JPH07140160A - 光学式速度計測装置 - Google Patents

光学式速度計測装置

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JPH07140160A
JPH07140160A JP29102893A JP29102893A JPH07140160A JP H07140160 A JPH07140160 A JP H07140160A JP 29102893 A JP29102893 A JP 29102893A JP 29102893 A JP29102893 A JP 29102893A JP H07140160 A JPH07140160 A JP H07140160A
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JP
Japan
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speed
irradiation
circuit
signal
binarized
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Application number
JP29102893A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Kisanuki
義勝 木佐貫
Kazunori Yoshida
一徳 吉田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】測定対象の移動速度を高応答で高精度測定す
る。 【構成】半導体レーザ11から照射されたレーザ光はポ
リゴンスキャナ14の回転により路面R上を走査する。
路面Rからの反射光の一部は受光センサ17に集光さ
れ、電気信号Sに変換される。電気信号Sは微分回路1
9で微分信号S’に変換され、微分信号S’は2値化コ
ンパレータ20で2値化される。2値化信号Scは速度
演算回路21のメモリ回路21bに一旦記憶される。速
度演算回路21のCPU回路21cはポリゴンスキャナ
14の各反射面m1 〜m6 で得られる2値化信号に基づ
いて速度演算を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定対象の移動速度及
び移動方向を非接触で測定する光学式速度計測装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置が特開昭61−28387
3号公報、特開平2−145973号公報に開示されて
いる。
【0003】特開平2−145973号公報に開示され
る装置では、図23に示すように光源2,3及び受光器
4,5からなる一対の光学センサを配置し、両センサか
ら得られる信号の相関性を利用して自動車1の速度計測
を行なう。光源2,3は路面Rを照射し、受光器4,5
は照射光の路面Rからの反射光を受光する。即ち、路面
R上の光反射強度分布が一定距離K離れた2点で検出さ
れ、それらの分布のずれ量Δxが求められる。そして、
自動車1の移動速度VがV=K/Δxとして求められ
る。
【0004】特開昭61−283873号公報の装置で
は、図24に示すように光源6、受光器7及びスリット
列8からなる空間フィルタ9が用いられている。空間フ
ィルタ9は路面Rの持つランダムパターンから特定のパ
ターンのみを検出し、この特定パターンの検出周期をス
リット列8によって決まる定数を用いて速度に変換す
る。
【0005】これら従来の速度計測装置はいずれも、路
面Rの凹凸あるいは反射特性のムラ等によって照射光の
反射強度が路面位置によって変化することを利用して速
度計測を行なう。その基本的な原理は、抽出した路面R
上の特徴点が自動車1の一定時間Δtの移動によりどれ
だけ移動したかを計測し、特徴点の移動量Xと時間Δt
とから自動車1の移動速度Vを求めるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の速度計測装置で
は、移動速度Vの測定精度を高めるために路面R上の一
定以上の範囲Wsの光強度分布を計測する必要がある。
図25の曲線C1 は範囲Wsと計測速度誤差との関係を
表す。図25から明らかなように計測範囲Wsを大きく
すれば計測速度誤差が小さくなる。即ち、路面R上の計
測範囲Wsを大きくすれば複数の特徴点を得ることがで
き、計測精度が高くなる。従って、計測範囲Wsと自動
車の移動速度Vとによって決まる計測時間が必要とな
る。自動車の移動速度Vが小さい場合には長時間の計測
時間が必要となり、短時間で精度の高い速度計測を行な
うことができない。
【0007】自動車のABS制御あるいは四輪操舵制御
等では短時間で高精度の移動速度情報が必要である。し
かし、低速時には短時間で精度の高い速度計測をできな
い従来の速度計測装置では十分なABS制御あるいは四
輪操舵制御ができないという問題がある。
【0008】自動車は路面状況や風等の気象条件によっ
ては蛇行したりするが、このような状況下ではABS制
御や四輪操舵制御を適切に行なうためには自動車の移動
速度のみならず、その移動方向の測定も必要となる。し
かし、従来の速度計測装置ではセンサの取り付け方向が
固定であるため、測定対象の特定方向の光強度分布しか
得られない。即ち、計測できる速度は1方向のみとな
り、速度計測範囲が非常に限られてしまう。速度計測範
囲が非常に限られた速度計測装置では十分なABS制御
や四輪操舵制御ができない。そのため、従来の速度計測
装置では、測定対象の移動方向が時間経過によって変わ
る場合には速度の計測精度が著しく低下したり、測定不
能に陥ったりするという問題がある。
【0009】又、自動車に対して行われるABS制御や
四輪操舵制御はディジタル制御で行われており、より精
度良い制御を行なうために制御周期をできるだけ短くす
ることがある。この制御周期は数msec程度であることが
望ましい。
【0010】しかし、従来の速度計測装置では、高速の
演算装置を用いたとしても速度演算時間として数十msec
程度が必要である。例えば相関性を利用した速度計測装
置における速度演算時間と計測速度誤差との間には図2
6に曲線C2 で示す関係がある。即ち、相関性を利用し
