JPH07140465A - 樹脂膜の焼成方法および焼成装置 - Google Patents

樹脂膜の焼成方法および焼成装置

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JPH07140465A
JPH07140465A JP28514793A JP28514793A JPH07140465A JP H07140465 A JPH07140465 A JP H07140465A JP 28514793 A JP28514793 A JP 28514793A JP 28514793 A JP28514793 A JP 28514793A JP H07140465 A JPH07140465 A JP H07140465A
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Tatsuya Kita
達弥 喜夛
Masakatsu Takaishi
雅克 高石
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の寸法変化や反りおよび曲がりを低減
し、短時間で基板上の樹脂膜材料を焼成する。 【構成】 基板上に塗布されたトップコート膜材料は、
加圧下で室温から120℃まで加熱される。次に、常圧
下で120℃で60分間保持される。続いて、減圧下で
90℃まで冷却された後、加圧下で室温まで冷却され
る。 【効果】 加圧下では、基板、トップコート膜材料およ
び空気の熱伝導率が高くなり温度分布が比較的均一な状
態で焼成処理されるとともに、加熱や冷却の速度が速く
なる。処理時間が短くなり処理温度も低くすることが可
能となるため、基板の寸法変化や反りおよび曲がりが低
減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば液晶表示装置
を構成する基板上にトップコート膜および配向膜などを
形成する際に好適に実施される樹脂膜の焼成方法および
焼成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶表示装置を構成する一対
の透光性基板の液晶層側表面には、表示のための電極の
他に、トップコート膜や配向膜が形成される。また、前
記透光性基板としては、従来からガラス基板が用いられ
ていたけれども、最近では表示手段の軽量かつ薄型化を
目的として、ガラス基板と比較すると耐熱温度が低いけ
れども、軽量であり厚みを薄くすることが容易であるプ
ラスチック基板が用いられている。
【0003】プラスチック基板上には、表示用の電極が
形成された後、トップコート膜材料や配向膜材料が、た
とえばオフセット印刷法によって塗布される。このと
き、トップコート膜材料は溶剤に溶かした状態で塗布さ
れる。トップコート膜は、前記表示用の電極による凹凸
を平滑化するために形成される樹脂膜であり、塗布され
たトップコート膜材料には、焼成処理が施される。たと
えば、一般的なプラスチック基板の耐熱限界温度であ
り、トップコート膜の形成に最低限必要な温度である1
50℃まで加熱され、たとえば90分間保持される。こ
れによって、トップコート膜材料中に含まれる溶剤が除
去される。このような焼成処理は、たとえば高温処理に
も耐え得る処理槽を備えるオーブン(加熱装置)を用い
て断続的に実施される。また、たとえばトンネル炉を備
えるコンベアオーブンを用いて、連続的に実施される。
従来では、このような焼成処理は常圧下で実施してお
り、焼成処理に必要な時間は、たとえば6時間である。
【0004】前記トップコート膜上には、さらに配向膜
が形成される。配向膜は、前記トップコート膜と同様に
して形成された後、その表面に、たとえばラビング処理
などの配向処理が施される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の焼成処理では、
前述したようにトップコート膜材料や配向膜材料が15
0℃に加熱される。トップコート膜材料や配向膜材料が
150℃に加熱されるということは、プラスチック基板
も150℃に加熱されるということであり、プラスチッ
ク基板の耐熱限界温度である150℃の雰囲気中に長時
間保持すると、基板の熱収縮による寸法変化が大きくな
るという不都合が生じる。寸法変化が顕著となると、基
板の貼り合わせ時において配線パターンのずれや端子ピ
ッチのずれが生じ、貼り合わせ不良が生じることとな
る。また、熱収縮による寸法変化の他に、反りや曲がり
が生じ、次工程への搬送や、次工程での処理が困難とな
る。
【0006】また、焼成に要する時間は、前述したよう
にたとえば6時間であり、長時間を要することから生産
