JPH07140142A - γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタンパク質の測定法およびキット - Google Patents

γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタンパク質の測定法およびキット

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JPH07140142A
JPH07140142A JP18447793A JP18447793A JPH07140142A JP H07140142 A JPH07140142 A JP H07140142A JP 18447793 A JP18447793 A JP 18447793A JP 18447793 A JP18447793 A JP 18447793A JP H07140142 A JPH07140142 A JP H07140142A
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calcium
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Tomoyoshi Katahira
智禎 片平
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Yamasa Shoyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 γ−カルボキシグルタミン酸残基(Gla残
基)を含有するタンパク質の簡便な測定法及びこの方法
に使用するキットを提供することを目的とする。 【構成】 下記の工程からなるγ−カルボキシグルタミ
ン酸残基を含有するタンパク質の測定法及び該方法に使
用するキットに関するものである。 (1)γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタン
パク質を含むもしくはそのことが疑われるサンプルに、
γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタンパク質
に対する標識化抗体、カルシウム、およびリン酸とを添
加、反応させる工程 (2)反応液を可溶相と不溶相とに分離する工程 (3)不溶相中の標識量を測定する工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、γ−カルボキシグルタ
ミン酸残基(Gla残基)を含有するタンパク質の測定
法及びこの方法に使用するキットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロスロンビン(prothrombi
n)、オステオカルシン(osteocalcin)、マトリクス・
グラ・プロテイン(matrix Gla protein)などのような
Gla残基を含有するタンパク質が生体内に存在するこ
とはよく知られていることである。
【0003】たとえば、オステオカルシン〔別名;bone
Gla protein(BGP)〕は骨芽細胞が産生する非コラ
ーゲン性タンパク質であり、1975年には Hauschka
らによりニワトリから、1978年にはPrice らにより
ウシからそれぞれ精製されている。BGPの分子中には
3つのGla残基(N末端から数えて17位、21位お
よび24位に存在する)と1つのS−S結合が存在し
(Haemostasis, 16:258,(1986))、この3つのGla残
基がカルシウムイオンとの結合に重要な役割を演じてい
るものと考えられている(Biochemistry, 21:2538,(198
2))。すなわち、全てのGla残基が脱カルボキシル化
されるとカルシウムイオンへの結合力はほぼ完全に消失
するとされている(J Biol.Chem. 254:431(1979))。
【0004】検体中のオステオカルシンを測定する方法
としては、抗ウシオステオカルシン抗体を利用したRI
A(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:2234(1980))、ヒトオ
ステオカルシンのC末端部(37〜49)に対する抗体
を用いる方法(Bone,6:9(1985)、 Calcif.Tissue Int.,
39:310(1986))、ウシとヒトのオステオカルシンの共通
アミノ酸配列を利用し、2種類の抗ウシオステオカルシ