た速度計測装置における速度演算時間を長くしている原
因は相互相関関数の演算にあり、相互相関関数を利用し
て速度演算を行なう限り図26に示す測定時間と測定精
度との関係を避けることはできない。そのため、ABS
制御や四輪操舵制御に従来の速度計測装置を用いても、
計測時間が長いことと相まって望ましいとされる数msec
の制御周期を達成することができない。
【0011】さらに、高速の演算装置の使用はコストア
ップをもたらす。本発明の目的は、測定対象の移動方向
と移動速度とを高応答で計測可能な速度計測装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1に記
載の第1発明では、測定対象に対して光を照射するため
の照射手段と、前記照射手段によって照射された測定対
象の光強度を検出する光強度検出手段と、前記照射手段
の照射経路を変更し測定対象に対する照射位置と前記光
強度検出手段の受光位置との相対位置を変更する位置変
更手段と、前記光強度検出手段から特定時間毎に得られ
る検出信号の相関性を利用して測定対象の移動速度を演
算する速度演算手段とを備えた光学式速度計測装置を構
成した。
【0013】請求項2に記載の第2発明では、前記照射
手段の前記測定対象に対する照射位置を複数方向に変更
する照射位置変更手段を位置変更手段とした。請求項3
に記載の第3発明では、速度演算手段の演算によって得
られた測定対象の移動速度に基づいて、請求項2に記載
の照射位置変更手段によって複数方向に変更された照射
手段の前記測定対象に対する照射位置から特定の照射位
置の方向を選択する方向選択手段を備えた光学式速度計
測装置を構成した。
【0014】請求項4に記載の第4発明では、測定対象
に対して光を照射するための照射手段と、前記照射手段
によって照射された測定対象の光強度を検出する光強度
検出手段と、光強度検出手段から得られる検出信号を微
分した際の微分符号によって2値化する2値化信号処理
回路と、前記2値化信号処理回路から出力される2値化
信号を記憶すると共に、この記憶した2値化信号を測定
対象の同一部分から得られた2値化信号を含むような時
間間隔毎に出力する記憶・タイミング制御回路と、この
記憶・タイミング制御回路から出力された2値化信号に
基づいて測定対象の移動速度を演算する2値化速度演算
回路とからなる速度演算手段とを備えた光学式速度計測
装置を構成した。
【0015】
【第1発明の作用】測定対象に対して光を照射する具体
的手段としては、レーザ光やLED等がある。光強度検
出手段としては、フォトダイオード、フォトトランジス
タ、光電子管、CCDセンサ等がある。位置変更手段と
しては、照射手段の照射経路を移動するものと、光強度
検出手段の受光位置を移動するものとがある。照射手段
の照射経路を移動するものとしては、ポリゴンスキャナ
やガルバノスキャナ等の回転移動する鏡を利用するもき
がある。光強度検出手段の受光位置を移動するものとし
ては、CCDセンサを用いた空間分割がある。
【0016】光強度分布を計測するための手段、即ちセ
ンサが空間に固定されている従来の速度計測装置では、
測定対象の移動に応じてしか測定対象の光強度分布を計
測することができず、しかも計測する光強度分布の方向
も限定されてしまう。しかし、センサを移動させた場合
にも、その移動速度が測定対象の移動速度に対して十分
に速くなければ意味がない。
【0017】ポリゴンスキャナの回転数は数百rpm から
数千rpm 程度あり、ガルバノスキャナの揺動周波数は数
十ヘルツから数百ヘルツ程度である。従って、これらス
キャナと光の照射位置との距離を考えれば、これらスキ
ャナによって変更される光の照射位置変更速度は数百m/
sec 程度となる。測定対象が自動車である場合、一般自
動車の移動速度が250km/h、即ち70m/s 程度を越え
るような高速走行は稀であり、前記位置変更手段によっ
て変更される照射位置変更速度は一般的な測定対象の移
動速度に比べて十分高速である。又、光の照射位置変更
速度が高速であることから、自動車の移動速度が低速の
場合にも短時間に路面の光強度分布の検出が可能とな
る。従って、測定対象の移動速度の影響を小さくして路
面の光強度分布を検出することができ、さらに測定対象
が移動によって振動するような場合にも振動の影響を大
きく受けることなく高精度な速度計測が可能となる。
【0018】光強度検出手段は、路面の光強度分布に基
づいてポリゴンスキャナの回転数毎、ガルバノスキャナ
の揺動周波数毎又はCCDセンサの光強度データの読み
込み時間間隔毎に検出信号を出力する。速度演算手段は
この検出信号間の相関性を利用して測定対象の移動速度
を演算する。
【0019】
【第2発明の作用】例えば複数の鏡とポリゴンスキャナ
やガルバノスキャナとの組合せ、あるいは複数のガルバ
ノスキャナの組合せにより構成される照射位置変更手段
が照射手段の照射経路を複数方向に変更し、測定対象の
複数方向の光強度分布が計測される。速度演算手段は複
数方向の各移動速度を演算し、各方向の移動速度をベク
トル加算して測定対象の移動速度及び方向を求める。
【0020】
【第3発明の作用】測定対象の移動速度及び方向を求め
る一連の動作が繰り返され、測定対象の移動方向を中心
とした速度計測が行われる。従って、移動速度及び移動
方向の測定精度が高くなる。
【0021】
【第4発明の作用】速度演算手段を構成する2値化信号
処理回路は、光強度分布に対応して光強度検出手段から
出力される検出信号をその微分符号を用いて2値化す
る。2値化信号処理回路から出力される2値化信号は記
憶・タイミング制御回路に入力する。
【0022】一対のセンサを測定対象に対して固定する
従来の速度計測装置では、相関性を利用した速度演算に
必要な光強度分布に対応した2つの検出信号が同時に得
られる。しかし、本発明の速度計測装置では相関性を利
用した速度演算に必要な時間差を有する2つの信号を同
時に得ることはできない。そのため、記憶・タイミング
制御回路は2値化信号を一旦記憶する。記憶・タイミン
グ制御回路は、測定対象の同一部分から得られた2値化
信号を含むような特定時間Δtだけずれて計測された光
強度分布に対応する2値化信号を2値化速度演算回路に
出力する。
【0023】2値化速度演算回路は入力した2値化信号
の相関性を利用して速度演算を行なう。2値化信号に基
