が見た3つの光点PPSp,PP
Spr1,PPSpl1の内で、正しい光点はPPSpだけ
であり、他の2つの光点PPSpr1,PPSpl1はゴー
スト、あるいはスプリアスなのであり、図18を参照し
て説明したXYZプロッタでは、それによって記録され
た三次元画像を再生したときに、記録の対象にされたも
との三次元画像を正しく見ることができる範囲(以下、
視域と記載する)が狭く、前記した視域から外ずれた場
所からは記録の対象にされたもとの三次元画像の他に、
記録時にもともと存在していなかった偽の三次元画像
(ゴースト画像,スプリアス画像)も認識されてしまう
という点が問題になる。
【0043】図23は前記の問題点を生じさせないよう
な構成態様のXYZプロッタの構成原理を説明するため
の要部の一例図であり、この図23においてFELは、
X,Y,Z直交座標系における任意な2つの座標軸を含
む平面を焦点面とする蠅の目レンズ板であり、またPS
Mは前記した蠅の目レンズ板FELの焦点面に設置され
た感光性記録部材であり、さらにPPSは前記した蠅の
目レンズ板FELの前面の三次元空間内で記録の対象に
されるべき三次元画像の形状と対応する位置で点灯され
るようになされている点光源であって、この点光源PP
Sはそれを三次元的に変位駆動させる手段、例えば図3
1を参照して既述したような構成を有する三次元的な変
位駆動手段によって前記した蠅の目レンズ板FELの前
面の三次元空間内の任意所定の位置に変位駆動されうる
ようになされている。
【0044】図23中においてSMは、例えば図18中
に示されているような三次元的な変位駆動手段と同様な
構成の三次元的な変位駆動手段によって蠅の目レンズ板
FELの前面の三次元空間内の任意の所定の位置に変位
駆動されうるようになされている点光源PPSから放射
された光に対する光の発散方向の制限部材であってこの
光の発散方向の制限部材SMは、多数個の個眼レンズの
配列集合により構成されている蠅の目レンズ板FELの
焦点面に設置されるべき感光性記録部材PSMについ
て、前記の蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レンズ
が蠅の目レンズ板FEL中で個別に占有している個眼レ
ンズの存在区域の平面形状寸法と同じ平面形状寸法で前
記した各個眼レンズの存在区域と1対1に対応する如き
個々の領域を設定(図23,図14中のPで示す示す領
域を参照)したときに、前記のように感光性記録部材P
SMに設定された個々の領域にはその個々の領域に対応
している個眼レンズ以外の個眼レンズを通過した光が入
射しない状態となされるように、前記した点光源PPS
からの光の発散方向に制限を加えるような動作を行うも
のとして構成されている。
【0045】前記の点を具体的に説明すると次のとおり
である。多数個の個眼レンズの配列集合によって構成さ
れている蠅の目レンズ板FELは、それを構成するのに
使用されている多数の個眼レンズが、それぞれ所定の形
状寸法を示す如き存在区域を有している状態で、各個眼
レンズの存在区域が所定の配列パターンに従うように配
列された状態のものとして構成されることが多く、蠅の
目レンズ板FEL中におけるそれぞれの個眼レンズの存
在区域は、例えば碁盤の目状の配列パターンとなされた
り、あるいは例えば蜂の巣状の配列パターンとなされた
りしている。
【0046】そして、前記した蠅の目レンズ板FELの
焦点面に設置されるべき感光性記録部材PSMに対し
て、前記の蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レンズ
が蠅の目レンズ板FEL中で個別に占有している個眼レ
ンズの存在区域の平面形状寸法と同じ平面形状寸法で前
記した各個眼レンズの存在区域と1対1に対応する如き
個々の領域を設定し、感光性記録部材PSMに前記のよ
うに設定された個々の領域に、その領域と対応している
個眼レンズから領域に入射される入射光線の最大の入射
角の入射光線(図14中の光線PLlとPLr)がその領
域の境界に達する状態となるように、前記の各個眼レン
ズに入射される光が図14中の角度θの範囲に含まれる
光線だけに制限されている状態のものとして個々の個眼
レンズに入射されるように、点光源PPSから放射され
る光の発散方向を光の発散方向の制限部材SMによって
制限するのである。
【0047】前記した点光源PPSから放射される光の
発散方向を制限するために用いる光の発散方向の制限部
材SMとしては、多数個の個眼レンズの配列集合によっ
て構成されている蠅の目レンズ板FELが、それの構成
に使用されている多数の個眼レンズの存在区域の形状が
正方形で、各個眼レンズの存在区域が碁盤の目のような
配列パターンに従っている場合には、正方形の開口が設
けられているような構成態様のものが用いられてよく、
また、多数個の個眼レンズの配列集合によって構成され
ている蠅の目レンズ板FELが、それの構成に使用され
ている多数の個眼レンズの存在区域の形状が正六角形
で、各個眼レンズの存在区域が蜂の巣状のような配列パ
ターンに従っている場合には、前記した点光源PPSか
ら放射される光の発散方向を制限するために用いる光の
発散方向の制限部材SMとしては、正六角形の開口が設
けられているような構成態様のものが用いられてよい。
【0048】また、蠅の目レンズ板FELとして性能の
良い個眼レンズを作り易い球状の個眼レンズを用い、多
数個の球状の個眼レンズを任意に配列集合して構成させ
た蠅の目レンズ板FELが使用させるような場合には、
前記の点光源PPSから放射される光の発散方向を制限
するために用いる光の発散方向の制限部材SMとして
は、所定の径の円形開口が設けられているような構成態
様のものが用いられる。なお、前記の説明においては点
光源PPSから放射される光の発散方向を制限するため
に用いられる光の発散方向の制限部材SMとしては、所
定形状の開口を有する構成形態のものが使用されるとさ
れていたが、点光源PPSから放射された光に対し、所
要の制限態様で光の発散方向の制限を行うことができる
ような指向特性を与えうる任意の制限手段を適用されて
もよいのである。
【0049】前記したように、点光源PPSから放射さ
れる光の発散方向が光の発散方向の制限部材SMによっ
て制限された場合には、点光源PPSの点灯状態がコン
ピュータで制御されて、蠅の目レンズ板FELの前面の
三次元空間における予め定められた範囲内で、記録の対
象とされるべき三次元像の形状が連続した線状の光の軌
跡で表示されるようになされたり、あるいは記録の対象
とされるべき三次元像の形状が光点の配列によって表示
されるようになされたりするときに、点光源PPSから
放射された光は、図23に示されている光の発散方向の
制限部材SMによって発散方向が制限された状態で蠅の
目レンズ板FELにおける各個眼レンズに入射されるこ
とにより、蠅の目レンズ板の焦点面に設置されている感
光性記録部材PSMには、前記した複眼レンズFELに
おける所定の範囲の個々のレンズ(個眼レンズ)毎に点光
源PPSの像が結像して、図23中における蠅の目レン
ズ板FELの焦点面に位置するように配置されている感
光性記録部材PSMにおける所定の個数の領域(図23
に示してある例では図中の5×5個の領域)に丸印しで
表わしている部分に、蠅の目レンズ板FELの前面の三
次元空間内の点光源PPSの像が結像して記録される。
【0050】点光源PPSの点灯位置が蠅の目レンズ板
FELの前面の三次元空間内において図23に示されて
いる位置から異なった位置に移動した場合における蠅の
目レンズ板(複眼レンズ)FELの焦点面に設置されてい
る感光性記録部材PSMに対して、前記した複眼レンズ
FELにおける個々のレンズ(個眼レンズ)毎に結像され
る移動した点光源PPSの像は、前記した図23に示し
てある点光源PPSの像の結像位置とは異なる位置とな
されるのであり、蠅の目レンズ板(複眼レンズ)FELの
焦点面に設置されている感光性記録部材PSMには、前
記した複眼レンズFELにおいて点光源PPSからの光
( 点光源PPSから放射された光の内の角度θ以内の
光)が入射されている個々のレンズ(個眼レンズ )毎に、
蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内における個
々の点光源PPSの点灯位置とそれぞれ1対1に対応し
た位置に点光源PPSの像が結像して記録されることに
より、感光性記録部材PSMには蠅の目レンズ板FEL
の前面の三次元空間内で三次元的に変位した各位置毎の
点光源PPSの位置情報が記録されるのである。
【0051】前記のような記録態様で蠅の目レンズ板
(複眼レンズ)FELの焦点面に設置されている感光性記
録部材PSMに記録された蠅の目レンズ板FELの前面
の三次元空間内の点光源PPSの像は、感光性記録部材
PSMがポジ型のものであれば、それを現像処理するこ
とにより点光源の像の部分だけが透明になり他の部分が
黒となるような態様のものとして現像される。図25
は、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内に位置
する点光源PPSの位置情報が図23に示すような状態
として記録された記録済み感光性記録部材PSMpに拡
散光の再生光を照射することにより、蠅の目レンズ板F
ELの前面の空間内にもとの点光源PPSの再生像PP
Spを現出させうることを説明するための図であり、こ
の図25中においてPSMpは点光源の像の部分だけが
透明になり他の部分が黒となるような態様のものとして
現像された記録済み感光性記録部材PSMpである。
【0052】前記した記録済み感光性記録部材PSMp
と、記録時に使用された蠅の目レンズ板FELと同一な
構成態様の蠅の目レンズ板FELとの両者を、前記両者
の相対的な位置関係が記録時と同一の態様となるように
組合わせて、蠅の目レンズ板FEL側とは反対側から図
25に示してある記録済み感光性記録部材PSMpに対
して光源DSPより拡散光の再生光を照射すると、記録
済み感光性記録部材PSMpを透過した光が、蠅の目レ
ンズ板FELにおける個々の個眼レンズ毎に集光される
ことにより、図25に例示されているように蠅の目レン
ズ板FELの前面の三次元空間内のPPSpに実像を結
ぶが、前記の実像PPSpは、それを実像PPSpの位
置から離れた位置に居る人が見ると、実像の位置に光の
点が存在するものとして知覚される。
【0053】それで、前記の記録済み感光性記録部材P
SMpとして、三次元空間内で三次元的に変位した多数
の位置毎の点光源PPSの像が記録されていたとする
と、記録済み感光性記録部材PSMpに記録されていた
点光源PPSの各位置における像は、それぞれ蠅の目レ
ンズ板FELにおける個々の個眼レンズ毎に集光され
て、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内におけ
るもとの点光源の位置にそれぞれ実像を結ぶから、それ
を実像PPSpの位置から離れた位置に居る人が見る
と、前記した三次元空間内における前記した実像の位置
に現われる光の線または光の点の全体は光による三次元
像として知覚できることになる。
【0054】また、前記した蠅の目レンズ板FELの焦
点面に位置するように配置されるべき感光性記録部材P
SMは、それが蠅の目レンズ板FELと一体化された構
成となされていても、あるいは、蠅の目レンズ板FEL
の焦点面に位置するように配置されるべき感光性記録部
材PSMと蠅の目レンズ板FELとが別体のものとして
構成されているものであってもよく、蠅の目レンズ板F
ELの焦点面に位置するように配置されるべき感光性記
録部材PSMが蠅の目レンズ板FELと別体のものとし
て構成されているものであった場合には、記録済み感光
性記録部材PSMpと、記録時に使用された蠅の目レン
ズ板FELと同一な構成態様の蠅の目レンズ板FELと
の両者の相対的な位置関係が記録時と同一の態様となる
ように組合わされて再生に使用されうることは勿論であ
る。
【0055】図23を参照して説明したXYZプロッタ
では、前記した複眼レンズFELにおける点光源PPS
からの光( 点光源PPSから放射された光の内の角度θ
以内の光 )が入射されている個々のレンズ(個眼レンズ)
毎に、蠅の目レンズ板FELの前方の三次元空間中の点
光源PPSの像が、蠅の目レンズ板FELの前面の三次
元空間内における個々の点光源PPSの点灯位置とそれ
ぞれ1対1に対応した位置に点光源PPSの像が結像し
て記録されることにより、感光性記録部材PSMには蠅
の目レンズ板FELの前面の三次元空間内で三次元的に
変位した各位置毎の点光源PPSの位置情報が記録され
るのである。前記のようにして蠅の目レンズ板FELの
前面の三次元空間内における各位置毎の点光源PPSの
位置情報が記録された記録済み感光性記録部材PSMp
に対して図25に示してあるような拡散光の再生光を照
射することにより、蠅の目レンズ板FELの前面の三次
元空間内には、図23を参照して説明したXYZプロッ
タによって記録の対象にされた点光源PSSと対応して
いる再生像PSSpの他に、図21及び図22を参照し
て既述したと同様な原因によって偽の再生像PPSpr
1,PPSpr…、PPSp〓1,PPSp〓2…も生じる。
【0056】図23を参照して説明したXYZプロッタ
によって蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内に
おける各位置毎の点光源PPSの位置情報が記録された
記録済み感光性記録部材PSMpに対して、図25に示
す拡散光の再生光が照射されたときに、蠅の目レンズ板
FELの前面の三次元空間内に再現される再生像におい
ては、記録の対象にされた点光源PPSpと対応してい
る再生像PPSpが観察者によって認識されうる立体的
な範囲( 図25中で矢印θで示してある部分…視域 )
と、偽の再生像PPSpr1,PPSpr…、PPSp〓1,P
PSp〓2…が観察者によって認識されうる範囲( 図25
中では矢印イ,ロ,ハ,ニ等で例示している)とが重複
していないないから、図23を参照して説明したXYZ
プロッタによって記録された三次元像を再生したとき
に、観察者の眼Eが図25中の矢印θで示してある視域
内におかれていれば、観察者には記録の対象にされた図
23中の真の点光源PPSの位置と対応する位置に再生
された光点PPSpだけが認識されるのであり、記録の
対象にされたもとの三次元像を正しく見ることのできる
立体的な範囲(視域)は既述したXYZプロッタによって
記録された場合に比べて広いものになっている。
【0057】すなわち、前記した蠅の目レンズ板FEL
における点光源PPSからの光( 点光源PPSから放射
された光の内の角度θ以内の光 )が入射されている個々
のレンズ(個眼レンズ)は、それぞれの個眼レンズ毎に蠅
の目レンズ板FELの前方の三次元空間中の点光源PP
Sの像を図25中のIa,Ib,Ic,Id,Ieで示
している位置に結像させるが、この図25に例示されて
いる例における点光源PPSの結像位置Ia,Ieは、
隣接する2つの個眼レンズの境界に位置している点光源
PPSの結像位置を示している。蠅の目レンズ板FEL
の前面の三次元空間内における点光源PPSの像が、蠅
の目レンズ板の各個眼レンズにより記録済み感光性記録
部材PSMpにおけるIa〜Ieの位置に記録されてい
る図25に示されている記録済み感光性記録部材PSM
pに対して、図25に示されているように拡散光の再生
光を照射すると、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元
