JPH0713918U - 枠組壁構法における通気構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 枠組壁構法において、その枠組壁の通気を、
構造用部材に断面欠損を発生させることなく、また、室
内側に露出することのないように形成すること。 【構成】 枠組壁１の垂直部材２の室内側側面２１に
は、スペーサー用合板１１が張りつけられ、この上に、
壁面下地材であるプラスターボード５が張りつけられ
る。これにより、水平部材３の室内側の側面３１とプラ
スターボード５の間に通気用の隙間１２を形成する。こ
の隙間１２に対峙している床面用の構造用合板６の部分
に、床裏に連通する通気用の貫通孔６１を開ける。隙間
１２および貫通孔６１を介して、枠組壁の内側空間１ａ
の通気を取ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般的にツーバイフォー構法と呼ばれている住宅用等の枠組壁構法に おける枠組壁の通気構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

枠組壁構法においては、２インチ×４インチの規格断面の構造用木材を用いて 壁組を構成し、これらの両側面に構造用合板を張りつけて枠組壁を構成している 。この枠組壁においては、その両側に合板が釘等により張り付けられ、さらに、 それらの表面にはブラスターボード等が張りつけられる。したがって、枠組壁の 内側は密閉状態の空間が形成される。密閉状態のまま放置すると、内部に湿気が 溜まり、結露、かびの発生などの好ましくない事態が生ずる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような事態を回避するためには、枠組壁に通気口を開ける必要がある。し かし、構造用木材を切り欠いて、通気口を形成することは、断面欠損による強度 低下等に繋がるので好ましくない。また、合板に通気口を形成すると、室内側に それが露出してしまうので、やはり実用的ではない。

【０００４】 本考案の課題は、この点に鑑みて、構造用木材に断面欠損を発生させることな く、しかも、見栄え上においても好ましい状態で、枠組壁の内側空間の通気を取 ることを可能にした新たな通気構造を提案することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の通気構造を、実施例を示す図１を参照して説明する。本考案において は、規格寸法の構造用木材から構成された枠組壁１における垂直部材２の室内側 の側面２１に、スペーサー用の板部材１１を取付け、これらの板部材１１を挟み 、枠組壁１の室内側の壁面下地板５を張りつけ、当該下地板５と、枠組壁におけ る水平部材３の室内側の側面３１との間に、通気用の隙間１２を形成し、この隙 間１２に対峙している床面構成用の構造用合板６の部分に、通気用の貫通孔６１ を形成した構成を採用している。

【０００６】 この通気構造においては、隙間１２および貫通孔６１を介して、枠組壁の内側 空間１ａと、床下空間あるいは天井裏の空間とが連通する。ここを介して、枠組 壁の内側空間１ａの通気を取ることができる。

【０００７】

【実施例】

以下に、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

【０００８】 以下の実施例は、枠組壁構法による木造住宅に本考案を適用したものである。 図１には木造住宅の１階部分の枠組壁を示してあり、図２および図３には、それ ぞれその縦断面および横断面を示してある。

【０００９】 枠組壁１は、２インチ×４インチ断面の垂直部材２および水平部材３により壁 組が形成され、この壁組の外側には、厚さ９ｍｍの構造用合板４が張りつけられ 、内側には、壁面下地板であるプラスターボード５が張りつけられた構造となっ ている。この枠組壁１は、床面を構成する構造用合板６を介して、２インチ×８ インチの縦長断面の一対の横架材７、８の上に取付けられており、これらの横架 材７、８は、コンクリート製の布基礎９の上面に配置した土台１０の上に取付け られている。

【００１０】 ここで、枠組壁１における各垂直部材２は、その室内側の側面２１に、厚さ９ ｍｍの同一幅の合板１１が張りつけられている。したがって、室内側のプラスタ ーボード５と、構造用水平部材３の室内側の側面３１との間には、９ｍｍ幅の隙 間１２が形成された状態となっている。さらに、床面構成用の構造用合板６にお いて、この隙間１２に対峙している部分には、同一の幅で一定の長さの貫通孔６ １が開けられている。本例では、この貫通孔６１は、垂直部材間のほぼ中央に位 置している。

【００１１】 本例においては、図２から良く分かるように、隙間１２および構造用合板６に 開けた貫通孔６１により、通気用の通路が形成されており、ここを介して、枠組 壁の内側空間１ａの通気を取ることができる。

【００１２】 このように、本例の通気構造によれば、構造用の垂直部材、水平部材に切欠き 等を形成する必要がない。また、室内側の壁面あるい床面に、通気口が露出する こともない。よって、構造上においても、また見栄え上においても優れた通気構 造を実現することができる。

【００１３】 なお、以上に説明においては、１階床の部分を説明したが、１階の天井側の部 分、２階建ての場合には２階床の部分、２階の天井の部分も同様にして、通気口 を形成することができる。また、通気用の貫通孔６１の長さ、個数は、各建物の 設計に応じて適宜設定すべき性質のものである。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案においては、枠組壁を構成している垂直部材の室 内側の側面にスペーサー用の板材を張りつけ、これにより、室内側に張りつけら れる壁面下地板と水平部材の側面との間に通気用の隙間を形成し、この隙間を利 用して、枠組壁の内側空間の通気を取るようにしている。したがって、本考案に よれば、構造上の点においても、また見栄え上の点においても優れた通気構造を 実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である木造住宅の１階部分の
通気構造を示す部分斜視図である。

【図２】図１の通気構造の部分を示す部分縦断面図であ
る。

【図３】図１の通気構造の部分を示す横断面図である。

【符号の説明】

１・・・枠組壁 １ａ・・・枠組壁の内側空間 ２・・・垂直部材 ２１・・・垂直部材の室内側の側面 ３・・・水平部材 ３１・・・水平部材の室内側の側面 ４・・・構造用合板 ５・・・室内側のプラスターボード ６・・・床面用の構造用合板 １１・・・スペーサー用の合板 １２・・・通気用の隙間 ６１・・・通気用の貫通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 規格寸法の構造用木材から構成された枠
   組壁における垂直部材の室内側の側面に、スペーサー用
   の板部材を取付け、これらの板部材を挟み、壁面下地板
   を張りつけ、当該壁面下地板と枠組壁における水平部材
   の室内側の側面との間に、通気用の隙間を形成し、この
   隙間に対峙している床面構成用の構造用合板の部分に、
   通気用の貫通孔を形成したことを特徴とする枠組壁構法
   における通気構造。