づく速度演算は、相互相関関数あるいは平均2乗誤差を
用いた演算に比べ、特徴点の分別及び抽出が適切に行わ
れていることから、その演算量が大幅に少なく、速度演
算の高速化を図ることができる。光強度検出手段から得
られた検出信号の2値化が微分符号を用いて行われるた
め、検出信号のレベルに影響されることなく2値化が可
能となる。
【0024】
【第1実施例】第1発明及び第4発明を具体化した第1
実施例を図1〜図9及び図27及び図28に基づいて説
明する。この実施例では自動車の速度を計測する場合に
ついて述べる。
【0025】図1に示すように、路面Rを照射する照射
手段として半導体レーザ11が用いられている。半導体
11の照射方向にはレンズ群12、穴明きミラー13及
びポリゴンスキャナ14が配設されている。レンズ群1
2は半導体レーザ11から照射されたレーザ光の光学的
補正を行なう。ポリゴンスキャナ14は、六角柱形状の
ポリゴンミラー14aと、ポリゴンミラー14aを回転
駆動するモータ14bとからなる。図1及び図5に示す
ようにポリゴンミラー14aには6つの反射面m1 ,m
2 ,m3 ,m4 ,m5 ,m6 がある。レンズ群12によ
って光学的補正を受けたレーザ光L1 は穴明きミラー1
3を通過してポリゴンミラー14aの反射面m1
2 ,m3 ,m4 ,m5 ,m6 によって反射偏向され
る。
【0026】ポリゴンミラー14aによって反射偏向さ
れたレーザ光の経路L2 上には平面ミラー15が配設さ
れている。平面ミラー15は路面Rと交差する経路L3
へ経路L2 上のレーザ光を反射偏向する。路面Rから反
射散乱するレーザ光の一部は経路L3 ,L2 ,L1 を辿
って穴明きミラー13に到る。
【0027】穴明きミラー13とポリゴンスキャナ14
との間には集光レンズ16及び光強度検出手段となる受
光センサ17が配設されている。穴明きミラー13は路
面Rからの反射レーザ光を集光レンズ16側へ反射し、
集光レンズ16は反射レーザ光を受光センサ17上に集
光する。
【0028】受光センサ17の出力端子は増幅回路18
の入力端子に接続されており、増幅回路18の出力端子
は微分回路19の入力端子に接続されている。微分回路
19の出力端子は2値化コンパレータ20の入力端子に
接続されている。
【0029】2値化コンパレータ20の出力端子は速度
演算回路21を構成する入出力回路21aの入出力端子
に接続されている。速度演算回路21は入出力回路21
a、メモリ回路21b及びCPU回路21cからなり、
各回路21a,21b,21cはそれぞれ信号接続され
ている。入出力回路21aの入出力端子は半導体レーザ
駆動回路22及びポリゴンスキャナ駆動回路23に信号
接続されている。又、入出力回路21aの入出力端子は
速度表示回路24及びABS制御用コンピュータ25の
入出力端子に信号接続されている。
【0030】メモリ回路21bには速度演算プログラム
が予め書き込まれている。ABS制御用コンピュータ2
5は入出力回路21aに速度要求信号Vinを出力し、C
PU回路21cは速度要求信号Vinの入力に応答して速
度演算プログラムに基づいて速度演算に必要な一連の制
御及び演算処理を行なう。
【0031】まず、CPU回路21cは半導体レーザ1
1を駆動開始するための駆動開始信号Lonを半導体レー
ザ駆動回路22に出力すると共に、ポリゴンスキャナ1
4を駆動開始するための回転開始信号Wonをポリゴンス
キャナ駆動回路23に出力する。半導体レーザ駆動回路
22は駆動開始信号Lonの入力に基づいて半導体レーザ
11に電流を流し、レーザ光の照射を行なう。ポリゴン
スキャナ駆動回路23は回転開始信号Wonの入力に基づ
いてモータ14bの回転数制御を行ない、所定の回転数
jでモータ14bを駆動する。
【0032】半導体レーザ11の照射強度が所定の強度
に達すると、半導体レーザ駆動回路22はCPU回路2
1cに対して照射確認信号Lokを出力する。モータ14
bの回転数が所定回転数jに達すると、ポリゴンスキャ
ナ駆動回路23はCPU回路21cに対して回転数確認
信号Wokを出力する。CPU回路21cは照射確認信号
Lok及び回転数確認信号Wokの入力に応答して速度演算
を開始する。
【0033】半導体レーザ11から出力されたレーザ光
はレンズ群12によって光学的補正を行われ、図2に示
すような線状の光学パターンLpに変換される。光学パ
ターンLpは、レーザ光の走査方向に対して直角方向の
幅W1 が広く、走査方向の幅W2 が狭くなるようにして
ある。自動車の進行方向とレーザ光の走査方向とがほぼ
一致するようにしてある。
【0034】レーザ光の走査方向に対して直角方向の幅
1 が広くしてあるのは自動車の蛇行を考慮したためで
ある。図3に示すWs1 は(N−1)回目の走査範囲を
表す。Ws2 はN回目の走査範囲を表し、Ws3 は(N
+1)回目の走査範囲を表す。自動車が蛇行すれば走査
範囲Ws1 ,Ws2 ,Ws3 が幅W1 の方向にずれる
が、幅W1 が広くしてあるために隣合う走査範囲がオー
バーラップする。このようにオーバーラップを生じさせ
ることにより、路面Rの光強度分布を測定する際の各走
査毎の光強度分布間の相関性が高まる。
【0035】レーザ光の走査方向の幅W2 が狭くしてあ
るのは路面Rのランダムパターンからできるだけ高い周
波数の信号を取り出すためである。光強度分布が高い周
波数成分を持つことにより光強度分布から取り出す特徴
点の数が増し、速度の演算精度が高くなる。光学パター
ンLpの走査速度は、自動車の最高速度を基に路面Rに
おける光学パターンの走査範囲が常にオーバーラップす
るように決める。
【0036】路面Rから反射散乱したレーザ光の一部は
経路L3 ,L2 ,L1 を辿って穴明きミラー13に到
り、集光レンズ16によって受光センサ17上に集光さ
れる。経路L2 ,L3 はポリゴンスキャナ14の回転に
よって変更され、路面R上での照射位置が変更される。
即ち、ポリゴンスキャナ14は、照射手段となる半導体
レーザ11の照射経路と光強度検出手段となる受光セン
サ7の受光位置との相対位置を変更する位置変更手段と
なる。
【0037】受光センサ17は集光された光の光量に応
じた強度の電気信号Sを出力する。出力された電気信号
Sは増幅回路18で増幅されて微分回路19に入力す