空間内には、図23を参照して説明したXYZプロッタ
によって記録の対象にされた点光源PSSと対応してい
る再生像PSSpの他に、図21及び図22を参照して
述べた説明で明らかにしたと同様な原因によって偽の再
生像PPSpr1,PPSpr…、PPSp〓1,PPSp〓2
…も生じる。
【0058】すなわち、図25の記録済み感光性記録部
材PSMpにおけるIa〜Ieを透過した光( 直線aと
直線bとの間に存在する光 )の内で、図23中の蠅の目
レンズ板FELの前方の三次元空間内で記録の対象にさ
れている1つの点光源PPSからの光が、蠅の目レンズ
板FELにおける各個眼レンズによって、蠅の目レンズ
板FELの焦点面の位置に設置された感光性記録部材P
SMに結像記録される際に辿った光線の経路を、図25
中の記録済み感光性記録部材PSMpの下方から照射さ
れている拡散光の再生光が逆に辿ったものにより再生像
PPSpが生じ、また、前記した図25中における蠅の
目レンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている
点PPSpr1は、前記した点PPSpに実像を結んだ光
線が過過した各個眼レンズに対して1個だけ右隣りの各
個眼レンズを通過した光によって生じた実像である。
【0059】さらに、前記した図25中における蠅の目
レンズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点
PPSpr2は、前記した点PPSpに実像を結んだ光線
が過過した各個眼レンズに対して2個だけ右隣りの各個
眼レンズを通過した光によって生じた実像であり、以
下、同様にして、前記した図25中における蠅の目レン
ズ板FELの前方の三次元空間内に示されている点PP
Sp〓1は、前記した点PPSpに実像を結んだ光線が
過過した各個眼レンズに対して1個だけ左隣りの各個眼
レンズを通過した光によって生じた実像であり、さら
に、前記した図25中における蠅の目レンズ板FELの
前方の三次元空間内に示されている点PPSp〓2は、
前記した点PPSpに実像を結んだ光線が過過した各個
眼レンズに対して2個だけ左隣りの各個眼レンズを通過
した光によって生じた実像である。図25中に示されて
いる前記の各点PPSp,PPSpr1,PPSpr2…、P
PSp〓1,PPSp〓2…等の多くの位置に生じた実像
は、図25中にそれぞれ矢印により示されている範囲
θ,イ,ロ,ハ,ニで観察者によって認識されることに
なるが、観察者の眼Eが例えば、図25中のEで示され
る部分にあったとすれば、その観察者は点PPSp,P
PSpの光点だけを見ることになりスプリアス像を見る
ことはない。
【0060】このことは、蠅の目レンズ板FELにおけ
る点光源PPSからの光( 点光源PPSから放射された
光の内の角度θ以内の光)が入射されている個々のレン
ズ(個眼レンズ )による点光源PPSの像の位置Ia,
Ib,Ic,Id,Ieの内で、隣接する2つの個眼レ
ンズの境界に位置している点光源PPSの結像位置I
a,Ieについて、直線bと結像位置Iaの関係と、直
線dと結像位置Ieの関係とは同一であって直線bと直
線dとが平行であり、再生像PPSpの見える範囲とス
プリアス像PPSpr1 の見える範囲とは決して重なるこ
とはなく、また、前記と同様に直線aと結像位置Ieの
関係は、直線cと結像位置Iaの関係と同じで直線aと
直線cとが平行であり、再生像PPSpの見える範囲と
スプリアス像PPSp〓1の見える範囲とは決して重なる
ことはなく、さらに、前記と同様の理由により直線fと
直線hとが平行であり、スプリアス像PPSpr1の見え
る範囲とスプリアス像PPSpr2の見える範囲とも決し
て重なることはなく、当然のことながら再生像PPSp
の見える範囲とスプリアス像PPSpr2の見える範囲と
は決して重なることはなく、同様にして直線eと直線g
とが平行となり、スプリアス像PPSp〓1の見える範
囲とスプリアス像PPSp〓2の見える範囲とが決して重
なることはなく、再生像PPSpの見える範囲とスプリ
アス像PPSp〓2の見える範囲とも決して重なることが
ないからである。
【0061】図18乃至図25図を参照して説明したX
YZプロッタにおいては、蠅の目レンズ板FELの前面
の三次元空間内に点光源の移動軌跡により形成させた記
録の対象にされる三次元像を蠅の目レンズ板FELの焦
点面に設置された感光性記録部材PSMに記録し、前記
のようにして蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間
内における各位置毎の点光源PPSの位置情報が記録さ
れた記録済み感光性記録部材PSMpに対して図25に
示されているように拡散光の再生光を照射することによ
り、蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内に再現
される再生像においては、記録の対象にされた点光源P
PSpと対応している再生像PPSpが観察者によって
認識されうる立体的な範囲(図25中で矢印θで示して
ある部分…視域)と、偽の再生像PPSpr1,PPSpr
…、PPSp〓1,PPSp〓2…が観察者によって認識さ
れうる範囲(図25中では矢印イ,ロ,ハ,ニ等で例示
している)とが重複していない。
【0062】それで、観察者の眼Eが図25中の矢印θ
で示してある視域内におかれていれば、観察者には記録
の対象にされた図23中の真の点光源PPSの位置と対
応する位置に再生された光点PPSpだけが認識される
のであり、広い範囲にわたって、記録の対象にされたも
との三次元像を正しく見ることを可能にしたが前記した
XYZプロッタでは記録の対象にされる三次元像を存在
させうる範囲が、図31の(a)において像領域として示
されている範囲、すなわち、蠅の目レンズ板FELの前
面におけるピラミッド形状の三次元空間内だけに限られ
ており、蠅の目レンズ板FELの後方の空間にまで記録
の対象にされるべき三次元像を存在させるような状態と
して蠅の目レンズ板FELに三次元像を記録させ、ま
た、それを再生させるようにすることができなかった。
【0063】すなわち、これまでに説明したXYZプロ
ッタによって三次元像情報を記録するのに使用される記
録媒体の二次元的な感光性記録部材PSMには、被写体
とされる三次元画像の三次元像情報が蠅の目レンズ板F
ELにおける各蠅の目レンズによって結像されるのであ
り、また、被写体の三次元像情報が記録されている記録
済み記録媒体における二次元的な記録済み感光性記録部
材PSMpに再生光を照射して、三次元空間内に三次元
再生像を形成させる場合には、記録済み記録媒体におけ
る記録済み感光性記録部材PSMpから射出した再生光
が蠅の目レンズ板FELにより三次元再生像として三次
元空間に表示されるのであるが、前記したXYZプロッ
タによって三次元像情報を記録する際には蠅の目レンズ
板FELの前面におけるピラミッド形状の三次元空間内
だけに限られているために、記録済み記録媒体における
記録済み感光性記録部材PSMpに拡散光の再生光が照
射されることにより、記録済み感光性記録部材PSMp
から射出した光が蠅の目レンズ板FELにより三次元再
生像として表示される三次元空間は、蠅の目レンズ板F
ELと観察者との間に存在している。
【0064】ところで、前記の記録済み記録媒体におけ
る記録済み感光性記録部材PSMpに拡散光の再生光を
照射した場合に、蠅の目レンズ板FELにより三次元空
間内に表示された三次元再生像の品質は、使用される蠅
の目レンズ板FELの光学的性能によって変化する。と
ころで、三次元空間内に表示された前記の三次元再生像
を観察すると、その三次元再生像は、人間が日常、三次
元像を見た場合の感じとは逆の感じのものとして知覚さ
れる。すなわち、目の前に置かれた三次元物体を見たと
きには、その三次元物体の内の自分に近い手前の部分が
はっきりと見え、自分から離れた部分はぼやけて見える
のが通常であるのに、三次元空間内に表示されている前
記した三次元再生像は、自分に近い手前の部分がぼやけ
て見え、自分から離れた部分がはっきりと見えるという
状態の不自然な感じのものになっている。
【0065】三次元空間内に表示された三次元再生像を
見たときに前記した不自然さを感じさせる程度は、三次
元空間内に表示された三次元再生像の大きさと、蠅の目
レンズ板FELの光学的な性能とによって定まるのであ
り、例えば蠅の目レンズ板FELの光学的な性能が定め
られていれば、三次元空間内に表示される三次元再生像
の大きさが小さくなる程、前記の不自然さを感じさせる
程度は小さくなり、また三次元空間内に大きな三次元再
生像を自然な感じのものとして表示させようとすれば、
使用されるべき蠅の目レンズ板FELとしては光学的性
能の良好な高価なものとなる。
【0066】例えば前記した三次元再生像を医療に使用
する場合に、蠅の目レンズ板FELと二次元的な感光性
記録部材PSMとを一体化させた構造の記録媒体が採用
されるとすると、その際の記録媒体の予想価格からみ
て、前記の記録媒体に使用される蠅の目レンズ板は、そ
れの垂直方向の寸法に関して例えば10cm以下の三次
元再生像を良好に表示させうる程度であるが、記録済み
記録媒体に再生光を照射して患者の臓器の実物大の三次
元再生像を三次元空間内に表示させるようにした場合
に、前記の患者の臓器が脳であったとすると、人間の脳
の平均的な大きさは15cm程度であるために、前記の
解決策に従った場合には人間の脳については、観察者に
対して違和感を与えるような状態でしか三次元再生像を
三次元空間内に表示させることができないということに
なる。
【0067】それで、蠅の目レンズ板FELと二次元的
な感光性記録部材PSMとを一体化させた構造の記録媒
体面の垂直方向について、記録媒体面の前方の空間には
実像による三次元再生像が表示され、また、記録媒体面
の後方の空間には虚像による三次元再生像が表示される
ように、記録媒体面の前方と後方との双方の空間に三次
元再生像を表示させることができるような三次元像情報
を、二次元的な感光性記録部材PSMに記録させれば、
記録済み記録媒体におけ記録済みる感光性記録部材PS
Mpに再生光を照射した際に、良好な状態で三次元空間
内に形成させることのできる三次元再生像の大きさが、
蠅の目レンズ板FELの垂直方向の寸法に関して例えば
7.5cmであるような光学的な性能の蠅の目レンズ板
FELを使用している記録媒体であっても、15cmの
大きさを有する人間の脳の観察を良好な状態で行なうこ
とができるという点に着目して、図26に示されている
ような構成態を有するXYZプロッタが提案された。
【0068】図26においてMBは機台であって、この
機台MB上には既述した図18に示すXYZプロッタと
同様に、蠅の目レンズ板FELが設置されているととも
に、前記の蠅の目レンズ板FELの焦点面に位置するよ
うに配置されている感光性記録部材PSMとが設置され
ているが、前記した蠅の目レンズ板FELや感光性記録
部材PSMとしても、図18を参照して説明したXYZ
プロッタについて既述したようなものが使用できる。図
26に示す構成態様のXYZプロッタにおいて、Fyb
は前記した蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内
で、後述されている駆動装置DRAの動作によって変位
駆動される移送体であり、この移送体Fyb内には光源
PSと光学系Lcとが収納されている。前記した移送体
Fyb内に収納されている光学系Lcは、例えば、凸レ
ンズあるいは凹面鏡のように、光源PSから放射された
光を集束して集光点PSIを形成させた後に、前記した
集光点PSIから光束を発散させうるような機能を有す
る構成形態のものが使用される。
【0069】前記した移送体Fyb内に収納されている
光源PSは、例えば白熱ランプ、あるいは放電灯、その
他任意の発光源から放射された光をコンデンサレンズで
集束し、その集光点にピンホールを設置するなどして構
成した点光源であり、前記の点光源PSから放射された
発散光束は光学系Lcを構成している凸レンズで集束さ
れて集光点PSIに点光源PSの像を結像する。そし
て、点光源PSから発散した光束を光学系によって集束
した前記の集光点PSIは新らたな光源PSI(新らた
な点光源PSI)として、それからの発散光束が蠅の目
レンズ板FELを照射するようになされている。前記の
新らたな点光源PSIとなされる集光点PSIは、記録
の対象にされる三次元像の形状と対応する位置で発光す
る状態となされるように、前記した移送体Fybを介し
て駆動装置DRAにより変位駆動されるのであり、図2
6に示すXYZプロッタの装置の全体は暗箱内に収納さ
れた状態で使用される。
【0070】前記した移送体Fybは蠅の目レンズ板F
ELの前面の三次元空間における予め定められた範囲内
のどの位置にも変位駆動されるように駆動装置DRAに
よって変位駆動されうるようになされている。この駆動
装置DRAは、図18について既述したXYZプロッタ
の駆動装置DRAと同様の構成のものでよい。なお図2
6中のFybは移送体であり、この移送体FybはXY
Z直交座標系におけるY軸方向に延在するように設けら
れたレール部材Ryに沿ってステッピングモータMyの
駆動回転によってY軸方向に移送される。図26に示さ
れているXYZプロッタにおける点光源の駆動装置DR
Aは、前記したX,Y,Z軸方向の各移送体Fx,Fy
b,FzにおけるそれぞれのステッピングモータMx,M
yb,Mzがコンピュータから供給される駆動信号に応じ
て回転駆動されることによって、Y軸方向の移送体Fy
bはそれの最下端Fybeが蠅の目レンズ板FELの表
面に接触する直前の位置を最下端とし、Z軸方向の移送
体Fzがレール部材Rzの上端部に達した位置を上端部
とする上下方向での移動可能な範囲、及び各移送体F
x,Fybがレール部材Rx,Ryに沿って前後左右に
移動可能な範囲内で、蠅の目レンズ板FELの前面の三
次元空間におけるどの位置にも変位駆動されうるのであ
る。
【0071】図26において、前記したY方向の移送体
Fybが図27に示されているように蠅の目レンズ板F
ELの前面の空間における上方に離隔した位置にあっ
て、前記した新らたな点光源となる集光点PSIが蠅の
目レンズ板FELの上方に位置している場合には、前記
した集光点PSIから発散した光は、蠅の目レンズ板F
ELにおける個々の個眼レンズ毎に集束されて蠅の目レ
ンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置されている
感光性記録部材PSMに、前記した複眼レンズ板FEL
における個々のレンズ(個眼レンズ)毎に集光点(点光源)
PSIの像が結像して記録される。
【0072】また、図26に示すXYZプロッタにおい
て、前記したY方向の移送体Fybが図28に示すよう
に蠅の目レンズ板FELの前面の空間における下方の位
置にあって、前記した新らたな点光源となる集光点PS
Iが、蠅の目レンズ板FELの位置よりも下方に位置す
る場合、すなわち、前記した光学系Lcによる光束の集
束作用により形成される集光点PSIの位置よりも蠅の
目レンズ板FELが光学系Lc寄りに設置されている場
合には、蠅の目レンズ板FELが存在していなかったと
した場合に図28中に示されている空間中のPSI’の
位置に生じる仮想の集光点PSI’に集束している状態
の光束(前記した仮想の集光点PSI'から発散する光束
と方向の同一な光束 )が、蠅の目レンズ板FELにおけ
る個々の個眼レンズ毎に集束されて蠅の目レンズ板(複
眼レンズ板)FELの焦点面に設置されている感光性記