効率の低下を招く。たとえば、昇温速度を速くすると、
処理時間が短くなるけれども、昇温速度を速くすると設
定温度以上に加熱されるという不都合が生じる。たとえ
ば前述したように150℃に加熱しようとする時に、昇
温速度を速くすると、160℃〜170℃に加熱され
る。プラスチック基板の耐熱限界温度は前述したように
150℃であることから、前記160℃〜170℃に加
熱されることは好ましいことではなく、液晶表示装置の
表示品位の低下を招く。
【0007】またさらに、焼成処理を行うための加熱装
置は、保温効果が高くなるように構成されているので、
加熱された基板を常温まで冷却するには長時間を要し、
生産効率の低下を招く。常温まで冷却する前に基板を取
り出すと、処理時間の短縮が図れるけれども、基板温度
が不均一となり、反りや曲がりが生じる。このため、前
述したような次工程への搬送や次工程での処理が困難と
なる。
【0008】また、従来の焼成処理は前述したように常
圧下で行うものであるけれども、常圧下での処理ではト
ップコート膜材料や配向膜材料に含まれる溶剤の蒸発速
度が遅く、溶剤含有率の低いトップコート膜や配向膜を
得るためには、処理時間が長くなり、生産効率が低下す
るという問題が生じる。常圧下での溶剤の蒸発速度が遅
いのは、基板周囲に存在する溶剤の蒸気密度が高いため
である。
【0009】本発明の目的は、基板の寸法変化や反りお
よび曲がりを低減して、基板上の樹脂膜材料を短時間で
焼成することができる樹脂膜の焼成方法および焼成装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に塗布
された樹脂膜材料を焼成する樹脂膜の焼成方法におい
て、前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、加圧雰囲気
中で予め定められる温度まで加熱する第1工程と、前記
基板上に塗布された樹脂膜材料を、常圧雰囲気中で前記
予め定められる温度で予め定められる時間保持する第2
工程と、前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、減圧雰
囲気中で冷却する第3工程と、前記基板上に塗布された
樹脂膜材料を、加圧雰囲気中で冷却する第4工程とを含
むことを特徴とする樹脂膜の焼成方法である。
【0011】また本発明は、樹脂膜材料を塗布した基板
を密閉状態で収納するハウジングと、前記ハウジング内
を加熱する加熱手段と、前記ハウジング内の圧力を調整
する圧力調整手段と、前記ハウジング内の温度および圧
力を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基
づいて、前記ハウジング内を、加圧下で予め定められる
温度まで加熱し、常圧下でかつ前記予め定められる温度
で予め定められる時間保持し、減圧下で冷却し、加圧下
で冷却するよう前記加熱手段および圧力調整手段を制御
する制御手段とを含むことを特徴とする焼成装置であ
る。
【0012】
【作用】本発明に従えば、基板上に塗布された樹脂膜材
料は、第1工程で加圧雰囲気中で予め定められる温度ま
で加熱され、第2工程で常圧雰囲気中で前記予め定めら
れる温度で予め定められる時間保持される。続いて、第
3工程で減圧雰囲気中で冷却された後、第4工程で加圧
雰囲気中でさらに冷却される。
【0013】第1工程では、加圧雰囲気であることか
ら、基板、樹脂膜および基板周囲に存在する空気の熱伝
導率が高くなる。このため、短時間で前記予め定められ
る温度まで加熱することが可能となる。また、基板や基
板周囲の温度分布が比較的均一となる。第3工程では、
減圧雰囲気中であることから、樹脂膜材料中の溶剤の蒸
発速度が速くなる。これは、基板周囲に存在する溶剤の
蒸気密度が低下し、溶剤の蒸発が促進されるためであ
る。したがって、短時間で緻密な樹脂膜が形成される。
第4工程では、加圧雰囲気でさらに冷却される。加圧雰
囲気とするために供給される空気の温度は、比較的低温
であるため基板を短時間で冷却することができる。ま
た、加圧雰囲気であることから、前述したように基板、
樹脂膜および基板周囲に存在する空気の熱伝導率が高く
なる。したがって、温度分布が比較的均一な雰囲気中で
冷却される。
【0014】したがって、基板上に塗布された樹脂膜材
料を、短時間で焼成することが可能となる。また、基板
を該基板の耐熱温度近傍に長時間保持することがなくな
るとともに、温度分布の比較的均一な状態で焼成処理を
行うため、前記基板の寸法変化や反りおよび曲がりの発
生が低減する。このため、たとえば液晶表示装置に用い
る場合の基板の貼り合わせ時における配線パターンのず