ンモノクロ−ナル抗体を用いたサンドイッチ法(J.Immu
nol.Meth.94:19(1986)、特開昭62−318564号、
特開昭63ー209596号、特開平1ー160493
号)などが報告されている。
【0005】検体中のオステオカルシンの存在形態は一
様ではなく、活性なオステオカルシン、1〜3個のGl
a残基が脱カルボキシル化されたオステオカルシン、プ
ロテアーゼなどにより分解された種々のオステオカルシ
ンフラグメントなど、様々な形態で存在することが明ら
かになっている(J.Clin.Invest.77:1762(1986))。し
かしながら上述の従来法は、使用する抗体の特異性など
から判断して、活性なオステオカルシン、脱カルボキシ
ル化オステオカルシン、分解されたオステオカルシンフ
ラグメントなどの各々を区別して測定することができな
いという欠点を有し、必ずしも満足できる方法ではなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来法の欠
点を克服するため、ヒトオステオカルシンのN端部(1
〜20)およびC端部(36〜49)のアミノ酸配列に
対する二種類のモノクロ−ナル抗体を用いて分解されて
いないインタクトオステオカルシンのみを特異的に測定
する方法(WO90/09587)、Gla残基を含む
オステオカルシンに特異的なモノクローナル抗体を使用
してGla残基を含むオステオカルシンのみを特異的に
測定する方法(特開平2ー242696号公報)などの
改良法も報告されている。
【0007】しかしながら、このような改良法であって
も依然としてGla残基を含むオステオカルシンと脱カ
ルボキシル化されたオステオカルシンとを区別して測定
できなかったり、Gla残基を含むオステオカルシンに
特異的なモノクローナル抗体の調製が極めて困難である
などの種々の問題を有し、誰でも簡単に実施できるよう
な満足しうる方法には必ずしもなり得なかった。従っ
て、本発明の目的は、極めて簡便な方法にてオステオカ
ルシンに代表されるGla残基を含有するタンパク質を
特異的に測定する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】BGPはカルシウムイオ
ン(Caイオン)と結合することが知られており、BG
PとCaイオンとの結合にはGla残基が必要であるこ
とがPrice らによって報告されている(J.Biol.Chem.25
4,431-436,1979)。本発明者は、上記知見を基に、Gl
a残基を含有するタンパク質の特異的な測定法について
種々検討した結果、Gla残基を有するBGP、Caイ
オン及びリン酸イオンとを混合するとBGPはCaイオ
ンと結合したままリン酸カルシウムの沈澱に取り込ま
れ、一方、Gla残基を有しないBGPはリン酸カルシ
ウムの沈澱に取り込まれることはないことを見いだし
た。さらに、標識した抗BGP抗体を反応させることに
よりリン酸カルシウムの沈澱の標識量を測定することが
でき、もってGla残基を有するBGPのみを特異的に
測定することが可能であることを見いだし、本発明を完
成させた。
【0009】従って、本発明は、下記の工程からなるG
la残基を含有するタンパク質の測定法に関するもので
ある。 (1)Gla残基を含有するタンパク質を含むもしくは
そのことが疑われるサンプルに、Gla酸残基を含有す
るタンパク質に対する標識化抗体、カルシウム、および
リン酸とを添加、反応させる工程 (2)反応液を可溶相と不溶相とに分離する工程 (3)不溶相中の標識量を測定する工程 また、本発明は、下記の試薬から構成される、Gla残
基を含有するタンパク質の測定するために使用するキッ
トに関するものである。 (1)Gla残基を含有するタンパク質に対する標識化
抗体 (2)カルシウム (3)リン酸
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明に
おいて測定目的とするタンパク質はGla残基を含有す
るものであり、その種類は特に限定されない。具体的に
は、プロスロンビン、オステオカルシン、マトリクス・
グラ・プロテインなどを例示することができる。なお、
以下の説明においては、しばしばオステオカルシンを例
に挙げ説明するが、オステオカルシンと他のGla残基
を含有するタンパク質とが容易置換物であることからし
て本発明がオステオカルシンに限定されるものではない
ことは本発明の骨子からして明らかである。
【0011】本発明の測定法に供するサンプルは、Gl