録部材PSMに、前記した複眼レンズ板FELにおける
個々のレンズ(個眼レンズ)毎に記録される。
【0073】すなわち、前記のような記録態様で蠅の目
レンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置されてい
る感光性記録部材PSMに記録された図27に示すよう
に集光点PSI(点光源)の光強度と位置情報、あるいは
図28に示すように仮想の集光点PSI’の光強度と位
置情報とは、感光性記録部材PSMがポジ型のものであ
れば、それを現像処理することにより図27中の集光点
PSI(点光源)の光強度と位置情報、あるいは図28中
の仮想の集光点PSI’の光強度と位置情報との部分だ
けが透明になり他の部分が黒となるような態様のものと
して現像された記録済み感光性記録部材PSMp、すな
わち、点光源の像の部分だけが透明になり他の部分が黒
となるような態様のものとして現像された記録済み感光
性記録部材PSMpとなされる。
【0074】図29はY方向の移送体Fybが前記のよ
うに蠅の目レンズ板FELの前面の空間における下方の
位置にあって、前記した新らたな点光源となる集光点P
SIが、蠅の目レンズ板FELを突抜けた下方の位置、
すなわち、蠅の目レンズ板FELが存在していなかった
とした場合に空間中に生じる仮想の集光点PSI’に集
束する状態の光束における蠅の目レンズ板FELを構成
している個々の個眼レンズ毎の光束が個々の個眼レンズ
毎に集束されて、前記した蠅の目レンズ板( 複眼レンズ
板 )FELの焦点面に設置されている感光性記録部材P
SMに、蠅の目レンズ板FELを構成している個々の個
眼レンズ毎に結像記録される状態を図示説明したもので
ある。
【0075】前記の図29をみると図中の仮想の集光点
PSI’に集束する状態の光束における蠅の目レンズ板
FELを構成している個々の個眼レンズ毎の光束が個々
の個眼レンズ毎に集束されて、前記した蠅の目レンズ板
(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置されている感光性
記録部材に結像記録された光束の方向と、図29中の仮
想の集光点PSI'から発散する光束が蠅の目レンズ板
FELにおける個々の個眼レンズ毎に集束されて蠅の目
レンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置されてい
る感光性記録部材PSMに、前記した複眼レンズ板FE
Lにおける個々のレンズ(個眼レンズ)毎に結像記録され
る際の光束の方向とが同じであることが判かる。
【0076】なお、この図29において蠅の目レンズ板
FELを構成している個々の個眼レンズに入射する光束
は完全な平行光ではなく、図中の仮想の集光点PSI’
に集束する状態の光束であるために、前記した個々の個
眼レンズに入射した光束が個々の個眼レンズ毎に集束さ
れる際における集光点の位置は、図29中に示されてい
るように前記した蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FEL
の焦点面に設置されている感光性記録部材の位置よりも
前側にずれており、それにより図29中に示されている
ように前記した蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FELの
焦点面に設置されている感光性記録部材の位置には、少
しぼけた大きな径の光点の像が記録されることになる
が、このことは再生時に次のような利点をもたらす。
【0077】すなわち図29を参照して説明したように
蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FELの焦点面に設置さ
れている感光性記録部材PSMに少しぼけた大きな径の
光点の像が記録された状態の感光性記録部材を現像処理
して得た記録済み感光性記録部材PSMpの裏面側から
図30中には図示されていない拡散光を照射して再生が
行われる場合に、蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FEL
の前面の空間中に両眼を位置させて蠅の目レンズ板(複
眼レンズ板)FELの方を見ている観察者には、前記の
ように少しぼけた大きな径の光点の像が記録された状態
の記録済み感光性記録部材PSMpにおける記録像を通
過したやや拡がりを示す図30示のような光束が与えら
れるから、観察者はそれに与えられたやや拡がりを示す
全体の光束の逆を辿って再生像を知覚するときに、再生
像があたかも蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FELの位
置よりも奥の位置、すなわち、図30中のPSIpに再
生像が存在しているものと知覚することができるほか、
前記のように少しぼけた大きな径の光点の像が記録され
た状態の記録済み感光性記録部材PSMpにおける記録
像を通過したやや拡がりを示す光束が与えられる観察者
には、再生時の観察者の眼の位置のずれによっても再生
像の光点が見えなくなるということもないのである。
【0078】前記した記録済み感光性記録部材PSMp
と、記録時に使用された蠅の目レンズ板FELと同一な
構成態様の蠅の目レンズ板FELとの両者を、前記両者
の相対的な位置関係が記録時と同一の態様となるように
組合わせて、蠅の目レンズ板FELとは反対側から記録
済み感光性記録部材PSMpに光源から拡散光を照射す
ると、記録済み感光性記録部材PSMpを透過した光
は、蠅の目レンズ板FELにおける個々の個眼レンズ毎
に集光されることにより、それを離れた位置の観察者が
見ると前記の集光した位置に光の点が存在するものとし
て知覚される。それで、前記の記録済み感光性記録部材
PSMpとして、三次元空間内で三次元的に変位した多
数の位置毎の点光源の像が記録されていたとすると、記
録済み感光性記録部材PSMpに記録されていた点光源
の各位置における像は、それぞれ蠅の目レンズ板FEL
における個々の個眼レンズ毎に集光されて、蠅の目レン
ズ板FELが存在している三次元空間内におけるもとの
点光源の位置にそれぞれ実像を結ぶから、その実像の位
置から離れた位置に居る人が見ると、前記した三次元空
間内における前記した実像の位置に現われる光の線また
は光の点の全体は光による三次元像として知覚できるこ
とになる。
【0079】図31は図26に示すXYZプロッタと、
図18乃至図25を参照して既述したXYZプロッタと
における像領域の相違を説明するための図であり、図3
1の(b)に示されている図26に示すXYZプロッタの
像領域は、蠅の目レンズ板FELに発散光を照射させる
ための点光源を形成させるのに用いられる光学系Lcが
蠅の目レンズ板FELに接触する寸前の位置になされた
状態における前記の光学系Lcによる光束の集光点(仮
想の集光点による点光源)PSI'dの位置にまで拡がる
ために、蠅の目レンズ板FELの前方の空間部における
ピラミッド形の部分の像領域しか有していない図31の
(a)に示されている図18乃至図25図を参照して既述
したXYZプロッタにおける像領域に比べて2倍の像領
域に拡大できることが明らかである。なお、図中のPS
Iuは前記の光学系Lcによる光束の集光点の最も上方
の位置を示す。
【0080】図32は記録再生の対象にされている三次
元像の最も奥の部分が、蠅の目レンズ板FELに発散光
を照射させるための点光源を形成させるのに用いられる
光学系Lcが図31の(b)に示すように蠅の目レンズ板
FELに接触する寸前の位置になされた状態における前
記の光学系Lcによる光束の集光点(仮想の集光点によ
る点光源)PSI’の位置と蠅の目レンズ板FELまで
の距離αに比べてβ<αの関係にある距離βであるよう
な図32の(a)に示されているような場合には、蠅の目
レンズ板FELに発散光を照射させるための点光源を形
成させるのに用いられる光学系Lcとして、それの焦点
距離がβであって、それの口径が蠅の目レンズ板FEL
の大きさよりも小さなものとすることができる{図32
の(b)参照}ということを図示説明しているものであ
る。
【0081】次に、図26に示すXYZプロッタによっ
て記録された三次元再生像にスプリアス像またはゴース
ト像が生じさせないようにするために、蠅の目レンズ板
FELの存在する三次元空間内の任意の所定の位置に三
次元的な変位駆動手段によって変位駆動されうるように
なされている点光源PSIから放射される発散光の発散
方向の制限を行う構成例について説明する。図26に示
すXYZプロッタでは移送体Fybに収納されている光
学系Lcの口径を制限することによって蠅の目レンズ板
FELを照射する発散光束の出射角の制限が行われるよ
うになされうる他、図27及び図28に示されている既
述したY方向の移送体Fybにおける下端部Fybeの
形状寸法を所定のように設定することにより光学系Lc
から出射される発散光束の出射角を制限することもでき
る。
【0082】前記した蠅の目レンズ板FELを照射する
発散光束の出射角の制限は、多数個の個眼レンズの配列
集合により構成されている蠅の目レンズ板FELの焦点
面に設置されるべき感光性記録部材PSMについて、前
記の蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レンズが蠅の
目レンズ板FEL中で個別に占有している個眼レンズの
存在区域の平面形状寸法と同じ平面形状寸法で前記した
各個眼レンズの存在区域と1対1に対応する如き個々の
領域を設定したときに、前記のように感光性記録部材P
SMに設定された個々の領域にはその個々の領域に対応
している個眼レンズ以外の個眼レンズを通過した光が入
射しない状態となされるように、前記した点光源PSI
からの光の発散方向に制限を加えるために行われるので
ある。
【0083】そして、多数個の個眼レンズの配列集合に
よって構成されている蠅の目レンズ板FELは、それを
構成するのに使用されている多数の個眼レンズが、それ
ぞれ所定の形状寸法を示す如き存在区域を有している状
態で、各個眼レンズの存在区域が所定の配列パターンに
従うように配列された状態のものとして構成されること
が多く、蠅の目レンズ板FEL中におけるそれぞれの個
眼レンズの存在区域は、例えば碁盤の目状の配列パター
ンとなされたり、あるいは例えば蜂の巣状の配列パター
ンとなされたりしているが、前記した蠅の目レンズ板F
ELの焦点面に設置されるべき感光性記録部材PSMに
対して、前記の蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レ
ンズが蠅の目レンズ板FEL中で個別に占有している個
眼レンズの存在区域の平面形状寸法と同じ平面形状寸法
で前記した各個眼レンズの存在区域と1対1に対応する
如き個々の領域を設定し、感光性記録部材PSMに前記
のように設定された個々の領域に、その領域と対応して
いる個眼レンズから領域に入射される入射光線の最大の
入射角の入射光線がその領域の境界に達する状態となる
ように、前記の各個眼レンズに入射される光の入射角の
制限が行われている状態のものとして個々の個眼レンズ
に入射されるように、点光源から放射される光の発散方
向を制限するのである。
【0084】前記した点光源PSIから放射される光の
発散方向を制限するために用いる光の発散方向の制限部
材としては、多数個の個眼レンズの配列集合によって構
成されている蠅の目レンズ板FELが、それの構成に使
用されている多数の個眼レンズの各個眼レンズの存在区
域が碁盤の目のような配列パターンに従っている場合に
は、正方形の開口が設けられているような構成態様のも
のが用いられてよい。また、多数個の個眼レンズの配列
集合によって構成されている蠅の目レンズ板FELが、
それの構成に使用されている多数の個眼レンズの各個眼
レンズの存在区域が蜂の巣状のような配列パターンに従
っている場合には、前記した点光源PSIから放射され
る光の発散方向を制限するために用いる光の発散方向の
制限部材としては、正六角形の開口が設けられているよ
うな構成態様のものが用いられてよい。
【0085】また、蠅の目レンズ板FELとして性能の
良い個眼レンズを作り易い球状の個眼レンズを用い、多
数個の球状の個眼レンズを任意に配列集合して構成させ
た蠅の目レンズ板FELが使用させるような場合には、
前記の点光源PSIから放射される光の発散方向を制限
するために用いる光の発散方向の制限部材としては、所
定の径の円形開口が設けられているような構成態様のも
のが用いられる。なお、前記の説明においては点光源P
SIから放射される光の発散方向を制限するために用い
られる光の発散方向の制限部材としては、所定形状の開
口を有する構成形態のものが使用されるとされていた
が、点光源PSIから放射された光に対し、所要の制限
態様で光の発散方向の制限を行うことができるような指
向特性を与えうる任意の制限手段を適用されてもよいの
である。
【0086】前記したように、点光源PSIから放射さ
れる光の発散方向が光の発散方向の制限部材によって制
限された場合には、点光源PSIの点灯状態がコンピュ
ータで制御されて、蠅の目レンズ板FELが存在する三
次元空間における予め定められた範囲内で、記録の対象
とされるべき三次元画像の形状が連続した線状の光の軌
跡で表示されるようになされたり、あるいは記録の対象
とされるべき三次元画像の形状が光点の配列によって表
示されるようになされたりするときに、点光源PSIか
ら放射された光が、それの発散方向が所定のように制限
された状態で蠅の目レンズ板FELにおける各個眼レン
ズに入射されることにより、蠅の目レンズ板FELの焦
点面に設置されている感光性記録部材PSMには、前記
した複眼レンズFELにおける所定の範囲の個々のレン
ズ(個眼レンズ)毎に点光源PSIの像が結像して、蠅の
目レンズ板FELの焦点面に位置するように配置されて
いる感光性記録部材PSMにおける所定の個数の領域の
部分に、蠅の目レンズ板FELが存在する三次元空間内
の点光源PSIの像が結像して記録される。
【0087】点光源PSIの点灯位置が蠅の目レンズ板
FELが存在する三次元空間内の異なった位置に移動し
た場合における蠅の目レンズ板(複眼レンズ)FELの焦
点面に設置されている感光性記録部材PSMに対して、
前記した複眼レンズFELにおける個々のレンズ(個眼
レンズ)毎に結像される移動した点光源PSIの像は、
前記した点光源PSIの像の結像位置とは異なる位置と
なされるのであり、蠅の目レンズ板(複眼レンズ)FEL
の焦点面に設置されている感光性記録部材PSMには、
前記した複眼レンズFELにおいて点光源PSIからの
光( 点光源PSIから放射された光の内の角度θ以内の
光 )が入射されている個々のレンズ(個眼レンズ)毎に、
蠅の目レンズ板FELの前面の三次元空間内における個
々の点光源PSIの点灯位置とそれぞれ1対1に対応し
た位置に点光源PSIの像が結像して記録されることに
より、感光性記録部材PSMには蠅の目レンズ板FEL
の存在する三次元空間内で三次元的に変位した各位置毎
の点光源PSIの位置情報が記録されるのであり、前記
のような記録態様で蠅の目レンズ板(複眼レンズ板)FE
Lの焦点面に設置されている感光性記録部材PSMに記
録された図27示の集光点PSI(点光源)の光強度と位
置情報、あるいは図28に示す仮想の集光点PSI’の
光強度と位置情報とは、感光性記録部材PSMがポジ型
のものであれば、それを現像処理することにより図27
に示す集光点PSI(点光源)の光強度と位置情報、ある
いは図28に示す仮想の集光点PSI’の光強度と位置
情報との部分だけが透明になり他の部分が黒となるよう