る。微分回路19は電気信号Sを微分し、この微分信号
S’が2値化コンパレータ20に出力される。2値化コ
ンパレータ20は微分信号S’の符号に応じて微分信号
S’を2値化する。図4(a),(b)のグラフは路面
Rの特徴点を取り出す処理を示す。曲線S1 ,S2 は増
幅された電気信号を表し、電気信号S1 は反射面m1
よって得られ、電気信号S2 は反射面m2 によって得ら
れたものである。曲線S1 ’,S2 ’は微分信号を表
す。曲線Sc1 ,Sc2 は2値化信号を表す。
【0038】2値化信号Scは速度演算回路21の入出
力回路21aに入力される。CPU21cは特定のサン
プリング周期fで順次読み込んでメモリ回路21bに記
憶する。図5に示すようにレーザ光の経路L1 と交差す
るポリゴンミラー14aの反射面m1 〜m6 はm1 →m
2 →m3 →m4 →m5 →m6 →m1 の順に変わる。各反
射面m1 〜m6 毎に2値化信号Scが得られる。各2値
化信号Scは図5に示すような順序でメモリ回路21b
に記憶される。
【0039】各反射面m1 〜m6 での走査範囲がオーバ
ーラップしていることから、各反射面m1 〜m6 で得ら
れた2値化信号Scの一部分は相関性の高い、ほぼ同一
の情報となる。又、メモリ回路21bに記憶された2値
化信号Scはディジタル値であり、各反射面m1 〜m6
で得られるデータ数Nsは、ポリゴンミラー14aの回
転数jと反射面m1 〜m6 の数と走査範囲長Wsとによ
って決まる走査時間Tsをサンプリング間隔fで除した
値Ts/fとなる。
【0040】2値化信号Scの記憶が完了すると、CP
U回路21cは速度の演算を行なう。自動車の進行方向
が不明であるので、速度演算は2回行なう。即ち、例え
ば時間的に後から計測された反射面m2 における2値化
信号Sc2が先に計測された反射面m1 における2値化
信号Sc1 に対して図6(a)に示すように図面右方向
に移動した場合、及び2値化信号Sc2 が2値化信号S
1に対して図6(b)に示すように図面左方向に移動
した場合の2通りが考えられる。そのため、2値化信号
Sc2 を左右どちらにずらすかにより2通りの演算が考
えられる。
【0041】2つの信号の時間差を演算する方法には、
通常、相互相関関数を用いる方法、平均2乗誤差を
用いる方法がある。まず、相互相関関数を用いて時間差
を演算する方法を簡単に述べる。2つの信号S1 ,S2
の相互相関関数F1 を演算すると図27のようになり、
時間差τに対応した位置の関数値F1 (τ)が最大にな
る。従って、一定時間範囲における相互相関関数F1
演算し、その関数値の最大の位置(時間)を探査するこ
とにより時間差τが求まる。離散データを用いた場合、
この場合の演算回数は次のようになる。
【0042】(比較する範囲のデータ数)×(2つの信
号をずらす範囲のデータ数) 例えば、比較する範囲のデータ数を400点とし、2つ
の信号S1 ,S2 をずらす範囲のデータ数を200点と
すれば、400×200=80000回の演算が必要と
なる。このような多数回の演算をABS制御で望ましい
時間間隔である数msecで行なうことは困難である。もし
実行しようとすれば非常に高速のCPUあるいは複数の
CPUが必要となる。
【0043】次に、平均2乗誤差を用いる方法について
述べる。時間的にずれた2つの信号S1 ,S2 の平均2
乗誤差F2 を求めると、図28に示すように2つの信号
1,S2 の時間差τに対応した位置の平均2乗誤差値
2 (τ)が最小となる。従って、平均2乗誤差F2
演算し、誤差の最小値の位置(時間)を探査することに
より2つの信号S1 ,S2 の時間差τが求まる。平均2
乗誤差F2 における演算回数も離散データを用いた場合
には相互相関関数の場合と同様に次のようになる。
【0044】(比較する範囲のデータ数)×(2つの信
号をずらす範囲のデータ数) 従って、時間差の演算に平均2乗誤差を用いた場合に
も、非常に高速のCPUあるいは複数のCPUが必要に
なる。高速のCPUあるいは複数のCPUを用いると、
速度計測装置装置の価格が高くなったり、CPU間の制
御が複雑になったりする。
【0045】一方、前記の各演算を専用の集積回路を用
いたハードウェアによって行なうことも可能である。し
かし、ハードウェアで行なう際にも離散データを扱うた
め、データをメモリに対して読み書きする必要があり、
処理速度に限界がある。
【0046】以上の理由から、本発明では信号処理の高
速化を図るために2値化信号を用いて演算処理するとい
う速度演算方法を採用した。この速度演算方法を図7〜
図9に基づいて説明するが、この演算例では図7に示す
ように反射面m2 で得られた電気信号S2 の2値化信号
Sc2 が反射面m1 で得られた電気信号S1 の2値化信
号Sc1 より右にずれている場合について述べる。
【0047】図7に示すように2値化コンパレータ20
により2値化された信号Sc1 ,Sc2 は、図9に示す
ように一定のサンプリング周期fによってメモリ回路2
1bのアドレスZZZZ,ZZZZ+1・・・に随時取り込まれ
る。
【0048】入出力回路21aに入力された2値化信号
Sc1 ,Sc2 をメモリ回路21bに記憶する際、図9
に示すようにCPU回路21cは、時間的に進んでいる
2値化信号Sc1 の信号レベルが0→1になったデータ
のメモリアドレス L-H ad(n)及び2値化信号Sc1
1→0になったデータのメモリアドレス H-L ad(n)も
合わせてメモリ回路21bのアドレスYYYY,YYYY+1 ・・
・に記憶する。さらに、CPU回路21cは、アドレス
1 〜a2 に記憶された(2値化信号Sc1 のサンプル
データ)からアドレスa2 〜a3 に記憶された(2値化
信号Sc2 のサンプルデータ)の減算を行ない、各減算
結果の絶対値をアドレスXXXXに累積記憶する。この累積
値Peは、速度計測範囲を基に図7に示すように予め決
めたアドレス範囲D1 で求められる。この累積値Peの
変化を図9に示す。この累積値Peは2値化信号S
1 ,Sc2 の時間差τを求める際に用いられる。
【0049】以上の一連の処理はサンプリング周期fの
間に行われる。アドレス範囲D1 における2値化信号S
1 の誤差の累積値Peを求める上記の一連の処理が終
了すると、CPU回路21cは処理を変更して2つの2
