JPH071397Y2 - 屋根瓦,タイル等の表面部材を用いた建造物用固定部材 - Google Patents

屋根瓦,タイル等の表面部材を用いた建造物用固定部材

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JPH071397Y2
JPH071397Y2 JP1988045733U JP4573388U JPH071397Y2 JP H071397 Y2 JPH071397 Y2 JP H071397Y2 JP 1988045733 U JP1988045733 U JP 1988045733U JP 4573388 U JP4573388 U JP 4573388U JP H071397 Y2 JPH071397 Y2 JP H071397Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は各種建築物において汎用的に用いられる屋根
瓦,タイル等の表面部材を用いた固定部材に関するもの
である。
〔従来の技術〕 従来、家屋の屋根板や屋根瓦等を補修する際における屋
根上での補修作業の安全性は殆ど無視或いは考慮外にお
かれている。そのため、作業者の落下事故が頻発し、極
めて危険な状態での補修作業を強いられているのが現状
である。また、特に地震災害の発生の際、家屋内におい
ても家具等の転倒を防止するための配慮も未だ不完全で
あり、僅かに壁,柱等にフックやリベットを打ち込んで
家具を固定する方法が採られているにすぎない。
従って、一般住宅或いは各種の施設などにおいて、建築
時に屋根,外壁,内壁等にフック等の係止部材を予め取
り付けておけば、各種補修工事における安全性,家具転
倒防止等の利点が得られ、また、屋根,外壁,内壁等に
前記フック等の係止部材を格子状に取り付けておけば、
それらの細分化による補修の簡略化等が可能となる。
本考案者は、以上の観点から、先に昭和62年5月23日付
特開昭62−112843号公報にて、新規な建造物用固定部材
を提案した。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような建造物用固定部材を屋根瓦,
タイル等の表面部材に適用する場合において、これらに
通しボルトを貫通させるための穴をあけたり、係止部材
自体を取り付けることが、これらの表面部材が割れやす
い等の点から、容易には行なうことができなかった。
本考案は、以上の点に鑑み、屋根瓦,タイル等の表面部
材の場合にも、フック等の係止部材を非常に簡単に取り
付け得るようにした汎用性を有する屋根瓦,タイル等の
表面部材を用いた建造物用固定部材を提供することを目
的としている。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
上記目的には、柱,棟木,垂木,梁等の基礎部材に固定
して植立された通しボルトと、上記基礎部材の表面に配
置された野地板の上記通しボルトが貫通する領域で該通
しボルトに螺合された固定ナットにより該野地板に圧着
される第1のパッキンと、表面から上方へ向かって延び
ていて且つ上記通しボルトが貫通せしめられる筒状部を
備えており、上記第1のパッキンの上に配置された屋根
瓦,タイル等の表面部材と、上記通しボルトに螺合され
た押さえナットにより上記表面部材の少なくとも筒状部
を覆ってその上面に圧着される第2のパッキンと、を具
備し、好ましくは上記第2のパッキンと押さえナットと
の間に、第2のパッキンの上面全体を実質的に覆う形状
を有する座金が介挿され、表面部材の筒状部の内面と通
しボルトの間に、上端が上記第2のパッキンの下面内側
に当接し、且つ下端が上記第1のパッキンの表面に当接
する筒状の第3のパッキンが備えられている建造物用固
定部材によって達成される。
この考案によれば、屋根瓦,タイル等の表面部材に前以
て通しボルトを貫通させるための穴が設けられ且つ該通
しボルトを貫通させる際にガイドとなる筒状部が備えら
れているので、非常に簡単な作業により、本建造物用固
定部材が屋根,壁部等に取り付けられ得ることになり、
従って通しボルトの頭部にロープ等を通して結ぶことに
より、例えば屋根の補修工事の際の命綱の固定,TVアン
テン等のステーの固定,太陽温水器等の各種機器や水道
管の固定,或いは園芸用のプランターや各種の情報表示
装置等の構築、外壁への足場の固定,アンカーやネット
の取付けによる家屋の補強などが容易に行なわれる。