な態様のものとして現像された記録済み感光性記録部材
PSMp、すなわち点光源の像の部分だけが透明になり
他の部分が黒となるような態様のものとして現像された
記録済み感光性記録部材PSMpとされる。
【0088】前記した記録済み感光性記録部材PSMp
と、記録時に使用された蠅の目レンズ板FELと同一な
構成態様の蠅の目レンズ板FELとの両者の相対的な位
置関係が記録時と同一の状態において、蠅の目レンズ板
FELとは反対側から記録済み感光性記録部材PSMp
に光源から拡散光を照射すると、記録済み感光性記録部
材PSMpを透過した光は、蠅の目レンズ板FELにお
ける個々の個眼レンズ毎に集光されることにより、それ
を離れた位置の観察者が見ることにより前記の集光した
位置に光の点が存在するものとして知覚されるが、広い
視域にわたってスプリアス像またはゴースト像の無い状
態の再生像を観察することができるのであり、また、前
記の記録済み感光性記録部材PSMpとして、三次元空
間内で三次元的に変位した多数の位置毎の点光源の像が
記録されていたとすると、記録済み感光性記録部材PS
Mpに記録されていた点光源の各位置における像は、そ
れぞれ蠅の目レンズ板FELにおける個々の個眼レンズ
毎に集光されて、蠅の目レンズ板FELが存在している
三次元空間内におけるもとの点光源の位置にそれぞれ実
像を結ぶから、その実像の位置から離れた位置に居る人
が見ると、前記した三次元空間内における前記した実像
の位置に現われる光の線または光の点の全体は光による
三次元像として知覚できることになる。
【0089】図18乃至図25を参照してこれまでに説
明して来たXYZプロッタでは、それの点光源の三次元
的な移動により三次元空間内に描き出すべき三次元再生
像をX線CT技術の適用により、被検体にX線を照射
し、その被検体を透過したX線をX線検出系で受けて得
た多方向からのX線投影データに基づいたデジタル演算
により求めた被検体内部の鮮明な断層像データにより、
XYZプロッタの点光源を三次元的に移動させることに
より三次元空間内に描き出し、前記の三次元画像三次元
画像情報を、蠅の目レンズ板FELの焦点面に設置され
ている感光性記録部材PSMに記録させ、記録済み感光
性記録部材PSMpに光源から拡散光を照射して、記録
済み感光性記録部材PSMpから射出した光により、三
次元空間内に三次元再生像を表示させることができるか
ら、三次元空間内に描き出された前記の三次元再生像に
より、例えば人体の脳内部の腫瘍や血腫の存在を容易に
知ることを可能とする。なお人体内に入ったガラス片の
存在を示す画像を得る場合には磁気共鳴イメージング装
置を使用して画像データを得るようにするとよい。
【0090】ところで三次元空間内に表示された三次元
再生像が正しく観察できる範囲(視域)は、既述のよう
に狭いものであるから、前記のようにして三次元空間内
に表示された三次元再生像を、医師と患者との双方がス
プリアスが無い状態で観察しながら、医師が患者に説明
を行なうようにすることは極めて困難である。すなわち
視域が狭いために例えば医師と患者とが顔を密着させた
状態にするような極めて不自然な状態でないと、医師と
患者との双方がスプリアスが無い状態の三次元再生像を
一緒に観察することができないからである。また、三次
元空間中に表示された三次元再生像について、医師が三
次元再生像の内部に指示用の棒等を用いて説明を行なっ
たり、あるいは物差しやノギス等の測定用具を用いて奥
行き方向の寸法や、三次元再生像内の任意の部分の寸法
などを実測する際などのように、三次元再生像内に物体
が挿入されると、前記の挿入物体によって遮光されるた
めに、物体の挿入位置よりも観察者寄りの部分の表示が
消えてしまうというような日常経験することのない現象
が現われる。
【0091】また既述の理由により、蠅の目レンズ板F
ELと二次元的な感光性記録部材PSMとを一体化させ
た構造の記録媒体面の垂直方向について、記録媒体面の
前方の空間には実像による三次元再生像が表示され、ま
た、記録媒体面の後方の空間には虚像による三次元再生
像が表示されるように、記録媒体面の前方と後方との双
方の空間に三次元再生像を表示させることができるよう
な三次元像情報を、二次元的な感光性記録部材PSMに
記録させれば、記録済み記録媒体におけ記録済みる感光
性記録部材PSMpに再生光を照射した際に、良好な状
態で三次元空間内に形成させることのできる三次元再生
像の大きさが、蠅の目レンズ板FELの垂直方向の寸法
に関して例えば7.5cmであるような光学的な性能の
蠅の目レンズ板FELを使用している記録媒体であって
も、15cmの大きさを有する人間の脳の観察を良好な
状態で行なうことができるが、前記の三次元再生像につ
いては、記録媒体面の後方の空間の虚像による三次元再
生像については、医師が三次元再生像の内部に指示用の
棒等を用いて説明を行なったり、あるいは物差しやノギ
ス等の測定用具を用いて奥行き方向の寸法や、三次元再
生像内の任意の部分の寸法などを実測することができな
い。
【0092】本発明の三次元画像観察装置は、蠅の目レ
ンズ板FELの略々焦点面に設置された状態の二次元的
な感光性記録部材PSMに三次元像情報を記録させた記
録済み感光性記録部材PSMpに拡散光の再生光を照射
して、前記の記録済み感光性記録部材PSMpからの射
出光を蠅の目レンズ板FELにより、前記した記録済み
感光性記録部材PSMp面の垂直方向について、蠅の目
レンズ板FELの前方の空間に実像だけによる三次元再
生像が表示された場合でも、あるいは記録済み感光性記
録部材PSMp面の垂直方向について、蠅の目レンズ板
FELの前方の空間には実像による三次元再生像(図1
乃至図17の図中の図面符号Irで示されている部分)
が表示され、また蠅の目レンズ板FELの後方の空間に
は虚像による三次元再生像(図1乃至図17の図中の図
面符号Ivで示されている部分)が表示されるように、
蠅の目レンズ板FELの前方と後方との双方の空間に三
次元再生像FTDが表示された場合でも、前記のような
問題点が生じない状態で三次元再生像が観察できるよう
にしたものであり、図1〜図17は本発明の三次元画像
観察装置の概略構成を示す図である。
【0093】図1乃至図17に示す本発明の三次元画像
観察装置において、RMは蠅の目レンズ板FELと二次
元的な感光性記録部材PSMとを一体化させた構造の記
録媒体の二次元的な感光性記録部材PSMに対して、例
えば既述したような構成態様のXYZプロッタを用いて
三次元像情報を記録させてある記録済み記録媒体であ
る。なお、本発明の実施に当って、蠅の目レンズ板FE
Lと二次元的な感光性記録部材PSMとが別体のものと
して構成されていてもよいが、その場合には既述のよう
に記録済み感光性記録部材PSMpと記録時における蠅
の目レンズ板FELと同一な蠅の目レンズ板FELとの
相対的な位置関係を、XYZプロッタによる三次元像情
報の記録時における蠅の目レンズ板FELと二次元的な
感光性記録部材PSMとの相対的な位置関係と等しく設
定することが必要とされる。
【0094】各図中に示されている図面符号において、
LSrは前記した記録済み記録媒体RMにおける記録済
み感光性記録部材(PSMp)に対して拡散光の再生光
を照射するための三次元画像再生用光源であり、HMは
ハーフミラー、BWは黒い背景、OBS1,OBS2は観
察者、SCLはノギスや物差しのような測定用具、LS
bは前記したノギスや物差しのような測定用具SCL
に、蛍光塗料で指標を設けてある場合等に、必要に応じ
て設けられる不可視光(例えば、紫外線)の光源であり、
FTDiは蠅の目レンズ板FELの略々焦点面に設置さ
れた状態の二次元的な感光性記録部材PSMに三次元像
情報を記録させた記録済み感光性記録部材PSMpに拡
散光の再生光を照射することにより、前記の記録済み感
光性記録部材PSMpから射出された光が蠅の目レンズ
板FELにより、三次元空間中に形成させる三次元再生
像FTDと対応して、ハーフミラーHMの鏡面対称の位
置に生じる虚像を示している。
【0095】前記した記録済み記録媒体RMの記録済み
感光性記録部材(PSMp)には、図18及び図23を
参照して既述したようなXYZプロッタを使用して記録
された三次元像情報、すなわち記録済み記録媒体RMの
記録済み感光性記録部材(PSMp)に対して、三次元画
像再生用光源LSrから拡散光の再生光を照射したとき
に、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前
方の空間に、実像だけによる三次元再生像を表示させう
るような三次元像情報であっても、あるいは図26を参
照して既述したようなXYZプロッタを使用して記録さ
れた三次元画像情報、すなわち、記録済み記録媒体RM
の記録済み感光性記録部材(PSMp)に、三次元画像再
生用光源LSrから拡散光の再生光を照射したときに、
記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前方の
空間には実像による三次元再生像が表示され、また、記
録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空
間には虚像による三次元再生像が表示されるように、記
録媒体面の前方と後方との双方の空間に三次元再生像を
表示させることができるような三次元像情報であっても
よい。本発明の三次元観察装置を示す各図中において、
記録済み記録媒体RMの記録済み感光性記録部材(PS
Mp)に三次元画像再生用光源LSrから拡散光の再生
光を照射したときに、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELの前方の空間に実像Irによる三次元再生
像が表示されるとともに、記録済み記録媒体RMの蠅の
目レンズ板FELの後方の空間に虚像Ivによる三次元
再生像が表示される場合の例を示している。
【0096】まず図1において、例えば蛍光灯と反射鏡
及び拡散板を用いて構成してある三次元画像再生用光源
LSrから射出した拡散光による再生光によって照射さ
れた記録済み記録媒体RMからは、記録済み記録媒体R
Mの蠅の目レンズ板FELの前方の空間に表示された実
像Irによる三次元再生像の部分と、記録済み記録媒体
RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示されて
いるように見える虚像Ivによる三次元再生像の部分と
の双方の部分からなる三次元再生像FTDが、図1中に
示してあるように三次元空間中に表示される。図1中に
示されている観察者OBS1は、前記の三次元再生像F
TDを三次元空間中に存在している三次元像として知覚
することができる。そして前記の三次元再生像FTDに
おける実像Irによる三次元再生像の部分は、再生光が
三次元空間中に結像して形成されているものであるか
ら、観察者が実際にノギスや物差しのような測定用具S
CLを用いて、内外各部の寸法を実際に計測することも
可能である。
【0097】しかし、前記のように三次元空間中に形成
された三次元再生像FTDにおいて記録済み記録媒体R
Mの蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示されてい
るように見える虚像Ivによる三次元再生像の部分につ
いては、観察者OBS1が実際にノギスや物差しのよう
な測定用具SCLを用いて計測することはできない。ま
た前記の三次元再生像FTDにおける実像Irによる三
次元再生像の部分であっても、その部分の内部に不透明
な材料で作られたノギスや物差しのような測定用具SC
Lを挿入した場合には、前記の測定用具SCLの挿入に
よって遮光された三次元再生像の部分、すなわち、三次
元再生像FTDにおける実像Irによる三次元再生像の
部分中に挿入された不透明な材料で作られたノギスや物
差しのような測定用具SCLよりも観察者OBS1に近
い部分が、前記した不透明な材料で作られたノギスや物
差しのような測定用具SCLによって遮光されるために
消滅してしまうために、例えば、前記した三次元再生像
FTDにおける実像Irによる三次元再生像の部分の奥
行き寸法を計測しようとしても、それを計測できないこ
とも生じる。
【0098】ところが、図1に示す本発明の三次元画像
観察装置では、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板
FELの前方の空間に表示された実像Irによる三次元
再生像の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ
板FELの後方の空間に表示されているように見える虚
像Ivによる三次元再生像の部分との双方の部分からな
る観察の対象にされている前記の三次元再生像FTD
を、前記の三次元再生像FTDと観察者OBS1との間
の光学的空間内に設けてあるハーフミラーHMの反射光
により、前記したハーフミラーHMの鏡面対称の位置に
前記の三次元再生像FTDがあるように観察者OBS1
が知覚する虚像FTDiによって、前記した三次元再生
像FTDを観察するものであるから、図1に示す本発明
の三次元画像観察装置によれば、観察者OBS1は、記
録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前方の空
間に表示された実像Irによる三次元再生像の部分と、
記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの後方の
空間に表示されているように見える虚像Ivによる三次
元再生像の部分との双方の部分からなる三次元再生像F
TDに対して、ハーフミラーHMの反射面に対して鏡面
対称の位置に存在していると知覚される三次元再生像F
TDの位置と鏡面対称の位置に存在している虚像FTD
iの全体、すなわち記録済み記録媒体RMの蠅の目レン
ズ板FELの前方の空間に表示された実像Irによる三
次元再生像の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELの後方の空間に表示されているように見え
る虚像Ivによる三次元再生像の部分との双方の部分か
らなる三次元再生像FTDの全体に対応しているものと
して観察者OBS1が知覚している三次元再生像の虚像
FTDiの任意の部分について、観察者OBS1が手に
持っているノギスあるいは物差し等の測定用具SCLを
用いて寸法を測定するような動作を行なうことにより、
前記した記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FEL
の前方の空間に表示された実像Irによる三次元再生像
の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FE
Lの後方の空間に表示されているように見える虚像Iv
による三次元再生像の部分との双方の部分からなる三次
元再生像FTDの全体について、それの任意の部分の寸
法を、観察者OBS1が手に持っているノギスあるいは
物差し等の測定用具SCLで測定したのと同じ結果を得
ることができる。
【0099】前記のように、観察者OBS1がノギスや
物差しのような測定用具SCLを用いて寸法の測定動作
を行なっている空間には、観察者OBS1本人だけにハ
ーフミラーHMによる反射光によって三次元再生像FT
Dの虚像FTDiが知覚されて、そこに三次元的な大き
さを有する三次元再生像があるものとして見えているの
であるが、前記した一方の観察者OBS1がノギスや物
差しのような測定用具SCLを用いて寸法の測定動作を
行なっている空間中には、実際には何も存在していない