a残基を含有するタンパク質を含有するものであれば特
に限定されず、たとえば、血液、血清、随液、尿、体液
などが例示される。サンプルは、必要により希釈または
濃縮して測定に使用する。本発明の測定法に使用する抗
体は、Gla残基を含有するタンパク質もしくはGla
残基がGlu残基に置換されたタンパク質中の一部のア
ミノ酸配列に特異的に結合するものであれば特に限定さ
れない。たとえば、オステオカルシンの末端部(C末、
N末)、中央部などの任意の箇所に特異的なものであれ
ばよい。このような抗体は、たとえば、Proc. Natl. Ac
ad. Sci.,77,2234-2238(1980)、Proc. Natl. Acad. Sc
i.,81,2868-2872(1984)、Bone,6,9-13(1985)、Ann.Bio
l.Clin.,43,755-766(1985)、特開昭63ー209596
号、特開平1ー160493号、WO90/0958
7、特開平3ー75564号などの文献に記載の方法に
より調製することができる。
【0012】抗体の標識化は常法によって行うこうとが
できる。すなわち、使用する抗体は抗体そのものであっ
てもよいが、非特異的な吸着を防止する意味から抗体の
活性フラグメントを使用するのが好ましい。抗体の活性
フラグメントは、抗体の特徴を保持するもの〔たとえ
ば、F(ab’)2、 Fab’、Fabなどの各種フラ
グメント〕であればいずれのものであってもよい。これ
ら活性フラグメントの調製は、精製抗体をパパイン、ペ
プシン、トリプシンなどのプロテアーゼを用いて限定分
解する方法など公知の方法を適用して行うことができる
(たとえば「免疫生化学研究法(続生化学実験講座
5)」、日本生化学会編、89頁(1986年)参
照)。
【0013】抗体に結合させる標識剤としては、放射性
同位体(たとえば32P、3H、 14C、125Iなど )、酵
素(たとえばβ−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸
デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダー
ゼ、乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、モノ
アミンオキシダーゼなど)、補酵素・補欠分子族(たと
えば、FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘムな
ど)、フルオレセイン誘導体(たとえば、フルオレセイ
ンイソチオシアネート、フルオレセインチオフルバミル
など)、ローダミン誘導体(たとえば、テトラメチルロ
ーダミンBイソチオシアネートなど)、ウムベリフェロ
ンおよび1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸など
の蛍光色素、ルミノ−ル誘導体(たとえば、ルミノー
ル、イソルミノール、N−(6−アミノヘキシル)−N
−エチルイソルミノールなど)などを用いることができ
る。抗体またはその活性フラグメントと標識剤との結合
は、成書〔たとえば、「続生化学実験講座5免疫生化学
研究法」(株)東京化学同人、(1986年発行)第1
02〜112頁〕に記載されているような公知の方法か
ら適宜選択して実施すればよい。
【0014】本発明で使用するカルシウムとしては、水
性の反応液中でカルシウムイオン(Caイオン)を放出
することのできる水溶性のカルシウム化合物であれば特
に限定されない。具体的には、ハロゲン化物、硝酸塩、
酢酸塩などを例示することができる。カルシウムの反応
系での濃度は、0.1〜1000mM、好ましくは1〜
500mM、さらに好ましくは1〜300mMである。
また、リン酸としては、水性の反応液中でリン酸イオン
(Pイオン)を放出することのできるものであれば特に
限定されない。具体的には、オルトリン酸及び水溶性の
リン酸塩を例示することができる。リン酸の反応系での
濃度は、0.1〜1000mM、好ましくは1〜500
mM,さらに好ましくは1〜300mMである。カルシ
ウム及びリン酸の各濃度の最適の組み合わせは、小規模
試験により決定することができ、例えば、オステオカル
シンを反応系に添加(例えば、100ng/ml程度)
した時のB/Tとそれを添加しない時のB/Tの差が1
0%以上、好ましくは15%以上になるようにカルシウ
ムとリン酸の使用量を適宜決定すれば良い。なお、本発
明においては、リン酸を反応時の緩衝液(例えば、リン