れや端子ピッチのずれが少なくなり、貼り合わせ不良が
低減する。
【0015】また、本発明に従えば、焼成装置の制御手
段は、ハウジング内の温度および圧力を検知する検知手
段の検知結果に基づいて、加熱手段および圧力調整手段
を制御する。前記制御手段は、加熱手段および圧力調整
手段を制御して、前記ハウジング内を、加圧下で予め定
められる温度まで加熱し、常圧下でかつ前記予め定めら
れる温度で予め定められる時間保持し、減圧下で冷却
し、加圧下で冷却する。したがって、ハウジング内に密
閉状態で収納される樹脂膜材料が塗布された基板が、前
述した条件で焼成処理される。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である焼成装置1
の概略的構成を示す側面図であり、図2はその正面図で
ある。焼成装置1は、たとえばステンレス鋼で実現され
るハウジング2を備え、ハウジング2内には焼成処理が
施される基板が収納されたカセット3が、たとえば前記
ハウジング2内の架台4上に載置される。ハウジング2
の前面には、前記カセット3を出し入れするための挿入
口17が設けられている。この挿入口17には蓋5が設
けられている。蓋5とハウジング2との間には、ハウジ
ング2内を密閉するためのパッキング6が設けられてい
る。蓋5は、図2に示されるように正面から見たときの
形状が、たとえば円形となるように設けられ、そのほぼ
全面7は透光性を有する、たとえばガラスによって形成
されている。したがって、ハウジング2内が観察でき
る。
【0017】前記ハウジング2の上部には、ヒータ8が
設けられている。ヒータ8は、たとえば電気ヒータで実
現され、ハウジング2内を加熱する。また、ハウジング
2の下部にはハウジング2内を減圧状態とするための減
圧ポンプ9および加圧状態とするための加圧ポンプ10
が設けられる。前記減圧ポンプ9および加圧ポンプ10
は、ハウジング2内の圧力を調整する圧力調整手段であ
る。ハウジング2内の空気は、ハウジング2と減圧ポン
プ9とをつなぐ管13によって吸引されるので、ハウジ
ング2内が減圧雰囲気となる。また、加圧ポンプ10か
らは、管14によってハウジング2内に空気が送られる
ので、前記ハウジング2内が加圧雰囲気となる。また、
前記ハウジング2内にはハウジング2内の温度を検知す
る温度検知手段11および圧力を検知する圧力検知手段
12が設けられる。
【0018】なお、前記ハウジング2内を防塵処理して
ほこりなどの少ない状態とする場合には、たとえば加圧
ポンプ10からハウジング2内に送られる空気は、フィ
ルタ18を通して送られる。前記フィルタ18は、たと
えばHEPA(HighEfficiency Particle Air)フィル
タで実現され、図1に示されるようにハウジング2と加
圧ポンプ10との間に配置される。ハウジング2内を防
塵処理してほこりを除去するのは、ハウジング2内に保
持され、焼成処理が施される基板にほこりが付着するの
を防ぐためであり、たとえば前記基板が後述する液晶表
示装置31に用いられるものである場合に実施される。
液晶表示装置31では、基板にほこりなどが付着すると
表示に支障が生じるので好ましくない。
【0019】図3は、前記カセット3を示す切欠き斜視
図である。カセット3は、たとえばステンレス鋼で実現
され、底板21、天板22および複数の側板23を含ん
で構成される。底板21と天板22との間には、互いに
対向するようにして複数の側板23が設けられる。本実
施例ではそれぞれ3枚の側板23が間隔24を開けて設
けられる。前記複数の側板23の内側表面23aには、
複数の基板25を収納するための複数の棚23bがそれ
ぞれ設けられている。棚23b間には前記基板25が載
置される。また、前記間隔24は、複数枚収納される基
板25に均一に熱を与えるために設けられる。本実施例
のカセット3には、間隔24が対向してそれぞれ2ケ所
ずつ設けられている。
【0020】図4は、前記焼成装置1の電気的構成を示
すブロック図である。焼成装置1は前述したヒータ8、
減圧ポンプ9、加圧ポンプ10、温度検知手段11およ
び圧力検知手段12の他に、制御手段15および操作パ
ネル16を備える。操作パネル16からは、設定温度、
設定時間および設定圧力などが入力される。制御手段1
5は、ハウジング2内が設定された温度、時間および圧
力となるようにヒータ8、減圧ポンプ9および加圧ポン
プ10を制御する。制御手段15によるヒータ8、減圧
ポンプ9および加圧ポンプ10の制御は、温度検知手段
11および圧力検知手段12からの検知結果に基づいて
行われ、後述する焼成処理の手順にしたがって制御され
る。
【0021】図5は、焼成処理が施される前記基板25