値化信号Sc1 ,Sc2 の時間差τを求める。この時間
差τは図8のτであり、累積値Peが最小となる位置
(時間)である。この時間差τは次のように求められ
る。
【0050】反射面m1 で得られた2値化信号Sc1
おいて状態が変化する位置のメモリアドレス L-H ad
(n),メモリアドレス H-L ad(n)(この情報はアド
レスYYYY+nに記憶されている)の相対的な位置関係を
固定し、これを反射面m2 で得られた2値化信号Sc2
の情報上でサンプリング周期fずつ移動させる。この移
動を行なう都度に誤差の累積値Peを求める。
【0051】図7に示す移動量(f)の場合の誤差の累
積値Pe(f)は次のように求められる。アドレス L-H
ad(n)+1に対応したアドレスの2値化信号Sc2
データ(0又は1)を図7に示す移動量(0)の累計値
Pe(0)に加算し、アドレス H-L ad(n)+1に対応
したアドレスの2値化信号Sc2 のデータ(0または
1)を累積値Pe(0)から減算する。この際、アドレ
スYYYY,YYYY+1 ・・・に記憶されているアドレス L-H a
d(n)及びアドレス H-L ad(n)+1はサンプル毎にイ
ンクリメントされる。
【0052】以上の処理は2値化信号Sc2 をサンプリ
ング周期fだけ左へずらした時の累計値Peを求めるこ
とにあたる。即ち、サンプリング周期fだけ2値化信号
Sc 2 をずらすことにより、記憶されたアドレス L-H a
d(n)+1に対応したアドレスの2値化信号Sc2 のデ
ータ(0又は1)は破棄され、記憶されたアドレス H-L
ad(n)+1に対応したアドレスの信号E2 データ(0
または1)が新たに累積値Peの演算に用いられること
になる。従って、記憶されたアドレス L-H ad(n)+1
に対応したアドレスの2値化信号Sc2 のデータを累積
値Peに加算することにより、破棄されるデータが1で
あれば累積値Peの値は1だけ大きくなる。破棄される
データが0であれば累積値Peの値は変わらない。
【0053】一方、記憶されたアドレス H-L ad(n)+
1に対応したアドレスの2値化信号Sc2 のデータを累
積値Peから減算することにより、新たに累積値Peの
演算に用いられる2値化信号Sc2 のデータが1であれ
ば累積値Peの値は1だけ小さくなる。新たに累積値P
eの演算に用いられる2値化信号Sc2 のデータが0で
あれば累積値Peの値は変わらない。
【0054】同様に、図7に示す移動量(2f)の場合
の誤差の累積値Pe(2f)は次のように求められる。
先に求めたアドレス L-H ad(n)+2に対応したアドレ
スの信号Sc2 のデータ(0又は1)を図7に示す移動
量(f)の累計値Pe(f)に加算し、アドレス H-L a
d(n)+2に対応したアドレスの信号Sc2 のデータ
(0または1)を累積値Pe(f)から減算する。
【0055】以上のような一連の処理は移動量が図7に
示すアドレス範囲D2 になるまで行われる。時間差演算
を行なうアドレス範囲D2 に対応するNm回だけ行え
ば、アドレスの移動に伴うNmの範囲における累計値P
eの変化は図8の曲線C3 で示すようになり、2値化信
号Sc1 とSc2 とがほぼ一致した時点で累計値Peが
最小となる。この最小となる位置(時間)が図8の時間
差τである。2値化信号Sc2 を時間差τだけずらした
量は自動車の一定の移動量ΔLに対応する。従って、時
間差τに対応する特定時間Δtの間の自動車の移動量Δ
Lが特定され、移動速度Vは(誤差が最小となる移動量
ΔL)/(特定時間Δt)として求められる。
【0056】算出された移動速度Vは速度表示回路24
及びABS制御用コンピュータ25に送信される。累計
値Peを求めるために必要な演算回数は、Ns×サンプ
リング周期fの間において、2値化信号Sc1 が0→1
又は1→0になる回数であり、この回数は多くとも数十
回程度である。従って、本実施例の時間差演算は、相互
相関関数や平均2乗誤差を用いた場合の数万回という演
算回数に比べて大幅に少なくて済み、信号処理の高速化
が可能となる。
【0057】又、レーザ光で路面Rを走査して光強度分
布を計測するため、自動車の移動速度に依存することな
く路面情報を計測することができ、自動車の低速時にお
ける測定時間の短縮が図られる。
【0058】なお、本実施例においては、累計値Peを
求める際に(2値化信号Sc1 のサンプルデータ)−
(2値化信号Sc2 のサンプルデータ)の絶対値演算を
行なった。しかし、2値化信号Sc1 が0の区間のみで
の絶対値演算、あるいは1の区間のみについて演算を行
ない、累計値Peを求めることも可能である。
【0059】相互相関関数や2乗平均誤差をハードウェ
アを用いて用いて行なう時間差演算方式の場合と、本実
施例の時間差演算方式の場合とに関して、処理速度の比
較をすると、比較するデータが少ない場合にはハードウ
ェアを用いた場合の処理速度が本実施例の処理速度より
も速い。しかし、比較するデータ数が多くなると、本実
施例の処理速度がハードウェアを用いた場合の処理速度
よりも速くなる。
【0060】比較するデータ数は路面状況あるいは測定
速度などによって変更するため、常に固定ではない。し
かし、時間差の演算精度を一定以上にするためには、あ
る程度のデータ数が必要であり、実用的な測定条件にお
いては数百点のデータが必要である。従って、実用的な
範囲における演算処理速度は本実施例の時間差演算方式
の方が速くなる。
【0061】電気信号S1 ,S2 を2値化するために本
実施例では信号の微分符号を用いたが、電気信号S1
2 を微分した際の微分符号によって2値化する場合で
は時間差誤差を十分に小さくすることが可能である。即
ち、電気信号S1 ,S2 の信号レベルは異なる場合があ
るが、電気信号S1 ,S2 の波形形状の相似性は高いか
らである。従って、信号波形を微分した際の微分符号に
よって2値化すれば、電気信号S1 ,S2 の信号レベル
に影響されることなく2値化が可能となる。
【0062】
【第2実施例】次に、第2発明を具体化した第2実施例
を図10〜図13に基づいて説明する。この実施例にお
いても自動車の速度を計測する場合について述べる。な
お、第1実施例と同じ構成については同一符号を付し、
異なる点についてのみ詳述する。
【0063】第1実施例では平面ミラー15が1つのみ