酸緩衝液など)として併用してもかまわない。
【0015】本発明の測定法における第1工程は、Gl
a残基を含有するタンパク質を含むもしくはそのことが
疑われるサンプルに、Gla酸残基を含有するタンパク
質に対する標識化抗体、カルシウム、およびリン酸とを
添加、反応させる工程である。反応は、上記各試薬を適
当な緩衝液中でpH5〜10、好ましくは6〜9、温度
0〜50℃、好ましくは0〜10℃の条件下で1〜50
時間程度反応させることにより実施することができる。
また、反応中の非特異的吸着を抑制する目的で、ウシ血
清アルブミン、ウシ血清グロブリン、ヒト血清アルブミ
ン、ウサギ血清アルブミン等の動物血液由来のタンパク
質、ゼラチンなどの免疫測定においてブロッキング剤と
して常用されているものを0.1〜10%(W/V)程
度反応液中に添加してもかまわない。さらに、Gla残
基を含有するタンパク質のリン酸カルシウムの沈澱への
取り込みを加速、安定化させるために塩化ナトリウム、
塩化カリウム等の各種塩化物を0.01〜1M程度反応
液中に添加してもよい。
【0016】本発明の第2工程は、反応液を可溶相と不
溶相とに分離する工程である。分離方法としては、遠心
分離、膜処理、デカンテーションなどの通常の固液分離
手段を採用することができる。分離条件も溶液相と不溶
相とを分離できる条件であればよく、たとえば分離方法
として遠心分離を採用した場合、1000〜5000r
pmで1〜30分間程度遠心させる条件内から適宜選択
することができる。なお、第2工程は、第1工程と同じ
温度条件下で行うのが好ましい。
【0017】本発明の第3工程は、不溶相中の標識量を
測定する工程である。標識量の測定は、採用した標識物
質に応じて公知の方法を採用すればよい。たとえば、標
識物質として放射性同位体を使用した場合、ガンマーカ
ンター、液体シンチレーションカウンターなどを用いて
不溶相中の標識量を測定すればよい。また、第3工程を
行う前に第2工程で得られた不溶相を適当な洗浄液で洗
浄後、第2工程を再度繰り返し行うことにより、より再
現性の高いデータを得ることができる。なお、この際に
使用する洗浄液としては、前記濃度範囲のカルシウムと
リン酸を含有するものを使用するのが好ましい。
【0018】上記測定法に使用するキットとしては、本
発明の測定法を実施しうるものであれば特定されるもの
ではないが、たとえば下記の試薬から構成されるものが
例示される。 (1)Gla残基を含有するタンパク質に対する標識化
抗体 (2)カルシウム (3)リン酸 上記キットにおいて、標識剤、抗体、カルシウム、リン
酸は前記説明した通りであり、これをキットに添付でき
るような形態に常法により適宜変更すればよい。
【0019】
【発明の効果】本発明方法は、従来法に比較してより簡
便な方法によりGla残基を含有するタンパク質を特異
的に測定することができる。
【0020】
【実施例】以下、オステオカルシンを例に挙げ、本発明
を具体的に説明する。 実施例1 1)BGPの精製 Price らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 73, 14
47, 1976)によりウシの組織からBGPを抽出、精製し
た。また、BGPのGla残基の decarboxylation は
Priceらの方法(J. Biol. Chem. 254, 431-436, 1979)
により行った。 2)モノクローナル抗オステオカルシン抗体の作製 ヒト・オステオカルシンのC端末部から15アミノ酸残
基に相当する合成ペプチド( NH2−YLYQWLGA
PVPYPDP−COOH)とウシ血清アルブミン(B
SA)を用い、通常のマレイミド法〔日本免疫実験操作
法XI(日本免疫学会、昭和57年発行)第3529〜
3534頁)〕にて該合成ペプチドとBSAの複合体を
調製した。
【0021】この複合体10〜100μgをフロイント
完全アジュバントとともにBALB/cマウス(雌、6
週齢)の腹腔内に投与後、2〜4週間間隔で同様に追加
免疫を行った。適当な時期に採血して抗体価を測定し、
抗体価が充分に上昇していることを確認した後、5〜5
0μgの上記複合体を静脈内投与した。静脈内投与3日
後にマウスの脾臓を摘出し、RPMI1640培地で洗
浄した。 一方、マウスミエローマP3X63Ag8
U.1(P31)(ATCC CRL−1597)をR
PMI1640培地で洗浄し、上記脾細胞とP31を1
0:1で混合した後、遠心分離して得たペレットに50
%ポリエチレングリコール(PEG)1000含有RP