の具体的構成の一例を示す断面図である。図5(1)は
基板25aを示し、図5(2)は基板25bを示す。た
とえば、液晶表示装置を想定した場合、基板25aは、
透光性基板26上に透明電極27およびトップコート膜
材料28aをこの順に形成したものとなる。透光性基板
26は、たとえばプラスチック基板で実現され、プラス
チック基板の一方表面には、たとえばITOで実現され
る透明電極27が形成される。透明電極27は、たとえ
ば複数の互いに平行な帯状に形成される。透明電極27
が形成された基板26表面にはさらに前記トップコート
膜材料28aが塗布される。トップコート膜材料28a
は、後述する焼成処理が施されてトップコート膜28と
なる。
【0022】また、基板25bは、前記基板25aのト
ップコート膜28上にさらに配向膜材料29aを塗布し
たものとなる。前記配向膜材料29aも、後述する焼成
処理が施されて配向膜となる。
【0023】図6は、本発明の一実施例である焼成処理
の手順を示す工程図である。工程a1では所定の圧力ま
で加圧されたハウジング2内が、所定の温度まで加熱さ
れる。このとき、前記ハウジング2内に存在する基板2
5、および空気の熱伝導率が高くなり、温度分布が比較
的均一となる。また、所定の温度までの加熱を短時間で
行うことが可能となる。
【0024】工程a2では、ハウジング2内が常圧雰囲
気とされ、前記所定の温度で所定の時間だけ定温保持さ
れる。
【0025】工程a3では、所定の圧力まで減圧された
ハウジング2内が、冷却される。このとき、樹脂膜中の
溶剤の蒸発速度が速くなる。これは、基板25周囲に存
在する溶剤の蒸気密度が低下し、溶剤の蒸発が促進され
るためである。このため、短時間で緻密な樹脂膜を形成
することが可能となる。
【0026】工程a4では、所定の圧力まで加圧された
ハウジング2内が、冷却される。加圧のために供給され
る空気は、たとえば外部から供給される比較的低温な空
気であることから、短時間で冷却される。また、加圧雰
囲気中であることから、前述したように熱伝導率が高く
なり、温度分布が比較的均一な雰囲気中で冷却される。
したがって、基板25の寸法変化や反りおよび曲がりの
発生が低減する。
【0027】以下、前記基板25aを例に具体的な焼成
方法について説明する。図7は、前記基板25aを焼成
処理する場合の条件の一例を示す図である。図7(1)
は温度を示し、図7(2)は圧力を示す。
【0028】工程a1では、温度を室温から120℃ま
で30分間で上昇させる。また、このときの圧力は、た
とえば5kgf/cm2とされる。
【0029】工程a2では、120℃の一定温度で60
分間保持される。このときの圧力は、常圧(1kgf/
cm2)とされる。
【0030】工程a3では、120℃から90℃まで、
たとえば15分間で冷却される(冷却速度:1.5℃〜
2℃/min)。このときの圧力は、たとえば1Tor
r(1.3595×10-3kgf/cm2)とされる。
【0031】工程a4では、90℃から室温まで15分
間で冷却される(冷却速度:4℃/min)。このとき
の圧力は、たとえば5kgf/cm2とされる。
【0032】図8は、前記基板25aを焼成処理する場
合の焼成装置1の動作を示すタイミングチャートであ
る。工程a1では、ヒータ8がオンとなり、加熱が行わ
れる。また、このとき加圧ポンプ10から供給される空
気の量が減圧ポンプ9で吸引される空気の量よりも多く
なるようにしてハウジング2内が加圧状態とされ、たと
えば前述した5kgf/cm2となるように制御され
る。
【0033】工程a2では、加圧ポンプ10から供給さ
れる空気の量と減圧ポンプ9で吸引される空気の量とが
同じ量になるようにしてハウジング2内が常圧の状態と
される。また、ヒータ8はオンとされ、常圧下での定温
処理が行われる。
【0034】工程a3では、ヒータ8がオフとなる。ま
た、減圧ポンプ9で吸引される空気の量が加圧ポンプ1
0から供給される空気の量よりも多くなるようにしてハ
ウジング2内が減圧状態とされ、たとえば前述した1T
orrとなるように制御される。このため、減圧下での
冷却が行われる。
【0035】工程a4では、加圧ポンプ10から供給さ
れる空気の量が減圧ポンプ9で吸引される空気の量より
も多くなるようにしてハウジング2内が加圧状態とさ
れ、たとえば前述した5kgf/cm2となるように制
御される。このため、加圧下での冷却が行われる。ヒー
タ8、減圧ポンプ9および加圧ポンプ10をこのように
動作させることによって、前述した焼成処理が実現され
る。このようなヒータ8、減圧ポンプ9および加圧ポン
プ10の動作は、前記制御手段15によって制御され
る。
【0036】なお、工程a2の120℃での一定温度で
