JPH0713950Y2 - 工作機械の切粉排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、旋盤等の工作機械にて切削加工を行う際に生
じる切粉を排出する装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の工作機械には切粉を排出するための適切な装置が
付いていなかったので、内径加工等を行う時には、生じ
た切粉が遠心力で被加工物の内側に押し付けられること
が多く、この切粉がバイト刃先にかみ込みチッピング及
び加工面のスリ傷等を起こす原因になっていた。また切
粉がチャック用の作動筒内に入って排出されないような
こともあった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案が解決しようとする課題は、従来の工作機械での
加工作業時に発生する切粉に起因する製品の不良等を未
然に防止するための切粉排出装置を提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段） かかる課題を解決した本考案の要旨は、 １）被加工物を把持するチャックとともに回転して同チ
ャックを開閉させる作動筒を備え、バイト先端部へエア
ーを吹出すようにした工作機械において、作動筒の内側
に非回転の内装管を設け、同内装管の先端開口をチャッ
クの後方に配し、しかも同内装管の先端開口に向けて空
気を吹出す切粉圧送用エアー吹出口を工作機械の一部に
設けたことを特徴とする工作機械の切粉排出装置。

２）バイトのシャフト部にエアーパイプを設け、シャフ
ト部後側から同エアーパイプ内へ導入したエアーを同バ
イト刃先付近に吹き出すようにしたことを特徴とする請
求項１記載の工作機械の切粉排出装置 ３）シール溝加工バイトの軸中心付近にエアー穴を貫通
させ、同シール溝加工バイトの後部側から同エアー穴内
へ導入したエアーを同シール溝加工バイト先端の同エア
ー穴の開口部から吹き出すようにしたことを特徴とする
請求項１記載の工作機械の切粉排出装置にある。

（作用） 本考案ではバイト先端部に吹出すエアーによって飛ばさ
れた切粉を作動筒内後方へ押し出すために切粉圧送用エ
アー吹出口を工作機械の一部に設け、更に作動筒内には
加工作業中も回転しない内装管を設けている。バイト刃
先に発生した切粉はエアーで吹き飛ばされ、そのまま作
動筒内の内装管へ圧送され内装管内を通過して排出され
るようになっている。従って、従来のように切粉が遠心
力で被加工物の内側や作動筒の内側に押しつけられて次
々にたまってくるようなことはなくなる。

次に本考案では、バイトのシャフト部に設けたエアーパ
イプ内に導入したエアーをバイトの刃先付近に吹出すこ
とにより切粉の被加工物からの除去をスムーズに行うよ
うにしたものもある。これは内径加工バイト等において
は切粉が遠心力で被加工物の内側にたまりやすいので、
それを防ぐためのものである。

また本考案では、シール溝加工バイトの軸中心付近にエ
アー穴を貫通させ、同エアー穴内へ導入したエアーを同
エアー溝加工バイト先端の開口部から吹出すようにした
ものもある。これはバイト刃先から飛んできた切粉をス
ムーズに作動筒内へと圧送するためのものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は実施例１の一部切欠平面図、第２図は第１図A-
A線における断面図である。

第３図は実施例２の平面図、第４図は同背面図である。

第５図は実施例３の平面図、第６図は同正面図である。

実施例１においては、工作機械の一部に切粉圧送用エア
ー吹出口（１）を設け、作動筒（２）の内側に非回転の
内装管（３）を設けたものである。バイト刃先に発生し
た切粉はエアーで作動筒（２）の内側の内装管内へ圧送
され、内装管内を通過して排出されるようになってい
る。従って、切粉が被加工物（４）の内側や作動筒
（２）の内側にたまるようなことはなくなる。

実施例２においてはバイト（５）のシャフト部（６）に
エアーパイプ（７）を設け、エアーパイプ（７）内へ導
入したエアーをバイト（５）の刃先（８）付近に吹き出
すようになっている。従って、バイト（５）の刃先
（８）で発生した切粉の除去がスムーズに行なわれるこ
とになる。

実施例３においては、シール溝加工バイト（９）の軸中
心付近にエアー穴（10）を貫通させ、エアー穴（10）内
へ導入したエアーをシール溝加工バイト（９）先端のエ
アー穴（10）の開口部（11）から吹き出すようにしたも
のである。これはバイト刃先から飛んできた切粉を作動
筒（２）内の内装管（３）内へスムーズに圧送するため
のものである。

（考案の効果） 本考案により、工作機械での加工作業時に発生する切粉
を排出する装置を提供できるので、切粉のかみ込みによ
るバイト刃先のチッピング及び加工面のスリ傷等を起こ
すことがなくなり、安定した加工ができるようになると
共に、無人化，製品品質の向上につながる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１の一部切欠平面図、第２図は第１図A-
A線における断面図である。 第３図は実施例２の平面図、第４図は同背面図である。 第５図は実施例３の平面図、第６図は同正面図である。 （１）：切粉圧送用エアー吹出口 （２）：作動筒、（３）：内装管 （４）：被加工物、（５）：バイト （６）：シャフト部、（７）：エアーパイプ （８）：刃先、（９）：シール溝加工バイト （10）：エアー穴、（11）：開口部 （12）：チャック

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被加工物を把持するチャックとともに回転
   して同チャックを開閉させる作動筒を備え、バイト先端
   部へエアーを吹出すようにした工作機械において、作動
   筒の内側に非回転の内装管を設け、同内装管の先端開口
   をチャックの後方に配し、しかも同内装管の先端開口に
   向けて空気を吹出す切粉圧送用エアー吹出口を工作機械
   の一部に設けたことを特徴とする工作機械の切粉排出装
   置。
2. 【請求項２】バイトのシャフト部にエアーパイプを設
   け、シャフト部後側から同エアーパイプ内へ導入したエ
   アーを同バイト刃先付近に吹き出すようにしたことを特
   徴とする請求項１記載の工作機械の切粉排出装置。
3. 【請求項３】シール溝加工バイトの軸中心付近にエアー
   穴を貫通させ、同シール溝加工バイトの後部側から同エ
   アー穴内へ導入したエアーを同シール溝加工バイト先端
   の同エアー穴の開口部から吹き出すようにしたことを特
   徴とする請求項１記載の工作機械の切粉排出装置。