用いられたが、この実施例では4つの平面ミラー15
A,15B,15C,15Dが一定角度ずつ傾いて配置
されている。平面ミラー群15A〜15Dは回転するポ
リゴンミラー14aから反射されたレーザ光を図11に
矢印E1 ,E2 ,E3 ,E4 で示す方向に反射する。従
って、ポリゴンミラー14aの回転により路面R上で4
方向の走査が行われる。即ち、平面ミラー15A〜15
Dは複数方向に照射位置を変更する照射位置変更手段と
なる。
【0064】4方向の走査による路面Rからの反射光の
一部が第1実施例の場合と同様に受光センサ17に集光
され、変換された電気信号Sが微分回路19及び2値化
コンパレータ20を経て2値化される。2値化信号Sc
はCPU回路21cにより特定のサンプリング周期fで
順次読み込まれてメモリ回路21bに記憶される。この
一連の動作がポリゴンミラー14aの回転に応じて順次
繰り返され、2値化信号Scがメモリ回路21bに図1
2に示すような順序で記憶される。E11,E21,E31
41は反射面m1 で得られた方向E1 ,E2 ,E3 ,E
4 における情報であり、E12,E22,E32,E42は反射
面m2 で得られた方向E1 ,E2 ,E3,E4 における
情報である。E13,E23,E33,E43は反射面m3 で得
られた方向E1 ,E2 ,E3 ,E4 における情報であ
る。
【0065】所定の回数だけ走査が完了すると、CPU
回路21cは速度の演算を行なう。速度演算は、走査方
向(E1 ,E2 ,E3 ,E4 の4方向)とその向き(2
方向)との組合せにより計8通りについて行なう。この
8通りの演算により図13に示すように速度計測装置を
中心とした8方向(+E1 ,+E2 ,+E3 ,+E4
−E1 ,−E2 ,−E3 ,−E4 )の速度が求まる。速
度演算の詳細は第1実施例と同様である。
【0066】自動車が速度を持たない方向の速度演算で
は誤差の累積値Peが非常に大きくなり、この方向の速
度は無いことがわかる。誤差の累積値Peが予め設定し
た一定値より小さくなった場合の誤差の累積値Peが最
小となる時間差τから自動車の特定時間Δt内における
移動量を知ることができ、速度演算が可能となる。
【0067】このようにして求めた8方向の速度をベク
トル加算することにより自動車の移動速度とその方向と
を同時に知ることができる。
【0068】
【第3実施例】次に、第3発明を具体化した第3実施例
を図14〜図16に基づいて説明する。この実施例にお
いても自動車の速度を計測する場合について述べる。な
お、第1実施例と同じ構成については同一符号を付し、
異なる点についてのみ詳述する。
【0069】ポリゴンスキャナ14と4枚の平面ミラー
15A〜15Dを用いて4方向の走査を行なった第2実
施例では、走査系の構成が簡単であり、速度演算を行な
うための制御も簡単という利点がある。しかし、走査方
向が固定されてしまうため、自動車の速度方向によって
は測定精度が低くなる場合もある。
【0070】そこで、第3実施例では図14に示すよう
に2台のガルバノスキャナ26,27を用いて走査方向
を任意に変更可能な構成とした。ガルバノミラー26
a,27aと共にガルバルスキャナ26,27を構成す
るモータ26b,27bはガルバノスキャナ制御回路2
8,29に接続されている。ガルバノスキャナ制御回路
28,29は入出力回路21aに信号接続されている。
【0071】ABS制御用コンピュータ25が速度演算
回路21に速度要求信号Vinを出力すると、CPU回路
21cは半導体レーザ駆動回路22に駆動開始信号Lon
を出力し、第1実施例と同様に照射確認信号Lokを受け
取る。又、CPU回路21cはガルバノスキャナ制御回
路28,29に対して回転角指令信号θ1 ,θ2 を出力
する。
【0072】ガルバノスキャナ制御回路28,29は回
転角指令信号θ1 ,θ2 の入力に応答してガルバノミラ
ー26a,27aの傾き角度の制御を行なう。2つのガ
ルバノミラー26a,27aの傾き角度をそれぞれ制御
することにより、路面R上の任意方向にレーザ光を走査
することが可能となる。即ち、ガルバルスキャナ26,
27は照射位置変更手段となる。
【0073】図15によって任意方向へのレーザ光の走
査の一例を説明する。ガルバノミラー26aを実線位置
に固定し、ガルバノミラー27aを矢印Q1 方向に傾き
回動すれば、レーザ光は線A上をa1 側からa2 側へ移
動する。逆に、ガルバノミラー27aを矢印Q2 方向に
傾き回動すれば、レーザ光は線A上をa2 側からa1
へ移動する。ガルバノミラー26aを矢印Q3 方向に回
動して鎖線位置に傾き配置すれば、レーザ光の走査位置
は線B上に移り、ガルバノミラー26aを矢印Q4 方向
に回動して実線位置に傾き配置すれば、レーザ光の走査
位置は線A上に移る。このように両ミラー26a,27
aの傾き角度を個々に制御することにより路面R上での
レーザ光の走行方向を自由に変更することができる。
【0074】路面Rからの反射光の一部は第1実施例の
場合と同様に受光センサ17に集光され、変換された電
気信号Sが微分回路19及び2値化コンパレータ20を
経て2値化される。2値化信号ScはCPU回路21c
により特定のサンプリング周期fで順次読み込まれてメ
モリ回路21bに記憶される。CPU回路21cは、記
憶された2値化信号Scに基づいて特定時間Δt毎に相
関性を利用して特定時間Δtにおける自動車の移動量Δ
Lを求め、移動速度Vを算出する。
【0075】自動車が走行開始した直後のレーザ光の走
査方向は第2実施例と同様に図16(a)で示すような
4方向である。この4方向の走査により自動車の移動方
向が概略特定できる。自動車の移動方向が概略特定され
ると、CPU回路21cはガルバノスキャナ26,27
を制御して走査方向を図16(b)のように変更する。
即ち、自動車の移動方向とは大きく異なる方向の走査は
取り止め、自動車の移動方向に近い方向のみの走査が行
われる。即ち、速度演算回路21は、演算によって得ら
れた路面Rの移動速度に基づいて、ガルバノスキャナ2
6,27によって複数方向に変更された路面R上の照射
経路から特定の照射経路の方向を選択する方向選択手段
でもある。従って、自動車の移動方向とは大きく異なる
方向の走査の速度演算を行なう必要が無くなると共に、