処理を行う場合のヒータ8は、たとえば工程a2の期間
中で断続的にオン/オフが繰り返され、ハウジング2内
が設定された温度に保持される。
【0037】また、前述した基板25bを焼成処理する
場合は、前記基板25aを焼成処理する場合の工程a2
の処理時間が90分となる以外は、全て同様にして実施
される。
【0038】なお、本実施例では、前記工程a1で加熱
される目標温度を120℃としたけれども、前記温度
は、たとえば120℃〜130℃の範囲で適宜選ばれ
る。また、工程a3での減圧下での圧力を1Torrと
したけれども、前記圧力は、たとえば1Torr〜5T
orrの範囲で適宜選ばれる。さらに、工程a1および
工程a4での加圧下での圧力を5kgf/cm2とした
けれども、この圧力は、たとえば4kgf/cm2〜1
0kgf/cm2の範囲で適宜選ばれる。
【0039】図9は、本発明に基づく焼成処理が施され
た樹脂膜を用いた液晶表示装置31の構成を示す断面図
である。液晶表示装置31は、基板47,48、スペー
サ40、接着剤41、液晶層42、偏光板43,44お
よび位相差板45,46を含む。前記基板47,48
は、透光性基板32,33、透明電極34,35、トッ
プコート膜36,37および配向膜38,39をそれぞ
れ含む。
【0040】図10は、前記液晶表示装置31を製造す
る手順を示す工程図である。工程b1では、たとえばプ
ラスチック材料から成る一対の透光性基板32,33の
一方表面に、透明電極34,35がそれぞれ形成され
る。透明電極34,35は、たとえばITO膜をスパッ
タリング法によって付着させ、周知のフォトリソグラフ
ィ法によって、互いに平行な複数の帯状にパターン化す
ることによって形成される。
【0041】工程b2では、透明電極34,35が形成
された透光性基板32,33の表面にトップコート膜3
6,37とされる膜材料がそれぞれ塗布される。前記膜
材料は、溶剤に溶かした状態で、たとえばオフセット印
刷法によって塗布される。工程b3では、前述した本発
明に基づく焼成処理の手順に従って熱処理が実施され、
該処理を行うことによって膜材料中の溶剤が除去されて
トップコート膜36,37が形成される。なお、トップ
コート膜36,37は、前記透明電極34,35による
凹凸を平滑化するために設けられるものである。
【0042】工程b4では、前記トップコート膜36,
37の表面に配向膜38,39とされる膜材料が溶剤に
溶かした状態で、たとえばオフセット印刷法によってそ
れぞれ塗布される。工程b5では、前述した本発明に基
づく焼成処理の手順に従って熱処理が実施される。工程
b6では、膜表面に、たとえばラビング処理などの配向
処理が施されて、配向膜38,39とされる。これによ
って、電圧無印加状態での液晶分子が配向処理方向に配
列し、液晶分子の配列方向を制御することが可能とな
る。このようにして基板47,48がそれぞれ形成され
る。
【0043】工程b7では、前記配向膜38,39上
に、スペーサ40が散布される。前記スペーサ40は、
基板47,48間を一定の間隔に保持するためのもので
ある。工程b8では、前記2枚の基板47,48が貼り
合わせられる。これは、前記透明電極34,35、トッ
プコート膜36,37、配向膜38,39が形成された
透光性基板32,33の表面が向い合うようにして、接
着剤41で貼り合わせられる。接着剤41としては、た
とえばエポキシ系接着剤が用いられる。また、前記エポ
キシ系接着剤の代わりにシリコン系接着剤や紫外線硬化
性樹脂を用いることも可能である。
【0044】工程b9では、前記基板47,48間に液
晶が注入されて、液晶層42が形成される。工程b10
では、前記液晶を注入した注入口が封止される。これ
は、たとえば紫外線硬化性樹脂によって行われる。工程
b11では、前記透光性基板32,33の液晶層42と
は反対側表面に位相差板45,46がそれぞれ貼り付け
られ、さらに偏光板43,44がそれぞれ貼り付けられ
る。
【0045】なお、前記トップコート膜36,37の膜
材料としては、TiおよびSiのいずれか、またはその
両方を20%〜60%含むアクリル系有機高分子材料、
または同様のエポキシ系有機高分子材料が用いられる。
本実施例では、トップコート膜材料として、東京応化社
製の「MOF Ti−Si−INK−Film」を用い
た。この材料は、グリコールおよびグリコールエーテル
を溶剤として用いた、樹脂成分が10%のものである。
【0046】また、前記配向膜38,39の膜材料とし
ては、熱可塑性ポリエーテルアミド樹脂または溶剤を含
むポリイミド樹脂が用いられる。本実施例では、日立化
成社製の「STX−24」を用いた。これは、下記の化