MI1640培地1mlを徐々に加えて細胞融合を行っ
た。さらに、RPMI1640培地を加えて10mlと
し、遠心分離して得たペレットを10%ウシ胎児血清
(FCS)含有RPMI1640培地にP31として3
×104 個/0.1mlとなるように懸濁させ、この懸
濁液を96ウェルマイクロプレート(塩化ポリビニール
製)に各ウェル0.1mlずつ分注した。
【0022】1日後、HAT培地を0.1ml添加し、
その後3〜4日ごとに培地の半分量を新しいHAT培地
で交換した。融合から7〜14日目に培養上清を採取
し、上記合成ペプチドに対するモノクローナル抗体を酵
素免疫測定法によりスクリーニングした。すなわち、合
成ペプチドをコートし、3%ゼラチンでブロッキング処
理を施した96ウェルマイクロプレートに培養上清50
μl添加後、ビオチン化ウマ抗マウスIgG(ベクター
社製)溶液50μlを加えて室温で1時間反応させた。
反応後、PBSで3回洗浄し、アビジンD−ペルオキシ
ダーゼ(ベクター社製)溶液50μlを加えて室温で3
0分反応させた。PBSで3回洗浄後、基質溶液[4−
アミノアンチピリン(0.25mg/ml)、フェノー
ル(0.25mg/ml)、0.425M過酸化水素含
有]200μlを加え、室温で反応させた後、96ウェ
ルマイクロプレートフォトメーターを用いて各ウェルの
550nmにおける吸光度を測定し、合成ペプチドに特
異的に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマを選別した。
【0023】このようにして選別した各ハイブリドーマ
は限界希釈法によりクローニングし、上記合成ペプチド
に対する抗体を産生するハイブリドーマ8株(1C9、
2D6、2H1、5C6、6A5、8B7、8A8、1
0E1)を樹立した。樹立したハイブリドーマの培養上
清を、合成ペプチドをコートし、3%ゼラチンでブロッ
キング処理を施してある96ウェルマイクロプレートに
添加後、MonoAb−ID EIAキット(Zyme
d社製)を用いて各々のモノクローナル抗体のアイソタ
イプを調べた。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】次に、樹立した各ハイブリドーマを培養し
て細胞を増加させ、あらかじめプリスタンを腹腔内に投
与して1ヶ月位たったマウスの腹腔内へ1匹当り1〜5
×106 細胞を投与した。10〜20日後マウス1匹
当り約10mlの腹水を採取した。得られた腹水を3M
NaCl含有1.5Mグリシン緩衝液(pH8.9)
と1:1で混合し、プロテインA−セファロースCL−
4B(ファルマシア製)を充填したカラムに添加し、同
緩衝液で洗浄後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0
〜4.0)にて溶出後、PBSに透析することにより精
製抗体を得た。
【0026】3)標識化抗体([125I]化抗体)の作
製 2D6のハイブリドーマから得られる抗体(2D6抗
体)をクロラミンT法により沃素化した。すなわち、2
D6抗体40μl(50μg)に[125 I]Na14.
8Mbq加えて混合し、クロラミンT20μl(3mg
/ml)加え、15秒間混合後、直ちにピロ亜硫酸ナト
リウム40μl(5mg/ml)およびヨウ化カリウム
20μl(10mg/ml)を加えてさらに混合した。
混合後、セファデックスG−25(10×50mm)カ
ラムに反応液をアプライして未反応[ 125I]Naと
125I]化抗体を分離し、[125I]化抗体の濃度が7
0,000cpm/100μlになるように0.3M
KCl、0.05%アジ化ナトリウムおよび1%BSA
含有0.05Mリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて希
釈し、これをアッセイ用標識抗体として用いた。
【0027】4)試薬及び測定手順 試薬; BGPまたは脱カルボキシル化BGP溶液〔1%BS
A、0.3M KCl及び0.05%アジ化ナトリウム
含有50mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて0−
100ng/mlの濃度に調製したもの〕 ……各0.
1ml125 I標識化抗BGPモノクローナル抗体(2D6)
溶液 …… 0.1ml カルシウム溶液〔20mM CaCl2, 0.3M
KCl及び0.05%アジ化ナトリウム含有(pH7.
4)〕 …… 0.1ml リン酸溶液〔5%BSA,0.3M KCl及び0.