移動方向に関する分解能が高くなり、移動速度及び移動
方向の測定精度が向上する。
【0076】
【第4実施例】次に、本発明を具体化した第4実施例を
図17〜図20に基づいて説明する。この実施例では、
図17に示すように路面Rが一定強度の光を発する光源
30によって照射され、路面Rの反射強度がCCDセン
サ31によって検出される。第1実施例、第2実施例及
び第3実施例では、いずれも受光系を固定して投光系で
光の走査を行ない、路面Rの反射強度の空間分割を行な
った。CCDセンサ31による反射強度検出では投光系
を固定し、受光系側で路面Rの反射強度の空間分割を行
なうことになる。
【0077】一定強度の光で路面Rを照射して反射強度
をCCDセンサ31で検出する場合、光の照射角度によ
っては路面凹凸そのものではなくて凹凸に起因する影を
測定する場合がある。そのため、投光系走査の場合に比
べて路面情報の高精度な計測が容易でない。又、投光系
走査の場合の路面Rの反射強度分布の空間分解能は、C
PU回路21cのサンプリング周期fで決まるが、受光
系走査の場合には図18に示すようにCCDセンサ31
の空間分割の大きさで決まる。CPU回路21cのサン
プリング周期fは比較的容易に高くすることができる
が、CCDセンサ31の空間分解能を大きくすることは
容易ではなく、空間分解能の面で言えば投光系走査の方
が高い。そのため、CCDセンサ31を用いた場合には
投光系走査に比べて測定精度を高めることは容易でな
い。
【0078】しかし、CCDセンサ31には機械的可動
部がないため、対環境性及び耐久性等の面では優れてい
る。このような利点を有するCCDセンサ31を用いた
速度計測方法としてはオプティカル・フローが知られて
いる。オプティカル・フローでは、CCDセンサ31の
画素単位での速度を求めるため、図18に示すように画
像の領域単位で特徴点Gの抽出、比較が行われる。オプ
ティカル・フローでは、測定対象面の特徴点の自動抽出
が重要となるが、この特徴点の抽出は容易でなく、多く
の画素データを基に特徴点抽出が行われている。
【0079】例えば時刻T1 で計測した領域A1 の画像
情報を基にして特徴点Gの時刻T2における移動量を求
めるため、画像全体を領域A1 に対応した複数の小領域
に分け、各領域における平均濃度を求める。CCDセン
サ31の各画素毎の濃度データは図19(a)に示すよ
うに画素a1 ,a2 ,a3 ・・・の順序で読み出される
ものとする。従って、分割した小領域毎の平均濃度を求
めるには、一旦画素毎の濃度データをメモリに記憶した
後に再計算を行なう必要がある。このようにして、領域
1 近傍の自動車の移動方向と一致した画素配列方向の
領域A2 ,A3,A4 ,A5 の平均濃度を演算した後、
各領域A2 ,A3 ,A4 ,A5 の平均濃度と領域A1
平均濃度とを順次比較する必要がある。この比較には相
互相関関数等が用いられる。領域毎の画像情報を順次比
較した後、領域A1 の画像情報と最も一致度が高い領域
の位置を特徴点Gの移動量とする。
【0080】このようにオプティカル・フローでは領域
毎の平均濃度の演算や領域間の比較演算など多くの処理
が必要となる。即ち、速度を算出するには多くの演算と
時間とが必要となる。
【0081】本実施例では図19(a),(b)に示す
ように、時刻T1 ,T2 における自動車の移動方向と一
致する特定方向の配列の画素群a1 ,a2 ,a3 ・・・
8のみの画像情報が用いられる。速度演算回路21の
CPU回路21cは、前記オプティカル・フローの場合
と同様に画像情報を順次読み込む。即ち、CPU回路2
1cは、光源30の照射経路とCCDセンサ31上の受
光位置との相対位置を変更する位置変更手段となる。画
像情報は微分回路19及び2値化コンパレータ20を経
て2値化され、この2値化信号Scがメモリ回路21b
に記憶される。
【0082】情報画素群a1 ,a2 ,a3 ・・・a8
画像情報は、路面Rの移動速度に対して十分短い時間Δ
t間隔で最低限2回読み込まれる。これにより第1回目
と第2回目以降との読み込みデータ間に路面Rの同一部
分から得られたデータが含まれる。2回目以降に読み込
まれた画像情報は、第1回目に読み込まれた画像情報を
記憶したメモリアドレスとは異なったアドレスに記憶さ
れる。このときメモリ回路21bに記憶される路面Rの
濃淡情報は図8の曲線Sc1 ,Sc2 と同様になる。従
って、得られた濃淡情報を前記各実施例に示したと同様
の信号処理で比較することにより、自動車の移動速度を
求めることができる。
【0083】このように、オプティカル・フローで必要
であった領域毎の平均濃度の演算が不要となり、比較す
るデータ量も少なくて済み、相互相関関数を用いた場合
よりも高速の速度演算を行なうことができる。
【0084】自動車の移動に伴ってその移動方向が変化
した場合には、図20に示すように画像情報を取り出す
画素の配列方向が変更される。例えば図20に方向に自
動車が移動しているとすれば、メモリ回路21bには画
素b1 ,b2 ・・・b8 の順に画像情報が記憶される。
画像情報を記憶した後の信号処理は前記信号処理と同様
であり、誤差の累積値Peが最も小さくなるように画像
情報を取り出す配列方向が変更される。
【0085】
【その他の実施例】第2実施例及び第3実施例ではレー
ザ光の走査方向を変更したが、図21に示すようにホロ
グラム32を用いた実施例も可能である。ホログラム3
2を用いた場合には走査方向は固定されるが、走査系の
構成が簡単になって機械的強度が増し、装置コストも低
くなる等の利点がある。
【0086】以上の各実施例では速度計測装置を1組だ
け自動車に取り付けた例であるが、図22に示すように
自動車1上の離れた2点に本発明の速度計測装置33を
取り付ければ測定精度が一層向上する。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明では、自
動車の移動速度が低速な場合においても路面の情報を短
時間で得ることができ、特に低速時におけるABS制
御、4輪操舵制御等の性能が向上する。又、路面の情報
を短時間で得ることができることから自動車の走行に伴
う振動の影響を受け難くなり、自動車の対地速度の計測
精度が向上する。
【0088】第2の発明では、複数方向の路面情報を短