学式で表される熱可塑性ポリエーテルアミド樹脂であ
り、溶剤としてN−メチルピロリドン40wt%、r−
ブチロラクトン30wt%、ブチルセロソルブアセテー
ト30wt%を含み、樹脂成分が5wt%〜6wt%の
ものである。
【0047】
【化1】
【0048】さらに、透光性基板32,33とされるプ
ラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、エポキシ系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリイミド系
樹脂およびポリアミド系樹脂の中から選ばれる。また、
前記樹脂を混合したものであってもよく、あるいは前記
樹脂から成る層を重ねたものであってもよい。さらに、
前記樹脂をフィルム状に加工して、基板32,33とす
ることも可能である。
【0049】以下の表1は、上述した焼成処理を施した
前記透光性基板32,33の熱収縮率と基板の反りとを
示すものである。また、表1には比較例として、従来の
方法で焼成処理を施した基板の値も示している。従来の
焼成方法とは、圧力の制御を行わず、焼成処理を常圧下
で行ったものであり、設定温度を150℃としたもので
ある。なお、従来法での焼成処理に要する時間は、6時
間である。
【0050】
【表1】
【0051】本実施例の透光性基板32,33の熱収縮
率および基板の反りは、それぞれ0.03%以下および
0.5mm以下であり、従来の値0.07%〜0.10
%および2mm〜6mmと比較して、著しく減少してい
ることが判る。これは、加圧下での焼成を行うことによ
り、透光性基板32,33、膜材料、および空気の熱伝
導率が向上し、温度分布の比較的均一な状態で焼成処理
を行うことができたためである。また、熱伝導率が向上
することから、加熱や冷却に要する時間が短縮されたた
めである。このことから基板の貼合わせ不良が低減する
とともに、処理に要する時間が著しく低減し、生産効率
の向上を図ることが可能となる。
【0052】以下の表2は、前記焼成処理を施した基板
47,48のピールテスト、鉛筆硬度、膜強度、表面抵
抗、配向状態、コントラスト比、応答速度を評価した結
果を、比較例とともに示したものである。比較例は、前
述した従来の方法で焼成処理を行ったものである。な
お、トップコート膜と記載しているものは、透光性基板
32,33上に透明電極34,35およびトップコート
膜36,37を形成したものであり、配向膜と記載して
いるものは、前述したものにさらに配向膜を形成したも
のである。
【0053】
【表2】
【0054】本実施例の焼成処理を行ったものは、従来
とほぼ同等の特性が得られることが確認された。すなわ
ち、圧力制御することによって焼成処理に要する時間を
著しく低減することができるとともに、従来と同等の膜
特性が得られた。また焼成時の温度を120℃としても
従来と同等の膜特性が得られることから、プラスチック
基板の耐熱温度近傍にて長時間保持することがなくな
り、さらに基板の熱収縮率や反りおよび曲がりを低減す
ることが可能となる。このため、液晶表示装置31を作
成する際の基板47,48の貼り合わせ時において、配
線パターンのずれや端子ピッチずれなどが生じることが
低減し、貼り合わせ不良がさらに少なくなる。
【0055】なお、表2中のピールテスト残量とは、膜
表面に絹針を用いて1mm角のますめを10×10個作
成し、この膜表面に接着剤を塗布したテープを貼り付け
た後、該テープを剥がしたときの膜の残量を示してい
る。残量が100%ということは、テープを剥がしたと
きに膜が全て残っていることを示し、膜の密着性が高い
ことを示す。また、トップコート膜の表面抵抗値の評価
は、静電気による影響の目安とされる。すなわち、トッ
プコート膜表面の絶縁性が高すぎると静電気が除去され
ず、表示を行ったときに表示むらが発生する。このた
め、ある程度の導電性が必要であり、表2中に示される
値はその許容範囲内である。
【0056】図11は、焼成処理時の温度のばらつきを
示す図である。図11(1)は本実施例の温度のばらつ
きを示し、図11(2)は比較例である従来例の温度の
ばらつきを示す。本実施例では、120℃への加熱を1
5分で行うことができ、このときの温度のばらつきは、
117℃〜123℃の間(±3℃)であった。また、従
来例では、150℃への加熱には2時間を要し、また昇
温速度を速くした場合、60分を経過した時点で170
℃まで加熱されてしまう。また、2時間をかけて150
℃としたときには、60分を経過した時点でまだ125
℃にしか達していない。このように、本実施例によると
著しく処理時間を短縮することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板上に