のである。
【0100】そして前記のことが、記録済み記録媒体R
Mの記録済み感光性記録部材(PSMp)に三次元画像再
生用光源LSrから拡散光の再生光を照射させて、記録
済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前方の空間
に表示された実像Irによる三次元再生像の部分と、記
録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空
間に表示されているように見える虚像Ivによる三次元
再生像の部分との双方の部分からなる三次元再生像FT
Dが表示されている場合には、前記の三次元再生像FT
Dについては、それの虚像Ivによる三次元再生像の部
分に対してはノギスや物差しのような測定用具SCLを
用いて寸法の測定を行なうことが不可能であったのに、
前記のように本発明の三次元画像観察装置では、ハーフ
ミラーHMを用いたことにより、前記のような不可能な
ことを可能に変えることができたのであり、この点は本
発明の三次元画像観察装置について示してあるすべての
実施例についても同様である。
【0101】前記のように、三次元再生像の虚像FTD
iの任意の部分について、観察者OBS1が手に持って
いるノギスあるいは物差し等の測定用具SCLを用いて
寸法を測定するような動作を行なう場合に、測定結果が
明瞭に知覚できるようにするために、ノギスあるいは物
差し等の測定用具SCLにおける必要な部分に蛍光塗料
による表示個所を設けておき、不可視光(例えば、紫外
線)の光源LSbからの光によって、前記したノギスあ
るいは物差し等の測定用具SCLにおける蛍光塗料によ
る表示個所が明るく表示されるようにすることは有効な
手段である。
【0102】図1について既述した三次元画像観察装置
は、床面への鏡面の射影面積が極めて小さい状態となる
ようにハーフミラーHMを配置した場合の三次元画像観
察装置の構成例であったが、図3は床面への鏡面の射影
面積が極めて大きい状態となるようにハーフミラーHM
を配置した場合の三次元画像観察装置の構成例を示した
ものである。この図3に例示した三次元画像観察装置に
おいても、図1について既述した三次元画像観察装置と
同様に、三次元画像再生用光源LSrから射出した拡散
光による再生光によって照射された記録済み記録媒体R
Mから射出した光を、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELにより三次元空間中に表示させた三次元再
生像FTDを、前記の三次元再生像FTDと観察者OB
S1との間の光学的空間内に設けてあるハーフミラーH
Mの反射光により、前記したハーフミラーHMの鏡面対
称の位置に前記の三次元再生像FTDがあるように観察
者OBS1が知覚する虚像FTDiによって、前記した
三次元再生像FTDを観察したり、観察者OBS1が三
次元再生像FTDの全体に対応しているものとして観察
者OBS1が知覚している三次元再生像の虚像FTDi
の任意の部分について、観察者OBS1が手に持ってい
るノギスあるいは物差し等の測定用具SCLを用いて寸
法を測定するような動作を行なうことにより、前記した
記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前方の
空間に表示された実像Irによる三次元再生像の部分
と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの後
方の空間に表示されているように見える虚像Ivによる
三次元再生像の部分との双方の部分からなる三次元再生
像FTDの全体について、それの任意の部分の寸法を、
観察者OBS1が手に持っているノギスあるいは物差し
等の測定用具SCLで測定したのと同じ結果を得ること
ができる。
【0103】ところで、前記のように記録済み記録媒体
RMの蠅の目レンズ板FELの前方の空間に表示された
実像Irによる三次元再生像の部分と、記録済み記録媒
体RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示され
ているように見える虚像Ivによる三次元再生像の部分
との双方の部分からなる三次元再生像FTDを、直接に
目視して観察するのではなく、ハーフミラーHMを用い
て前記の三次元再生像FTDについて観察者OBS1が
知覚できる三次元再生像の虚像FTDiを観察している
場合には、観察者OBS1の知覚している三次元再生像
の虚像FTDiは、観察者OBS1がもともと観察の対
象にしている三次元再生像に対して、鏡面対象の関係に
ある状態の三次元再生像、例えば、左右方向について逆
の状態の三次元再生像、あるいは上下方向について逆の
状態の三次元再生像を観察者OBS1が観察することに
なる。
【0104】例えば、図1に示してある三次元画像観察
装置の構成例のように、観察者OBS1と、記録済み記
録媒体RMと、ハーフミラーHMとが関連配置されてい
る場合、すなわち観察者OBS1を上面から見ている状
態の平面図中において、ハーフミラーHMはそれの上端
面が図中に示される状態で、観察者OBS1と、記録済
み記録媒体RMと、ハーフミラーHMとが配置されてい
る場合には、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板F
ELの前方の空間に表示された実像Irによる三次元再
生像の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板
FELの後方の空間に表示されているように見える虚像
Ivによる三次元再生像の部分との双方の部分からなる
三次元再生像FTDと、ハーフミラーHMを用いて前記
の三次元再生像FTDについて観察者OBS1が知覚で
きる三次元再生像の虚像FTDiとは、左右方向につい
て逆になっている。
【0105】また、例えば図3に示してある三次元画像
観察装置の構成例のように、観察者OBS1と、記録済
み記録媒体RMと、ハーフミラーHMとが関連配置され
ている場合、すなわち、観察者OBS1を側面から見て
いる状態の側面図中において、ハーフミラーHMはそれ
の側端面が図中に示される状態で、観察者OBS1と、
記録済み記録媒体RMと、ハーフミラーHMとが配置さ
れている場合には、記録済み記録媒体RMの蠅の目レン
ズ板FELの前方の空間に表示された実像Irによる三
次元再生像の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELの後方の空間に表示されているように見え
る虚像Ivによる三次元再生像の部分との双方の部分か
らなる三次元再生像FTDと、ハーフミラーHMを用い
て前記の三次元再生像FTDについて観察者OBS1が
知覚できる三次元再生像の虚像FTDiとは、上下方向
について逆になっている。
【0106】前記の問題は例えば図16に例示してある
三次元画像観察装置のように、記録済み記録媒体RMと
ハーフミラーHMとの間に、表面全反射鏡Mを設けた構
成の三次元画像観察装置とすれば解決できる(観察者が
2人の場合である後述のような実施例については、図1
7に例示してある三次元画像観察装置のように、記録済
み記録媒体RMとハーフミラーHMとの間に、表面全反
射鏡Mを設けた構成の三次元画像観察装置とすれば解決
できるのであり、このような解決手段を図7乃至図15
に例示してある三次元画像観察装置に適用して実施され
てもよい)が、図1,図3に例示してある三次元画像観
察装置のように、記録済み記録媒体RMとハーフミラー
HMとの間に表面全反射鏡Mを設けない場合であって
も、記録済み記録媒体RMに記録させておく三次元像情
報として、前記した記録済み記録媒体RMから再生され
る三次元再生像が左右方向について逆の状態の三次元再
生像、あるいは上下方向について逆の状態の三次元再生
像となるようなものとなるように、予め、XYZプロッ
タにより三次元像情報を記録しておけば解決できるので
あり、このような解決策は図7乃至図15に例示されて
いる三次元画像観察装置についても、良好に適用できる
ことはいうまでもない。
【0107】なお、図5は三次元画像再生用光源LSr
から射出した拡散光による再生光によって照射された記
録済み記録媒体RMから射出した光を、記録済み記録媒
体RMの蠅の目レンズ板FELにより三次元空間中に表
示させた三次元再生像FTDを、前記の三次元再生像F
TDと観察者OBS1との間の光学的空間内に設けてあ
るハーフミラーHMの反射光により、前記したハーフミ
ラーHMの鏡面対称の位置に前記の三次元再生像FTD
があるように観察者OBS1が知覚する虚像FTDiに
よって、前記した三次元再生像FTDを観察する際に、
前記したハーフミラーHMに設定されるべき反射角(図
中のθは反射角の2倍の角度である)の値は任意であっ
てもよいことを説明している図である(観察者が2人の
場合の例を示している図6についても同様である)。
【0108】図1及び図3ならびに図5を参照して既述
した三次元画像観察装置では、1人の観察者OBS1だ
けが、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの
前方の空間に表示された実像Irによる三次元再生像の
部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FEL
の後方の空間に表示されているように見える虚像Ivに
よる三次元再生像の部分との双方の部分からなる三次元
再生像FTDを、ハーフミラーHMを用いて観察者OB
S1が知覚できる三次元再生像の虚像FTDiについて
観察するようにしているが、図2及び図4ならびに図6
は2人の観察者OBS1,OBS2によって、観察対象に
されている三次元再生像を同時に観察できるようにした
三次元画像観察装置を例示しているものである。
【0109】図2に例示している三次元画像観察装置
は、図1について既述した三次元画像観察装置における
記録済み記録媒体RMとハーフミラーHMとの関連配置
態様と同様な配置態様に、記録済み記録媒体RMとハー
フミラーHMとが配置されており、2人の観察者OBS
1,OBS2の内の一方の観察者OBS1が、三次元画像
再生用光源LSrから射出した拡散光による再生光によ
って照射された記録済み記録媒体RMから射出した光
を、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELによ
り三次元空間中に表示させた三次元再生像FTDを、前
記の三次元再生像FTDと観察者OBS1との間の光学
的空間内に設けてあるハーフミラーHMの反射光によ
り、観察者OBS1が知覚する虚像FTDiによって、
前記した三次元再生像FTDを観察し、また、前記した
2人の観察者OBS1,OBS2の内の他方の観察者OB
S2が、三次元画像再生用光源LSrから射出した拡散
光による再生光によって照射された記録済み記録媒体R
Mから射出した光を、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELにより三次元空間中に表示させた三次元再
生像FTDを、前記の三次元再生像FTDと観察者OB
S2との間の光学的空間内に設けてあるハーフミラーH
Mを透過させて観察できるようにしている。
【0110】そして、図2に例示してある三次元画像観
察装置において、例えば2人の観察者OBS1,OBS2
の内の一方の観察者OBS1が、三次元再生像FTDの
全体に対応しているものとして観察者OBS1が知覚し
ている三次元再生像の虚像FTDiの任意の部分につい
て、観察者OBS1が手に持っているノギスあるいは物
差し等の測定用具SCLを用いて寸法を測定するような
動作を行なうことにより、前記した記録済み記録媒体R
Mの蠅の目レンズ板FELの前方の空間に表示された実
像Irによる三次元再生像の部分と、記録済み記録媒体
RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示されて
いるように見える虚像Ivによる三次元再生像の部分と
の双方の部分からなる三次元再生像FTDの全体につい
て、それの任意の部分の寸法を、観察者OBS1が手に
持っているノギスあるいは物差し等の測定用具SCLで
測定したのと同じ結果を得ることができる。
【0111】図2中において、記録済み記録媒体RMの
蠅の目レンズ板FELの前方の空間に表示された実像I
rによる三次元再生像の部分と、記録済み記録媒体RM
の蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示されている
ように見える虚像Ivによる三次元再生像の部分との双
方の部分からなる三次元再生像FTDと、ハーフミラー
HMの反射光による虚像FTDiとは、周知のようにハ
ーフミラーHMの反射面に対して鏡面対称の位置に存在
しているから、例えば、一方の観察者OBS1が手に持
っているノギスあるいは物差し等の測定用具SCLを用
いて、その観察者OBS1が三次元再生像FTDである
と知覚しているハーフミラーHMの反射面について前記
した三次元再生像FTDの位置と鏡面対称の位置に存在
している虚像FTDiに対し、それの任意の部分の寸法
を測定するような動作を行なった場合には、前記した一
方の観察者OBS1の測定動作に用いられたノギスある
いは物差し等の測定用具は、他方の観察者OBS2には
ハーフミラーHMの反射光による虚像として、ハーフミ
ラーHMを透過して見ている三次元再生像FTDの位置
に重なって見えることになる。
【0112】すなわち、前記のように一方の観察者OB
S1が、ハーフミラーHMによる反射光によって知覚し
ている三次元再生像FTDの虚像FTDiについて、そ
れの任意の部分の寸法を、ノギスや物差しのような測定
用具SCLを用いて測定するような動作を行なった場合
に、三次元再生像FTDを前記のハーフミラーHMを透
過した状態で見ている他方の観察者OBS2は、一方の
観察者OBS1がノギスや物差しのような測定用具SC
Lを用いて行なっている前記の測定動作が、ハーフミラ
ーHMを透過した状態で見ている三次元再生像FTDに
対して行なわれているものとして知覚されるのであり、
従って、例えば前記した一方の観察者OBS1が医師で
あり、他方の観察者OBS2が患者であったとした場合
に、医師OBS1がノギスや物差しのような測定用具S
CLを用いて、臓器の内部に存在している腫瘍や血腫の
大きさの測定値を示しながら患者OBS2に説明を行な
うことも容易にできるのである。
【0113】図4は、2人の観察者OBS1,OBS2に
よって三次元再生像を観察するようにした図2について
既述した三次元画像観察装置と同様に、2人の観察者O
BS1,OBS2によって三次元再生像が観察できるよう
な構成態の三次元画像観察装置である。この図4に例示
されている三次元画像観察装置は、それに設けられてい
るハーフミラーHMを挟んで対面している状態の2人の
観察者OBS1,OBS2が、三次元再生像を観察できる
ような構成のものとされていて、2人の観察者OBS
1,OBS2の内の一方の観察者OBS1が、三次元画像
再生用光源LSrから射出した拡散光による再生光によ
って照射された記録済み記録媒体RMから射出した光
を、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELによ
り三次元空間中に表示させた三次元再生像FTDを、前
記の三次元再生像FTDと観察者OBS1との間の光学
的空間内に設けてあるハーフミラーHMの反射光によ
り、観察者OBS1が知覚する虚像FTDiによって、
前記した三次元再生像FTDを観察し、また、前記した