〔実施例〕
以下、図面に示した一実施例に基づき本考案を詳細に説
明する。
第1図は本考案による建造物用固定部材の一実施例を示
している。
本固定部材10は1本の通しボルト11を有しており、この
通しボルト11は、下端部が野地板12上に葺かれた後述す
る穴付きの屋根瓦13及び該野地板12を貫通して柱,棟
木,垂木,梁等の基礎部材Pの裏面に配置した裏板部材
14まで達し、該下端部で固定ナット15を介して該基礎部
材Pの表面に固定して植立されている。そして、上記野
地板12の通しボルト11が貫通する領域において、この野
地板12の表面に当接して第1のパッキン16が配設され、
固定ナット17にてこの第1のパッキン16を締付け固定し
ている。また、該第1のパッキン16を挟んで野地板12上
に載置された屋根瓦13の円筒状部13aを覆って、第2の
パッキン18が上記通しボルト11に嵌合して配設され、そ
の上方から押さえナット19が通しボルト11に螺合されて
締付け固定されている。
従って、通しボルト11は、下方から順に裏板部材14,柱
材P,野地板12,第1のパッキン16,屋根瓦13,第2のパッ
キン18を貫通しており、下方から固定ナット15が該通し
ボルト11に螺合され締め付けられることにより、上記裏
板部材14,柱体P,野地板12に対して押圧して確固に挟持
し、また中央部において固定ナット17が通しボルトに螺
合され締め付けられることにより、第1のパッキン16を
介して野地板12に対して確固に固定させ、さらに上方か
ら押さえナット19が該通しボルト11に螺合され締め付け
られることにより、上記野地板12に対して第2のパッキ
ン18及び屋根瓦13を確固に固定させるようになってい
る。
ここで、本固定部材に用いられる表面部材について説明
する。表面部材、即ち屋根瓦13(又はタイル等)には、
前以て通しボルト11を貫通させるための穴13a及び該通
しボルト11の貫通をガイドするための筒状部、この場合
円筒部13bが備えられている。瓦材としては、粘土,セ
メント,金属,ガラス,合成樹脂又はこれらの繊維入り
等公知の成形品が適用できる。筒状部は、円筒形に限ら
ず楕円形,角形等何れの形状であってもよく、肉厚及び
筒高も強度と通しボルト11の取付けに支障のない限り任
意に成形し得る。
また第2のパッキン18は、上記屋根瓦13の円筒部13bの
形状に対応して、該円筒部13bの上面及び側面に係合す
るように上端の板状部18a及び該板状部18aの周縁から下
方に延びる円筒部18bにより形成されている。さらに、
屋根瓦13の円筒部13bと通しボルト11の間には、円筒状
の第3のパッキン20が挿入されており、その上端は上記
第2のパッキン18の板状部18aの内面に当接し、またそ
の下端は固定ナット17を覆って第1のパッキン16の上面
に当接している。この第3のパッキン20には、通しボル
ト11へかかる荷重や衝撃が直接伝達されるため、その荷
重を充分に吸収し得る厚みと材質のものを選択する。た
とえば、外側を硬質に且つ内側を柔軟にした複合材料や
ハニカム構造としたゴム材等が適宜用いられ得る。
さらに、第1のパッキン16の上面には上記円筒状の第3
のパッキン20の下端を受容するための凹陥部16aが設け
られている。
本考案の屋根瓦,タイル等の表面部材を用いた建造物用
固定部材は以上のように構成されており、その取付けに
際しては、先ず通しボルト11を野地板12,柱体Pなど基
礎部材及び必要により裏板部材14に対して適宜の手段、
例えば固定ナット15にて固定することにより植立させ
る。
次に、通しボルト11に第1のパッキン16を螺合して野地
板12上に当接したうえで固定ナット17を螺合して野地板
12に対して該第1のパッキン16を締付け固定する。続い
て、この固定ナット17を覆って通しボルト11に円筒状の
第3のパッキン20を嵌挿させ、これを屋根瓦13の円筒部
13b内に挿入し、該屋根瓦13の円筒部13bに上方から第2
のパッキン18を被せ、最後に押さえナット19を通しボル
ト11に螺合させ締め付けることにより、屋根瓦13を第1
のパッキン16を介して野地板12に対して固定する。これ
により、屋根瓦13を介して基礎部材に通しボルト11が取
り付けられることになる。ここで、野地板12は貫通する
通しボルト1にかかる負荷に充分耐え得る強度のものが
使用されるものとする。なお、第3のパッキン20を使用
しない場合は、固定ナット17で第1のパッキン16を締め