05%アジ化ナトリウム含有50mMリン酸緩衝液(p
H7.4)〕 …… 0.1ml
【0028】測定手順; (1)〜の溶液を混合し、4℃で一晩反応させる。 (2)4℃で3000rpm、5分間遠心する。 (3)上清を除去後、洗浄液〔2.5mM CaCl2
0.3M KCl及び0.05%アジ化ナトリウム含有
25mMリン酸緩衝液(pH7.4)〕を加える。 (4)4℃で3000rpm、5分間遠心する。 (5)上清を除去後、放射活性を測定する。 5)測定結果 図1に示すように、本発明方法ではGla残基を有する
BGPのみ特異的に測定できることが確認された。
【0029】実施例2 実施例1で使用した試薬を応用して下記の試薬を構成成
分とするキットを調製した。このキットは実施例1と同
じ測定手順にてサンプル中のBGPを測定することがで
きる。なお、下記キットにおいては本発明キットの必須
成分であるリン酸は緩衝液の形で使用されている。 試薬A(標準抗原);1%BSA、0.3M KCl、
及び0.05%アジ化ナトリウム含有50mMリン酸緩
衝液(pH7.4)を用いてBGPを0−100ng/
mlの濃度に調製したもの 試薬B(標識化抗体);125I標識化抗BGPモノクロ
ーナル抗体(2D6)溶液 試薬C(カルシウム);20mM CaCl2, 0.3
M KCl及び0.05%アジ化ナトリウム含有50m
Mリン酸緩衝液(pH7.4) 試薬D(リン酸溶液);5%BSA,0.3M KCl
及び0.05%アジ化ナトリウム含有50mMリン酸緩
衝液(pH7.4) 試薬E(洗浄液);2.5mM CaCl2, 0.3M
KCl及び0.05%アジ化ナトリウム含有25mM
リン酸緩衝液(pH7.4)
【0030】実施例3 実施例1に記載した測定系において、反応系でのリン酸
の最終濃度を37.5〜262.5mMまで、カルシウ
ムの最終濃度を5〜125mMまでそれぞれ変化させ、
2種類の濃度のBGP溶液(0ng/ml及び100m
g/ml)を用いてそれぞれのB/Tを測定した。その
結果、図2に示されているように、リン酸及びカルシウ
ムの各濃度が増加するに従い、バックグラウンド(0n
g/mlのBGP溶液を用いたときのB/T)が高くな
る傾向を示した。また、BGPを感度よく測定するため
には、2種類の濃度のBGP溶液(0ng/ml及び1
00mg/ml)を用いて測定した時のそれぞれのB/
Tの差が大きいことが重要であり、その点からカルシウ
ムは1〜50mM、リン酸は1〜260mMで用いるの
が好都合であることが確認された。
【0031】実施例4 2%FCS含有MEM培地を用いてヒトPG3145細
胞(4x104 個/ウエル)を培養し、6日後に下記の
薬物を添加し、さらに4日間培養して得られた培養上清
をサンプルとした。 (サンプルごとの添加薬物) Gla型BGPコントロール:無添加 Gla型BGPサンプル:1,25(OH)2ビタミン
3 10nM Glu型BGPコントロール:ワーファリン 1μg/
ml Glu型BGPサンプル:1,25(OH)2ビタミン
3 10nM 及びワーファリン 1μg/ml
【0032】それぞれのサンプルを実施例1の方法とB
GPキット「ヤマサ」を用いて測定する2種類の方法で
定量した。実施例1の方法で測定した値をGla型BG
P量とし、BGPキット「ヤマサ」を用いて測定した値
をトータルBGP量とした。その結果を表2に示す。表
2から明らかなように、本発明方法がGla型BGPを
特異的に測定できることが確認された。
【0033】
【表2】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法によるBGPおよび脱カル
ボキシ化BGPの測定結果を示したものである。
【図2】図2は、本発明方法におけるリン酸とカルシウ
ムの各濃度の測定上の影響を検討した結果を示したもの
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程からなるγ−カルボキシグル
    タミン酸残基を含有するタンパク質の測定法。 (1)γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタン
    パク質を含むもしくはそのことが疑われるサンプルに、
    γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタンパク質
    に対する標識化抗体、カルシウム、およびリン酸とを添
    加、反応させる工程 (2)反応液を可溶相と不溶相とに分離する工程 (3)不溶相中の標識量を測定する工程
  2. 【請求項2】 γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有
    するタンパク質がオステオカルシンである、請求項1記
    載の測定法。
  3. 【請求項3】 リン酸が緩衝液の形態である、請求項1
    記載の測定法。
  4. 【請求項4】 下記の試薬から構成される、γ−カルボ
    キシグルタミン酸残基を含有するタンパク質の測定する
    ために使用するキット。 (1)γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有するタン
    パク質に対する標識化抗体 (2)カルシウム (3)リン酸
  5. 【請求項5】 γ−カルボキシグルタミン酸残基を含有
    するタンパク質がオステオカルシンである、請求項4記
    載のキット。
  6. 【請求項6】 リン酸が緩衝液の形態である、請求項4
    記載のキット。
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