2人の観察者OBS1,OBS2の内の他方の観察者OB
S2が、三次元画像再生用光源LSrから射出した拡散
光による再生光によって照射された記録済み記録媒体R
Mから射出した光を、記録済み記録媒体RMの蠅の目レ
ンズ板FELにより三次元空間中に表示させた三次元再
生像FTDを、前記の三次元再生像FTDと観察者OB
S2との間の光学的空間内に設けてあるハーフミラーH
Mを透過させて観察できるのである。
【0114】図4に例示してある三次元画像観察装置に
おいても、図2を参照した既述した三次元画像観察装置
と同様に、例えば2人の観察者OBS1,OBS2の内の
一方の観察者OBS1が、三次元再生像FTDの全体に
対応しているものとして観察者OBS1が知覚している
三次元再生像の虚像FTDiの任意の部分について、観
察者OBS1が手に持っているノギスあるいは物差し等
の測定用具SCLを用いて寸法を測定するような動作を
行なうことにより、前記した記録済み記録媒体RMの蠅
の目レンズ板FELの前方の空間に表示された実像Ir
による三次元再生像の部分と、記録済み記録媒体RMの
蠅の目レンズ板FELの後方の空間に表示されているよ
うに見える虚像Ivによる三次元再生像の部分との双方
の部分からなる三次元再生像FTDの全体について、そ
れの任意の部分の寸法を、観察者OBS1が手に持って
いるノギスあるいは物差し等の測定用具SCLで測定し
たのと同じ結果を得ることができ、また、2人の観察者
OBS1,OBS2によって前記の測定結果を認識でき
る。なお、1人の観察者が小さなランプを先端に取付け
てある指示棒、あるいは周囲の光を集光して先端部に明
るく見える光点を形成させるようにした光ファイバを用
いるなどして、三次元画像中の特定な位置を他の観察者
に指示して説明を行なうことも容易である。
【0115】これまでに説明した本発明の三次元画像観
察装置は、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FE
Lの前方の空間に表示された実像Irによる三次元再生
像の部分と、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板F
ELの後方の空間に表示されているように見える虚像I
vによる三次元再生像の部分との双方の部分からなる三
次元再生像FTDの全体について、それの任意の部分の
寸法を、観察者が手に持っているノギスあるいは物差し
等の測定用具SCLで測定したのと同じ結果が1人の観
察者あるいは同時に2人の観察者によって得られるよう
に、少なくともハーフミラーを備えて構成されている三
次元画像観察装置であったが、図7は前記のように記録
済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの前方の空間
に表示された実像Irによる三次元再生像の部分と、記
録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELの後方の空
間に表示されているように見える虚像Ivによる三次元
再生像の部分との双方の部分からなる三次元再生像FT
Dの全体に対応しているものとして観察者にが知覚され
る三次元再生像の虚像FTDiと、別に用意された三次
元物体とを合成できるように構成させた本発明の三次元
画像観察装置の一例構成を示している図である。
【0116】図7に示す三次元画像観察装置において、
LSrvは三次元画像再生用光源である。三次元画像再
生用光源LSrvは、筐体1内に発光源として用いられ
る反射鏡付きの白熱灯2(発光源としては放電灯,蛍光
放電灯が用いられることもある)の他に、シャッタ3を
備えているとともに、筐体1の一部に拡散板(例えば摺
り硝子板)4が設けられている。前記した反射鏡付きの
白熱灯2から放射された光束は反射鏡で集光されて集光
点を生じた後に発散する。前記の白熱灯2から放射され
た光束の集光点は、シャッタ3におけるプランジャの可
動部に取付けられている開閉遮光板3bが光路中に出入
移動する領域付近に位置するようにされている。前記の
シャッタ3はスイッチ5(例えば、フットスイッチを用
いてもよい)がオン,オフされることにより、開閉遮光
板3bを光路中に出入移動させるように動作する。
【0117】前記のスイッチ5がオンの状態にされて励
磁コイル3aが励磁された場合に、前記したシャッタ3
におけるプランジャの可動部に取付けられている開閉遮
光板3bが、白熱灯2から放射された光の光路外に退避
した状態とされ、前記した白熱灯2から放射された光束
の集光点から再び発散した光束が拡散板4を照射できる
ようにされ、また前記したスイッチ5がオフの状態にさ
れて励磁コイル3aに対する電流の供給が遮断された場
合には、プランジャの可動部に取付けられている開閉遮
光板3bが、図示されていないスプリングによって白熱
灯2から放射された光の光路内に位置するようにされ
て、白熱灯2から放射された光束が拡散板4に到達しな
いようにされる。
【0118】また、三次元画像再生用光源LSrvの筐
体1内に設けられている反射鏡付きの白熱灯2の発光量
は、調光装置7の作用によって発光量が所定の値に調整
されるとともに、前記した調光装置7によって所定の光
量に調整された状態の光が、スイッチ6(例えば、フッ
トスイッチを用いてもよい)のオン,オフ動作によってオ
ンオフされる。前記した三次元画像再生用光源LSrv
における白熱灯2から放射された光は、三次元画像再生
用光源LSrvの筐体に設けられている拡散板(例えば
摺り硝子板)4により拡散されて、記録済み記録媒体R
Mを照射する再生光として用いられるから、前記のよう
に白熱灯2から放射される光量が前記した調光装置7に
よって調整されることにより、記録済み記録媒体RMを
照射するための再生光の光量が調整され、また、前記し
た調光装置7によって所定の光量に調整された状態の光
が、スイッチ6(例えば、フットスイッチを用いてもよ
い)のオン,オフ動作によってオンオフされることによ
り、再生光がオンオフ制御されることになる。
【0119】そして、前記した三次元画像再生用光源L
Srvから射出した拡散光による再生光によって照射さ
れた記録済み記録媒体RMは、前記した再生光の光量に
応じた明るさの三次元再生像を、記録済み記録媒体RM
の蠅の目レンズ板FEL付近の三次元空間内に表示させ
る。図7中においては前記した調光装置7として、可変
抵抗器を使用している構成態様のものとして示している
が、本発明の実施に際しては、例えばサイリスタを使用
した調光装置が使用されてもよい。前記した記録済み記
録媒体RMを照射するための再生光の光量調整や、再生
光のオンオフ制御などは、三次元画像観察装置の使用態
様の違いや、室内の照明灯(手術台を照明する無影灯の
場合も含まれる)の明るさなどに対応して行なわれる。
【0120】図7において、8は三次元物体(例えば、
手術が行なわれる人間であってもよい)であり、また9
は前記した三次元物体8を取付けたり載置したりする台
(例えば手術台)である。そして、前記した台9上に取
付けた三次元物体8(あるいは台9上に載置された三次
元物体8)は、図示されていない光源から放射された照
明光によって照明されることがあるが、特に、前記した
三次元物体が、手術の対象にされている人間であった場
合には、前記の台9上の人間8は手術時に上方の無影灯
によって非常に強力な照明光で照らされている状態にさ
れる。ところで図7に例示されている三次元画像観察装
置において、観察者OBS1は三次元画像再生用光源L
Srvから射出した拡散光による再生光によって照射さ
れた記録済み記録媒体RMから射出した光を、記録済み
記録媒体RMの蠅の目レンズ板FELにより三次元空間
中に表示させた三次元再生像FTDを、前記の三次元再
生像FTDと観察者OBS1との間の光学的空間内に設
けてあるハーフミラーHMの反射光により、観察者OB
S1が知覚する虚像FTDiによって、前記した三次元
再生像FTDを観察することができる。
【0121】しかし、前記のように観察者OBS1が知
覚した三次元再生像FTDの虚像FTDiと、前記した
台9上に取付けた三次元物体8との相対的な位置合わせ
を行なって、前記の2つの像を重ね合わせ、台9上の三
次元物体と観察者OBS1が知覚した三次元再生像FT
Dの虚像FTDiとの合成像の観察が行なえるようにし
た場合には、例えば手術台9上に横たわっている人間の
頭の位置に、記録済み記録媒体RMの蠅の目レンズ板F
ELにより三次元空間中に表示させた前記の人間の頭の
内部の状態を示す三次元再生像について観察者OBS1
が知覚した虚像FTDiが位置するようにして重ね合わ
せた合成像の観察を行ないながら手術することも可能と
なる。ところで、前記のように三次元物体8と観察者O
BS1が知覚した三次元再生像FTDの虚像FTDiと
を合成して得た合成像の観察を行なう場合には、合成像
を構成するそれぞれの像は、明瞭な合成像を観察者に認
識させうるような明るさを有していなければならない
が、前述の例のように手術台上の人間に対して行なわる
無影灯による照明は、高い照度であるのが普通であるか
ら、一般に、手術台上の人間の輝度は高いものになって
いる。
【0122】前記のように高輝度の三次元物体と、観察
者OBS1が知覚した三次元再生像FTDの虚像FTD
iとの合成像の観察に際しては、例えば、既述した図7
中に示されている調光装置7を調整することにより、三
次元物体の高い輝度に合わせて再生光の光量を増加させ
て、観察者OBS1が知覚した三次元再生像FTDの虚
像FTDiの輝度を高くして、前記した2つの像が明瞭
な合成像として観察者に認識されるようにするか、ある
いは例えば、観察者OBS1が知覚した三次元再生像F
TDの虚像FTDiとの合成像の観察に際して、図8中
に示されている調光装置12や切換スイッチ11によっ
て三次元物体8の照明光の照度を下げた状態にし、三次
元物体8と観察者OBS1が知覚した三次元再生像FT
Dの虚像FTDiとの合成像が、明瞭な合成像として観
察者に認識できるようにすることが必要とされる。
【0123】図8において、10は台9上に載置された
三次元物体8の照明光源であり、図示の例においては照
明光源10が、照明用の発光源として用いられる白熱灯
10aと反射鏡10bとによって構成されているものと
して示されている。前記した白熱灯10aの1端は電源
の1端子に接続されており、また前記した白熱灯10a
の他端には切換スイッチ11の可動接点vが接続されて
いる。前記した切換スイッチ11としてはフットスイッ
チ形態のものが使用されてもよい。前記の切換スイッチ
11の固定接点aは前記した電源の他端子に接続されて
おり、また前記の切換スイッチ11の固定接点bは、調
光装置12を介して前記した電源の他端子に接続されて
いる。前記した調光装置12としては、図中では簡単の
ために可変抵抗器が使用されているものとして示してい
るが、実施に際しては例えばサイリスタを使用した調光
装置が使用されてもよい。前記した台9が手術台であ
り、三次元物体8が手術を受ける人間である場合には、
前記した台9上に載置された三次元物体8の照明光源1
0は前述した無影灯である。
【0124】図8に示されている三次元画像観察装置に
おいて、台9上に載置された三次元物体8について観察
者OBS1が観察しようとしている部分には、筐体13
内に設けられている三次元画像再生用光源LSrvから
射出された拡散光の再生光によって照射された記録済み
記録媒体RMに記録されている三次元像情報によって三
次元空間に表示された三次元再生像FTDに対して、ハ
ーフミラーHMの反射面について鏡面対称の位置に存在
しているハーフミラーHMの反射光による虚像FTDi
が知覚できるように、前記した筐体13の設置位置と、
台9上の三次元物体8の設置位置との相対的な位置関係
が定められた状態において、前記した台9上に載置され
た三次元物体8の輝度と、前記した三次元再生像FTD
の輝度とが適正であれば、ハーフミラーHMを透過して
台9上に載置されている三次元物体8(例えば脳の手術
を受ける患者)における頭の部分を見ている観察者OB
S1(医師)には、前記した脳の手術を受ける患者の頭の
部分に、記録済み記録媒体RMに記録されている三次元
像情報によって三次元空間に表示された三次元再生像F
TD(前記した患者の脳についての三次元再生像)に対
して、ハーフミラーHMの反射面について鏡面対称の位
置に存在しているハーフミラーHMの反射光による虚像
FTDiが重なった状態の合成像が開口部13aを経て
知覚されることになる。
【0125】図8中に示されている観察者OBS1(医
師)が、例えば脳の手術を受けようとしている患者の頭
の部分に、記録済み記録媒体RMに記録されている三次
元像情報によって三次元空間に表示された三次元再生像
FTD(前記した患者の脳についての三次元再生像)に
対して、ハーフミラーHMの反射面について鏡面対称の
位置に存在しているハーフミラーHMの反射光による虚
像FTDiを重ね合わせた状態の合成像を知覚できるよ
うにするためには、前述のように台9上に載置された三
次元物体8の輝度と、前記した三次元再生像FTDの輝
度との関係が適正でなければならないが、前記した台9
上に載置された三次元物体8の輝度と、前記した三次元
再生像FTDの輝度との関係が適正な状態となるように
するのには図7中に例示されている調光装置7によって
再生光の光量を調整したり、図8中に例示されている調
光装置12によって三次元物体8の照明光源10により
照明光の照度を調整したりする。
【0126】図8において切換スイッチ11の可動接点
vが固定接点a側に切換えられている状態においては、
三次元物体8の照明光源10は調光装置12と無関係
に、最大光量の照明光で三次元物体を照明できる状態に
され、また、切換スイッチ11の可動接点vが固定接点
b側に切換えられた状態においては、三次元物体8の照
明光源10は、調光装置12において設定された光量の
照明光で三次元物体が照明できる状態にされる。例えば
医師(観察者)OBS1が、切換スイッチ11の可動接点
vを固定接点b側に切換えた状態にして、例えば脳の手
術を受けようとしている患者8の頭の部分に、記録済み
記録媒体RMに記録されている三次元像情報によって三
次元空間に表示された三次元再生像FTD(前記した患
者の脳についての三次元再生像)に対して、ハーフミラ
ーHMの反射面について鏡面対称の位置に存在している
ハーフミラーHMの反射光による虚像FTDiを重ね合
わせた状態の合成像を知覚することにより手術のための
参考情報を得た後に、切換スイッチ11の可動接点vを
固定接点a側に切換えた状態にして患者8を手術のため
に必要な照度の照明光で照明して医師OBS1が手術を
行なうようにする。
【0127】また、医師OBS1が手術中に前述したよ
うな手術のための参考情報を必要とした場合には、切換
スイッチ11の可動接点vを固定接点b側に切換えた状
態にして、脳の手術を受けようとしている患者8の頭の
部分に、記録済み記録媒体RMに記録されている三次元
像情報によって三次元空間に表示された三次元再生像F
TD(前記した患者8の脳についての三次元再生像)に
対して、ハーフミラーHMの反射面について鏡面対称の
位置に存在しているハーフミラーHMの反射光による虚
像FTDiを重ね合わせた状態の合成像を知覚して手術
のための参考情報を得て、それ基づいて手術を続行する
ために切換スイッチ11の可動接点vを固定接点a側に
切換えた状態にして、患者8を手術のために必要な照度
の照明光で照明し、医師OBS1が手術を行なう、とい
うことを繰返せば、従来の手術に比べて容易に手術を行
なうことができる。