つけ固定した後、屋根瓦13の円筒部13bに上方から第2
のパッキン18を被せ、押さえナット19を通しボルト11に
螺合させ、締めつけ固定することになる。
かくして、屋根瓦13に通しボルト11を貫通させた場合
に、第2のパッキン18の板状部18aが屋根瓦13の円筒部1
3bの上面に当接し、また該第2のパッキン18の円筒部18
bが屋根瓦13の円筒部13bの側面に当接すると共に、円筒
状の第3のパッキン20の上端及び下端がそれぞれ第2の
パッキン18の板状部18aの内面及び第1のパッキン16の
上面に設けられた凹陥部16a内に嵌合することによっ
て、雨水等が屋根瓦13の円筒部13bを通って内部に進入
するようなことはない。
上述のように、例えば第3のパッキン20を用いないで押
さえナット19で締めつける場合には、第2のパッキン18
が撓み隙間ができ、その隙間から雨水が進入することが
あり、気密性の点で不都合がある。そこで本建造物用固
定部材では、第2のパッキン18の他に第3のパッキン20
を設けて、押さえボルト19で締めつけ固定したことによ
り、気密性を高めることが可能になる。
さらに、この建築物用固定部材では、第3のパッキン20
を第1のパッキン16の凹陥部16aの高さだけ弾性的に余
裕を持たせてあるので、第1のパッキン16と第2のパッ
キン18に挟まれた屋根瓦13を押さえナット19で締めつけ
固定するときに生じる力により、屋根瓦13の円筒部13b
が破壊することなく第1のパッキン16と第2のパッキン
18間で密着して固定できるようになる。
そのため、この建築物用固定部材では、第1図に示す屋
根瓦13の円筒部13bのように割れやすい部材であって
も、きわめて強固に挟みこんで固定することができるよ
うになる。
従って、通しボルト11の頭部は各種補修工事のための足
場の外壁への固定,家屋の補強等に役立つと共に、屋根
の補修工事の際の命綱の固定,TVアンテナ等のステーの
固定,太陽温水器等の各種機器の固定等に役立つ。
第2図は本考案による他の実施例を示すものである。こ
の例では、屋根瓦13が偏心した比較的大きな長方形の断
面の穴13a′を有する筒状部13b′を備えていて、該筒状
部13b′の形状に対応して、第1のパッキン16,第2のパ
ッキン18も実質的に長方形の断面形状を有し、また屋根
瓦13の筒状部13b′と通しボルト11との間に挿入される
パッキンも、ほぼ長方形の断面を有するパッキン20′と
して形成されている。さらに、第2のパッキン18と押さ
えナット19との間には、下面が第2のパッキン18の上端
面の形状に対応して形成されている座金21が介挿されて
おり、押さえナット19の締付け力が第2のパッキン18の
上端面全体に均一に加えられるようになっている。した
がって、本建造物用固定部材の変形例によれば、気密性
が向上するとともに耐荷重性を強化することが可能にな
る。また、座金21,第2のパッキン18及び第3のパッキ
ン20′が嵌挿される通しボルト11の外周面には、これら
の挿入を容易ならしめるために、内側に雌ネジが形成さ
れた円筒状のパイプ22が螺合されている。
尚、座金21は、通しボルト11にかかる荷重を吸収し得る
よう、第2のパッキン18と同様にゴム材等の弾性材料に
て形成されるのが好ましい。
その他の構成及び作用は、第1図の実施例と同様である
から、その説明は省略する。
本考案の固定部材は、たとえば、これを屋根瓦上に適当
な間隔に複数本植立することによって、多くの応用が可
能となる。即ち、本固定部材を格子状に多数組みつけ、
これにロープ等を掛け渡してガイドレールとしたり、或
いは階段,ネット,廊下等を取りつけてプランター,水
道,スプリンクラー,棚,又は各種の情報表示装置等を
組み付けることにより、家屋の屋根を利用して、園芸,
絵画,彫刻,情報システム等種々の活用がなし得る。
尚、上述した実施例において、屋根瓦13の筒状部13b,13
b′と通しボルト11との間にはパッキン20,20′が挿入さ
れているが、防水性及び耐荷重性の要求があまり強くな
い場合には、省略することもできる。
また、屋根瓦13の筒状部13b,13b′は上述した実施例に
おいては、何れも屋根瓦13から垂直に上方に延びている
が、例えば第3図に示すように、屋根の勾配にあわせて
鉛直方向に配置されるように、屋根瓦13から斜め上方に
延びるように形成してもよい。
〔考案の効果〕
以上述べたように本考案によれば、柱,棟木,垂木,梁
等の基礎部材に固定して植立された通しボルトと、上記