塗布された樹脂膜材料は、圧力が制御された雰囲気中で
焼成処理される。このため、前記樹脂膜材料を短時間で
焼成することが可能となり、生産効率が向上する。ま
た、基板を、該基板の耐熱温度近傍に長時間保持するこ
とがなくなるとともに、温度分布の比較的均一な状態で
焼成処理を行うため、基板の寸法変化や反りおよび曲が
りの発生が低減する。
【0058】また本発明によれば、焼成装置の制御手段
は、ハウジング内に密閉状態で収納された樹脂膜材料が
塗布された基板が、圧力が制御された雰囲気中で焼成処
理されるよう、加熱手段および圧力調整手段を制御す
る。したがって、前記効果と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である焼成装置1の概略的構
成を示す側面図である。
【図2】前記焼成装置1の正面図である。
【図3】カセット3を示す切欠き斜視図である。
【図4】前記焼成装置1の電気的構成を示すブロック図
である。
【図5】焼成処理が施される基板25の具体的構成の一
例を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例である焼成処理の手順を示す
工程図である。
【図7】基板25aを焼成処理する場合の条件の一例を
示す図である。
【図8】前記基板25aを焼成処理する場合の焼成装置
1の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明に基づいて製造された液晶表示装置31
の構成を示す断面図である。
【図10】前記液晶表示装置31を製造する手順を示す
工程図である。
【図11】焼成処理時の温度のばらつきを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 焼成装置 2 ハウジング 8 ヒータ 9 減圧ポンプ 10 加圧ポンプ 11 温度検知手段 12 圧力検知手段 15 制御手段 25,25a,25b,47,48 基板 26,32,33 透光性基板 28,36,37 トップコート膜 28a トップコート膜材料 29a 配向膜材料 38,39 配向膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に塗布された樹脂膜材料を焼成す
    る樹脂膜の焼成方法において、 前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、加圧雰囲気中で
    予め定められる温度まで加熱する第1工程と、 前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、常圧雰囲気中で
    前記予め定められる温度で予め定められる時間保持する
    第2工程と、 前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、減圧雰囲気中で
    冷却する第3工程と、 前記基板上に塗布された樹脂膜材料を、加圧雰囲気中で
    冷却する第4工程とを含むことを特徴とする樹脂膜の焼
    成方法。
  2. 【請求項2】 樹脂膜材料を塗布した基板を密閉状態で
    収納するハウジングと、 前記ハウジング内を加熱する加熱手段と、 前記ハウジング内の圧力を調整する圧力調整手段と、 前記ハウジング内の温度および圧力を検知する検知手段
    と、 前記検知手段の検知結果に基づいて、前記ハウジング内
    を、加圧下で予め定められる温度まで加熱し、常圧下で
    かつ前記予め定められる温度で予め定められる時間保持
    し、減圧下で冷却し、加圧下で冷却するよう前記加熱手
    段および圧力調整手段を制御する制御手段とを含むこと
    を特徴とする焼成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008298977A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Kyushu Nissho:Kk 熱処理装置
JP2016057616A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 株式会社半導体エネルギー研究所 表示パネル、入出力装置、情報処理装置
WO2020065735A1 (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 シャープ株式会社 焼成炉

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