【0128】なお、切換スイッチ11の可動接点vが固
定接点a側に切換えられている状態にされて、三次元物
体8の照明光源10の最大光量の照明光で三次元物体が
手術可能な明るさに照明されていたとしても、再生光が
充分に明るくて、例えば患者8の頭の部分に、記録済み
記録媒体RMに記録されている三次元像情報によって三
次元空間に表示された三次元再生像FTD(前記した患
者8の脳についての三次元再生像)に対して、ハーフミ
ラーHMの反射面について鏡面対称の位置に存在してい
るハーフミラーHMの反射光による虚像FTDiを重ね
合わせた状態の合成像を知覚して手術のための参考情報
が得られている場合には、その状態のままで手術が行な
われてもよいことは勿論である。
【0129】前記のように、三次元画像再生用光源LS
rvから射出した拡散光による再生光が充分に強い場合
には、患者8の脳についての三次元再生像に対して、ハ
ーフミラーHMの反射面について鏡面対称の位置に存在
しているハーフミラーHMの反射光による虚像FTDi
を重ね合わせた状態の合成像を感知しながらでも手術を
続行できるが、通常の手術時においては、患者8は上方
の無影灯から非常に強力な照明光で照らされている状態
とされているから、前記のように手術中もハーフミラー
HMの反射光による虚像FTDiが患者8に重ね合わさ
れた状態の合成像を観察できるようにすることは困難で
ある。
【0130】それで、前述のように例えば患者8の頭の
部分に、記録済み記録媒体RMに記録されている例えば
患者8の脳についての三次元再生像に対して、ハーフミ
ラーHMの反射面について鏡面対称の位置に存在してい
るハーフミラーHMの反射光による虚像FTDiを重ね
合わせた状態の合成像を知覚して手術のための参考情報
を得た後に、前記の虚像FTDiが消滅する程に明るい
照明光で患者8を、三次元物体8(患者8)の照明光源
10で照らすようにした場合には、観察者OBS1には
前記した虚像FTDiを認識することができないから、
この場合に患者8と観察者OBS1との間に存在してい
るハーフミラーHMは観察者OBS1の目に与えられる
光量に損失を与えるだけの有害なものとなる。
【0131】図9は、前記のようにハーフミラーHMが
不要な状態にされたときに、ハーフミラーHMが観察者
OBS1と三次元物体8との間の光路中から除去される
ような構成とされている三次元画像観察装置の構成例を
示している。図9において14はハーフミラーHMの回
動軸であって、前記したハーフミラーHMは図中の実線
位置と点線位置との2位置間で図中の矢印15の範囲
で、前記の回動軸14を回動中心にして回動できるよう
に設けられている。前記のハーフミラーHMは、適当な
止着機構により図中の実線位置と点線位置との何れの位
置においても、その位置に保持されるようにされてい
る。前記の止着機構としては、例えば弾発的に付勢され
た金属球を備えた部材と、前記した金属球の周面の一部
に係合する孔を備えた部材とを、前記したハーフミラー
HMと筐体13(図示していない)とに関連的に設けた
構成のものが使用されてもよい(前記の構成はクリック
モーション機構において周知である)。
【0132】また、図10に例示した三次元画像観察装
置は、前記のようにハーフミラーHMが不要な状態にさ
れたときに、ハーフミラーHMが観察者OBS1と三次
元物体8との間の光路中から除去されるように、三次元
画像観察装置の全体を図中の実線位置と点線位置との2
位置間で移動できるように構成させたものである。図1
0において16はモータ、17はモータ16の回転動作
を直線的な変位に変換する部材、18は前記したモータ
16の回転動作を直線的な変位に変換する部材17にお
ける直線的な運動を行なうスライダと筐体13とを結合
する連結部材であり、前記したモータ16が駆動回転さ
れることにより、筐体13は図10の実線位置と点線位
置との2位置間で図中の矢印19の範囲で急速に移動で
きる。それで、ハーフミラーHMを透過して患者8を見
るときと、ハーフミラーHMを透過しないで患者8を見
るときとに応じて、三次元画像観察装置の全体を図中の
実線位置と点線位置との2位置間で移動させるのであ
る。前記したモータ16の回転動作を直線的な変位に変
換する部材は、例えばモータ16の回転軸に直結させた
ねじが噛合う雌ねじが設けられているスライダが、前記
したモータ16の回転時に案内棒によって案内されて直
線的な運動を行なうような構成のものを使用できる。
【0133】さて、既述のように、例えば手術台9上に
横たわっている人間8の頭の位置に、記録済み記録媒体
RMの蠅の目レンズ板FELにより三次元空間中に表示
させた前記の人間の頭の内部の状態を示す三次元再生像
について観察者OBS1が知覚した虚像FTDiが位置
するようにして重ね合わせた合成像の観察を行ないなが
ら手術を行なうようにする場合には、前記した2つの像
の重ね合せの状態が精密であることが必要とされるが、
図11は位置合わせ用のマーカを用いて前記の2つの像
の重ね合わせを良好に行なうことができるようにした三
次元画像観察装置の構成例を示している。図11中に示
されている記録済み記録媒体RMにおける記録済み感光
性記録部材PSMpには、3個以上のマーカMk1,M
k2,Mk3が付けられていて、図11中の台9上に載置
されている三次元物体8の三次元像情報が記録されてい
る。
【0134】すなわち図11中に示されている記録済み
記録媒体RMは、記録媒体に三次元像情報を記録するべ
く用意した三次元物体に、3個以上の位置合わせ用のマ
ーカマーカMk1,Mk2,Mk3(マーカとしては、例
えば金属製の球体が使用されるとよい)を取付けた状態
で、三次元像情報を記録させた記録済み記録媒体RMな
のであり、前記の記録済み記録媒体RMに再生光を照射
して、三次元空間内に蠅の目レンズ板FELによって三
次元再生像FTDとして形成させ、前記した三次元再生
像FTDと観察者OBS1との間の光学的空間内に設け
たハーフミラーHMで反射した前記した三次元再生像の
虚像FTDiの位置と、前記した三次元物体8との位置
とを、前記の位置合わせ用のマーカMk1,Mk2,Mk
3を用いて互いの位置を合わせた状態として、前記した
三次元再生像の虚像FTDiと、三次元物体8とを合成
すると、不透明な三次元物体8の内部に、その三次元物
体8の内部の構造が正しく嵌め込まれた状態の像として
観察できる。
【0135】例えば前記の三次元物体8が人間の頭であ
り、それと合成される三次元再生像の虚像が、前記した
人間の脳であるとすると、観察者OBS1は人間の頭の
内の脳の状態を、頭を切開しない状態でも正しく観察で
きることになる。なお、前記した三次元再生像の虚像F
TDiと、三次元物体8とが合成される位置は、医師が
手術を行なうのに必要とされる充分な空間的な余裕があ
るようにハーフミラーHMの位置から離れていることが
必要である。そして、前記のように3個以上の位置合わ
せ用のマーカMk1,Mk2,Mk3を用いて、前記した
三次元物体8との位置と三次元再生像の虚像FTDiの
位置とを、精密に合わせる動作を円滑に行なうために
は、三次元画像観察装置の筐体13が多方向に自由自在
に変位できることが要求される。
【0136】図12に例示した三次元画像観察装置は、
筐体13が三次元的位置と回転とについて、それぞれ、
3自由度を有する支持装置で支持されている構成のもの
であり、図12において20はスタンド台、21はスタ
ンド台20に立設された柱体、23は前記の柱体21の
上方22に基部が回動自在に嵌合されているアーム、2
4は前記のアームの先端部近くに設けられた回動軸、2
5は前記の回動軸24に回動自在に嵌合されている回動
連結部材、26,27は前記の回動連結部材25と別の
回動連結部材28とに平行な状態に回動自在に取付けら
れているリンク、29は前記した連結部材28に回動自
在に嵌合されている回動軸、30は前記した回動軸29
と直交する方向に設けられた回動軸、31は前記の回動
軸30に回動可能に嵌合されている支持部材、32は筐
体13に植設されているピンで、このピン32は前記し
た支持部材31の一端部に回動自在に嵌合されている。
【0137】前記した支持部材31の他端部も筐体13
に植設されているピンに回動自在に嵌合されているか
ら、三次元画像観察装置の筐体13は、回転軸22まわ
りの運動と、回転軸24まわりの運動と、リンク26,
27の運動とによって位置の3自由度が定まり、また回
転軸29まわりの運動と、回転軸30まわりの運動と、
回転軸32まわりの運動とによって回転の3自由度が定
まり、三次元画像観察装置の筐体13が三次元的位置と
回転とについて、それぞれ3自由度を有する支持装置で
支持されている状態で、図12中に示されている各矢印
方向に自由に変位できるので、三次元物体8との位置と
三次元再生像の虚像FTDiの位置とを、精密に合わせ
る動作を円滑に行なうことができる。なお、前記した支
持装置の基端部は天井や壁に取付けられるようにされて
もよい。
【0138】次に、図13乃至図15に示す三次元画像
観察装置は、三次元画像再生用光源LSrvから射出し
た拡散光による再生光によって照射された記録済み記録
媒体RMから射出した光を、記録済み記録媒体RMの蠅
の目レンズ板FELにより三次元空間中に表示させた三
次元再生像FTDを、前記の三次元再生像FTDと観察
者OBS1との間の光学的空間内に設けてあるハーフミ
ラーHMの反射光により、観察者OBS1が知覚する虚
像FTDiによって、前記した三次元再生像FTDを観
察する際に、スプリアス等の無い良好な状態の三次元再
生像を観察できるようにするための透孔Wを設けた部材
33を備えている三次元画像観察装置の構成例を示して
いる。前記した透孔Wは、前記した三次元再生像と観察
者との間に設けたハーフミラーと、記録済み記録媒体の
中心位置の垂線上における予め定められた位置における
前記した垂線と交わる平面と視域と対応して形成される
立体形状の外周面との交線で包囲される面よりも小さな
寸法形状の透孔であり、前記の透孔Wは有する部材33
は観察者OBS1と記録済み記録媒体RMとの間に設け
られる。
【0139】図13に示す三次元画像観察装置は、前記
の透孔Wを設けてある部材33を観察者OBS1とハー
フミラーHMとの間に設けた構成態様のものであり、ま
た、図14に示す三次元画像観察装置は、前記の透孔W
を設けてある部材33をハーフミラーHMと1体的に設
けた構成態様のものであり、さらに図15に示す三次元
画像観察装置は、前記の透孔Wを設けてある部材33を
ハーフミラーHMと記録済み記録媒体RMとの間に設け
た構成態様のものである。
【0140】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の三次元画像観察装置は、三次元像情報
を記録させてある記録済み感光性記録部材を再生光で照
射して、前記の記録済み感光性記録部材からの射出光を
蠅の目レンズ板により三次元空間内に三次元再生像とし
て表示させ、それを前記した三次元再生像と観察者との
間の光学的空間内に設けたハーフミラーで反射した三次
元再生像の虚像で観察したり、前記のハーフミラーを透
過した三次元再生像を観察したりすることにより、前記
した三次元再生像の奥行き寸法や三次元再生像内の任意
の部分の寸法などを物差し等で測定するときに、遮光物
体を三次元再生像内に入れても、その遮光物体よりも観
察者側の三次元再生像を消滅させることもない状態での
観察や実測を行なうことができ、また、前記の三次元再
生像をハーフミラーで反射した三次元再生像の虚像で観
察する人(例えば医師)と、前記のハーフミラーを透過
した三次元再生像を観察する人(患者)との2人が、互
いに左右(あるいは上下)の関係の逆な像を観察するに
しても、スプリアス等の歪のない状態の三次元画像を同
時に観察できるのであり、また、三次元空間内に表示さ
せる三次元再生像の形成に用いられる記録済み感光性記
録部材を作製するのに際して、感光性記録部材に三次元
像情報を記録するべく用意した三次元物体に、3個以上
の位置合わせ用のマーカを取付けた状態で、三次元像情
報を記録させた感光性記録部材に再生光を照射して、三
次元空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像とし
て形成させ、前記した三次元再生像と観察者との間の光
学的空間内に設けたハーフミラーで反射した前記した三
次元再生像の虚像の位置と、前記した三次元物体との位
置とを、前記の位置合わせ用のマーカを用いて互いの位
置を合わせた状態として、前記した三次元再生像の虚像
と、三次元物体とを合成して観察すると、不透明な三次
元物体の内部に、その三次元物体の内部の構造が嵌め込
まれた状態の像として観察できるから、例えば前記の三
次元物体が人間の頭であり、それと合成される三次元再
生像の虚像が、前記した人間の脳であるとすると、観察
者は人間の頭の内の脳の状態を、頭を切開しない状態で
も観察できるのであり、前記のように人間の頭に、その
人間の脳の三次元再生像の虚像とを合成して表示させて
おけば、観察者は人間の頭の内の脳の状態を正確に知覚
した状態で、脳外科手術を容易に行なうこともできる他
に、例えば自動車事故等において、多数のガラス片が突
刺さっているような患者についての手術も、体の内部の
ガラス片の位置を示す三次元画像を、患者の体における
対応する部分に合成することにより極めて容易に行なう
ことができる。そして、三次元再生像と観察者との間に
設けたハーフミラーで反射した前記した三次元再生像の
虚像の位置が、ハーフミラーから予め定めた距離だけ離
れた位置に生じるようにすることにより、前記のような
手術も容易に実施できるようにされ、また、前記した三
次元再生像と観察者との間に設けたハーフミラーと、記
録済み記録媒体の中心位置の垂線上における予め定めら
れた位置における前記した垂線と交わる平面と視域と対
応して形成される立体形状の外周面との交線で包囲され
る面よりも小さな寸法形状の透孔を有する部材を観察者
と記録済み記録媒体との間に設けることにより、スプリ
アス等の無い状態の三次元再生像を得ることができ、さ
らに前記した三次元画像観察装置は三次元的位置と回転
とについて、それぞれ3自由度を有する支持装置で支持
されていることにより、三次元再生像の虚像と、三次元
物体とを合成して観察する際に、不透明な三次元物体の
内部に、その三次元物体の内部の構造が良好に嵌め込ま
れた状態の像として観察することが容易となり、さらに
また、不透明な三次元物体の内部に、その三次元物体の
内部の構造が良好に嵌め込まれた状態の像として観察で
きるように、三次元再生像の虚像と、三次元物体とを合
成して観察する際には、再生光の光強度や三次元物体の
照明の光強度とを制御して三次元再生像の虚像と、三次
元物体とが合成された状態での観察が容易に行なえる状
態にでき、また、再生光の光強度や三次元物体の照明の
光強度との制御により三次元再生像の虚像と、三次元物
体とが合成された状態での観察が容易に行なえる状態
に、再生光の光強度や三次元物体の照明の光強度等を設
定しておいて、前記した再生光をオン,オフ制御した
り、三次元物体の照明の光強度を、前記の設定された光
強度と、前記の設定された光強度よりも大きな光強度と
に切換えるように制御したり、あるいはハーフミラーを
開閉制御したり、三次元画像観察装置の筐体の全体を、
観察者と三次元物体との間の光学的な空間に出入自在に
移動させることにより、三次元再生像の虚像と、三次元
物体とを合成して観察している状態と、三次元物体だけ
を観察している状態とに容易に切換えを行なうことがで
きるのであり、本発明の三次元画像観察装置によれば、