基礎部材の表面に配置された野地板の上記通しボルトが
貫通する領域で該通しボルトに螺合された固定ナットに
より該野地板に圧着される第1のパッキンと、表面から
上方へ向かって延びていて且つ上記通しボルトが貫通せ
しめられる筒状部を備えており、上記第1のパッキンの
上に配置された屋根瓦,タイル等の表面部材と、上記通
しボルトに螺合された押さえナットにより上記表面部材
の少なくとも筒状部を覆ってその上面に圧着される第2
のパッキンとを具備し、好ましくは上記第2のパッキン
と押さえナットとの間に該第2のパッキンの上面全体を
実質的に覆う形状を有する座金が介挿され、表面部材の
筒状部の内面と通しボルトの間に、上端が上記第2のパ
ッキンの下面内側に当接し、且つ下端が上記第1のパッ
キンの表面に当接する筒状の第3のパッキンが備えられ
ているように建造物用固定部材を構成したから、屋根
瓦,タイル等の表面部材に前以て通しボルトを貫通させ
るための穴が設けられ且つ該通しボルトを貫通させる際
にガイドとなる筒状部が備えられているので、非常に簡
単な作業により、本建造物用固定部材が屋根,壁部等に
取り付けられ得ることになる。
また、表面部材はパッキンを介して液密的に通しボルト
と固定されているから、雨水などによる漏水も生じな
い。
従って、通しボルトの頭部にロープ等を通して結ぶこと
により、例えば屋根の補修工事の際の命綱の固定,TVア
ンテナ等のステーの固定,太陽温水器等の各種機器や水
道管の固定,外壁への足場の固定,アンカーやネットの
取付けによる家屋の補強,家具の転倒防止用金具の固定
や額縁の取付けなどが容易に行なわれる。
かくして、本考案によれば、屋根瓦,タイル等の表面部
材の場合にも、フック等の係止部材が非常に簡単に取り
付けられ得る、汎用性の高い極めて優れた建造物用固定
部材が提供され得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による建造物用固定部材の一実施例を示
す断面図、第2図は本考案による他の実施例を示す断面
図、第3図は屋根瓦の筒状部の他の形成例を示す概略断
面図である。 10…建造物用固定部材;11…通しボルト;12…野地板;13
…屋根瓦,タイル等の表面部材;13a,13a′…穴;13b,13
b′…円筒部;14…裏板部材、15,17…固定ナット;16…第
1のパッキン、18…第2のパッキン;19…押さえナット;
20,20′…円筒状の第3のパッキン;21…座金、22…円筒
状のパイプ;P…基礎部材。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面から上方へ向かって延設されるととも
    に、通しボルトが貫通されている筒状部を有する屋根
    瓦,タイル等の表面部材を、パッキン部材と締結部材と
    を用いて固定する建築物用固定部材において、 上記通しボルトが柱,棟木,垂木,梁等の基礎部材に固
    定して植設され、前記基礎部材の表面に配置された野地
    板の上記通しボルトが貫通する範囲でその通しボルトに
    螺合された固定ナットにより上記野地板に圧着される第
    1のパッキンと、 前記第1のパッキンの上部に当接する表面部材の少なく
    とも筒状部を覆い、かつ、上記通しボルトに螺合された
    押さえナットにより圧着される第2のパッキンと、 上記表面部材の筒状部の内面と上記通しボルトの間に、
    上端が上記第2のパッキンの下面内側に当接し、かつ、
    下側が上記第1のパッキンの表面に当接する筒状の第3
    のパッキンと、 から構成されることを特徴とする屋根瓦,タイル等の表
    面部材を用いた建築物用固定部材。
  2. 【請求項2】前記第2のパッキンと前記押さえナットと
    の間に、前記第2のパッキンの上面の全体を実質的に覆
    う形状から成る座金が介挿されていることを特徴とする
    請求項第1項に記載の屋根瓦,タイル等の表面部材を用
    いた建築物用固定部材。
JP1988045733U 1988-04-06 1988-04-06 屋根瓦,タイル等の表面部材を用いた建造物用固定部材 Expired - Lifetime JPH071397Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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