時間で計測できるため、従来では計測困難であった自動
車の移動方向も含めて速度計測し得るという優れた効果
を奏する。
【0089】第3の発明では、計測する路面情報の方向
を速度ベクトルの方向に応じて変更するようにしたの
で、移動方向の測定精度が向上するという優れた効果を
奏する。
【0090】第4の発明では、2値化信号に基づく速度
演算を行なうようにしたので、相互相関関数あるいは平
均2乗誤差を用いた演算に比べて演算量を大幅に少なく
でき、速度演算の高速化を達成し得るという優れた効果
を奏する。又、検出信号の2値化の際にはその微分符号
を用いることから検出信号の信号レベルに影響されるこ
となく2値化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例における速度計測装置を表す制御
ブロック図である。
【図2】 レーザ光を用いた光学パターンを示す平面図
である。
【図3】 レーザ光を用いた光学パターンによる路面上
での走査状況を説明する斜視図である。
【図4】 微分回路及び2値化コンパレータを用いて2
値化する方法を説明するグラフである。
【図5】 路面情報の記憶例を示す説明図である。
【図6】 (a),(b)はいずれも相関性を利用した
速度演算におけるデータの移動方向を説明するグラフで
ある。
【図7】 速度演算方法を説明するグラフである。
【図8】 誤差累積値Peの変化を示すグラフである。
【図9】 データメモリのアドレスマップである。
【図10】第2実施例における速度計測装置を表す制御
ブロック図である。
【図11】走査方向の変更を説明する略体平面図であ
る。
【図12】路面情報の記憶例を示す説明図である。
【図13】走査方向を説明する説明図である。
【図14】第3実施例における速度計測装置を表す制御
ブロック図である。
【図15】走査方向の変更例を示す略体斜視図である。
【図16】(a),(b)はいずれも走査方向を説明す
る説明図である。
【図17】CCDセンサを用いた第4実施例における速
度計測装置を表す制御ブロック図である。
【図18】従来のオプティカル・フローを説明する説明
図である。
【図19】(a)は画像データの読み込み順序を示す画
素配列図である。(b)は画像情報の記憶例を示す説明
図である。
【図20】自動車の進行方向が変化したときの画像デー
タの読み取り順序を示す画素配列図である。
【図21】ホログラムを用いた速度計測装置を表す制御
ブロック図である。
【図22】複数の速度計測装置を自動車に取り付けた例
を示す平面図である。
【図23】従来技術における光相関法を用いた自動車の
速度計測例を示す説明図である。
【図24】従来技術における空間フィルタ法を用いた自
動車の速度計測例を示す説明図である。
【図25】測定区間と計測速度誤差との関係を示すグラ
フである。
【図26】速度演算時間と計測速度誤差との関係を示す
グラフである。
【図27】相互相関関数を説明するグラフである。
【図28】平均2乗誤差を説明するグラフである。
【符号の説明】
11…照射手段となる半導体レーザ、14…位置変更手
段となるポリゴンスキャナ、15A,15B,15C,
15D…照射位置変更手段となる平面ミラー、17…光
強度検出手段となる受光センサ、19…2値化信号処理
手段を構成する微分回路、20…2値化信号処理手段を
構成する2値化コンパレータ、21…方向選択手段、記
憶・タイミング制御回路及び速度演算手段となる速度演
算回路、26,27…照射位置変更手段となるガルバノ
スキャナ、R…測定対象となる路面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象に対して光を照射するための照射
    手段と、 前記照射手段によって照射された測定対象の光強度を検
    出する光強度検出手段と、 前記照射手段の照射経路を変更し測定対象に対する照射
    位置と前記光強度検出手段の受光位置との相対位置を変
    更する位置変更手段と、 前記光強度検出手段から特定時間毎に得られる検出信号
    の相関性を利用して測定対象の移動速度を演算する速度
    演算手段とを備えた光学式速度計測装置。
  2. 【請求項2】位置変更手段は、前記照射手段の前記測定
    対象に対する照射位置を複数方向に変更する照射位置変
    更手段である請求項1に記載の光学式速度計測装置。
  3. 【請求項3】速度演算手段の演算によって得られた測定
    対象の移動速度に基づいて、請求項2に記載の照射位置
    変更手段によって複数方向に変更された照射手段の前記
    測定対象に対する照射位置から特定の照射位置の方向を
    選択する方向選択手段を備えた光学式速度計測装置。
  4. 【請求項4】測定対象に対して光を照射するための照射
    手段と、 前記照射手段によって照射された測定対象の光強度を検
    出する光強度検出手段と、 光強度検出手段から得られる検出信号を微分した際の微
    分符号によって2値化する2値化信号処理回路と、前記
    2値化信号処理回路から出力される2値化信号を記憶す
    ると共に、この記憶した2値化信号を測定対象の同一部
    分から得られた2値化信号を含むような時間間隔毎に出
    力する記憶・タイミング制御回路と、この記憶・タイミ
    ング制御回路から出力された2値化信号に基づいて測定
    対象の移動速度を演算する2値化速度演算回路とからな
    る速度演算手段とを備えた光学式速度計測装置。
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Cited By (2)

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JP2006162353A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Honda Motor Co Ltd 車両状態検知装置
KR100930528B1 (ko) * 2009-06-30 2009-12-09 (주) 골프존 퍼터 속도 측정 장치 및 이를 구비하는 퍼터와 퍼터 속도 측정 방법

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