既述した従来の問題点を良好に解決して、多くの利用分
野における種々の用途において有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図2】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図3】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図4】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図5】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図6】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図7】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図8】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図9】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示す
図である。
【図10】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図11】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図12】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図13】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図14】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図15】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図16】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図17】本発明の三次元画像観察装置の概略構成を示
す図である。
【図18】XYZプロッタの概略構成を示す斜視図であ
る。
【図19】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図20】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図21】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図22】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図23】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図24】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図25】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図26】XYZプロッタの概略構成を示す斜視図であ
る。
【図27】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図28】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図29】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図30】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図31】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【図32】三次元像の記録再生の説明用の図である。
【符号の説明】
MB…機台、FEL…蠅の目レンズ板、PSM…感光性
記録部材、PSMp…記録済感光性記録部材、PPS,
PIS,PIS’…点光源、DRA…駆動装置、Rx,
Ry,Rz…レール部材、Mx,My,Mz…ステッピ
ングモータ、Fx,Fyb,Fz…移送体、PSIp…
点光源PISの再生像、PPSp…点光源PPSの再生
像、SM…点光源PPSから放射された光に対する光の
発散方向の制限部材、Lc…光学系、FTD…三次元再
生像、OBS1,OBS2…観察者、LSr,LSrv…
三次元画像再生用光源、HM…ハーフミラー、RM…記
録済み記録媒体、FTDi…観察者が知覚した三次元再
生像FTDの虚像、Mk1,Mk2,Mk3…マーカ、
7,12…調光装置、8…三次元物体、9…台、10…
照明光源、11…切換スイッチ、13…筐体、14…回
動軸、16…モータ、17…モータ16の回転動作を直
線的な変位に変換する部材、18…前記した直線的な変
位を行なう部材17と筐体13とを結合する連結部材、
20…スタンド台、21…スタンド台20に立設された
柱体、23…柱体21の上方22に基部が回動自在に嵌
合されているアーム、24…アームの先端部近くに設け
られた回動軸、25…回動軸24に回動自在に嵌合され
ている回動連結部材、26,27…回動連結部材25と
別の回動連結部材28とに平行な状態に回動自在に取付
けられている連結部材、29…連結部材28に回動自在
に嵌合されている回動軸、30…回動軸29と直交する
方向に設けられた回動軸、31…回動軸30に回動可能
に嵌合されている支持部材、32…筐体13に植設され
ているピン、33…透孔Wを設けた部材、

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内にハーフミラーを設けてなる三次元画像
    観察装置。
  2. 【請求項2】 ハーフミラーで反射した三次元空間内の
    三次元再生像の虚像の観察と、ハーフミラーを透過した
    三次元空間内の三次元再生像とを別の観察者が同時に観
    察できるように、ハーフミラーの両面をそれぞれ開放空
    間に連接させた請求項1の三次元画像観察装置。
  3. 【請求項3】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記したハー
    フミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像と、別
    に用意した三次元物体とを合成して観察できるようにす
    る手段とを設けてなる三次元画像観察装置。
  4. 【請求項4】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内に設けたハーフミラーと、記録済み感光
    性記録部材の中心位置の垂線上における予め定められた
    位置における前記した垂線と交わる平面と視域と対応し
    て形成される立体形状の外周面との交線で包囲される面
    よりも小さな寸法形状の透孔を有する部材を記録済み感
    光性記録部材と観察者との間の光学的な空間内に設けて
    なる三次元画像観察装置。
  5. 【請求項5】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内に設けたハーフミラーとを備えてなる筐
    体に、三次元的位置と回転とについて、それぞれ3自由
    度を有する支持装置を取付けてなる三次元画像観察装
    置。
  6. 【請求項6】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内に設けたハーフミラーと、記録済み感光
    性記録部材の中心位置の垂線上における予め定められた
    位置における前記した垂線と交わる平面と視域と対応し
    て形成される立体形状の外周面との交線で示される面よ
    りも小さな形状の透孔を有する部材とを備えてなる筐体
    に、三次元的位置と回転とについて、それぞれ3自由度
    を有する支持装置を取付けてなる三次元画像観察装置。
  7. 【請求項7】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を三次元空間
    内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成さ
    せる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の光
    学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記のハーフミ
    ラーで反射した前記した三次元再生像の虚像の位置が、
    そのハーフミラーから予め定めた距離だけ離れた位置に
    生じさせる手段とを設けてなる三次元画像観察装置。
  8. 【請求項8】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置され
    た状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた記
    録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、前
    記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元空
    間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形成
    させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間の
    光学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記のハーフ
    ミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像と、別に
    用意した三次元物体とを合成して観察できるようにする
    手段と、前記した再生光の強度を制御する手段とを設け
    てなる三次元画像観察装置。
  9. 【請求項9】 三次元物体の輝度に応じて所定の強度に
    設定された状態の再生光を、オン,オフ制御する請求項
    8の三次元画像観察装置。
  10. 【請求項10】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置さ
    れた状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた
    記録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、
    前記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元
    空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形
    成させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間
    の光学的な空間内に開閉自在なハーフミラーを設けると
    ともに、前記したハーフミラーの開閉制御手段とを設け
    てなる三次元画像観察装置。
  11. 【請求項11】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置さ
    れた状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた
    記録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、
    前記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元
    空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形
    成させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間
    の光学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記のハー
    フミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像と、別
    に用意した三次元物体とを合成して観察できるようにし
    た手段とを備えた三次元画像観察装置の筐体の全体を、
    観察者と三次元物体との間の光学的な空間に出入自在に
    制御する手段とを設けてなる三次元画像観察装置。
  12. 【請求項12】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置さ
    れた状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた
    記録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、
    前記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元
    空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形
    成させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間
    の光学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記のハー
    フミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像と、別
    に用意した三次元物体とを合成して観察できるようにす
    る手段と、前記した三次元物体の照度を制御する手段と
    を設けてなる三次元画像観察装置。
  13. 【請求項13】 三次元物体の照明光の強度を、三次元
    物体の照度が再生光の強度に応じて設定された所定の照
    度と、それよりも大きな照度とに切換えられるように制
    御する請求項13の三次元画像観察装置。
  14. 【請求項14】 蠅の目レンズ板の略々焦点面に設置さ
    れた状態の感光性記録部材に三次元像情報を記録させた
    記録済み感光性記録部材を再生光で照射させる手段と、
    前記の記録済み感光性記録部材からの射出光を、三次元
    空間内に蠅の目レンズ板によって三次元再生像として形
    成させる手段と、前記した三次元再生像と観察者との間
    の光学的な空間内に設けたハーフミラーと、前記したハ
    ーフミラーで反射した前記した三次元再生像の虚像と、
    別に用意した三次元物体とを合成して観察できるように
    する手段と、前記した三次元物体に付した3個以上の位
    置合わせ用のマーカの位置と、記録済み感光性記録部材
    に記録されている三次元物体に付した3個以上の位置合
    わせ用のマーカの画像情報を含む三次元像情報に基づい
    て三次元空間内に表示された三次元再生画像中に再現さ
    れた位置合わせ用のマーカの画像位置とを合わせる手段
    とを設けてなる三次元画像観察装置。
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